JPH0787758B2 - 食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法 - Google Patents
食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法Info
- Publication number
- JPH0787758B2 JPH0787758B2 JP32715888A JP32715888A JPH0787758B2 JP H0787758 B2 JPH0787758 B2 JP H0787758B2 JP 32715888 A JP32715888 A JP 32715888A JP 32715888 A JP32715888 A JP 32715888A JP H0787758 B2 JPH0787758 B2 JP H0787758B2
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- microorganisms
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法に係
り、より具体的には、食品等を、不凍域に加圧して食品
等に存在する微生物を死滅もしくはその繁殖を抑制する
技術に関する。
り、より具体的には、食品等を、不凍域に加圧して食品
等に存在する微生物を死滅もしくはその繁殖を抑制する
技術に関する。
（従来の技術） 食品等に存在する微生物を死滅せしめる方法としては、
殺菌法として熱殺菌が食品衛生法に規定されているよう
に、これまで主として熱が多く用いられてきた。
殺菌法として熱殺菌が食品衛生法に規定されているよう
に、これまで主として熱が多く用いられてきた。
しかしながら、熱負荷は、同時に食品のもつビタミンな
どの栄養素ならびに風味を損なうという種々の問題点が
あった。
どの栄養素ならびに風味を損なうという種々の問題点が
あった。
そのため、近時、温度と同様の物理的状態変数である圧
力を食品等に作用せしめて殺菌を行う方法についての研
究開発が盛んになりつつある（加圧殺菌法）。
力を食品等に作用せしめて殺菌を行う方法についての研
究開発が盛んになりつつある（加圧殺菌法）。
すなわち、かかる加圧（高圧）殺菌法が可能であること
は、特開昭62−66862号公報に開示されており、その温
度域としては、工業的利用の見地から、作用圧力の低減
を計るという意味で、室温からプラス側の温度域での加
圧が考えられており、また現時点での研究開発の方向も
その方向、すなわちプラス側の温度を殺菌効果の増進に
利用する方向で進められようとしている。
は、特開昭62−66862号公報に開示されており、その温
度域としては、工業的利用の見地から、作用圧力の低減
を計るという意味で、室温からプラス側の温度域での加
圧が考えられており、また現時点での研究開発の方向も
その方向、すなわちプラス側の温度を殺菌効果の増進に
利用する方向で進められようとしている。
（発明が解決しようとする課題） しかしながら、前述した加圧（高圧）殺菌法にあって
は、プラス側での熱負荷であり、これでは熱殺菌と同様
に、食品のもつビタミンなどの栄養素を破壊し、また、
風味を損うおそれがあった。
は、プラス側での熱負荷であり、これでは熱殺菌と同様
に、食品のもつビタミンなどの栄養素を破壊し、また、
風味を損うおそれがあった。
本発明は、プラス側とは反対方向のマイナス側の温度域
での加圧によって、栄養素、風味を損うことなく同等以
上の殺菌を行わしめ、かつマイナス側温度域における水
の凍結にもとづく、組織的損傷を招くことなく、或は解
凍にともなうドリップの発生を招くことなく殺菌を行わ
しめようということを第１の目的とするものである。
での加圧によって、栄養素、風味を損うことなく同等以
上の殺菌を行わしめ、かつマイナス側温度域における水
の凍結にもとづく、組織的損傷を招くことなく、或は解
凍にともなうドリップの発生を招くことなく殺菌を行わ
しめようということを第１の目的とするものである。
又同時に、本発明はマイナス側温度域で、対象物を凍結
することなく殺菌し、かつ殺菌状態を維持して保蔵する
ことができる新しい保蔵方法を提出せんとすることを第
２の目的とするものでもある。
することなく殺菌し、かつ殺菌状態を維持して保蔵する
ことができる新しい保蔵方法を提出せんとすることを第
２の目的とするものでもある。
（課題を解決するための手段） 本発明は、食品等の対象物に圧力を作用させて微生物を
死滅若しくは微生物の繁殖を抑制する加圧殺菌方法にお
いて、前述の第１の目的を達成するために、次の技術的
手段を講じている。
死滅若しくは微生物の繁殖を抑制する加圧殺菌方法にお
いて、前述の第１の目的を達成するために、次の技術的
手段を講じている。
すなわち、本発明は、摂氏零度若しくはこれ以下の温度
