JP2003289599A - 音場処理装置及び音場再生装置 - Google Patents

音場処理装置及び音場再生装置

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JP2003289599A
JP2003289599A JP2003126280A JP2003126280A JP2003289599A JP 2003289599 A JP2003289599 A JP 2003289599A JP 2003126280 A JP2003126280 A JP 2003126280A JP 2003126280 A JP2003126280 A JP 2003126280A JP 2003289599 A JP2003289599 A JP 2003289599A
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sound
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JP2003126280A
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Joji Kasai
讓治 笠井
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Onkyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音源に応じて広がり感のある又は自然な音場
を創り出すことのできる音場処理装置又は音場再生装置
の提供を目的とする。 【構成】 入力端子LI2に入力された信号は出力端子
LO2に出力される信号と伝達回路T1に入力される信
号に分岐する。伝達回路T1に入力された信号は、位相
差あるいは到達時間差により音源の位置を認識すること
が可能な周波数成分のみが取り出され、再生された音が
人間に聴かれる際に生じる位相遅れ分の位相遅延が行な
われる。位相遅延後の信号は係数乗算器K1で位相を反
転させた後、加算回路AD2によって入力端子RI2に
入力された信号と混合され出力端子RO2に出力され
る。一方出力端子LO2には入力された信号が出力され
る。出力端子LO2には入力された信号、出力端子RO
2には位相が逆で遅延された信号が出力され、音源を接
続して再生すると位相の遅延が認識出来なくなり、音源
が実際より外側に位置していると認識する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音場処理装置及び音場再
生装置に関し、特に音源の位置認識の適正化に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人間は音を聞くと、どの方向に
音源があるかを感覚的に認識する。この場合の音源の位
置についての認識は主観的なものであり、個人によって
若干異なる。このような、人間の音源の位置認識は、左
右の耳における音のエネルギー差(音の大小の差)や音
の位相差(音の耳への到達時間の差)を感じる取ること
による。
【0003】以下に、従来の音場再生装置において左右
の耳における音の位相差に基づき、人間が音源の位置を
認識するメカニズムの概要を説明する。ここでは、図1
3に示すように、音源として左スピーカー56及び右ス
ピーカー55を配置した音場再生装置を用いる。なお、
左スピーカー56のみから音を発し、中央に位置する人
間が音源の位置を認識する場合を考える。
【0004】通常、人間の左耳と右耳の間には間隔DF
(約22〜23Cm程度)が開いている。左スピーカー
56から発せられた音は、まず人間の左側の耳46に到
達し、少し遅れて右側の耳45に到達する(いわゆる反
対耳クロストークを起こす)。人間は、左側の耳46と
右側の耳45間に生じる音の到達時間の差を感知し、こ
の到達時間の差に基づき音を発した音源(左スピーカー
56)は左側に位置することを認識する。
【0005】さらに、人間が音源の位置を認識するメカ
ニズムの詳細を説明する。上記で説明した左側の耳46
と右側の耳45間に生じる音の到達時間の差(いわゆる
位相遅れ量)を計算によって算出する。ここで、距離差
d(図13参照)は一般に次式で表わされる。
【0006】
【数1】
【0007】また、音の周波数を仮にf[Hz]、音の
速度が340m/secとすると、音の波長は340/
f(m)と算出される。これより、距離差dに対する位
相遅れ量φ(deg)は次式で求められる。但し、36
0(deg)を用いる。
【0008】
【数2】
【0009】式(2)より、位相遅れ量φ(deg)は
以下の通りである。
【0010】
【数3】
【0011】式(3)に式(1)を代入すると次式のよ
うになる。
【0012】
【数4】
【0013】さらに、式(4)に具体的な数値を代入す
ることで、位相遅れ量φ(deg)を算出することがで
きる。
【0014】上記の式を用いることで左側の耳46と右
側の耳45の間に生じる音の到達時間の差(位相遅れ
量)を容易に算出することができる。このように、位相
遅れ量については、計算によっても算出することが可能
である。
【0015】また、上記では、左スピーカー56から発
せられた音について説明したが、右スピーカー55から
音が発せられた場合についても上記と同様に音源の位置
を認識することができる。
【0016】ところで、算出される位相遅れ量は、スピ
ーカー等の音源から発せられる音の周波数が一定範囲内
の場合に限定される。例えば、図13の左スピーカー5
6から低い周波数(周波数100Hz)の音が再生され
た場合について説明する。音の速度は340m/sec
であるから、この音の波長は、340/f(m)という
式から3.4mと算出される。ここで、左側の耳46と
右側の耳45の間隔DF約22〜23Cm程度である。
このような間隔DFでは3.4mの波長の位相遅れを認
識することができない。
【0017】一方、高い周波数(数キロHz以上)の場
合は、340/f(m)から算出される波長が短すぎて
音の位相遅れを認識しようとする間に次の音が耳に達し
てしまう。つまり、人間は数百Hzから約1.5KHz
程度の帯域において確実に音源を認識することできる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
音場処理装置及び音場再生装置には以下の問題があっ
た。
【0019】人間の認識する音源の位置は実際に音源の
おかれた位置によって決定され、これを電気的に変更す
ることができなかった。また、音場処理装置にヘッドフ
ォンを接続して音場再生装置として用いた場合には、音
源としてのヘッドフォンによる音像は通常、耳の真横に
あると認識される。したがって、ヘッドフォンを用いて
音を聞く限り、常に音像は真横にあると認識され、不自
然である。
【0020】そこで、本発明は 音源に応じて広がり感
のある又は自然な音場を創り出すことのできる音場処理
装置又は音場再生装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の音場処理装置
は、第一チャネルの第一信号が入力される第一入力端
子、第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端
子、第一入力端子からの第一信号を受け、下記の周波数
特性に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第
一位相遅れ手段、第二入力端子からの第二信号を受け、
下記の周波数特性に近い周波数特性を有する位相遅れを
生じさせる第二位相遅れ手段、第一位相遅れ手段で生じ
た位相遅れに基づき、通過した周波数成分の位相を反転
