JPH0788151A - 薬剤入り容器 - Google Patents

薬剤入り容器

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JPH0788151A
JPH0788151A JP5278949A JP27894993A JPH0788151A JP H0788151 A JPH0788151 A JP H0788151A JP 5278949 A JP5278949 A JP 5278949A JP 27894993 A JP27894993 A JP 27894993A JP H0788151 A JPH0788151 A JP H0788151A
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drug
container
containing container
rubber stopper
sterilized
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JP5278949A
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Takao Yoshida
孝夫 吉田
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Toshio Takahashi
壽雄 高橋
Masakazu Iida
雅和 飯田
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Fukoku Co Ltd
Material Engineering Technology Laboratory Inc
Fukoku KK
Original Assignee
Fukoku Co Ltd
Material Engineering Technology Laboratory Inc
Fukoku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、収納されている薬剤を変質させな
いで薬剤入り容器のゴム栓の表面近傍を滅菌処理するこ
とができる薬剤入り容器を提供することを目的とする。
さらに、薬剤入り容器と溶解液入り容器を無菌的に接続
する場合、接続する直前に薬剤入り容器のゴム栓の表面
近傍を滅菌することができる薬剤入り容器を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 本発明の薬剤入り容器は、実質的に気体を透
過しない容器に薬剤が収納され、前記容器の開口部はゴ
ム栓で密封され、容器の外部から容器の内部に通ずる連
通路を確保するために連通具をゴム栓に突き通して用い
る容器である。前記連通具を突き通す部分のゴム栓の表
面が連通具で刺通可能な厚さの薄い金属箔で覆われてい
る。さらに前記金属箔の表面が滅菌処理されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤等が収納されてい
る容器から栓体を取り外すことなく連通具を用いて容器
内部に通じる貫通路を容易に形成でき、連通具を挿入す
るゴム栓の表面付近が滅菌処理されている薬剤入り容器
に関するものである。更に詳しくは、容器内の薬剤等に
影響を及ぼさずに容器口元部のゴム栓の連通具を挿入す
る近傍を滅菌処理できる薬剤入り容器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】薬剤入り容器として、抗生物質や抗癌剤
のような粉末薬剤あるいは凍結乾燥薬剤がバイアル等の
容器に入れられ、ゴム栓で密封されているものがある。
これらの粉末薬剤あるいは凍結乾燥薬剤は溶解液に溶解
して患者に投与される。この際、上記薬剤の入った容器
とその薬剤の溶解液が入った容器とを両頭針或は両端に
穿刺針を有する連結管等の連通具を用いて接続し、溶解
液を薬剤の入った容器に移し、薬剤を溶解させている。
従来では、連通具を挿入するバイアルビンのゴム栓の表
面近傍は滅菌されていない。通常、連通具を挿入する前
にゴム栓の表面近傍をアルコール綿にて拭いてから連通
具をゴム栓に挿入する。これは、バイアルビンに粉末薬
