JPH079011A - ロールミル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール交換が簡単に行えるロールミルを提供
する。 【構成】 複数のロールユニット３を保持するインナハ
ウジング２とインナハウジング２を着脱自在に保持する
アウタハウジング１とからなり、インナハウジング２
は、各ロールユニット３をパスラインを中心とする円周
方向において等間隔に支持すると共に、パスライン方向
に移動不能に固定し、パスラインを中心とする半径方向
に移動可能かつ半径方向外側に引出し可能に保持する２
枚のフレーム21，22からなり、アウタハウジング１に
は、インナハウジング２をアウタハウジング１内に収容
して固定するためのクランプシリンダ４と、固定された
状態のインナハウジング２の各ロールユニット３に対応
する位置に圧下装置６とロールバランスシリンダ５が取
付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はロールミルに関する。さ
らに詳しくは、管、棒鋼・線材の圧延に用いられる３ロ
ールミルなどのロールミルに関する。

【０００２】

【従来の技術】ロールミルはサイズ変更やメンテナンス
のためロール交換を時々行うが、２ロールミルに比べ３
ロールミルのロール交換は一般的に大幅に時間がかか
り、メンテナンスも複雑である。３ロールミルの一例を
図10〜11に示す。図示の３ロールミルは回転入力軸51が
１本で２組のベベルギヤー52で回転動力を分配するタイ
プで、３個のロール53は同一平面内に円周方向等間隔に
セットされている。これらの回転入力軸51やロール53を
保持するハウジングは、２ピースに分かれており２個の
半体54，55をタイロッド56で締結するように構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の３ロールミルで
はロール交換する場合、ハウジングの半体54，55を中央
の合わせ面57で分離してからロール53を抜き出さなけれ
ばならないのでハウジング54，55を分離するための余分
の手間がかかり、また、ハウジングが２ピースに分離す
ると全ての構成部品がバラバラになるので、再組立ある
いはメンテナンスに工数が多くかかることから既述のご
とく多くの時間がかかっていた。

【０００４】本発明はかかる事情に鑑み、ロール交換が
簡単に行えるロールミルを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のロールミルは、
複数のロールユニットを保持するインナハウジングと該
インナハウジングを着脱自在に保持するアウタハウジン
グとからなり、前記インナハウジングは、各ロールユニ
ットをパスラインを中心とする円周方向において等間隔
に支持すると共に、パスライン方向に移動不能に固定
し、パスラインを中心とする半径方向に移動可能かつ半
径方向外側に引出し可能に保持する枠体であり、前記ア
ウタハウジングには、前記インナハウジングをアウタハ
ウジング内に収容して固定するためのクランプシリンダ
と、固定された状態のインナハウジングの各ロールユニ
ットに対応する位置に圧下装置とロールバランスシリン
ダが取付けられていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明では、クランプシリンダを解放するとパ
スライン方向にアウタハウジングからインナハウジング
を取り出すことができる。取り出されたインナハウジン
グにはロールユニットが保持されたままであるが、圧下
装置やロールバランスシリンダはアウタハウジングに取
付けられたままであるので、ロールユニットをパスライ
ンを中心とする半径方向外側に引出せば、圧下装置やロ
ールバランスシリンダと干渉することなく、ロールユニ
ットをインナハウジングから取り出せる。このようにし
た後、新しいロールユニットをインナハウジングに挿入
するだけで、ロール交換を行いうる。この場合、ハウジ
ングを分解する必要がないので、工数が少くてすみ、作
業が短時間ですむ。

【０００７】

【実施例】つぎに本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本発明を適用した３ロールミルの正面図、図
２はアウタハウジング１の正面図、図３はインナハウジ
ング２の平面図、図４はインナハウジング２の正面図、
図５はロールユニット３の斜視図である。