させるとともに該周波数成分と第一入力端子からの第一
信号を混合し、第一出力端子に出力する第一混合手段、
第二位相遅れ手段で生じた位相遅れに基づき、通過した
周波数成分の位相を反転させるとともに該周波数成分と
第二入力端子からの第二信号を混合し、第二出力端子に
出力する第二混合手段を備えたことを特徴としている、
ここで、位相遅れφは以下の式で表わされる、φ=(3
60/340)f・DFsinθただし、fは周波数
[Hz]、DFは人間の両方の耳の間隔[m]、θは人
間の前方正面方向に対する音源方向の角度である。
【0022】請求項2の音場処理装置は、第一チャネル
の第一信号が入力される第一入力端子、第二チャネルの
第二信号が入力される第二入力端子、第一信号及び第二
信号処理済み信号を受けて第一信号の位相を反転させる
とともに両信号を混合して出力する第一混合手段、第二
信号及び第一信号処理済み信号を受けて第二信号の位相
を反転させるとともに両信号を混合して出力する第二混
合手段、第一混合手段の出力を受け、下記の周波数特性
に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第一位
相遅れ手段、第二混合手段の出力を受け、下記の周波数
特性に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第
二位相遅れ手段、第一位相遅れ手段の出力を増幅する第
一増幅手段、第二位相遅れ手段の出力を増幅する第二増
幅手段、第一増幅手段で増幅された該周波数成分と第一
入力端子からの第一信号を混合し、第一出力端子に対し
て第一信号処理済み信号として出力する第三混合手段、
第二増幅手段で増幅された該周波数成分と第二入力端子
からの第二信号を混合し、第二出力端子に対して第二信
号処理済み信号として出力する第四混合手段を備えたこ
とを特徴としている、ここで、位相遅れφ[deg]は
以下の式で表わされる、 φ[deg]=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
の角度である。
【0023】請求項3の音場処理装置は、請求項1又は
請求項2に係る音場処理装置において、位相遅れ手段よ
り前段階に位相差あるいは到達時間差によって音源の位
置を認識することが可能な周波数成分のみを通過させる
バンドパスフィルターを設けたことを特徴としている。
【0024】請求項4の音場処理装置は、請求項3に係
る音場処理装置において、前記バンドパスフィルターの
通過可能周波数を約100Hz以上から約50,000
Hz程度としたことを特徴としている。
【0025】請求項5の音場再生装置は、請求項1、請
求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装置にお
いて、第一出力端子及び第二出力端子に対し音源として
スピーカーを接続したこと、を特徴としている。
【0026】請求項6の音場再生装置は、請求項1、請
求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装置にお
いて、第一出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを
接続したこと、を特徴としている。
【0027】請求項7の音場再生装置は、請求項5又は
請求項6に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を反転させることを特徴としている。
【0028】請求項8の音場再生装置は、請求項6又は
請求項7に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を同相とすること、を特徴とする音場再生装置。
【0029】請求項9の音場再生装置は、請求項7又は
請求項8に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としたこ
と、を特徴とする音場再生装置。
【0030】
【作用】請求項1及び請求項2に係る音場処理装置は、
複数の音源を接続して音を再生する際、一方の音源から
発せられた音が一方の耳に達した後に若干遅れて他方の
耳に達する際に、他方の耳に達しようとする音と同じ音
で逆位相の音を遅延手段を用いて創り他方の音源から他
方の耳に対して発する。したがって、一方の音源から発
せられた音が他方の耳に到達する際に生じる反対耳クロ
ストークが、逆位相の信号により大幅に減少され、実際
の音源からの音よりも拡がりのある音場を認識させるこ
とができる。つまり、広がり感のある音場を提供するこ
とが可能となる。
【0031】請求項3及び請求項4に係る音場処理装置
においては、請求項1又は請求項2に係る音場処理装置
において、位相遅れ手段より前段階に位相差あるいは到
達時間差によって音源の位置を認識することが可能な周
波数成分のみを通過させるバンドパスフィルターを設
け、通過可能周波数を約100Hz以上から約50,0
00Hz程度としている。したがって、該周波数帯域内
において音場処理を行なう。
【0032】請求項5に係る音場再生装置は、請求項
1、請求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装
置において、スピーカーを第一出力端子及び第二出力端
子に接続している。したがって、スピーカーを音源とし
て実現することができる。
【0033】請求項6に係る音場再生装置は、請求項
1、請求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装
置において、ヘッドフォンを第一出力端子及び第二出力
端子に接続している。したがって、ヘッドフォンを音源
として実現することができる。請求項7又は請求項8に
係る音場再生装置は、請求項5、請求項6又は請求項7
に係る音場再生装置において、第一増幅手段及び第二増
幅手段により入力信号と出力信号の位相の関係を反転又
は同相とする。したがって、第一出力端子及び第二出力
端子に接続されたスピーカー又はヘッドフォンから発せ
られる音の位相の入力と出力の関係を同相又は逆相に制
御することができる。
【0034】請求項9に係る音場再生装置は、請求項7
又は請求項8に係る音場再生装置において、第一増幅手
段及び第二増幅手段による入力信号と出力信号の位相の
関係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としてい
る。したがって、スピーカー又はヘッドフォンから発せ
られる音の位相の入力と出力の関係を任意に同相又は逆
相に切り換えることができる。
【0035】
【実施例】本発明に係る音場処理装置の一実施例を図に
基づき以下に説明する。図1に音場処理装置500を掲
げ、その回路構成を説明する。音場処理装置500は第
一入力端子である入力端子LI2、第二入力端子として
のRI2、バンドパスフィルターであり第一位相遅れ手
段でもある伝達回路T1、バンドパスフィルターであり
第二位相遅れ手段でもある伝達回路T2、係数乗算器K
1、K2、第一混合手段である加算回路AD1、第二混
合手段である加算回路AD2及び第一出力端子である出
力端子LO2、第二出力端子としての出力端子RO2か
ら構成されている。
【0036】音場処理装置500の入力端子LI2及び
入力端子RI2各々に信号が入力されたと仮定して以後
の処理について説明する。図2Aに入力端子RI2に入
力される信号RS2の成分を示し、図2Bに入力端子L
I2に入力される信号LS2の成分を示す。 入力端子
RI2及び入力端子LI2に入力された信号RS2及び
LS2はそのまま各々の側の出力端子に出力される信号
RS2と、伝達回路T1、T2のバンドパスフィルター