剤あるいは凍結乾燥薬剤を封入してから滅菌処理をする
ことができなかったからである。すなわち、薬剤封入
後、高圧蒸気滅菌をすると蒸気がゴム栓を通過して中の
薬剤に水分を与えることになり、薬剤は加水分解等によ
り変質してしまうからである。また、薬剤封入後、エチ
レンオキサイドガス(EOG)等の気体を用いて滅菌処
理する場合、EOG等のガスがゴム栓を変化させるとと
もに、ゴム栓を通過してバイアルビンの中の薬剤が変質
してしまう可能性があるからである。また、過酸化水素
水等の液体で殺菌する場合、過酸化水素水に触れたゴム
栓はガスとして過酸化水素を吸収し更に容器内に透過し
てしまうので薬剤に影響を及ぼしてしまう可能性がある
からである。また、電子線はゴム栓を変化させ、γ線の
照射による滅菌は中の薬剤を変質させてしまうのでこれ
らの方法を用いることもできない。
【0003】さらに、最近、薬剤入りのバイアルビンと
溶解液が収納されている容器を無菌的に接続したキット
製品が市場に出てきている。しかしながら上記の理由に
より、薬剤を封入してからゴム栓の表面を滅菌処理する
ことができないので、無菌室で製造及び組み立てをしな
ければならない。この場合、積極的に滅菌処理や殺菌処
理をしていないので、滅菌処理をしたものに比べて安全
性の面でやや劣るという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題に鑑みてなされたもので、薬剤入り容器のゴム栓の
表面近傍を滅菌処理することができる薬剤入り容器を提
供することを目的とする。さらに、薬剤入り容器と溶解
液入り容器を無菌的に接続する場合、接続する直前に薬
剤入り容器のゴム栓の表面近傍を滅菌もしくは殺菌する
ことができる薬剤入り容器を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薬剤入り容器
は、実質的に気体を透過しない容器に薬剤が収納され、
前記容器の開口部はゴム栓で密封され、容器の外部から
容器の内部に通ずる連通路を確保するために連通具をゴ
ム栓に突き通して用いる薬剤容器であって、少なくとも
前記連通具を突き通す部分のゴム栓の表面が連通具で刺
通可能な厚さの薄い金属箔で覆われており、前記金属箔
の表面が滅菌処理されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】抗生物質や抗癌剤のような粉末薬剤あるいは凍
結乾燥薬剤が封入されている従来の薬剤入り容器は、容
器の開口部を密封しているゴム栓が容器のガラス部分に
比較して水蒸気や気体を透過し易く、その水分や気体に
よって薬剤が変質するので、薬剤封入後において、連通
具を挿入するゴム栓表面を高圧蒸気滅菌やEOG滅菌や
過酸化水素水による滅菌もしくは殺菌ができなかった。
そこで、本発明においては、薬剤入り容器のゴム栓の少
なくとも一部を金属箔にて覆うことによりEOG滅菌や
過酸化水素水による滅菌を可能にした。すなわち、ゴム
栓の表面を金属箔にて覆い、さらに少なくとも連通具を
挿入する部分の金属箔は連通具を挿入することが可能と
なっている。この金属箔の表面にEOGや過酸化水素水
を接触させることにより、金属箔表面は滅菌もしくは殺
菌される。金属箔はゴム材質に比較して気体や液体の透
過が極端に少ないので、ゴム材質や容器内の薬剤に対し
て影響を与えない。また、金属箔に高周波誘導等により
磁力線を加えて渦電流を発生させ、金属箔だけを加熱し
て金属箔表面を加熱滅菌することも可能である。また、
金属箔は電子線からゴム表面を保護するのでゴム材質を
劣化することを防ぐことができる。
【0007】このように、組み立て前に滅菌もしくは殺
菌された金属箔の上から連通具を挿入するので、連通具
の挿入による容器内の菌による汚染の危険性が殆ど無く
なる。特に本発明は、薬剤入り容器と溶解液入り容器を
予め組み合わせられているキット製品に対して有効であ
る。このキット製品は、薬剤入り容器と溶解液入り容器
は無菌的に接続される必要がある。従来の薬剤入り容器
では、ゴム栓近傍を滅菌することができなかったので、
無菌室にて組み立てていたが、菌の汚染を確実に防ぐこ
とは困難であった。しかし、本発明の薬剤入り容器を用
いると、薬剤入り容器と溶解液入り容器を接続する直前
に、薬剤入り容器のゴム栓近傍及び溶解液入り容器との
