JPH0789949B2 - 百日咳トキシンの精製法 - Google Patents

百日咳トキシンの精製法

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JPH0789949B2
JPH0789949B2 JP1084926A JP8492689A JPH0789949B2 JP H0789949 B2 JPH0789949 B2 JP H0789949B2 JP 1084926 A JP1084926 A JP 1084926A JP 8492689 A JP8492689 A JP 8492689A JP H0789949 B2 JPH0789949 B2 JP H0789949B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/235Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Bordetella (G)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、百日咳菌の生菌体を培養した肉汁溶液からの
特定のタンパク質を分離及び精製する新規な方法に関
し、それらのタンパク質から発熱性のファクターを除去
し、該タンパク質を無毒化し、そしてワクチンをそれら
の精製したタンパク質から生産するものであり、そのワ
クチンは実際に無毒であり、副作用がほとんどないかま
ったくなく、百日咳病から守るためのものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 24ヵ月以下の幼児の百日咳菌によって起る疾病、パーツ
シスすなわち百日咳は重病をひきおこし得ることがあ
り、致死率は約1%になっている。過去50年間の間、3
つのタイプのワクチンが該疾病に対する免疫として入手
可能であった。最も広く用いられているワクチンは「ホ
ールセル(whole cell)」ワクチンと呼ばれ、破傷風及
びジフテリアワクチンと伴に、百日咳伝染に対し幼児を
保護するのに入手しうものであるが、これはすべての先
進国及び多くの発展途上国で入手できるものである。
このホールセル百日咳ワクチンは、培養器中で数時間、
所定の培地中で公知の百日咳菌株をその混合物が所定の
パラメータに到達するまで培養することによって生産さ
れる。該混合物は次にホルムアルデヒドのような化学物
質で処理されるが、該物質は該菌を殺し、上清中及び菌
それ自体に存在するタンパク質を無毒化する。該混合物
が所定時間の間静置され無毒化工程が完了したことを確
かめた後、細胞は上清から連続遠心分離によって分離さ
れ、ひとかたまりの集菌された菌体と、捨てられる上清
に分かれる。次に食塩水中に該細胞が再懸濁されて懸濁
液を得、該溶液の濁度を通常測定することによって既知
の濃度まで希釈し、皮下注射した際に、前記疾病を防御
するための抗体を引き出す。この“ホールセル”ワクチ
ンは、注射した部位に弱い(minor)局部的作用を与え
るが、時に体温を上昇させたり一般的にいらだち(fret
fulness)のようなさらに強い全体的作用を伴うことが
知られている。該ワクチンは乳児においてある神経的作
用に関係があると推測されている。
2番目のワクチンのタイプは、百日咳菌が培養され、ホ
ルムアルデヒドで前記のように無毒化され、次に尿素の
濃縮溶液で抽出され分離された細胞であった。ろ過と透
析により尿素を除去した後、可溶性細胞壁成分の混合物
が得られ、それを既知の濃度まで希釈した後ワクチンと
し、1969年から1974年まで用いられていたものである
が、効率が低いことから現在用いられなくなっているも
のである。より最近、3番目のワクチンのタイプとし
て、アセルラ(acelluar)ワクチンと通常称されている
ものがあるが、これは日本で用いられそして他の多くの
先進国で臨床テスト用として用いられており、無毒化の
後、百日咳菌の培養上清成分の分離及び精製によって生
産されるものである。特に、該成分はリンパ球増多促進
因子(LPF)と呼ばれ、又、百日咳菌(PT)、線維状赤
血球凝集素(FHA)及び凝集原として知られており、分
離、同定されている。しかしながら、該菌の培養と特定
されていない分離方法のバリエーションによって、タン
パク質の分離混合物に種々の組成のものが生じてくる。
現在、一般的に用いられ、又完全に無毒で、それでいて
良好な防御作用を与えるということが許可されているワ
クチンはない。
往年の免疫学の発展によって、特定の疾病に対応する防
御抗体は、その疾病を起す微生物の不活化した全細胞や
非病源性菌体となるように弱毒化した全細胞よりもその
微生物の特定の細胞成分を投与することによって導き出
されることが認められている。
無毒化した又は弱毒化した生物体全体をワクチンとして
