JPH0787970B2 - 薄板連鋳機 - Google Patents

薄板連鋳機

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JPH0787970B2
JPH0787970B2 JP63186785A JP18678588A JPH0787970B2 JP H0787970 B2 JPH0787970 B2 JP H0787970B2 JP 63186785 A JP63186785 A JP 63186785A JP 18678588 A JP18678588 A JP 18678588A JP H0787970 B2 JPH0787970 B2 JP H0787970B2
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Nisshin Steel Co Ltd
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0637Accessories therefor
    • B22D11/0648Casting surfaces
    • B22D11/0651Casting wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
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    • B22D11/0648Casting surfaces
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶湯(例えば溶鋼)から直接的に薄板を連続鋳
造するための双ロール式連鋳機の改善に関する。
〔発明の背景および従来技術〕
互いに反対方向に回転する軸を水平にした一対の内部冷
却ロールを適当な間隙をあけて平行に対向配置し,この
間隙上部のロール円周面(ロール軸に沿う方向の円筒面
のうち上半身の面)に湯溜りを形成させ,この湯溜り中
の溶湯を,回転するロール円周面で冷却しながら,該間
隙を経て薄板に連続鋳造するいわゆる双ロール式連鋳機
が知られている。このような双ロール式連鋳機を鋼の連
鋳に適用して,溶鋼から薄鋼板を直接製造しようとする
提案もなされている。
ロール対の間隙から薄板連鋳品を常時連続的に鋳造する
には,ロール対の間隙の上の円周面上に溶湯の湯溜りを
形成し,湯面レベルが実質上一定に維持されるように溶
湯をこの湯溜りに連続注入することが必要となる。この
湯溜りを形成するためには,ロール円周面上においてロ
ール軸に沿う方向に湯が流れ出すのを規制する,ロール
軸に直角方向の面をもつ一対のダムが必ず必要となる。
このダムは通常は薄板鋳片の幅を規制する役割も果た
す。本明細書においてこのダムを“サイドダム”と呼
ぶ。この左右に配置されるサイドダムのほかにも,ロー
ル軸に沿う方向の面を持つ一対の前後堰(長辺ダムとも
呼ばれる)をロール対の円周面上に該サイドダムと直交
するように立ち上げてサイドダムとこの前後堰とでボッ
クス状の湯溜りを形成することもあるが,ロール対の半
径が十分に大きい場合にはこのロール軸に沿う方向の前
後堰は必ずしも必要ではなく,ロール対の円周面自身が
この前後堰の役割を果たすことができる。
この対をなすサイドダムとしては,エンドレス金属ベル
トや無限軌道帯(キヤタピラ)等をロール対のサイド面
に押し当て,鋳片の鋳造速度に見合った速度で移動させ
るようにした移動式サイドダムと,耐火物の板状体をロ
ール対の左右の側部に固定した固定式サイドダムが知ら
れている。一般に後者の固定式サイドダムは前者のよう
に装置構成や運転制御が複雑にならないという利点があ
る。
固定式サイドダムには,両サイドダムの互いの間隔距離
をロール幅(ロールの一方の端から他方の端に至る長
さ)よりも小さくする場合と,ロール幅に等しくする場
合とが知られている。前者の場合には,両サイドダムの
底面がロール円周面と摺接するように両サイドダムがロ
ール円周面上に立ち上げられる。後者の場合には,両サ
イドダムのそれぞれの内側の面がロール軸と直角方向の
ロール両側面(本明細書ではこのロール両側面をロール
サイド面と呼ぶ)と摺接するように,つまりロール対の
両端を両サイドダムで挟むようにサイドダムが固設され
る。
通常,固定サイドダムの材質は断熱性の良い耐火物が用
いられる。これは,サイドダムに接触する溶湯がサイド