に入力する信号RS3及び信号LS3とに分岐する。な
お、説明の便宜上、入力端子RI2に入力された信号R
S2に注目して説明する。
【0037】伝達回路T2のバンドパスフィルターは入
力した信号RS2信号の内、位相差あるいは到達時間差
によって音源の位置を認識することが可能な周波数成分
のみを通過させる。例えば100Hz以上50、000
Hz程度間の信号RS3の周波数成分だけを通過させ
る。信号RS3の上記周波数成分は、伝達回路T2の位
相遅れ手段に入力し、位相遅れ手段は入力した信号RS
3の位相を所定分だけ遅れさせる。この位相遅れは式
(4)で示すように、位相遅れφ(deg)=(360/
340)f・DF・sinθ(図13参照)で表わされ
る。例えば、ある周波数での位相遅れが120度であっ
たとすると、信号RS3の位相を120度遅延させる。
このようにして遅延させた信号RS3の一例を図2Cに
掲げる。
【0038】次に、位相遅延後の信号RS4は係数乗算
器K2において位相の反転が行なわれる。位相反転後の
信号RS5を図2Eに示す。位相反転後の信号RS5は
加算回路AD1に入力され、ここで入力端子LI2に入
力された信号LS2と混合される。こうして、信号RS
5と信号LS2が混合された出力信号MLS4が出力端
子LO2に出力される。一方、入力端子LI2に入力さ
れた信号LS2も上記と同様に分岐し、信号LS3とし
て伝達回路T1のバンドパスフィルターに入力して上記
周波数内の信号LS3のみが通過する。伝達回路T1の
バンドパスフィルターを通過した信号LS3は、伝達回
路T1の位相遅れ手段に入力する。伝達回路T1の位相
遅れ手段は、入力した信号LS3の位相をその周波数で
の位相遅れ分だけ遅延させる。例えば、位相遅れが21
0度であったとすると、伝達回路T1の位相遅れ手段は
信号LS3の位相を210度だけ遅延させる。図2Dに
遅延後の信号LS4を掲げる。
【0039】位相遅延後の信号LS4は係数乗算器K1
で位相が反転される。位相反転後の信号LS5を図2F
に示す。位相反転が行なわれた後の信号LS5は加算回
路AD2に入力される。加算回路AD2では、位相反転
後の信号LS5と入力端子RI2に入力された信号RS
2と混合され、出力端子RO2に出力信号MRS4が出
力される。
【0040】次に、上述の音場処理装置500に音源と
してスピーカーを接続し、音場再生装置として用いる場
合の動作を説明する。図1の音場処理装置500にスピ
ーカーを接続して構成した音場再生装置を図3に示す。
この音場再生装置は、音場処理装置500の出力端子R
O2には接続線65を介して右スピーカー55、出力端
子LO2には接続線66を介して左スピーカー56が接
続されている。このような音場再生装置において出力端
子RO2、LO2に出力された信号を再生する場合を考
える。説明の便宜上、ここでは、出力端子RO2に出力
された出力信号MRS4に含まれた信号RS2に注目し
て説明する。
【0041】出力端子RO2に出力された出力信号MR
S4は信号RS2と信号LS5から構成されており、接
続線65を通じて右スピーカー55によって再生される
(図3)。再生された出力信号MRS4に含まれた信号
RS2は、音V45として人間10の右耳45に到達す
る。また、右スピーカー55によって再生された信号R
S2は、音V45から上記の式(4)で示した位相遅れ
(例えば120度)だけ遅れ、音V46として左耳46
に到達しようとする。
【0042】次に、音場処理装置500の出力端子LO
2に出力された出力信号MLS4に含まれた信号RS5
に注目する。信号RS5は、信号RS2の位相を式(4)
で求めた分遅延させ、さらに位相を反転させた信号であ
る(図2E)。右スピーカー55によって出力信号MR
S4が再生されると同時に、出力端子LO2に出力され
た出力信号MLS4が接続線66を通じて左スピーカー
56において再生される(図3)。再生された出力信号
MLS4に含まれた信号RS5は音V86として人間1
0の左耳45に到達する。なお、音V86の左耳46へ
の到達タイミングは、音V46が左耳46に到達するタ
イミングとほぼ同時である。したがって、音V46(図
2A)は位相が反転された音V86(図2E)によって
反対耳クロストークが大幅に減少される。
【0043】こうして、音V46による反対耳クロスト
ークは音V86によって大幅に減少され、人間10は主
に音V45だけを右耳45で聞くことになる。これによ
り、本来、反対耳クロストークにより左耳46でも認識
する筈の音V46を認識することが殆どなく、音V45
は実際の右スピーカー55の位置よりも外側で再生され
ているように認識させることができる。したがって、広
がり感のある音場を認識することが可能となり、自然な
音場を創り出すことが可能となる。
【0044】すなわち、本発明は、右スピーカー55で
再生された音V46が左耳46に達する際に、音V46
と同じ音で逆位相の音を音場処理装置500によって創
り出し、左スピーカー56から左耳46に対して発す
る。この逆位相の音を反対側、つまり左スピーカー56
から左耳46に発することで、音V46は殆ど左耳46
に達することがない。したがって、右スピーカー55で
再生された音V46が左耳46に達する際に起こる反対
耳クロストークを殆どなくし、実際の音源(スピーカ
ー)の位置よりも外側から音が発せられていると認識さ
せるようにする。なお、出力端子LO2に出力された出
力信号MLS4に含まれた信号LS2に基づき左スピー
カー56から発せられる音も、右スピーカー55の場合
と同様の動作が行なわれ、実際の左スピーカー56の位
置よりも外側で音が再されていると認識させることがで
き、広がり感のある音場を認識することが可能で、自然
な音場を創り出すことが可能となる。
【0045】上記で説明した音場処理装置500(図
1)の出力端子RO2及びLO2にヘッドフォンを接続
した音場再生装置の動作を説明する。ヘッドフォンHP
50はヘッドフォンの右側スピーカーHPR50と左側
スピーカーHPL50から構成されており接続線65及
び接続線66を介して出力端子RO2及びLO2に接続
されている(図4)。音場処理装置500(図1)の出
力端子RO2及びLO2に接続されたヘッドフォンHP
50を人間10が装着して音楽を聴いている場合の平面
図を図4に示す。
【0046】次に、ヘッドフォンHP50で出力信号M
RS4及び出力信号MLS4を再生する場合を説明す
る。ここでは、出力信号MRS4に含まれている信号R
S2に注目する。上述のように、出力信号MRS4は信
号RS2と信号LS5から構成されており、信号RS2
を含んだ出力信号MRS4は接続線65を介してヘッド
フォン右側スピーカーHPR50において再生される。
この時、ヘッドフォン右側スピーカーHPR50におい
ては、閉塞された音場が形成されるので、通常のスピー
カーでの再生の場合とは異なり左右の耳で位相遅れを認
識することができない。
【0047】一方、出力端子LSO2には信号LS2と
信号RS5から構成された出力信号MLS4が出力され
ている。この信号RS5を含んだ出力信号MLS4は接
続線66を介してヘッドフォン左側スピーカーHPL5
0において再生される。なお、ここでの再生はヘッドフ
ォン右側スピーカーHPR50での再生と同時に行なわ
れる。ヘッドフォン左側スピーカーHPL50において
再生された信号RS5は、信号RS2の位相を120度
遅延させ、さらに反転させた信号である(図2E参
照)。すなわち、ヘッドフォン左側スピーカーHPL5
0での再生とヘッドフォン右側スピーカーHPR50で
の再生が同時に行なわれても、ヘッドフォン左側スピー
カーHPL50での信号RS5の位相はヘッドフォン右
側スピーカーHPR50より120度遅れることにな
