JPH078867B2 - ピロロキノリン誘導体及びその合成用中間体 - Google Patents

ピロロキノリン誘導体及びその合成用中間体

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JPH078867B2
JPH078867B2 JP2083176A JP8317690A JPH078867B2 JP H078867 B2 JPH078867 B2 JP H078867B2 JP 2083176 A JP2083176 A JP 2083176A JP 8317690 A JP8317690 A JP 8317690A JP H078867 B2 JPH078867 B2 JP H078867B2
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    • C07D471/06Peri-condensed systems
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なピロロキノリン誘導体及びその合成用
中間体に関する。
従来の技術とその問題点 抗菌作用を有するピロロキノリン誘導体としては、種々
のものが知られている。しかしながら、さらに優れた抗
菌活性を示す化合物が要望されている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑みて、鋭意研究
を重ねた。その結果、優れた抗菌活性を有する化合物を
得ることに成功し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記一般式(I)で表わされる、2
位の不斉炭素原子による光学活性なピロロキノリン誘導
体に係る。
〔式中、R1は低級アルキル基を示す。R2は基 (式中、R3、R4及びR5は同一又は異なって、水素原子又
は低級アルキル基を示す。R6はアミノ基又は低級アルキ
ルアミノ低級アルキル基を示す)を示す。X1はハロゲン
原子を示す。*は不斉炭素原子を示す。〕 上記一般式(I)で表わされる、2位の不斉炭素原子に
よる光学活性な本発明化合物は、優れた抗菌作用を有し
ているため、抗菌剤として有用である。また、本発明化
合物(I)は、毒性が極めて低く、持続時間が長く、さ
らに経口投与した時にも優れた吸収性を示すという特徴
を有している。
さらに本発明化合物(I)は、中枢作用が弱いという点
にも特徴を有している。
さらに、本発明は、下記の、2位の不斉炭素原子による
光学活性化合物(II)及び(III)並びにピロロキノリ
ン誘導体(IV)をも提供する。
〔式中、R1、X1及び*は前記に同じ。X2はハロゲン原子
を示す。R7は水素原子又は基 (式中、R8は保護基を示す。)を示す。Aは低級アルキ
レン基を示す。〕 上記一般式(II)の光学活性化合物は、上記本発明化合
物(I)の合成用中間体として有用である。
〔式中、R1、X1、X2及び*は前記に同じ。〕 上記一般式(III)の光学活性化合物も、上記本発明化
合物(I)の合成用中間体として有用である。
〔式中、R1及びX1は前記に同じ。R9は基 (式中、R3、R4及びR5は前記と同じ。ただし、R3とR5
同時に水素原子であってはならない。R10は低級アルキ
ルアミノ低級アルキル基を示す。)を示す。〕 上記一般式(IV)のピロロキノリン誘導体は、優れた抗
菌活性を示し、抗菌剤として有用である。また、本発明
化合物(IV)は、毒性が極めて低く、持続時間が長く、
さらに経口投与した時にも優れた吸収性を示すという特
徴をも有している。
本明細書において示される各基は、より具体的には、そ
れぞれ次の通りである。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、
沃素原子等を挙げることができる。その中でも、フッ素
及び塩素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状の
アルキル基を挙げることができる。その中でも、メチ
ル、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
低級アルキルアミノ低級アルキル基としては、例えば、
メチルアミノメチル、エチルアミノエチル、プロピルア
ミノメチル、イソプロピルアミノメチル、ブチルアミノ
メチル、ペンチルアミノメチル、ヘキシルアミノメチ
ル、メチルアミノプロピル、エチルアミノブチル、エチ
ルアミノペンチル、プロピルアミノヘキシル基等の、ア
ルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルキ
ルであるアルキルアミノアルキル基を挙げることができ
る。
R8で示される保護基としては、例えば、低級アルキル基
置換フェニルスルホニル基、低級アルキル基置換フェニ
ルカルボニル基等を挙げることができる。低級アルキル
基置換フェニルスルホニル基としては、例えば、パラト
ルエンスルホニル基等の、炭素数1〜6の直鎖又は分枝
鎖状アルキル基が置換したフェニルスルホニル基を挙げ
ることができる。低級アルキル基置換フェニルカルボニ
ル基としては、例えば、4−メチルベンゾイル基等の、
炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基が置換し
たフェニルカルボニル基を挙げることができる。
低級アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン基等の炭素数1〜4
の直鎖又は分子鎖状アルキレン基を挙げることができ
る。
本発明化合物は、例えば、下記反応行程式に従って製造
できる。
〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X
1、X2、A及び*は前記と同じ。X3はヒドロキシル基、
ハロゲン原子又はカルボキシ基の反応性誘導体残基を示
す。R11は低級アルキル基を示す。〕 上記一般式中、X3で示されるカルボキシ基の反応性誘導
体残基としては、例えば、活性エステル残基、酸無水物
残基等を挙げることができる。
化合物(1)と環状アミノ酸若しくはその反応性誘導体
(2)の縮合反応は、通常のアミド結合形成反応(例え
ば、酸ハライド法、活性エステル法、酸無水物法、DCC
法等)に従って行なわれる。
例えば、酸ハライド法によれば、脱酸剤の存在下適用な
溶媒中にて、ラセミ化合物(1)に、X3がハロゲン原子
であるアシルハライド(2)を作用させることにより、
化合物(3)を得ることができる。脱酸剤としては、例
えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、ピリジン、トリエチルアミン等を使用できる。溶
媒としては、例えば、ベンゼン、クロロホルム、塩化メ
チレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等を使用でき
る。アシルハライド(2)の使用量は、化合物(1)に
対して少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル量〜
3倍モル量程度とすればよい。反応は、通常−30〜100
℃程度、好ましくは室温〜80℃程度の温度下に行なわ
れ、20分〜20時間程度で終了する。
光学活性体(IIa)は、分別結晶若しくはシリカゲル等
を担体とするクロマトグラフィー又はそれらを組合せる
ことによって、化合物(3)から分離することができ
る。
光学活性化合物(IIa)において、2位の不斉炭素原子
による立体配置は、後記実施例1の化合物aと同じであ
る。
分離される光学活性体(IIa)を、加水分解することに
より、化合物(IIb)が得られる。加水分解反応は、慣
用の加水分解用触媒の存在下溶媒中にて行なわれる。加
水分解用触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム等の塩基性化合物、硫
酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の
有機酸等を使用できる。また溶媒としては、例えば、
水、メタノール,エタノール、イソプロパノール等の低
