JP4460098B2 - ポリオレフィン樹脂発泡シート及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂発泡シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂発泡シート、及びその製造方法に関する。詳しくは、アバタ、フクレ等がなく表面状態が良好で、発泡セル径が均一であるポリオレフィン樹脂発泡シート、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
見掛密度が0.1〜0.7g/cm3である高密度ポリエチレン系発泡シートは、断熱性、吸音性、衝撃吸収性、耐久性、高剛性等の特徴を有し、シート状に加工して、断熱材、結露防止材、通函用途などに広く使用されている。この分野の素材として使用するには、耐油性、軽量性、高剛性など良好であることが要求される。従来、高密度ポリエチレン発泡シートを製造する公知技術の1つとして、Tダイを付けた押出機により加熱された、発泡剤を含む膨張可能な樹脂をダイから大気中に連続的に押し出し、シート状に成形すると同時に所定密度や所定厚みに発泡させる、いわゆる押出発泡方法を工業的な方法として挙げることができる。
また、他の製造方法として、特殊な金型を用いた異形押出方法を挙げることができる。例えば、特公昭51−14540号公報のように加熱された発泡可能な樹脂を細狭間隙より直ちに大気中に自由発泡させるのではなく、ある圧力状態下で発泡させ、これを成形装置の寸法により決められた所定厚さ、及び幅に冷却成形したのち、該成形装置より大気中に連続的に押し出した発泡体シートの製造方法である。高密度ポリエチレン系発泡シートを製造するにあたり、樹脂面の工夫として、特公昭60−11936号公報にあるような架橋樹脂を用いてセル破泡を抑制する方法が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常の押出発泡法では、発泡セルがTダイ内で偏ったり、あるいは発泡セルが集合して連続気泡となり、ひどい場合には、セル破泡によって発泡体から発泡ガスが抜け、発泡倍率の大幅な低下が起こってしまい、均一な発泡セルを有する発泡成形物を得ることは困難な場合がある。
【0004】
この原因は、以下のように考えられる。押出機からTダイ流入部に至る経路では、比較的高い圧力であるため、発泡ガスは溶融樹脂内で発泡セルが大きくなることはできない。一方、Tダイ内ではダイ出口が大気圧であるため、Tダイ内に生じる圧力は小さい。そのため、Tダイ内を発泡可能な樹脂が流動する際、圧力低下によって発生した発泡セルはセル径を大きくしながら、ダイ流出部へと移動する。この際、隣接する発泡セルと合一しやすい状態が生じ、単一として存在している発泡セルの安定性が悪くなる。発泡セルが隣接する発泡セルと合一し、大きな発泡セルがシートの表面付近に生じた場合、シート表面から発泡ガスが抜けなければフクレとなり、一方、発泡ガスが抜ければアバタとなり、シートの厚み不均一、表面外観不良、発泡セルの不均一性、任意位置の剛性不均一を生み出す要因となっていた。
【0005】
そこで、発泡セルの安定性は発泡剤が熱分解した際のマトリックス樹脂の溶融粘度に大きく依存することから、マトリックス樹脂の分子量を大きくし発泡セル成長時の溶融粘度を高くする方法、架橋樹脂を用いてセル破泡を抑制する方法で解決を試みることが行なわれている。
【0006】
しかし、マトリックス樹脂の分子量を大きくし溶融粘度を高くした場合には、発泡セルの安定化には成形上の制約があり限界がある。すなわち、粘度の高い樹脂を用いると、運転上の問題点として、押出機モーターに負荷が生じ、許容トルクをオーバーする場合がある。また、製品上の問題点として、せん断発熱によって流出樹脂温度が必要以上に高まり、発泡セル破泡が生じ、表面外観不良、発泡セル径の不均一が起こったりする。架橋体を用いた場合には、ポリオレフィン樹脂の場合と異なり、リサイクル上の問題が生じる。
【0007】
また、異形押出方法では、製品上の問題点として、冷却時の収縮を考慮して細狭間隙量を調整しないと規定寸法にならなかったり、金型内に堆積する付着物によって表面にひっかいたような傷が入ったりして外観が悪くなったりする。さらに、異形押出では金型の大きさに制限があるため、シート幅の広い製品を得ることが難しい。