る。したがって、本音場再生装置を用いて信号RS2の
再生を行なうと、従来のヘッドフォンでは認識すること
が出来なかった位相遅れを認識することができる。この
ことから、ヘッドフォンによる音像を前方寄りに認識す
ることが可能となり、自然な音場を創り出すことが可能
となる。
【0048】なお、出力信号MLS4に含まれた信号L
S2に基づきヘッドフォン左側スピーカーHPL50で
の再生もヘッドフォン右側スピーカーHPR50の場合
と同様の動作が行なわれ、従来認識することが出来なか
った位相遅れを認識することができ、ヘッドフォンによ
る音像を真横でなく前方寄りに認識することが可能とな
り、自然な音場を創り出すことが可能となる。
【0049】図1に示した音場処理装置500の他の実
施例を図5に掲げ説明する。図5に示す音場処理装置6
00は、入力端子RI3、LI3、第一混合手段である
減算回路SU10、第二混合手段である減算回路SU2
0、バンドパスフィルター及び位相遅れ手段から構成さ
れた伝達回路T3、T4、増幅手段である係数乗算器K
3、K4、第三混合手段である加算回路AD3及び第四
混合手段である加算回路AD4及び出力端子RO3、L
O3から構成されている。
【0050】次に、音場処理装置600の動作を説明す
る。本実施例において、出力端子RO3に出力される電
圧は次式で表わされる。
【0051】
【数5】
【0052】また、出力端子LO3に出力される電圧は
下式の通りである。ただし、入力端子RI3での入力電
圧はer、入力端子LI3での入力電圧はel、位相遅
れ手段及びバンドパスフィルターと増幅手段との関係は
|KT|<1とする。ここで、係数Kはマイナス又はプ
ラスのいずれかの値である。
【0053】
【数6】
【0054】式(5)、(6)から明らかなように、本実施例
における音場処理装置600の動作も図1の音場処理装
置500と同様である。
【0055】図5に示した音場処理装置600を実現す
る回路構成を図6に示す。この音場処理装置600は、
複数の抵抗器(R10から抵抗器R23)、オペアンプ
OA60、OA61、OA70及びOA71、伝達回路
T3及びT4から構成されている。なお、抵抗器R1
4、R15R21及びR22には各々切り換えスイッチ
SW10、SW11、SW12及びSW13が接続され
ている。これらの切り換えスイッチには、“1”、
“2”及び“3”の位置が設定されており、“2”の位
置はOFFを意味する。なお、“1”及び“3について
は後述する。
【0056】音場処理装置600内の伝達回路T3の回
路構成図を図7に掲げる。図7において、回路BPF1
0はバンドパスフィルターとして機能し、回路PS1か
らPSnまでのn個の回路はフェーズシフター(位相遅
れ手段)として機能する。バンドパスフィルターBPF
10は、複数のキャパシタC41、C42、C43及び
C44、複数の抵抗器R41、R42、R43及びR4
4及びオペアンプOA40から構成されている。
【0057】次に、図7に示すフェーズシフターPS1
について説明する。ここで、フェーズシフターPS1は
全域通過フィルターを用いている。全域通過フィルター
とは、どの帯域の周波数範囲でも信号の振幅特性が変化
しないフィルタであって、周波数の変化に応じて位相シ
フト又は遅延を生じさせるものをいう。
【0058】図8にフェーズシフターPS1を掲げ構成
を説明する。フェーズシフターPS1は、入力端子TI
1、出力端子TO1、複数の抵抗(抵抗器R1、R2、
R3、R4及びR5)、複数のキャパシタ(C1、C2
及びC3)及びオペアンプOAP1から構成されてい
る。
【0059】このように構成されたフェーズシフターP
S1の機能詳細を以下に説明する。まず、フェーズシフ
ターPS1が全域通過フィルタとしての動作するかを数
式によって確認する。ここで、数式展開を容易にする
為、図7に示す回路の一部を次のインピーダンス部に置
き換える。図7のキャパシタC1及び抵抗器R1をイン
ピーダンス部Z1、また並列に接続された抵抗器R2と
キャパシタC2をインピーダンス部Z2、さらに抵抗器
R3とキャパシタC3をインピーダンス部Z3とする。
このような置き換えを行なった行なった後のフェーズシ
フターPS1の回路図を図9に掲げる。なお、全域通過
フィルタとしての動作が行なわれているか否かは、振幅
特性|vo/es|が常に1であり周波数によって減衰
しないことから判断する。
【0060】ここでは、各部を以下の条件式を満足する
値に設定する。R2=K1R1、R3=K2R1、R5
={K1(1+K2)/4K2}R4、C2=C1/K
1、C3=C1/K2、K2>1でありK1>0。
【0061】次に、図8及び図9よりオペアンプOAP
1の入力側の電圧v1を次式から算出する。
【0062】
【数7】
【0063】
【数8】
【0064】ここで、式(7)と式(8)は等しいので、伝達
関数vo/esは下式で表わされる。
【0065】
【数9】
【0066】また、インピーダンス部Z1、Z2及びZ
3は次式で表わされる。
【0067】
【数10】
【0068】
【数11】
【0069】
【数12】
【0070】この式(10)、式(11)及び式(12)に対し
て、上記の条件のうちR2=K1R1、C2=C1/K
1、R3=K2R1を代入すると下式のようになる。
【0071】
【数13】
【0072】
【数14】
【0073】
【数15】
【0074】式(13)、式(14)及び式(15)を式(9)に代入
する為、整理すると次式の通りである。
【0075】
【数16】
【0076】
【数17】
【0077】
【数18】
【0078】
【数19】
【0079】次に式(16)、式(17)、式(18)及び式(19)を
式(9)に代入すると、下式のように整理される。
【0080】
【数20】
【0081】
【数21】
【0082】
【数22】
【0083】ところで、一般の全域通過フィルタの伝達
式は次式で表わされる。
【0084】
【数23】
【0085】このことから、式(22)から振幅特性が常に
1であると算出する為には、下式を満足する必要があ
る。
【0086】
【数24】
【0087】式(24)から、以下の式が導き出される。
【0088】
【数25】
【0089】
【数26】
【0090】したがって、式(26)から、抵抗器R5にお
ける抵抗の値は以下の通りとなる。
【0091】
【数27】
【0092】式(27)の関係が成立する時、式(22)におい
て振幅特性|vo/es|が1と算出され、また、式(2
3)に対して次式を代入した場合に相当する。
【0093】
【数28】
【0094】
【数29】
【0095】すなわち、上記の数式による演算によって
振幅特性は常に1であり周波数によって減衰しないこと
が算出される。このことから、フェーズシフターPS1
が全域通過フィルタとして動作することを判断すること
ができる。なお、上記の振幅特性を算出する為には制動
係数ζは0より大きい必要がある。またこの為、K2は
1よりも大きくなければならない。
【0096】次に、フェーズシフターPS1が二次全域
通過フィルタとして機能するか否かを判断する。二次全
域通過フィルタとして機能するとは、全域通過フィルタ
のうち低域信号に対し、高域信号において位相を360
度遅延させるものをいい、ここでは−180°から−5
40°までの−360°の位相遅延を生じさせることが
できることをいう。なお、ここでの位相特性の周波数範
囲はω=0〜∞であり、偏角arg[vo/es]は次式
で求められる。
【0097】
【数30】
【0098】式(30)のいずれかに上記の式(28)、式(29)
及びω=0〜∞の条件を代入すると、偏角arg[vo/
es]は−180°から−540°もしくは+180°
から−180°までの360°の位相シフトが可能であ