接続部分を滅菌または殺菌することができるので菌の汚
染を確実に防ぐことができる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。図1は本発明
の第一実施例の薬剤入り容器の要部断面図、図2は同実
施例のカシメキャップの断面斜視図、図3は同実施例の
薬剤入り容器に連通具を挿入したところを示す要部断面
図、図4はカシメキャップの別の実施例の断面斜視図、
図5は本発明の第二実施例の薬剤入り容器の要部断面
図、図6は同実施例のゴム栓の断面斜視図、図7は本発
明の第三実施例の薬剤入り容器のゴム栓の断面斜視図、
図8は同実施例の薬剤入り容器に連通具を挿入したとこ
ろを示す要部断面図、図9は本発明の薬剤入り容器と溶
解液入り容器を組み合わせたキット製品の全体を示す要
部断面図、図10は同実施例の連通具により連通した状
態を示す要部断面図、図11は同実施例のキット製品と
して接続する前に薬剤入り容器の口元部を滅菌している
ところを示す断面図、図12は溶解液入り容器の要部断
面図である。
【0009】図1に示す薬剤入り容器1は、薬剤が収納
されているバイアルビン2とゴム栓3とカシメキャップ
4から構成されている。この薬剤入り容器は、通常以下
のようにして製造される。空のバイアルビン2とゴム栓
3は予め高圧蒸気滅菌等により滅菌され、クリーンルー
ム内に持ち込まれる。バイアルビン2に抗生物質等の溶
解液を注入し、次に凍結乾燥して粉末薬剤にしてゴム栓
3にて密封される。次にカシメキャップ4にてゴム栓3
とバイアルビン2を固定する。カシメキャップ4の詳細
断面図を図2に示すが、カシメキャップの一部5は他の
部分に比べて肉厚が薄くなっており、連通具を容易に貫
通させることができるようになっている。さらにこの薬
剤入り容器1のカシメキャップ4の部分を過酸化水素水
に浸漬してその後加熱して乾燥させる。これでカシメキ
ャップ4の表面は滅菌または殺菌された状態にあり、こ
の滅菌又は殺菌された部分をカバー等(図示せず)によ
り保護することにより、使用時まで無菌状態が保たれ
る。そして使用時には、図3に示すように、連通具6を
カシメキャップ4の肉厚の薄い部分5の外部からバイア
ルビン2内に挿入する。このときカシメピン5の表面は
無菌状態であるので、連通具の表面が菌に汚染されない
ので、バイアルビン2内は菌による汚染が起こらないの
で安全である。
【0010】本実施例に用いたカシメキャップ4は全体
が一体成形されているアルミニウム製のものを用いた
が、ステンレス鋼や銀等の金属を用いることもできる。
連通具を挿入する部分5が連通具を挿入できる材質と厚
みにすればよい。例えば、合成樹脂製連通具を挿入する
場合、材質が焼き生されたアルミニウムだと、その厚み
が0.3mmのものでも容易に貫通することができた。さ
らに、カシメキャップは図4に示すように、全体が一体
成形されているのではなく、連通具を挿入する部分16
は開口したカシメキャップ14に金属箔15を接着させ
るか、もしくは単にカシメキャップ14の内側に金属箔
15を重ねて挿入した状態にしても良い。この場合、カ
シメキャップ14の材質には殆ど限定されることが無
く、金属箔15には、アルミニウム箔や銀箔やステンレ
ススチール箔等を用いることができる。
【0011】また、本発明の第二実施例を図5に示す。
薬剤入り容器21は、薬剤が収納されているバイアルビ
ン22とゴム栓23とカシメキャップ24から構成され
ている。ゴム栓23は図6に示すように、ゴム栓の外表
面に金属箔25がラミネートされている。例えば、厚さ
0.05mmのアルミニウムのシートと厚さ0.05mmの
ポリエチレンのシートを接着層を介して接着された多層
シートを作製し,この多層シートのポリエチレンとゴム
を接着して、ゴム栓の表面にアルミニウム層を有するシ
ートをラミネートすることは容易である。このときのア
ルミニウムのシートの厚さは、目的に応じて選定すれば
よい。また、アルミニウムのシートを接着剤を用いて直
接ゴム栓の表面に接着してもよい。さらに、金属箔25
として、ポリエチレン等の合成樹脂製シートに、アルミ
ニウムや金や銀等の金属を蒸着させたものを用いてもよ
い。この金属が蒸着された合成樹脂製シートをゴム栓の
