JPH078816Y2 - 動力作業機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はチエーンソー等の動力作業機に関する。

従来の技術 例えば、動力作業機の一例であるチエーンソーは空冷２
サイクル・ガソリンエンジ等の原動機を本体ケース内に
収納しそれに固定して配置しているが、従来のチエーソ
ーではエンジンのクランクケースにねじ穴を形成し、こ
のねじ穴に本体ケースの穴を通して挿入されたねじを螺
着して締付け、エンジンを本体ケースに固定しており、
このため組立時にクランクケースのねじ穴と本体ケース
の穴とを正確に整合させなければならず、組立作業に手
間がかかり、またねじ穴等の加工に厳格な加工公差が要
求され且つ本体ケースを成形歪みの起こらないような高
級プラスチツク材料及び成形方法を採用しなければなら
ず、製作コストが高くなる等の欠点があつた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案は上述したような従来の動力作業機の欠
点を取除くためになされたものであり、製作及び組立を
簡単に行うことができ且つ簡単で便利な構造を有する動
力作業機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 すなわち、本考案による動力作業機は、原動機の外側面
から外方へ延びるフランジ状に形成された取付部分を設
け、該取付部分の先端部をＬ字状に折り曲げてナット受
け部を形成すると共に該ナット受け部を前記原動機を収
容する本体ケースの壁部分の内側に近接して平行に配置
し、前記取付部分の前記ナット受け部と前記本体ケース
の前記壁部分に通孔をそれぞれ形成し、ねじを前記両通
孔に挿通し、前記ねじの先端に前記原動機の外側面と前
記ナット受け部との間のコ字形状の空間に挿入されたナ
トを螺着して前記取付部分の前記ナット受け部及び前記
壁部分を一体に締付け、前記原動機を前記本体ケース内
に固定構成を特徴とする。

作用 従つて、ねじはナツトにだけ螺合してエンジンの取付部
分及び本体ケースの壁部分を締付け固定するので、それ
ぞれの取付部位に不整合があつても、原動機を本体ケー
ス所定の位置に固定することができる。

実施例 次に、本考案を図面のチエーンソーについての実施例に
基づいて説明する。

第１図に示すように本体ケース１内に空冷２サイクル・
ガソリンエンジン２が原動機として後述するように収納
されて固定されている。前記本体ケース１は、適当なプ
ラスチツク材料で成形加工によつて作られ、第２図に示
すように左右に二分割されたケース部分３及び４を有
し、これ等左右のケース部分３及び４を合せ面５で一緒
に合わせて一体の本体ケース１を形成する構造を有す
る。前記エンジン２はこの合せ面５の開口から、例えば
前記右側のケース部分４内へ横方向より挿入して固定さ
れ、左側のケース部分３を前記右側のケース部分４に合
せて前記エンジン２を前記左右のケース部分３及び４内
に収納し、その後前記両ケース部分３及び４をボルト等
（図示せず）により互いに結合して前記エンジン２を収
容した一体の本体ケース１を完成するようになつてい
る。

前記エンジン２は、そのシリンダ６及びクランクケース
７が前記本体ケース１内で水平方向を向くように配置さ
れる。前記クランクケース７は、その上側外側面８から
上方へフランジ状に延びる上側取付部分９を一体に形成
して有し、該上側取付部分９は、Ｌ字状に屈曲した断面
形状を有し、その先端部10が前記クランクケース７の上
側外側面８とほぼ平行に横方向へ延びて該上側外側面８
との間に一側が開放されたコ字形状の空間11を形成し、
更に前記先端部10には、上方から前記空間11へ通じる通
孔12が形成されている。

同様に、前記クランクケース７の下側外側面13には、下
方へフランジ状に延び且つＬ字状に屈曲した断面形状を
有する下側取付部分14が一体に形成され、該下側取付部
分14の先端部15は前記クランクケース７の前記下側外側
面13とほぼ平行に横方向へ延びて該下側外側面13との間
に一側が開放されたコ字形状の空間16を形成し、更に前
記先端部15には、下方から前記空間16へ通じる通孔17が
形成されている。