【０００８】まず、図２に基づきアウタハウジング１を
説明する。アウタハウジング１はリング状の枠体10から
構成され、該枠体10の内周には、６カ所の受台11，12，
13，14，15，16が形成されている。そして、枠体10の受
台14，15の間には後述するインナハウジング２を固定す
るためのクランプシリンダ４が正面側と裏面側に２個
（図６参照）取付けられている。4aは該クランプシリン
ダ４のピストンロッドである。さらに円周方向等間隔に
３個のロールバランスシリンダ５がアウタハウジング１
の枠体10に取付けられており、各ロールバランスシリン
ダ５の両サイドには圧下装置６が取付けられている。5a
は前記ロールバランスシリンダ５のピストンロッドであ
り、その先端には係合用の径大部5bが形成されている。
前記圧下装置６はねじ式あるいは油圧シリンダ式など公
知ものが用いられる。

【０００９】つぎに、図３〜４に基づきインナハウジン
グ２を説明する。このインナハウジング２は概略Ｙ字形
に形作られた２枚のフレーム21，22を中央部の３本のス
テー23で固定したもので、３カ所のロールユニット収容
部24，25，26を有している。各ロールユニット収容部2
4，25，26は、円周方向120 度間隔で位置しており、そ
れらの頭部の両サイドは傾斜面に形成され、当接部24a
，24b ，25a ，25b ，26a ，26b となっている。ま
た、各ロールユニット収容部24，25，26において、一対
のフレーム21，22の内周面には後述するロールチョック
31の側面を昇降自在にガイドする摺動面21a ，22a が形
成されている。

【００１０】図５はロールユニット３を示している。こ
のロールユニット３はロール30を軸支する一対のロール
チョック31を備えており、各ロールチョック31の上部両
側面には切欠き部32が形成されている。33はロールバラ
ンスビームで、切欠き部32に係合する２本のビーム34
と、それらを連結すると共に上面に係合溝35を形成した
ブロック36から構成されている。この係合溝35の長手方
向はパスラインに沿う方向と一致している。なお、各ロ
ール30の軸37は全て入力軸で図７〜８に示すように伝達
軸39と連結するためのカップリング38を一端に備えてい
る。

【００１１】図７は上記ロールユニット３を前記インナ
ハウジング２に収容した状態を示している。各ロール収
容部24，25，26にそれぞれロールユニット３が収容され
ており、図８に示すようにロールチョック31はフレーム
21，22の摺動面21a ，22a 内に挿入されている。そし
て、２枚のフレーム21，22でロールユニット３が挟まれ
ているので、ロールユニット３はパスライン方向への移
動が不能に拘束されている。なお、図８において、符号
４はクランプシリンダ４の位置を、符号５はロールバラ
ンスシリンダ５の位置を、符号６は圧下装置の位置を仮
想線で示している。

【００１２】図１は、上記のように各ロールユニット３
を挿入したインナハウジング２を前記アウタハウジング
１に組込んだ状態を示している。このとき、図６に示す
ようにインナハウジング２のロール収容部24を構成する
フレーム21，22の横ビーム27がクランプシリンダ４のピ
ストンロッド4aに押し下げられ、図１に示すように前記
押下げ力をインナハウジング２の２カ所の当接部25b ，
26a がアウタハウジング１の受台11，12に当接すること
により、インナハウジング２がアウタハウジング１に固
定されている。もちろん他の当接部と受台の当接によ
り、インナハウジング２はアウタハウジング１と同心に
保持されている。

【００１３】図５に示すように、上記の取付状態で、ロ
ールバランスシリンダ５のピストンロッド5aはロールバ
ランスビーム33の係合溝35に係合してロールチョック31
を引付けており、一方で圧下装置６はロールチョック31
を押下げる方向に押圧しているので、ロールバランスシ
リンダ５と圧下装置６を調整することにより、ロールチ
ョック31を開閉方向（パスラインを中心とする半径方
向）に移動させて圧下量を調整することができる。