使用することは受容生体に損傷を与えるかもしれない成
分を導入する可能性があるということが知られている。
これを考慮して、抗体能力を持ち、完全に非毒性である
ことからワクチンとして作用しうるであろう百日咳菌の
部分的成分を、百日咳病源体の細胞やその培地へ分泌さ
れた物から分離する数多くの努力がなされた。
しかし未だに、いかなる特定の細胞成分もそれ自信が防
御抗体として作用することについての説得力のある証明
はない。
とは云うものの、数多くの刊行物や特許出願(例えばヨ
ーロッパ特許出願第0231083号又は0175841号を参照)に
は、精製無毒化タンパク質、リンパ球増多因子(LPF)
及び線維状赤血球凝集素(FHA)の混合物が複合抗体と
して作用しうること、及び哺乳動物に投与された時にそ
の疾病に対して防御性を与える抗体を作り出すことが示
唆されている。
前記の刊行物には、これらのタンパク質を精製する方
法、そして精製の後には種々の割合でワクチンとして使
用することが開示されている。
既存の技術で高度に精製されたLPFやFHAを作りうるとし
ても、それらの方法は本来的な欠点を持っている。
これまで実施されてきたアフィニティクロマトグラフ法
は有効であるが、吸着や溶出の際にしばしば、毒性があ
ったり高価であったり、及び/又は目的のタンパク質を
変性させる物質を使用することがある。
更に、吸着カラムに使用される物質のあるものは溶出に
苛酷な条件を必要とするし、溶出される物質のいくつか
は血液由来のものであるからブルードボーンディズーズ
(blood born disease)や自己感作を導きかねない。
ゲル濾過材やヒドロキシアパタイトの利用は可能である
が、それらを用いた場合僅かな低い精製度しか得られな
い。
百日咳菌から得られたLPFやFHAは、またこれらの汚染物
としてのリポ多糖類(LPS)の除去という大きな難問を
持っている。
LPSはナノグラム単位でも発熱を起し、どのワクチンに
あっても望ましくない成分である。
培養液上清中のLPSの最初の濃度はミリリットル当たり
1ミリグラムの高値になりうる。
ワウチンから発熱源を除去するために数多くの方法が用
いられてきた。(例えば米国特許第4000257号及び43805
11号) これらの方法の多くは、条件が苛酷であるので、求めら
れているタンパク質を変性させる。他の方法は効果がな
かったり煩雑であったり費用がかかったりしすぎる。
ワクチンにLPFやFHAを使う前に、LPFが自然の状態で高
度に毒性があり、しかも精製FHA中になお少量は存在す
るから、これらのタンパク質は無毒化させなければなら
ない。
この方法は以前にそれらのタンパク質を架橋を生じさせ
る化学試薬で処理することで達成された。
使用されたこれらの試薬は慣習的にはフォルムアルデヒ
ド及びグルタールアルデヒドであった。
フォルムアルデヒド及びグルタールアルデヒドの使用は
凝集及び沈殿による重大な損失を導きかねない。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、高いイオン強度の溶液と低いイオン強
度の溶液との組合せを用い、種々の基体への吸脱着によ
って百日咳菌の培養液からのタンパク質性物質であるLP
FやFHAの新規な分離精製方法が提供される。また、洗浄
剤溶液によって吸着しているタンパク質を洗浄すること
で、LPF及びFHAから、LPSに代表される発熱性因子を除
去する改善された方法が提供される。更に、精製物質を
容易に百日咳病の予防に有効なワクチンに利用するため
の、抗凝集剤の存在下で架橋剤を用いるLPF及びFHAの無
毒化のための改善された方法が提供される。
従って、本発明の一態様において、百日咳菌の培養を行
なって得た培養物からタンパク質性物質であるリンパ球
増多因子(LPF)及び線維状赤血球凝集素(FHA)を分離
精製方法が提供される。
この方法は、前記培養液を低いイオン強度で固体粒状の
吸着用媒体(以下吸着材という)で非誘導型(non−der
ivatized)のものに接触させて、該培養液からLPF及びF
HAを選択的に該吸着材に吸着させる過程と、高イオン強
度の水性媒体をこれらが吸着している吸着材に接触させ
て、連続的に、あるいは一度にこれらタンパク質性物質
を該吸着材から放出させる過程とを含む。
分離されたLPF及びFHAは、引き続き精製され、無毒化さ
れた後に、百日咳に対する予防用として無毒性ワクチン
化される。
本発明者らは、LPFとFHAを百日咳菌の濾過された培養液
から、イオン強度の低いところで、種々の固体粒状吸着
材に吸着させ得るとの結論を得た、LPFとFHAは、培養液
上清から低イオン強度において吸着材に吸着された後
に、高イオン強度水溶液を用いてその吸着材から溶離さ
れる。
高イオン強度溶離剤としては塩および/またはバッファ
ーの水溶液(水性媒体)が用いられる。本発明における
