JPH0788560B2 - 耐食性に優れた遠赤外線放射体およびその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れた遠赤外線放射体およびその製造方法Info
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- JPH0788560B2 JPH0788560B2 JP62297689A JP29768987A JPH0788560B2 JP H0788560 B2 JPH0788560 B2 JP H0788560B2 JP 62297689 A JP62297689 A JP 62297689A JP 29768987 A JP29768987 A JP 29768987A JP H0788560 B2 JPH0788560 B2 JP H0788560B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐食性に優れたFe−Cr−Alステンレス鋼遠赤
外線放射体に関するもので、遠赤外線を利用する暖房機
器や乾燥・加熱装置として利用される。
外線放射体に関するもので、遠赤外線を利用する暖房機
器や乾燥・加熱装置として利用される。
高嶋廣夫著『遠赤外線の利用技術とその応用例』(応用
技術出版1986年)に述べられているように、遠赤外線は
人の体内深く浸透する特性により暖房装置に用いられた
り、塗料や食品などの有機物質に高効率で吸収され、迅
速に加熱できる特性により、塗料乾燥や食品加熱に用い
られている。
技術出版1986年)に述べられているように、遠赤外線は
人の体内深く浸透する特性により暖房装置に用いられた
り、塗料や食品などの有機物質に高効率で吸収され、迅
速に加熱できる特性により、塗料乾燥や食品加熱に用い
られている。
ZrO2、Al2O3、SiO2、TiO2などの金属酸化物は加熱時に
高効率で遠赤外線を放射するため、一般に、これらの酸
化物を主体としたセラミックスや、これらの酸化物を金
属基板にコーティングしたものが遠赤外線放射体として
用いられている。
高効率で遠赤外線を放射するため、一般に、これらの酸
化物を主体としたセラミックスや、これらの酸化物を金
属基板にコーティングしたものが遠赤外線放射体として
用いられている。
しかし、セラミックス製の放射体は壊れやすいことや大
型のものを製造できないなどの問題があり、また、上記
のようなコーティングしたものはコーティング物質が剥
離しやすいことや高価であるなどの問題があった。
型のものを製造できないなどの問題があり、また、上記
のようなコーティングしたものはコーティング物質が剥
離しやすいことや高価であるなどの問題があった。
これに対して、特開昭55−6433にはアルミニウムを含有
しない通常のステンレス鋼表面を粗度1〜10μmに粗く
した後、各種の方法で該表面に酸化被膜を形成させた放
射体が示されている。
しない通常のステンレス鋼表面を粗度1〜10μmに粗く
した後、各種の方法で該表面に酸化被膜を形成させた放
射体が示されている。
前述のステンレス鋼放射体は遠赤外線放射に優れ酸化皮
膜の剥離もないが、酸化皮膜の主成分がFeCr2O4、Cr2O3
のため耐食性が劣る。塗料乾燥や食品加熱の場合、その
加熱対象物から多量の水蒸気が発生し、高温多湿雰囲気
になる。通常これらの加熱炉は一日の操業が終了すると
停止冷却され、雰囲気中の水蒸気がステンレス鋼中放射
体表面に結露する。この加熱−結露の繰り返しを受け、
放射体は短期間で発銹してしまう。発銹が進むと銹が剥
離して食品、布地などの加熱対象物に付着し、製品を損
なうため、この加熱炉は使用できなくなる。
膜の剥離もないが、酸化皮膜の主成分がFeCr2O4、Cr2O3
のため耐食性が劣る。塗料乾燥や食品加熱の場合、その
加熱対象物から多量の水蒸気が発生し、高温多湿雰囲気
になる。通常これらの加熱炉は一日の操業が終了すると
停止冷却され、雰囲気中の水蒸気がステンレス鋼中放射
体表面に結露する。この加熱−結露の繰り返しを受け、