【００１４】上記の３ロールミルについてロールを交換
する操作を説明すると、図１に示すクランプシリンダ４
を解放しインナハウジング２をパスライン方向に引出
す。このとき、ロールバランスビーム33の係合溝35はパ
スライン方向に一致しているのでロールバランスシリン
ダ５を取外さなくてもインナハウジング２の引出しが可
能である。なお、図１には示していないが、パスライン
方向を垂直方向にしてクレーンを用いてインナハウジン
グ２を支持して引出すようにしてもよく、あるいはパス
ライン方向を水平方向にしてインナハウジング２を支持
して引出すためのレールや油圧シリンダを設けておくこ
とが作業を容易にするために好ましい。

【００１５】このようにして引出された状態のインナハ
ウジング２が図９に示されている。インナハウジング２
の各ロールユニット収容部24，25，26はパスラインを中
心とする半径方向外側には何も干渉するものがないの
で、各ロールユニット３を特別の準備作業を要すること
なくごく簡単に外側に引出すことができる。なお、人為
的にロールユニット３を引出す前にロールユニット３が
インナハウジング２から滑り落ちないようにする適当な
ストッパを設けておくことが好ましい。

【００１６】引出されたロールユニット３はロールチョ
ック31にロールバランスビーム33が係合した状態であ
り、その後、ロールバランスビーム33を取外すか、ある
いはそのまま保管される。そして、新しいロールユニッ
ト３がインナハウジング２に挿入される。この操作はロ
ールユニットを半径方向内側に挿入するだけで容易に行
いうる。全てのロールユニット３を装着したインナハウ
ジング２は既述のごとくアウタハウジング１内に収容し
クランプシリンダ４で押圧することとにより、取付けを
完了しうる。

【００１７】以上のごとく本実施例によれば、クランプ
シリンダ４の作動によるインナハウジング２の着脱とイ
ンナハウジング２に対するロールユニット３の挿入引出
しのみで、ロール交換を行えるので、非常に作業が簡単
であり、ロール交換作業の手間と時間を大幅に削減しう
るのである。

【００１８】なお、上記実施例は３ロールミルについて
であったが、実質的に同様の構成を４ロールミルにも適
用できるものである。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、ロールユニット交換作
業の手間と時間を大幅に短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係わる３ロールミルの正面
図である。

【図２】アウタハウジング１の正面図である。

【図３】インナハウジング２の平面図である。

【図４】インナハウジング２の正面図である。

【図５】ロールユニット３の斜視図である。

【図６】クランプシリンダ４とロールバランスシリンダ
５とロールチョック31を示す側面図である。

【図７】ロールユニット３を装着したインナハウジング
２の正面図である。

【図８】ロールユニット３を装着したインナハウジング
２の一部平面図である。

【図９】インナハウジング２とロールユニット３の説明
図である。

【図１０】従来の３ロールミルにおけるハウジングの片
側を外した状態の平面図である。

【図１１】図10の３ロールミルの側面図である。

【符号の説明】

１ アウタハウジング ２ インナハウジング
３ロールユニット ４ クランプシリンダ ５ ロールバランスシリンダ
６ 圧下装置 30 ロール 31 ロールチョック
35 係合溝 33 ロールバランスビーム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のロールユニットを保持するインナハ
   ウジングと該インナハウジングを着脱自在に保持するア
   ウタハウジングとからなり、前記インナハウジングは、
   各ロールユニットをパスラインを中心とする円周方向に
   おいて等間隔に支持すると共に、パスライン方向に移動
   不能に固定し、パスラインを中心とする半径方向に移動
   可能かつ半径方向外側に引出し可能に保持する枠体であ
   り、前記アウタハウジングには、前記インナハウジング
   をアウタハウジング内に収容して固定するためのクラン
   プシリンダと、固定された状態のインナハウジングの各
   ロールユニットに対応する位置に圧下装置とロールバラ
   ンスシリンダが取付けられていることを特徴とするロー
   ルミル。
2. 【請求項２】前記インナハウジングが３個のロールユニ
   ットを保持するものである請求項１記載のロールミル。