JPH0788417A - 液体混合吐出装置 - Google Patents

液体混合吐出装置

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JPH0788417A
JPH0788417A JP5235231A JP23523193A JPH0788417A JP H0788417 A JPH0788417 A JP H0788417A JP 5235231 A JP5235231 A JP 5235231A JP 23523193 A JP23523193 A JP 23523193A JP H0788417 A JPH0788417 A JP H0788417A
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stirring
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Sadao Tokorozawa
貞雄 所澤
Yoshiyuki Magara
喜行 真柄
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給比の小さい液体を低い供給圧力でもって
外筒内に効率よく供給することのできる液体混合装置を
提供する。 【構成】 外筒30内に液体を供給する液体供給口23
0,231が軸支部232に設けられており、供給量の
少ない液体の供給口230は外筒30内を流れる液体の
流れが速い急流部70に臨んで開口され、供給量の多い
液体の供給口231は流れの遅い緩流部71に臨んで開
口されている。軸支部232の前端面233は傾斜して
おり、急流部70は、ローター60の攪拌部61の後端
との間隔が狭まっていることにより液流が急になる部分
である。緩流部71は、その間隔が広くなっていること
により液流が緩やかな部分である。急流部70において
は、その急な流れによって負圧が生じ、液体が吸い出さ
れる。 【効果】 ミキサー部に液体をより低圧で注入すること
ができ、混合液における混合比がより一層正確なものと
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合吐出装置、特
に複数の液体を所定の割合で混合攪拌するミキサー部に
関し、例えば主剤及び硬化剤よりなる二液タイプの接着
剤の混合吐出装置に適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、少なくとも2種の液体(粘稠
剤)を自動的に混合して定量吐出する装置が公知であ
り、例えば主剤と効果剤とを混ぜて使用する二液タイプ
の接着剤を、自動化されてなる生産ラインにおいて、被
接着物上に吐出させるためなどに使用されている。図1
3には、そのような液体混合吐出装置1の典型的な例が
示されている。同図において、符号2で示したものは装
置本体であり、符号3で示したものはミキサー部であ
り、液体混合吐出装置1はそれら装置本体2及びミキサ
ー部3が一体化されて構成されている。
【0003】装置本体2には、特に図示しないが、その
内部に主剤及び硬化剤を独立して貯留してなるタンク、
それらタンクを保温するヒーター、そのヒーター温度の
設定・制御を行うヒーター制御器、ミキサー部に主剤及
び硬化剤を夫々所定の量で輸送するポンプ、そのポンプ
の駆動及び制御を行うポンプ駆動制御器、が設けられて
いる。
【0004】図14には、ミキサー部3が拡大して示さ
れている。同図に示すように、ミキサー部3はミキサー
部本体4とノズル部5とからなり、さらにミキサー部本
体4には、図15及び図16に示すように、上記二液体
を混合攪拌するローター4A及びミキシング室4Bが設
けられている。ローター4Aは、上記装置本体2内に設
けられてなる図示しないモーター及びモーター駆動制御
器により回転制御されており、図17に示すように、そ
の外周にはローター4Aの回転軸に対して垂直、即ちロ
ーター4Aの回転方向に平行なフィン4aが複数段設け
られている。一方、ミキシング室4Bの内周には、上下
のフィン4a,4a間に突出するような所謂邪魔棒4b
が設けられており、フィン4aの回転移動に伴いミキシ
ング室4B内に生じる液体の流れを妨げて混合攪拌を行
い得るようになっている。
【0005】前記ノズル部5は、図14に示したよう
に、被接着物の細部への吐出を可能ならしめるために一
般に細管でできており、その下端には上記ミキシング室
4Bに連通する吐出口6が設けられている。そして、そ
の細管は、吐出性を損なわないように、基端から先端に
至るまで同一の内径となっているが、さらに吐出性を高