前記エンジン２が、第１図に示すように前記本体ケース
１の右側ケース部分４へ挿入されると、前記クランクケ
ース７の上側取付部分９の先端部10は、前記右側ケース
部分４の上側壁部分18の下側面に接して配置され、同時
に前記クランクケース７の下側取付部分14の先端部15
は、前記右側ケース部分４の下側壁部分19の上側面に接
して配置される。前記上側壁部分18は、前記クランクケ
ース７の上側取付部分９の先端部10の通孔12と整合す通
孔20を形成して有し、同様に前記下側壁部分19には、前
記クランクケース７の下側取付部分14の先端部15の通孔
17と整合する通孔21が形成されている。前記上側の両通
孔12及び20に遊嵌するねじ22が前記上側壁部分18の上方
から挿入され、前記ねじ22の先端は前記空間11内へ突出
し、予めこの空間11の一側の開放端から挿入されたナツ
ト23を螺着して締付け、それにより前記クランクケース
７の上側取付部分９の先端部10を本体ケース１の右側ケ
ース部分４の上側壁部分18に固定する。同様に、前記下
側の通孔17及び21には、本体ケース１の右側ケース部分
４の下側壁部分19の下方からねじ24が挿入され、該ねじ
24の先端を前記下側の空間16中へ突出させ、予めこの空
間16の一側の開放端から挿入されたナツト25を螺着して
締付け、それにより前記クランクケース７の下側取付部
分14の先端部15を下側壁部分19に固定する。次に、当て
板片26で前記上側のねじ22の上方を覆いながら、左側の
ケース部分３を合せ面５迄右側のケース部分４に被せ、
両ケース部分３及び４を適数のねじ（図示せず）で互い
に固定して閉じ、エンジン２を本体ケース１内に確実に
固定することができる。前記当て板片26は、合せ面５か
ら左側のケース部分３側が左側ケース部分３内に保持さ
れ、且つ右側のケース部分４側は右側ケース部分４の外
面と同一平面をなすように右半分は厚さを増して形成さ
れている。

上述した構成において、各通孔12,17,20及び21は、それ
ぞれ関連するねじ22及び24がそれらに遊嵌するようにね
じ22及び24の外径よりやや大きい径を有し、それぞれの
通孔の整合が加工公差や成形歪み等により多少ずれて
も、ねじを容易にそれらの通孔へ挿通して、組立が簡単
に行えるようになつている。更に、上側取付部分９及び
下側取付部分14以外にも取付部分を設けて、エンジン２
の本体ケース１への装着を一層確実にすることができ
る。

なお、前記空間11及び16は、前記ナツト23及び25がちよ
うど一個入る程度の大きさとし、一側方の開放端を塞い
でナツトの脱落を防止する障壁部18′及び19′を右側ケ
ース部分４に設けておくと、組立が一層容易となる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、ねじをナ
ツトにだけ螺合させて、原動機の取付部分及び本体ケー
スの壁部分を締付け固定するので、それぞれの取付部位
に不整合があつても原動機を本体ケースの所定の位置に
容易に固定することができ、ねじ部加工も排除すること
ができて動力作業機の製作コストを大幅に下げることが
できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例としてのチエーンソーを示す縦
断面図であり、第２図は第１図の実施例の斜視図であ
る。 １……本体ケース、２……原動機、8,13……原動機の外
側面、9,14……取付部分、10,15……先端部、12,17,20,
21……通孔、18,19……壁部分、22,24……ねじ、23,25
……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】原動機（２）の外側面（8,13）から外方へ
   延びるフランジ状に形成された取付部分（9,14）を設
   け、該取付部分の先端部をＬ字状に折り曲げてナット受
   け部（10,15）を形成すると共に該ナット受け部を前記
   原動機を収容する本体ケース（１）の壁部分（18,19）
   の内側に近接して平行に配置し、前記取付部分の前記ナ
   ット受け部と前記本体ケースの前記壁部分に通孔（12,1
   7）、（20,21）をそれぞれ形成し、ねじ（22,24）を前
   記両通孔に挿通し、前記ねじの先端に前記原動機の外側
   面（8,13）と前記ナット受け部との間のコ字形状の空間
   （11,16）に挿入されたナット（23,25）を螺着して前記
   取付部分の前記ナット受け部及び前記壁部分を一体に締
   付け、前記原動機を前記本体ケース内に固定したことを
   特徴とする動力作業機。