JPH079080B2 - メッキ前処理方法 - Google Patents

メッキ前処理方法

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JPH079080B2
JPH079080B2 JP7743291A JP7743291A JPH079080B2 JP H079080 B2 JPH079080 B2 JP H079080B2 JP 7743291 A JP7743291 A JP 7743291A JP 7743291 A JP7743291 A JP 7743291A JP H079080 B2 JPH079080 B2 JP H079080B2
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JP
Japan
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plating
current
pretreatment
electrolytic degreasing
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JP7743291A
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正 中野
政義 森
良磨 手塚
勝久 徳永
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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  • Chemically Coating (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属材料のメッキ前処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の実装に用いられる部品の1つに
リードフレームがある。このリードフレームは素材とし
て鉄系42合金や銅合金の条材を用い、これをプレス成
形し、メッキ前処理し、メッキして製造している。この
ように製造したリードフレームを使用するに際して、メ
ッキ前処理で十分な脱脂や酸化被膜の除去がされなかっ
たり、鏡面仕上げが不十分であると、得られたメッキ層
と素材との耐熱密着性が得られない。
【0003】十分な脱脂や酸化被膜の除去を行うため
に、従来は一般に、メッキ前処理として、素材を加工し
た後、溶剤浸漬した後さらに電解脱脂を行い、さらに塩
酸や硫酸等を用いて酸洗いする等の複数の工程を実施し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の工程
中、電解脱脂で十分な脱脂を行うためには、高電流を用
いざるを得ないが、高電流を用いると、素材表面が荒
れ、鏡面が得られないという固有の欠点がある。
【0005】さらに、前述の工程は、溶剤や酸の液漏
れ、電解脱脂時に発生するミストや、酸洗い時に発生す
るガス発生等による作業環境の悪化を防止する必要があ
り、また廃液の処理が必要とされるなど、付随する複雑
な工程と管理とを必要とする欠点がある。
【0006】したがって、本発明の目的は、前述の複数
の前処理工程を簡略化する、即ち基本的には電解脱脂だ
けで十分な脱脂を得ることができかつ鏡面仕上げを得る
ことができる新規なメッキ前処理方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、メッキ前に素材を前処理する方法にお
いて、該前処理が電解脱脂工程を含み、該電解脱脂工程
がリップルを有す直流電流を陽極側と陰極側に交互に印
加することから成ることを特徴とするメッキ前処理方法
を採用するものである。
【0008】前記メッキ前処理方法において、前記陽極
側への印加時間をYとし、前記陰極側への印加時間をX
とした場合、以下の数2の不等式を満たすように印加時
間を選択することが好ましい。
【数2】
【0010】また、前記メッキ前処理方法において、前
記リップルの周波数が40乃至120Hzの範囲内にあ
ることが好ましい。
【0011】さらにまた、前記メッキ前処理方法におい
て、前記前処理は、基本的には、溶剤浸漬脱脂工程及び
酸洗い工程を必要としないで十分な脱脂及び鏡面仕上げ
を得ることができるものである。
【0012】
【作用】本発明で用いる電解脱脂は、特に電解を行う際
に印加する電流波形に特徴があるので、図1及び図2を
参照して説明する。