めるためには、装置本体2からミキサー部3に高圧を印
加しながら液体を注入するようにしている。つまり、そ
の注入時の圧力により、液体をミキシング室4Bからノ
ズル部5へ強制的に送り、吐出口6から吐出させてい
る。
【0006】従って、ミキサー部本体4やノズル部5に
は高圧がかかるため、それに耐え得るようにそれらは金
属製であるのが一般的であり、それら相互の取付けもナ
ット7Aなどを用いて強固になされている。また、ミキ
サー部3を構成する他の構成部品も金属製であり、相互
にボルト7Bを用いて強固に緊結されていて、構成部品
相互の接合部分からの液体の漏出や構成部品の破損によ
る液体の飛散などが起こらないように配慮されている。
さらに、ミキサー部3自体も装置本体2にボルト7Cに
より緊結されている。
【0007】また、装置本体2とミキサー部3とをチュ
ーブ等を用いてジョイント部材などを介して連結する
と、装置本体2のポンプから圧送されてくる液体の圧力
に負けてジョイント部分から液漏れが生じる虞があるた
め、図15に示すように、装置本体2とミキサー部3と
を面接合させて、装置本体2側の液体送出し口2aとミ
キサー部3側の液体受入れ口3aとを直接突き合わせて
連結するようにしている。そして、液体受入れ口3aか
らミキシング室4Bまでの液体の流路4c,4dは、ミ
キサー部本体4の金属塊部分に貫通孔を開けることによ
り設けられている。
【0008】上記流路4c,4dは、ミキシング室4B
の上部に開口している。上述した二液タイプの接着剤の
場合には、一般に硬化剤1に対してその数乃至十数倍の
量の主剤を混ぜるが、主剤及び硬化剤の各流路4c,4
dがミキシング室4Bに臨んで夫々開口する注入口4e
及び4fは、液種や液量などを問わず、ミキシング室4
Bに対して同一の条件となる位置(即ち、図15におい
て同一円周上の位置)に開口させられている。なお、図
15において、符号2c及び2dで示したものは夫々主
剤及び硬化剤の流路である。
【0009】ところで、上記ローター4Aは、図14に
示したように、何重もの軸支部材4C,4D,4Eとと
もに、ミキサー部本体4の上方に突出する動力伝達軸8
を介して、モーターに機械的に連結されるようになって
いる。
【0010】また、二液を混合してなる混合液中に気泡
が含まれるのが好ましくない場合、特に接着剤の場合は
そうであるが、そのような場合には、混合液中の気泡を
除去するための脱泡装置を、液体混合吐出装置1とは別
に新たに設けなければならない。その際、脱泡装置はミ
キシング室4Bとノズル部5との間の流路中に設けられ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、ミキシング室4Bへの液体の注入を高圧で
行っているため、以下のような問題点のあることが本発
明者らによって明らかとされた。即ち、二液(主剤と硬
化剤)の各量の定量は、各液を輸送するポンプのスピー
ドを制御することにより行われており、当然主剤の方が
多量であるために主剤の方の注入圧力が高くなる。その
ために、主剤の方がミキシング室4B内に勢いよく注入
されるので、主剤と硬化剤とが設定量で均一に混合され
難くい。
【0012】また、主剤の方の注入圧力が高いために、
硬化剤の注入口4fから流路4d内に主剤が逆流してし
まう虞がある。そうした場合には、その流路4d内で接
着剤が固化してしまい、詰まってしまうという問題が生
じる。それを極力避けんがために、主剤よりも硬化剤の
注入圧力をより高めることによって硬化剤の注入量を適
正に保つことも可能であるが、高圧注入に起因する種々
の問題点がさらに深刻化してしまう虞があった。
【0013】さらに、ミキサー部3の各構成部品は金属
性であり、相互にナット7Aやボルト7B等により連結
されて一体化されているとともに、ミキサー部3自体も
装置本体2にボルト7Cで緊結されているため、ボルト
等を含めた部品点数が多く、しかも個々の部品自体も重
いので、ミキサー部3自体が非常に重くなっていた。そ
して、重いだけでなく、ミキサー部3と装置本体2とが
一体化されているため、全体として大型化してしまい、
空間的にも重量的にもその設置場所等についての制限が
生じてしまっていた。
【0014】また、ミキシング室4Bは、ミキサー部本
体4の内部に設けられていて、金属塊部分に囲まれてい
るため、ミキシング室4B内に各液体が確実に導入され
ているか、或はそれら各液体が確実に混合攪拌され均一
な混合液となってノズル部5から吐出されているかを目
視観察することができなかった。そして、各構成部品が
金属性であるため、ミキシング室4Bの内壁面やノズル
部5内に接着剤等が粘着し易く、詰まり易いだけでな
