JPH082480B2 - 薄板連続鋳造法 - Google Patents

薄板連続鋳造法

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JPH082480B2
JPH082480B2 JP63194563A JP19456388A JPH082480B2 JP H082480 B2 JPH082480 B2 JP H082480B2 JP 63194563 A JP63194563 A JP 63194563A JP 19456388 A JP19456388 A JP 19456388A JP H082480 B2 JPH082480 B2 JP H082480B2
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dam
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0637Accessories therefor
    • B22D11/0648Casting surfaces
    • B22D11/066Side dams

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶湯(例えば溶鋼)から直接的に薄板を連続
鋳造するための双ロール式連鋳機の鋳造法に関する。
〔発明の背景および従来技術〕
互いに反対方向に回転する軸を水平にした一対の内部
冷却ロールを適当な間隙をあけて平行に対向配置し,こ
の間隙上部のロール円周面(ロール軸に沿う方向の円筒
面のうち上半身の面)に湯溜りを形成させ,この湯溜り
中の溶湯を,回転するロール円周面で冷却しながら,該
間隙を経て薄板に連続鋳造するいわゆる双ロール式連鋳
機が知られている。このような双ロール式連鋳機を鋼の
連鋳に適用して,溶鋼から薄鋼板を直接製造しようとす
る提案もなされている。
ロール対の間隙から薄板連鋳品を常時連続的に鋳造す
るには,ロール対の間隙の上の円周面上に溶湯の湯溜り
を形成し,湯面レベルを実質上一定に維持されるように
溶湯をこの湯溜りに連続注入することが必要となる。こ
の湯溜りを形成するためには,ロール円周面上において
ロール軸に沿う方向に湯が流れ出すのを規制する,ロー
ル軸に直角方向の面をもつ一対のダムが必ず必要とな
る。このダムは通常は薄板鋳片の幅を規制する役割も果
たす。本明細書においてこのダムを“サイドダム”と呼
ぶ。この左右に配置されるダイドダムのほかにも,ロー
ル軸に沿う方向の面を持つ一対の前後堰(長片ダムとも
呼ばれる)をロール対の円周面上に該サイドダムと直交
するように立ち上げてサイドダムとこの前後堰とでボッ
クス状の湯溜りを形成することもあるが,ロール対の半
径が十分に大きい場合にはこのロール軸に沿う方向の前
後堰は必ずしも必要ではなく,ロール対の円周面自身が
この前後堰の役割を果たすことができる。
この対をなすサイドダムとしては,エンドレス金属ベ
ルトや無限軌道帯(キヤタピラ)等をロール対のサイド
面に押し当て,鋳片の鋳造速度に見合った速度で移動さ
せるようにした移動式サイドダムと,耐火物の板状体を
ロール対の左右の側部に固定した固定式サイドダムが知
られている。一般に後者の固定式サイドダムは前者のよ
うに装置構成や運転制御が複雑にならないという利点が
ある。
固定式サイドダムには,両サイドダムの互いの間隔距
離をロール幅(ロールの一方の端から他方の端に至る長
さ)よりも小さくする場合と,ロール幅に等しくする場
合とが知られている。前者の場合には,両サイドダムの
底面がロール円周面と摺接するように両サイドダムがロ
ール円周面上に立ち上げられる。後者の場合には,両サ
イドダムのそれぞれの内側の面がロール軸と直角方向の
ロール両側面(本明細書ではこのロール両側面をロール
サイド面と呼ぶ)と摺接するように,つまりロール対の
両端を両サイドダムで挟むようにサイドダムが固設され
る。
通常,固定サイドダムの材質は断熱性の良い耐火物が
用いられる。これは,サイドダムに接触する溶湯がサイ
ドダム表面で凝固することを防止しなければならないた
めである。かような断熱性耐火物は一般に凝固した金属
よりも耐摩耗性が劣り引き掻き疵が付きやすい。したが
