JPH0790689A - 熱交換器用フィン材の製造方法 - Google Patents

熱交換器用フィン材の製造方法

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JPH0790689A
JPH0790689A JP26297493A JP26297493A JPH0790689A JP H0790689 A JPH0790689 A JP H0790689A JP 26297493 A JP26297493 A JP 26297493A JP 26297493 A JP26297493 A JP 26297493A JP H0790689 A JPH0790689 A JP H0790689A
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fin material
fin
heat exchanger
water
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JP26297493A
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Hideo Fujimoto
藤本日出男
Yoshikazu Mukai
向井良和
Kenichi Kamiya
神谷憲一
Manabu Fukui
学 福井
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造時に自然環境に有害な六価クロムを含む
廃液を排出せず、更に六価クロムを含まない皮膜により
充分な耐食性を有し、且つプレス成形時におけるプレス
金型の摩耗を抑制するため皮膜表面に充分な潤滑性を有
する親水性及び耐食性に優れた皮膜の設けられた熱交換
器用フィン材の製造方法を提供する。 【構成】 基材がAl又はAl合金からなる熱交換器用フ
ィン材の製造に際し、フィン形状加工前のフィン材をア
ルカリ性リン酸塩系電解浴中で交流電解した後、アルカ
リケイ酸塩及び水可溶性樹脂を含む組成物を塗布し焼付
けることを特徴としている。前記組成物の塗布焼付けに
より形成された皮膜の表面を純水又は強酸(硝酸が望ま
しい)により洗浄すると、更なる耐食性の向上を図るこ
とができる。この洗浄後、潤滑性水可溶性樹脂よりなる
組成物を塗布焼付けすると、更なるプレス金型の摩耗促
進の抑制を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器用フィン材の
製造方法に関し、例えば、自動車や家庭用の空調機に使
用される熱交換器用フィン材の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】Al又はAl合金(以下、単にAlと記す)
製の熱交換器用フィンは、近年、空調機の冷房運転⇒停
止(湿潤状態⇒乾燥状態)の繰り返しにより発生する腐食
生成物を抑制するため、フィン表面の耐食性が要求され
ている。また、熱交換効率の向上、熱交換器の小型化等
からフィン表面の親水性が要求されている。このような
ことから、フィン材表面に反応型クロメート、塗布型ク
ロメート又は樹脂コーティングよりなる耐食性皮膜を設
け、更に二層目として無機化合物、有機化合物又はこれ
らの複合物からなる親水性皮膜を形成させることが行わ
れている。なお、この皮膜の形成はフィン形状への成形
の前のフィン材に行われている。
【0003】そして、耐食性皮膜及び親水性皮膜を形成
した後のフィン材は、プレス成形時に潤滑性を与える潤
滑油(プレス油)が塗布され、ドロー方式、ドローレス方
式、又はそれらを組み合わせたコンビネーション方式に
より、所定の形状のフィンに成形加工されてフィンとな
る。このフィンは冷媒用チューブに組み合わされ、熱交
換器に組み立てられ、その後、前記プレス成形時に塗布
され、残留したプレス油を除去するため、有機溶剤によ
る脱脂洗浄、又は加熱乾燥による脱脂が実施されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の如く、従来よ
り、フィン表面の耐食性の要求に応えるため、アルミニ
ウム表面に設ける耐食性皮膜としては、反応型クロメー
ト、塗布型クロメート又は樹脂コーティングによる皮膜