く、それらのクリーニング性も悪かった。
【0015】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、供給比の小さい液体を低い供給圧力で
もって外筒内に効率よく供給することのできる液体混合
吐出装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る液体混合吐出装置においては、複数の
液体を相互に接触させることなく所定の割合でその内部
に導入可能な外筒と、該外筒内に挿入され且つその外筒
の中心軸線を回転軸として回転可能なローターとを備
え、該ローターには少なくとも外筒内に導入されてなる
上記液体を混合攪拌可能な攪拌部が設けられており、上
記外筒内に臨んで開口する複数の液体供給口と前記ロー
ターとの間の間隔の一部は、ローターの回転に伴って外
筒の周方向に流されてなる液体の流れを一時的に加速可
能な急流部となるように狭まっており、供給量の少ない
液体の供給口ほど流速が速くなるように狭まった位置に
設けられていることを特徴とする。
【0017】具体的には、上記ローターの後部を回転自
在に支持する軸支部の前端面は、上記攪拌部の後端に相
対峙し且つ該後端から次第に遠ざかるように後退してな
る傾斜面となっており、上記液体供給口は、該傾斜面に
開口し且つ供給量の少ない液体の供給口ほど上記攪拌部
の後端との間隔が狭くなるような位置に設けられてい
る。また、上記液体供給口は、液体の供給量に応じて供
給量が少ないものほど開口面積を小さくして開口してい
る。
【0018】本発明の液体混合吐出装置においては、外
筒を透明体により形成しても良い。そうすることによ
り、複数の液体が外筒内に導入されているか、或いはそ
れら液体が攪拌部により均一に混合攪拌されているかを
目視観察することができる。更に、液体毎に異なる色で
着色しておけば、より確実に確認し易い。
【0019】更には、混合液の接触可能な部位を非粘着
性の材料により形成しても良い。そうすることにより、
混合により高い粘着性を帯びるものや特に二液タイプの
接着剤などの混合・吐出に本発明に係る液体混合吐出装
置を使用する場合に、外筒内やノズル内或いはローター
に接着剤などが付着し難くなり、接着剤などが硬化して
外筒内やノズル内で詰まり難くなる。万一、接着剤など
が硬化して外筒内やノズル内で詰まっても、それら外筒
やノズルの内表面或いはローターの外表面と硬化した接
着剤との接着力は小さく、クリーニング性及びメンテナ
ンス性に優れた液体混合吐出装置となる。
【0020】
【作用】本発明に係る液体混合吐出装置によれば、複数
の液体を個別に供給する液体供給口と攪拌部との間が一
部、液体の流れを一時的に加速可能な急流部となってお
り、供給量の少ない液体の供給口ほど液流が速くなるよ
うな位置に設けられているため、供給量の多い液体の供
給口は流速の遅い位置に設けられている。従って、流れ
の遅い位置で外筒内に導入された供給量の多い液体は急
流部に近づくに連れその流速を増し、供給量の少ない液
体の供給口付近の圧力を低下させる。つまり、急流部に
おいて負圧が生じることとなり、供給量の少ない液体が
その液体の供給口から吸い出されるため、効率よく外筒
内に導入される。それ故、外筒内へ液体を導入せんがた
めに従来のようにミキサー部に液体を高圧で注入する必
要がなくなり、より低圧(例えば、大気圧程度)での液
体の注入が可能となる。それにより、ポンプからミキサ
ー部に供給される各液体の定量性の精度が向上し、吐出
口から吐出される混合液における混合比も正確なものと
なる。
【0021】また、液体供給口が攪拌部の後端に相対峙
し且つ該後端から次第に遠ざかるように後退してなる傾
斜面に設けられているようにすることにより、その傾斜
面と攪拌部の後端との間の間隙は次第に狭くなってその
間隙を流れる液体の流速が次第に速くなり、その間隙長
の極小部分において最も流れの速い急流部となり、再び
次第に広がっていって液体の流れも遅くなる。また、液
体供給口が液体の供給量に応じた開口面積で開口してい
ることにより、供給量の少ない液体はさらに効率よく吸
い出される。
【0022】
【実施例】本発明に係る液体混合吐出装置を二液タイプ
の混合吐出装置に適用した例を挙げ、図1乃至図12に
基づき、以下に説明する。図1には、本発明に係る液体
混合吐出装置の全体の一例が示されている。同図に示す
ように、この液体混合吐出装置10は、各構成要素が独
立して設けられてなるもので、ポンプ部11、ミキサー
部12、タンク13、ヒーター14、モーター駆動制御
器15及びヒーター制御器16から構成されている。