ダム表面で凝固することを防止しなければならないため
である。かような断熱性耐火物は一般に凝固した金属よ
りも耐摩耗性が劣り引き掻き疵が付きやすい。したがっ
て,耐火物が損傷する事態が発生し,これがひどくなる
とブレークアウトとなる。また,両ロールのロールサイ
ド面を挟むようにサイドダムを固定する前記の方式で
は,ロールギャップを通過するさいの板端部の押圧によ
ってロールサイド面とサイドダム内側面との摺動部に間
隙が生じ,そこに湯が差したりする。これらのトラブル
が生じると鋳造を安定的に続行することができない。し
たがって,このサイドダムとしては耐摩耗性が良好で出
来るだけ高強度の耐火物を使用するのがよいというのが
従来の一般的な考え方であった。
いずれのサイドダム方式を採用するにしても,湯溜り内
の溶湯の一部が各回転ロールの各表面で薄い凝固シエル
を形成し,ロール回転に伴ってこれらが成長しながら双
ロールの間隙を通過することになる。そのさい,ロール
間隙が最も近接しているロールギャップ近傍で該凝固シ
エルに対して圧下(圧延)が行われて所定厚みの薄板に
成形される。したがってこの凝固シエルの押し潰し(圧
延)によって,該凝固シエルが該ロールギャップ近傍で
幅方向に拡がろうとする。その結果,鋳板の端部がサイ
ドダムに対して大きな押圧を与えることになる。移動式
サイドダムの場合には鋳板の移動速度に合わせてサイド
ダムを移動させるのでサイドダムと鋳板の端部との摩擦
の問題は実質上回避されるが,固定サイドダムの場合に
は,移動する板端部と固定サイドダムとの間には大きな
摩擦が発生することは避けられない。このためサイドダ
ム耐火物の損傷,板端部に無理な応力が加わることによ
る端部の割れや形状不良発生,さらには摺接部に湯差し
の発生等が起こる原因となり,安定な操業を行なう上で
大きな支障となる。この問題は特に鋼を対象とした鋳造
では高融点および鋳板材質の高強度の点で低融点の軟質
な非鉄金属等では見られない重要な解決課題となる。
本発明者らは特願昭62−84555号においてこのような問
題を根本的に解決する“研削ダム方式”(または移動式
と固定式の中間の方式)とも言うべき薄板連鋳機の発明
を提案した。これは,従来の耐摩耗性の良好な高強度の
耐火物をサイドダムに使用するという観念とは逆に,被
削性の良好な耐火物を使用し,この被削性の良好なサイ
ドダムを鋳造中に鋳造方向に積極的に送り出すことによ
ってサイドダムとロール表面および鋳造される板端部と
の摩擦部においてサイドダムを研削消耗させるものであ
る。その後も本発明者らはこの研削ダム方式による鋳造
試験を繰り返してきたが,サイドダムの研削消耗を定常
的に続行させるためには,別の角度から新たな工夫が必
要であることがわかった。
〔発明の目的〕
本発明は前記の課題解決を目的として,特願昭62−8455
5号で提案した研削ダム方式の一層の改善を意図したも
のである。
〔発明の構成〕
前記の目的を達成せんとする本発明は,互いに反対方向
に回転する一対の内部冷却ロールを軸を水平にして対向
配置し,このロール対の円周面上に湯溜りを形成させる
ための一対のサイドダムを鋳造板幅に略相当する間隔を
あけて配設し,そのさい,サイドダムの厚みの一部また
は全部がロールの円周面上に位置するようにその底部の
少なくとも一部をロールの円周面に接触させて該サイド
ダムを配置すると共に鋳造中に少なくともロールの円周
面と接触するサイドダム部分を被削性の良好な耐火物で
構成し,このサイドダムを鋳造方向に所定速度で送り出
す機構を設けることによって前記の接触部分でサイドダ
ムを研削消耗させながら該湯溜りの湯を該ロール対の間
隙を経て薄板に連続鋳造する薄板連鋳機であって,サイ
ドダムと接することになるロール円周面部分を研削能を
有する粗面に形成すると共に,この粗面をもつ部分がロ
ール本体に対して取外し可能にセットされていることを
特徴とする薄板連鋳機である。そのさい該粗面を,ロー
ル本体のサイド面に取外し可能にセットされたデイスク
の円周面に形成させるか,或いはロール円周面に取外し
可能にセットされたリングベルトの表面に形成させてお
くのが実際には便宜である。
〔実施例〕
以下に,図面の実施例に従って本発明の内容を具体的に
説明する。
第1図において,参照数字1a,1bは互いに反対方向に回
転するように(両者の回転方向を矢印で示す)軸を水平
にして対向配置した一対の内部冷却ロール,2はこのロー
ル1a,1bの円周面Rの上に形成させた湯溜り内の溶湯,3