が設けられ、更に二層目として、親水性の要求に応える
ため、主に無機化合物と有機化合物の複合皮膜からなる
親水性皮膜が設けられていた。
【0005】しかしながら、前記反応型クロメート及び
塗布型クロメートにより耐食性皮膜を設けるという製造
方法では、製造時に出る自然環境に有害な六価クロムを
含む廃液の処理問題が指摘されはじめた。更に、このよ
うな製造方法で耐食性皮膜を設けたフィン材により成形
加工されたフィンを用いて組み立てられた熱交換器は、
その使用時に有害な六価クロムを溶出することが指摘さ
れはじめた。
【0006】一方では、環境問題等から有機溶剤が規制
を受けるため、前記プレス成形後のフィン表面に残留す
るプレス油の除去工程、すなわち、有機溶剤による脱脂
洗浄工程の省略を目的とし、フィン材のプレス成形に際
して、旧来多用のより高粘度のプレス油と比較して潤滑
性の劣る低粘度の揮発性プレス油の使用が一般的となっ
てきた。そのため、従来の製造方法により無機化合物と
有機化合物の複合皮膜からなる親水性皮膜を設けたアル
ミニウム材では、皮膜最表面の潤滑性不足によりプレス
金型の摩耗が促進されることが指摘されはじめた。
【0007】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであって、製造時において自然環境に
有害な六価クロムを含む廃液を排出せず、更に六価クロ
ムを含まない皮膜により充分な耐食性を有し、且つプレ
ス成形時におけるプレス金型の摩耗を抑制するため皮膜
表面に充分な潤滑性を有する親水性及び耐食性に優れた
皮膜の設けられた熱交換器用フィン材の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、基材がAl又はAl合金からな
る熱交換器用フィン材の製造に際し、フィン形状加工前
のフィン材をアルカリ性リン酸塩系電解浴中で交流電解
した後、アルカリケイ酸塩及び水可溶性樹脂を含む組成
物を塗布し焼付けることを特徴とする熱交換器用フィン
材の製造方法を要旨としている。
【0009】他の本発明は、前記組成物の塗布焼付けに
より形成された皮膜の表面を純水又は強酸により洗浄す
ることを特徴としている。
【0010】更に、他の本発明は、前記組成物の塗布焼
付けにより形成された皮膜の表面を純水又は強酸により
洗浄した後、潤滑性水可溶性樹脂よりなる組成物を塗布
焼付けすることを特徴としている。
【0011】以下に本発明を更に詳述する。
【作用】
【0012】本発明においては、まず第一に、Al表面
をアルカリ性リン酸塩系浴中で交流電解することが必要
である。これは、交流電解では陽極電解と陰極電解が繰
り返えされるが、陽極電解によりアルミニウム表面にシ
リカを含まない酸化皮膜が生成し、この酸化皮膜は、A
l表面と、後の工程により生成されるアルミニウムシリ
ケート層を含む複合層との密着性を向上させ、また、陰
極電解によりアルミニウム表面に付着している不純物を
取り除く作用があり、同様にAl表面と、アルミニウム
シリケート層を含む複合層との密着性が向上するためで
ある。したがって、両方の効果を付与するため、陽極電
解と陰極電解を周期的に繰り返す交流電解を行うことが
必要である。これによって皮膜密着性は向上し、それに
伴いプレス成形時の金型の摩耗促進が抑制される。
【0013】なお、交流電解条件は特に制限されない。
またアルカリ性リン酸塩系電解浴としても特に制限され
ず、例えば、リン酸ソーダ電解浴、或いはリン酸ソーダ
に界面活性剤を少量添加した電解浴などが挙げられる。
【0014】次に、上述のようにしてAl表面をアルカ
リ性リン酸塩系電解浴中で交流電解した後、アルカリケ
イ酸塩と水可溶性樹脂を含む組成物を塗布し、焼付るこ
とが必要である。この塗装焼付けにより、酸化物を含む
Al表面で、複合皮膜が形成されると同時に、Alとアル
カリケイ酸塩中のSiとが反応してアルミニウムシリケ
ートの緻密な層が酸化物層と複合皮膜層の層間に形成さ
れる。このアルミニウムシリケート層により、Al界面
への水分の浸透を防ぎ、Alと水との反応により発生す
る腐食生成物の生成を抑制し、充分な耐食性を付与する
ことができる。また、アルカリケイ酸塩と水可溶性樹脂
を含む組成物を塗布し焼付ることにより、前述のアルミ
ニウムシリケート層が形成されるほか、表面形態が粗面