級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ジオキサン、ジエチレングリコール等のエーテル
類、酢酸等を使用できる。該反応は、通常室温〜200℃
程度、好ましくは50〜150℃程度の温度下に行なわる。
化合物(IIb)をジアルキルエトキシメチレンマロネー
トと反応させることにより、化合物(4)が得られる。
該反応は、無溶媒下又は溶媒中、好ましくは無溶媒下に
行なわれる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド等を使用できる。ジアルキルエ
トキシメチレンマロネートの使用量は、通常化合物(II
b)に対し等モル量以上とすればよく、無溶媒下で反応
させる場合には好ましくは等モル量、溶媒中で反応させ
る場合には好ましくは1.1〜1.5倍モル量程度とするのが
よい。反応は、通常室温〜150℃程度、好ましくは100〜
130℃程度の温度下に行なわれ、通常0.5〜6時間程度で
終了する。
化合物(4)の環化反応は、従来公知の各種環化反応に
準じて行なうことができる。具体的には、例えば、加熱
による環化法、オキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リ
ン、チオニルクロライド、濃硫酸、ポリリン酸等の酸性
物質を用いる環化法等を挙げることができる。加熱によ
る環化法によれば、反応は、適当な溶媒中通常100〜250
℃程度、好ましくは150〜200℃程度の温度下に行なわれ
る。溶媒としては、例えば、テトラフリン、ジフェニル
エーテル、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル等
の高沸点炭化水素類及び高沸点エーテル類を使用でき
る。また酸性物質を用いる環化法によれば、反応は、化
合物(4)に対して等モル量〜大過剰量、好ましくは10
〜20倍モル量の酸性物質を用い、通常100〜150℃程度の
温度下に行なわれ、0.5〜6時間程度で終了する。この
環化反応によって、一般式(III)の化合物のエステル
体を得ることができる。
上記エステル体を、慣用の加水分解用触媒の存在下溶媒
中にて加水分解することにより、化合物(III)が得ら
れる。触媒及び溶媒は、上記光学活性化合物(IIa)の
加水分解に用いられるものと同様のものを使用できる。
該反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは50〜150℃
程度の温度下に行なわれる。
化合物(III)と一般式R2H(式中R2は前記に同じ。)で
表わされる化合物(5)との反応は、不活性溶媒中にて
行なわれる。該溶媒としては、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミ
ルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等の
エーテル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等を挙げることが
できる。これらのうち、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミドが特
に好ましい。化合物(III)と化合物(5)の使用割合
は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通
常化合物(III)に対して化合物(5)を等モル量以
上、好ましくは等モル〜5倍モル量程度使用すればよ
い。該反応は、通常1〜20気圧程度、好ましくは1〜10
気圧程度の圧力下、50〜200℃程度、好ましくは80〜150
℃程度にて行なわれ、一般に1〜10時間程度で終了す
る。なお、該反応は、脱酸剤の存在下に行なってもよ
い。脱酸剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無
機炭酸塩類、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン等
の第3級アミン類等を挙げることができる。
また、化合物(4)又は化合物(III)を用いてキレー
ト化合物(6)を得、これを化合物(5)と反応させ
て、化合物(I)を製造することもできる。
キレート化合物(6)を得る反応は、化合物(4)又は
化合物(III)と三フッ化ホウ素又はその錯体とを、不
活性溶媒中にて反応させることにより行なわれる。三フ
ッ化ホウ素錯体としては、例えば、エーテル錯体、酢酸
錯体、ケトン錯体等の各種のものが使用できる。三フッ
化ホウ素又はその錯体の使用量は、化合物(4)又は化
合物(III)に対して通常等モル量以上、好ましくは等
モル〜2倍モル量程度とすればよい。不活性溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等
のエーテル類を挙げることができる。反応は、通常100
〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度の温度下に行
なわれ、通常3〜10時間程度で終了する。
キレート化合物(6)と化合物(5)の反応は、前記化
合物(III)と化合物(5)の反応と同様に行なわれ
る。該反応は、通常50〜150℃程度、好ましくは50〜100
℃程度の温度下に行なわれ、通常5〜20時間程度で終了
する。
化合物(I)の中、R2が基 である化合物は、公知のアルキル化法によって、R2が基 (式中R13は低級アルキル基を示す。)である化合物に
変換できる。アルキル化法としては例えば、(i)脱酸
剤の存在下で一般式R13X4(式中、R13は低級アルキル基
を示す。X4はハロゲン原子を示す。)で表わされる化合
物を反応させる方法、(ii)還元剤の存在下に低級アル
カノールを反応させる方法等を挙げることができる。例
えば、(ii)の方法によれば、反応は、還元剤の存在
下、無溶媒下又は適当な溶媒中にて行なわれる。還元剤
としては、例えば、ギ酸ナトリウム−ギ酸、水酸化ホウ
素ナトリウム、水酸化アルミニウムリチウム等を挙げる
ことができる。また溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、塩化メ
チレン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン
等のエーテル類等を挙げることができる。該反応は、通
常50〜200℃程度、好ましくは50〜150℃程度の温度下に
行なわれ、通常3〜10時間程度で終了する。
また、本発明の光学活性化合物のうち、塩を形成しうる
化合物は、対応するラセミ化合物から製造することもで
きる。
例えば、ラセミ化合物(1)から光学活性化合物(II
b)を得ることができる。すなわち、適当な溶媒中に
て、化合物(1)に光学活性化合物を反応させて、化合
物(1)の塩を形成させ、これを分別結晶後、得られる
光学活性な化合物(IIb)の塩を脱塩化することによ
り、化合物(IIb)が得られる。
化合物(1)の塩形成に使用される光学活性化合物とし
ては、化合物(1)と塩を形成し得る光学活性化合物で
ある限り公知のものを広く使用でき、例えば(+)及び
(−)の酒石酸、(−)のリンゴ酸、(−)のマンデル
酸、D及びLのカンファ−10−スルホン酸等の光学活性
な酸を挙げることができる。これらの中でも、D及びL
のカンファ−10−スルホン酸が特に好ましい。塩形成反
応に使用される溶媒としては、通常の光学分割において
使用される溶媒を何れも使用でき、例えば水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
グライム等のエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン
酸トリアミド等の極性溶媒又はこれらの混合溶媒等を挙
げることができる。化合物(1)に対する光学活性化合
物の使用量は、通常0.3〜3倍モル程度、好ましくは0.5
〜等モル程度とすればよい。該反応は、通常0〜100℃
程度、好ましくは室温〜50℃付近にて好適に進行する。