放射体は短期間で発銹してしまう。発銹が進むと銹が剥
離して食品、布地などの加熱対象物に付着し、製品を損
なうため、この加熱炉は使用できなくなる。
本発明はこのような問題を解消した遠赤外線放射体およ
びその製造方法を提供すること目的とする。
びその製造方法を提供すること目的とする。
本発明者らは上述したステンレス鋼放射体の耐久性の低
さを改善するため研究を行い、Fe−(12〜28%)Cr−
(2〜6%)Alステンレス鋼板が次の特性を有するとき
遠赤外線放射特性と耐食性に優れた遠赤外線放射体を見
出した。
さを改善するため研究を行い、Fe−(12〜28%)Cr−
(2〜6%)Alステンレス鋼板が次の特性を有するとき
遠赤外線放射特性と耐食性に優れた遠赤外線放射体を見
出した。
(1)表面粗度Ra≧0.5μmであること。
(2)表面に2μm以上の長さのアルミナウィスカを有
すること。
すること。
またこのような鋼板の製造方法として、Fe−(12〜28
%)Cr−(2〜6%)Alステンレス鋼板に次の処理を施
こすことにより上記特性を付与することができる。
%)Cr−(2〜6%)Alステンレス鋼板に次の処理を施
こすことにより上記特性を付与することができる。
(イ)ブラスト処理する。
(ロ)酸素濃度0.1%以下の雰囲気で700〜1000℃、10秒
間以上保持して予備酸化する。
間以上保持して予備酸化する。
(ハ)大気雰囲気中に、850〜1000℃、4時間以上保持
して高温酸化を行う。
して高温酸化を行う。
本発明に用いるFe−Cr−Alステンレス鋼は、成分を下記
のように限定すること、および下記のような表面性状を
有することにより、すぐれた耐食性を呈する。
のように限定すること、および下記のような表面性状を
有することにより、すぐれた耐食性を呈する。
C: Cは母材及び溶接部の靭性及び延性を劣化させる。この
ため本発明の素材を製造する過程で、板切れ、耳割れ、
曲げ割れを生じ、著しく製造性を損なう。そのためCを
0.03重量%以下に限定する。
ため本発明の素材を製造する過程で、板切れ、耳割れ、
曲げ割れを生じ、著しく製造性を損なう。そのためCを
0.03重量%以下に限定する。
Si: Siは高温の耐酸化性を向上させるが、母材及び溶接部の
延性を著しく阻害するので、1.0重量%以下に限定す
る。
延性を著しく阻害するので、1.0重量%以下に限定す
る。
Mn: Mnは母材及び溶接部の靭性を劣化させ、かつ高温で耐酸
化性を損なうので、1.0重量%以下に限定する。
化性を損なうので、1.0重量%以下に限定する。
Cr: Crはステンレス鋼の必須元素であり、12重量%未満では
耐食性、耐酸化性がなくなる。またCrが28重量%を超え
ると、鋼が脆くなり、放射体に加工できなくなるので12
重量%以上28重量%以下に限定する。
耐食性、耐酸化性がなくなる。またCrが28重量%を超え
ると、鋼が脆くなり、放射体に加工できなくなるので12
重量%以上28重量%以下に限定する。
Al: 2.0重量%未満では高温酸化処理で形成される酸化皮膜
が、Fe、Cr酸化物主体となり、アルミナウィスカが生成
されない。また、耐食性がなくなる。Alが多いほど、本
発明の目的を達成することができるが、6.0重量%を超
えると鋼が脆くなり、鋼板の製造が困難となるため、2.
0重量%以上6.0重量%以下に限定する。
が、Fe、Cr酸化物主体となり、アルミナウィスカが生成
されない。また、耐食性がなくなる。Alが多いほど、本
発明の目的を達成することができるが、6.0重量%を超
えると鋼が脆くなり、鋼板の製造が困難となるため、2.
0重量%以上6.0重量%以下に限定する。
一般にFe−Cr−Alステンレス鋼には鋼板の靭性を高め製
造しやすくするためと、耐酸化性を向上させる目的で0.
5重量%までのTi、Nb、Zrを添加したり、酸化皮膜の耐
剥離性を向上させる目的で0.3重量%までのY、Ce、L
a、Ndなどの希土類元素を添加したりするが、これらの
元素を添加したFe−Cr−Alステンレス鋼も本発明に好適
である。
造しやすくするためと、耐酸化性を向上させる目的で0.