化し、且つ親水基を多く配交した親水性皮膜が形成され
るので、充分な親水性を付与することもできる。
【0015】なお、アルカリケイ酸塩としては、ケイ酸
ソーダ、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アン
モニウムなどが挙げられ、また水可溶性樹脂としては、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコ
ール、セルロース、及びそれらの塩などが挙げられる
が、これらに制限されないことは云うまでもない。また
塗布焼付け条件も適宜決められる。
【0016】上述の製造方法によれば、六価クロムを使
用しないので、製造時に排出される自然界に有害な六価
クロムを含む廃液の処理問題を解決でき、また、皮膜中
に六価クロムを含まないので、熱交換器使用時の六価ク
ロムの溶出といった問題を解消できる。
【0017】本発明においては、更に、上記の製造方法
により形成した皮膜中の過剰アルカリ成分を純水又は強
酸により洗浄することにより、更なる耐食性の向上を図
ることができる。これは、アルカリケイ酸塩と水可溶性
樹脂から形成された皮膜においては、皮膜中のアルカリ
成分が過剰に凝縮した層が形成されるため、その層によ
り皮膜の密着性並びに耐食性が劣化する可能性がある
が、皮膜最表面を純水又は強酸で洗浄し、過剰アルカリ
成分を除去することにより、耐食性は更に良好となるか
らである。
【0018】また、前述した皮膜最表面を純水又は強酸
で洗浄した後、更に、潤滑性水可溶性樹脂よりなる皮膜
を形成させることにより、更なるプレス金型の摩耗促進
の抑制を図ることができる。これは、皮膜最表面を純水
又は強酸で洗浄しただけでは、皮膜最表面の潤滑性が不
充分となり、プレス加工時にプレス金型と皮膜表面が擦
過する場合の摩擦荷重が大きくなり、プレス金型の摩耗
が促進されるが、潤滑性水可溶性樹脂からなる皮膜を形
成することにより、皮膜最表面に充分な潤滑性を付与す
るので、プレス金型の摩耗促進を抑制するためである。
【0019】なお、前記皮膜最表面を洗浄する強酸とし
ては、硝酸であることが望ましい。硝酸は他の強酸(例
えば、塩酸、硫酸)と比べて、素材であるアルミニウム
との反応性が低く、皮膜表面に残存しにくいからであ
る。
【0020】また、潤滑性水可溶性樹脂としては適宜の
ものが使用でき、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸塩、セルロース、更にそれらの樹脂に潤滑性付与剤
としてポリエチレングリコール、リン酸エステル化合
物、ステアリン酸塩、オレイン酸塩などを少量添加した
ものなどが挙げられる。
【0021】次に、本発明の実施例を示す。
【0022】
【実施例1】リン酸塩系浴としてリン酸ソーダに界面活
性剤を少量添加した浴を用い、この電解浴中で交流電解
したAl材(材質:1330、厚さ:0.1mm、質別:H
26)について、アルカリケイ酸塩とポリアクリル酸塩
との混合物よりなる処理液を25℃の温度にてコーター
で塗布し、その後、200℃の温度で20秒間加熱乾燥
(焼付け)することにより、親水皮膜を有するフィン材を
得た。
【0023】次に、揮発性プレス油を用いて、このフィ
ン材をプレス加工して所定の形状のフィンを得た。そし
て、このフィンを冷媒用チューブに組み合わせた後、加
熱乾燥することによりプレス成形時に塗布され残留した
揮発性プレス油を脱脂して、熱交換器を形成した。
【0024】
【実施例2】実施例1において塗布焼付けしたものにつ
いて、更に、皮膜最表面を純水で洗浄することにより、
親水皮膜を有するフィン材を得た。その後、実施例1と
同様にして、このフィン材をプレス加工してフィンを形
成し、このフィンを冷媒用チューブに組み合わせて熱交
換器を形成した。
【0025】
【実施例3】実施例2において純水洗浄したものについ
て、その後、その上層として潤滑性水可溶性樹脂として
ポリアクリル酸塩にリン酸エステル化合物を少量添加し
た処理液を25℃の温度にてコーターで塗布し、その後
200℃の温度で20秒間加熱乾燥することにより、親
水皮膜の上層として潤滑皮膜を有するフィン材を得た。
その後、実施例1と同様にして、このフィン材をプレス
加工してフィンを形成し、このフィンを冷媒用チューブ
に組み合わせて、熱交換器を形成した。