上記で形成される化合物(1)の塩を分別結晶する方法
としては、従来公知の方法をいずれも適用できる。
分別結晶によって得られる化合物(IIb)の塩の脱塩反
応は、塩基性化合物の存在下適当な溶媒中にて行なわれ
る。ここで使用される溶媒としては、前記の塩形成反応
で使用される溶媒をいずれも使用することができる。ま
た塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等を挙
げることができる。塩基性化合物は、通常過剰量使用す
るのがよい。
なお、本発明の2位の不斉炭素原子による光学活性化合
物は、全て、2位の不斉炭素原子による立体配置が後記
実施例1の化合物(a)の立体配置と同一である。
本発明化合物は、医薬的に許容される酸を作用させるこ
とにより、容易に酸付加塩とすることができる。該酸と
しては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の
無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げるこ
とができる。
また本発明化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物
を作用させることにより、容易に塩とすることができ
る。該塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
上記一般式(I)で表わされる本発明化合物の酸付加塩
は、水に対する溶解性が優れているため、特に注射剤と
して好適に使用され得る。これら酸付加塩の中でも塩酸
塩、硫酸塩及びメタンスルホン酸塩が好ましく、塩酸塩
が特に好ましい。一般式(I)で表わされる本発明化合
物のフリー体は、斯かる塩を製造するための中間体とし
て好適に使用され得る。
上記各方法で製造される化合物は、通常の分離手段、例
えば蒸留法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プ
レパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出法等に
より、容易に反応系から単離精製され得る。
上記一般式(I)、(III)及び(IV)で表わされる本
発明化合物及びその塩を抗菌剤として用いるに当って
は、通常、これを薬理的に許容される適当な製剤用担体
と組合せて製剤化する。担体としては、慣用のものがい
ずれも使用でき、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、着
色剤、崩壊剤等を挙げることができる。
抗菌剤の投与単位形態は、治療目的等に応じて適宜選択
できる。具体的には、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射
剤、(液剤、懸濁剤等)、軟膏剤等を挙げることができ
る。
本発明化合物は、通常一般的な医薬製剤の形態で用いら
れる。製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、
付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤或は賦
形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の
形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものと
して錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、
カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、軟膏剤
等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際しては、担
体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ
糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶
セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロ
パノール、単シロツプ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラ
チン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラツク、メ
チルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリド
ン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、
カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグ
リセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリ
ン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級
アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促
進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠剤
は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、
ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーテイング錠或
は二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に成
形するに際しては、担体として例えばブドウ糖、乳糖、
デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等
の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、
エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊
剤等を使用できる。坐剤の形態に成形するに際しては、
担体として例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、
高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチ
ン、半合成グリセライド等を使用できる。カプセル剤は
常法に従い通常本発明化合物を上記で例示した各種の担
体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に
充填して調製される。注射剤として調製される場合、液
剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張である
のが好ましい。これらの形態に成形するに際しては、希
釈剤として例えば水、乳酸水溶液、エチルアルコール、
プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用で
きる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するのに充
分な量の食塩、ブドウ糖或はグリセリンを医薬製剤中に
含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、
保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製
剤中に含有させてもよい。ペースト、クリーム及びゲル
の形態に製剤するに際しては、希釈剤として例えば白色
ワセリン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導
体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト
等を使用できる。
本発明医薬製剤中に含有されるべき本発明化合物の量