【0023】ポンプ部11は、例えば2個のポンプが内
蔵されてなり、各液体、例えば二液タイプの接着剤の場
合には主剤と硬化剤、を吸引管17を介して各タンク1
3から独立して吸引し、排出管18を介してミキサー部
12に相互に接触することなく輸送することができるよ
うになっている。各液体の輸送量は、ポンプの回転数を
制御する制御器(図示せず)により調節されるようにな
っている。また、ミキサー部12への各液体の注入圧力
は従来よりも低圧、例えば大気圧程度の圧力である。そ
の際、タンク13内の液体の粘度を一定に保つために、
タンク13はヒーター14により加温されており、その
温度はヒーター制御器16により調節されるようになっ
ている。
【0024】ミキサー部12は、ポンプから送られてく
る各液体を混合攪拌して均一な混合液として一定量ずつ
吐出するようになっている。ミキサー部12には液体の
混合攪拌及び吐出を行うモーター(図示せず)が内蔵さ
れており、そのモーターの回転数をモーター駆動制御器
15により調節することにより、吐出量を加減すること
ができるようになっている。なお、図1において、符号
19で示したものは、ポンプ部11を載せる固定台及び
ミキサー部12を保持するスタンドなどの固定治具であ
る。
【0025】図2には、上記ミキサー部12の一例が拡
大されて示されている。同図において、符号20で示し
たものはミキサー本体であり、符号30で示したものは
外筒であり、符号40で示したものはノズル部である。
なお、符号50で示したものはモーターに電力を供給す
るコードである。
【0026】図3には、このミキサー部12が分解され
て示されている。同図において、符号21で示したもの
はモーターを収納するモーター収納部であり、符号22
で示したものはモーターの回転軸(シャフト)を軸支す
るシャフト支持部であり、符号23で示したものは液体
を外筒30内に導く液体導入部であり、符号24で示し
たものは外筒取付部であり、符号25で示したものはO
リング(シール材)であり、符号26で示したものはO
リングを固定する押え板であり、符号27で示したもの
は液体を液体導入部23に導く管路部であり、符号28
で示したものは管路部27を固定する抜止め材であり、
符号29A及び29Bで示したものは夫々ねじである。
ミキサー本体20は、符号21乃至28を付した各構成
要素がねじ29A,29B等により組み立てられてな
る。また、符号60で示したものは外筒30内に挿入さ
れ、上記モーターにより回転させられるローターであ
る。
【0027】このミキサー部12においては、ローター
60に攪拌部61及び押出し部65が設けられており、
そのローター60の回転によって、外筒30内に導入さ
れた二液体が攪拌部61により均一に混合攪拌されると
ともに、その混合液が押出し部65によりノズル部40
の吐出口41から一定量ずつ吐出されるようになってい
る。
【0028】また、図4に示すように、外筒30内に液
体を供給する液体供給口230,231が液体導入部2
3に設けられており、供給量の少ない液体(例えば、硬
化剤)の供給口230は外筒30内を流れる液体の流れ
が速い急流部70に臨んで開口され、供給量の多い液体
(例えば、主剤であり、硬化剤の数乃至十数倍の供給量
である。)の供給口231は流れの遅い緩流部71に臨
んで開口されている。
【0029】さらに、ミキサー本体20と外筒30とノ
ズル部40とが夫々ワンタッチで着脱することができる
ようになっている。また、液体導入部23に対する管路
部27の着脱もワンタッチで行えるようになっている。
さらにまた、モーターの回転駆動力は、一対の磁力吸引
部220及び磁力被吸引部221よりなるマグネット継
ぎ手を介してローター60に伝達されるようになってい
る。
【0030】以上、ミキサー部12の構成の概略を説明
したが、さらに各部の詳細について以下に説明する。図
5には、ローター60、外筒30及びノズル部40が拡
大して示されている。同図に示すように、ローター60
は、その後半部に攪拌部61が設けられ、前半部に押出
し部65が攪拌部61に一体又は一体的に設けられてお
り、四弗化エチレン樹脂などの非粘着性材料でできてい
る。そして、その大きさ、即ちローター60の径は外筒
30の内周面に擦らない程度となっており、外筒30と
ローター60との間は液体の流路となっている。
【0031】攪拌部61は平行フィン610と斜行フィ
ン611を有しており、平行フィン610はローター6
0の回転軸(この回転軸は外筒30の中心軸線に一致す
る。)の方向に対して略垂直(垂直を含む。以下、同
じ)となるように鍔状に突設されており、斜行フィン6
11は同回転軸方向に対して斜めになるように突設され
