JPH0787596A - 音場処理装置及び音場再生装置 - Google Patents

音場処理装置及び音場再生装置

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JPH0787596A
JPH0787596A JP5224580A JP22458093A JPH0787596A JP H0787596 A JPH0787596 A JP H0787596A JP 5224580 A JP5224580 A JP 5224580A JP 22458093 A JP22458093 A JP 22458093A JP H0787596 A JPH0787596 A JP H0787596A
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JP
Japan
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signal
sound
sound field
phase
output terminal
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JP5224580A
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English (en)
Inventor
Joji Kasai
讓治 笠井
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Onkyo Corp
Original Assignee
Onkyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音源に応じて広がり感のある又は自然な音場
を創り出すことのできる音場処理装置又は音場再生装置
の提供を目的とする。 【構成】 入力端子LI3への入力信号は、出力端子L
O3への出力信号と減算回路SU3への入力信号に分岐
する。減算回路SU3への入力信号から、入力端子RI
3に入力、分岐して減算回路SU3に入力された信号を
減じる。減じた信号は伝達回路T3に入力され、位相差
あるいは到達時間差により音源の位置を認識することが
可能な周波数成分のみが取り出され、音の再生時に人間
が認識する位相遅れ分の位相遅延が行なわれる。位相遅
延後の信号は、係数乗算器K4で位相が反転された後、
加算回路AD4により入力端子RO3に入力された信号
と混合され出力端子RO3に出力される。出力端子LO
3には入力端子LI3に入力された信号が出力されてい
る。出力端子LO3には入力された信号、出力端子RO
3には逆位相で遅延された信号が出力されているので、
音源を接続して再生すると、位相遅延が認識出来なくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音場処理装置及び音場再
生装置に関し、特に音源の位置認識の適正化に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人間は音を聞くと、どの方向に
音源があるかを感覚的に認識する。この場合の音源の位
置についての認識は主観的なものであり、個人によって
若干異なる。このような、人間の音源の位置認識は、左
右の耳における音のエネルギー差(音の大小の差)や音
の位相差(音の耳への到達時間の差)を感じる取ること
による。
【0003】以下に、従来の音場再生装置において左右
の耳における音の位相差に基づき、人間が音源の位置を
認識するメカニズムの概要を説明する。ここでは、図1
3に示すように、音源として左スピーカー56及び右ス
ピーカー55を配置した音場再生装置を用いる。なお、
左スピーカー56のみから音を発し、中央に位置する人
間が音源の位置を認識する場合を考える。
【0004】通常、人間の左耳と右耳の間には間隔DF
(約22〜23Cm程度)が開いている。左スピーカー
56から発せられた音は、まず人間の左側の耳46に到
達し、少し遅れて右側の耳45に到達する(いわゆる反
対耳クロストークを起こす)。人間は、左側の耳46と
右側の耳45間に生じる音の到達時間の差を感知し、こ
の到達時間の差に基づき音を発した音源(左スピーカー
56)は左側に位置することを認識する。
【0005】さらに、人間が音源の位置を認識するメカ
ニズムの詳細を説明する。上記で説明した左側の耳46
と右側の耳45間に生じる音の到達時間の差(いわゆる
位相遅れ量)を計算によって算出する。ここで、距離差
d(図13参照)は一般に次式で表わされる。
【0006】
【数1】
【0007】また、音の周波数を仮にf[Hz]、音の
速度が340m/secとすると、音の波長は340/
f(m)と算出される。これより、距離差dに対する位
相遅れ量φ(deg)は次式で求められる。但し、36
0(deg)を用いる。
【0008】
【数2】
【0009】式(2)より、位相遅れ量φ(deg)は
以下の通りである。
【0010】
【数3】
【0011】式(3)に式(1)を代入すると次式のよ
うになる。
【0012】
【数4】
【0013】さらに、式(4)に具体的な数値を代入す
ることで、位相遅れ量φ(deg)を算出することがで
きる。
【0014】上記の式を用いることで左側の耳46と右
側の耳45の間に生じる音の到達時間の差(位相遅れ
量)を容易に算出することができる。このように、位相
遅れ量については、計算によっても算出することが可能
である。
【0015】また、上記では、左スピーカー56から発
せられた音について説明したが、右スピーカー55から