表面に接着すれば、本発明の目的を達成することができ
る。薬剤入り容器21は、第一実施例と同様に製造する
ことができる。そして第一実施例と同様に、金属箔25
の表面を滅菌処理することができ、連通具の挿入時に起
こる菌の汚染を確実に防止できる。
【0012】また、薬剤入り容器のゴム栓として、図7
に示すものを用いることもできる。ゴム栓33は、支持
体37と遮蔽体38と金属箔35から構成される。支持
体37には貫通路39が形成されており、貫通路39は
移動可能な遮蔽体38によって閉鎖されている。さらに
ゴム栓の天面には金属箔35が接着されている。このゴ
ム栓33を用いた薬剤入り容器31を図8に示す。ゴム
栓33はバイアルビン32にカシメキャップ34により
固定されている。この薬剤入り容器31は、滅菌された
金属箔35を突き破り、遮蔽体37を貫通路39からバ
イアルビン内に移動させて連通具36を挿入することが
できる。
【0013】次に、本発明の薬剤入り容器を用いて、溶
解液入り容器と組み合わせたキット製品の実施例につい
て述べる。キット製品の一実施例を図9に示す。本実施
例では図5に示した薬剤入り容器21を用いて説明す
る。キット製品41は、薬剤入り容器21と溶解液入り
容器42で構成される。薬剤入り容器21は、公知のガ
ラス製またはプラスチック製のバイアルビンに粉末薬剤
あるいは凍結乾燥薬剤等の薬剤が収納され、その口元部
はゴム栓23で密封されカシメキャップ24にて固定さ
れている。
【0014】薬剤入り容器21は、バイアルビンホルダ
ー51内に収納され、ホルダーキャップ52にて封がさ
れている。また、薬剤入り容器21は、その口元近傍に
おいて、連結用パッキン53と液密に連結されている。
バイアルビンホルダー51は、ポリオレフィン系樹脂や
スチレン系樹脂やアクリル系樹脂やポリカーボネート系
樹脂やポリアミド系樹脂等で形成されている。
【0015】溶解液入り容器42は、低密度ポリエチレ
ン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、軟質ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
の可撓性に富んだ材料で形成されている。なかでも、低
密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、
耐薬品性に優れ、溶解液中への溶出物を少なくし、廉価
であり経済性に優れているので好ましい。溶解液入り容
器42には、その上端に連結口部43が形成され、また
その下端には薬液排出口44が形成されている。連結口
部43は隔壁45によって密封されている。さらに、連
結口部43には、合成樹脂製連通具46が取り付けられ
ている。合成樹脂製連通具46は、中空状の穿刺針部4
7とフランジ部48で構成されている。この合成樹脂製
連通具46は、ストッパー49によって連結口部43に
仮止めされた状態にある。そこで、本キット製品を使用
するまでは、合成樹脂製連通具46は連通口部43から
外れることなく、また保管中などに誤って合成樹脂製連
通具46の先端が隔壁45を貫通することを防いでい
る。そして使用時には、溶解液入り容器42越しに操作
をしてフランジ部48を強く押すことにより、合成樹脂
製連通具46は連結口部43内を移動する。
【0016】バイアルビンホルダー51と連結口部43
は嵌合により結合されている。そして、薬剤入り容器2
1の口元部近傍において液密に連結されているパッキン
53は、溶解液入り容器42の連結口部43とも液密に
接続されている。
【0017】次に、本キット製品41を使用するとき
に、薬剤入り容器21と溶解液入り容器42を合成樹脂
製連通具46により連通した時の状態を図10に示す。
まず、溶解液入り容器42越しの操作により、フランジ
部48を連結口部43側に押し込む。このとき、フラン
ジ部48の近傍では、溶解液入り容器42の変形を妨げ
るものはないので、溶解液入り容器42越しの操作は容
易にできる。そうすると、穿刺針部47の先端は、連結
口部の隔壁45を突き破る。さらに、フランジ部48を
連結口部43側に押し込むと、穿刺針部47の先端は、
薬剤入り容器21のアルミニウム箔25とゴム栓23を
貫通し、薬剤入り容器21と溶解液入り容器42の内部