5重量%までのTi、Nb、Zrを添加したり、酸化皮膜の耐
剥離性を向上させる目的で0.3重量%までのY、Ce、L
a、Ndなどの希土類元素を添加したりするが、これらの
元素を添加したFe−Cr−Alステンレス鋼も本発明に好適
である。
これらの鋼板は遠赤外線の放射面積を増やすために、表
面粗度を大きくすることが必要であり、その方法として
表面にブラスト処理を行う。ブラスト処理は粗度100〜4
00番のアルミナや炭化珪素の砥粒や直径0.05〜1.0mmの
鉄球や鉄グリッドを投射し、表面粗度をRaで0.5μm以
上に粗くする。
面粗度を大きくすることが必要であり、その方法として
表面にブラスト処理を行う。ブラスト処理は粗度100〜4
00番のアルミナや炭化珪素の砥粒や直径0.05〜1.0mmの
鉄球や鉄グリッドを投射し、表面粗度をRaで0.5μm以
上に粗くする。
次に大気などの酸化性雰囲気中で850〜1000℃で4時間
以上保持して高温酸化処理を行い、表面に長さ2μm以
上のアルミナウィスカを形成させることにより、十分な
遠赤外線放射特性を得る。
以上保持して高温酸化処理を行い、表面に長さ2μm以
上のアルミナウィスカを形成させることにより、十分な
遠赤外線放射特性を得る。
この高温酸化処理温度は、850℃未満または1000℃を超
えると、アルミナウィスカが形成されず、酸化皮膜は平
滑なアルミナになり遠赤外線放射特性が得られないた
め、850℃以上1000℃以下に限定する。また処理時間は
4時間未満の酸化処理ではアルミナウィスカの長さが2
μm以上にならないので4時間以上とする。酸化処理の
好ましい条件として920〜930℃で16時間保持するのが好
適である。
えると、アルミナウィスカが形成されず、酸化皮膜は平
滑なアルミナになり遠赤外線放射特性が得られないた
め、850℃以上1000℃以下に限定する。また処理時間は
4時間未満の酸化処理ではアルミナウィスカの長さが2
μm以上にならないので4時間以上とする。酸化処理の
好ましい条件として920〜930℃で16時間保持するのが好
適である。
ただし、鋼板のAl含有量が3重量%未満の場合や、ブラ
スト処理の投射速度が遅く、鋼板表面に十分な加工歪を
与えられない場合、高温酸化処理のみではアルミナウィ
スカの長さが短く、密度が低いことがある。この時には
予備酸化処理として酸素濃度0.1%以下の雰囲気中に700
〜1000℃で10秒以上熱処理すると鋼板表面に厚さ1000Å
未満の高純度のアルミナ酸化皮膜が形成され、次に上記
高温酸化処理を行うとアルミナウィス力が生成しやすく
なる。
スト処理の投射速度が遅く、鋼板表面に十分な加工歪を
与えられない場合、高温酸化処理のみではアルミナウィ
スカの長さが短く、密度が低いことがある。この時には
予備酸化処理として酸素濃度0.1%以下の雰囲気中に700
〜1000℃で10秒以上熱処理すると鋼板表面に厚さ1000Å
未満の高純度のアルミナ酸化皮膜が形成され、次に上記
高温酸化処理を行うとアルミナウィス力が生成しやすく
なる。
上記予備酸化処理においては、雰囲気中の酸素濃度が0.
1%を超えると酸化皮膜にFeやCrが混入し、アルミナウ
ィスカが形成しなくなるので0.1%以下とする。また700
℃未満や10秒間未満では生成酸化皮膜が薄いので効果が
なく、1000℃を超えると鋼板の結晶粒が粗大化して脆く
なり、加工することが不可能となるので700〜1000℃で1
0秒以上に限定する。
1%を超えると酸化皮膜にFeやCrが混入し、アルミナウ
ィスカが形成しなくなるので0.1%以下とする。また700
℃未満や10秒間未満では生成酸化皮膜が薄いので効果が
なく、1000℃を超えると鋼板の結晶粒が粗大化して脆く
なり、加工することが不可能となるので700〜1000℃で1
0秒以上に限定する。
実施例1 第1表に示す記号A、B、Cの化学組成のFe−Cr−Alス
テンレス鋼を溶製し、いずれも圧延により厚み1.0mmの
鋼板にした後、焼鈍−酸洗して供試した。また比較材と
してD、Eの市販のSUS304、430の厚み1.0mmの焼鈍−酸
洗板も供試した。
テンレス鋼を溶製し、いずれも圧延により厚み1.0mmの
鋼板にした後、焼鈍−酸洗して供試した。また比較材と
してD、Eの市販のSUS304、430の厚み1.0mmの焼鈍−酸
洗板も供試した。
これらのステンレス鋼板を10cm角に剪断し、第2表に示
す処理をブラスト、予備酸化、高温酸化の順に行なっ
た。
す処理をブラスト、予備酸化、高温酸化の順に行なっ
た。
これらの試料はブラスト処理後(ただし試料7はブラス
ト処理なし)、触針式表面粗さ測定器(JIS B0651)で
中心線平均粗さ(Ra)(JIS B0601)を測定したが、ブ
ラスト処理前ではD、Eが0.2μm、A、B、Cが0.3μ
m程度であったが、ブラスト処理後は鉄球ショット処理
したものでは2.4〜3.2μm、SiCサンドショット処理し
たものでは0.7〜0.8μm程度になった。高温酸化処理は
大気雰囲気中で行った。
ト処理なし)、触針式表面粗さ測定器(JIS B0651)で
中心線平均粗さ(Ra)(JIS B0601)を測定したが、ブ
ラスト処理前ではD、Eが0.2μm、A、B、Cが0.3μ
m程度であったが、ブラスト処理後は鉄球ショット処理
したものでは2.4〜3.2μm、SiCサンドショット処理し
たものでは0.7〜0.8μm程度になった。高温酸化処理は
大気雰囲気中で行った。