は、特に限定されず広い範囲から適宜選択されるが、通
常医薬製剤中に1〜70重量%とするのがよい。
上記医薬製剤の投与方法は特に制限がなく、各種製剤形
態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応
じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳
剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与される。注射剤は
単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の捕液と混合し
て静脈内投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、
皮内、皮下又は腹腔内投与され、坐剤の場合には直腸内
投与され、また軟膏剤の場合には塗布される。
本発明の医薬製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別
その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、
通常、一日当り、有効成分である本発明化合物を10mg〜
5g/body程度含有する製剤組成物を3〜4回に分けて投
与すればよい。
実施例 以下に実施例、参考例、薬理試験例及び製剤例を挙げ
る。
実施例1 (±)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−2,3−ジヒドロ
インドール47.4gを塩化メチレン470mlに溶解し、氷冷下
ピリジン45mlを加えた。これに、氷冷下、(S)−N−
p−トルエンスルホニルプロリン98.8gと塩化チオニル8
0mlから製造した酸クロリドの塩化メチレン300ml溶液を
滴下した。滴下後、室温で1.5時間反応させた。反応液
を、10%塩酸750ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及
び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。塩化メチレンを留去し、残渣をエーテルで
洗い出し、ベンゼン及びエタノールで順次洗浄した。全
ての洗浄液を濃縮し、残渣をシリガゲル3kgのカラムク
ロマトグラフィーに付し、ベンゼン−酢酸エチル(30:1
〜15:1)にて溶出し、主成物と副成物を得た。主成物
を、イソプロパノール−ベンゼンから再結晶して、下記
物性値を有する、(−)−4,5−ジフルオロ−2−メチ
ル−1−〔(S)−N−p−トルエンスルホニルプロリ
ル〕−2,3−ジヒドロインドール(化合物a)51.8gを得
た。
白色稜状晶 mp:168〜170℃ ▲〔α〕20 D▼=−10.38゜(c=1.06、クロロホルム) 元素分析値 C21H22F2N2O3Sとして 計算値 C:59.90 H:5.27 N:6.66 実測値 C:59.73 H:5.24 N:6.74 化合物aのNMRスペクトルを、第1図に示す。
また、代表的なピークを以下に示す。1 H-NMR(DMSO-d6/TMS)δ: 1.26(3H,d,J=6.15Hz) 1.63〜2.2(4H,m) 2.36(3H,s) 2.8(1H,d,J=13.5Hz) 3.2〜3.7(3H,m) 4.5〜4.7(1H,m) 4.8〜5.2(1H,m) 7.3(2H,d,J=8.35Hz) 7.7(2H,d,J=8.35Hz) 7.07〜7.5(1H,m) 7.6〜7.9(1H,m) 上記物性値を有する化合物aを原料として用いた場合
に、優れた抗菌活性を示す、実施例3、5、7〜9及び
12〜19の本発明化合物が得られる。
副成物を再結晶し、下記物性値を有する(−)−4,5−
ジフルオロ−2−メチル−1−〔(S)−N−p−トル
エンスルホニルプロリル〕−2,3−ジヒドロインドール
(化合物b)を得た。
mp:236〜239℃ ▲〔α〕20 D▼=71.84゜(c=1.04、クロロホルム) 該化合物のNMRスペクトルを、第2図に示す。また、代
表的なピークを以下に示す。1 H-NMR(DMSO-d6/TMS)δ: 1.36(3H,d,J=6.15Hz) 1.6〜2.25(4H,m) 2.41(3H,s) 2.83(1H,d,J=13.5Hz) 3.05〜3.64(3H,m) 4.5〜4.95(2H,m) 7.41(2H,d,J=8.35Hz) 7.74(2H,d,J=8.35Hz) 7.07〜7.55(1H,m) 7.6〜7.9(1H,m) 実施例2 ・(+)−4,5−ジクロル−2−メチル−1−〔(S)
−N−p−トルエンスルホニルプロリル〕−2,3−ジヒ
ドロインドールの合成 (±)−4,5−ジクロル−2−メチル−2,3−ジヒドロイ
ンドールを出発原料として用い、実施例1と同様にして
標記化合物を得た。
白色稜状晶 mp:170〜173℃ ▲〔α〕20 D▼=+43.0゜(c=0.4、クロロホルム) 元素分析値 C21H22Cl2N2O3Sとして 計算値 C:55.63 H:4.86 N:6.18 実測値 C:55.46 H:4.78 N:6.14 実施例3 ・(−)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−2,3−ジヒド
ロインドール p−トルエンスルホン酸塩の合成 実施例1で得られた化合物(a)の(−)−4,5−ジフ
ルオロ−2−メチル−1−〔(S)−N−p−トルエン
スルホニルプロリル〕−2,3−ジヒドロインドール51.7g
を、水酸化カリウム69g、水50ml及びメタノール200mlの
溶液を加え、3.5時間加熱還流した。反応後室温に戻
し、1/4量になるまで減圧濃縮し、水800mlを加え、エー
テル400mlで2回抽出した。エーテル層を水300ml及び飽
和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
し、過した。液にp−トルエンスルホン酸1水和物
24gを加え、30分間撹拌した。析出物を取し、酢酸エ
チル−エタノールから再結晶して、標記化合物25.8gを
得た。
白色稜状晶 mp:144〜147℃ ▲〔α〕20 D▼=−2.22゜(c=1.35、メタノール) 元素分析値 C16H17F2NO3Sとして 計算値 C:56.29 H:5.02 N:4.10 実測値 C:56.13 H:5.03 N:4.11 実施例4 ・(−)−4,5−ジクロル−2−メチル−2,3−ジヒドロ
インドールの合成 実施例2で得られた化合物を用い、実施例3と同様にし
て標記化合物を得た。
油状物 ▲〔α〕20 D▼=−27.6゜(c=1.2、クロロホルム) 実施例5 ・(+)−8,9−ジフルオロ−2−メチル−6−オキソ
−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−
5−カルボン酸の合成 実施例3で得られた(−)−4,5−ジフルオロ−2−メ
チル−2,3−ジヒドロインドール9gに、ジエチルエトキ
シメチレンマロネート11.5gを加え、140〜150℃にて30
分間加熱した。冷却後、これに、リン酸32.1gと五酸化
リン32.1gから調製されるポリリン酸を加え、140〜150
℃にて30分間加熱した。反応後室温まで冷却し、600ml
の氷水を投入し、20%水酸化ナトリウム溶液でpHを3に
調整し、析出する固体を取した。これを、酢酸117ml
及び濃塩酸30mlの混液に加え、5.5時間加熱還流した。
反応液を氷水1に投入し、析出物を取し、水、イソ
プロパノール、エーテルで順次洗浄し、乾燥することに
より、標記化合物 8.86gを得た。mp:279〜283℃ ▲〔α〕20 D▼=+26.32゜(c=0.57、DMSO) 一部をDMF−H2Oで再結晶した。
元素分析値 C13H9F2NO3として 計算値 C:58.87 H:3.42 N:5.28 実測値 C:58.87 H:3.15 N:5.28 実施例6 ・(+)−8,9−ジクロル−2−メチル−6−オキソ−
1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5