ることが算出される。このことから、フェーズシフター
PS1が二次全域通過フィルタとして機能することが確
認される。
【0099】さらに、この二次全域フィルターであるフ
ェーズシフターPS1が伝達関数の位相変化を急俊なも
のとすることが可能かを算出する。ここでは、関数K
1、K2の値を任意に選択し、位相変化を計算によって
求める。なお、位相変化が急俊であることは制動係数ζ
の値が1よりも小さいことで判断する。
【0100】例えばK2=1.5と選択し、式(28)に代
入することで下式に示すように導き出される。
【0101】
【数31】
【0102】したがって、式(31)に対して任意にK1の
値を選択することで、制動係数ζの値を1より小さく
0.2よりも大きい程度にすることが出来る。
【0103】また、例えばK2=2と選択し、同様に式
(28)に代入すると下式に示すようになる。
【0104】
【数32】
【0105】したがって、式(32)に対し任意にK1の値
を選択することで、制動係数ζの値を1/3よりも小さ
くすることが出来る。このことから、図8のフェーズシ
フターPS1においては、制動係数ζを1よりも小さく
することが可能となり伝達関数の位相変化が急俊である
ことが判る。
【0106】図8に示すフェーズシフターPS1を用い
た場合の振幅特性及び位相特性を図10に示す。上記で
算出したように、振幅特性|vo/es|は常に一定で
あり、伝達関数の位相変化は従来のフェーズシフター
(図示せず)と比較して非常に急俊である。すなわち、
図8に示すフェーズシフターPS1は、各部を上記に示
した条件を満足する値に設定することを条件として伝達
関数の位相変化を急俊にすることが可能である。
【0107】このような特性を有するフェーズシフター
PS1をn個(但しnは偶数個である)設けることで、
伝達関数の位相変化を確実に制御しつつ急俊にすること
ができ、上記で説明した位相遅れを生じさせることが可
能となる。なお、図6に示す音場処理装置600の動作
の際には、使用する音源によって抵抗器R14、R15
R21及びR22に接続された各々切り換えスイッチS
W10、SW11、SW12及びSW13を切り換え
る。例えば、スピーカーを音源として用いる場合には、
各切り換えスイッチを“1”の位置に移動させることに
より係数Kの値をマイナス(K=−1)に設定する。一
方、音源にヘッドフォンを用いる場合には切り換えスイ
ッチの位置を“3”に切り換えることにより係数Kの値
をプラス(K=1)に設定する。このような切り換えス
イッチの操作を行なうことにより、音源に応じて任意か
つ容易な制御を行なうことが可能となる。
【0108】なお、上記説明では、図6に示す音場処理
装置600内の伝達回路T3について説明を行なった
が、伝達回路T4の構造及び動作は伝達回路T3と相違
はない。
【0109】ところで、以上の実施例においてはアナロ
グ処理によって音源から発せられる音が両耳に達するこ
とによって起こる反対耳クロストークを制御し、実際の
音源からの音よりも拡がりのある音場を認識させること
ができた。
【0110】しかし、このような処理はデジタル処理で
行なうことも可能である。以下に上記処理をデジタル処
理によって行なう場合の一実施例について説明する。図
11にデジタル処理による音場処理装置700の機能ブ
ロック図を掲げる。この音場処理装置700は、以下の
要素から構成されている。入力端子TIL10、TIR
10、A/D変換器20、デジタル信号処理器30、マ
イクロプロセッサー40、D/A変換器50及び出力端
子TOL10、TOR10である。
【0111】この音場処理装置DS1での処理の概略を
説明する。例えば入力端子TIL10、TIR10にア
ナログ信号が入力されたと仮定する。このアナログ信号
はA/D変換器20によってデジタル信号に変換され、
デジタル信号処理器30に出力される。デジタル信号処
理器30は、入力したデジタル信号に応じてマイクロプ
ロセッサー40からデジタル信号処理の為のデータ(プ
ログラム、係数K、遅延サンプル数)を読み出し、読み
出したデータに基づきデジタル信号の処理を行なう。こ
こでの処理によって、デジタル信号の位相は確実に制御
される。
【0112】処理後のデジタル信号はD/A変換器50
によってアナログ信号に変換され、出力端子TOL10
及びTOR10に出力される。出力端子TOL10及び
TOR10に音源を(スピーカーやヘッドフォン)を接
続して音を再生することで、実際の音源の位置よりも外
側で音が再生されていると認識させて広がり感のある音
場を認識させ、又、音源の位置を前方に認識させること
で自然な音場を創り出す。
【0113】なお、入力端子TIL10、TIR10に
デジタル信号が入力された場合は、A/D変換器20は
不要である。また、出力端子TOL10、TOR10以
後の処理がデジタル信号で行なわれる場合には、D/A
変換器50が不要となる。
【0114】次に、デジタル信号処理器30の回路構成
を図12に示す。デジタル信号処理器30は、入力端子
TIL11,TIR11複数の係数乗算器(K5、K
6、K7、K8、K9、K10、K11、K12及びS
K1、SK2)、加算器(AD5、AD6、AD7及び
AD8)、伝達回路T5、T6及び出力端子TOL1
1、TOR11から構成されている。ここで各係数乗算
器において演算されるスケーリング係数S又はS′は次
のような値である。0<S≦1、1≦S′。これは、各
係数乗算器が−1から1までの数値しか扱えない為、演
算によるオーバーフローが生じないようにする為であ
る。
【0115】ここで、スケーリング係数Sは係数乗算器
K5、K7、K9及びK11で用いられ、係数乗算器K
6、K12ではスケーリング係数S′が用いられる。ま
た、スケーリング係数S′を反転させた係数−S′は係
数乗算器K8で用いられ、係数乗算器K10ではスケー
リング係数Sを反転させた係数−Sが用いられる。さら
に、係数乗算器SK1ではスケーリング係数S及び係数
Kを乗算し、係数乗算器SK2はスケーリング係数S′
及び係数Kを乗算する。また、伝達回路T5、T6にお
ける遅延時間はサンプリング周期のm個分に相当する。
【0116】このように、デジタル信号処理30を用い
て位相遅れを生じさせると、アナログ処理で説明したよ
うなn個の全域通過フィルターを用いなくても位相遅れ
を確実かつ正確に発生させることができる。つまり、デ
ジタル処理を用いた音場処理装置によっても音源に応じ
て広がり感のある又は自然な音場を創り出すことができ
る。
【0117】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に係る音場処理装
置は、複数の音源を接続して音を再生する際、一方の音
源から発せられた音が一方の耳に達した後に若干遅れて
他方の耳に達する際に、他方の耳に達しようとする音と
同じ音で逆位相の音を遅延手段を用いて創り他方の音源
から他方の耳に対して発する。したがって、一方の音源
から発せられた音が他方の耳に到達する際に生じる反対
耳クロストークが、逆位相の信号により大幅に減少さ
れ、実際の音源からの音よりも拡がりのある音場を認識
させることができる。つまり、広がり感のある音場を提
供することが可能となる。
【0118】請求項3及び請求項4に係る音場処理装置
においては、請求項1又は請求項2に係る音場処理装置
において、位相遅れ手段より前段階に位相差あるいは到
達時間差によって音源の位置を認識することが可能な周
波数成分のみを通過させるバンドパスフィルターを設
け、通過可能周波数を約100Hz以上から約50,0
00Hz程度としている。すなわち、該周波数帯域内に
おいて音場処理を行なう。
【0119】したがって、人間が音源の位置を認識する
