JPH0790104A - 無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents

無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法

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JPH0790104A
JPH0790104A JP26045893A JP26045893A JPH0790104A JP H0790104 A JPH0790104 A JP H0790104A JP 26045893 A JP26045893 A JP 26045893A JP 26045893 A JP26045893 A JP 26045893A JP H0790104 A JPH0790104 A JP H0790104A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物性(特に、耐剪断割れ性)に優れた型内成
形品が確実に得られる、二酸化炭素を発泡剤に用いた無
架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子を得る。 【構成】 無架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を、多湿或
いは水の共存雰囲気下で加熱する工程と、加熱処理後に
その樹脂粒子に、二酸化炭素を気相の状態で接触させて
含浸する工程と、該二酸化炭素ガスが含浸された樹脂粒
子をスチーム加熱発泡する工程とを具備した無架橋ポリ
オレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡剤としてはCF
C、HCFC規制をクリアーしている二酸化炭素を用い
た無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】無架橋ポリオレフィン系樹脂の型内成形
品を得るために使用する発泡粒子を製造する方法とし
て、二酸化炭素をポリオレフィン系樹脂の発泡剤に使用
する方法は例えば特公昭62−44777号公報及び特
公昭62−61227号公報に記載されていて公知であ
る。また、二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤にして得た発
泡樹脂粒子は、これに空気などの無機ガスを追添して膨
張能を付与し、型内で加熱成型すれば型内成形体に出来
ることも、例えば特公昭63−41942号公報等に記
載されている。
【0003】上記の3つの発明は、オゾン層破壊の問題
が地球規模の環境問題として重視され、従来発泡剤とし
て重用されてきたジクロロジフルオロメタン、モノクロ
ロジフルオロメタン等の揮発性有機発泡剤が、CFC、
HCFC規制によって使用が制約される昨今では、該規
制をクリアーできる二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤とす
る点で注目される。
【0004】しかし、二酸化炭素を樹脂粒子の発泡剤に
することは実際には容易なことではない。その理由は、
一般に二酸化炭素は揮発性有機発泡剤に比べて樹脂への
溶解性が低く、これを直接ポリオレフィン系樹脂に均質
含浸させることが困難な上に、逆に加熱発泡させる時は
含浸した二酸化炭素の樹脂からの逸散が速すぎ、且つ含
浸した二酸化炭素それ自体が気泡核となって気泡の成長
を阻害してしまうという問題等が有って、型内成形が可
能な良質の発泡粒子が得られないからである。
【0005】その為か、上記3つの発明の技術では、い
ずれも樹脂が軟化する温度以上の熱水性分散媒に二酸化
炭素を溶解させた状態にして樹脂粒子に接触含浸させ、
そして得られた発泡性粒子は高温・高圧下の分散媒と一
緒に低圧の雰囲気下に放出して発泡させる方式を採用し
ているところに特徴がある。
【0006】しかしながら、二酸化炭素を用いる上記3
つの発明では、均質構造の発泡粒子、即ち独立気泡構造
で気泡径や粒子径の揃った状態の発泡粒子が得られず、
膨張能に乏しい発泡粒子になってしまう欠点があり、結
果的に、型内成形用に適した発泡粒子が得られないとい
う問題点がある。この原因は、発泡方法自体が持つ本質
的な難点、即ち発泡剤の含浸時や発泡性粒子の放出時
に生じる容器内・分散媒内の発泡剤成分や圧力の変動
が、得られる発泡粒子の気泡構造にバラツキを与えてし
まう問題点、分散媒と共に放出された時に生じる粒子
群内の温度勾配に起因する、粒子個々の気泡構造及び粒
子形状が不揃いになり易い問題点が未解決のままである
ためと推察される。