−カルボン酸の合成 実施例4で得られた化合物を用い、実施例5と同様にし
て標記化合物を得た。
mp:268〜270℃ ▲〔α〕20 D▼=+15.5゜(c=0.5、1N NaOH) 元素分析値 C13H9Cl2NO3として 計算値 C:52.35 H:3.02 N:4.70 実測値 C:52.24 H:2.98 N:4.91 実施例7 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(4−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸 13.5gをジエチルエ
ーテル500mlに懸濁し、三フッ化硼素ジエチルエーテル
錯体70mlを加え、室温で5時間撹拌した。反応後沈澱物
を取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。これ
をヘキサメチルリン酸トリアミド100mlに溶解し、トリ
エチルアミン14.2ml及びN−メチルピペラジン7.5mlを
加え、40℃で10時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣
にジエチルエーテルを加え、析出する黄色固体を取し
た。これをメタノール400mlに懸濁し、トリエチルアミ
ン25mlを加え、25時間加熱還流した。溶媒を減圧留去
し、残渣に水300mlを加え、10%塩酸でpHを1に調整
し、不溶物を去した。液を減圧濃縮し、残渣をエタ
ノール−水から再結晶して標記化合物の塩酸塩を得た。
微黄色稜状晶 mp:285〜290℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+10.70゜(c=0.873、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:54.07 H:5.79 N:10.51 実測値 C:54.31 H:5.63 N:10.62 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を230mg溶解できた。
この塩酸塩を水200mlに溶解し、20%NaOHでpHを11とし
た後、10%塩酸でpHを7.3に調整し、クロロホルム2
で3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。クロロホルムを留去し、得られた固体をDMF−エタ
ノールから再結晶して、標記化合物10.5gを得た。
微黄色稜状晶 mp:250〜253℃ ▲〔α〕20 D▼=+9.24゜(c=0.866、DMSO) 元素分析値 C18H20FNO3として 計算値 C:62.60 H:5.84 N:12.17 実測値 C:62.40 H:5.85 N:12.13 実施例8 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
・塩酸塩の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸3gをヘキサメチルリン
酸トリアミド30mlに懸濁し、3.4gの2−メチルピペラジ
ンを加え、油浴温度120〜130℃で1時間反応した。その
後溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加え、析出物
を取した。これを水150mlに懸濁し、1N水酸化ナトリ
ウムでpH8とし、次いで10%塩酸を加えてpHを1とし
た。水層を活性炭処理後濃縮し、得られた残渣をエタノ
ール−水から再結晶して標記化合物3.28gを得た。
微黄色稜状晶 mp:278〜283℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+27.52゜(c=0.545、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:54.01 H:5.75 N:10.50 実測値 C:54.28 H:5.56 N:10.551 H-NMR(DMSO-d6/TMS)δ: 1.30(3H,d,J=6Hz) 1.63(3H,d,J=6Hz) 2.95〜4.05(7H,m) 4.9〜5.3(1H,m) 7.64(1H,d,J=12Hz) 8.96(1H,s) 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を385mg溶解できた。
上記の塩酸塩を常法に従いアルカリ加水分解して、
(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチル
−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6
H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸を得
た。
▲〔α〕22 D▼=+25.5゜(c=1.02、1N NaOH) H−NMR(DMSO−d+D2O/TMS)δ: 1.31(3H,d,J=6Hz) 1.65(3H,d,J=6Hz) 2.53(2H,bs) 2.95〜4.1(m) 4.9〜5.3(2H,m) 7.63(1H,d,J=12Hz) 8.92(1H,s) 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を143mg溶解できた。
実施例9 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3,4−ジ
メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボ
ン酸 実施例8で得られた(+)−8−フルオロ−2−メチル
−9(3−メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−
1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5
−カルボン酸7gをギ酸ナトリウム36g、99%ギ酸90ml及
び37%ホルマリン90mlを加え、3時間加熱還流した。反
応後減圧濃縮し、残渣に水200mlを加え、20%水酸化ナ
トリウムでpH7.5とし、クロロホルム500mlで2回抽出
し、有機層を飽和食塩水及び水で順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去し、残渣を
ベンゼン−n−ヘキサンで再結晶して、標記化合物5.5g
を得た。
微黄色稜状晶 mp:210〜212℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=10.53゜(c=0.57、1N NaOH) 元素分析値 C19H22FN3O3として 計算値 C:63.50 H:6.17 N:11.69 実測値 C:63.20 H:6.17 N:11.55 上記化合物を常法に従い塩酸塩とした。
微黄色稜状晶 mp:278〜282℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=12.13゜(c=0.58、1N NaOH) 元素分析値 C19H22FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:55.14 H:6.09 N:10.15 実測値 C:55.29 H:5.97 N:10.34 実施例10 ・(±)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
・塩酸塩 出発原料として(±)−8,9−ジフルオロ−2−メチル
−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−i
j〕キノリン−5−カルボン酸を用い、実施例8と同様
にして標記化合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:258〜261℃(分解) 元素分析値 C18H20FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:54.01 H:5.75 N:10.50 実測値 C:53.86 H:5.82 N:10.36 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を152mg溶解できた。
