JPH0787763A - 超音波モータとその製造方法 - Google Patents
超音波モータとその製造方法Info
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- JPH0787763A JPH0787763A JP5252499A JP25249993A JPH0787763A JP H0787763 A JPH0787763 A JP H0787763A JP 5252499 A JP5252499 A JP 5252499A JP 25249993 A JP25249993 A JP 25249993A JP H0787763 A JPH0787763 A JP H0787763A
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- JP
- Japan
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- plastic material
- moving body
- composite plastic
- ultrasonic motor
- fixed body
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 移動体の機械的強度および摺動特性を満足さ
せる。 【構成】 超音波モータ10は、圧接する固定体2と移
動体3等から構成されている。移動体3は、固定体2と
圧接する摩擦接触部5と、外部に駆動力を伝達する動力
伝達部4とから構成されている。摩擦接触部5は複合プ
ラスチック材料からなり、動力伝達部4は硬質複合プラ
スチック材料からなり、両者は圧縮成形により一体化さ
れている。
せる。 【構成】 超音波モータ10は、圧接する固定体2と移
動体3等から構成されている。移動体3は、固定体2と
圧接する摩擦接触部5と、外部に駆動力を伝達する動力
伝達部4とから構成されている。摩擦接触部5は複合プ
ラスチック材料からなり、動力伝達部4は硬質複合プラ
スチック材料からなり、両者は圧縮成形により一体化さ
れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固定体と移動体とか
ら構成された超音波モータにおいて、前記移動体を改良
した超音波モータとその製造方法に関するものである。
ら構成された超音波モータにおいて、前記移動体を改良
した超音波モータとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の超音波モータの一例の構
成を示す要部断面図である。超音波モータ20は、固定
体2と移動体13とが圧接されている。固定体2には、
振動を発生させる圧電体1が取り付けられており、この
圧電体1に電圧を印加することにより、固定体2に進行
性の振動波が発生する。この振動波により、移動体13
が摩擦駆動される。なお、固定体2には、振動の振幅を
大きくするために、その表面に複数の溝2aが形成され
ている。このような超音波モータ20は、低速時におい
ても高いトルクを得ることができる等のメリットを有し
ており、カメラ等の種々の機器に使用されている。
成を示す要部断面図である。超音波モータ20は、固定
体2と移動体13とが圧接されている。固定体2には、
振動を発生させる圧電体1が取り付けられており、この
圧電体1に電圧を印加することにより、固定体2に進行
性の振動波が発生する。この振動波により、移動体13
が摩擦駆動される。なお、固定体2には、振動の振幅を
大きくするために、その表面に複数の溝2aが形成され
ている。このような超音波モータ20は、低速時におい
ても高いトルクを得ることができる等のメリットを有し
ており、カメラ等の種々の機器に使用されている。
【0003】移動体13は、固定体2に圧接されている
摩擦接触部15と、駆動力を外部へ伝達する動力伝達部
14とを有する。摩擦接触部15は、固定体2と面接触
する必要があるので、摩擦接触部15の固定体2との接
触面は、高精度の平面度を必要とする。また、動力伝達
部14は、駆動力を外部に伝達するために、ある程度の
機械的強度を必要とする。このために、移動体13の材
料としては、一般にはアルミニウム,鉄,ステンレス等
の金属材料が使用されている。
摩擦接触部15と、駆動力を外部へ伝達する動力伝達部
14とを有する。摩擦接触部15は、固定体2と面接触
する必要があるので、摩擦接触部15の固定体2との接
触面は、高精度の平面度を必要とする。また、動力伝達
部14は、駆動力を外部に伝達するために、ある程度の
機械的強度を必要とする。このために、移動体13の材
料としては、一般にはアルミニウム,鉄,ステンレス等
の金属材料が使用されている。