は合成樹脂製連通具46によって連通される。
【0018】このようにして薬剤入り容器21と溶解液
入り容器42とが連通すると、溶解液入り容器42を圧
迫したり揉んだりして、内部の溶解液の一部を薬剤入り
容器21内に送り込み、薬剤入り容器21に収納されて
いる薬剤を溶解する。そして再び溶解液入り容器42を
圧迫したり揉んだりすると、薬剤入り容器21内の薬液
は、溶解液入り容器42内に戻る。戻された薬液は、溶
解液入り容器42の薬液排出口44に輸液セット等を接
続して輸液として用いられる。
【0019】以上のように、合成樹脂製連通具46は、
隔壁45とゴム栓にラミネートされたアルミニウム箔2
5とゴム栓23を貫通して、薬剤入り容器21内に挿入
されるので、合成樹脂製連通具46が通過する隔壁45
の外面と、ゴム栓23の外面にあたるアルミニウム箔2
5の外面が無菌状態でなければならない。隔壁45の外
面は、溶解液入り容器42がオートクレーブ滅菌される
ので、バイアルホルダー51と接続するまで無菌状態が
保たれる。しかし、薬剤入り容器のゴム栓は、バイアル
ビンにセットされる前は、オートクレーブ滅菌等で滅菌
されるが、セット後は滅菌することができない。そこ
で、薬剤入り容器をバイアルビンホルダーに収納し、溶
解液入り容器を接続するまでには、いくつかの工程を経
るので、薬剤入り容器のゴム栓の表面を無菌状態に保つ
ことが困難であった。
【0020】しかし、本発明によれば、バイアルビンホ
ルダー51と溶解液入り容器42の連結口部43と連結
する前に、薬剤入り容器21のゴム栓近傍を滅菌もしく
は殺菌することができる。すなわち、図11に示すよう
に、例えばバイアルビンホルダー51の溶解液入り容器
と接続側の開口部と連結用パッキン53及びゴム栓23
の外表面にラミナートされたアルミニウム箔25の表面
に、ノズル55から過酸化水素水を吹き付けて、これら
の部分を滅菌あるいは殺菌することができる。また、高
周波誘導により磁場を作り、アルミニウム箔25を発熱
させて、連通具が通過するゴム栓表面及びアルミニウム
箔自身を加熱滅菌することもできる。このように滅菌さ
れた薬剤入り容器21が収納されたバイアルビンホルダ
ー51と図12に示す別にオートクレーブ滅菌された溶
解液入り容器42を無菌室で接続することにより、合成
樹脂製連通具46が通過する部分を無菌状態に保つこと
が容易にできる
【0021】また、薬剤入り容器21のゴム栓近傍の滅
菌方法については、上述では過酸化水素水を吹き付けて
滅菌する方法を一例に挙げたが、過酸化水素水に浸漬し
て滅菌もしくは殺菌する方法でもよいし、常圧によるE
OGでの滅菌方法でもよいし、少なくとも外表面を滅菌
または殺菌できる条件の弱いオートクレーブ滅菌法でも
よいし、これらの滅菌法を組み合わせてもよい。いずれ
にしても、従来のように、薬剤入り容器のゴム栓は、ガ
スや水蒸気が透過し易かったので、バアイアルビンに薬
剤を収納した後には滅菌もしくは殺菌できなかったが、
本発明では薬剤入り容器のゴム栓は少なくとも無菌であ
ることが必要な箇所には金属箔が覆われているので、こ
の金属箔を滅菌できる方法であればよい。
【0022】次に、図11に示したバイアルビンホルダ
ーに収納されたバイアルビンにおいて、アルミニウム箔
25で覆われた本発明のゴム栓23を用いたものと(本
サンプル)、通常の従来のゴム栓(金属箔で覆われてい
ないゴム栓)を用いたもの(比較サンプル)を用意し
た。これらのゴム栓近傍に、35%の過酸化水素水を吹
き付けて殺菌した。1ヶ月後のそれぞれのゴム栓の物性
を測定すると、本発明によるアルミニウム箔25にて覆
われたゴム栓の物性の低下は見られなかったが、従来の
ゴム栓の方は強度及び弾性率が約20%低下していた。
また、上記の本サンプルと比較サンプルを、EOGを用
いてプレバキュームしないで置換式で滅菌した。EOG
滅菌してから1週間後に、それぞれのゴム栓の残留EO
Gをヘッドスペース法にて測定した。その結果、本サン
プルに用いた本発明のアルミニウム箔25で覆われたゴ
ム栓にはEOGは殆ど検出されなかったが、比較サンプ
ルの従来のゴム栓からはEOGが検出された。
【0023】また、本キット製品41には、図5に示し
た薬剤入り容器21を用いて説明したが、図1に示す薬