音が発せられた場合についても上記と同様に音源の位置
を認識することができる。
【0016】ところで、算出される位相遅れ量は、スピ
ーカー等の音源から発せられる音の周波数が一定範囲内
の場合に限定される。例えば、図13の左スピーカー5
6から低い周波数(周波数100Hz)の音が再生され
た場合について説明する。音の速度は340m/sec
であるから、この音の波長は、340/f(m)という
式から3.4mと算出される。ここで、左側の耳46と
右側の耳45の間隔DF約22〜23Cm程度である。
このような間隔DFでは3.4mの波長の位相遅れを認
識することができない。
【0017】一方、高い周波数(数キロHz以上)の場
合は、340/f(m)から算出される波長が短すぎて
音の位相遅れを認識しようとする間に次の音が耳に達し
てしまう。つまり、人間は数百Hzから約1.5KHz
程度の帯域において確実に音源を認識することできる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
音場処理装置及び音場再生装置には以下の問題があっ
た。
【0019】人間の認識する音源の位置は実際に音源の
おかれた位置によって決定され、これを電気的に変更す
ることができなかった。また、音場処理装置にヘッドフ
ォンを接続して音場再生装置として用いた場合には、音
源としてのヘッドフォンによる音像は通常、耳の真横に
あると認識される。したがって、ヘッドフォンを用いて
音を聞く限り、常に音像は真横にあると認識され、不自
然である。
【0020】そこで、本発明は 音源に応じて広がり感
のある又は自然な音場を創り出すことのできる音場処理
装置又は音場再生装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の音場処理手段
は、第一チャネルの第一信号が入力される第一入力端
子、第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端
子、第一入力端子及び第二入力端子から第一信号及び第
二信号を受け、第一信号から第二信号を減じる演算を行
なう信号演算手段、信号演算手段からの信号を受けて、
以下の周波数特性に近似する周波数特性を有する位相遅
れを生じさせる位相遅れ手段、位相遅れ手段の出力を増
幅し、同相にして出力する第一増幅手段、位相遅れ手段
の出力を増幅し、反転させて出力する第二増幅手段、第
一入力端子からの第一信号と第一増幅手段からの信号を
混合し、第一出力端子に出力する第一混合手段、第二入
力端子からの第二信号と第二増幅手段からの信号を混合
し、第二出力端子に出力する第二混合手段、を備えたこ
とを特徴とする音場処理装置、ここで、位相遅れφは以
下の式で表わされる、 φ=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
の角度であることを特徴としている。
【0022】請求項2の音場処理装置は、請求項1の音
場処理装置において、位相遅れ手段よりも前段階に位相
差あるいは到達時間差によって音源の位置を認識するこ
とが可能な周波数成分のみを通過させるバンドパスフィ
ルターを設けたことを特徴としている。
【0023】請求項3の音場処理装置は、請求項2に係
る音場処理装置において、前記バンドパスフィルターの
通過可能周波数を約100Hz以上から約50,000
Hz程度としたことを特徴としている。
【0024】請求項4の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において、第一
出力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピーカー
を接続したことを特徴としている。
【0025】請求項5の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において、第一
出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続したこ
とを特徴としている。
【0026】請求項6の音場再生装置は、請求項4及び
請求項5に係る音場処理装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段による出力を同相又は反転のいずれかに
切り換え可能としたことを特徴としている。
【0027】
【作用】請求項1に係る音場処理装置は、複数の音源を
接続して音を再生する際、一方の音源から発せられた音
が一方の耳に達した後に若干遅れて他方の耳に達する際
に、他方の耳に達しようとする音と同じ音で逆位相の音
を位相遅れ手段を用いて創り他方の音源から他方の耳に
対して発する。したがって、一方の音源から発せられた
音が他方の耳に到達する際に生じる反対耳クロストーク
が、逆位相の信号により大幅に減少され、実際の音源か
らの音よりも拡がりのある音場を認識させることができ
る。つまり、広がり感のある音場を提供することが可能
となる。
【0028】請求項2及び請求項3に係る音場処理装置
においては、請求項1の音場処理装置において位相遅れ
手段よりも前段階に位相差あるいは到達時間差によって
音源の位置を認識することが可能な周波数成分のみを通
過させるバンドパスフィルターを設け、バンドパスフィ
ルターの通過可能周波数を約100Hz以上から約5
0,000Hz程度としている。したがって、音源の位
置を認識することが可能な周波数成分のみについて位相
の遅れを生じさせることができる。
【0029】請求項4の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において第一出