て形成されている。そして、それら各フィンは、同回転
軸方向に複数枚並んで平行フィン列610A或は斜行フ
ィン列611Aを形成している。なお、回転軸方向に隣
合うフィン同士(610と610、或は611と61
1)の間は液体の流路となっている。
【0032】図6には、ローター60を後方から見た状
態が示されている。同図に示すように、平行フィン列6
10A及び斜行フィン列611Aは2列ずつ設けられて
おり、ローター60の回転方向に沿って交互に配設され
ている。そして、隣合うフィン列610A,611A
は、凹条部(溝)612により隔てられている。この凹
条部612は、液体の流路となるとともに、液体に内包
される気泡の逃げ道となる。また、凹条部612には、
ローターを逆転させた際に外筒30内の圧力を逃がす作
用もあり、それによってノズル部40内が急速に負圧状
態とされ、吐出口41からの液垂れが有効に防止される
ようになっている。
【0033】図7には、攪拌部61の外周面を展開した
状態が示されている。同図において、寸法aは平行フィ
ン610の長さであり、寸法bは斜行フィン611の、
平行フィン610を通る平面(即ち、ローター60の回
転軸に対して垂直な平面)への投影長さである。寸法a
は寸法bに等しいか又は長いが、ここでは寸法aは寸法
bよりも長くなっている。好ましくは、寸法aは寸法b
の2乃至3倍程度であるとよい。
【0034】以上のように構成されてなる攪拌部61に
おいては、ローター60の回転により、液体は以下のよ
うに流れる。即ち、液体が平行フィン610,610の
間(図7のイ部分)を通過する時には、平行フィン61
0の端部との衝突によりカッティングされるとともに層
流が発生する。それによって、イ部分に矢印(その長さ
の長短が流速の大小を表している。図7のロ部分につい
ても同じ。)で示したように、隣合う平行フィン61
0,610間においては、その中央に近づくに連れて次
第に流れが速くなり、平行フィン610の表面或は近傍
を流れる液体との間にスリップ現象が生じ混合攪拌が起
こる。
【0035】また、液体が斜行フィン611に沿ってそ
の部分(図7のロ部分)を通過する時には、ロ部分に示
した矢印のように、斜行フィン611の上側を流れる液
体は下側を流れる液体よりも速く流れ、斜行フィン61
1を通過した後に下側の液体は上側へ吸い上げられる。
それによって、吸い上げられた液体は上側を流れてきた
液体と衝突し、乱流が発生する。その乱流により、液体
に不規則な渦が発生し混合攪拌が起こる。
【0036】図8には、ローター60の側面が示されて
いる。同図に示すように、押出し部65は、ローター6
0の外周面に沿って攪拌部61との境界から先端に向か
って螺旋状に設けられてなる案内溝650が液体の流路
となるように構成されている。その溝部650の巻数
は、特に限定されないが、ここでは約2.5巻程度とな
っている。そして、その溝を横切る断面部分(例示のた
めに図8に示した二点鎖線と溝の底面651とで挟まれ
た部分652)の面積(仮想)が、先端に向かうに連れ
て次第に小さくなるようにされている。そのような溝形
状として、本実施例では、押出し部65の外周面を展開
して示した図9のように、先端(図9においては下方)
に向かうに連れて溝幅dが次第に狭くなっている。
【0037】以上のように構成されてなる押出し部65
により、ローター60が正回転されると、液体は案内溝
650により先端に向かって強制的に流され、その流路
が狭まることによって次第に液体の圧力が高められる。
その際、液体に内包されている気体は、一般に圧力の低
い方へ向かう性質があるため、案内溝650を伝って攪
拌部61側に逃げることとなる。
【0038】ところで、図3に示したように、前記液体
供給口230,231は、液体導入部23から前方に突
出してなる軸支部232の前端面233に開口してい
る。この軸支部232は、ローター60を回転自在に軸
支するものであり、ローター60の後端部が挿入される
ようになっている。そして、その前端面233は傾斜し
ており、それによって、図4に示したように、上記急流
部70及び上記緩流部71が生じるようになっている。
なお、液体供給口230,231の開口面積は、各液体
の供給比と同じになるようにされている。
【0039】つまり、液体供給口230,231より供
給されてなる各液体は、ローター60の回転につられて
流れるようになる。その流れは、前端面233と攪拌部
61の後端(最後部のフィン)との間隔が広い所、即ち
緩流部71ではゆるやかであるが、その間隔が狭くなる
に連れて次第に速くなり、最も間隔の狭い急流部70に