【0007】そこで本出願人は、先に上述のような問題
を解決する為に、ポリオレフィン系樹脂粒子を二酸化炭
素の臨界圧力未満の高圧状態にあるガス雰囲気下に保持
して、樹脂分に対して二酸化炭素ガスの5重量部未満を
上記樹脂粒子内に含浸させて発泡性樹脂粒子とし、後に
これを加熱して発泡させることにより、比較的大きな径
の気泡で気泡径の揃った状態の均質構造の発泡粒子が得
られ、その結果、膨張性能と独立気泡率の維持性に優れ
たポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得ることが可能なこ
とを見いだし、その製造方法に関する出願を先に行った
(特開平4−372630号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製造方法でも無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得
た場合、膨張性能と独立気泡率の維持性に優れているも
のの、型内成形に供した際に粒子同士の融着性が悪く、
必ずしも安定して良好な成形体が得難いという問題点を
有し、そして得られた成形発泡体の物性、特に耐剪断割
れ性において充分満足のできるものではなく、まだ改良
の余地を残していた。
【0009】本発明者らは、上記従来技術の欠点を解消
すべく更に鋭意研究した結果、樹脂粒子を多湿或いは水
の共存下で加熱処理した後に、二酸化炭素の発泡剤を含
浸して加熱発泡すれば、上記問題が解決できることを見
いだし、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、
CFC、HCFC規制をクリアーする処の二酸化炭素を
用いて、膨張性能と独立気泡率の維持性に優れ、そして
型内成形しても、物性に優れた成形品が確実に得られる
無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、即
ち本発明の、無架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を多湿又
は水の共存雰囲気下で加熱する工程と、加熱処理後にそ
の樹脂粒子に二酸化炭素を気相の状態で接触させて含浸
する工程と、該二酸化炭素ガスが含浸された樹脂粒子を
スチーム加熱発泡する工程とを有することを特徴とする
無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法を
採用することによって、容易に達成することができる。
【0011】以下本発明について詳細に説明する。本発
明で使用する無架橋ポリオレフィン系樹脂粒子の材質
は、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、プロピレ
ン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック共重合体等のポリプ
ロピレン系樹脂であり、これらの単独樹脂や、これらの
2種以上の混合樹脂等である。中でも、密度の範囲が
0.925〜0.940cc/gのポリエチレン樹脂や、
エチレン成分が1〜30重量%のエチレン−プロピレン
共重合樹脂を用いる時は、最大の効果を発揮するので望
ましい。これらの無架橋ポリオレフィン系樹脂の中に
は、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、顔料、難燃剤、
帯電防止剤などを小量添加しても差し支えない。
【0012】なお、本発明で発泡原料として用いる樹脂
粒子は、従来公知の方法に従って、上記無架橋ポリオレ
フィン系樹脂を粒子状に成形することにより得られる。
例えば、押出機により溶融混練りしてストランド状に押
出し、それをペレタイザーにより、直径(D)0.5〜
3mm、長さ(L)0.5〜3mmの粒子形状に造粒して得
ることができる。
【0013】本発明の製造方法において、まず無架橋ポ
リオレフィン系樹脂粒子を、多湿又は水の共存雰囲気下
で加熱する。相対湿度80%以上の多湿又は水の共存雰
囲気下で加熱を行うのが好ましく、無水の条件下で行う
いわゆる乾熱風式では、所定の目的が達成されないこと
を見いだしており、好ましくない。
【0014】上記処理温度は、無架橋樹脂であるため融
点以下、特に軟化温度+10℃〜軟化温度−80℃の温
度範囲で加熱するのが好ましい。軟化温度+10℃を越
える温度の加熱処理では、樹脂粒子同士の融着が起こり
好ましくない。なお、ここで言う無架橋ポリオレフィン
系樹脂の軟化温度とは、ASTMD−1525によって
求めた値である。また、成形性、物性等の安定したもの
を得るために、1分間以上、特に1〜30分上記加熱処