力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピーカーを
接続している。したがって、スピーカーを音源として実
現することができる。
【0030】請求項5の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において、第一
出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続してい
る。したがって、ヘッドフォンを音源として実現するこ
とができる。
【0031】請求項6の音場再生装置は、請求項4及び
請求項5に係る音場処理装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段による出力を同相又は反転のいずれかに
切り換え可能としている。したがって、スピーカー又は
ヘッドフォンから発せられる音の位相を任意に同相又は
逆相に切り換えることができる。
【0032】
【実施例】図1に、本発明に係る音場処理装置の動作概
要を説明するため、音場処理装置500を掲げる。ま
ず、この音場処理装置500に基づき、音場処理装置の
動作概要を説明する。
【0033】音場処理装置500は、第一入力端子であ
る入力端子LI2、第二入力端子としてのRI2、位相
遅れ手段でありバンドパスフィルター部及び位相遅れ回
路から構成されている伝達回路T1、T2、第一増幅手
段及び第二増幅手段である係数乗算器K1、K2、第一
混合手段である加算回路AD1及び第二混合手段として
の加算回路AD2及び第一出力端子である出力端子LO
2、出力端子RO2から構成されている。
【0034】次に、音場処理装置500の入力端子LI
2及び入力端子RI2各々に信号が入力されたと仮定し
て以後の処理について説明する。図2Aに入力端子RI
2に入力される信号RS2の成分を示し、図2Bに入力
端子LI2に入力される信号LS2の成分を示す。 入
力端子RI2及び入力端子LI2に入力された信号RS
2及び信号LS2は、そのまま各々の側の出力端子に出
力される信号RS2と、伝達回路T1、T2のバンドパ
スフィルター部に入力する信号RS3及び信号LS3と
に分岐する。なお、説明の便宜上、入力端子RI2に入
力された信号RS2に注目して説明する。
【0035】伝達回路T2のバンドパスフィルター部は
入力した信号RS2信号の内、位相差あるいは到達時間
差によって音源の位置を認識することが可能な周波数成
分のみを通過させる。例えば100Hz以上50、00
0Hz程度間の信号RS3の周波数成分だけを通過させ
る。信号RS3の上記周波数成分は、伝達回路T2の位
相遅れ手段に入力し、位相遅れ手段は入力した信号RS
3の位相を所定分だけ遅れさせる。この位相遅れは式
(4)で示すように、位相遅れφ(deg)=(360/
340)f・DF・sinθ(図13参照)で表わされ
る。例えば、ある周波数での位相遅れが120度であっ
たとすると、信号RS3の位相を120度遅延させる。
このようにして遅延させた信号RS4の一例を図2Cに
掲げる。
【0036】次に、位相遅延後の信号RS4は係数乗算
器K2において位相の反転が行なわれる。位相反転後の
信号RS5を図2Eに示す。位相反転後の信号RS5は
加算回路AD1に入力され、ここで入力端子LI2に入
力された信号LS2と混合される。こうして、信号RS
5と信号LS2が混合された出力信号MLS4が出力端
子LO2に出力される。一方、入力端子LI2に入力さ
れた信号LS2も上記と同様に、分岐し信号LS3とし
て伝達回路T1のバンドパスフィルター部に入力して上
記周波数内の信号LS3のみが通過する。伝達回路T1
のバンドパスフィルター部を通過した信号LS3は、伝
達回路T1の位相遅れ手段に入力する。伝達回路T1の
位相遅れ手段は入力した信号LS3の位相をその周波数
での位相遅れ分だけ遅延させる。例えば位相遅れが21
0度であったとすると、伝達回路T1の位相遅れ手段は
信号LS3の位相を210だけ遅延させる。図2Dに遅
延後の信号LS4を掲げる。
【0037】位相遅延後の信号LS4は係数乗算器K1
で位相の反転が行なわれる。位相反転後の信号LS5を
図2Fに示す。位相反転が行なわれた後の信号LS5は
加算回路AD2に入力される。加算回路AD2では、位
相反転後の信号LS5と入力端子RI2に入力された信
号RS2が混合され、出力端子RO2に出力信号MRS
4が出力される。
【0038】次に、上述の音場処理装置500に音源と
してスピーカーを接続し、音場再生装置として用いる場
合の動作を説明する。図1の音場処理装置500にスピ
ーカーを接続して構成した音場再生装置を図3に示す。
この音場再生装置は、音場処理装置500の出力端子R
O2には接続線65を介して右スピーカー55、出力端
子LO2には接続線66を介して左スピーカー56が接
続されている。このような音場再生装置において出力端
子RO2、LO2に出力された信号を再生する場合を考
える。説明の便宜上、ここでは、出力端子RO2に出力
された出力信号MRS4に含まれた信号RS2に注目し
て説明する。
【0039】出力端子RO2に出力された出力信号MR
S4は信号RS2と信号LS5から構成されており、接
続線65を通じて右スピーカー55によって再生される
(図3)。再生された出力信号MRS4に含まれた信号
RS2は、音V45として人間10の右耳45に到達す
る。また、右スピーカー55によって再生された信号R
S2は、音V45から上記の式(4)で示した位相遅れ