至っては最速となり、再び間隔が広がることによってゆ
るやかとなる。特に、上述したように、供給量の多い液
体の供給口231が緩流部71に臨んで設けられている
ため、供給された多量の液体が急流部70に至ることに
よって、その流れは非常に急になる。そして、その急な
流れによって、急流部70に臨む液体供給口230には
負圧が生じ、それによってその供給口230から供給量
の少ない液体が吸い出され外筒30内に効率よく導入さ
れることとなる。
【0040】ところで、図5に示したように、前記外筒
30は、例えば略透明(透明及び半透明を含む。)で且
つ非粘着性の材料、例えば合成樹脂材によりできてお
り、その内側空間はミキシング室となっている。そのミ
キシング室に二液体が導入され、ローター60が回転さ
れることにより、混合攪拌が起こるが、外筒30が略透
明となっているため、その攪拌状態を目視で監視するこ
とができる。また、前記ノズル部40は合成樹脂等の非
粘着性材料でできていて、先端に向かうに連れてその内
径が小さくなるような先細状になっており、液体が吐出
口41に近づくに連れて、上記案内溝650により高め
られた圧力がさらに高められるようになっている。それ
によって、上述したように、気泡が吐出口41の反対側
に向かって移動し、吐出口41から吐出される混合液内
に空気が混入するのが防止されるとともに、液切れ性が
よい。
【0041】ノズル部40は外筒30に所謂ルアーロッ
ク方式で嵌合されるようになっている。即ち、外筒30
の先端にはピッチの粗い雌ねじ部31が設けられ、一方
ノズル部40の後端には略楕円形状のフランジ部42が
設けられていて、そのフランジ部42の両端を雌ねじ部
31にねじ込むことにより、外筒30とノズル部40と
が一体化される。そして、その雌ねじ部31に混合液が
漏出しないように、雌ねじ部31のさらに内側に設けら
れ且つミキシング室に連通する嵌入管32がノズル部4
0の後半部に嵌入されるようになっている。
【0042】また、外筒30はミキサー本体20に所謂
バヨネット方式の嵌合により、一体的に取り付けられる
ようになっている。即ち、その嵌合方式によれば、外筒
30の後端には略楕円形状のフランジ部33が設けられ
ており、そのフランジ部33を、上記外筒取付部24に
開口されてなる挿入口240(図3参照)に挿入して押
し付けながら、外筒30を約90度回転させるようにな
っている。なお、挿入口240は、フランジ部33と略
相補形状をなしている。
【0043】図10には、ミキサー本体20の前半部が
示されており、また図11にはその前半部が分解されて
示されている。外筒取付部24の裏側面は凹状に成形さ
れており、外筒30のフランジ部33を収納する収納部
241となっている。上述したように外筒30を回転さ
せてフランジ部33をその収納部241の前板部242
と液体導入部23との間に至らしめることにより、外筒
30が引き抜かれるのが防止されるようになっている。
なお、液体導入部23の、フランジ部33との接触部分
にはOリングなどのシール材が設けられており、液体の
漏出が防止されているのは勿論である。
【0044】液体導入部23は、上記ローター60と同
様に非粘着性材料でできており、その側部に上記管路部
27の先端部を嵌入させるインポート部234が各液体
毎に開口されている。このインポート部234は、液体
毎に液体導入部23内に孔開けされてなる液体導入路2
35(図4参照)を介して、上記液体供給口230又は
231に連通しており、管路部27内を流れる液体を外
筒30内に導くようになっている。インポート部234
は、その開口端近傍における内部に上記Oリング25が
嵌入されており、上記押え板26が被せられている。そ
して、この押え板26には、管路部27を挿通させる貫
通孔260が設けられている。
【0045】管路部27は、例えば金属製の筒体ででき
ており、その後端部に排出管18を、例えば図4に示し
たように、袋ナット等の連結部材180を用いて水密に
連結することができるようになっている。この管路部2
7は、図10のようにミキサー本体20に取り付けられ
た状態においては、シャフト支持部22に設けられたス
リット222内に納められ、上記抜止め材28により固
定される。抜止め材28は、柱状体の側面にその軸方向
にスリット280が形成されてなる断面略C字形状のも
ので、上記スリット222の一端に回転自在に取り付け
られている。そして、管路部27を固定する際には、そ
れら両スリット222,280を合わせ、管路部27を
納めた後、図10に示したように抜止め材28を回転さ
せればよい。
【0046】また、シャフト支持部22には、図4に示