a,3bはサイドダム,4は鋳造される薄板を示している。
ロール対1a,1bは内部冷却ロールである。図示の例では
いずれも水冷ロールを使用している。より具体的には,
いずれのロール対1a,1bも,その円周面Rを形成してい
るドラムの内側にはコイル状の冷却水通路が形成されて
おり(図には示されていない),この冷却水通路に通水
することによって円周面Rが所定温度に冷却されるよう
になっている。この円周面Rの内側の冷却水通路への冷
却水の供給とその排水はロール軸から行われる。このた
め,ロール軸は二重管の形状に構成し,その内管を冷却
水供給管,外管と内管との間で形成される環状の管路を
排水管とし,ロールの内部において,内管の冷却水供給
管を円周面Rの内側の冷却水通路入口に,該環状の管路
を冷却水出口に接続してある。この構成によって内管に
図示のようにポンプPから冷却水を連続供給すると,こ
の冷却水が円周面Rの内側の冷却水通路を循環したうえ
該環状の管路を経て排水される。この冷却水の通水動作
は装置の稼働中にも続行して行うことができるようにな
っている。
サイドダム3a,3bは,その外側面に取り付けた金属製の
サイドダムケース5a,5bによって把持され,このサイド
ダムケース5a,5bが鋳造方向に移動される。サイドダム3
a,3b自身は被削性の良好な耐火物からなり,その形状例
が第2図に示されている。第2図に見られるように,そ
の全厚みWのうち,その内方の一部の厚みW1をロール円
周面R上に設置する部分の厚みとし,外方の他部の厚み
W2をロール円周面から外れた設置部分の厚みとしてあ
る。すなわち,内方の厚みW1部分については,ロール1
a,1bの円周形状に相当するように曲面加工された底部面
6,6′を有し,外方の厚みW2部分についてはロール1a,1b
のサイド面と摺接する部分7,7′を,前記の底部面6,6′
よりも下方にまで延び出して形成させた形状を有してい
る。サイドダム3a,3bの材質としては,断熱性が良好で
なければならないので耐火物が適当であるが,本発明の
場合には被削性も良好なものでなければならない。その
底部面6,6′が円周面の粗面10によって研削されること
が必要であるほか,鋳造される板の端部でも容易に削ら
れるような材質であるのが好ましいからである。これに
適する材質としては,被削性の良い断熱レンガ,セラミ
ックファイバーボード,ボロンナイトライド(BN)等が
ある。図示の例では厚みW1およびW2の全部が被削性の良
好な耐火物で構成されている。
第1図では,この第2図に示す形状の耐火物製サイドダ
ム3a,3bの外面に,金属製のサイドダムケース5a,5bを,
該外面をすっぽり覆うように取付けてサイドダム3a,3b
を把持し,厚みW1部分の曲面加工された底部面6,6′が
ロール1a,1bの円周面Rに接するように,また,厚みW2
の内面部分7,7′がロール1a,1bのサイド面と摺接するよ
うにセットした状態を示している。そして,サイドダム
ケース5a,5bを,複数本のネジ付き支柱8に対して,ケ
ース側に固着されたナット9を介して支持させ,各支柱
8を軸回りに回転させることによって,サイドダムケー
ス5a,5bを鋳造方向に移動させる。これによって,装置
稼働中においてサイドダム3a,3bは,その底部面6,6′
が,回転するロール円周面Rで研削され消耗しつつ下降
する。サイドダムケース5a,5bとサイドダム3a,3bとは機
械的噛み合わせの他にその両者の接合界面で接合剤を使
用して接着させるのがよく,これによって一般的に引張
強さの弱い被削性耐火物の補強がなされる。サイドダム
ケース5a,5bを下降運動させる機構としては,装置の運
転中は連続的に下降させる方式が好ましいが,場合によ
っては下降と停止を繰り返す間歇移動方式でもよいし,
微振動させながら下降させる方式でもよい。いずれにし
てもサイドダムの下降量或いは鋳造される板幅を検出信
号として下降速度を制御するのがよい。
一方,ロールの円周面Rのうち,サイドダムの底部面6,
6′と摺接する部分は研削能をもつ粗面に形成する。こ
の粗面の部分を第1図の10(4箇所)で示してあるが,
この部分10の粗度および硬さをサイドダムの材質や鋳造
条件に応じて適切にすると,サイドダムの底部面6,6′
が鋳造中に良好に研削されるが,その状態が定常的に維
持され経時変化しないことが望ましい。
本発明においては,この目的を達成すべく,研削能をも
つ粗面部分10をロール本体に対して取外し可能な部材に