(例えば120度)だけ遅れ、音V46として左耳46
に到達しようとする。
【0040】次に、音場処理装置500の出力端子LO
2に出力された出力信号MLS4に含まれた信号RS5
に注目する。信号RS5は、信号RS2の位相を式(4)
で求めた分遅延させ、さらに位相を反転させた信号であ
る(図2E)。右スピーカー55によって出力信号MR
S4が再生されると同時に、出力端子LO2に出力され
た出力信号MLS4が接続線66を通じて左スピーカー
56において再生される(図3)。再生された出力信号
MLS4に含まれた信号RS5は音V86として人間1
0の左耳45に到達する。なお、音V86の左耳46へ
の到達タイミングは、音V46が左耳46に到達するタ
イミングとほぼ同時である。したがって、音V46(図
2A)は位相が反転された音V86(図2E)によって
反対耳クロストークが大幅に減少される。
【0041】こうして、音V46による反対耳クロスト
ークは音V86によって大幅に減少され、人間10は主
に音V45だけを右耳45で聞くことになる。これによ
り、本来、反対耳クロストークにより左耳46でも認識
する筈の音V46を認識することが殆どなく、音V45
は実際の右スピーカー55の位置よりも外側で再生され
ていると認識させることができる。したがって、広がり
感のある音場を認識することが可能となり、自然な音場
を創り出すことが可能となる。
【0042】すなわち、右スピーカー55で再生された
音V46が左耳46に達する際、音場処理装置500を
用いて音V46と同じ音で逆位相の音を創り出し、左ス
ピーカー56から左耳46に対して発する。この逆位相
の音を反対側、つまり左スピーカー56から左耳46に
発することで音V46は殆ど左耳46に達することがな
い。したがって、右スピーカー55で再生された音V4
6が左耳46に達する際に起こる反対耳クロストークを
殆どなくし、実際の音源(スピーカー)の位置よりも外
側から音が発せられていると認識させるようにする。な
お、出力端子LO2に出力された出力信号MLS4に含
まれた信号LS2に基づき左スピーカー56から発せら
れる音も、右スピーカー55の場合と同様の動作が行な
われ、実際の左スピーカー56の位置よりも外側で音が
再されていると認識させることができ、広がり感のある
音場を認識することが可能で、自然な音場を創り出すこ
とが可能となる。
【0043】上記で説明した音場処理装置500(図
1)の出力端子RO2及びLO2にヘッドフォンを接続
した音場再生装置の動作を説明する。ヘッドフォンHP
50はヘッドフォンの右側スピーカーHPR50と左側
スピーカーHPL50から構成されており接続線65及
び接続線66を介して出力端子RO2及びLO2に接続
されている(図4)。音場処理装置500(図1)の出
力端子RO2及びLO2に接続されたヘッドフォンHP
50を人間10が装着して音楽を聴いている場合の平面
図を図4に示す。
【0044】次に、ヘッドフォンHP50で出力信号M
RS4及び出力信号MLS4を再生する場合を説明す
る。ここでは、出力信号MRS4に含まれている信号R
S2に注目する。上述のように、出力信号MRS4は信
号RS2と信号LS5から構成されており、信号RS2
を含んだ出力信号MRS4は接続線65を介してヘッド
フォン右側スピーカーHPR50において再生される。
この時、ヘッドフォン右側スピーカーHPR50におい
ては、閉塞された音場が形成されるので、通常のスピー
カーでの再生の場合とは異なり左右の耳で位相遅れを認
識することができない。
【0045】一方、出力端子LSO2には信号LS2と
信号RS5から構成された出力信号MLS4が出力され
ている。この信号RS5を含んだ出力信号MLS4は接
続線66を介してヘッドフォン左側スピーカーHPL5
0において再生される。なお、ここでの再生はヘッドフ
ォン右側スピーカーHPR50での再生と同時に行なわ
れる。ヘッドフォン左側スピーカーHPL50において
再生された信号RS5は、信号RS2の位相を120度
遅延させ、さらに反転させた信号である(図2E参
照)。
【0046】すなわち、ヘッドフォン左側スピーカーH
PL50での再生とヘッドフォン右側スピーカーHPR
50での再生が同時に行なわれても、ヘッドフォン左側
スピーカーHPL50での信号RS5の位相はヘッドフ
ォン右側スピーカーHPR50より120度遅れること
になる。したがって、本音場再生装置を用いて信号RS
2の再生を行なうと、従来のヘッドフォンでは認識する
ことが出来なかった位相遅れを認識することができる。
このことから、ヘッドフォンによる音像を前方寄りに認
識することが可能となり、自然な音場を創り出すことが
可能となる。
【0047】なお、出力信号MLS4に含まれた信号L
S2に基づきヘッドフォン左側スピーカーHPL50で
の再生もヘッドフォン右側スピーカーHPR50の場合
と同様の動作が行なわれ、従来認識することが出来なか
った位相遅れを認識することができ、ヘッドフォンの音
像を真横ではなく前方寄りに認識することが可能とな
り、自然な音場を創り出すことが可能となる。
【0048】次に、本発明に係る音場処理装置の一実施
例を図5に掲げて説明する。図5に示す音場処理装置6
00は、入力端子LI3、RI3、信号演算手段である
減算回路SU3、バンドパスフィルター及び位相遅れ手
段から構成された伝達回路T3、係数乗算器K3、K
4、加算回路AD3、AD4及び出力端子LO3、RO
3から構成されている。
【0049】この音場処理装置600の動作を以下に説
明する。本実施例において、出力端子RO3に出力され
る電圧は次式で表わされる。
【0050】