実施例11 ・(+)−8−クロル−2−メチル−9−(3−メチル
−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6
H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸・塩
酸塩の合成 出発原料として実施例6で得られた(+)−8,9−ジク
ロル−2−メチル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−
ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸と2−
メチルピペラジンを用い、実施例8と同様にして標記化
合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:268〜270℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+15.5゜(c=0.50、1N NaOH) 元素分析値 C18H20ClN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:51.92 H:5.53 N:10.10 実測値 C:51.69 H:5.42 N:9.92 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を231mg溶解できた。
実施例12 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3,5−ジ
メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボ
ン酸・塩酸塩の合成 出発原料として実施例5で得られた化合物と2,6−ジメ
チルピペラジンを用い、実施例8と同様にして標記化合
物を得た。
微黄色稜状晶 mp:288〜295℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+10.59゜(c=0.85、1N NaOH) 元素分析値 C19H23ClFN3O3・2H2Oとして 計算値 C:52.84 H:6.30 N:9.73 実測値 C:52.56 H:5.98 N:9.47 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を175mg溶解できた。
実施例13 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3,4,5−
トリメチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−
ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カ
ルボン酸の合成 実施例5で得られた化合物と1,2,6−トリメチルピペラ
ジン用い、実施例9と同様にして標記化合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:204〜206℃ ▲〔α〕20 D▼=+16.57゜(c=0.905、1N NaOH) 元素分析値 C20H24FN3O3として 計算値 C:64.33 H:6.48 N:11.25 実測値 C:64.11 H:6.24 N:11.06 上記化合物を常法に従い塩酸塩とした。
微黄色稜状晶 mp:268〜271℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+18.99゜(c=0.913、1N NaOH) 元素分析値 C20H24FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:56.14 H:6.36 N:9.82 実測値 C:55.88 H:6.45 N:9.71 実施例14 ・(−)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−S−
メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボ
ン酸・塩酸塩の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸及びS−(+)−2−
メチルピペラジンを用い、実施例8と同様にして標記化
合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:299℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=−1.67゜(c=0.60、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:54.01 H:5.75 N:10.50 実測値 C:53.92 H:5.93 N:10.24 実施例15 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−S−
4−ジメチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2
−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−
カルボン酸の合成 実施例14で得られた(−)−8−フルオロ−2−メチル
−9−(3−S−メチル−1−ピペラジニル)−6−オ
キソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリ
ン−5−カルボン酸を用い、実施例9と同様にして標記
化合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:217〜219℃ ▲〔α〕20 D▼=+2.86゜(c=0.35、1N NaOH) 元素分析値 C19H22FN3O3として 計算値 C:63.50 H:6.17 N:11.69 実測値 C:63.63 H:6.05 N:11.47 上記化合物を常法に従い塩酸塩とした。
微黄色稜状晶 mp:281〜283℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+3.30゜(c=0.36、1N NaOH) 元素分析値 C19H22FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:55.14 H:6.09 N:10.15 実測値 C:54.97 H:6.22 N:10.03 実施例16 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−R−
メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボ
ン酸・塩酸塩の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸及びR−(−)−2−
メチルピペラジンを用い、実施例8と同様にして標記化
合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:295℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+35.29゜(c=0.68、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:54.01 H:5.75 N:10.50 実測値 C:54.17 H:5.82 N:10.38 実施例17 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−アミ
ノ−1−ピロリジル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6
H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸の合
