JPH0790624A - Ti−Ni形状記憶合金薄膜の製造方法 - Google Patents

Ti−Ni形状記憶合金薄膜の製造方法

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JPH0790624A
JPH0790624A JP23036893A JP23036893A JPH0790624A JP H0790624 A JPH0790624 A JP H0790624A JP 23036893 A JP23036893 A JP 23036893A JP 23036893 A JP23036893 A JP 23036893A JP H0790624 A JPH0790624 A JP H0790624A
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JP
Japan
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thin film
shape memory
alloy thin
substrate
memory alloy
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JP23036893A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Sakamoto
英和 坂本
Akira Tanaka
顯 田中
Akira Imai
章 今井
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属基体上にTi−Ni合金薄膜を作成し、
金属基体からTi−Ni形状記憶合金薄膜の形状記憶特
性を損なうことなく薄膜を分離するTi−Ni形状記憶
合金薄膜を製造する。 【構成】 銅などの金属基体上に成膜されたTi−Ni
合金薄膜を、酸性溶液に浸漬し、金属基体を溶解除去し
た後、熱処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシンのアク
チュエータ等に使用するTi−Ni形状記憶合金薄膜の
作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシンのアクチュエータ
用の材料としてTi−Ni形状記憶合金薄膜が注目され
ている。従来、このTi−Ni形状記憶合金薄膜は、T
i−Ni合金をスパッタリング法や蒸着法等により、岩
塩あるいはガラス基板上に堆積することにより作成され
ている。しかしながら、基板上に形成したTi−Ni形
状記憶合金薄膜をアクチュエータとして使用した場合、
通電加熱等による温度変化に適応して薄膜そのものが変
形・回復するTi−Ni形状記憶合金中に基板材等の不
純物が混入すると、形状記憶特性が著しく低下し、アク
チュエータとしての機能を果たさなくなるという問題を
生ずる。したがって、Ti−Ni形状記憶合金薄膜を基
板上に作成した時には、基板材料を完全に除去すること
が必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】基板として一般に用い
られている材料のうち、ガラス基板は、Ti−Ni薄膜
との密着性が良好であるため、ガラス基板上からTi−
Ni形状記憶合金薄膜を剥離することが困難であり、一
方、岩塩基板は水溶性であるため、Ti−Ni形状記憶
合金薄膜をめっきした岩塩基板を水に浸漬すれば容易に
岩塩基板を剥離することができるという利点を有する。
しかしながら、後者の場合、Ti−Ni形状記憶合金薄
膜は岩塩のへき開面または単結晶板を用いて平滑な面上
に作成する必要があるが、へき開面は面積の大きなもの
は得られがたく、また、単結晶板は面積を大きくするこ
とが可能であるがコストが高くなるという問題があっ
た。さらに、この様なマイクロオーダーの部品を個々に
組み立てるのは困難である上、コストアップになること
から、将来動向として、形状記憶合金薄膜製のアクチュ
エータ部と電子回路等の制御部をリソグラフィにより一
体加工することが望まれているが、岩塩を犠牲層あるい
は半導体の基板として利用することは岩塩の強度や電気
特性から考えて不可能であると考えられる。
【0004】本発明は、この様な事情に鑑みなされたも
ので、金属基体上にTi−Ni形状記憶合金薄膜を作成
し、金属基体からTi−Ni形状記憶合金薄膜をその形
状記憶特性を損なうことなく分離することができるTi
