JPH0791151B2 - 超電導体薄膜の製造方法 - Google Patents

超電導体薄膜の製造方法

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JPH0791151B2
JPH0791151B2 JP62208641A JP20864187A JPH0791151B2 JP H0791151 B2 JPH0791151 B2 JP H0791151B2 JP 62208641 A JP62208641 A JP 62208641A JP 20864187 A JP20864187 A JP 20864187A JP H0791151 B2 JPH0791151 B2 JP H0791151B2
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常男 三露
秀明 足立
攻 山崎
清孝 和佐
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  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は超電導体薄膜の製造方法に関し、特にスパッタ
リング法による高温超電導体の製造方法に関するもので
ある。
従来の技術 最近、イットリウム(Y)、バリウム(Ba)、及び銅
(Cu)を含む酸化物などのセラミックスが、液体窒素温
度(77゜K)以上の高温で超電導性を示すことが見出さ
れ、注目を集めている。本材料を各種の超電導素子に応
用するには、その薄膜化が強く望まれる。
従来、本材料の薄膜化の方法として、通常のスパッタ法
によるものが知られている。[例えば、ジャパニーズ
ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japane
se Journal of Applied Physics)第26巻、L709−L710
頁]これは、第2図に示すごとし、適当な組成比を有す
るY−Ba−Cu−O系セラミクス9をターゲットとして用
い、これに高周波電源9aより電力を印加して放電を生ぜ
しめ、スパッタ蒸発させて基板4上に薄膜を形成するも
のである。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述のような従来の方法では、各構成元
素の蒸気圧やスパッタ率が大幅に異なるため、ターゲッ
ト表面付近の組成比が経時的に変化し、所望の組成を有
する薄膜を安定に形成することが難しいという問題点が
あった。その結果、得られた薄膜の超電導転移温度や臨
界電流密度が低下するという重大な問題点があった。
問題点を解決するための手段 本発明は上述のような問題点を解決するために、3個以
上のターゲットを有するスパッタ装置を用い、第1のタ
ーゲットをYやランタン系列元素で第2のターゲットを
Ba等のIIa属元素とCuの酸化物で第3のターケットをCu
で構成し、各ターゲットに印加する電力を制御しつつ酸
素を含む雰囲気中でスパッタ蒸着することにより、酸化
物超電導体薄膜を形成するものである。
作用 本発明は上述の手段により、各成分の蒸発量が一定に保
たれ、所望の組成比を有する良好な超電導体薄膜が安定
に得られるという作用にもとづくものである。
実施例 以下、本発明を実施例により説明する。
本実施例ではY−Ba−Cu−O系超電導体の薄膜を製造す
る場合を取り上げる。
第1図は本発明の製造方法の一実施例で用いられるスパ
ッタ装置の構造を示す概略図である。同図で1,2,3はそ
れぞれ独立したターゲットで、各々可変直流電源1a,2a,
3aが接続されている。ここでターゲット1はY,ターゲッ
ト2はBaとCuの酸化物、ターゲット3はCuで構成する。
また4は薄膜を形成すべき基板、5は基板ホルダであ
る。
実際の薄膜形成は次のような手順で行う。まず真空容器
6内に大気を真空排気口7より排気した後、ガス導入口
8により酸素ガスまたは酸素を含むガスを導入し、真空
容器6内の圧力を例えば10-2〜10-3Torr程度になるよう
調節する。上記混合ガスとしては、例えばアルゴンと酸
素を1:1に混合したものなどが好適である。次に各ター
ゲット1,2,3に各可変直流電源1a,2a,3aより負の電圧を
印加し、放電を生じせしめる。放電によって発生したイ
オンは各ターゲットの表面を衝撃し、各構成元素をスパ
ッタ蒸発させ、基板4上に薄膜が形成される。ガス中に
は酸素が含まれているため、酸化物が形成される。この
場合、各ターゲットに印加する電圧(電力)を適切に設
定すると所望の組成比を有する良好な超電導膜が安定に
得られる。
ここでターゲットをBaとCuの酸化物で構成するのは、Ba
が単体では極めて不安定で、スパッタ蒸着の量が一定し
ないためである。また合金等の金属では、空気中で表面
が酸化されるなど、経時変化が激しく均質な膜形成には
不向きである。Ba−Cu等の酸化物を用いると、非常に安
定であり、スパッタ蒸着が安定して行え均質な再現性の
ある膜形成を行ない得ることができる。また、この酸化
物は導電性を示し、直流電流を用いたスパッタにも応用
可能である。たとえばBaCO3とCuOの粉末を混合し900℃
で焼結するとBaCuO2という安定な酸化物が容易に得ら
れ、この酸化物は導電性を示し、直流スパッタのターゲ
ットとして用いると極めて良好な結果が得られる。な
お、超電導薄膜として望ましい組成はY:Ba:Cu=1:2:3程
度であるため、BaCuO2のターゲット2を用いても薄膜中
のCu組成が過剰になることはなく、Cuのみで構成された
ターゲットへの電力を調整することにより、所望の薄膜
を得ることができる。
基板4の材質としては種々のものが使用できるが、線膨
脹係数αが10/℃よりも大きい材質も用いると、形成し
た薄膜に亀裂が入ることがなく、良好な結果が得られ
る。
上述の実施例では、Y−Ba−Cu−O系超電導薄膜を製造
する場合を示したが、この他ターゲットをランタン系列
元素(原子番号57〜71)のうち少なくとも一種、ターゲ
ット2をカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)のう
ち少なくとも一種の元素とCuとの酸化物で構成した場合
も同様に良好な超電導薄膜を安定に得ることができる。
Y−Ba−Cu−O系を含めこれらの酸化物超電導薄膜の超
電導転移温度90゜K前後であった。
また上述の実施例では、直流電源を用いたが、例えば、
13.56MHzの周波数の高周波電源を用いて全く同様の効果
を得ることができる。
発明の効果 以上述べてきたように、本発明によれば、Y−Ba−Cu−
O系などの高温超電導体の薄膜を組成ずれなしに安定に
製造することができる。この結果、良好な薄膜超電導素
子を再現性よく得ることができるなど実用的に極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例で用いられるスパッタ装置の
構造を示す概略図、第2図は従来例のスパッタ装置の構
造を示す概略図である。 1……Yターゲット、2……BaCuO2ターゲット、3……
Cuターゲット、1a,2a,3a……可変直流電源、4……基
板、5……基板ホルダ、6……真空容器、7……真空排
気口、8……ガス導入口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 攻 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 和佐 清孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3個の独立したターゲットを有
    するスパッタ装置を用い、第1のターゲットをA元素
    で、第2のターゲットをB元素と銅(Cu)の酸化物で、
    第3のターゲットを銅でそれぞれ構成し、各ターゲット
    に印加する電力を制御しつつ酸素を含む雰囲気中でスパ
    ッタ蒸着を行うことにより、所望の組成比を有する酸化
    的薄膜を基体上に形成することを特徴とする超電導体薄
    膜の製造方法。ここに、Aはスカンジウム(Sc)、イッ
    トリウム(Y)およびランタン系列元素(原子番号57〜
    71)のうち少なくとも一種、Bはカルシウム(Ca)、ス
    トロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)のうち少なくとも
    一種の元素を示す。
  2. 【請求項2】第2のターゲットを構成するB元素と銅の
    酸化物をBaCuO2とすることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の超電導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】基体を、線膨脹係数α>10/℃の材質で構
    成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の超電導体薄膜の製造方法。
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