って,耐火物が損傷する事態が発生し,これがひどくな
るとブレークアウトとなる。また,両ロールのロールサ
イド面を挟むようにサイドダムを固定する前記の方式で
は,ロールギャップを通過するさいの板端部の押圧によ
ってロールサイド面とサイドダム内側面との摺動部に間
隙が生じ、そこに湯が差したりする。これらのトラブル
が生じると鋳造を安定的に続行することができない。
いずれのサイドダム方式を採用するにしても,湯溜り
内の溶湯の一部が各回転ロールの各表面で薄い凝固シエ
ルを形成し,ロール回転に伴ってこれらが成長しながら
双ロールの間隙を通過することになる。そのさい,ロー
ル間隙が最も近接しているロールギャップ近傍で該凝固
シエルに対して圧下(圧延)が行われて所定厚みの薄板
に成形される。したがってこの凝固シエルの押し潰し
(圧延)によって,該凝固シエルが該ロールギャップ近
傍で幅方向に拡がろうとする。その結果,鋳板の端部が
サイドダムに対して大きな押圧を与えることになる。従
って,特に固定サイドダムの場合には,移動する板端部
と固定サイドダムとの間には大きな摩擦が発生すること
は避けられない。このため,サイドダム耐火物の損傷,
板端部に無理な応力が加わることによる端部の割れや形
状不良発生,さらには摺接部に湯差しの発生等が起こる
原因となり,安定な操業を行なう上で大きな支障とな
る。この問題は特に鋼を対象にした鋳造では高融点と板
材質の高強度の点で低融点の軟質な非鉄金属等では見ら
れない重要な解決課題となる。
本発明者らは特願昭62-84555号においてこのような問
題を根本的に解決する“研削ダム方式”(または移動式
と固定式の中間の半移動研削方式)とも言うべき薄板連
鋳機の発明を提案した。これはサイドダムを被削性の良
好な耐火物で構成し,このサイドダムを鋳造中に鋳造方
向に積極的に送り出すことによってサイドダムとロール
表面および鋳造される板端部との摩擦部においてサイド
ダムを研削消耗させるものである。その後も本発明者ら
はこの研削ダム方式による鋳造試験を繰り返してきた。
その結果,この方式の鋳造を安定して行なうには幾つか
の条件を満たすように操業することが有利であることが
わかった。
〔発明の目的〕
したがって,本発明は前記の課題解決を目的として,
特願昭62-84555号で提案した研削ダム方式の一層の改善
法を意図したものである。
〔発明の構成〕
本発明は,互いに反対方向に回転する一対の内部冷却
ロールを軸を水平にして対向配置し,このロール対の円
周面上に湯溜りを形成させるための一対のサイドダムを
鋳造板幅に略相当する間隔をあけて配設し,そのさい,
サイドダムの厚みの一部または全部がロールの円周面上
に位置するようにその底部の少なくとも一部をロールの
円周面に接触させて該サイドダムを配置すると共に鋳造
中に少なくともロールの円周面と接触することになるサ
イドダム部分を被削性の良好な耐火物で構成し,このサ
イドダムを鋳造方向に所定速度で送り出すことによって
前記の接触部分でサイドダムを研削消耗させながら該湯
溜りの湯を該ロール対の間隙を経て薄板に連続鋳造する
方法であって,前記の接触部分でサイドダムを研削消耗
させている状態を維持しながら溶湯の注入を開始するこ
とを特徴とする。また鋳造を開始した後においては,サ
イドダムの送り出し速度を鋳造開始後の鋳造状況の変
化,例えば鋳板のエッジ形状の変化,鋳板の板幅の変
化,鋳板の厚みの変化または鋳造速度の変化等に応じ
て,変更することを特徴とする。
以下に図面に従って本発明の内容を具体的に説明す
る。
〔発明の詳述〕
第1図において,参照数字1a,1bは互いに反対方向に
回転するように(両者の回転方向を矢印で示す)軸を水
平にして対向配置した一対の内部冷却ロール,2はこのロ
ール1a,1bの円周面Rの上に形成させた湯溜りの内の溶
湯,3a,3bはサイドダム,4は鋳造される薄板を示してい
る。
ロール対1a,1bは内部冷却ロールである。図示の例で
はいずれも水冷ロールを使用している。より具体的に
は、いずれのロール対1a,1bも,その円周面Rを形成し
ているロールスリーブの内側には溝状の冷却水通路が形
成されており(図には示されていない),この冷却水通
路に通水することによって円周面Rが所定温度に冷却さ