“塩溶液”(salt solution)という語は、硝酸カリウ
ム、塩化ナトリウム、および硫酸アンモニウムのような
すべての金属またはアンモニウム塩で、水に溶解したと
き、構成するイオンに解離し、その際溶液のpHを大幅に
変えることなく溶液のイオン強度を増すものをいう。
“バッファー”(baffer)という語は、水に溶解したと
きに、それらの構成イオンに解離し、その際溶液のイオ
ン強度を増し、緩衝能をもつものをいう。
ここで“低イオン強度”とは約11ms/cm以下、好ましく
は約4mS/cmの導電率をもつ水性媒体をいう。mS/cmとい
う単位はセンタメーターあたりミリジーメンである。ジ
ーメンス(S)は導電率の一単位であって抵抗(0hm)
の逆数に等しく、モー(mho)と称されることもある。
“高イオン強度”とは約11mS/cmを越え、好ましくは少
なくとも約50mS/cmの導電率をもつ水性媒体をいう。
この発明で用いられる固体粒状吸着材は、パーライト
(これは火山灰から生成する)およびセライト(けいそ
う土)のような濾過助剤、砂のような珪酸系物質(石英
質物質)、セルロース、アガロース、あるいはセファロ
ース、セファデックス、ウルトラゲルのような非誘導型
のゲル濾過剤などである。
この発明で吸着材として有用であることがわかった多く
のマトリックス材は、このマトリックス材の特性が決定
的なのではなく、低イオン強度という条件下でLPFおよ
びFHAが非常に多くのマトリックスと結合するという性
質が重要である。
この発明のプロセスを説明する特別の理論を見出すこと
を望んだわけではないが、低イオン強度の条件下では、
LPFとFHAは溶液から離脱しようとする傾向にあると考え
られる。このような状態で不溶性の微粒状から成るマト
リックスに溶液が接触しながら通過すると、マトリック
スの微粒子は、LPFとFHAがその上に凝結しうる核として
働き、LPFとFHAの吸着が容易に起こる。ついで溶離のた
めの再溶解には、より高強度のイオン高度をもつ溶液が
必要となる。
イオン強度の高い溶液を用いて吸着材から溶出させるこ
とにより、前記2種類のタンパクの混合物が得られる。
この混合物は上記吸着材とは別の、たとえばヒドロキシ
アパタイトや他のイオン交換樹脂等を用いて高収量、高
純度で2種類のタンパク質を得られるようにさらに分離
することができる。すなわち本発明者らは吸着材に吸着
したLPFおよびFHAの分離を、異ったイオン高度の下に吸
着材からこれらを溶出させることにより達成できること
を見出した。
吸着材からLPFを選択的に溶出させるには、イオン強度
が約11mS/cmから約20mS/cmの溶液を用いる。LPFが溶出
した後に、イオン強度が少くとも約20mS/cm、好ましく
は約50mS/cmの溶液によりFHAを溶出させることができ
る。
ここで使用する従来のゲル濾過材及びその他の非誘導型
(non−derivatized)吸着材上において、低イオン強度
下でのLPFおよびFHAの吸着とその後の高イオン強度下で
のそれらの溶出を行いうることは、従来技術とは全く異
なり、また予期もできないことである。従来技術ではゲ
ル濾過材へのタンパク質の吸着は行なわれず、アイソク
ラティック(isocatic)な、すなわち単一なバッファを
用いた条件ではタンパク質はカラムから連続的に流出す
る。
ゲル媒体は、非特異的なタンパク吸着性が非常に低いゆ
えに従来技術において選ばれて来たが、本発明の条件の
下ではLPFおよびFHAを良く吸着する。また、本発明者ら
は、アガロースの誘導体よりもアガロース上での方がは
るかに精度良くFHAおよびLPFを精製することができるこ
とを明らかにした。
本発明の方法は、菌体の培養から得られる細胞を含まな
い培養液を用いるバッチプロセスして、或いはまた吸着
材のクロマトグラフィーカラムを用いる分離法として適
用することができる。
濾過助剤は、濾過が容易で低コストであり、かつ薬品の
製造において広く用いられているという点において、ゲ
ル濾過材よりも好ましい。
媒体に吸着した前記タンパク質を溶出する前に非イオ性
洗浄剤溶液で洗うと、最終製品中のLPSを1万分の1か
ら10万分の1、濃度にして約1から約10ng/mlまで減ら
せることも本発明者らは見出した。
非イオン性洗浄剤溶液として好ましい例を挙げると、約
0.005から約5容量%、好ましくは約0.1から約1容量%
のTriton X−100溶液、また約0.0005から約0.1容量%、
好ましくは約0.001から約0.01容量%のNonidet p40溶液
がある。
また、最終製品の収率を上げるため、ウリセロールやサ
ッカロース等(ショ糖)の抗凝集剤の存在下に、グルタ
ルアルデヒドおよび/又はホルムアルデヒドのような架
橋剤とLPFおよびFHAを接触させることによって精製され
たLPFおよびFHAを無毒化することができることも本発明
