JPH0787405B2 - エコ−除去装置 - Google Patents

エコ−除去装置

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JPH0787405B2
JPH0787405B2 JP22830086A JP22830086A JPH0787405B2 JP H0787405 B2 JPH0787405 B2 JP H0787405B2 JP 22830086 A JP22830086 A JP 22830086A JP 22830086 A JP22830086 A JP 22830086A JP H0787405 B2 JPH0787405 B2 JP H0787405B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2線双方向ディジタル伝送を実現するための
エコー除去装置に関する。
〔従来の技術〕
ペア線を媒体として2線双方向ディジタル伝送を実現す
るための公知の技術としてエコーキャンセラが知られて
いる(アイイーイーイー・トランザクションズ・オン・
アクースティックス・スピーチ・アンド・シグナル・プ
ロセッシング(IEEE TRANSACTIONS ON ACOUSTICS,SPEEC
H AND SIGNAL PROCESSING)27巻6号,1979,768〜781ペ
ージ)。エコーキャンセラは、エコーのインパルス応答
の長さ分のタップ係数を持つ適応(アダプティブ)フィ
ルタを用いて送出データ系列に対応した擬似エコー(エ
コーレプリカ)を生成することにより、2線/4線変換回
路にて送信回路から受信回路に漏れ込むエコーを抑圧す
るように動作する。この時、適応フィルタの各タップ係
数は、エコーと受信信号が混在した混在信号からエコー
レプリカを差引いた差信号と送信データとの相関をとる
ことにより逐次修正される。このような適応フィルタの
係数を修正するための収束アルゴリズムについては前記
文献に記載されており、その代表的なものとして、スト
キャスティック・イタレーション・アルゴリズム(Stoc
hastic Iteration Algorithm)とサイン・アルゴリズム
(Sign Algorithm)が知られている。
第4図は、ストキャスティック・イタレーション・アル
ゴリズムを採用した場合のエコーキャンセラの従来例を
示したものである。ここで第4図の回路は、2線伝送路
4を介して対向で接続されているものとする。加入者ケ
ーブルを対象とすれば、一方は局側に、他方は加入者側
に設置される。ここでは説明は簡単にするためにベース
バンド伝送を仮定する。
第4図の回路は、第4図に示すように、送信部2と、ハ
イブリッド・トランス(HYB)3と、低域通過フィルタ
5を有すると共に、減算器6と、A/Dコンバータ(ADC)
12と、乗算器13と、適応フィルタ10と、D/Aコンバータ
(DAC)11を有している。
適応フィルタ10は、送信データ系列を受け動作するもの
で、この適応フィルタ10,D/Aコンバータ11,減算器6,A/D
コンバータ12及び乗算器13は閉ループを形成しており、
後述のように、ここでエコーの除去が行われる。
また、第4図に示すように、減算器6の出力が与えられ
る等化器7と、この等化器7の出力が供給されるクロッ
ク抽出回路14と、発振器15と、ディジタル・フェーズ・
ロック・ループ(DPLL)16と、タイミング信号発生回路
17と、そして等化器7の出力が供給される復調器8を備
えている。
なお、第4図中、1は入力端子、9は出力端子を示す。
第4図において、入力端子1には2値データ系列が供給
され、これが送信部2及び適応フィルタ10に入力され
る。送信部2にて2値データ系列は伝送路符号に変換さ
れた後、ハイブリッド・トランス(HYB)3を介して、
2線伝送路4に送出される。一方、送信部2にて発生さ
れた送信信号の一部は、エコー成分としてハイブリッド
・トランス3の出力に現れ、低域通過フィルタ5に供給
される。また、第4図の回路に対向した相手側から送出
された受信信号は、2線伝送路4及びハイブリッド・ト
ランス3を介して低域通過フィルタ5に供給される。従
って、低域通過フィルタ5の出力は、受信信号とエコー
が混在した混在信号となる。なお、低域通過フィルタ5
の役割は、所望の信号帯域以外の周波数成分を抑圧する
ことにある。低域通過フィルタ5の出力は減算器6に供
給される。ここで、適応フィルタ10,D/Aコンバータ(DA
C)11,減算器6,A/Dコンバータ(ADC)12及び乗算器13か
ら成る閉ループ回路は、低域通過フィルタ5の出力であ