れるようになっている。この円周面Rの内側の冷却水通
路への冷却水の供給とその排水はロール軸から行われ
る。このためロール軸は二重管の形状に構成し,その内
管を冷却水供給管,外管と内管との間で形成される環状
の管路を排水管とし,ロールの内部において,内管の冷
却水供給管を円周面Rの内側の冷却水通路入口に,該環
状の管路を冷却水出口に接続してある。この構成によっ
て内管に図示のようにポンプPから冷却水を連続供給す
ると,この冷却水が円周面Rの内側の冷却水通路を循環
したうえ該環状の管路を経て排水される。この冷却水の
通水動作は装置の稼働中にも続行して行うことができる
ようになっている。
サイドダム3a,3bは,その外側面に取り付けた金属製
のサイドダムケース5a,5bによって把持され,このサイ
ドダムケース5a,5bが鋳造方向に移動される。サイドダ
ム3a,3b自身は被削性の良好な耐火物からなり,その形
状例が第2図に示されている。第2図に見られるよう
に,その全厚みWのうち,その内方の一部の厚みW1をロ
ール円周面R上に設置する部分の厚みとし,外方の他部
の厚みW2をロール円周面から外れた設置部分の厚みとし
てある。すなわち,内方の厚みW1部分については,ロー
ル1a,1bの円周形状に相当するように曲面加工された底
部面6,6′を有し,外方の厚みW2部分についてはロール1
a,1bのサイド面(第1図においてSで示す)と摺接する
部分7,7′を,前記の底部面6,6′よりも下方にまで延び
出して形成させた形状を有している。サイドダム3a,3b
の材質としては,断熱性が良好でなければならないので
耐火物が適当であるが本発明の場合には被削性も良好な
ものでなければならない。その底部面6,6′が円周面の
粗面10によって研削されることが必要であるほか,鋳造
される板の端部でも研削されるような材質であるのが好
ましいからである。これに適する材質としては,被削性
の良い断熱レンガ,セラミックファイバーボード,ボロ
ンナイトライド(BN)等がある。図示の例では厚みW1
よびW2の全部が被削性の良好な耐火物で構成されてい
る。なお,この例のほか,厚みW1の部分を被削性の良好
な断熱材料とし,厚みW2の部分を被削性を示さない高強
度の材料として両者を貼り合わせたサイドダムを使用
し,高強度の厚みW2の部分に鋳造方向への送り出し応力
を付与することによって厚みW1の部分を研削消耗させる
方式,或いは,被削性材料の厚みW1の部分と高強度材料
の厚みW2の部分を接合することなく厚みW1の部分だけに
鋳造方向への送り出しを行って厚みW1の部分を研削消耗
させる方式等も本発明に適用できる。
第1図では,第2図に示す形状の耐火物製サイドダム
3a,3bの外面に,金属製のサイドダムケース5a,5bを,該
外面をすっぽり覆うように取付けてサイドダム3a,3bを
把持し,厚みW1部分の曲面加工された底部面6,6′がロ
ール1a,1bの円周面Rに接するように,また,厚みW2
内面部分7,7′がロール1a,1bのサイド面Sと摺接するよ
うにセットした状態を示している。そして,サイドダム
ケース5a,5bを,複数本のネジ付き支柱8に対して,ケ
ース側に固着されたナット9を介して支持させ,各支柱
8を軸回りに回転させることによって,サイドダムケー
ス5a,5bを鋳造方向に移動させるようにしたものであ
る。これによって,装置稼働中においてサイドダム3a,3
bは,その底部面6,6′が,回転するロール円周面Rで研
削され消耗しつつ下降する。サイドダムケース5a,5bと
サイドダム3a,3bとは機械的噛み合わせの他にその両者
の接合界面で接合剤を使用して接着させてもよく,これ
によって一般的に引張強さの弱い被削性耐火物の補強が
なされる。サイドダムを下降運動させる機構としては,
装置の運転中はその下降速度を任意に制御できる方式を
採用する。
一方,ロールの円周面Rのうち,サイドダムの底部面
6,6′と摺接する部分は研削能をもつ粗面に形成する。
この粗面の部分を第1図の10(4箇所)で示してある
が,この部分10の粗度および硬さをサイドダムの材質及
びサイドダムの下降速度に応じて適切にすると,サイド
ダムの底部面6,6′が鋳造中に良好に研削されるが,そ