者らは見出した。抗凝集剤は無毒化処理の際にかなりの
量が用いられ、それを添加しない場合に起こる凝集や沈
殿を防ぐ。グリセロールの存在下にLPFを無毒化する場
合、その濃度は約30から約80重量%、好ましくは50重量
%にする。FHAの無毒化に際しては、グリセロールの濃
度は約10から約80重量%、好ましくは25重量%程度にす
る。抗凝集剤としてサッカロースを用いる場合は、その
濃度は約30から約60%(w/v)、好ましくはほぼ40%(w
/v)にする。
本発明においては、百日咳菌は、培養器内で制御された
条件下のもとに培養される。二種のタンパク質、LPFお
よびFHAが、酵素免疫測定法(ELISA)により決定される
所望のレベルに到達するまで、培養の間、炭素源および
成育因子が、連続的にあるいはバッチの場合には各種の
間隔で補充される。また、本発明においては、培養器か
ら得られる細胞と培養液の混合物は、後の精製プロセス
では不活性化するが、培養の完了直後には化学的手段に
より不活性化されない。この方法において、この時点の
化学的無毒化の適用は、タンパク質の凝集と後の工程で
の分離の不完全性を招くので好ましくない。
次いで、培養液が取り出され、細胞の大部分は連続的遠
心分離により除去される。残りの細胞が、孔径が0.2μ
mの公知の膜フィルターを用いて濾過により上清から除
去されるが、これは溶液の殺菌をもかねている。この上
清が保存され、LPFとFHAの分離精製に用いられる。遠心
分離および濾過の後、上清を例えば10倍に膜濾過によっ
て濃縮し、タンパク質を分析し、次いでイオン強度が所
定の範囲になるまで希釈される。LPFおよびFHAタンパク
質を含有するこの溶液は、次いでバッチ法またはクロマ
トグラフ法のいずれかにより吸着材で処理される。LPF
およびFHAを、吸着材上に吸着させた後、先ず数本積倍
量の緩衝液で汚染物を除去し、次いでリポ多糖体(LP
S)の大部分を除去する潜在溶液で洗浄する。更に洗浄
を実施することにより、ごく微量の洗剤が除去される。
イオン強度を段階的に増加させた溶液を用いた溶出によ
ってLPFおよびFHAが吸着材から別々に得られるし、また
高イオン強度の塩溶液を用いることにより二つの蛋白を
同時に溶出することもできる。タンパク質はさらにヒド
ロキシアパタイトのような素材のクロマトグラフィーカ
ラムで精製される。タンパク質はこのようなカラムか
ら、洗浄した後に異なるイオン強度の塩溶液を用いるこ
とにより溶離することもできる。分離されたタンパク質
は、次いで抗凝集剤の存在下に無毒化され、無毒化され
たタンパク質が高収率で得られる。添加剤を除去した
後、無毒化されたタンパク質は、濾過により滅菌され、
分析の後、所定量を溶解させることにより百日咳に対す
るワクチンとして使用される溶液が得られる。
本発明はパーライトとクロマトグラフカラムを使用する
LPFとFHAの大規模分離を行うために使用され得るのであ
り、これは現在では出願人らが知り得ている精製された
LPFとFHAの分離と収得を行う最良の態様である。
濃縮された百日咳菌を培養した肉汁は4mSか、それ以下
の電動率に対応する低いイオン強度にまで希釈され、充
填されたパーライト1ミリリットル当り約1から約5m
g、好ましくは、約2から約3mgのタンパク質充填となる
ように、充填されたパーライトのカラムにかけられる。
充填されたパーライトのカラムは、通常、約15から約18
cmの高さであり、直径が約10から約45cmである。
希釈された培養肉汁は、約50から約200cm/hr好ましく
は、大略100cm/hrの直線的流速を以てパーライト・カラ
ムに接触させられる。
パーライトに吸着されるタンパク質は、殆ど例外なく、
多くの汚染タンパク質を伴うLPFとFHAであり、LPSはカ
ラムを通過する。
次いで、カラムはカラム容量の約2から約10倍量の約10
から約50mMのトリスHC1を含有するpH8.0の緩衝液を以て
洗浄される。
後続の水性非イオ洗浄剤による洗浄、典型的にはカラム
容量の約5倍量の0.5%(v/v)trion X−100の50mMトリ
スHCl緩衝液pH8.0による洗浄により、LPSの最終的に得
られるタンパク質中での含有量を100分の一に減少させ
ることができ、これは最終的に得られるタンパク質中の
LPS/LPFの比が1/10,000〜1/100,000であることに相当す
る。
好ましくは、更に引き続き約5倍量のpH8.0の50mMトリ
スHCl緩衝液による洗浄は、非イオン性洗浄剤を除去す
る。
LPFは、カラムをその5倍量の緩衝溶液、例えば、約0.1
から約0.2M、好ましくは約0.12M塩化ナトリウム含有50m
MトリスHCl pH8.0と接触させることによってカラムから
溶出される。
次のFHAは、カラムをその5倍量の緩衝液、例えば、約
0.2M以上、好ましくは約0.6Mの塩化ナトリウム含有の50