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決することを目的とし、従来の簡単な構造の押出成形設備を用い、原料処方を変更するだけで、簡単に発泡セルの破泡を抑制し、アバタやフクレを有しない、シート表面外観が良好で、発泡セル径が均一であるポリオレフィン樹脂発泡シート、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、高密度ポリエチレン樹脂に特定のポリプロピレン系樹脂を混合することにより、発泡セルの破泡を抑制し、アバタやフクレを生じることなく表面外観良好で、発泡セル径の均一化が図れることができることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、メルトフローレートが0.1〜2g/10分である高密度ポリエチレン樹脂60〜97重量%、並びに、メルトフローレートが1〜8g/10分であるホモポリプロピレン樹脂及びブロックポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂3〜40重量%を含むポリオレフィン樹脂発泡シートである。本発明のポリオレフィン樹脂発泡シートの主たる特性は、発泡セル径の変動率が31%以下、厚みが3〜20mm、見掛密度が0.2〜0.7g/cm3であることにある。
【0011】
本発明に係わる上記ポリオレフィン樹脂発泡シートは、メルトフローレートが1〜8g/10分であるホモポリプロピレン樹脂及びブロックポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂3〜40重量%を含むポリオレフィン樹脂100重量部、並びに、発泡剤0.1〜5重量部を含むポリオレフィン樹脂組成物を160〜200℃において混練、溶融して押出成形し、次いで、20〜100℃に冷却、賦形することにより製造することができる。該製造方法の好ましい態様として、表面間隙が3〜20mmである対をなす冷却ロールにより冷却し、10〜2000mm/minで引き取る方法が挙げられる。
【0012】
本発明に係わるポリオレフィン樹脂発泡シートは、アバタやフクレがなく表面状態が良好であり、発泡セル径が均一である。また、適度の剛性を有し、軽量である。従って、木製板の代替として棚板、テーブル等の家具、事務用品の資材、建築資材、など種々の分野において使用することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のポリオレフィン樹脂発泡シートは、高密度ポリエチレン樹脂、特定のポリプロピレン系樹脂、及び発泡剤を含む樹脂組成物を混合、混練、溶融して押出成形し、次いで、冷却、賦形することにより製造される。
【0014】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂は、高密度ポリエチレン、及び特定のポリプロピレン系樹脂との混合樹脂である。高密度ポリエチレンは、中圧法、低圧法により製造されたポリエチレンである。通常、密度が0.94〜0.97g/cm3、メルトフローレートが0.1〜2g/10分程度である。代表的な市販品として、京葉ポリエチレン(株)製、商品名:T4010等が挙げられる。
【0015】
上記高密度ポリエチレンに混合するポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及びそれらの混合物が挙げられる。ホモポリプロピレン樹脂とは、プロピレン単体で重合したポリプロピレンである。通常、密度が0.90〜0.91g/cm3、メルトフローレートが1〜8g/10分程度である。代表的な市販品として、チッソ(株)製、商品名:K5016等が挙げられる。
【0016】
ブロックポリプロピレン樹脂とは、ポリプロピレン重合時に、先ずプロピレンを重合し、次いで、エチレンを重合して得られたブロックポリプロピレンである。一般的に商業的に製造されているエチレン成分を含んだポリプロピレンである。ポリマー中のエチレン単位は15重量%以下であるものが好ましい。更に好ましくは、エチレン単位が8重量%以下のものである。エチレン単位の含有量が少なくなればホモポリプロピレンに近くなりさらによい。ブロックポリプロピレン樹脂は、密度が0.89〜0.92g/cm3、メルトフローレートが1〜8g/10分程度である。代表的な市販品として、グランドポリマー(株)製、商品名:BJS−M等が挙げられる。
【0017】
ポリオレフィン樹脂の混合割合は、高密度ポリエチレン60〜97重量%に対して、上記ホモポリプロピレン、及び上記ブロックポリプロピレンから選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂3〜40重量%である。ポリプロピレン系樹脂が40重量%を超えると、高密度ポリエチレンの特徴が失われてしまうと同時に、押出成形温度条件を高温にする必要があり、発泡状態が悪くなる。一方、3重量%未満になると、発泡セルの破泡が起こりやすくなり、発泡シート表面のフクレやアバタが出現する。
【0018】
本発明に用いる発泡剤として、窒素、炭酸ガス、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、水、石油エーテル、塩化メチル、モノクロルトリフルオルメタン、ジクロルジフルオルメタン、ジクロルテトラフルオルエタン、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)アゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、重曹クエン酸混合物等が挙げられる。