る混在信号中のエコーを除去するように動作する。これ
は、適応フィルタ10がエコーレプリカを生成することに
より実現される。ここで、適応フィルタ10について詳細
に説明する。
第5図は、第4図の適応フィルタ10の詳細ブロックを示
したものである。第5図における入力信号S103及びS104
は、それぞれ第4図の入力端子1から供給された2値デ
ータ系列(±1の値をとるものと仮定する)及び乗算器
13の出力に対応している。また、第5図における出力信
号S105は、第4図の適応フィルタ10の出力信号に対応し
ている。
適応フィルタ10は、第5図に示すように、遅延素子1001
〜100N-1と、係数発生回路A1〜ANと、乗算器1011〜101N
と、この各乗算器1011〜101Nの出力が供給される加算器
102によって構成されている。
各遅延素子1001〜100N-1の遅延時間については、それぞ
れ一定の遅延時間T秒に設定されている。
第5図において、2値データ系列S103は、遅延素子10
01,乗算器1011及び係数発生回路A1に供給される。T秒
の遅延を与える遅延素子1001,1002・・・,100N-1は、こ
の順に接続されており、これらは各々フリップ・フロッ
プで実現することができる。これら遅延素子で構成され
る部分を入力データ処理部と名付ける。ここで、Nは2
以上の整数であり、また、2値データ系列S103のデータ
レートは1/Tビット/秒とする。遅延素子100i(i=1,
・・・,N−1)の出力は、それぞれ乗算器101i+1及び係
数発生回路Ai+1に供給される。乗算器101j(j=1,・・
・,N)では、係数発生回路Ajの出力であるタップ係数と
入力データが掛けられた後、各乗算結果はすべて加算器
102に入力され加算され、エコーレプリカS105を出力す
る。なお入力信号S104は、N個の係数発生回路A1,A2,・
・・,ANに供給されている。
次に、係数発生回路について詳細に説明する。
第6図は第5図の係数発生回路Ai(i=1,2,・・・,N)
の詳細ブロック図を示したものである。第6図の入力信
号S200は、第5図における2値データ系列S103又は遅延
素子1001,1002,・・・,100N-1の出力信号に対応してい
る。また、第6図の入力信号S201は、第5図における入
力信号S104に対応している。さらに、第6図の出力信号
S202は、第6図における係数発生回路Aiの出力に対応し
ている。
係数発生回路Aiは、第6図に示す如く、乗算器203と、
加算器204と、遅延素子205から成っており、遅延素子20
5の遅延時間はT秒に設定されている。
第6図において、入力信号S200及びS201は乗算器203に
供給されその乗算結果は加算器204の一方の入力とな
る。加算器204の出力はT秒の遅延素子205を介して帰還
されており、T秒毎に行われる係数の更新は、乗算器20
3に供給されている入力信号S200とS201の相関値と1秒
前の係数値に加えることにより実現される。遅延素子20
5の出力信号S202が係数となる。
以上第5図及び第6図を参照して説明した第4図の適応
フィルタ10により発生されたエコーレプリカは、D/Aコ
ンバータ11に供給され、ディジタル信号からアナログ信
号に変換されて減算器6の一方の入力となる。減算器6
では低域通過フィルタ5の出力信号である混在信号(=
〔エコー〕+〔受信信号〕)からエコーレプリカを差引
いた差信号(=〔残留エコー〕+〔受信信号〕、但し
〔残留エコー〕=〔エコー〕−〔エコーレプリカ〕)が
得られ、等化器7及びA/Dコンバータ12に供給される。A
/Dコンバータ12により減算器6の出力である差信号はア
ナログ信号からディジタル信号に変換される。さらにA/
Dコンバータ12の出力は、乗算器13にて2α(αは定
数)倍された後、誤差信号として適応フィルタ10に供給
される。なお、第5図の入力信号S104が誤差信号に対応
している。
第4図において、等化器7により線絡特性に対する等化
が行われた後、復調器8にて2値データ系列に戻され出
力端子9に供給される。一方、等化器7の出力信号はク
ロック抽出回路14に供給され、受信信号よりクロック成
分の抽出が行われる。クロック抽出回路14で抽出された
クロックはディジタル・フェーズ・ロック・ループ(DP
LL)16に供給される。DPLL16には、発振器15の出力も供
給されており、この出力を適当に分周したクロックと、
クロック抽出回路14により抽出されたクロックとの位相
の比較を行う。受信信号から抽出されたクロック位相に
追従するよう、発振器15の出力クロックに対し、1クロ