【0004】また、近年において、動力伝達部14を金
属材料から形成し、摩擦接触部15をプラスチック材料
から形成したものが実用化されている。このときに、動
力伝達部14と摩擦接触部15とを接着剤等で貼り合わ
せるか、あるいは一体で成形する方法により、両者が結
合されている。図3は、動力伝達部14と摩擦接触部1
5との間に接着層16を設けて両者を貼り合わせた例を
示したものである。さらに、機械的強度の優れるプラス
チック材料(例えば硬質プラスチック)を射出成形した
移動体13が提案されている。
属材料から形成し、摩擦接触部15をプラスチック材料
から形成したものが実用化されている。このときに、動
力伝達部14と摩擦接触部15とを接着剤等で貼り合わ
せるか、あるいは一体で成形する方法により、両者が結
合されている。図3は、動力伝達部14と摩擦接触部1
5との間に接着層16を設けて両者を貼り合わせた例を
示したものである。さらに、機械的強度の優れるプラス
チック材料(例えば硬質プラスチック)を射出成形した
移動体13が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の超音波モータ20では、以下の課題があった。移動体
13を金属材料から形成したものは、摩擦接触部15の
接触面を高精度に加工しなければならず、この精度の確
保が困難であり、加工コストが高くなるという問題があ
る。さらに、移動体13と固定体2との接触が金属材料
同士の接触となるので、移動体13の駆動時に騒音が発
生しやすく、また、プラスチック部材と比較して接触面
が摩耗し易いという問題がある。
の超音波モータ20では、以下の課題があった。移動体
13を金属材料から形成したものは、摩擦接触部15の
接触面を高精度に加工しなければならず、この精度の確
保が困難であり、加工コストが高くなるという問題があ
る。さらに、移動体13と固定体2との接触が金属材料
同士の接触となるので、移動体13の駆動時に騒音が発
生しやすく、また、プラスチック部材と比較して接触面
が摩耗し易いという問題がある。
【0006】また、動力伝達部14を金属材料から形成
し、摩擦接触部15をプラスチック材料から形成したも
のにおいて、両者を接着剤等で貼り合わせたものは、接
着層の膜厚や硬化の程度が不均一となる場合がある。さ
らに、接着層に微小な気泡等が残る場合がある。この結
果、騒音の発生やトルクの減少を招くという問題があ
る。一方、金属材料からなる動力伝達部14とプラスチ
ック材料からなる摩擦駆動部15とを一体で成形したも
のは、両者の熱膨張率の差が大きいために結合面が不安
定な状態となり、環境変化によりモータの特性が大きく
変化してしまうという問題がある。さらには、金属材料
とプラスチック材料とを一体にしたものは、廃棄時には
金属材料とプラスチック材料とに分けなければならず、
廃棄処理に労力とコストがかかるという問題がある。
し、摩擦接触部15をプラスチック材料から形成したも
のにおいて、両者を接着剤等で貼り合わせたものは、接
着層の膜厚や硬化の程度が不均一となる場合がある。さ
らに、接着層に微小な気泡等が残る場合がある。この結
果、騒音の発生やトルクの減少を招くという問題があ
る。一方、金属材料からなる動力伝達部14とプラスチ
ック材料からなる摩擦駆動部15とを一体で成形したも
のは、両者の熱膨張率の差が大きいために結合面が不安
定な状態となり、環境変化によりモータの特性が大きく
変化してしまうという問題がある。さらには、金属材料
とプラスチック材料とを一体にしたものは、廃棄時には
金属材料とプラスチック材料とに分けなければならず、
廃棄処理に労力とコストがかかるという問題がある。
【0007】さらにまた、プラスチック材料から成形し
たものは、移動体13としての機械的強度と摺動特性と
の双方を満足する材料がなく、いずれか一方の性能が劣
り、結果としてモータの効率が悪くなるという問題があ
る。
たものは、移動体13としての機械的強度と摺動特性と
の双方を満足する材料がなく、いずれか一方の性能が劣
り、結果としてモータの効率が悪くなるという問題があ
る。
【0008】本発明は、上述のような課題を解消するた
めになされたものであり、移動体の機械的強度と摺動特
性との双方を満足させることを目的とする。
めになされたものであり、移動体の機械的強度と摺動特
性との双方を満足させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明による超音波モータの解決手段は、圧接す
る固定体と移動体とから構成され、前記固定体に進行性
振動波を発生させることにより、前記移動体が摩擦駆動
される超音波モータにおいて、前記移動体は、一体で形