【0019】
発泡剤の添加量には特に制限はなく、通常、発泡樹脂シートの製造に使用される程度の量で差支えない。発泡剤の添加量は、シートの発泡倍率や発泡剤により変わるが、通常、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部程度である。ポリオレフィン樹脂には、必要に応じて、発泡剤の他、滑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料、染料等の他の添加剤を添加してもよい。
【0020】
ポリオレフィン樹脂、及び発泡剤、必要に応じて他の添加剤との混合方法には、特に制限はない。例えば、公知のリボンブレンダー等を用いて室温近傍の温度で混合して、樹脂組成物とする。
【0021】
本発明のポリオレフィン樹脂発泡シートは、上記樹脂組成物を、押出機等の成形機内で加熱、混練、溶融して押出し、冷却、賦形することにより得られる。成形機としては、一軸押出機、二軸押出機等が好ましい。押出成形等の成形温度は160〜200℃程度である。好ましくは160〜180℃である。ポリオレフィン樹脂組成物は、押出機等の成形機先端のダイリップからシート状に押出される。この際、溶融樹脂は、発泡剤又は発泡ガスを含有するため、膨張可能な状態にある。本発明では、かかる状態の溶融樹脂を膨張可能な樹脂という。
【0022】
冷却工程においては、先ず、膨張可能な樹脂の表面を冷却する。この時点では未だ膨張可能な樹脂の内部が冷却されていないため、発泡ガスにより内部が膨張し、内部にセルが形成され、発泡体が形成される。更に、冷却されて、発泡体が賦形される。対をなす小ロール群等の冷却ロールを用いて室温近傍の温度まで冷却しながら所定の厚みにすることができる。この場合、発泡シートの厚み調整は、対をなす少なくとも1対の冷却ロールの表面間隙と引取速度を調整することによって行うことができる。冷却ロール群の対の数に関して上限は特に制限されないが、10対程度あればよい。冷却ロールの温度は20〜100℃程度である。
【0023】
本発明では、冷却ロールの表面間隙としては5〜50mm、引取速度としては10〜2000mm/min程度である。かかる条件を採用することにより、厚みが3〜20mm程度の発泡シートが得られる。発泡シートの引取方法としては、金属ロール、ゴムロール、キャタピラー等を使用する方法が挙げられる。
上記のようにして製造されたポリオレフィン樹脂発泡シートは、幅と長さを所定のサイズにカットして製品となる。通常、幅は20〜2000mm、長さは0.2〜5m程度である。
【0024】
本発明を適用することにより製造されるポリオレフィン樹脂発泡シートは、適度の剛性を有し、軽量であるので、木製板の代替として棚板、テーブル等の家具、事務用品の資材、建築資材、など種々の分野において使用することが可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明について詳細に説明する。なお、本例で用いた評価方法は次によった。
【0026】
(1)見掛け密度(g/cm3
成形した発泡シートから縦2cm、横2cmの試料を3つ作成し、電子比重計〔(株)MIRAGE製、形式:MD−200S〕を用いて、室温20℃に制御された恒温室にて、試料の重量を測定し、続いて、試料表面に空気泡が付着しないことを確認して試料の体積を測定し、得られた体積と重量から比重を算出する。3つの試料の平均値を算出し、これを見掛け密度とする。
【0027】
(2)シート厚み(mm)
厚み測定器〔(株)ミツトヨ製、形式:デジマチック標準外側マイクロメーター〕を用いて、縦:10cm、横:10cmの試料について、無作為に10点の試料厚みを測定し、その平均値を算出する。
【0028】
(3)シートの外観品質
縦:20cm、横:10cmの試料の表面を肉眼で観察する。▲1▼シート表面のアバタ、▲2▼シート表面のフクレ、▲3▼発泡セルの破泡によるピンホールまたは亀裂、の3項目について評価する。評価基準は以下の通り。良好:▲1▼、▲2▼及び▲3▼がいずれも無し。アバタ有り:▲1▼及び▲3▼が有り。
【0029】
(4)発泡セルの均一性
発泡シート縦方向(引取方向)の任意位置で、発泡シート横方向(Tダイ幅方向)に切断して、その断面を接触式顕微鏡〔キーエンス(株)製、形式:ポータブルマイクロスコープVH−6100〕を用いて50倍に拡大して観察する。得られた断面映像(厚み方向約6.0mm、幅方向約4.5mmの範囲)を、パーソナルコンピューターに取りつけられた画像入力ボードを経由してパーソナルコンピューターへビットマップ形式で画像データを取り込む。ビットマップ形式で得られた画像データを、画像処理装置〔東洋紡(株)製Image Analyzer、形式:V10〕を用いて、発泡セル部分と樹脂部分とを明確に分離するため、TOKS法2値化処理を行ない、各々発泡セル部分の大きさから発泡セル面積を算出する。断面画像中に存在する発泡セルから、平均セル径、変動率、レンジ(最大発泡セル径と最小発泡セル径の差)を算出する。この操作を1つの試料について、10cm間隔で10箇所測定し、平均セル径、変動率、レンジの平均値をその試料の代表値とする。得られた変動率(標準偏差/平均セル径)、及びレンジより次のように評価する。