ことが可能な周波数成分のみを通過させることが可能と
なる。
【0120】請求項5に係る音場再生装置は、請求項
1、請求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装
置において、スピーカーを第一出力端子及び第二出力端
子に接続している。すなわち、スピーカーを音源として
実現することができる。したがって、実際のスピーカー
の位置よりも拡がった音場を認識させることが可能とな
る。
【0121】請求項6に係る音場再生装置は、請求項
1、請求項2、請求項3又は請求項4に係る音場処理装
置において、ヘッドフォンを第一出力端子及び第二出力
端子に接続している。すなわち、ヘッドフォンを音源と
して実現することができる。したがって、ヘッドフォン
による音像を前方寄りに認識することが可能となる。
【0122】請求項7又は請求項8に係る音場再生装置
は、請求項5、請求項6又は請求項7に係る音場再生装
置において、第一増幅手段及び第二増幅手段により入力
信号と出力信号の位相の関係を反転又は同相とする。す
なわち、第一出力端子及び第二出力端子に接続されたス
ピーカー又はヘッドフォンから発せられる音の位相の入
力と出力の関係を同相又は逆相に制御することができ
る。したがって、音源に応じて適切な制御を行なうこと
が可能である。
【0123】請求項9に係る音場再生装置は、請求項7
又は請求項8に係る音場再生装置において、第一増幅手
段及び第二増幅手段による入力信号と出力信号の位相の
関係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としてい
る。すなわち、スピーカー又はヘッドフォンから発せら
れる音の位相の入力と出力の関係を任意に同相又は逆相
に切り換えることができる。したがって、音源に応じ任
意かつ容易な制御を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音場処理装置の基本的な回路構成
を示す図である。
【図2】図1に示す音場処理装置において処理された信
号の変化を示す図である。
【図3】図1に示す音場処理装置にスピーカーを接続し
て音場再生装置として用いた場合の音の到達を示す図で
ある。
【図4】図1に示す音場処理装置の出力端子に接続され
たヘッドフォンを人間が装着した場合の平面図である。
【図5】図1に示す音場処理装置の他の実施例の回路構
成を示す図である。
【図6】図5に示す音場処理装置の具体的な回路図であ
る。
【図7】図6に示す伝達回路の回路図である。
【図8】図7に示す伝達回路内のフェーズシフターの構
成を示す回路図である。
【図9】図8に示すフェーズシフターの一部をインピー
ダンス部に置き換えた場合の回路図である。
【図10】図7に示すフェーズシフターの振幅特性及び
位相特性を示す図である。
【図11】図1及び図5に示す音場処理装置をデジタル
処理にした場合の機能構成図である。
【図12】図11に示すマイクロプロセッサーの回路構
成を示す図である。
【図13】人間が音源の位置を認識する際に生じる位相
遅れを説明する為の図である。
【符号の説明】
LI2・・・・・入力端子 RI2・・・・・入力端子 LO2・・・・・出力端子 RO2・・・・・出力端子 T1・・・・・伝達回路 K1・・・・・係数乗数器 AD2・・・・・加算回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年5月1日(2003.5.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】請求項1に係る音場処理装置において、 前記バンドパスフィルターの通過可能周波数を約100
Hz以上としたこと、 を特徴とする音場処理装置。
【請求項】請求項1又は請求項2に係る音場処理装置
において、 第一出力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピー
カーを接続したこと、 を特徴とする音場再生装置。
【請求項】請求項1又は請求項2に係る音場処理装置
において、 第一出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続し
たこと、 を特徴とする音場再生装置。
【請求項】請求項3又は請求項4に係る音場再生装置
において、 第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力信号と出力
信号の位相の関係を反転させること、 を特徴とする音場再生装置。
【請求項】請求項3又は請求項4に係る音場再生装置
において、 第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力信号と出力
信号の位相の関係を同相とすること、 を特徴とする音場再生装置。
【請求項】請求項5又は請求項6に係る音場再生装置
において、第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力
信号と出力信号の位相の関係を反転又は同相のいずれか
に切り換え可能としたこと、 を特徴とする音場再生装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の音場処理装置
は、第一チャネルの第一信号が入力される第一入力端
子、第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端
子、第一入力端子からの第一信号を受け、下記の周波数
特性に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第
一位相遅れ手段、第二入力端子からの第二信号を受け、
下記の周波数特性に近い周波数特性を有する位相遅れを
生じさせる第二位相遅れ手段、第一遅れ手段で生じた位
相遅れに基づき、通過した周波数成分の位相を反転させ
るとともに該周波数成分と第一入力端子からの第一信号
を混合し、第一出力端子に出力する第一混合手段、第二
遅れ手段で生じた位相遅れに基づき、通過した周波数成
分の位相を反転させるとともに該周波数成分成分と第二
入力端子からの第二信号を混合し、第二出力端子に出力
する第二混合手段、を備えたことを特徴とする音場処理
装置において、位相遅れ手段よりも前段階に位相差ある
いは到達時間差によって音源の位置を認識することが可
能な周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルター
を設けたこと、を特徴とする音場処理装置、ここで、位
相遅れφは以下の式で表される、 φ=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
の角度であること、を特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】請求項2の音場処理装置は、請求項1に係
る音場処理装置において、前記バンドパスフィルターの
通過可能周波数を約100Hz以上としたことを特徴と
している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】請求項3の音場処理装置は、請求項1又は
請求項2に係る音場処理装置において、第一出力端子及
び第二出力端子に対し音源としてスピーカーを接続した
ことを特徴としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】請求項4の音場処理装置は、請求項1又は
請求項2に係る音場処理装置において、第一出力端子及
び第二出力端子にヘッドフォンを接続したこと、を特徴
としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】請求項5の音場再生装置は、請求項3又は