【0013】図1は、陽極側又は陰極側に印加する、電
流発生装置(図示せず)によって発生される電流の基本
波形を示すグラフであり、図2は、電流発生装置によっ
て発生した電流を切り換えて陽極側及び陰極側に交互に
印加する態様を示すグラフである。
【0014】図1から明らかなように、印加する電流
は、直流電流にリップル(脈動部)を重畳した電流であ
り(以下説明の便宜上、この電流を「リップルを有する
直流電流」と呼ぶ)、このような波形の電流は、交流を
整流し、平滑装置により平滑にすることによって得るこ
とができる。なお、このような電流波形を得る装置は本
発明の部分を構成しないので、詳細な説明は省略する。
【0015】図2は、図1で示す電流波形を発生する装
置(図示せず)を用いて、電解脱脂を行う際の電流を印
加する態様を示すものであり、図示の例では、陽極側に
5個のリップル(リップル幅:10ms)を有する直流
電流を印加し、次に電流の印加を切り換えて陰極側に1
個のリップルを有する直流電流を印加し、その後再び電
流の印加を切り換えて陽極側に5個のリップルを有する
直流電流を印加し、その後陰極側に1個のリップルを有
する直流電流を印加し、以下同様に交互に切り換えて電
流を印加することを示している。
【0016】例として図2で示すようなリップルを有す
る直流電流を電解脱脂工程において用いると、十分な脱
脂と鏡面仕上げが得られ、その後メッキを施したとき
に、得られたメッキ層と素材との間に良好な耐熱密着性
が得られることを本発明者は見い出したものである。ま
た、電解脱脂工程において、このようなリップルを有す
る直流電流を用いる際、リップルの幅、言い換えるとリ
ップルの周波数と、陽極側及び陰極側への電流の印加時
間の割合とが脱脂効果及び鏡面仕上げに関連があること
も本発明者は同時に見い出してものである。具体的に
は、リップルの周波数を40乃至120Hzの範囲内に
選び、また陽極側への印加時間をYとし、陰極側への印
加時間をXとした場合、以下の数3の不等式を満たすよ
うに印加時間を選択すると良好な結果得られることを本
発明者は見い出したものである。
【数3】
【0017】前述のように電解脱脂工程において、リッ
プルを有する直流電流を用い、パラメータ(リップルの
周波数及び陽極側及び陰極側への電流の印加時間の割
合)を適切に選ぶことによってなぜ平滑な鏡面仕上げが
得られるかの理論的解析は、現在のところ不明である
が、従来のPR電解脱脂法(直流電流だけを陽極側及び
陰極側に交互に印加する電解脱脂法)と対比すると、直
流電流に重畳されたリップル部分の電流(交流成分)が
電解脱脂において物理化学的に重要な役割を果たしてい
るものと推測される。
【0018】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。
【0019】
【実施例1】42合金材をプレス加工し、表面積4.1
5dm2 のリードフレームを作成した。温度50°C、
濃度50g/lのEC−56(ディプソール株式会社
製)溶液を電解脱脂液として用い、平均陰極電流密度
2.4A/dm2 で、リップルを構成する1つの波のサ
イクルが10ms(ミリ秒)のリップルを有する直流電
流を図2に示すようなパターンでリードフレームに印加
して電解脱脂を行った。なお、10msのリップルの周
波数は50Hzである。また脱脂時間は17.6s
(秒)とし、投入電流は10Aであった。
【0020】電解脱脂終了後、リードフレームを水洗い
し表面を目視観察した。その結果、素材表面全体の水濡
れ性は均一であり、水を弾いた部分は見られず、かつリ
ードフレームのパッド部分においても同様であった。次
いで、このリードフレームの表面を走査型電子顕微鏡を
用いて観察した。この観察結果を図3に示す。その後、
常法に従い銅のストライクメッキを施し、次いで銀メッ
キを施した。得られたメッキ層と素材との耐熱密着性を
極めて良好であった。
【0021】
【従来例】本発明の実施例と対比するために、従来例と
して以下の実験を行った。実施例1と同様にして作成し
た表面積4.15dm2 のリードフレームを、ポンプ噴
き出しの温度50°C、濃度50g/lのエースクーン
(奥野製薬社製)溶液中に15乃至30秒間浸漬し、次
いで水洗いをした後、温度50°C、濃度50g/lの
EC−56(ディプソール株式会社製)溶液を電解脱脂
液として用い、平均陰極電流密度2.4A/dm2 で、
市販の整流器(株式会社中央製作所製)を用いて得た直
流電流をリードフレームが陽極側になるように印加し
た。脱脂時間は17.6sとした。なお、投入電流は1
0Aであった。