○:変動率が31%以下、レンジが0.62mm以下である。×:変動率が31%を超え、レンジが0.62mmを超える。
【0030】
(5)メルトフローレート(g/10分、以下、MFRという)
JIS K7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)に準拠して測定する。ポリエチレン樹脂では、試験温度;190℃、試験荷重;2.16kgfの測定条件で測定する。また、ポリプロピレン樹脂では、試験温度;230℃、試験荷重;2.16kgfの測定条件で測定する。
【0031】
(6)耐油性
成形した発泡シートから縦5cm、横5cmの試料を作成し、耐油性試験前の重量を電子比重計((株)MIRAGE製、形式:MD−200S)を用いて測定する。同一試料を25℃の市販の灯油中に試料の全体が浸かるようにして灯油を浸漬させる。20日間経過後、試料を取り出し、表面に付着した余分な灯油を拭き取り、電子比重計にて耐油性試験後の重量を測定する。試験前重量と試験後重量から重量増加率〔(試験後重量−試験前重量)/(試験前重量)〕を算出する。この試験を1つの試料について3回繰り返し、その平均重量増加率をその試料の代表値とする。評価基準は次の通り。○:重量増加量が9.0%未満。△:重量増加量が9.0以上。
【0032】
実施例1
高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン(株)製、商品名:T4010、MFR:1.0g/10min)90重量部、ホモポリプロピレン(チッソ石油化学(株)、製、商品名:K5016、MFR:6.0g/10min)10重量部、重曹クエン酸混合発泡剤0.9重量部、及び流動パラフィン0.2重量部を、ヘンシェルミキサーで混合して樹脂組成物を得た。押出機(シリンダー径:40mm、L/D:28)のシリンダー先端にTダイ(リップ開口部の幅:250mm、リップの開き間隙:1.1mm)を取り付けた。さらに、冷却プレートの後に、対になった小ロール群(直径:80mm、冷却ロール表面間隙:4.7mm)を6対取り付けた。上記成形装置を用いて、押出シリンダー温度160〜175℃、ダイ温度160℃の条件下で上記樹脂組成物を加熱、混練、溶融してTダイから押し出し、6対の小ロール群で室温まで冷却しながら、ポリオレフィン樹脂発泡シートを製造した。得られたシートの厚みは4.7mm、見掛け密度は0.58g/cm3であった。
【0033】
使用した成形機の種類、及びそのシリンダー口径、シリンダー口径(D)に対するシリンダー長さ(L)の比(以下、L/Dという)、Tダイのリップ幅、リップ開き間隙を〔表1〕、使用したポリオレフィン樹脂の種類、及び製造会社名、商品名、MFRを〔表2〕に他の実施例、比較例も含めて示した。成形機、樹脂の組合せと混合比、発泡剤添加量を〔表3〕、発泡シートの見掛け密度、シート厚み、外観品質を〔表4〕、発泡セルの平均セル径、変動率、レンジ、発泡セルの均一性の評価結果、重量増加率、及び、耐油性評価結果を〔表5〕に示す。
【0034】
実施例2〜11
成形機、樹脂の組合せと混合比、及び、発泡剤量を〔表3〕に示した通りに替えた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂発泡シートを製造した。得られた発泡シートの見掛け密度、シート厚み、外観品質、発泡セルの平均径、変動率、レンジ、発泡セルの均一性の評価結果、重量増加率、及び、耐油性評価結果について比較した。比較結果を〔表4〕及び〔表5〕に示す。これらの条件では発泡状態の良いシートが得られた。ブロックポリプロピレン樹脂は耐油性に関してはホモポリプロピレン樹脂より若干低下する。なお、冷却ロール間隙はシート厚みが極力大きくなるように適宜調整した。
【0035】
比較例1〜10
成形機、樹脂の組合せと混合比、発泡剤量を〔表3〕に示した通りに替えた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹脂発泡シートを製造した。得られた発泡シートの見掛け密度、シート厚み、外観品質、発泡セルの平均径、変動率、レンジ、発泡セルの均一性の評価結果、重量増加率、及び、耐油性評価結果について比較した。比較結果を〔表4〕及び〔表5〕に示す。これらの条件では、冷却ロール間隙はシート厚みが極力大きくなるように適宜調整したが、シート厚みを均一に制御することが困難であり、アバタが発生しやすく、外観品質不良が目立った。
【0036】