これらの試料を電子顕微鏡で観察し、アルミナウィスカ
の形成の有無を調査した。試料を60゜傾けて4000倍で撮
影し、写真のウィスカを測定し、実際の長さの平均値を
推定し、その値を第2表に示した。予備酸化時の酸素濃
度の高い試料8と高温酸化の温度が限定範囲外の試料
9、10とAl含有量の低いC鋼を用いた試料11にはアルミ
ナウィスカが形成されなかった。
の形成の有無を調査した。試料を60゜傾けて4000倍で撮
影し、写真のウィスカを測定し、実際の長さの平均値を
推定し、その値を第2表に示した。予備酸化時の酸素濃
度の高い試料8と高温酸化の温度が限定範囲外の試料
9、10とAl含有量の低いC鋼を用いた試料11にはアルミ
ナウィスカが形成されなかった。
また高温酸化の時間が1時間と短い試料6ではアルミナ
ウィスカの長さは1μm程度であった。残りの試料1〜
5および7ではアルミナウイスカは3μm以上の長さが
あった。
ウィスカの長さは1μm程度であった。残りの試料1〜
5および7ではアルミナウイスカは3μm以上の長さが
あった。
電子顕微鏡写真の代表例として試料4を第1図(写真
1)に、試料6を第2図(写真2)に、試料9を第3図
(写真3)に示す。
1)に、試料6を第2図(写真2)に、試料9を第3図
(写真3)に示す。
次にこれらの試験片を400℃に加熱し、波長5〜15μm
の遠赤外線放射強度を測定した。同一温度の黒体放射と
の比(放射率)の平均を第2表に示す。
の遠赤外線放射強度を測定した。同一温度の黒体放射と
の比(放射率)の平均を第2表に示す。
アルミナウィスカが生成しなかった試料8〜11、アルミ
ナウィスカの長さが短い試料6およびブラスト処理をせ
ず、表面が平滑な試料7では、放射率は0.5以下であっ
た。これに対し、実施例の試料1〜5は0.7以上の良好
な放射率を示した。ここでAl含有量が3重量%のA鋼で
予備処理しなかった試料2は、同一高温酸化条件で予備
処理をした試料1と比較してアルミナウィスカの密度が
低く、放射率が0.1程度低かった。
ナウィスカの長さが短い試料6およびブラスト処理をせ
ず、表面が平滑な試料7では、放射率は0.5以下であっ
た。これに対し、実施例の試料1〜5は0.7以上の良好
な放射率を示した。ここでAl含有量が3重量%のA鋼で
予備処理しなかった試料2は、同一高温酸化条件で予備
処理をした試料1と比較してアルミナウィスカの密度が
低く、放射率が0.1程度低かった。
Alを含有しない通常のステンレス鋼の表面を粗くし、酸
化皮膜を生成させた試料12、13も0.8以上の良好な放射
率を示した。
化皮膜を生成させた試料12、13も0.8以上の良好な放射
率を示した。
次に耐食性を調べるために試料1〜5、12、13に対し
て、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を4時間行った。その
結果を第2表に示した。試料1〜5には全く発銹が見ら
れなかったが、試料12、13は全面に激しい発銹が見られ
た。
て、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を4時間行った。その
結果を第2表に示した。試料1〜5には全く発銹が見ら
れなかったが、試料12、13は全面に激しい発銹が見られ
た。
このように本実施例による遠赤外線放射体は優れた放射
特性を示すとともに従来材に比較し、優れた耐食性を有
する。
特性を示すとともに従来材に比較し、優れた耐食性を有
する。
実施例2 実施例1の試料1〜5に対して、比較材として第1表に
示すD、Eの市販のSUS304、430の厚み1.0mmの焼鈍酸洗
板に、第3表に示す処理により、市販のアルミナ・シリ
カ系遠赤外線塗料をコーティングし、供試した。
示すD、Eの市販のSUS304、430の厚み1.0mmの焼鈍酸洗
板に、第3表に示す処理により、市販のアルミナ・シリ
カ系遠赤外線塗料をコーティングし、供試した。
これらの試料の高温耐食性を調べるために、試料1〜
5、14、15に対し、次の加熱・冷却繰返試験を行った。
5、14、15に対し、次の加熱・冷却繰返試験を行った。
700℃に加熱した後、20分間空中放冷を繰返す。
700℃に加熱した後20分間霧吹水冷を繰返す。
その結果を第4表に示した。試料1〜5には全く銹の発
生や酸化皮膜の割れ、剥れが見られなかったが、試料14
では700℃加熱、空中放冷の繰返し17回で、コーティン
グした塗料に剥れが発生し、また、試料15では、700℃
加熱、露吹き水冷5回で、コーティングした塗料に茶褐
色斑点が発生した。
生や酸化皮膜の割れ、剥れが見られなかったが、試料14
では700℃加熱、空中放冷の繰返し17回で、コーティン
グした塗料に剥れが発生し、また、試料15では、700℃
加熱、露吹き水冷5回で、コーティングした塗料に茶褐
色斑点が発生した。
この茶褐色斑点の発生した塗料をX線マイクロアナライ
ザーで定性分析した結果、塗料成分以外に、Fe、Cr、が
検出され、基材であるステンレス鋼に発生した銹が割れ
銹として、塗膜の小穴を通って表面に現われたものであ
ると発明した。
ザーで定性分析した結果、塗料成分以外に、Fe、Cr、が
検出され、基材であるステンレス鋼に発生した銹が割れ
銹として、塗膜の小穴を通って表面に現われたものであ
ると発明した。
このように、本実施例による遠赤外線放射体は、従来材
に比較して、極めて優れた高温耐食性を有する。