の状態が定常的に維持され経時変化しないことが望まし
い。このため,該粗面部分10にブラシ11を当接させてお
き,粗面部分10に付着した研削粉などをロール回転に伴
って自然に或いはバキュームクリーナの併用により除去
できるようにしておくと共に,粗面10の粗さが経時変化
しないように十分な硬さをもつ材料でこの粗面表面を形
成しておくのがよい。例えば,硬質金属や合金,セラミ
ック或いはサーメットの溶射によってこの粗面表面を形
成したり,或いは硬質金属や合金のメッキ層を粗面化処
理するのがよい。またロール回転中にこの部分10をブラ
スト処理して粗面を蘇生させることも有利である。
第3図は本発明に従うサイドダムの鋳造初期の内面状
態を示したものである。サイドダムの内面では,双方の
内部冷却ロールの表面に形成した凝固シエルの側端が図
面のa,a′で示すレベルで接しつつA点で合流すること
になる。すなわち,湯溜り中の溶湯の一部は各ロール表
面で冷却されて薄いシエルとなって凝固し,ロールの回
転に従って両凝固シエルは成長しつつ合流し,ロールギ
ャップ間で所定の厚みまで圧延されることになるが,ロ
ール表面で形成する凝固シエルの端部がサイドダムの内
面のa,a′で示すレベルで接することになる。この凝固
シエルの合流点Aの位置が,サイドダムのロール幅内
(第2図のW1内)における下縁13とほぼ同レベルとなる
ようにサイドダムの初期形状(装置稼働中に研削される
前の形状)が定められるのが好ましいが,鋳造中におい
て,鋳造の条件変動により,合流点Aは下縁13の位置よ
りも上方の位置A′にくることもある。この場合は,ロ
ールによる圧延によって生じる板(合流点Aを通過した
あとの凝固した金属板)の幅方向の拡大によって,この
部分の耐火物が削り取られることになる。もし,この状
態でサイドダムを下降させないと,板幅が徐々に拡大し
つづけ,ロール幅を越えてしまうと,その越えた部分で
はその板の断面がドッグボーン(犬の骨)状の端部が脹
れた形状になり,さらに進行するとサイドダムが損傷し
てブレークアウトに至ることになる。
本発明においては,鋳造開始にあたって,溶湯の注入
前にロールの回転をサイドダムの送り出しを行って研削
を開始しておき,下縁13の位置が定常鋳造状態の合流点
Aよりも下方にまで延び出した状態としてから,溶湯の
注入を行なう点に一つの特徴があり,これによって,鋳
造開始時における湯差しを回避したものである。鋳造開
始時における湯差しは固定サイドダム方式の場合には厄
介な問題であるが,本発明に従う研削ダム方式の場合に
はその研削の特徴を生かしてこれを効果的に回避できる
ことがわかった。
第4図は鋳造が進んでサイドダムが相当下降した状態
の内面を示したものである。底部面6,6′および下縁13
がロールの粗面10および鋳板の側端でそれぞれ削り取ら
れて,それらの位置が第3図の初期状態の位置と比べて
相対的に上方に移動していると共に,下縁13の状態が板
端によってやや斜めに削られた状態となっている。そし
て,この下縁13の下方部分にはロール幅より突出した部
分の内面16が鋳造の進行につれて多く露出してくること
になり,この部分が万一の漏湯を防止する役割も果た
す。ただし,このように底部面6,6′および下縁13が削
り取られていっても,凝固シエルの側端が図面a,a′で
示すレベルで接しつつA点で合流することには変わりは
ない。
しかし,この定常状態を常時維持するには,サイドダ
ムの送り出し速度を適切に制御することが必要である。
本発明においては,サイドダムの送り出し速度を任意に
制御できるように装置を構成し,この送り出し速度の制
御を鋳造状況の変化に応じて行なう点に一つの特徴があ
る。本発明者らは送り出し速度を設定値に固定して数多
くの試験を行ったが,各種の要因例えばロール粗面部分
の研削能力の変化或いは湯面の異物や凝固物の噛込み等
によって鋳造中に鋳板の板端部のエッジ形状が変化した
り,サイドダム下縁13の形状が変化したりする事態に遭
遇した。また,鋳造板厚を変更したりするさいにも,送
り出し速度の設定を適切にすることが必要であることも
わかった。このような知見事実をもとに,本発明におい
ては,一つには鋳造中において鋳板のエッジ形状を観察
または検出しつづけ,それが正常な形状よりも外れた場