ック分のパルスの挿入、脱落が行われる。DPLL16の出力
はタイミング信号発生回路17に供給され、第4図の各部
で必要とされる各種タイミング信号を発生する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ここで、第4図の回路が局側に設置されている場合、タ
イミング発生回路17の出力は復調器8に供給するのみで
あり、送信部2,適応フィルタ10,D/Aコンバータ11及びA/
Dコンバータ12には、高精度のクロックにより発生され
た各種タイミング信号が供給される。これに対し、第4
図の回路が加入者側に設置されている場合には、受信信
号より抽出したクロック系に同期させてデータを送出す
る必要があることから、タイミング信号発生回路17で
は、復調器8のみならず、送信部2,適応フィルタ10,D/A
コンバータ11及びA/Dコンバータ12に対しても必要なタ
イミング信号を供給させねばならない。ここで、第4図
において、発信器15は、局側のクロック発生源とは、独
立に動作する。従って、発信器15の供給を受けるDPLL16
は、受信信号のタイミング位相に追従するように、発信
器15から発生するクロックをm分周してT秒毎のタイミ
ング信号を発生するが、これが前記受信信号のタイミン
グ位相とずれてきた場合、(m±1)分周させて、タイ
ミング位相を合わせる動作をする。これが、第4図の回
路動作が、発信器15の±1クロック分の位相ジャンプを
生じる原因となる。このような位相のジャンプを生じる
タイミング信号を用いて、適応フィルタ10を動作させる
と、位相のジャンプが生じた時、位相ジャンプが生じる
前に発生したエコーと、これを除去するために発生する
エコーレプリカの位相関係が発信器15の1クロック分だ
けずれることに起因し、一時的に残留エコーが増加す
る。この一時的な残留エコーの増加は、位相ジャンプ発
生時に急激に生じ、急速に低下するという性質を持って
いる。一方、適応フィルタ10の適応動作は、ある一定の
時定数をもって動作するものであり、適応フィルタ10で
は、この急激な変化への追従動作に対応できないので、
伝送可能距離が短くなるという欠点があった。ここで、
位相ジャンプに起因する残留エコーの増加が、急速に低
下する理由は、位相ジャンプが生じた後の送信データに
起因するエコーとエコーレプリカのタイミング位相関係
が元に戻るためである。また、この欠点を解決するため
の従来の技術として、アナログのPLLを用いてクロック
ジッタを抑圧するという方法が知られているが、VCXO
(電圧制御型発振器)及びアナログ回路を必要とし、ハ
ードウェアが増加し、従って、LSI化に好ましくないこ
と等が問題となっていた。
本発明の目的は、タイミング位相のジャンプに起因する
残留エコーの増加を抑圧することのできるエコー除去装
置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、ハードウェア規模が小さくか
つLSI化に適合するエコー除去装置を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、送信回路より受信回路へ漏れ込むエコーを除
去するためのエコー除去装置において、 局側のクロックとは独立に動作するクロック発信器の出
力を入力とし受信信号から抽出されたタイミング信号に
同期するように動作するデジタル・フェーズ・ロック・
ループと、 送信データ系列を受け、前記デジタル・フェーズ・ロッ
ク・ループの出力クロックに基づき動作する第1の適応
フィルタと、 前記送信データ系列が供給され、かつ前記デジタル・フ
ェーズ・ロック・ループの出力クロックに基づき動作す
る適応フィルタであって、前記局側のクロックに同期さ
れるよう動作する際、前記デジタル・フェーズ・ロック
・ループの出力クロックに生じる位相ジャンプが発生し
た時に、位相ジャンプが生じた時から、一定時間毎に、
遅延時間の短い方のタップから1タップずつタップ数を
減少させながら1タップになるまで動作する第2の適応
フィルタと、 前記第1及び第2の適応フィルタの出力を加算しエコー
レプリカを得る手段とを備えることを特徴としている。
〔作用〕
本発明においては、クロック位相のジャンプに起因して
生じる残留エコーの増加分に対応するエコーレプリカを
生成するための補正用の適応フィルタを別途用意し、位
相のジャンプが生じた時点よりある一定時間だけ、補正
用の適応フィルタを動作させることにより、残留エコー
の増加を防止する。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。第