【0026】
【実施例4】実施例1において塗布焼付けしたものにつ
いて、皮膜表面を5%に調製した硝酸で洗浄することに
より、親水皮膜を有するフィン材を得た。その後、実施
例1と同様にして、このフィン材をプレス加工してフィ
ンを形成し、このフィンを冷媒用チューブに組み合わせ
て熱交換器を形成した。
【0027】
【実施例5】実施例4において硝酸洗浄したものについ
て、その後、その上層として潤滑性水可溶性樹脂として
ポリアクリル酸塩にリン酸エステル化合物を少量添加し
た処理液を25℃の温度にてコーターで塗布し、その後
200℃の温度で20秒間加熱乾燥することにより、親
水皮膜の上層として潤滑皮膜を有するフィン材を得た。
その後、実施例1と同様にして、このフィン材をプレス
加工してフィンを形成し、このフィンを冷媒用チューブ
に組み合わせて熱交換器を形成した。
【0028】
【比較例1】実施例5において、交流電解処理を省略し
た点を除き、実施例5と同様の方法によりフィン材を得
た。その後、実施例1と同様にして、このフィン材をプ
レス加工してフィンを形成し、このフィンを冷媒用チュ
ーブに組み合わせて、熱交換器を形成した。
【0029】
【比較例2】脱脂、水洗したAl材(材質:1330、厚
さ:0.1mm、質別:H26)について、塗布型クロメー
ト処理を施すことにより耐食皮膜を設けた後、アルカリ
ケイ酸塩とポリアクリル酸塩との混合物よりなる処理液
を25℃の温度にてコーターで塗布し、その後200℃
の温度で20秒間加熱乾燥(焼付け)することにより、親
水皮膜を有するフィン材を得た。その後、実施例1と同
様にして、このフィン材をプレス加工してフィンを形成
し、このフィンを冷媒用チューブに組み合わせて、熱交
換器を形成した。
【0030】
【比較例3】実施例5において、リン酸塩系浴の代わり
にケイ酸塩浴を用い、この電解浴中で交流電解を実施し
た点を除き、実施例5と同様の方法によりフィン材を得
た。その後、実施例1と同様にして、このフィン材をプ
レス加工してフィンを形成し、このフィンを冷媒用チュ
ーブに組み合わせて、熱交換器を形成した。
【0031】上記の各実施例及び比較例により得られた
熱交換器について、六価クロムの溶出量、耐食性、親水
性、密着性、及び耐金型摩耗性(プレス金型の摩耗促進
の抑制効果)を調査した。その結果を表1に示す。な
お、各試験条件及び評価基準は以下のとおりである。
【0032】(1)六価クロムの溶出量 10cm角のテストピースを用い、沸騰純水100ml中
に30分間浸漬した後、ジフェニルカルバジド吸光光度
法により六価クロムの溶出量を測定した。
【0033】(2)耐食性 塩水噴霧(JIS Z 2371)200時間後の腐食生成
物の発生状況を目視で観察した。評価は5段階評価によ
り行った。腐食生成物発生面積が0%のものを1、5%
以下のものを2、5〜10%のものを3、10〜30%
のものを4、30%以上のものを5とした。
【0034】(3)親水性 揮発性プレス油を用いてフィン材をプレス加工すること
により得られた所定の形状のフィンを冷媒用チューブに
組み合わせて後、フィン表面の揮発性プレス油加熱乾燥
後の接触角を測定した。
【0035】(4)密着性 ラビングテスト後、皮膜の剥離状況を目視で判断した。
評価は5段階評価により行った。剥離面積が0%のもの
を1、5%以下のものを2、5〜10%のものを3、1
0〜30%のものを4、30%以上のものを5とした。
【0036】(5)耐金型摩耗性 揮発性プレス油を用いた連続プレス(10万パンチ)成形
後のプレス工具の肩Rより判断した。プレス工具として
は、粉末ハイス鋼を用いた。評価は5段階評価により行
った。肩Rが10μm以下のものを1、10〜15μmの
ものを2、15〜20μmのものを3、20〜30μmの
ものを4、30μm以上のものを5とした。
【0037】表1から明らかなように、アルカリ性リン
酸塩系浴中での交流電解を施した実施例1は六価クロム
の溶出が認められず、且つ耐食性は良好であった。更に
皮膜最表面を純粋又は強酸で洗浄した実施例2及び4は
耐食性が更に良好であった。また洗浄後、更に潤滑性の
樹脂皮膜を設けた実施例3及び5は、耐食性が良好な
上、最も良好な耐金型摩耗性を示した。
【0038】これに対し、アルカリ性リン酸塩系浴中で