理する事が好ましい。
【0015】このような条件にて加熱処理をして、そし
て二酸化炭素ガス発泡剤を含浸し、加熱発泡して得た発
泡粒子を用いて、型内成形に供した場合発泡粒子同士の
融着性が向上し、得られた成形発泡体の耐剪断割れ特性
が良好になる。この多湿或いは水の共存雰囲気下で加熱
処理することによる効果に及ぼす作用機構は明らかでな
いが、事実として改質に影響している。
【0016】本発明者らは、可塑性の低い二酸化炭素を
発泡剤としている点と、樹脂の結晶融解終了温度より低
い温度で型内ビーズ融着成形せねばならない無架橋ポリ
オレフィン系樹脂発泡粒子である点とから、樹脂粒子の
製造過程に生じた微妙な歪応力が解消されず逆に増長さ
れて、これが融着成形を阻害しており、これに起因する
歪応力を、水の可塑性と温度との相乗によって緩和解消
させている作用と推察している。
【0017】加熱処理方法としては、樹脂粒子を適正
な温度を有する温水槽に導き、適正時間処理後抜き出す
バッチ式処理方法、樹脂粒子をスチーム加圧釜に供給
し、適正な温度、時間でスチーム加熱して取り出すバッ
チ式方法、適正な温度に保持された温水が一定速度で
流れている配管内に樹脂粒子を連続的に供給し処理する
連続式方法、トンネル内にスチームが噴出しているベ
ルトコンベヤー式加熱トンネルに樹脂粒子を連続的に供
給し処理する方法等が挙げられる。
【0018】加熱処理された樹脂粒子に二酸化炭素を気
相の状態で接触させて含浸する工程は、二酸化炭素を含
浸するにあたり、二酸化炭素の臨界圧力未満の高圧雰囲
気下、具体的には15〜50kg/cm2 Gで二酸化炭素
をガス体(気相)の状態で樹脂粒子に接触含浸させる。
これを臨界圧力以上の雰囲気にし、二酸化炭素を液体
(液相)の状態にして樹脂粒子に接触含浸させようとす
ると、得られる発泡粒子は気泡が全体に微細で気泡径の
バラツキが多いものになってしまう。また、二酸化炭素
を熱水性分散媒に溶解させた状態にして樹脂と接触含浸
させる方法は、大きな径の小数の気泡とを極小径の多数
の気泡とが樹脂粒子の中に混在して分布した物となり、
膨張させて使用するには不向きな発泡粒子になってしま
う。
【0019】これに対し、本発明の二酸化炭素の臨界圧
力未満の雰囲気での含浸では、含浸温度は低温側で行う
ことが出来、比較的大きな径の気泡が、樹脂粒子中に均
等に配置された膨張性能と独立気泡率の維持性に優れた
発泡粒子が得られる利点がある。この場合の実用含浸温
度は、5〜20℃の範囲内の、ある温度に調節維持する
ことが均質気泡構造のものを得る上で望ましい。含浸量
は5重量部未満とすることが好ましい、含浸量が5重量
部を越えて多くなると、得られる発泡粒子の気泡が微小
化してしまう現象がある。
【0020】二酸化炭素を含浸させた発泡性樹脂粒子
は、基材樹脂の発泡適正温度にまでスチーム加熱して発
泡させる。この場合の加熱温度は、基材樹脂の融解終了
点−5℃以下の温度で加熱発泡させることが好ましい。
加熱温度が、基材樹脂の融解終了点−5℃以上の温度で
スチーム加熱発泡させると、不均一な気泡構造を有する
発泡粒子になってしまう現象がある。
【0021】このようにして調整した発泡粒子を、更に
高発泡倍率の発泡粒子にしようとする場合、公知の多段
発泡の方法を適用するのが有効である。この際、発泡に
先立って発泡能付与処理を施す必要があるが、この処理
は前記の一次発泡の場合と同様に二酸化炭素ガスを含浸
させて行うこともできるし、5〜30kg/cm2 Gに維
持した条件下で、他の発泡用ガス、例えば空気、窒素、
ヘリウムなどの不活性ガスを発泡粒子内に浸透させるこ
とによって行う事ができる。このように発泡能付与処理
を施した発泡粒子を加熱することにより、効率よく高発
泡倍率の発泡粒子を得ることができる。
【0022】上述した本発明の製造方法に基づけば、従
来の、二酸化炭素を発泡剤に用いて得た無架橋ポリオレ
フィン系樹脂発泡粒子では持っていなかったところの、
膨張性能と独立気泡率の維持性に優れ、そして型内成形
しても、物性(特に、耐剪断割れ性)に優れた成形品が
確実に得られる無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を
提供することができる。
【0023】本発明で使用した特性値の評価方法を下記
に示す。 〔発泡粒子の発泡倍率(cm3 /g)〕重量(Wg)既知
の発泡粒子の容積(Vcm3 )を水没法で測定し、その容
積を重量で除した値である。
【0024】〔平均気泡径(mm)〕発泡粒子を任意に直
交する3つの面で切断して得られる三次元軸のそれぞれ
の軸上において、任意の長さL(1mm以上)あたりの気