【数5】
【0051】また、出力端子LO3に出力される電圧は
下式の通りである。ただし、入力端子RI3での入力電
圧はeR、入力端子LI3での入力電圧はeL、位相遅
れ手段及びバンドパスフィルターと増幅手段との関係は
|KT|<1とする。ここで、係数Kはマイナス又はプ
ラスの何れかの値である。
【0052】
【数6】
【0053】式(5)、(6)から明らかなように、本実施例
における音場処理装置600の動作は図1の音場処理装
置500とほぼ同様である。すなわち、例えば出力端子
LO3に出力される電圧は、同じ側の入力端子での入力
電圧(eL)と反対側の入力電圧(eR)との差を求め
た後、伝達関数KTを乗じたものに、入力電圧(eL)
を加えた値であり、出力端子RO3に出力される電圧も
上記と同様に求められた値である。したがって、音場処
理装置600において生じる反対耳クロストークは、音
場処理装置500での反対耳クロストークと比べると若
干多く残存する。 しかし、音場処理装置600を用い
てスピーカーから音を発する場合、音場処理装置500
を用いた場合に比べて実質的に位相差が大きくなり、レ
ベルが減少する。したがって、実際のスピーカーの位置
よりも外側で音が再されていると認識させることがで
き、広がり感のある音場を認識することが可能で、自然
な音場を創り出すことが可能となる。なお、音場処理装
置500は二つの位相遅れ手段(伝達回路T1及びT
2)を必要とするのに対し、本発明に係る音場処理装置
600は一つの位相遅れ手段(伝達回路T3)を用い
て、同様の動作を実現しているので構造が簡易で済む。
また、伝達回路T3のみを用いているので、伝達回路間
(伝達回路T1及びT2)で生じる位相のずれが生じる
ことがない。
【0054】図5に示した音場処理装置600を実現す
る回路構成を図6に示す。この音場処理装置600は、
複数の抵抗器(R10からR23まで)、オペアンプO
A60、OA61、OA70及びOA71、伝達回路T
3から構成されている。なお、抵抗器R14、R15、
R21及びR22には各々切り換えスイッチSW10、
SW11、SW12及びSW13が接続されている。こ
れらの切り換えスイッチには、“1”、“2”及び
“3”の位置が設定されており、“2”の位置はOFF
を意味する。なお、“1”及び“3”については後述す
る。
【0055】次に、音場処理装置600内の伝達回路T
3の回路構成図を図7に掲げる。図7において、回路B
PF10はバンドパスフィルターとして機能し、回路P
S1からPSnまでのn個の回路はフェーズシフター
(位相遅れ手段)として機能する。バンドパスフィルタ
ーBPF10は、複数のキャパシタC41、C42、C
43及びC44、複数の抵抗器R41、R42、R43
及びR44及びオペアンプOA40から構成されてい
る。
【0056】次に、図7に示すフェーズシフターPS1
について説明する。ここで、フェーズシフターPS1は
全域通過フィルターを用いている。全域通過フィルター
とは、どの帯域の周波数範囲でも信号の振幅特性が変化
しないフィルタであって、周波数の変化に応じて位相シ
フト又は遅延を生じさせるものをいう。
【0057】図8にフェーズシフターPS1を掲げ構成
を説明する。フェーズシフターPS1は、入力端子TI
1、出力端子TO1、複数の抵抗(抵抗器R1、R2、
R3、R4及びR5)、複数のキャパシタ(C1、C2
及びC3)及びオペアンプOAP1から構成されてい
る。
【0058】このように構成されたフェーズシフターP
S1の機能詳細を以下に説明する。まず、フェーズシフ
ターPS1が全域通過フィルタとしての動作するかを数
式によって確認する。ここで、数式展開を容易にする
為、図7に示す回路の一部を次のインピーダンス部に置
き換える。図7のキャパシタC1及び抵抗器R1をイン
ピーダンス部Z1、また並列に接続された抵抗器R2と
キャパシタC2をインピーダンス部Z2、さらに抵抗器
R3とキャパシタC3をインピーダンス部Z3とする。
このような置き換えを行なった行なった後のフェーズシ
フターPS1の回路図を図9に掲げる。なお、全域通過
フィルタとしての動作が行なわれているか否かは、振幅
特性|vo/es|が常に1であり周波数によって減衰
しないことから判断する。
【0059】ここでは、各部を以下の条件式を満足する
値に設定する。R2=K1R1、R3=K2R1、R5
={K1(1+K2)/4K2}R4、C2=C1/K
1、C3=C1/K2、K2>1でありK1>0。
【0060】次に、図8及び図9よりオペアンプOAP
1の入力側の電圧v1を次式から算出する。
【0061】
【数7】
【0062】
【数8】
【0063】ここで、式(7)と式(8)は等しいので、伝達
関数vo/esは下式で表わされる。
【0064】
【数9】
【0065】また、インピーダンス部Z1、Z2及びZ
3は次式で表わされる。
【0066】
【数10】
【0067】
【数11】
【0068】
【数12】
【0069】この式(10)、式(11)及び式(12)に対し
て、上記の条件のうちR2=K1R1、C2=C1/K
1、R3=K2R1を代入すると下式のようになる。
【0070】
【数13】
【0071】
【数14】
【0072】
【数15】
【0073】式(13)、式(14)及び式(15)を式(9)に代入
する為、整理すると次式の通りである。
【0074】
【数16】
【0075】
【数17】
【0076】
【数18】
【0077】
【数19】
【0078】次に式(16)、式(17)、式(18)及び式(19)を
式(9)に代入すると、下式のように整理される。
【0079】