成された複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック
材料とからなり、前記複合プラスチック材料からなる部
分が前記固定体と圧接されていることを特徴とする。
めに、本発明による超音波モータの解決手段は、圧接す
る固定体と移動体とから構成され、前記固定体に進行性
振動波を発生させることにより、前記移動体が摩擦駆動
される超音波モータにおいて、前記移動体は、一体で形
成された複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック
材料とからなり、前記複合プラスチック材料からなる部
分が前記固定体と圧接されていることを特徴とする。
【0010】超音波モータの製造方法の第1の解決手段
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、複
合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形した
後、硬質複合プラスチック材料を第2キャビティに射出
成形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程
を含むことを特徴とする。
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、複
合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形した
後、硬質複合プラスチック材料を第2キャビティに射出
成形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程
を含むことを特徴とする。
【0011】超音波モータの製造方法の第2の解決手段
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、硬
質複合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形し
た後、複合プラスチック材料を第2キャビティに射出成
形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程を
含むことを特徴とする。
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、硬
質複合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形し
た後、複合プラスチック材料を第2キャビティに射出成
形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程を
含むことを特徴とする。
【0012】超音波モータの製造方法の第3の解決手段
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、複
合プラスチック材料と硬質複合プラスチック材料とを圧
縮成形により一体化して前記移動体を形成する工程を含
むことを特徴とする。
は、圧接する固定体と移動体とから構成され、前記固定
体に進行性振動波を発生させることにより、前記移動体
が摩擦駆動される超音波モータの製造方法において、複
合プラスチック材料と硬質複合プラスチック材料とを圧
縮成形により一体化して前記移動体を形成する工程を含
むことを特徴とする。
【0013】
【作用】超音波モータの解決手段においては、移動体
は、複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック材料
とから形成される。従って、複合プラスチック材料によ
り良好な摺動特性を確保することができ、さらに、硬質
複合プラスチック材料により十分な機械的強度を確保す
ることができる。
は、複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック材料
とから形成される。従って、複合プラスチック材料によ
り良好な摺動特性を確保することができ、さらに、硬質
複合プラスチック材料により十分な機械的強度を確保す
ることができる。
【0014】超音波モータの製造方法の解決手段におい
ては、移動体は、複合プラスチック材料と硬質複合プラ
スチック材料とが一体で形成される。従って、接着剤等
を用いずに複合プラスチック材料と硬質複合プラスチッ
ク材料とを一体化することができる。
ては、移動体は、複合プラスチック材料と硬質複合プラ
スチック材料とが一体で形成される。従って、接着剤等
を用いずに複合プラスチック材料と硬質複合プラスチッ
ク材料とを一体化することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面等を参照して、本発明による超音