−Ni形状記憶合金薄膜の製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のTi−N
i形状記憶合金薄膜の製造方法は、金属基体上に成膜さ
れたTi−Ni合金薄膜を酸性溶液に浸漬し、金属基体
を溶解除去した後、熱処理を施すことを特徴とする。
【0006】本発明においては、金属基体に堆積させた
Ti−Ni形状記憶合金薄膜を酸性溶液に浸漬すること
により、金属基体を選択的に溶解除去してTi−Ni形
状記憶合金薄膜を分離するものである。本発明のTi−
Ni形状記憶合金とは、ニッケル濃度が49〜52at
%で、残部がチタンおよび添加元素からなるTi−Ni
系形状記憶合金である。また、金属基体としては、Ti
−Ni形状記憶合金より耐食性に劣り、酸性溶液でエッ
チング可能なものであれば良く、この様なものとして
は、銅、アルミニウム等を例示することができる。金属
基体と薄膜とを分離する場合、酸等のエッチングにより
基体材料の金属を完全に除去しきれないと、後の熱処理
において堆積させたTi−Ni合金薄膜に基体材料の元
素が拡散することになる。形状記憶合金の場合、不純物
の混入が特性を著しく低下させることが多く、時には全
くマルテンサイト変態を起こさなくなる。しかしなが
ら、銅は比較的Ti−Ni形状記憶合金に及ぼす影響が
少なく、例えばTi−Ni形状記憶合金中のニッケルを
銅に置換した場合、銅の濃度が全体の約7.5at%以
下であれば、形状記憶効果に寄与するマルテンサイト変
態温度や結晶構造に大きな変化を与えないことが知られ
ている。さらに、微量の銅の拡散は、形状記憶合金のマ
ルテンサイト変態に伴う温度ヒステリシスを小さくする
傾向があり、かえってアクチュエータの材料として使用
するには好都合である。従って、形状記憶合金薄膜の基
体として銅は最適といえ、基体をエッチングする前に成
形加工を行えば、Ti−Ni合金薄膜はアモルファス状
態ではあるがスリット等の加工が可能となる。また、バ
イアススパッタを行う場合にも、導電性に優れた金属を
基体とするほうが効率が良い。
【0007】本発明ではエッチング液に酸性溶液を用い
ているが、酸性溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の無
機酸や、クロム酸等の金属含有酸を挙げることができ
る。その中で銅基体を溶解除去するのに好適なのは無水
クロム酸と硫酸の混合希釈液である。また、アルミニウ
ム基体の場合は、1/2規定の塩酸を使用するのが望ま
しい。この様なエッチング液は、Ti−Ni形状記憶合
金薄膜に変色などのダメージを与えること無く、基体の
みを完全に溶解除去できる。
【0008】本請求項2にかかわる発明のTi−Ni形
状記憶合金薄膜の製造方法は、ニッケル濃度49〜52
at%のTi−Ni合金薄膜を、Ti−Ni合金より耐食
性の低い金属層上に成膜した後、酸性溶液により金属層
を溶解除去してから熱処理を施すものである。これは例
えば、本発明を半導体基板に適用することを想定したも
ので、Ti−Ni合金より耐食性の低い金属層をシリコ
ン基板上に設け、その金属層の表面にTi−Ni合金薄
膜を成膜すれば、リソグラフィ等により半導体基板上に
アクチュエータ部と制御部を一体製造することができる
ものである。
【0009】
【作用】本発明においては、金属基体上に成膜されたT
i−Ni合金薄膜を酸性溶液に浸漬することにより、金
属基体を選択的に溶解除去して薄膜を作成するため、T
i−Ni合金薄膜に異物が残留することがない。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例を示す。平滑に圧延
された銅基板(50×50×0.02mm)に、スパッ
タリング法により、Ti−48.7Ni(at%)合金を厚さ
5μmとなるように堆積させた。次に、まだアモルファ
ス状態であるTi−Ni合金薄膜にカッターナイフで5
×2mm、深さ約10μm(銅基板が現れてくる程度の
深さ)の大きさの切り込みを入れた。一方、無水クロム
酸250g/lと硫酸25g/lを混合した溶液を水で
1/3の濃度に希釈してエッチング液とした。このエッ
チング液の温度を333Kに保ちながら、前述のTi−
Ni合金薄膜を有する銅基板を約10.8ksエッチング
液に浸漬した。その結果、銅基板のみがエッチング液に
より溶解除去され、5×2×0.005mmのTi−N
i合金薄膜が得られた。
【0011】このように作成したTi−Ni合金薄膜か