【数20】
【0080】
【数21】
【0081】
【数22】
【0082】ところで、一般の全域通過フィルタの伝達
式は次式で表わされる。
【0083】
【数23】
【0084】このことから、式(22)から振幅特性が常に
1であると算出する為には、下式を満足する必要があ
る。
【0085】
【数24】
【0086】式(24)から、以下の式が導き出される。
【0087】
【数25】
【0088】
【数26】
【0089】したがって、式(26)から、抵抗器R5にお
ける抵抗の値は以下の通りとなる。
【0090】
【数27】
【0091】式(27)の関係が成立する時、式(22)におい
て振幅特性|vo/es|が1と算出され、また、式(2
3)に対して次式を代入した場合に相当する。
【0092】
【数28】
【0093】
【数29】
【0094】すなわち、上記の数式による演算によって
振幅特性は常に1であり周波数によって減衰しないこと
が算出される。このことから、フェーズシフターPS1
が全域通過フィルタとして動作することを判断すること
ができる。なお、上記の振幅特性を算出する為には制動
係数ζは0より大きい必要がある。またこの為、K2は
1よりも大きくなければならない。
【0095】次に、フェーズシフターPS1が二次全域
通過フィルタとして機能するか否かを判断する。二次全
域通過フィルタとして機能するとは、全域通過フィルタ
のうち低域信号に対し、高域信号において位相を360
度遅延させるものをいい、ここでは−180°から−5
40°までの−360°の位相遅延を生じさせることが
できることをいう。なお、ここでの位相特性の周波数範
囲はω=0〜∞であり、偏角arg[vo/es]は次式
で求められる。
【0096】
【数30】
【0097】式(30)のいずれかに上記の式(28)、式(29)
及びω=0〜∞の条件を代入すると、偏角arg[vo/
es]は−180°から−540°もしくは+180°
から−180°までの360°の位相シフトが可能であ
ることが算出される。このことから、フェーズシフター
PS1が二次全域通過フィルタとして機能することが確
認される。
【0098】さらに、この二次全域フィルターであるフ
ェーズシフターPS1が伝達関数の位相変化を急俊なも
のとすることが可能かを算出する。ここでは、関数K
1、K2の値を任意に選択し、位相変化を計算によって
求める。なお、位相変化が急俊であることは制動係数ζ
の値が1よりも小さいことで判断する。
【0099】例えばK2=1.5と選択し、式(28)に代
入することで下式に示すように導き出される。
【0100】
【数31】
【0101】したがって、式(31)に対して任意にK1の
値を選択することで、制動係数ζの値を1より小さく
0.2よりも大きい程度にすることが出来る。
【0102】また、例えばK2=2と選択し、同様に式
(28)に代入すると下式に示すようになる。
【0103】
【数32】
【0104】したがって、式(32)に対し任意にK1の値
を選択することで、制動係数ζの値を1/3よりも小さ
くすることが出来る。このことから、図8のフェーズシ
フターPS1においては、制動係数ζを1よりも小さく
することが可能となり伝達関数の位相変化が急俊である
ことが判る。
【0105】図8に示すフェーズシフターPS1を用い
た場合の振幅特性及び位相特性を図10に示す。上記で
算出したように、振幅特性|vo/es|は常に一定で
あり、伝達関数の位相変化は従来のフェーズシフター
(図示せず)と比較して非常に急俊である。すなわち、
図8に示すフェーズシフターPS1は、各部を上記に示
した条件を満足する値に設定することを条件として伝達
関数の位相変化を急俊にすることが可能である。
【0106】このような特性を有するフェーズシフター
PS1をn個(但しnは偶数個である)設けることで、
伝達関数の位相変化を確実に制御しつつ急俊にすること
ができ、上記で説明した位相遅れを生じさせることが可
能となる。なお、図6に示す音場処理装置600の動作
の際には、使用する音源によって抵抗器R14、R1
5、R21及びR22に接続された各々切り換えスイッ
チSW10、SW11、SW12及びSW13を切り換
える。例えば、スピーカーを音源として用いる場合に
は、各切り換えスイッチを“1”の位置に移動させるこ
とにより係数Kの値をマイナス(K=−1)に設定す
る。一方、音源にヘッドフォンを用いる場合には切り換
えスイッチの位置を“3”に切り換えることにより係数
Kの値をプラス(K=1)に設定する。このような切り
換えスイッチの操作を行なうことにより、音源に応じて
任意かつ容易な制御を行なうことが可能となる。
【0107】ところで、上記実施例においてはアナログ
処理によって音源から発せられた音によって生じる反対
耳クロストークを制御し、実際の音源からの音よりも拡
がりのある音場を認識させることができた。
【0108】しかし、このような処理はデジタル処理で
行なうことも可能である。以下に上記処理をデジタル処
理によって行なう場合の一実施例について説明する。図
11にデジタル処理による音場処理装置700の機能ブ
ロック図を掲げる。この音場処理装置700は、以下の
要素から構成されている。入力端子TIL10、TIR
10、A/D変換器20、デジタル信号処理器30、マ
イクロプロセッサー40、D/A変換器50及び出力端
子TOL10、TOR10である。
【0109】この音場処理装置DS1での処理の概略を
説明する。例えば入力端子TIL10、TIR10にア
ナログ信号が入力されたと仮定する。このアナログ信号
はA/D変換器20によってデジタル信号に変換され、