波モータとその製造方法の一実施例について説明する。
なお、実施例において、従来例で示したものと同一のも
のは同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図
1は、本発明による超音波モータの一実施例の構成を示
す図である。図中(a)は要部断面図であり、(b)
は、その外観の斜視図である。ここで、(b)において
は、移動体3の一部を切断してその下方の固定体2が見
えるように図示している。
波モータとその製造方法の一実施例について説明する。
なお、実施例において、従来例で示したものと同一のも
のは同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図
1は、本発明による超音波モータの一実施例の構成を示
す図である。図中(a)は要部断面図であり、(b)
は、その外観の斜視図である。ここで、(b)において
は、移動体3の一部を切断してその下方の固定体2が見
えるように図示している。
【0016】図1において、超音波モータ10は、略環
状(リング状)に形成されており、圧接する固定体2と
移動体3、および圧電体1から構成されている。また、
移動体3は、摩擦接触部5と動力伝達部4とから構成さ
れている。摩擦接触部5は、例えばフッ素樹脂等に炭素
繊維等が合成された複合プラスチック材料から形成され
たものである。動力伝達部4は、例えばポリフェニレン
サルファイド(以下、「PPS」という。)等に炭素繊
維等が合成された硬質複合プラスチック材料から形成さ
れたものである。なお、動力伝達部4と摩擦接触部5と
の間には、接着剤等は設けられていない。
状(リング状)に形成されており、圧接する固定体2と
移動体3、および圧電体1から構成されている。また、
移動体3は、摩擦接触部5と動力伝達部4とから構成さ
れている。摩擦接触部5は、例えばフッ素樹脂等に炭素
繊維等が合成された複合プラスチック材料から形成され
たものである。動力伝達部4は、例えばポリフェニレン
サルファイド(以下、「PPS」という。)等に炭素繊
維等が合成された硬質複合プラスチック材料から形成さ
れたものである。なお、動力伝達部4と摩擦接触部5と
の間には、接着剤等は設けられていない。
【0017】硬質複合プラスチック材料は、PPSをベ
ースとした樹脂に、炭素繊維,無機フィラーの充填材を
50重量パーセント程度含有させたものを用いた。その
他のベースとなる樹脂には、振動の減衰特性が良好な射
出成形用エポキシ,ポリチオエーテルサルフォンを用い
ることができる。その他の充填材としては、機械的強度
を確保するためのアラミド繊維,ガラス繊維を用いるこ
とができる。また、無機フィラーとしては、成形品の異
方性を少なくするためのシリカ,チタン酸カリウムを用
いることができる。複合プラスチック材料は、ポリアセ
タールまたはポリアミドをベースに、炭素繊維,二硫化
モリブデンの充填材を含有させたものを用いた。
ースとした樹脂に、炭素繊維,無機フィラーの充填材を
50重量パーセント程度含有させたものを用いた。その
他のベースとなる樹脂には、振動の減衰特性が良好な射
出成形用エポキシ,ポリチオエーテルサルフォンを用い
ることができる。その他の充填材としては、機械的強度
を確保するためのアラミド繊維,ガラス繊維を用いるこ
とができる。また、無機フィラーとしては、成形品の異
方性を少なくするためのシリカ,チタン酸カリウムを用
いることができる。複合プラスチック材料は、ポリアセ
タールまたはポリアミドをベースに、炭素繊維,二硫化
モリブデンの充填材を含有させたものを用いた。
【0018】次に、移動体の製造方法の第1実施例を説
明する。複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック
材料とを一体化させる方法として、専用の2色射出成形
機により異材質射出成形を行うことが可能である。
明する。複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック
材料とを一体化させる方法として、専用の2色射出成形
機により異材質射出成形を行うことが可能である。
【0019】図2は、2色成形機による移動体3の異材
質射出成形工程を説明する図である。図2において、金
型32は、回転可能な支持部31に取り付けられてい
る。金型32には、摩擦接触部5を型どったキャビティ
32aが形成されている。また、支持部31の両側に
は、それぞれスプルブシュ33,35が配置されてい
る。スプルブシュ33,35には、それぞれ射出機3
4,36が入り込み位置決めされる中空部33a,35
aと、その中空部33a,35aと貫通したスプルー
(湯道)33b,35bが形成されている。さらに、ス