構成し,これによって,ロール本体の円周面の材質とは
無関係に適切な研削能をもつ粗面を別個に作製出来るよ
うにすると共に,この粗面の補修や取替えも自由に行な
えるようにしたものである。
第3図は,該粗面10をもつ取外自在の部材としてロール
本体1と略同径のデイスク11を使用する例を示してい
る。このデイスク11は,サイドダムの底部面6,6′と摺
接する摺接幅にほぼ等しい厚みをもつ円盤体であり,そ
の円周面に粗面10を形成してある。したがって,この粗
面10を円周面にもつデイスク11をロール本体1のサイド
面にロール本体と同軸的にセットすることによって,サ
イドダムの底部面6,6′を研削するための研削面が形成
される。このデイスク11のロール本体1に対する取着
は,デイスク11の円盤面に設けたボルト穴13に,第1図
に示すようにボルト14を差し込み,このボルト14をロー
ルサイド面Sの雌穴15に螺合することによって行なうの
が便宜である。デイスク11は必要に応じて複数のセグメ
ントに分割されていてもよい。すなわち,デイスク11を
半径方向の線で複数個の扇形のセグメントに分割し,こ
れをロール本体にセットした状態でデイスク状となるよ
うにすればよい。いずれにしても,このデイスク11をロ
ール本体1にセットした状態では,第2図に示すサイド
ダム3a,3bの厚みW2の内面部分7,7′がこのデイスク11の
外側の円盤面(ロールのサイド面)と摺接することにな
る。したがって,このデイスク11の外側の円盤面もサイ
ドダム3a,3bの内面部分7,7′を適当に研削できるように
粗面に形成しておくのも好ましい。
第4図は,該粗面10をもつ取外自在の部材としてリング
ベルト16を使用する例を示している。すなわち,サイド
ダムの底部面6,6′と摺接することになるロール本体1
の円周面部に対応する部分を摺接幅に相当する幅を持つ
底の浅い溝17を作り,この溝17にリングベルト16を被着
できるようにしたものであり,この被着によってロール
本体1の半径とほぼ同じ半径をもつ状態(ロール本体の
円周面とリングベルトのそれとが段差のないほぼ同じレ
ベルの状態)が得られるようにする。なお,リングベル
ト16の外側円周面には研削能をもつ粗面10を形成してお
く。このリングベルト16の取付けは,リングベルト16側
の小さなボルト穴とロール本体側の小さな雌穴18とをボ
ルトによって結合する方式を採用すればよい。また,こ
のリングベルト16は必要に応じて半円,1/3円,1/4円等の
セグメントに分割されたものを使用し,取付け状態でリ
ング状にすることもできる。
デイスク11またはリングベルト16のいずれを使用するに
しても,それらの円周面を形成する材料はロール本体の
円周面Rを形成している材料とは異なったものを使用で
きる。すなわち,ロール円周面Rを構成する材料は熱の
伝達や健全な凝固シエルを形成するための要件を備える
ように選択されたものであり,この材料そのものの表面
を粗面にするよりは,別途の材料層で粗面を形成した方
が研削機能を十分に発揮する上では有利である。またこ
の粗面の製作はロールの製作とは分離して行なえると共
に取替えができる点で有利である。デイスク11またはリ
ングベルト16の円周面を粗面に形成するには,硬質材料
層を研削能をもつ粗面に形成するのがよい。これには,
硬質金属,セラミックスまたはサーメットの溶射層で構
成するのがよい。溶射金属としては,Ni−Cr合金,炭素
鋼,ステンレス鋼等が,溶射セラミックスとしてはCr2O
3,TiO2,Al2O3,ZrO2等が,そして溶射サーメットとして
はZrO2−NiCr,Cr3C2−NiCr,WC−Co等の使用が好適であ
る。そのさい溶射粒子の積着によって自然な凹凸が表面
に形成されるような条件で溶射層を作ると,溶射層がそ
のままで前述の被削性サイドダムの研削消耗を良好に行
わせることのできる粗面とすることが可能である。ま
た,溶射層の基材に対する密着性改善のために基材の種
類によっては基材に下地処理をしてから溶射層を形成す
るのがよい。この下地処理は金属メッキを採用すること
もできる。またブラスト処理等によって予め粗面に形成
した表面に溶射処理を行なってもよい。以上のような溶
射に代えて,硬質金属のメッキ層を形成したうえこれを
粗面に形成してもよい。適用できるメッキ金属としては
NiおよびNi基合金,Ni−Fe合金,CrおよびCr基合金,Fe合
金等が挙げられる。メッキ面が滑らかな表面となる場合