mMトリスHCl pH8.0と接触させることによりカラムから
溶出される。
溶出された溶液はタンパク質含量について分析される。
この手順により、LPFとFHAは肉汁中のこれらタンパク質
の当初の含有量のそれぞれ大略60から65%、65から70%
が回収された。
LPFとFHAの引続く精製は、高さ約5から約8cm、直径約
5から約30cmのヒドロオキシアパタイト充填のカラムの
使用によって行われる。
カラムは、使用に先立って、洗浄され平衡化される。LP
Fを含有する溶出物は、充填されたゲル1ml当り約0.5か
ら約1mgの充填において、約15から約25cm/hrの直線的流
速変化を以てLPF吸着のためにカラムにかけられる。
カラムは適当な緩衝液、例えばpH8.0の燐酸カルシウム3
0mMのカラム容積の5倍量を以て洗浄され、これに続い
てLPFはカラム容積の5から10倍量の溶離剤、例えば約
0.1から約0.3M、好ましくは約0.225Mの塩化ナトリウム
を含有するpH8.0の75mMの燐酸カリウムを以て溶出され
る。
この手順は、水性溶離剤、例えば、約2.0M以上、好まし
くは約0.6Mの塩化ナトリウムを含有するpH8.0の200mMの
燐酸カリウムの使用による溶出操作によって、FHAを含
有する溶出物を得るために繰り返され得る。
これらヒドロキシアパタイトによる精製手法において、
純粋タンパク質の典型的回収率は、純度90%以上のそれ
ぞれのタンパク質について、約80から約100%である。
更に精製されたLPFとFHAの無毒化は、これら物質を、非
毒性のワクチンとして、処方するための適当な形態とす
るために行われる。
グリセロール存在下、グルタルアルデヒドを使用してLP
Fダンパク質の無毒化が行われることが好ましく、一
方、グリセロール存在下に、ホルムアルデヒドを使用す
るFHAタンパク質の無毒化が行われることが好ましい。
この発明は、以下の実施例によって、更によく説明され
る。
[実施例] タンパク質生化学、培養および分析などの方法で、本開
示ならびに実施例において充分に記載されていない方法
は、科学文献に詳細に報告されているものであり当業者
のよく知るところである。
実施例1: 本実施例は培養器中での百日咳菌の培養について例示す
る。
250の肉汁(修正(modified)ステーナー−ショルツ
培地)を含む培養器に百日咳菌を接種した。培養期間中
に、モノグルタミン酸ソーダ(2.18kg)と成長因子、グ
ルタチオン(41g)、硫酸第2鉄(2.7g)、塩化カルシ
ウム(5.5g)、アスコルビン酸(10.9g)、ニコチン酸
(1.1g)およびシスティン(10.9g)を、LPFの収率を増
加させるために一定時間毎に加えた。48時間の培養期間
の最後に、培養液を連続遠心分離機にかけて大部分の細
胞を除去した。溶液中にLPFとFHAの両者を含有するこの
懸濁液を酢酸セルロース膜(0.22μ孔径)によるミクロ
濾過によって更に静澄化した。殺菌した瀘液を20,000NM
L膜を使用して約10倍に濃縮し、次いで色素結合法でタ
ンパク質を分析した。
実施例2: 本実施例は、多数の異種マトリックスによるLPFおよびF
HAの分離について例示する。
多数の1mLカラムに各種マトリックスを充填し、pH8.0の
トリスHCl 50mM、pH8.0の燐酸カリ10mMで平衡化する
か、あるいは水で洗浄した。マトリックスは、オレンジ
A−アガロース、ブルーA−アガロース、グリーンA−
アガロース、レッドA−アガロース、ブルーセファロー
ス、ブルーB−セルファロース、反応性ブルー4−セフ
ァロース、シバクロンブルー3GA−セファロース、反応
性ブラウン10−セファロース、反応性グリーン19−セフ
ァロース、反応性イエロー86−セファロース、非誘導ア
ガロース、ウルトラゲルACA44、セファテックスG50、セ
ファロース6B、セファロースCL4B、S−セファロース、
Q−セファロース,硫酸セルロース、QAE−セルロー
ス、CM−セルロース、パーライトおよびセライトを含
む。
百日咳菌培養肉汁液を遠心分離し、孔径0.2μの膜を通
して殺菌濾過し、20K D NML膜による限外濾過によって
約10倍に濃縮した。肉汁濃縮液を水で希釈してイオン強
度が≦4mS/cmになるようにした。2〜10mlのサンプルを
重力供給法で各カラムに装入し、次いで過剰の10mMリン
酸カリウム、さらにpH8.0の50mMトリスHClバッファーで
洗浄した。各カラムを0.6M又は1.0M塩化ナトリウムを含
むpH8.0の50mMトリスHClで溶出した。各フラクションを
280nmの吸収光によりSDS−PAGEで分析した。すべてのマ
トリックスがLPFおよびFHAを吸着することがわかった。
溶出されたLPFおよびFHAは高度に精製されているこどが
わかった。白い石英砂を使用する同様の実験で、直径1.