したように、後方からモーターのシャフト80を挿入さ
せる貫通孔が設けられており、その貫通孔は、シャフト
80とともに回転する回転筒体81を軸支する軸受部2
23となっている。この軸受部223は、シャフト支持
部22に液体導入部23が組み付けられた状態では、上
記液体導入部23の内部に設けられてなる隔壁236を
介して、上記軸支部232の丁度裏側に位置するように
なっている。この隔壁236は、ミキサー本体20の内
部空間と外筒30の内部空間とを隔絶するもので、それ
によって外筒30内からミキサー本体20内への液体の
逆流を防いでいる。つまり、ローター60、回転筒体8
1及びシャフト80を伝って液体がモーターに付着する
のが防止されている。
【0047】上記隔壁236を介してモーターの回転駆
動力をローター60に伝達するために、本実施例におい
ては、上述したマグネット継ぎ手による伝達手段を用い
ている。図12には、そのマグネット継ぎ手の部分が拡
大して示されている。即ち、上記軸受部223内に挿入
される回転筒体81の先端には磁力吸引部220が設け
られており、一方軸支部232内に挿入されるローター
60の後端には磁力被吸引部221が設けられている。
そして、それら磁力吸引部220及び磁力被吸引部22
1が隔壁236を挟んで相互に引き合うことにより、互
いに隔絶された状態でありながら駆動力が伝達されるよ
うになっている。それによって、ローター60が回転不
能になったとしても、ローター60とモーターとは機械
的に直結されていないので、モーターが空回りすること
になり、モーターの破損が防止される。
【0048】磁力吸引部220及び磁力被吸引部221
は、何れも一対の極性の異なる磁石S,N(S極とN
極)により構成されている。つまり、磁力吸引部220
と磁力被吸引部221との間に作用する、異極間(S−
N)の吸引力及び同極同士(S−S及びN−N)の斥力
により、それら吸引部220,221の、隔壁236へ
の吸着が防止されているとともに、軸受部223及び軸
支部232並びに隔壁236に対する摺動抵抗が小さく
抑えられている。
【0049】上記実施例によれば、供給量の少ない液体
の供給口230は急流部70に臨んで設けられ、供給量
の多い液体の供給口231は緩流部71に臨んで設けら
れているため、供給量の少ない液体が急流部70に生じ
る負圧により吸い出されて効率よく外筒30内に導入さ
れるので、ミキサー部12に液体をより低圧、例えば大
気圧程度の圧力で注入することができ、吐出される混合
液における混合比が正確なものとなる。従って、液体混
合吐出装置として極めて優れている。また、外筒30や
ノズル部40や液体導入部23などが非粘着性材料より
なるため、それらが詰まり難く、万一詰まっても修復が
容易であり、クリーニング性及びメンテナンス性に優れ
る。さらに、ミキサー部12が液体混合吐出装置10の
他の構成要素から独立しているため、液体混合吐出装置
10の設置場所等の種々の制限緩和がもたらされるだけ
でなく、操作性に優れる。
【0050】なお、上記実施例においては、本発明に係
る液体混合吐出装置を二液タイプの混合吐出装置に適用
して説明したが、これに限定されるものではなく、三液
以上の混合を行う場合でも本発明を適用可能であるのは
勿論であるし、一液のみを吐出する場合にも適用可能で
あるのはいうまでもない。また、上記実施例において
は、吐出口41から混合液が吐出されるとしたが、これ
に限定されるものではなく、混合液を吐出することなく
チューブ等を介して他の装置等に輸送するようになって
いてもよい。
【0051】さらに、上記実施例においては、液体供給
口230,231が開口してなる軸支部232の前端面
233は傾斜面になっているとしたが、これに限定され
るものではなく、その前端面233と攪拌部61の後端
との間に、その間隔の広い所(緩流部71)と狭い所
(急流部70)とが設けられるようになっていれば、如
何ようになっていてもよい。さらにまた、上記実施例に
おいては、外筒30及びノズル部40は略透明であると
したが、これに限定されるものではなく、例えば紫外線
硬化型接着剤の主剤と硬化剤を混合させる場合には、外
筒30及びノズル部40は不透明になっているのはいう
までもない。
【0052】
【発明の効果】本発明に係る液体混合吐出装置によれ
ば、液体供給口と攪拌部との間が一部、急流部となって
おり、供給量の少ない液体の供給口ほど液流が速いよう
な位置に設けられているため、急流部に生じる負圧によ
り供給量の少ない液体が吸い出されて効率よく外筒内に
導入されるので、ミキサー部に液体をより低圧で注入す
ることができ、混合液における混合比がより一層正確な