プルブシュ35には、スプルー35bに貫通して動力伝
達部4を型どったキャビティ35cが形成されている。
質射出成形工程を説明する図である。図2において、金
型32は、回転可能な支持部31に取り付けられてい
る。金型32には、摩擦接触部5を型どったキャビティ
32aが形成されている。また、支持部31の両側に
は、それぞれスプルブシュ33,35が配置されてい
る。スプルブシュ33,35には、それぞれ射出機3
4,36が入り込み位置決めされる中空部33a,35
aと、その中空部33a,35aと貫通したスプルー
(湯道)33b,35bが形成されている。さらに、ス
プルブシュ35には、スプルー35bに貫通して動力伝
達部4を型どったキャビティ35cが形成されている。
【0020】図中(a)に示すように、先ず、金型32
のキャビティ32aとスプルブシュ33のスプルー33
bとが対向するように金型32とスプルブシュ33とが
密着される。次にスプルブシュ33の中空部33a内に
射出機34が挿入され、そのノズルから上述の複合プラ
スチック材料が溶融した状態で射出される。この複合プ
ラスチック材料は、スプルー33bを通り、そのゲート
からキャビティ32aに充填される。
のキャビティ32aとスプルブシュ33のスプルー33
bとが対向するように金型32とスプルブシュ33とが
密着される。次にスプルブシュ33の中空部33a内に
射出機34が挿入され、そのノズルから上述の複合プラ
スチック材料が溶融した状態で射出される。この複合プ
ラスチック材料は、スプルー33bを通り、そのゲート
からキャビティ32aに充填される。
【0021】スプルブシュ33は上記射出を終了すると
金型32から離反し、支持部31は金型32のキャビテ
ィ32aとスプルブシュ35のキャビティ35cとが対
向するように金型32を移動する(図中(b))。次
に、スプルブシュ35と金型32とが密着される。ま
た、スプルブシュ35の中空部35a内に射出機36が
挿入され、そのノズルから上述の硬質複合プラスチック
材料が溶融した状態で射出される。この硬質複合プラス
チック材料は、スプルー35bを通り、そのゲートから
キャビティ35cに充填される(図中(c))。
金型32から離反し、支持部31は金型32のキャビテ
ィ32aとスプルブシュ35のキャビティ35cとが対
向するように金型32を移動する(図中(b))。次
に、スプルブシュ35と金型32とが密着される。ま
た、スプルブシュ35の中空部35a内に射出機36が
挿入され、そのノズルから上述の硬質複合プラスチック
材料が溶融した状態で射出される。この硬質複合プラス
チック材料は、スプルー35bを通り、そのゲートから
キャビティ35cに充填される(図中(c))。
【0022】射出成形においては、約200℃〜400
℃で溶融されたプラスチックは、金型32内(約50℃
〜120℃)で冷却される。図2(b)で説明した金型
32の移動時間は数秒間と短いので、複合プラスチック
材料が完全に冷却されない状態で硬質複合プラスチック
材料が射出されることになる。そのため、境界面では2
つのプラスチック材料が結合し両者が一体化する。そし
て両者が完全に冷却された後、金型32が離反し成形品
(移動体3)が取り出される(図中(d))。その後、
必要に応じて、摩擦接触部5の固定体2との接触面を研
磨し平面度を確保する。なお、ランナーおよびゲート跡
の削除方法については省略する。
℃で溶融されたプラスチックは、金型32内(約50℃
〜120℃)で冷却される。図2(b)で説明した金型
32の移動時間は数秒間と短いので、複合プラスチック
材料が完全に冷却されない状態で硬質複合プラスチック
材料が射出されることになる。そのため、境界面では2
つのプラスチック材料が結合し両者が一体化する。そし
て両者が完全に冷却された後、金型32が離反し成形品
(移動体3)が取り出される(図中(d))。その後、
必要に応じて、摩擦接触部5の固定体2との接触面を研
磨し平面度を確保する。なお、ランナーおよびゲート跡
の削除方法については省略する。
【0023】次に、移動体の製造方法の第2実施例であ
る圧縮成形について説明する。この場合には、前述した
硬質複合プラスチック材料を用い、複合プラスチック材
料は、ベース材料にポリエチレン共重合タイプのフッ素
樹脂を、充填材として炭素繊維、二硫化モリブデンを用
いた。圧縮成形では、上記硬質複合プラスチック材料の
板材と上記複合プラスチック材料の板材とを用意し、こ
れらの板材の接触面には、シランカップリング材等の活
性化処理を予め施しておく。次に金型表面温度を350
℃程度に加熱し、その中に硬質複合プラスチック材料と
複合プラスチック材料との板材を入れ、30分程度加熱
加圧し、2つの材料の板材を一体化して圧縮成形をす