成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸7gにアミノピロリジン
・2塩酸塩21g、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−
ウンデセン(DBU)40ml及びヘキサメチルリン酸トリア
ミド70mlを加え、油浴温度120〜130℃で2時間反応させ
た。その後、溶媒を減圧留去し、残渣を2%塩酸水100m
lに溶解した。不溶物を去し、液を濃縮し、残渣を
エタノール水で再結晶した。得られた結晶を水30mlに溶
解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えてpHを8とし
た。析出した結晶を取し、乾燥して標記化合物1.4gを
得た。
微緑色稜状晶 mp:265〜271℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+119.4゜(c=0.335、1N NaOH) 元素分析値 C17H18FN3O3・3H2Oとして 計算値 C:52.98 H:6.28 N:10.90 実測値 C:53.03 H:6.04 N:10.80 上記化合物を常法に従い塩酸塩とした。
微緑黄色稜状晶 mp:258〜262℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+125.1゜(c=0.34、1N NaOH) 元素分析値 C17H18FN3O3・HCl・2H2Oとして 計算値 C:50.56 H:5.74 N:10.41 実測値 C:50.33 H:5.57 N:10.27 この塩酸塩を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該塩を158mg溶解できた。
実施例18 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−〔3−(エ
チルアミノメチル)−1−ピロリジル〕−6−オキソ−
1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5
−カルボン酸・塩酸塩の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸及び3−(エチルアミ
ノメチル)−ピロリジンを用い、実施例8と同様にして
標記化合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:263〜265℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+42.51゜(c=0.82、1N NaOH) 元素分析値 C20H24FN3O3・HCl・H2Oとして 計算値 C:56.14 H:6.32 N:9.82 実測値 C:55.81 H:6.08 N:10.19 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を195mg溶解できた。
実施例19 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−〔3−(イ
ソプロピルアミノメチル)−1−ピロリジル〕−6−オ
キソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリ
ン−5−カルボン酸・塩酸塩の合成 実施例5で得られた(+)−8,9−ジフルオロ−2−メ
チル−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−5−カルボン酸及び3−(イソプロピ
ルアミノメチル)−ピロリジンを用い、実施例8と同様
にして標記化合物を得た。
微黄色稜状晶 mp:237〜241℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+17.36゜(c=0.76、1N NaOH) 元素分析値 C21H26FN3O3・HCl・2H2Oとして 計算値 C:54.84 H:6.75 N:9.14 実測値 C:54.50 H:6.52 N:9.06 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を135mg溶解できた。
実施例20 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
の合成 実施例8で得られた(+)−8−フルオロ−2−メチル
−9−(3−メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ
−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−
5−カルボン酸・塩酸塩1gに水20mlを加え溶解した。次
にBio-Rad AG3-×4(OH form)[Bio-Rad Laboratorie
s製]5gを加え、室温にて10分間反応させた。反応後、
樹脂を去し、液を減圧濃縮した。残渣にエタノール
10mlを加え、減圧濃縮すると、粉末状の物質が得られ
た。これを過し、エタノール、n−ヘキサンで洗浄す
ることにより、標記化合物0.69を得た。
微黄色無定形 mp:290℃以上黒色化 ▲〔α〕22 D▼=+25.5゜(c=1.02、1N NaOH) 実施例21 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
・1/2硫酸塩の合成 実施例20で得られた(+)−8−フルオロ−2−メチル
−9−(3−メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ
−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−
5−カルボン酸0.5gを10mlの水に溶解し、1N硫酸を加え
てpH1とした。水層を減圧濃縮し、得られた残渣をエタ
ノール水から再結晶して標記化合物0.41gを得た。
白色稜状晶 mp:262〜265℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+27.15゜(c=0.551、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・1/2H2SO4として 計算値 C:54.82 H:5.37 N:10.65 実測値 C:54.66 H:5.31 N:10.53 実施例22 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
・メタンスルホン酸塩の合成 実施例20で得られた(+)−8−フルオロ−2−メチル
−9−(3−メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ
−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−
5−カルボン酸を用い、実施例21と同様にして標記化合
物を得た。
微黄色稜状晶 mp:247〜251℃(分解) ▲〔α〕20 D▼=+30.62゜(c=0.554、1N NaOH) 元素分析値 C18H20FN3O3・CH3SO3H・H2Oとして 計算値 C:49.66 H:5.70 N:9.14 実測値 C:49.80 H:5.64 N:9.08 参考例1 ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(4−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
の合成 出発原料として(−)−8,9−ジフルオロ−2−メチル
−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−i
j〕キノリン−5−カルボン酸(化合物b)とN−メチ
ルピペラジンを用い、実施例7と同様にして標記化合物
を得た。
微黄色稜状晶 mp:249〜251℃ ▲〔α〕20 D▼=−8.98゜(c=0.806、DMSO) 上記化合物を常法に従い塩酸塩とした。この塩酸塩を水