5cm、高さ18cmのカラムを洗浄し、同希釈度の肉汁濃縮
液を充填してLPFおよびFHAを吸収させ、洗浄した。次い
でカラムを0.1M塩化ナトリウムを含むpH8.0のトリスHCl
50mMで先ず溶出し、次いで1.0mM塩化ナトリウムを含む
トリスバッファーで溶出し、先ずLPF次いでFHAを溶出す
るようにした。別々に溶出されたLPFおよびFHAは各々高
度に精製されていることがわかった。
実施例3: 本実施例は、パーライトのクロマトグラフィーカラムを
用いたLPFとFHAの大規模な分離について説明する。
実施例1に記載したようにして得た肉汁濃縮物を、伝導
率が約4mS/cmになるまで水で希釈し、タンパク質の最終
装填量を、包含パーライトの1ミリリットル当りの粗タ
ンパク質が3mgになるようにした。そのパーライト包含
カラムは、高さ18cm、直径10cmであり、1.4Lの注入用水
(WFI)によりあらかじめ洗浄したものである。この希
釈した濃縮物を、100cm/hrのリニア・フロー・レートで
カラムに入れた。パーライトに付着したタンパク質はそ
のほとんどが多量の汚染タンパク質と共に有るLPFとFHA
であり、リポ多糖体(LPS)は流出した。このカラムをp
H8.0の50mMのトリスHClを含む緩衝剤1.4Lで洗浄した。
その後の洗浄剤による洗浄(洗浄剤は、0.5%(v/v)Tr
iton X−100を含むpH8.0の50mMのトリスHCl緩衝溶液1.4
Lから成る)によって、LPS含有量を更に1/100に減少さ
せ、最終的な全減少量をLPS/LPFの比率で1/10,000から1
/100,000の範囲内になるようにした。そして、そのカラ
ムを更にpH8.0の50mMトリスHClの1.4Lで洗浄し、Triton
X−100を除去した。そして、LPFを、0.12M塩化ナトリウ
ムを含むpH8.0の50mMトリスHClによりカラムから溶出さ
せた。FHAを、0.6M塩化ナトリウムを含むpH8.0の50mMの
トリスHClによりカラムから溶出させた。溶出緩衝液は
各々約1.4L用いた。そして、タンパク質含有量を測定す
るために、色素結合分析法(dry−binding assay)によ
り、その溶液を分析した。LPFおよびFHAの回収率は、RL
ISA量を基準にして、各々60%および65%であった。
実施例4: 本実施例は、パーライト上のLPFおよびFHAのバッチ吸着
について説明する。
百日咳菌の培養液の濃縮液(60ml)を水で4倍に希釈
し、導電率が約4mS/cmとし、パーライト(2g)を加え
た。この混合物を4℃で3時間、ゆっくり撹拌した。こ
の混合物を、ガラス濾過器で真空濾過し、残留パーライ
トをpH8.0の50mMトリスHCl(20ml)により、その濾過器
の中で洗った。パーライトをトリス緩衝剤の4×50mlで
洗浄し、1.0M塩化ナトリウムを含むpH8.0の50mMトリスH
Clの3×20mlにより溶出を行った。この溶出液を一緒に
してELISA分析により分析した。LPFの回収率は、少なく
とも65%であることが算出された。
実施例5: 本実施例は、ヒドロキシアパタイトによるLPFの更なる
精製について説明する。
ヒドロキシアパタイトを5−30cmの直径および6cmの高
さを有するカラムの中に装填した。このカラムを使用す
る前に、pH8.0のリン酸カリウム、1Mの塩化カリウム、
0.5%のTriton X−100により洗浄して、pH8.0の10mMの
リン酸カリウムにより平衡にした。
実施例3に記載のようにして回収されたLPF溶液を、約2
0cm/hrのリニア・フロー・レートで、装填ゲル1ml当り
タンパク質が約0.5mgの装填量となるように、カラムに
入れた。そのカラムを、pH8.0の30mMリン酸カリウム500
mlで洗浄した。LPFを、0.225M塩化ナトリウムを含むpH
8.0の75mMリン酸カリウム1Lにより溶出させた。その結
果得られたLPFは、90%以上の純度であった。このLPF
を、タンパク質の色素固定法により分析した。この段階
では、LPFの回収率は約90%であった。
実施例6: 本実施例は、ヒドロキシアパタイトによるFHAの更なる
精製について説明する。
ヒドロキシアパタイトを、実施例5に記載のものと同じ
サイズのカラムに充填し、洗浄した。実施例3に記載の
パーライトから分離したFHA分画を、20cm/hrのリニア・
フロー・レートで、充填ゲル1ml当りタンパク質が0.5mg
の充填量となるように、カラムに入れた。
このカラムを、pH8.0の30mMリン酸カリウム、0.5%(v/
v)のTritn X−100を含むpH8.0の30mMリン酸カリウム、
およびpH8.0の30mMのリン酸カリウムの各々の500mlによ
り洗浄した。最初の分画の中に残っているいずれのLPF
も、pH8.0の85mMリン酸カリウムの500mlにより溶出し、
FHAは、その後0.6M塩化カリウムを含むpH8.0の200mMリ
ン酸カリウムにより溶出した。その結果得られたFHA
は、90%以上の純度であった。そのFHAのタンパク質を
ローリー(Lowry)法により分析した。このカラムにお
けるFHAの回収率は約90%だった。
実施例7: この実施例はグルタルアルデヒドによるLPFの無毒化に
ついて紹介する。
実施例5に記述したように調製した精製LPFを0.22モル
の塩化ナトリウムを含むpH8.0、75mMの燐酸カリ溶液中
に調整し、約200μg/mlのタンパク質濃度とするために