1図において、第4図と同一の参照番号を付与された機
能ブロックは第4図と同一の機能を有するものとする。
第1図に示すように、この回路も、送信部2、2線伝送
路4に接続したハイブリッド・トランス(HYB)3、低
域通過フィルタ5、減算器6、A/Dコンバータ12、乗算
器13、適応フィルタ10、D/Aコンバータ11、等化器7、
復調器8、クロック抽出回路14、発振器15、タイミング
信号発生回路17を有しており、これは第4図の場合のも
のと同様である。
第4図と比較して第1図の相違点は、補正用適応フィル
タ18及び加算器19が追加されている点であり、また、こ
れらの追加機能に伴い、DPLL16より、クロック位相のジ
ャンプが生じた時刻を示す位相ジャンプ発生表示信号S
20及びこれに対応する位相のジャンプが遅れか進みかを
示す位相遅れ/進み表示信号S21が補正用適応フィルタ1
8に供給されるようになっている。また、乗算器13の出
力は、適応フィルタ10のみならず、補正用適応フィルタ
18にも供給されており、タップ係数の更新に用いられ
る。
加算器19は、適応フィルタ10及び補正用適応フィルタ18
の出力を加算しエコーレプリカを得るものであり、また
適応フィルタ10及び補正用適応フィルタ18は入力端子1
からの送信データ系列を受け動作するものであるが、こ
れら適応フィルタ10と補正用適応フィルタ18について
は、これら適応フィルタ10,18を動作させるクロックに
位相のジャンプが生じた場合、適応フィルタ10は位相の
ジャンプが生じないときと全く同一の動作を行うのに対
し、補正用適応フィルタ18は、位相のジャンプが生じた
時刻から一定時間毎に1タップずつタップ数を減少させ
ながら1タップになるまで動作する。
すなわち、第1図の適応フィルタ10は、従来例を示す第
4図の適応フィルタ10と全く同一の構成で実現すること
ができる。これに対して、第1図の補正用適応フィルタ
18は、クロック位相ジャンプに起因して発生する残留エ
コーの増加分に対応したエコーレプリカを発生する役割
を担っており、クロック位相のジャンプの発生とは無関
係に常に動作する適応フィルタ10とは内部の構成が若干
異なっている。
第2図は、第1図の補正用適応フィルタ18の入力データ
処理部の一例を示したものであり、これ以外の部分は、
第5図に示す構成と全く同一である。第2図において、
第5図と同一の参照番号を付与された機能ブロック又は
信号は、同一の意味を持つものとする。第2図におい
て、位相ジャンプ発生表示信号S20は、遅延素子1061,論
理和素子1071,1072,・・・,107N-1及び論理積素子1091
に入力される。T秒の遅延を与える遅延素子1061,1062,
1063,・・・,106N-2及び106N-1は、この順にそれぞれ論
理和素子1071,1072,1073,・・・,107N-2を介して接続さ
れていて各遅延素子106i(i=1,2,・・・,N−1)の出
力がそれぞれ論理和素子107iの一方の入力となってお
り、さらに遅延素子106N-1の出力も論理和素子107N-1
一方の入力として供給されている。各論理和素子107
i(i=1,2,・・・,N−1)の他方の入力としては、位
相ジャンプ発生表示信号S20が共通に入力されている。
さらに、位相ジャンプ発生表示信号S20は、論理積素子1
091の一方の入力として供給されると同時に、各論理和
素子107i(i=1,2,・・・,N−1)の出力はそれぞれ論
理積素子109i+1の一方の入力として供給されている。一
方、2値データ系列S103は、遅延素子1001及び乗算器10
81に入力される。T秒の遅延を与える遅延素子1001,100
2,1003,・・・,100N-1はこの順に接続されており、それ
ぞれの出力は乗算器1082,1083,1084,・・・,108Nに供給
される。ここで、乗算器1081,1082,・・・,108Nは、+
1又は−1を掛ける乗算器であり、共通の制御信号とし
て入力される位相遅れ/進み表示信号S21により、+1
を乗算するか−1を乗算するかが決定される。なお、2
値データ系列S103は+1又は−1の値をとることを仮定
しているので乗算器108i(i=1,2,・・・,N)は単に排
他的論理和素子で実現できることは明らかであろう。乗
算器108i(i=1,2,・・・,N)の出力は論理積素子109i
の他方の入力となる。乗算器108i(i=1,2,・・・,N)
の出力と論理積素子109iの出力とが組合わされて3値を
示す2ビットのデータとして、N個のデータDiとして出
力される。ここでN個の出力データDiは、第5図におい