(20℃)に溶解させたところ、水1ml当り該塩を12mg溶
解できた。
参考例2 ・(−)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
・塩酸塩の合成 対応する出発原料を用い実施例8と同様にして標記化合
物を得た。
▲〔α〕22 D▼=−18.00゜(c=1.00、1N NaOH)1 H-NMR(DMSO-d6/TMS)δ: 1.30(3H,d,J=6Hz) 1.63(3H,d,J=6Hz) 2.95〜4.05(7H,m) 4.9〜5.3(1H,m) 7.64(1H,d,J=12Hz) 8.96(1H,s) 上記化合物を水(20℃)に溶解させたところ、水1ml当
り該化合物を167mg溶解できた。
薬理試験例1 下記に示す供試化合物について、種々の菌に対する抗菌
作用を調べるため、寒天希釈平板法により最小増殖阻止
濃度(MIC、μg/ml)を求めた〔CHEMOTHERAPY、22、112
6〜1128(1974)参照〕。結果を第1表に示す。
供試化合物A ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(4−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
((+)体、本発明化合物、実施例7) 供試化合物B ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
塩酸塩(本発明化合物、実施例8) 供試化合物C ・(+)−8−クロル−2−メチル−9−(3−メチル
−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6
H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸・塩
酸塩(本発明化合物、実施例11) 供試化合物D ・(+)−8−フルオロ−2−メチル−9−(3−アミ
ノ−1−ピロリジル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6
H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸(本
発明化合物、実施例17) 供試化合物E ・8−フルオロ−2−メチル−9−(4−メチル−1−
ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ−6H−ピ
ロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸(ラセミ
体、比較化合物、特開昭55−149284号) 供試化合物F ・(−)−8−フルオロ−2−メチル−9−(4−メチ
ル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−1,2−ジヒドロ
−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5−カルボン酸
((−)体、比較化合物、参考例1) 供試化合物G ・S−(−)−9−フルオロ−3−メチル−10−(4−
メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒ
ドロ−7H−ピリド〔1,2,3−de〕〔1,4〕ベンゾオキサジ
ン−6−カルボン酸(オフロキサシン(ofloxacine)、
比較化合物) 製剤例1 実施例7の化合物 2g 精製ラノリン 5g サラシミツロウ 5g白色ワセリン 88g 全量 100g サラシミツロウを加温して液状とし、ついで本発明化合
物、精製ラノリン及び白色ワセリンを加え液状となるま
で加温後、固化し始めるまで攪拌し、上記組成の軟膏剤
を得た。
製剤例2 実施例8の化合物 200mg ブドウ糖 250mg注射用蒸留水 適量 注射用蒸留水に、本発明化合物及びブドウ糖を溶解させ
た後、5mlのアンプルに注入し、窒素置換後121℃で15分
間加圧滅菌し、上記組成の注射剤を得た。
製剤例3 実施例11の化合物 100g アビシエル〔商標名、旭化成(株)製〕 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g TC−5〔商標名、信越化学工業(株)製、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース〕 10g マクロゴール−6000 3g ヒマシ油 40gメタノール 40g 本発明化合物、アビシエル、コーンスターチ及びステア
リン酸マグネシウムを混合研摩後糖衣R10mmのキネで打
錠した。得られた錠剤をTC−5、ポリエチレングリコー
ル(マクロゴール−6000)、ヒマシ油及びメタノールか
らなるフィルムコーティング剤で被覆し、上記組成のフ
ィルムコーティング錠を製造した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、化合物aの1H−NMRスペクトルである。第2
図は、化合物bの1H−NMRスペクトルである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は低級アルキル基を示す。R2は基 (式中、R3、R4及びR5は同一又は異なって、水素原子又
    は低級アルキル基を示す。R6はアミノ基又は低級アルキ
    ルアミノ低級アルキル基を示す)を示す。X1はハロゲン
    原子を示す。*は不斉炭素原子を示す。〕 で表わされる、2位の不斉炭素原子による光学活性なピ
    ロロキノリン誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】(−)−4,5−ジフルオロ−2−メチル−
    1−〔(S)−N−p−トルエンスルホニルプロリル〕
    −2,3−ジヒドロインドール(▲〔α〕20 D▼=−10.38
    ゜(c=1.06、クロロホルム))におけるインドール環
    の2位不斉炭素原子とピロロキノリン環の2位不斉炭素
    原子が同一の立体配置を示す請求項記載のピロロキノ
    リン誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】R2が基 (式中、R3及びR5は同一又は異なって、水素原子又は低
    級アルキル基を示す。)である請求項記載のピロロキ
    ノリン誘導体又はその塩。
  4. 【請求項4】▲〔α〕20 D▼=+27.52゜(c=0.545、1
    N NaOH)である(+)−8−フルオロ−2−メチル−
    9−(3−メチル−1−ピペラジニル)−6−オキソ−
    1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−5
    −カルボン酸・塩酸塩。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R1は低級アルキル基を示す。R7は水素原子又は
    (式中、R8は保護基を示す。Aは低級アルキレン基を示
    す。)を示す。X1及びX2はそれぞれハロゲン原子を示
    す。*は不斉炭素原子を示す。〕 で表わされる、2位の不斉炭素原子による光学活性化合
    物。
  6. 【請求項6】一般式 〔式中、R1低級アルキル基を示す。X1及びX2はそれぞれ
    ハロゲン原子を示す。*は不斉炭素原子を示す。〕 で表わされる、2位の不斉炭素原子による光学活性化合
    物。
  7. 【請求項7】一般式 〔式中、R1は低級アルキル基を示す。R9は基 (式中、R3、R4及びR5は同一又は異なって、水素原子又
    は低級アルキル基を示す。ただし、R3とR5は同時に水素
    原子であってはならない。R10は低級アルキルアミノ低
    級アルキル基を示す。)を示す。X1はハロゲン原子を示
    す。〕 で表わされるピロロキノリン誘導体又はその塩。
  8. 【請求項8】請求項記載のピロロキノリン誘導体又は
    その塩を有効成分として含有する抗菌剤。
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