請求項4に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を反転させることを特徴としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】請求項6の音場再生装置は、請求項3又は
請求項4に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を同相とすることを特徴としている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】請求項7の音場再生装置は、請求項5又は
請求項6に係る音場再生装置において、第一増幅手段及
び第二増幅手段によって入力信号と出力信号の位相の関
係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としたこと
を特徴としている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】28
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【作用】請求項1及び請求項2に係る音場処理装置は、
複数の音源を接続して音を再生する際、一方の音源から
発せられた音が一方の耳に達した後に若干遅れて他方の
耳に達する際に、他方の耳に達しようとする音と同じ音
で逆位相の音を遅延手段を用いて創り他方の音源から他
方の耳に対して発する。この場合において、位相遅れ手
段よりも前段階に、位相差あるいは到達時間差によって
音源の位置を確認することが可能な周波数成分のみを通
過させるバンドパスフィルターを設け、通過可能周波数
を約100Hz以上としている。したがって、該周波数
帯域内において音場処理を行うことができるので、一方
の音源から発せられた音が他方の耳に到達する際に生じ
る反対耳クロストークが、逆位相の信号により大幅に減
少され、実際の音源からの音よりも拡がりのある音場を
認識させることができる。つまり、広がり感のある音場
を提供することが可能となる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】削除
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】請求項に係る音場再生装置は、請求項1
又は請求項2に係る音場処理装置において、スピーカー
を第一出力端子及び第二出力端子に接続している。した
がって、スピーカーを音源として実現することができ
る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】請求項に係る音場再生装置は、請求項1
又は請求項2に係る音場処理装置において、ヘッドフォ
ンを第一出力端子及び第二出力端子に接続している。し
たがって、ヘッドフォンを音源として実現することがで
きる。請求項又は請求項に係る音場再生装置は、請
求項又は請求項に係る音場再生装置において、第一
増幅手段及び第二増幅手段により入力信号と出力信号の
磯追うの関係を反転又は同相とする。したがって、第一
出力端子および第二出力端子に接続されたスピーカー又
はヘッドフォンから発せられる音の位相の入力と出力の
関係を同相又は逆相に制御することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】請求項に係る音場再生装置は、請求項
又は請求項に係る音場再生装置において、第一増幅お
よび第二増幅手段による入力信号と出力信号との位相の
関係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としてい
る。したがって、スピーカー又はヘッドフォンから発せ
られる音の位相の入力と出力の関係を任意に同相又は逆
相に切り換えることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】音場処理装置500の入力端子LI2及び
入力端子RI2各々に信号が入力されたと仮定して以後
の処理について説明する。図2Aに入力端子RI2に入
力される信号RS2の成分を示し、図2Bに入力端子L
I2に入力される信号LS2の成分を示す。入力端子R
I2および入力端子LI2に入力された信号RS2およ
びLS2は、信号RS2及びLS2と、伝達回路T
のバンドパスフィルターに入力する信号RS3及び
LS3とに分岐する。なお、説明の便宜上、入力端子R
I2に入力された信号RS2に注目して説明する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】伝達回路T2のバンドパスフイルターは
入力した信号RS2の信号の内、位相差あるいは到達時
間差によって音源の位置を認識することが可能な周波数
成分のみを通過させる。信号RS3の上記周波数成分
は、伝達回路T2の位相遅れ手段に入力し、位相遅れ手
段は入力した信号RS3の位相を所定分だけ遅れさせ
る。この位相遅れは式(4)で示すように、位相遅れ
φ(deg)=(360/340)f・DF・sinθ(図13
参照)で表される。例えば、ある周波数での位相遅れが
120度であったとすると、信号RS3の位相を120
度遅延させる。このようにして遅延させた信号RS3の
一例を図2Cに掲げる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】
【数5】
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【数6】
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】このように、デジタル信号処理30を用
いて位相遅れを生じさせると、アナログ処理で説明した
ようなn個の全域通過フィルターを用いなくても位相遅
れを確実かつ正確に発生させることができる。つまり、
デジタル処理を用いた音場処理装置によっても音源に応
じて広がり感のある又は自然な音場を創り出すことがで
きる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正内容】
【0117】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に係る音場処理装
置は、複数の音源を接続して音を再生する際、一方の音
源から発せられた音が一方の耳に達した後に若干遅れて
他方の耳に達する際に、他方の耳に達しようとする音と
同じ音で逆位相の音を遅延手段を用いて創り他方の音源
から他方の耳に対して発する。この場合において、位相
遅れ手段よりも前段階に、位相差あるいは到達時間差に
よって音源の位置を確認することが可能な周波数成分の
みを通過させるバンドパスフィルターを設け、通過可能
周波数を約100Hz以上としている。したがって、
周波数帯域内において音場処理を行うことができるの
で、一方の音源から発せられた音が他方の耳に到達する
際に生じる反対耳クロストークが、逆位相の信号により
大幅に減少され、実際の音源からの音よりも拡がりのあ
る音場を認識させることができる。つまり、広がり感の
ある音場を提供することが可能となる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】削除
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】削除
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】請求項3に係る音場処理装置は、請求項1
又は請求項2に係る音場処理装置において、スピーカー