デジタル信号処理器30に出力される。デジタル信号処
理器30は、入力したデジタル信号に応じてマイクロプ
ロセッサー40からデジタル信号処理の為のデータ(プ
ログラム、係数K、遅延サンプル数)を読み出し、読み
出したデータに基づきデジタル信号の処理を行なう。こ
こでの処理によって、デジタル信号の位相は確実に制御
される。
【0110】処理後のデジタル信号はD/A変換器50
によってアナログ信号に変換され、出力端子TOL10
及びTOR10に出力される。出力端子TOL10及び
TOR10に音源を(スピーカーやヘッドフォン)を接
続して音を再生することで、実際の音源の位置よりも外
側で音が再生されていると認識させて広がり感のある音
場を認識させ、又、音源の位置を前方に認識させること
で自然な音場を創り出す。
【0111】なお、入力端子TIL10、TIR10に
デジタル信号が入力された場合は、A/D変換器20は
不要である。また、出力端子TOL10、TOR10以
後の処理がデジタル信号で行なわれる場合には、D/A
変換器50が不要となる。
【0112】次に、デジタル信号処理器30の回路構成
を図12に示す。デジタル信号処理器30は、入力端子
TIL11、TIR11、複数の係数乗算器(K5、K
6、K7、K8、K9、K10及びSK1、SK2)、
加算器(AD5、AD6及びAD7)、伝達回路T5及
び出力端子TOL11、TOR11から構成されてい
る。ここで各係数乗算器において演算されるスケーリン
グ係数S又はS′は0<S≦1、1≦S′の値である。
これは、各係数乗算器が−1から1までの数値しか扱え
ない為、演算によってオーバーフローが生じないように
する為である。
【0113】ここで、スケーリング係数Sは係数乗算器
K5及びK7で用いられ、係数乗算器K9及びK10で
はスケーリング係数S′が用いられる。また、スケーリ
ング係数Sを反転させた係数−Sは係数乗算器K6で用
いられる。さらに、係数乗算器SK1ではスケーリング
係数S及び係数Kを乗算し、係数乗算器SK2において
は、−1が係数として用いられる。また、伝達回路T5
における遅延時間はサンプリング周期のm個分に相当す
る。
【0114】このように、デジタル信号処理器30を用
いて位相遅れを生じさせると、アナログ処理で説明した
ようなn個の全域通過フィルターを用いなくても位相遅
れを確実かつ正確に発生させることができる。つまり、
デジタル処理を用いた音場処理装置によっても音源に応
じて広がり感のある又は自然な音場を創り出すことがで
きる。
【0115】なお、デジタル処理における本発明の音場
処理装置700と音場処理装置500をデジタル処理し
た場合とを比較する。音場処理装置700では、位相遅
延記憶の為のメモリー(図示せず)の数が一つで済むの
に対し、音場処理装置500をデジタル処理した場合は
位相遅延記憶メモリーが二つ必要である。また、音場処
理装置700においては、位相遅延記憶メモリーが一つ
で済むことから位相遅延記憶メモリーへのアクセス数が
半分で済み、高速な処理を行なうことが可能となる。
【0116】
【発明の効果】請求項1に係る音場処理装置は、複数の
音源を接続して音を再生する際、一方の音源から発せら
れた音が一方の耳に達した後に若干遅れて他方の耳に達
する際に、他方の耳に達しようとする音と同じ音で逆位
相の音を位相遅れ手段を用いて創り他方の音源から他方
の耳に対して発する。したがって、一方の音源から発せ
られた音が他方の耳に到達する際に生じる反対耳クロス
トークが、逆位相の信号により大幅に減少され、実際の
音源からの音よりも拡がりのある音場を認識させること
ができる。つまり、広がり感のある音場を提供すること
が可能となる。
【0117】請求項2及び請求項3に係る音場処理装置
においては、請求項1の音場処理装置において位相遅れ
手段よりも前段階に位相差あるいは到達時間差によって
音源の位置を認識することが可能な周波数成分のみを通
過させるバンドパスフィルターを設け、バンドパスフィ
ルターの通過可能周波数を約100Hz以上から約5
0,000Hz程度としている。すなわち、音源の位置
を認識することが可能な周波数成分のみについて位相の
遅れを生じさせることができる。したがって、容易かつ
確実に位相の遅れを生じさせることが可能となる。
【0118】請求項4の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において第一出
力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピーカーを
接続している。すなわち、スピーカーを音源として実現
することができる。したがって、実際のスピーカーの位
置よりも拡がった音場を認識させることが可能となる。
【0119】請求項5の音場再生装置は、請求項1、請
求項2及び請求項3に係る音場処理装置において、第一
出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続してい
る。すなわち、ヘッドフォンを音源として実現すること
ができる。
【0120】請求項6の音場再生装置は、請求項4及び
請求項5に係る音場処理装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段による出力を同相又は反転のいずれかに
切り換え可能としている。したがって、スピーカー又は
ヘッドフォンから発せられる音の位相を任意に同相又は
逆相に切り換えることができる。すなわち、ヘッドフォ
ンによる音像を前方寄りに認識させることが可能とな
る。したがって、音源に応じて任意かつ容易な制御を行
なうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音場処理装置の基本的な回路構成
を示す図である。
【図2】図1に示す音場処理装置において処理された信
号の変化を示す図である。
【図3】図1に示す音場処理装置にスピーカーを接続し
て音場再生装置として用いた場合の音の到達を示す図で
ある。
【図4】図1に示す音場処理装置の出力端子に接続され
たヘッドフォンを人間が装着した場合の平面図である。
【図5】図1に示す音場処理装置の他の実施例の回路構
成を示す図である。
【図6】図5に示す音場処理装置の具体的な回路図であ
る。
【図7】図6に示す伝達回路の回路図である。
【図8】図7に示す伝達回路内のフェーズシフターの構
成を示す回路図である。
【図9】図8に示すフェーズシフターの一部をインピー
ダンス部に置き換えた場合の回路図である。
【図10】図7に示すフェーズシフターの振幅特性及び
位相特性を示す図である。
【図11】図1及び図5に示す音場処理装置をデジタル
処理にした場合の機能構成図である。
【図12】図11に示すマイクロプロセッサーの回路構
成を示す図である。
【図13】人間が音源の位置を認識する際に生じる位相
遅れを説明する為の図である。
【符号の説明】
K4・・・・・係数乗算器 T3・・・・・伝達回路 AD4・・・・・加算回路 LI3・・・・・入力端子 LO3・・・・・出力端子 RI3・・・・・入力端子 RO3・・・・・出力端子 SU3・・・・・減算回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一チャネルの第一信号が入力される第一
    入力端子、 第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端子、 第一入力端子及び第二入力端子から第一信号及び第二信
    号を受け、第一信号から第二信号を減じる演算を行なう
    信号演算手段、 信号演算手段からの信号を受けて、以下の周波数特性に
    近似する周波数特性を有する位相遅れを生じさせる位相
    遅れ手段、 位相遅れ手段の出力を増幅し、同相にして出力する第一
    増幅手段、 位相遅れ手段の出力を増幅し、反転させて出力する第二
    増幅手段、 第一入力端子からの第一信号と第一増幅手段からの信号
    を混合し、第一出力端子に出力する第一混合手段、 第二入力端子からの第二信号と第二増幅手段からの信号
    を混合し、第二出力端子に出力する第二混合手段、 を備えたことを特徴とする音場処理装置、 ここで、位相遅れφは以下の式で表わされる、 φ=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
    間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
    の角度である。
  2. 【請求項2】請求項1の音場処理装置において、 位相遅れ手段よりも前段階に位相差あるいは到達時間差
    によって音源の位置を認識することが可能な周波数成分
    のみを通過させるバンドパスフィルターを設けたこと、 を特徴とする音場処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2に係る音場処理装置において、 前記バンドパスフィルターの通過可能周波数を約100
    Hz以上から約50,000Hz程度としたこと、 を特徴とする音場処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2及び請求項3に係る音
    場処理装置において、 第一出力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピー
    カーを接続したこと、 を特徴とする音場再生装置。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2及び請求項3に係る音
    場処理装置において、 第一出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続し
    たこと、 を特徴とする音場再生装置。
  6. 【請求項6】請求項4及び請求項5に係る音場処理装置
    において、 第一増幅手段及び第二増幅手段による出力を同相又は反
    転のいずれかに切り換え可能としたこと、 を特徴とする音場再生装置。
JP5224580A 1993-09-09 1993-09-09 音場処理装置及び音場再生装置 Pending JPH0787596A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006042195A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 New Japan Radio Co Ltd 音響信号処理方法および装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006042195A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 New Japan Radio Co Ltd 音響信号処理方法および装置
JP4509686B2 (ja) * 2004-07-29 2010-07-21 新日本無線株式会社 音響信号処理方法および装置

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