ら銅が完全に分離されていることを確認するために、I
CP(高周波誘導プラズマ発光分光装置)を用いて分析
を行った。その結果を表1に示す。
【表1】 さらに、銅基板に接触していた面に基板材料が残留して
いないか、XMA(X線マイクロアナライザー)を用い
て分析を行った。この結果を図1に示す。表1および図
1の結果から、上記実施例のTi−Ni合金薄膜は銅基
板から完全に分離され、銅の拡散もほとんど見られない
ことが判った。
【0012】次に、上記実施例で作成したTi−Ni合
金薄膜に熱処理(真空雰囲気中1173K、3.6ks
溶体化処理後 水焼入れ)を施し形状記憶合金とした。
Ti−Ni形状記憶合金薄膜が良好な形状記憶効果を示
すことを証明するために、マルテンサイト変態分率
(%)と形状回復率を測定した結果を図2に示す。ま
ず、マルテンサイト変態分率は、Ti−Ni形状記憶合
金薄膜を温度383Kまで加熱したときのDSC曲線か
ら求めたものである。また、形状回復率は、マルテンサ
イト状態時のTi−Ni形状記憶合金薄膜を手で折り曲
げてから温度約390Kまで徐々に加熱し、薄膜の曲げ
角度を測定して形状回復率を求めた。この時、折り曲げ
た時の屈折角度を形状回復率0%とし、加熱後、オース
テナイト状態で平面状に伸びた時の角度を形状回復率1
00%として形状回復率を表示した。図2の結果より、
本発明の方法で作成したTi−Ni形状記憶合金薄膜
は、マルテンサイト変態を起こし、形状記憶効果を有す
ることが判った。
【0013】また、他の実施例として、アルミニウム基
板上にTi−Ni合金薄膜を作成し、このアルミニウム
基板を1/2規定塩酸でエッチングしてTi−Ni合金
薄膜を分離した。そのXMA分析の結果を図3に示す。
測定箇所により、ミクロ的なアルミニウムのピークが観
察されたが、熱処理後の形状記憶効果には大きく影響し
なかった。
【0014】なお、本発明の実施例では、Ti−Ni合
金薄膜にカッターナイフでスリット加工を施したが、代
わりにリソグラフィを用いれば、ミクロンオーダー、サ
ブミクロンオーダーの加工が可能となる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、比較的安価に平滑面を
入手することができる金属基体上に、Ti−Ni合金薄
膜を作成し、酸により金属基体のみを溶解除去すること
により、Ti−Ni合金薄膜に不純物が残留すること無
く、また、歪みを与えずにこれを分離することができ
る。さらに、薄膜に熱処理を施し、形状記憶効果に優れ
たミクロンオーダー以下のTi−Ni形状記憶合金薄膜
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のTi−Ni合金薄膜をX
MA(X線マイクロアナライザー)により分析した結果
を示す説明図。
【図2】 同変態分率と形状回復率を示す説明図。
【図3】 本発明の他の実施例のXMA分析の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 章 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基体上に成膜されたTi−Ni合金薄
    膜を酸性溶液に浸漬し、前記金属基体を溶解除去した
    後、熱処理を施すことを特徴とするTi−Ni形状記憶
    合金薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】ニッケル濃度49〜52at%のTi−Ni
    合金薄膜を、前記Ti−Ni合金より耐食性の低い金属
    層上に成膜した後、酸性溶液により前記金属層を溶解除
    去してから熱処理を施すことを特徴とするTi−Ni形
    状記憶合金薄膜の製造方法。
JP23036893A 1993-09-16 1993-09-16 Ti−Ni形状記憶合金薄膜の製造方法 Pending JPH0790624A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6790298B2 (en) * 2000-07-10 2004-09-14 Tini Alloy Company Method of fabrication of free standing shape memory alloy thin film
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