を第一出力端子及び第二出力端子に接続している。すな
わち、スピーカーを音源として実現することができる。
したがって、実際のスピーカーの位置よりも広がった音
場を認識させることが可能となる。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】請求項に係る音場再生装置は、請求項1
又は請求項2に係る音場処理装置において、ヘッドフォ
ンを第一出力端子及び第二出力端子に接続している。す
なわち、ヘッドフォンを音源として実現することができ
る。したがって、ヘッドフォンによる音像を前方寄りに
認識することが可能となる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正内容】
【0122】請求項又は請求項に係る音場再生装置
は、請求項又は請求項に係る音場再生装置におい
て、第一増幅手段及び第二増幅手段により入力信号と出
力信号の磯追うの関係を反転又は同相とする。すなわ
ち、第一出力端子および第二出力端子に接続されたスピ
ーカー又はヘッドフォンから発せられる音の位相の入力
と出力の関係を同相又は逆相に制御することができる。
したがって、音源に応じて適切な制御を行うことが可
能である。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】請求項に係る音場再生装置は、請求項
又は請求項に係る音場再生装置において、第一増幅お
よび第二増幅手段による入力信号と出力信号との位相の
関係を反転又は同相のいずれかに切り換え可能としてい
る。すなわち、スピーカー又はヘッドフォンから発せら
れる音の位相の入力と出力の関係を任意に同相又は逆相
に切り換えることができる。したがって、音源に応じ任
意かつ容易な制御を行うこと可能となる。
【手続補正28】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一チャネルの第一信号が入力される第一
    入力端子、 第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端子、 第一入力端子からの第一信号を受け、下記の周波数特性
    に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第一位
    相遅れ手段、 第二入力端子からの第二信号を受け、下記の周波数特性
    に近い周波数特性を有する位相遅れを生じさせる第二位
    相遅れ手段、 第一位相遅れ手段で生じた位相遅れに基づき、通過した
    周波数成分の位相を反転させるとともに該周波数成分と
    第一入力端子からの第一信号を混合し、第一出力端子に
    出力する第一混合手段、 第二位相遅れ手段で生じた位相遅れに基づき、通過した
    周波数成分の位相を反転させるとともに該周波数成分と
    第二入力端子からの第二信号を混合し、第二出力端子に
    出力する第二混合手段、 を備えたことを特徴とする音場処理装置、 ここで、位相遅れφは以下の式で表わされる、 φ=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
    間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
    の角度である。
  2. 【請求項2】第一チャネルの第一信号が入力される第一
    入力端子、 第二チャネルの第二信号が入力される第二入力端子、 第一信号及び第二信号処理済み信号を受けて第一信号の
    位相を反転させるとともに両信号を混合して出力する第
    一混合手段、 第二信号及び第一信号処理済み信号を受けて第二信号の
    位相を反転させるとともに両信号を混合して出力する第
    二混合手段、 第一混合手段の出力を受け、下記の周波数特性に近い周
    波数特性を有する位相遅れを生じさせる第一位相遅れ手
    段、 第二混合手段の出力を受け、下記の周波数特性に近い周
    波数特性を有する位相遅れを生じさせる第二位相遅れ手
    段、 第一位相遅れ手段の出力を増幅する第一増幅手段、 第二位相遅れ手段の出力を増幅する第二増幅手段、 第一増幅手段で増幅された該周波数成分と第一入力端子
    からの第一信号を混合し、第一出力端子に対して第一信
    号処理済み信号として出力する第三混合手段、 第二増幅手段で増幅された該周波数成分と第二入力端子
    からの第二信号を混合し、第二出力端子に対して第二信
    号処理済み信号として出力する第四混合手段、 を備えたことを特徴とする音場処理装置、 ここで、位相遅れφ[deg]は以下の式で表わされ
    る、 φ[deg]=(360/340)f・DFsinθ ただし、fは周波数[Hz]、DFは人間の両方の耳の
    間隔[m]、θは人間の前方正面方向に対する音源方向
    の角度である。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に係る音場処理装置
    において、 位相遅れ手段より前段階に位相差あるいは到達時間差に
    よって音源の位置を認識することが可能な周波数成分の
    みを通過させるバンドパスフィルターを設けたこと、 を特徴とする音場処理装置。
  4. 【請求項4】請求項3に係る音場処理装置において、 前記バンドパスフィルターの通過可能周波数を約100
    Hz以上から約50,000Hz程度としたこと、 を特徴とする音場処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項
    4に係る音場処理装置において、 第一出力端子及び第二出力端子に対し音源としてスピー
    カーを接続したこと、 を特徴とする音場再生装置。
  6. 【請求項6】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項
    4に係る音場処理装置において、 第一出力端子及び第二出力端子にヘッドフォンを接続し
    たこと、 を特徴とする音場再生装置。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6に係る音場処理装置
    において、 第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力信号と出力
    信号の位相の関係を反転させること、 を特徴とする音場再生装置。
  8. 【請求項8】請求項5又は請求項6に係る音場処理装置
    において、 第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力信号と出力
    信号の位相の関係を同相とすること、 を特徴とする音場再生装置。
  9. 【請求項9】請求項7又は請求項8に係る音場再生装置
    において、 第一増幅手段及び第二増幅手段によって入力信号と出力
    信号の位相の関係を反転又は同相のいずれかに切り換え
    可能としたこと、 を特徴とする音場再生装置。
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KR100693702B1 (ko) * 2006-04-14 2007-03-12 주식회사 대우일렉트로닉스 음성 출력 장치의 음성 출력 방법
KR100739762B1 (ko) 2005-09-26 2007-07-13 삼성전자주식회사 크로스토크 제거 장치 및 그를 적용한 입체 음향 생성 시스템

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