合には,サイドダムの送り出し速度を速くするような制
御を行なう。すなわち,鋳板のエッジ形状を検出値とし
てこれが適正範囲に収まるように送り出し速度を制御す
る。エッジ形状が適正範囲を外れて乱れるということは
サイダムの下縁13の形状が何等かの原因で欠けたり過剰
に削りとられたりしたことを意味しており,この場合に
は送り出し速度を速くすることによって元の正常な形状
に復帰させるのである。なお,このエッジ形状を検出値
とする代わりに鋳板の板幅を検出値として使用すること
もできる。
また,鋳造中の鋳造速度(すなわちロールの回転速
度)を制御することによって定常状態を維持するように
した装置では,ロールの回転速度によって粗面部分10の
研削能力が変化するので,ロールの回転速度に応じて送
り出し速度を制御することが必要となる。例えばロール
の回転速度が遅くなっても同じ送り出し速度で操業する
と被削性耐火物であるサイドダムに過大の圧縮応力が加
わって破損する危険が伴う。したがって,粗面部分10の
研削能力に見合うように送り出し速度を調整することが
必要となる。この鋳造速度を検出値としてサイドダムの
送り出し速度を調整する代わりにサイドダムの送り出し
負荷を検出して送り出し速度を調整することもできる。
例えば,サイドダムの送り出し動力を付与するモーター
の電流値は送り出し負荷に応じて増減するので,該電流
値が大きくなったら送り出し速度を緩め,小さくなった
ら送り出し速度を速めるというフイードバック制御を行
なうのである。
さらに,何らかの理由によってロールギヤップ(或い
はロール軸間距離)を調整する場合には,つまり,負荷
の変動等によって鋳板の板厚の変更を行なうようにした
装置の場合には,ロールギヤップの変動にともなってサ
イドダムの底部面6,6′とロールの粗面部分10との摺動
接状態が変化する。このため,ロールギヤップを開く場
合には,底部面6,6′と粗面部分10との間に隙間が生じ
ないように,サイドダムを急速に送り出して粗面部分10
に対応する形状に底部面6,6′を研削修復する必要があ
る。逆にロールギヤップを狭める場合には,底部面6,
6′が粗面部分10で圧縮されるような応力が作用するの
で,この圧縮によって底部面6,6′が適切に研削される
間サイドダムの送り出しを停止するか,送り出し速度を
緩める必要がある。したがって,ロール軸間距離を検出
値として或いは鋳造された鋳板の板厚を検出値としてこ
れに基づいて送り出し速度を制御することが必要であ
る。
このように,鋳造中においてはサイドダムの送り出し
速度を各種の鋳造条件の変動に応じて制御することによ
って,湯差しやサイドダム破損の原因を回避しながら安
定した鋳造が実施できることになる。
第5図は,第4図に対応する鋳造中の過程を模式的に
示したものである。この図に見られるように,サイドダ
ムを下方に強制的に適切な速度で移動(下降)させるこ
とによって,下縁13が双ロールの最狭隙部(ロール軸15
のレベル)よりも上方に位置する状態が維持できると共
に,この下縁13が削り取られてスロープを持つ形状とな
り,これによって,凝固シエルの合流点Aを過ぎた板端
14の幅方向の拡大を抑制する。鋳造開始時には,下縁13
の位置が最狭隙部近傍まで研削によって下降させた状態
で溶湯の注入開始を行なうことによってこの部分からの
湯差しが防止されるし,鋳造中の送り出し速度(下降速
度)を適正に制御することによって第5図の定常状態が
維持されることが理解されよう。本発明に従ってサイド
ダムを適当な速度で下降させれば,サイドダムの下縁13
が一定形状を保つような定常状態を実現し得る。従っ
て,予めサイドダムの長さを長くして下降させれば,或
いはサイドダムを次々に継ぎ足して下降させれば,安定
して長期の鋳造が可能である。本発明は,従来では耐摩
耗性の耐火物を使用しようとする考え方とは逆に,易削
性の耐火物からなるサイドダムを使用し,これを強制的
に下降移動させて積極的に耐火物を削るという操作を行
ない,ロール円周面と接するサイドダムの底部面6,6′
と,鋳造される板端部と接するサイドダムの内面(実際
には下縁13の付近)の形状が実質上同じ相似形を保って
研削されるような速度に送り出し速度を制御することに