泡の数を読み、次式により求めた値である。 平均気泡径(mm)=L(mm)/気泡の数
【0025】〔発泡粒子内気泡の均一性〕発泡粒子の略
中央部を鋭利な刃物で切断し、前処理を行った検鏡用資
料の切断面全体を走査型電子顕微鏡を用いて拡大し撮影
する。この撮影画像より、粒子中の内部の気泡が、比較
的径寸法が揃った状態でほぼ均等に配置されているのを
「均一」であるとし、小さな径の多数の気泡と、この小
径気泡より倍以上のおおきさの大きな径の小数の気泡と
が混在して分布しているのを「不均一」であると表現し
た。
【0026】〔独立気泡率(%)〕ASTMD−285
6に記載されているエアーピクノメーター法(BECM
AN製,モデル930)により測定した。 n=10の平均
【0027】〔融着度〕約300×300×50mmの板
状成形体品を成形し、この成形品より100×100mm
正方形状の試験片を切り出し、その一つの側面中央部に
深さ20mmの切れ目を入れ、切れ目にそって引き剥して
成形品を開裂させ、切開断面において、存在する全粒子
数に対する粒界からでなくて気泡部で材料破断して切裂
している粒子数の百分率(材破率)を求めた。
【0028】〔圧縮強度〕成形体を一定速度で圧縮した
時の応力を示すもので、25%歪以下の応力を圧縮強度
とし、JISK−6767の試験方法により評価する。
【0029】〔繰り返し圧縮永久歪〕成形体に一定歪量
が長時間にわたってかけられた後の回復割合を示すもの
であり、JISK−6767の試験方法により評価す
る。
【0030】〔耐剪断割れ性〕厚み30mm、内寸法70
×70×70mmのコーナーパッドを成形加工し、三角錘
型落下用ダミーに取付、一平面(70×70mm)換算の
静的応力0.05kg/cm2 の条件で、60cmの高さか
ら角落下させ、コーナーパッド試験体のラクック割れ寸
法を測定し、次式により割れ量を求めた。 割れ量(%)=100×クラック割れ寸法(mm)/元の
パッド厚み(30mm)
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて説明する。
【0032】実施例1〜3、比較例1〜3 低密度ポリエチレン(サンテックLD、商品名;旭化成
工業(株)製、密度0.930g/cm3 、M・12.4
g/10分)32重量部と、直鎖低密度ポリエチレン
(旭化成LL、商品名;旭化成工業(株)製、密度0.
924g/cm3 、M・10.8g/10分)43重量部
と、高密度ポリエチレン(サンテックHD、商品名;旭
化成工業(株)製、密度0.955g/cm3 、M・1
0.2g/10分)25重量部との混合物を、二軸押出
機を用いて溶融混練りし、押出機の先端に取り付けたダ
イスよりストランド状に押出し、冷却切断して樹脂粒子
を製造した。この混合樹脂粒子は、密度0.931g/
cm3 、結晶融解終了温度130℃、軟化温度115℃で
あった。
【0033】次にこの樹脂粒子を第1表に示す温水温度
に保たれた温水槽中に、同表に示す時間浸水させ加熱処
理を行った。なお、比較例1は、この加熱水処理を実施
しなかった。比較例2は、20℃の工業用水に浸水した
のみで加熱を行わなかった(常温処理)。また樹脂の軟
化温度+10℃を越える温度の温水温度で処理した比較
例3は、樹脂粒子同士が融着してしまい、発泡剤を含浸
する次の工程に進めなかった。
【0034】この樹脂粒子を耐圧容器に収容し、発泡剤
として二酸化炭素(気相)を注入し、圧力30kg/cm
2 G、温度8℃の条件下で4時間かけて樹脂粒子中に二
酸化炭素を含浸した。二酸化炭素の含浸量は、樹脂粒子
を容器内から大気中に取り出して、1分経過後に測定し
たところ、1.7重量部であった。この発泡性樹脂粒子
を発泡装置(脱気昇温式)に収容して、槽内温度80℃
から120℃まで20秒間かけて昇温し、更にその温度
を保持しながら10秒間スチーム加熱発泡した。得られ
た一次発泡粒子は、全て比較的大きな径の気泡で気泡径
の揃った状態の均質構造のものであった。発泡倍率と平
均気泡径を第1表に示す。
【0035】次に、各々の一次発泡粒子を加圧加温装置
に収容し、80℃の温度下で高圧空気を用い9.5kg
/cm2 Gまで1時間かけて昇圧し、更に4時間その圧力
を保持して、一次発泡粒子の気泡内圧を高めた後、一次
発泡粒子を得た条件と同じ条件で加熱発泡処理を行い、
第1表に示す発泡粒子倍率の二次発泡粒子を得た。更
に、各々の二次発泡粒子に、上記二次発泡粒子を得た条
件と同じ条件で膨張能処理と加熱発泡処理を行い、第1
表に示す発泡倍率、独立気泡率の三次発泡粒子を得た。
【0036】得られた三次発泡後の発泡粒子を常温常圧
下で48時間放置させた後、密閉容器に収納し、常温の