る。その後、金型を水冷することにより毎分5℃の温度
勾配で冷却した。金型温度が50℃になったところで成
形品を取り出し、硬化後には、必要に応じて、摩擦接触
部5の固定体2との接触面を研磨し、平面度を確保し
た。
る圧縮成形について説明する。この場合には、前述した
硬質複合プラスチック材料を用い、複合プラスチック材
料は、ベース材料にポリエチレン共重合タイプのフッ素
樹脂を、充填材として炭素繊維、二硫化モリブデンを用
いた。圧縮成形では、上記硬質複合プラスチック材料の
板材と上記複合プラスチック材料の板材とを用意し、こ
れらの板材の接触面には、シランカップリング材等の活
性化処理を予め施しておく。次に金型表面温度を350
℃程度に加熱し、その中に硬質複合プラスチック材料と
複合プラスチック材料との板材を入れ、30分程度加熱
加圧し、2つの材料の板材を一体化して圧縮成形をす
る。その後、金型を水冷することにより毎分5℃の温度
勾配で冷却した。金型温度が50℃になったところで成
形品を取り出し、硬化後には、必要に応じて、摩擦接触
部5の固定体2との接触面を研磨し、平面度を確保し
た。
【0024】このようにして形成された移動体3を有す
る超音波モータ10を駆動させたところ、従来の超音波
モータ20と比較して騒音はほとんどなくなった。ま
た、駆動力の変動量も半減した。
る超音波モータ10を駆動させたところ、従来の超音波
モータ20と比較して騒音はほとんどなくなった。ま
た、駆動力の変動量も半減した。
【0025】表1は、硬質複合プラスチック材料および
複合プラスチック材料と、これらに含有する充填材との
関係を示したものである。Aとa,b,c、Bとa、C
とb,cの組み合わせのときに、駆動特性が特に良好で
あった。
複合プラスチック材料と、これらに含有する充填材との
関係を示したものである。Aとa,b,c、Bとa、C
とb,cの組み合わせのときに、駆動特性が特に良好で
あった。
【0026】
【表1】
【0027】以上、本発明による超音波モータとその製
造方法の一実施例について説明したが、本発明は、上述
した実施例に限定されることなく、その要旨を逸脱しな
い範囲内で種々の変形が可能である。例えば、超音波モ
ータ10は、略環状に形成したが、直線形状体であって
も良い。また、複合プラスチック材料と硬質複合プラス
チック材料との加熱または冷却時の温度,時間は、移動
体3の材質,大きさ,形状等に応じて異なり、実施例に
おいて開示した加熱または冷却時の温度,時間を限定す
るものではない。
造方法の一実施例について説明したが、本発明は、上述
した実施例に限定されることなく、その要旨を逸脱しな
い範囲内で種々の変形が可能である。例えば、超音波モ
ータ10は、略環状に形成したが、直線形状体であって
も良い。また、複合プラスチック材料と硬質複合プラス
チック材料との加熱または冷却時の温度,時間は、移動
体3の材質,大きさ,形状等に応じて異なり、実施例に
おいて開示した加熱または冷却時の温度,時間を限定す
るものではない。
【0028】
【発明の効果】本発明による超音波モータとその製造方
法によれば、移動体の固定体との摺動面が複合プラスチ
ック材料であるので、摩耗が少なく、良好な摺動特性を
確保し、長寿命化を図ることができる。また、その外側
が硬質複合プラスチック材料であるので、十分な機械的
強度を確保することができる。さらに、両者がプラスチ
ック材料であるので、熱膨張率の差が少なくなり環境変
化時のモータの特性の変化が少なく、広い温度環境範囲
において良好な特性を長時間安定して維持することがで
きる。さらには廃棄処理の問題がなくなる。また、圧縮
成形により接着剤等を用いずに複合プラスチック材料と
硬質複合プラスチック材料とを一体化させたので、接着
不良の問題がなくなり、騒音の発生をなくし、トルクの
変化を少なくすることができる。
法によれば、移動体の固定体との摺動面が複合プラスチ
ック材料であるので、摩耗が少なく、良好な摺動特性を
確保し、長寿命化を図ることができる。また、その外側
が硬質複合プラスチック材料であるので、十分な機械的
強度を確保することができる。さらに、両者がプラスチ
ック材料であるので、熱膨張率の差が少なくなり環境変
化時のモータの特性の変化が少なく、広い温度環境範囲
において良好な特性を長時間安定して維持することがで
きる。さらには廃棄処理の問題がなくなる。また、圧縮
成形により接着剤等を用いずに複合プラスチック材料と
硬質複合プラスチック材料とを一体化させたので、接着
不良の問題がなくなり、騒音の発生をなくし、トルクの
変化を少なくすることができる。
【図1】本発明による超音波モータの一実施例の構成を
示す要部断面図および外観斜視図である。
示す要部断面図および外観斜視図である。