に比較して、極めて優れた高温耐食性を有する。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明のFe−Cr−Alステンレス鋼
は、遠赤外線放射率が高く、耐食性に優れており、本発
明方法によればこのような遠赤外線放射体を安価に量産
することができる。
は、遠赤外線放射率が高く、耐食性に優れており、本発
明方法によればこのような遠赤外線放射体を安価に量産
することができる。
第1図(写真1)、第2図(写真2)、第3図(写真
3)はそれぞれ本発明の実施例及び比較例の金属組成を
示す電子顕微鏡写真でありそれぞれ倍率4000倍である。
3)はそれぞれ本発明の実施例及び比較例の金属組成を
示す電子顕微鏡写真でありそれぞれ倍率4000倍である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広野 種生 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 東 毅 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2番88号 川崎製鉄株式会社阪神製造所内 (72)発明者 鈴木 重治 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 中芝 明雄 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 土肥 祥司 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 光冨 博之 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 宮崎 荘平 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 北畑 宏起 大阪府大阪市東区平野町5丁目1番地 大 阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−6433(JP,A) 特開 昭62−149862(JP,A) 特開 昭63−154341(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】Cr:12〜28重量% Al:2〜6重量% を含有するFe−Cr−Alステンレス鋼板であって、素地表
面がRa≧0.5μmの表面粗度を有し、かつ、該表面に長
さ2μm以上のアルミナウィスカを有することを特徴と
する耐食性に優れた遠赤外線放射体。 - 【請求項2】Cr:12〜28重量% Al:2〜6重量% を含有するFe−Cr−Alステンレス鋼板表面にブラスト処
理を施こした後、酸素濃度0.1%以下の雰囲気中に、700
〜1000℃、10秒間以上保持後、大気雰囲気中に850〜100
0℃、4時間以上保持することを特徴とする耐食性に優
れた遠赤外線放射体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62297689A JPH0788560B2 (ja) | 1987-11-27 | 1987-11-27 | 耐食性に優れた遠赤外線放射体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62297689A JPH0788560B2 (ja) | 1987-11-27 | 1987-11-27 | 耐食性に優れた遠赤外線放射体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01139750A JPH01139750A (ja) | 1989-06-01 |
JPH0788560B2 true JPH0788560B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=17849879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62297689A Expired - Lifetime JPH0788560B2 (ja) | 1987-11-27 | 1987-11-27 | 耐食性に優れた遠赤外線放射体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0788560B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS556433A (en) * | 1978-06-28 | 1980-01-17 | Nisshin Steel Co Ltd | Stainless steel radiator and production thereof |
JPH0676653B2 (ja) * | 1985-12-24 | 1994-09-28 | 川崎製鉄株式会社 | アルミニウム含有ステンレス鋼材表面のアルミナウイスカ−形成方法 |
-
1987
- 1987-11-27 JP JP62297689A patent/JPH0788560B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01139750A (ja) | 1989-06-01 |
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