て出力されるN個の出力データに図の左側から順に対応
しているものとする。
次に、第2図の回路動作について第3図に示すタイミン
グチャートを参照して詳細に説明する。第3図(a)及
び(b)はそれぞれ第2図に示す入力信号である位相ジ
ャンプ発生表示信号S20及び位相遅れ/進み表示信号S21
のタイミングを示す。第3図(a)では、“1"の時にク
ロック位相のジャンプが発生したことを示している。ま
た、これに対応して、発生したクロック位相のジャンプ
が進み位相なのか遅れ位相なのかを“0"と“1"で表した
のが第3図(b)である。従って第3図(b)の変化点
は、第3図(a)に示すパルスの立上り時点に一致す
る。一方、第3図(c),(d),(e)及び(f)
は、論理和素子1071,1072,107N-2及び107N-1の出力信号
のタイミングチャートを示したものである。これらは、
すべて第3図(a)に示すパルスの立上り時点で“1"と
なり、それぞれ2T秒,3T秒,(N−1)・T秒及びN・
T秒の間“1"を保持した後“0"となる。従って、第2図
において、論理積素子1091,1092,1093,・・・,109N-1
び109Nの出力は、クロック位相のジャンプが発生した時
点よりそれぞれT秒,2T秒,3T秒,・・・,(N−1)・
T秒及びN・T秒の間“1"を保持し、この間以外は“0"
となるから、第1図の補正用適応フィルタ18は、クロッ
ク位相のジャンプが発生した時点より、T秒間はNタッ
プの適応フィルタとして、次のT秒間は(N−1)タッ
プの適応フィルタとして動作し、さらに、T秒毎にタッ
プ数が1タップずつ減少し、N・T秒後には、補正用適
応フィルタ18は、その動作を停止する。フィルタ動作の
停止は、次に、クロック位相のジャンプが発生するまで
持続する。このように、補正用適応フィルタ18がタップ
数を変化させながら動作する理由は、以下の通りであ
る。クロック位相のジャンプが生じた時刻をt=t0と仮
定すると、第1図において、t≧t0の時刻を対象とした
低域通過フィルタ5の出力中のエコーは、送信部2にて
t<t0の時刻に生成された送信信号に起因する第1のエ
コー成分と、t>t0の時刻に生成された送信信号に起因
する第2のエコー成分とに分けられる。一方、適応フィ
ルタ10で生成されるエコーレプリカは、t≧t0の時刻に
はクロック位相がジャンプした後のタイミングで動作す
るので、第1のエコー成分は、所望通り抑圧されるのに
対し、第2のエコー成分は、エコーレプリカと1クロッ
ク分の位相差を生じ、所望のエコー抑圧度が得られない
ことになる。この残留エコー増加分を補償する役割を担
うのが、補正用適応フィルタ18であり、時刻tがt=t0
より進むに従って、第2のエコー成分に関係するデータ
はT秒毎に一個ずつ減少するから、補正用適応フィルタ
18のタップ数は、t=t0の時刻よりT秒毎にタップ数を
減少させる必要があるのである。
このように、適応フィルタ10,18を動作させるクロック
に位相のジャンプが生じた場合、クロック位相のジャン
プに起因して発生する残留エコー増加分に対応するエコ
ーレプリカは、補正用適応フィルタ18にて発生され加算
器19に供給され、ここで適応フィルタ10の出力と加算さ
れる。従って、加算器19の出力には、クロック位相のジ
ャンプが生じた時にも、これに対応したエコーレプリカ
が得られ、このような加算器19の出力がD/Aコンバータ1
1を介して減算器6の一方の入力として供給され、これ
が低域通過フィルタ5の出力から差引かれることにより
エコーの除去が行われる。
このようにして、第1図及び第2図に示した構成によれ
ば、2線/4線変換回路の4線側にて送信回路より受信回
路へ漏れ込むエコーを除去する場合、送信データ系列を
受け動作する適応フィルタ10および補正用適応フィルタ
18と、適応フィルタ10および補正用適応フィルタ18の出
力を加算しエコーレプリカを得る手段とを少なくとも備
え、適応フィルタ10及び補正用適応フィルタ18を動作さ
せるクロックに位相のジャンプが生じた時、適応フィル
タ10は、位相のジャンプが生じない時と全く同一の動作
を行うのに対し、補正用適応フィルタ18は、位相のジャ
ンプが生じた時刻から、一定時間毎に1タップずつタッ
プ数を減少させながら、1タップになるまで動作するよ
うに構成することにより、クロック位相のジャンプに起
因する残留エコーの増大を防止することができる。この
ため、従来のように、クロックの位相のジャンプが生じ
たときの残留エコーの増加による問題はなく、加算器19
からはクロック位相のジャンプに起因して生じる残留エ