域でかつ水の状態図における凍結（固相）領域に入るこ
とのない不凍域で加圧することを特徴とするものであ
る。
域でかつ水の状態図における凍結（固相）領域に入るこ
とのない不凍域で加圧することを特徴とするものであ
る。
更に、本発明は、食品等の対象物に圧力を作用させて微
生物を死滅若しくは微生物の繁殖を抑制した状態で保蔵
する方法において、前述の第２の目的を達成するため
に、次の技術的手段を講じている。
生物を死滅若しくは微生物の繁殖を抑制した状態で保蔵
する方法において、前述の第２の目的を達成するため
に、次の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明は、摂氏零度若しくはこれ以下の温度
域でかつ水の状態図における凍結（固相）領域に入るこ
とのない不凍域で加圧して殺菌する工程と、この殺菌状
態を維持したままで保蔵する工程となることを特徴とす
るものである。
域でかつ水の状態図における凍結（固相）領域に入るこ
とのない不凍域で加圧して殺菌する工程と、この殺菌状
態を維持したままで保蔵する工程となることを特徴とす
るものである。
（実施例と作用） 第１図に示す高圧実験装置１において、圧力容器２には
圧媒３が満たされている。圧媒３は油圧シリンダ５で駆
動されるピストン４によって加圧されるとともに、加熱
冷却用ブロック８およびスターラ９を備えた恒温槽７に
よって所定温度に保たれる。
圧媒３が満たされている。圧媒３は油圧シリンダ５で駆
動されるピストン４によって加圧されるとともに、加熱
冷却用ブロック８およびスターラ９を備えた恒温槽７に
よって所定温度に保たれる。
圧媒３の圧力は油圧計６の出力を換算して得ることがで
き、温度は温度センサ10の出力から得ることができる。
本発明に用いる圧媒としては、温度および圧力に応じて
凍結しないものを選択する必要があり、水、油などを適
宜用いることができる。
き、温度は温度センサ10の出力から得ることができる。
本発明に用いる圧媒としては、温度および圧力に応じて
凍結しないものを選択する必要があり、水、油などを適
宜用いることができる。
第２図はポリエチレンの袋11にマグロの切り身12を脱気
密封（破線部）したものを示しており、圧力容器２内の
圧媒３中に浸漬して所定の温度、圧力を作用させること
ができる。
密封（破線部）したものを示しており、圧力容器２内の
圧媒３中に浸漬して所定の温度、圧力を作用させること
ができる。
対象物としてマグロの切り身を用い、第３図に示す水の
状態図中の経路「イ」により、摂氏零度もしくはこれ以
下の温度域での加圧実験を行い、一般生菌数の変化を調
べた。また、第４図は、摂氏温度−10℃、20℃、50℃に
於いて夫々圧力を５分間負荷した場合の、圧力と生残率
との関係（所定圧力負荷時の生残率）を示したものであ
る。
状態図中の経路「イ」により、摂氏零度もしくはこれ以
下の温度域での加圧実験を行い、一般生菌数の変化を調
べた。また、第４図は、摂氏温度−10℃、20℃、50℃に
於いて夫々圧力を５分間負荷した場合の、圧力と生残率
との関係（所定圧力負荷時の生残率）を示したものであ
る。
以上の第３図、第４図により、マイナス側の温度域にお
いては、室温（20℃）からプラス側にもっていった場合
（50℃）と同等もしくはそれ以上の殺菌効果が期待出来
ることが明らかである。
いては、室温（20℃）からプラス側にもっていった場合
（50℃）と同等もしくはそれ以上の殺菌効果が期待出来
ることが明らかである。
しかしながら、前記経路「イ」では、対象物が凍結する
ため、解凍にともなうドリップの発生が避けられず、こ
れにより、温度変化に伴う組織破壊を招くこともある。
そこで、本発明者は新たにマイナス側温度域で凍結域に
入らない経路「ロ」による実験を行った。
ため、解凍にともなうドリップの発生が避けられず、こ
れにより、温度変化に伴う組織破壊を招くこともある。
そこで、本発明者は新たにマイナス側温度域で凍結域に
入らない経路「ロ」による実験を行った。
その結果、一般生菌の生残率に於て、経路「イ」による
ものと実質的な差はなく、さらにマイナス側温度域から
プラス側温度域に転じた場合の経路「イ」におけるよう
なドリップの発生も認められなかった。
ものと実質的な差はなく、さらにマイナス側温度域から
プラス側温度域に転じた場合の経路「イ」におけるよう
なドリップの発生も認められなかった。
また、両経路のものを10名のパネラーによる食感評価に
供した結果は、パネラー全員が、経路「ロ」によるもの
が経路「イ」によるものを食感的に上まわると評価し
た。
供した結果は、パネラー全員が、経路「ロ」によるもの
が経路「イ」によるものを食感的に上まわると評価し
た。
このような結果は、経路「ロ」によるものが、基本的に
水の凍結域を通過しない温度圧力負荷操作によるもので
あることは証明するまでもないことである。