【図2】2色成形機による移動体の異材質射出成形工程
を説明する図である。
を説明する図である。
【図3】従来の超音波モータの一例の構成を示す要部断
面図である。
面図である。
1 圧電体 2 固定体 3 移動体 4 動力伝達部 5 摩擦接触部 10 超音波モータ
Claims (4)
- 【請求項1】 圧接する固定体と移動体とから構成さ
れ、前記固定体に進行性振動波を発生させることによ
り、前記移動体が摩擦駆動される超音波モータにおい
て、 前記移動体は、 一体で形成された複合プラスチック材料と硬質複合プラ
スチック材料とからなり、前記複合プラスチック材料か
らなる部分が前記固定体と圧接されていることを特徴と
する超音波モータ。 - 【請求項2】 圧接する固定体と移動体とから構成さ
れ、前記固定体に進行性振動波を発生させることによ
り、前記移動体が摩擦駆動される超音波モータの製造方
法において、 複合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形した
後、硬質複合プラスチック材料を第2キャビティに射出
成形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程
を含むことを特徴とする超音波モータの製造方法。 - 【請求項3】 圧接する固定体と移動体とから構成さ
れ、前記固定体に進行性振動波を発生させることによ
り、前記移動体が摩擦駆動される超音波モータの製造方
法において、 硬質複合プラスチック材料を第1キャビティに射出成形
した後、複合プラスチック材料を第2キャビティに射出
成形して、前記移動体を一体形成する2色射出成形工程
を含むことを特徴とする超音波モータの製造方法。 - 【請求項4】 圧接する固定体と移動体とから構成さ
れ、前記固定体に進行性振動波を発生させることによ
り、前記移動体が摩擦駆動される超音波モータの製造方
法において、 複合プラスチック材料と硬質複合プラスチック材料とを
圧縮成形により一体化して前記移動体を形成する工程を
含むことを特徴とする超音波モータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252499A JPH0787763A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 超音波モータとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5252499A JPH0787763A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 超音波モータとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0787763A true JPH0787763A (ja) | 1995-03-31 |
Family
ID=17238228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5252499A Pending JPH0787763A (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 超音波モータとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0787763A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5856957A (en) * | 1996-10-04 | 1999-01-05 | Nikon Corporation | Magnetic field applying device |
US7315108B2 (en) * | 2005-03-30 | 2008-01-01 | Konica Minolta Opto, Inc. | Driving device |
-
1993
- 1993-09-14 JP JP5252499A patent/JPH0787763A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5856957A (en) * | 1996-10-04 | 1999-01-05 | Nikon Corporation | Magnetic field applying device |
US7315108B2 (en) * | 2005-03-30 | 2008-01-01 | Konica Minolta Opto, Inc. | Driving device |
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