の交流電解を行なわなかった比較例1、及び塗布型クロ
メートにより耐食皮膜を設けた比較例2は、ともに皮膜
の密着性が悪く、その影響で耐食性、耐金型摩耗性が不
充分であった。また、塗布型クロメート処理により耐食
皮膜を設けた比較例2は、六価クロムの溶出が認められ
た。比較例3は従来例でケイ酸塩系浴中で交流電解した
ものであり、皮膜の密着性が良くなく、耐金型摩耗性が
不充分であった。
【0039】これらのことから、アルカリ性リン酸塩系
浴中で交流電解し、アルカリケイ酸塩及び水可溶性樹脂
よりなる親水性及び耐食性を有する皮膜形成させること
により、六価クロムの溶出がなく、耐食性、親水性、及
び耐金型摩耗性に関して良好な熱交換器用フィン材が得
られることが確認された。更に、その皮膜表面を純粋又
は強酸で洗浄した後、潤滑性の樹脂皮膜を設けることに
より(実施例3及び5)、耐食性、耐金型摩耗性が更に向
上することが認められた。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
基材のAlとアルカリケイ酸塩及び水可溶性樹脂よりな
る複合皮膜との間に、基材表面の酸化皮膜と、基材と皮
膜とから形成されるアルミニウムシリケート層とを有す
ることにより、充分な耐食性と耐金型摩耗性を有し、ま
た基材Alと皮膜との密着性が強固で且つ耐食性、親水
性、耐金型摩耗性に優れた熱交換器用フィン材を得るこ
とができる。また、製造時において自然環境に有害な六
価クロムを含む廃液を排出せず、更に六価クロムを含ま
ない皮膜であるので使用時に有害な六価クロムを溶出す
るという問題も解消でき、工業上顕著な効果を奏するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 11/36 Z F28F 19/04 (72)発明者 福井 学 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘15番地株式会社神戸 製鋼所真岡製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材がAl又はAl合金からなる熱交換器
    用フィン材の製造に際し、フィン形状加工前のフィン材
    をアルカリ性リン酸塩系電解浴中で交流電解した後、ア
    ルカリケイ酸塩及び水可溶性樹脂を含む組成物を塗布し
    焼付けることを特徴とする熱交換器用フィン材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記組成物の塗布焼付けにより形成され
    た皮膜の表面を純水又は強酸により洗浄することを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記組成物の塗布焼付けにより形成され
    た皮膜の表面を純水又は強酸により洗浄した後、潤滑性
    水可溶性樹脂よりなる組成物を塗布焼付けすることを特
    徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記皮膜表面を洗浄する強酸が硝酸であ
    る請求項2又は3に記載の方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164175A (ja) * 1999-12-09 2001-06-19 Kansai Paint Co Ltd 熱交換器フィン材用親水化処理剤
JP2001172547A (ja) * 1999-12-21 2001-06-26 Kansai Paint Co Ltd 熱交換器フィン材用親水化処理組成物
JP2007298320A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Fujitsu Ltd 検知体および検知方法
JP2011173277A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Kobe Steel Ltd 電子機器用プレコートアルミニウム板
CN109251663A (zh) * 2018-07-27 2019-01-22 含山县林宏铸造厂 一种铝合金金属型材用油漆

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