水の凍結域を通過しない温度圧力負荷操作によるもので
あることは証明するまでもないことである。
ここで、本発明における不凍域加圧とは、第３図斜線部
の領域への加圧をいい、摂氏零度もしくはそれ以下でか
つ凍結領域（固相Ｉ、IV、Ｖの領域）に入らぬ経路での
温度圧力負荷操作を指し、最低到達可能温度は2400kgf/
cm2で、摂氏−21℃である。
の領域への加圧をいい、摂氏零度もしくはそれ以下でか
つ凍結領域（固相Ｉ、IV、Ｖの領域）に入らぬ経路での
温度圧力負荷操作を指し、最低到達可能温度は2400kgf/
cm2で、摂氏−21℃である。
なお、マグロの切り身に対する不凍域加圧実験におい
て、200kgf/cm2を越えた場合、色調の変化を生じ、すな
わち、赤身が淡い色調に変化し、従って色調が問題とな
ることもある。そこでかかる対象物については、加圧力
を200kgf/cm2未満にとどめることが望ましいとの知見を
得た。この点についてはブタ肉、鶏肉のような畜肉にお
いても同様の結果が得られた。
て、200kgf/cm2を越えた場合、色調の変化を生じ、すな
わち、赤身が淡い色調に変化し、従って色調が問題とな
ることもある。そこでかかる対象物については、加圧力
を200kgf/cm2未満にとどめることが望ましいとの知見を
得た。この点についてはブタ肉、鶏肉のような畜肉にお
いても同様の結果が得られた。
次に、この不凍域加圧の有効性を異なる角度から実証す
るものとして、とうふの摂氏−10℃、1500kgf/cm2下で
の保蔵を連続20日間試みた。
るものとして、とうふの摂氏−10℃、1500kgf/cm2下で
の保蔵を連続20日間試みた。
又、同時に対象として、摂氏−10℃での凍結保蔵および
５℃での冷蔵保蔵（いづれも常圧）を行った。
５℃での冷蔵保蔵（いづれも常圧）を行った。
結果は表１に示す通りであり、−10℃で凍結保蔵したと
うふは解凍時に品質が著しく損われ、とうふとしての味
覚をもたず、又冷蔵保蔵したとうふは５日目ですでにわ
ずかの腐敗様の変質が認められ、20日目では完全に腐敗
した。
うふは解凍時に品質が著しく損われ、とうふとしての味
覚をもたず、又冷蔵保蔵したとうふは５日目ですでにわ
ずかの腐敗様の変質が認められ、20日目では完全に腐敗
した。
これに対して、本発明では、不凍域加圧のとうふは品
質、風味とも良好で、殺菌作用とマイナス側不凍域での
保持との相乗効果により、従来にない秀れた保蔵法とな
りうることが明らかとなった。
質、風味とも良好で、殺菌作用とマイナス側不凍域での
保持との相乗効果により、従来にない秀れた保蔵法とな
りうることが明らかとなった。
なお、このような保蔵に関しては、必ずしも1000kgf/cm
2を越える高圧域のみでなく、微生物の繁殖が抑制でき
る温度域でかつ不凍域（すなわち圧力域としては1000kg
f/cm2以下の比較的低い圧力域）であっても有効である
ことはいうまでもない。
2を越える高圧域のみでなく、微生物の繁殖が抑制でき
る温度域でかつ不凍域（すなわち圧力域としては1000kg
f/cm2以下の比較的低い圧力域）であっても有効である
ことはいうまでもない。
（発明の効果） 以上述べたように本発明によるマイナス側、不凍域加圧
は、高い殺菌促進効果をもち、かつ水の凍結にもとづく
組織的損傷、或いは解凍にともなうドリップの発生もな
く、さらには常圧下では不可能な食品のマイナス側温度
域での長期保蔵を可能とし、もって従来にない秀れた殺
菌ならびに保蔵方法を提供し、食品流通等食料に大なる
貢献をもたらすものである。
は、高い殺菌促進効果をもち、かつ水の凍結にもとづく
組織的損傷、或いは解凍にともなうドリップの発生もな
く、さらには常圧下では不可能な食品のマイナス側温度
域での長期保蔵を可能とし、もって従来にない秀れた殺
菌ならびに保蔵方法を提供し、食品流通等食料に大なる
貢献をもたらすものである。
第１図は本発明を実施する高圧実験装置を示す断面図、
第２図は本発明の対象物一例の正面図、第３図は水の状
態図における圧力と温度の関係を示す図、第４図は圧力
と正残率とを各温度域で示す図である。
第２図は本発明の対象物一例の正面図、第３図は水の状
態図における圧力と温度の関係を示す図、第４図は圧力
と正残率とを各温度域で示す図である。
Claims (2)
- 【請求項１】食品等の対象物に圧力を作用させて微生物
を死滅若しくは微生物の繁殖を抑制する加圧殺菌方法に
おいて、 摂氏零度若しくはこれ以下の温度域でかつ水の状態図に
おける凍結（固相）領域に入ることのない不凍域で加圧
することを特徴とする食品等の加圧殺菌方法。 - 【請求項２】食品等の対象物に圧力を作用させて微生物
を死滅若しくは微生物の繁殖を抑制した状態で保蔵する
方法において、 摂氏零度若しくはこれ以下の温度域でかつ水の状態図に
おける凍結（固相）領域に入ることのない不凍域で加圧