空気中で元のかさ体積の63%(圧縮率37%)に加圧
圧縮し、その状態を保持しつつ水蒸気孔を有する型内成
形金型内(内寸法300×300×50mmtの板状型
とし、2.30mmt、内寸70×70×70mmのコーナー
パッド型の二つ)に充填し、圧力1.3kg/cm2 Gの
水蒸気で加熱して、発泡粒子相互を膨張融着させた後、
冷却し、成形金型より取り出した。取り出した成形体は
60℃の室内で8時間熟成された後、23℃で3日間放
置し、発泡倍率30cc/gの型内成形体とした。
【0037】各々の成形体について、上記評価方法によ
り特性を評価し、その結果を第2表に示す。第2表の結
果によると、本発明の製造方法により得られる発泡粒子
は、型内融着成形性に優れており、型内成形して得た成
形発泡体の物性、特に耐剪割れ性が品位のある高度な値
を示すことが分かる。
【0038】実施例4、比較例4 エチレンープロピレン共重合樹脂(ユニオンポリマー社
製、FM821、密度0.90g/cm3 、MFR7g/
10分、エチレン含量2.7重量%、結晶融解終了温度
152℃、軟化温度125℃)の押出ストランドカット
品を用いて、実施例1,比較例1の、夫々の温水処理を
90℃×10分・温水処理なしに、二酸化炭素の含浸時
間3時間を6時間に、かつ発泡温度120℃を130℃
に変更した他は、実施例1,比較例1と同様にして、発
泡倍率3.6cc/gの一次発泡粒子、発泡倍率14.6
cc/gの二次発泡粒子、発泡倍率45.0cc/gの三次
発泡粒子とした。
【0039】得られた三次発泡後の発泡粒子を用いて、
成形圧力1.3kg/cm2 Gを3.8kg/cm2 Gの水
蒸気に変更した他は、実施例1,比較例1と同様にし
て、発泡倍率45.0cc/gの型内成形体とした。各々
の成形体について、上記評価方法により特性を評価した
ところ、樹脂粒子を90℃×10分温水処理した後、含
浸発泡成形して得た成形品が、その融着度が100%で
耐剪断割れ率が20%であったのに対し、温水処理せず
に得た成形品は、融着度が50%で耐剪断割れ率が50
%と、品位の劣るものであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の製造方法で
得た無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内成形に
用いると、物性(特に、耐剪断割れ性)に優れた型内成
形品を確実に提供することができる。しかも、この製造
方法は、CFC、HCFC規制をクリアーできる二酸化
炭素を発泡剤として用いているためにオゾン層を破壊す
ることもなく、且つ不燃性で毒性が低くて取扱いが容
易、安価である等の利点が多く、その技術的意義は極め
て高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を多湿
    又は水の共存雰囲気下で加熱する工程と、加熱処理後に
    その樹脂粒子に二酸化炭素を気相の状態で接触させて含
    浸する工程と、該二酸化炭素ガスが含浸された樹脂粒子
    をスチーム加熱発泡する工程とを有することを特徴とす
    る無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造工
    程。
JP26045893A 1993-09-27 1993-09-27 無架橋ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の製造方法 Expired - Lifetime JP3453814B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6028121A (en) * 1995-11-15 2000-02-22 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Pre-expanded polyethylene beads and process for producing the same thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6028121A (en) * 1995-11-15 2000-02-22 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Pre-expanded polyethylene beads and process for producing the same thereof

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