には,粗面化処理を施すことが必要である。この粗面処
理はその硬質材料の種類に応じてエメリー研磨やブラス
ト処理等を適用すればよい。いずれにしても,本発明は
サイドダムの底部面6,6′と摺接するロールの円周部分1
0を硬質な材料からなる粗面に形成し,且つこの粗面を
取外し自在にしたものであるから,該粗面の劣化が防止
され良好な研削能を長時間にわたって維持することがで
きるし,必要に応じて取替えもできる。なお,第1図に
おける18は粗面部分10の研掃を行なうブラシを示してお
り,このブラシ18を該部分10に当接するようにセットし
ておけばロール1a,1bの回転によって該部分10に付着し
た研削粉を除去することができ,該粗面の目詰まりによ
る研削能の低下を防止することができる。
第5図は本発明に従うサイドダムの鋳造初期の内面状態
を示したものである。サイドダムの内面では,双方の内
部冷却ロールの表面に形成した凝固シエルの側端が図面
のa,a′で示すレベルで接しつつA点で合流することに
なる。すなわち,湯溜り中の溶湯の一部は各ロール表面
で冷却されて薄いシエルとなって凝固し,ロールの回転
に従って両凝固シエルは成長しつつ合流し,ロールギャ
ップ間で所定の厚みまで圧延されることになるが,ロー
ル表面で形成する凝固シエルの端部がサイドダムの内面
のa,a′で示すレベルで接することになる。この凝固シ
エルの合流点A(凝固完了点)の位置が,サイドダムの
ロール幅内(第2図のW1内)における下縁20よりも下方
となるように,サイドダムの初期形状(装置稼働中に研
削される前の形状)が定められるのが好ましいが,鋳造
中において,鋳造の条件変動により,合流点Aは下縁20
の位置よりも上方の位置A′にくることもある。この場
合は,ロールによる圧延によって生じる板(合流点Aを
通過したあとの凝固した金属板)の幅方向の拡大によっ
て,この部分の耐火物が削り取られることになる。も
し,この状態でサイドダムを下降させないと,板幅が徐
々に拡大しつづけ,ロール幅を越えてしまうと,その越
えた部分ではその板の断面がドッグボーン(犬の骨)状
の端部が脹れた形状になり,さらに進行するとサイドダ
ムが損傷してブレークアウトに至ることになる。本発明
では,サイドダムを所定の速度で下降させるので,この
部分が板端によって削り取られても,次々に新たな面が
下降してくるので,このような事態が生ずることなく常
に所定の板幅をもって鋳造できることになる。
第6図は鋳造が進んでサイドダムが相当下降した状態の
内面を示したものである。底部面6,6′および下縁20が
ロールの粗面10および鋳板の側端でそれぞれ削り取られ
て,それらの位置が第5図の初期状態の位置と比べて相
対的に上方に移動していると共に,下縁20の状態が板端
によってやや斜めに削られた状態となっている。そし
て,この下縁20の下方部分にはロール幅より突出した部
分の耐火物の内面21が露出してくることになり,この部
分が万一の湯漏れを防止する役割も果たす。ただし,こ
のように底部面6,6′および下縁20が削り取られていっ
ても,凝固シエルの側端が図面のa,a′で示すレベルで
接しつつA点で合流することには変わりはない。
第7図は,第6図に対応する鋳造中の過程を模式的に示
したものである。この図に見られるように,サイドダム
を下方に強制的に移動(下降)させることによって,下
縁20が双ロールの最狭隙部(ロール軸22のレベル)より
も上方に位置する状態が維持できると共に,この下縁20
が削り取られてスロープを持つ形状となり,これによっ
て,凝固シエルの合流点(凝固完了点)Aを過ぎた板端
23の幅方向の拡大を抑制する。もしも,サイドダムを下
降させないで一定位置に固持した状態におくと,最狭隙
部で幅方向に拡大した板端23によって次々にサイドダム
内面が削られてゆくことが,そして,遂には板幅がロー
ル幅を越えるようになると削られたサイドダム部分から
湯が漏れるようになることが,理解されよう。このこと
は,被削性の良好な耐火物のみならず,一般の耐火物の
場合にも起こり得るのであり,耐摩耗性の耐火物を使用
した場合には割れが発生して一層危険な状態を惹起する
ことになる。本発明は,従来では耐摩耗性の耐火物を使
用しようとする考え方とは逆に,易削性の耐火物からな
るサイドダムを使用し,これを強制的に下降移動させて
積極的に耐火物を削るという操作を行うのである。そし
て,この下降速度は,ロール円周面と接するサイドダム
の底部面6,6′と,鋳造される板端部と接するサイドダ