して殺菌する殺菌工程と、この殺菌状態を維持したまま
で保蔵する保蔵工程とからなることを特徴とする食品等
の保蔵方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32715888A JPH0787758B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32715888A JPH0787758B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02171172A JPH02171172A (ja) | 1990-07-02 |
| JPH0787758B2 true JPH0787758B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=18195957
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32715888A Expired - Fee Related JPH0787758B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 食品等の加圧殺菌方法並びに保蔵方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0787758B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0813258B2 (ja) * | 1989-01-13 | 1996-02-14 | マルハ株式会社 | 食品の殺菌法 |
| US5228394A (en) * | 1990-11-02 | 1993-07-20 | Kabushiki Kaisha Kobeseikosho | Processing apparatus for food materials |
| US6033701A (en) * | 1994-12-06 | 2000-03-07 | Hirsch; Gerald Phillip | Hydraulic pressure sterilization and preservation of foodstuff and feedstuff |
| US5593714A (en) * | 1994-12-06 | 1997-01-14 | Hirsch; Gerald P. | Method of pressure preservation of food products |
| JP5203676B2 (ja) * | 2007-11-05 | 2013-06-05 | 株式会社神戸製鋼所 | 高圧処理装置及びその圧力測定方法 |
| JP6590184B2 (ja) * | 2015-04-15 | 2019-10-16 | 恒男 芝 | 加圧解凍殺菌法 |
| RU198359U1 (ru) * | 2020-02-27 | 2020-07-02 | АКЦИОНЕРНОЕ ОБЩЕСТВО "КОНЦЕРН "МОРСКОЕ ПОДВОДНОЕ ОРУЖИЕ - ГИДРОПРИБОР" (АО "Концерн "МПО-Гидроприбор") | Устройство для гидростатического прессования |
| RU202496U1 (ru) * | 2020-07-27 | 2021-02-19 | АКЦИОНЕРНОЕ ОБЩЕСТВО "КОНЦЕРН "МОРСКОЕ ПОДВОДНОЕ ОРУЖИЕ - ГИДРОПРИБОР" (АО "Концерн "МПО-Гидроприбор") | Устройство для гидростатического прессования |
| RU202498U1 (ru) * | 2020-08-18 | 2021-02-19 | АКЦИОНЕРНОЕ ОБЩЕСТВО "КОНЦЕРН "МОРСКОЕ ПОДВОДНОЕ ОРУЖИЕ - ГИДРОПРИБОР" (АО "Концерн "МПО-Гидроприбор") | Устройство для изостатического прессования |
-
1988
- 1988-12-22 JP JP32715888A patent/JPH0787758B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02171172A (ja) | 1990-07-02 |
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Legal Events
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