よって,既述の目的を達成したものである。
なお,以上の記述は,ロール幅以内に厚みの一部を,
そしてロール幅外に厚みの他部をもつサイドダムを例と
して説明したが,サイドダムの厚みの全てがロール幅内
にくるように設置する方式でも,本発明は適用可能であ
る。この例を第6図に示した。この場合にも矢印で示す
ようにサイドダム3a,3bを下方に移動させるように設置
すると共にサイドダム3a,3b自身を被削性の良好な耐火
物で構成することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施する装置の一実施例の要部を示す
斜視図,第2図は第1図の装置におけるサイドダムの耐
火物の形状例を示した斜視図,第3図は第1図の装置に
おけるサイドダムの斜視図であり,鋳造初期における研
削の程度が少ない状態を示した図,第4図は第1図の装
置におけるサイドダムの斜視図であり,鋳造過程で研削
の程度が進んだ状態を示した図,第5図は該装置による
鋳造状態を,鋳造される鋳板と平行な面で部分的に見た
略断面図,第6図は本発明にサイドダムの他の例を示し
た鋳板と平行な面で見た略断面図である。 1a,1b……内部冷却ロールの対,2……湯溜り,3a,3b……
サイドダム,4……鋳造された鋳板,6,6′……ロールの円
周形状に相当するように曲面加工されたサイドダムの底
部面,7,7′……ロールのサイド面と摺接するサイドダム
の部分,10……サイドダムの底部面と摺接するロール円
周面の部分(粗面処理部分),11……ブラシ,13……サイ
ドダムのロール幅内における下縁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに反対方向に回転する一対の内部冷却
    ロールを軸を水平にして対向配置し,このロール対の円
    周面上に湯溜りを形成させるための一対のサイドダムを
    鋳造板幅に略相当する間隔をあけて配設し,そのさい,
    サイドダムの厚みの一部または全部がロールの円周面上
    に位置するようにその底部の少なくとも一部をロールの
    円周面に接触させて該サイドダムを配置すると共に鋳造
    中に少なくともロールの円周面と接触することになるサ
    イドダム部分を被削性の良好な耐火物で構成し,このサ
    イドダムを鋳造方向に所定速度で送り出すことによって
    前記の接触部分でサイドダムを研削消耗させながら該湯
    溜りの湯を該ロール対の間隙を経て薄板に連続鋳造する
    方法であって,前記の接触部分でサイドダムを研削消耗
    させている状態を維持しながら溶湯の注入を開始するこ
    とを特徴とする薄板連続鋳造法。
  2. 【請求項2】互いに反対方向に回転する一対の内部冷却
    ロールを軸を水平にして対向配置し,このロール対の円
    周面上に湯溜りを形成させるための一対のサイドダムを
    鋳造板幅に略相当する間隔をあけて配設し,そのさい,
    サイドダムの厚みの一部または全部がロールの円周面上
    に位置するようにその底部の少なくとも一部をロールの
    円周面に接触させて該サイドダムを配置すると共に鋳造
    中に少なくともロールの円周面と接触することになるサ
    イドダム部分を被削性の良好な耐火物で構成し,このサ
    イドダムを鋳造方向に所定速度で送り出すことによって
    前記の接触部分でサイドダムを研削消耗させながら該湯
    溜りの湯を該ロール対の間隙を経て薄板に連続鋳造する
    方法であって,前記のサイドダムの送り出し速度を鋳造
    開始後の鋳造状況の変化に応じて変更することを特徴と
    する薄板連続鋳造法。
  3. 【請求項3】鋳造状況の変化は,鋳板のエッジ形状の変
    化,鋳板の板幅の変化,鋳板の厚みの変化,ロール軸間
    距離の変化または鋳造速度の変化のいずれか一種である
    請求項2に記載の薄板連続鋳造法。
JP63194563A 1988-08-05 1988-08-05 薄板連続鋳造法 Expired - Fee Related JPH082480B2 (ja)

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