剤入り容器1や図8に示す薬剤入り容器31を用いるこ
とができるのは明らかである。
【0024】以上に種々の実施例を説明したが、本発明
はその要旨を逸脱しない範囲で種々の変更例を採用する
ことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の薬剤入り容
器は、薬剤が封入された後でも、連通具を挿入する部分
を滅菌することができるので、連通具挿入による容器内
の菌の汚染を確実に防止できる。さらに、本発明の薬剤
入り容器を、溶解液入り容器とが組み合わせられたキッ
ト製品に用いることにより、薬剤と溶解液の混合時の菌
の汚染を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の薬剤入り容器の要部断面
図である。
【図2】同実施例のカシメキャップの断面斜視図であ
る。
【図3】同実施例の薬剤入り容器に連通具を挿入したと
ころを示す要部断面図である。
【図4】カシメキャップの別の実施例の断面斜視図であ
る。
【図5】本発明の第二実施例の薬剤入り容器の要部断面
図である。
【図6】同実施例のゴム栓の断面斜視図である。
【図7】本発明の第三実施例の薬剤入り容器のゴム栓の
断面斜視図である。
【図8】同実施例の薬剤入り容器に連通具を挿入したと
ころを示す要部断面図である。
【図9】本発明の薬剤入り容器と溶解液入り容器を組み
合わせたキット製品の全体を示す要部断面図である。
【図10】同実施例の連通具により連通した状態を示す
要部断面図である。
【図11】同実施例のキット製品として接続する前に薬
剤入り容器の口元部を滅菌しているところを示す断面図
である。
【図12】溶解液入り容器の要部断面図である。
【符号の説明】
1、21、31 薬剤入り容器 2、22、32 バイアルビン 3、23、33 ゴム栓 4、24、34 カシメキャップ 5 カシメキャップの肉厚の薄い部分 6、36 連通具 15、25、35 金属箔 16 開口部 37 支持体 38 遮蔽体 39 貫通路 41 キット製品 42 溶解液入り容器 43 連結口部 44 薬液排出口 45 隔壁 46 合成樹脂製連通具 47 穿刺針部 48 フランジ部 51 バイアルビンホルダー 52 ホルダーキャップ 53 連結用パッキン 55 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 壽雄 埼玉県上尾市菅谷3丁目105番地 株式会 社フコク内 (72)発明者 飯田 雅和 埼玉県上尾市菅谷3丁目105番地 株式会 社フコク内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に気体を透過しない容器に薬剤が
    収納され、前記容器の開口部はゴム栓で密封され、容器
    の外部から容器の内部に通ずる連通路を確保するために
    連通具をゴム栓に突き通して用いる薬剤容器であって、
    少なくとも前記連通具を突き通す部分のゴム栓の表面が
    連通具で刺通可能な厚さの薄い金属箔で覆われており、
    前記金属箔の表面が滅菌処理されていることを特徴とす
    る薬剤入り容器。
  2. 【請求項2】 前記容器がガラス又は実質的に気体を透
    過しない合成樹脂で作製されたバイアルビンであって、
    前記ゴム栓が金属製のカシメキャップにてバイアルビン
    に固定され、カシメキャップの少なくとも一部が連通具
    で穿刺可能とするために厚さが薄くなっている請求項1
    に記載の薬剤入り容器。
  3. 【請求項3】 少なくとも連通具を突き通す部分のゴム
    栓の表面が金属箔にてラミネートされている請求項1に
    記載の薬剤入り容器。
  4. 【請求項4】 バイアルビンとゴム栓がカシメキャップ
    にて固定されている請求項3に記載の薬剤入り容器。
JP5278949A 1993-09-24 1993-09-24 薬剤入り容器 Pending JPH0788151A (ja)

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Cited By (5)

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