コーの増加分に対応するエコーレプリカを含む出力が取
り出され、これが減算器6に供給されてエコーの除去が
なされることになるから、DPLL16で生成されたクロック
で発生される各種タイミング信号でエコーキャンセラを
動作させても、所望のエコー抑圧度が確保できる。
また、クロック位相のジャンプは、1クロック分のクロ
ック挿入及び脱落から生じるため、それぞれ1クロック
分の位相の遅れ及び進みという現象となるが、この場
合、クロック位相の遅れジャンプ及び進みジャンプに起
因する残留エコーの各増加分は、各々の絶対値はほぼ等
しく極性が逆になるので、このことを利用し、補正用適
応フィルタ18の係数メモリの容量を半分にすることが可
能となる。
更に、従来のように、アナログのPLLを用いる必要もな
く、また補正用適応フィルタ18についてもこれは適応フ
ィルタ10と同様、ディジタル回路で構成することがで
き、ハードウェアの規模も小さくて済む。
なお、適応フィルタ10のタップ数及び補正用適応フィル
タ18の最大タップ数は、それぞれNとしてこれまで説明
して来たが、これは異なっても良い。一般には、後者の
方が前者よりもかなり小さい値である。
また、第1図において低域通過フィルタ5と減算器6の
間にA/Dコンバータを挿入し、以後の処理をすべてディ
ジタル処理で実現することもできる。この時、D/Aコン
バータ11及びA/Dコンバータ12は不要となる。
〔発明の効果〕
以上詳細に述べたように本発明によれば、クロックの位
相ジャンプに起因して一時的に発生する残留エコー増加
分に対応したエコーレプリカを生成するための補正用の
適応フィルタを付加し残留エコーの増大を防止すること
ができるので、クロック位相のジャンプを生じるタイミ
ング信号でエコーキャンセラを動作させても、タイミン
グ信号のジッタが十分抑圧された条件と同等のエコー抑
圧度が確保でき、伝送可能距離を伸ばすことが可能とな
る。また、補正用の適応フィルタも、すべてディジタル
回路で実現できるから、LSI化に適合しているという利
点も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、 第2図は第1図の補正用適応フィルタの入力データ処理
部の一例の詳細ブロック図、 第3図はその動作を説明するためのタイミングチャー
ト、 第4図は従来例を示すブロック図、 第5図は第4図の適応フィルタの詳細ブロック図、 第6図は第5図の係数発生回路を示す図である。 1……入力端子 2……送信部 3……ハイブリッド・トランス 4……2線伝送路 5……低域通過フィルタ 6……減算器 7……等化器 8……復調器 9……出力端子 10……適応フィルタ 11……D/Aコンバータ 12……A/Dコンバータ 13,1011〜101N,1081〜108N,203……乗算器 14……クロック抽出回路 15……発振器 16……ディジタル・フェーズ・ロック・ループ 17……タイミング信号発生回路 18……補正用適応フィルタ 19,102,204……加算器 1001〜100N-1,1061〜106N-1,205……遅延素子 1071〜107N-1……論理和素子 1091〜109N……論理積素子 A1〜AN……係数発生回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信回路より受信回路へ漏れ込むエコーを
    除去するためのエコー除去装置において、 局側のクロックとは独立に動作するクロック発信器の出
    力を入力とし受信信号から抽出されたタイミング信号に
    同期するように動作するデジタル・フェーズ・ロック・
    ループと、 送信データ系列を受け、前記デジタル・フェーズ・ロッ
    ク・ループの出力クロックに基づき動作する第1の適応
    フィルタと、 前記送信データ系列が供給され、かつ前記デジタル・フ
    ェーズ・ロック・ループの出力クロックに基づき動作す
    る適応フィルタであって、前記局側のクロックに同期さ
    れるよう動作する際、前記デジタル・フェーズ・ロック
    ・ループの出力クロックに生じる位相ジャンプが発生し
    た時に、位相ジャンプが生じた時から、一定時間毎に、
    遅延時間の短い方のタップから1タップずつタップ数を
    減少させながら1タップになるまで動作する第2の適応
    フィルタと、 前記第1及び第2の適応フィルタの出力を加算しエコー
    レプリカを得る手段とを備えることを特徴とするエコー
    除去装置。
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