【0022】電解脱脂終了後、リードフレームを水洗い
し表面を目視観察した。その結果、素材表面全体の水濡
れ性は良好であり、水を弾いた部分は見られず、かつパ
ッド部分においても同様であった。次いで、この表面を
走査型電子顕微鏡を用いて観察した。この観察結果を図
4に示す。その後、実施例1と同様にしてメッキ層を得
た。得られたメッキ層と素材との耐熱密着性には一部分
に低い部分が見られた。
【0023】実施例1と従来例とを比較すると、目視で
はほとんど差が見い出されないにもかかわらず、得られ
たメッキ層と素材との耐熱密着性に差が見られる。この
差は、図3と図4を比較するとわかるように、前処理終
了後の表面の平滑さの差に起因することと思われる。
【0024】また、本発明の方法によれば、より平滑な
鏡面仕上げが可能となるだけでなく、従来の溶剤脱脂工
程と酸洗い工程を不要にできる。このことにより、実操
業における大幅な省力化を可能とするものであり、極め
て大きな経済的な効果をもたらすものである。
【0025】
【実施例2】陽極側への電流の印加時間と陰極側への電
流の印加時間の割合を種々変化させた以外は、実施例1
と同様にして前処理を行った。得られたリードフレーム
に対して目視観察と走査型電子顕微鏡観察を行った。そ
の結果を図5に示す。図5中、従来のものより良好な表
面状態のものに○を付け、従来と同程度のものに△を付
けて示す。この図5より、前述の数2に示す不等式を満
たす条件で前処理を行えば良好な鏡面仕上げを得ること
ができることがわかる。
【0026】
【実施例3】前述のように実施例1及び実施例2では、
リップルの幅は10ms(即ち、リップルの周波数は5
0Hz)であったが、リップルの周波数を種々変化させ
て同様な実験を行ったところ、リップルの幅が12.5
乃至4.2msの範囲(周波数が40乃至120Hzの
範囲)内であれば得られる結果に大差は無かった。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
リップルを有する直流電流を陽極側及び陰極側に交互に
印加することによって電解脱脂を行うものであり、その
際、パラメータを適切に選ぶことにより、従来の前処理
工程より良好な結果を得ることができるものである。ま
た、得られる結果が良好なため、従来必要であった溶液
浸漬脱脂工程及び酸洗い工程を不要にできるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法の電解脱脂工程で用いる
基本の電流波形を示すグラフである。
【図2】図2は、図1の基本の電流波形を電解脱脂工程
に使用する際の態様を示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の実施例によって得られたリー
ドフレームの表面組織図である。
【図4】図4は、従来例によって得られたリードフレー
ムの表面組織図である。
【図5】図5は、電解脱脂工程における陽極側への電流
の印加時間と陰極側への電流の印加時間を種々変化させ
たときの実施例の結果を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキ前に素材を前処理する方法におい
    て、該前処理が電解脱脂工程を含み、該電解脱脂工程が
    リップルを有す直流電流を陽極側と陰極側に交互に印加
    することから成ることを特徴とするメッキ前処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のメッキ前処理方法におい
    て、前記陽極側への印加時間をYとし、前記陰極側への
    印加時間をXとした場合、以下の数1の不等式を満たす
    ように印加時間を選択することを特徴とするメッキ前処
    理方法。 【数1】
  3. 【請求項3】 請求項1記載のメッキ前処理方法におい
    て、前記リップルの周波数が40乃至120Hzの範囲
    内にあることを特徴とするメッキ前処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のメッキ前処理方法におい
    て、前記前処理が溶剤浸漬脱脂工程及び酸洗い工程を含
    まないことを特徴とするメッキ前処理方法。
JP7743291A 1991-02-28 1991-02-28 メッキ前処理方法 Expired - Lifetime JPH079080B2 (ja)

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