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体混合吐出装置の一例における
概略構成図である。
【図2】その液体混合吐出装置におけるミキサー部の一
例を示す斜視図である。
【図3】そのミキサー部の分解斜視図である。
【図4】そのミキサー部の縦断面図である。
【図5】そのミキサー部におけるローター及び外筒の一
例を拡大して示す分解斜視図である。
【図6】そのローターの概略背面図である。
【図7】そのローターにおけるフィン列の一配列例を説
明するローターの攪拌部の展開図である。
【図8】そのローターの側面図である。
【図9】そのローターにおける案内溝の一形状を説明す
るローターの押出し部の展開図である。
【図10】そのミキサー部における液体導入部材の一例
を拡大して示す斜視図である。
【図11】その液体導入部材の分解斜視図である。
【図12】そのミキサー部における回転駆動力の一伝達
手段を説明するマグネット継手部の斜視図である。
【図13】従来の液体混合吐出装置の概略を示す全体斜
視図である。
【図14】その従来の液体混合吐出装置におけるミキサ
ー部の斜視図である。
【図15】その従来の液体混合吐出装置におけるミキサ
ー部と装置本体との接合部分の概略を示す平断面図であ
る。
【図16】その従来のミキサー部におけるミキシング室
にローターが納まった状態の平断面図である。
【図17】その従来のローターの斜視図である。
【符号の説明】 10 液体混合吐出装置 12 ミキサー部 20 ミキサー本体 21 モーター収納部 22 シャフト支持部 23 液体導入部 24 外筒取付部 27 管路部 28 抜止め材 30 外筒 40 ノズル部 60 ローター 61 攪拌部 65 押出し部 70 急流部 71 緩流部 230 液体供給口(供給量の少ない液体の供給口) 231 液体供給口(供給量の多い液体の供給口) 232 軸支部 233 前端面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の液体を相互に接触させることなく
    所定の割合でその内部に導入可能な外筒と、該外筒内に
    挿入され且つその外筒の中心軸線を回転軸として回転可
    能なローターとを備え、該ローターには少なくとも外筒
    内に導入されてなる上記液体を混合攪拌可能な攪拌部が
    設けられており、上記外筒内に臨んで開口する複数の液
    体供給口と前記ローターとの間の間隔の一部は、ロータ
    ーの回転に伴って外筒の周方向に流されてなる液体の流
    れを一時的に加速可能な急流部となるように狭まってお
    り、供給量の少ない液体の供給口ほど流速が速くなるよ
    うに狭まった位置に設けられていることを特徴とする液
    体混合吐出装置。
  2. 【請求項2】 上記ローターの後部を回転自在に支持す
    る軸支部の前端面は、上記攪拌部の後端に相対峙し且つ
    該後端から次第に遠ざかるように後退してなる傾斜面と
    なっており、上記液体供給口は、該傾斜面に開口し且つ
    供給量の少ない液体の供給口ほど上記攪拌部の後端との
    間隔が狭くなるような位置に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の液体混合吐出装置。
  3. 【請求項3】 上記液体供給口は、液体の供給量に応じ
    て供給量が少ないものほど開口面積を小さくして開口し
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の液体混
    合吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527946A (ja) * 1998-10-12 2003-09-24 ディスカス デンタル インプレッションズ,インコーポレイティド 分離可能な固定式混合チップを備えた双胴型シリンジ
JP2019063705A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 日本電気株式会社 混合ノズルおよびディスペンサー

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JP2003527946A (ja) * 1998-10-12 2003-09-24 ディスカス デンタル インプレッションズ,インコーポレイティド 分離可能な固定式混合チップを備えた双胴型シリンジ
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