特に、比較例1、2、及び7では、Tダイ流出後、発泡ガスにより厚み方向に一次的に膨張するが、冷却ロール前でシートからガスが抜け、シート厚みが薄くなった。そのため、冷却ロールへの接触不良によりシート表面が平滑にならなかった。比較例5では、ポリプロピレンの添加量が多すぎたため、Tダイの端部へ樹脂が流れ難くなり、シートの端部が引き裂かれた状態になった。または、比較例10では、発熱によって樹脂の温度制御が困難であり、成形品にできなかった。
【0037】
【表1】
Figure 0004460098
【0038】
【表2】
Figure 0004460098
【0039】
【表3】
Figure 0004460098
【0040】
【表4】
Figure 0004460098
【0041】
【表5】
Figure 0004460098
【0042】
【発明の効果】
本発明の特徴は、高密度ポリエチレン、並びに、ホモポリプロピレン及びブロックポリプロピレンから選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂を混合した膨張可能なポリオレフィン樹脂を用いることにある。かかる樹脂を用いることにより、アバタやフクレが発生することのないポリオレフィン樹脂発泡シートを製造することができる。その上、発泡剤量を調整するだけで、発泡倍率を容易に調整することができる利点がある。冷却ロールの表面間隙、シートの引取速度を調節することにより発泡シートの厚みを適宜調整することができ、少量多品種の熱可塑性発泡シートを製造する方法として産業上極めて有用である。

Claims (11)

  1. メルトフローレートが0.1〜2g/10分である高密度ポリエチレン樹脂70〜95重量%、並びに、メルトフローレートが1〜8g/10分であるホモポリプロピレン樹脂及びブロックポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂5〜30重量%を含むポリオレフィン樹脂発泡シート。
  2. ブロックポリプロピレン樹脂が、エチレン単位を15重量%以下含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体である請求項1記載のポリオレフィン樹脂発泡シート。
  3. ポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン樹脂である請求項1記載のポリオレフィン樹脂発泡シート。
  4. セル径の変動率が31%以下である請求項1記載のポリオレフィン樹脂発泡シート。
  5. 厚みが3〜20mm、見掛密度が0.2〜0.7g/cmである請求項1記載のポリオレフィン樹脂発泡シート。
  6. ポリオレフィン系樹脂100重量部、及び発泡剤0.1〜5重量部を含むポリオレフィン樹脂組成物を160〜200℃において混練、溶融して押出成形し、次いで、20〜100℃に冷却、賦形するポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法であって、ポリオレフィン樹脂として、メルトフローレートが0.1〜2g/10分である高密度ポリエチレン樹脂70〜95重量%、並びに、メルトフローレートが1〜8g/10分であるホモポリプロピレン樹脂及びブロックポリプロピレン樹脂から選ばれた少なくとも1種のポリプロピレン系樹脂5〜30重量%を含むポリオレフィン樹脂を用いることを特徴とするポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
  7. 表面間隙が2〜20mmである対をなす冷却ロールにより冷却し、10〜2000mm/minで引き取ることを特徴とする請求項6記載のポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
  8. ブロックポリプロピレン樹脂が、エチレン単位を15重量%以下含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項6記載のポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
  9. ポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項6記載のポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
  10. セル径の変動率が31%以下である請求項6記載のポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
  11. 厚みが3〜20mm、見掛密度が0.2〜0.7g/cmであることを特徴とする請求項6記載のポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法。
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