ムの内面(実際には下縁20の付近)の形状が実質上同じ
相似形を保って研削されるような速度を採用することに
よって,より具体的には,下降20の付近が板端部によっ
て研削される速度が,サイドダムの底部面6,6′が研削
される速度を越えないような下降速度を採用することに
よって,つまり,後者の速度が前者より速くなるような
サイドダムの下降を行わせることによって,既述のよう
な問題を起こすことなく安定した鋳造ができるのであ
る。そして,サイドダムの底部面6,6′と摺接するロー
ル円周面の部分10を硬質な材料からなる粗面に形成し且
つこれをロール円周面Rとは切り離した材料を使用し外
外し可能にセットしたものであるから,サイドダムを研
削する能力の向上とメインテナンス性の向上が図れると
共に研削状態が定常的に維持されるので,より一層安定
した操業ができることになる。
なお,以上の記述は,ロール幅以内に厚みの一部を,そ
してロール幅外に厚みの他部をもつサイドダムを例とし
て説明したが,サイドダムの厚みの全てがロール幅内に
くるように設置する方式でも,本発明は適用可能であ
る。この例を第8図に示した。この場合にも矢印で示す
ようにサイドダム3a,3bを下方に移動させるように設置
すると共にサイドダム3a,3b自身を被削性の良好な耐火
物で構成することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に従う装置の一実施例の要部を示す斜視
図,第2図は第1図の装置におけるサイドダムの耐火物
の形状例を示した斜視図,第3図は本発明に従う研削能
を持つ粗面をデイスクによって形成する例を示すデイス
ク分解斜視図,第4図は本発明に従う研削能をもつ粗面
をリングベルトによって形成する例を示すリングベルト
分解斜視図,第5図は第1図の装置におけるサイドダム
の斜視図であり鋳造初期における研削の程度が少ない状
態を示した図,第6図は第1図の装置におけるサイドダ
ムの斜視図であり鋳造過程で研削の程度が進んだ状態を
示した図,第7図は該装置による鋳造状態を,鋳造され
る鋳板と平行な面で部分的に見た略断面図,第8図は本
発明にサイドダムの他の例を示した鋳板と平行な面で見
た略断面図である。 1a,1b……内部冷却ロールの対,2……湯溜り,3a,3b……
サイドダム,4……鋳造された鋳板,6,6′……ロールの円
周形状に相当するように曲面加工されたサイドダムの底
部面,7,7′……ロールのサイド面と摺接するサイドダム
の部分,10……サイドダムの底部面と摺接するロール円
周面の部分(研削能をもつ粗面),11……粗面を円周面
にもつデイスク,16……粗面を外表面にもつリングベル
ト,18……ブラシ,20……サイドダムのロール幅内におけ
る下縁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに反対方向に回転する一対の内部冷却
    ロールを軸を水平にして対向配置し,このロール対の円
    周面上に湯溜りを形成させるための一対のサイドダムを
    鋳造板幅に略相当する間隔をあけて配設し,そのさい,
    サイドダムの厚みの一部または全部がロールの円周面上
    に位置するようにその底部の少なくとも一部をロールの
    円周面に接触させて該サイドダムを配置すると共に鋳造
    中に少なくともロールの円周面と接触することになるサ
    イドダム部分を被削性の良好な耐火物で構成し,このサ
    イドダムを鋳造方向に所定速度で送り出す機構を設ける
    ことによって前記の接触部分でサイドダムを研削消耗さ
    せながら該湯溜りの湯を該ロール対の間隙を経て薄板に
    連続鋳造する薄板連鋳機であって,サイドダムと接する
    ことになるロール円周面部分を研削能を有する粗面に形
    成すると共に,この粗面をもつ部分がロール本体に対し
    て取外し可能にセットされていることを特徴とする薄板
    連鋳機。
  2. 【請求項2】粗面は,ロール本体のサイド面に取外し可
    能にセットされたデイスクの円周面に形成されている請
    求項1に記載の薄板連鋳機。
  3. 【請求項3】粗面は,ロール円周面に取外し可能にセッ
    トされたリングベルトの表面に形成されている請求項1
    に記載の薄板連鋳機。
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