グリセロールの等容量で希釈した。溶液は37℃に加熱
し、最終濃度が0.5%(w/v)となる様にグルタルアルデ
ヒドに添加によって無毒化した。混合物は37℃で4時間
保ち、次いで最終濃度で0.25Mとなる様にアスパラギン
酸(1.5M)を添加した。混合物は室温で1時間インキュ
ベートし、グリセロールとグルタルアルデヒドを除くた
めに、0.15モル塩化ナトリウムを含むpH8.0の10mM燐酸
カリウムの10容量倍液を通液した。LPF毒素は0.2ミクロ
ン膜を通して殺菌濾過された。
実施例8: この実施例はホルムアルデヒドにようFHAの無毒化を紹
介する。
実施例6に記述したのと同様に調製した精製FHAを0.6モ
ルの塩化カリウムを含むpH8.0、200mMの燐酸カリウム溶
液に調整し、最終濃度が25%v/vになるようにグリセロ
ールで希釈した。タンパク質濃度はローリー(Lowry)
蛋白分析値に基き約500μg/mlであった。FHA溶液は37℃
に加熱し、pH8.0のL−リジ塩酸塩の1.5モル溶液を最終
濃度が50mMとなる様に添加した。ホルムアルデヒドは最
終濃度が0.25%v/vになる様に添加した。無毒化は37℃
で6週間行なった。得られた毒素はグリセロールとホル
ムアルデヒドを除くために0.5モルの塩化ナトリウムを
含むpH8.0の10mM燐酸カリウムの10容量倍液で通液し
た。毒素溶液は0.2ミクロン膜を通して殺菌濾過され
た。
実施例9: この実施例は防御抗体の生成のための無毒化したLPFとF
HAの使用を紹介する。
モルモット(Guinea pig,SPF)を百日咳抗体力価の検定
のために予備的にスクリーニングし、低い水準の力価を
示す動物固体を選択し実験に使用した。
動物に初日(零日)で試験材料の0.5mlを注射した。試
験において採用した材料は、実施例7および8の方法に
よってそれぞれ調製された生成および無毒化されたLPF
およびFHA(“吸着”で表示)、肉汁から分離されたも
ので本発明の方法によらない未処理のLPFおよびFHA
(“非吸着”で表示)及び従来の全細胞ワクチンであ
る。
注射後4週間後に、動物から採血し、血漿のエリザ(EL
ISA)によるPTおよびFHA抗体検査を行なった。血漿はま
た抗毒素活性の検査にも用いられた。35日後に動物は同
量の抗原の投与で免疫増幅され、最終的に49日後に採血
され、血漿は検査された。結果を第1表に示した。
結果は全て相対反応性力価(reciprocal reactive titr
es)である。
第1表にまとめた結果は、本発明によって提供された、
精製され無毒化されたLPF及びFHAタンパク質は、全細胞
ワクチン及び非処理LPL及びFHAタンパク質に比して著し
く高い抗体力価を与えることを示している。
実施例10: この実施例ではマウス防御試験における精製抗体の使用
を説明する。
0.5mlのサンプルをタコニックマウス(taconicmous:15
−17g)に対して、0日に3回の投与で、腹膜内に注射
した。各投与量を16匹のマウスに注射した。14日目に、
百日咳芹の標準投与量を大脳内に注射した。対照となる
マウスにもその結果を確認するために同時に注射した。
注射後3日経過した後に、動物の死亡数を28日目まで毎
日記録した。28日目に、まひしたマウス及び脳浮腫を起
したマウスを死亡として記録した。
結果は、半数のマウスが注射にもかゝわらず生き残る投
与量であるED50として記録した。これは、生き残りのマ
ウス数を、各投与量における各カテゴリーのマウス総数
で割って得た数値をプロットしたのち、コンピューター
プログラムを用いて行われた。
この実験結果は、LPFとFHAの混合物のED50が〔1μg LP
F+2μg FHA〕よりも小さいこと、及び2つの精製タン
パク質の混合物が疾病に対して保護し得る能力を有する
ことを示した。
この明細書を要約すると、本発明は百日咳に対する保護
を引き出す抗体として用いることができる百日咳菌の培
地からタンパク質を分離するための新規な、予期せざる
方法を提供するものである。新規な方法は、それからタ
ンパク質が吸着される溶液と、吸着材からタンパク質を
脱着するのに用いられる溶液とのイオン的強さにおける
相違を用いている。さらに、本発明は吸着されたタンパ
ク質を洗剤溶液で洗浄することによりLPSを減少させる
ことをも包含する。無毒化工程でのタンパク質の凝集を
防ぐためにグリセロール及び庶糖を使用することは本発
明の重要な特徴である。その理由は、タンパク質の凝集
が工程の最終段階でタンパク質の95%までの損失を招来
するかもしれないからである。種々の改変が本発明の範
囲内で可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 1/22 8318−4H 14/235 8318−4H (C12P 21/00 C12R 1:01) (72)発明者 ゲイル ジャクソン カナダ国 エル4シイ 5シイ3 オンタ リオ州 リツチモンド ヒル スプリング ヘツド ガーデンス 87 (72)発明者 ポー エス.ワー カナダ国 エム2アール 3エス8 オン タリオ州 ウイロウデイル パラヴァノ コート 7 (56)参考文献 特開 昭61−76422(JP,A)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】百日咳菌を培養した培養液からタンパク質
    性物質であるリンパ球増多因子(LPF)及び線維状赤血
    球凝集素(FHA)を単離・精製する方法であって、 (a)必要に応じて稀釈され、導電率が約11mS/cm以下
    である百日咳菌の培養液を、非誘導型で固体粒状の吸着
    用媒体に接触させて、該培養液からLPF及びFHAを選択的
    に前記吸着用媒体に吸着させ、 (b)該タンパク質性物質が吸着した吸着用媒体に、約
    11mS/cmを越え、かつこれら吸着タンパク性物質の放出
    に十分な導電率を有する水性媒体を接触させて、該吸着
    用媒体からこれらのタンパク質性物質を放出させる、 ことを特徴とする百日咳菌培養液からLPF及びFHAを単離
    ・精製する方法。
  2. 【請求項2】前記吸着用媒体が、ロ過助剤、石英質物
    質、セルロース、アガロースまたはゲルロ過材である請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記吸着用媒体が、火山灰由来のパーライ
    トである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記吸着用媒体がケイ酸二カルシウムとア
    ルミン酸二カルシウムの固溶体としてのけい藻土である
    請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記必要に応じて稀釈された培養液が、前
    記吸着用媒体との接触時に、約4mS/cm以下の導電率を有
    する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】FHA及びLPFが前記吸着用媒体から単一操作
    によって同時に放出される請求項1〜5のいずれかに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】前記水性媒体が、前記吸着用媒体からの放
    出を行う際には、少なくとも約50mS/cmの導電率を有す
    る請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記吸着用媒体に、FHAよりもLPFを選択的
    に放出させるのに十分な導電率の水性媒体を最初に接触
    させ、次にFHAの放出に十分な導電率の水性媒体を接触
    させる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】最初のLPF放出用水性媒体が約11mS/cm〜約
    20mS/cmの範囲の導電率を有し、次のFHA放出用の水性媒
    体が少なくとも約20mS/cmの導電率を有する請求項8に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】前記吸着過程(a)の後で、前記放出過
    程(b)の前に、前記吸着用媒体に非イオン性洗浄剤水
    性溶液を接触させて、該吸着用媒体からリポ多糖類(LP
    S)をLPF及びFHAよりも優先させて選択的に溶出させる
    請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】前記非イオン性洗浄剤がLPSのLPF及びFH
    Aへの混入を約1〜約10ng/mlに減少させるものである請
    求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記非イオン性洗浄剤が、アルキルフェ
    ノール アルコキシレートまたはアルキレンオキサイド
    縮合物である請求項10または11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記放出過程(b)の後に、放出された
    LPF及びFHAが、ヒドロキシアパタイトにより更に精製さ
    れる請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】前記放出過程(b)の後に、精製された
    タンパク質性物質が、抗凝集剤の存在下での架橋剤の接
    触により無毒化される請求項1〜13のいずれかに記載の
    方法。
  15. 【請求項15】前記抗凝集剤が、グリセロールまたはシ
    ョ糖である請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記抗凝集剤がグリセロールであり、LP
    Fの無毒化用として30〜80容量%の量で、FHAの無毒化用
    として10〜80容量%の量で用いられる請求項15に記載の
    方法。
  17. 【請求項17】百日咳菌に対するワクチンの製造方法に
    おいて、請求項1〜13のいずれかに記載の方法によって
    LPF及びFHAの少なくとも一方を調製し、更に無毒化し、
    滅菌処理してから製剤化することを特徴とするワクチン
    の製造方法。
  18. 【請求項18】百日咳菌に対するワクチンの製造方法に
    おいて、請求項14〜16のいずれかに記載の方法によって
    無毒化されたLPF及びFHAの少なくとも一方を精製し、更
    に滅菌処理してから製剤化することを特徴とするワクチ
    ンの製造方法。
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