JPH07866Y2

JPH07866Y2 - 食品陳列用敷物

Info

Publication number: JPH07866Y2
Application number: JP1988142684U
Authority: JP
Inventors: 鋼三郎根岸; 光三郎岩井
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Holdings Corp
Priority date: 1988-11-02
Filing date: 1988-11-02
Publication date: 1995-01-11
Anticipated expiration: 2003-11-02
Also published as: JPH0264873U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、特にショーケースに陳列された食品の下に敷
設される人工芝等の食品陳列用敷物に関する。

（従来の技術）スーパーマーケット等で販売される食品は、その鮮度を
維持するために冷凍・冷蔵ショーケースの商品棚に陳列
して低温状態で販売される。また、食品によっては予め
殺菌処理したり、防腐剤が使用され、魚肉類等の臭いを
防止する場合には庫内に脱臭剤を設置したり、樹脂フィ
ルムで包装している。商品棚には、食品の傷の防止や見
栄えをよくするためグリーンの人工芝等が敷設され、各
食品やパッケージは人工芝上に載置して並べられてい
る。

（考案が解決しようとする課題）しかし、野菜や果物に少しでも傷があると、ここから腐
食が進行してエチレンガスの発生量が増大し、庫内のガ
ス濃度が増大すると他の食品も短時間で鮮度が低下す
る。また、魚肉類やケーキ等の場合には、アミン系やア
ンモニア系のガスが発生し、これらは他の食品を相乗的
に腐食させるだけでなく、庫内に臭いが充満して他の食
品にも転移する。

脱臭剤は、この種の臭いを除去するのに有効であるが、
殺菌作用がないので腐食の進行を抑制できず、また設置
に手間がかかると共に庫内の見栄えも悪くなる欠点があ
り、各食品に多量の防腐剤を使用するのは食品衛生上も
好ましくない。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、庫内に敷設されている食品陳列用の人工芝等
を利用して食品の鮮度を維持する点にある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案では、食品等を収容す
るショーケースの食品陳列箇所に敷設される敷物におい
て、平板部とその一側面に植設された芝部で構成された
敷物の表面に、銀イオン発生物質及びガス吸着物質を含
むガス吸着殺菌層を形成している。

（作用）これらの構成により、敷物表面のガス吸着殺菌層に含ま
れる銀イオン発生物質により銀イオンが発生される。こ
の銀イオンは、それ自体が殺菌性を有すると共に、銀イ
オンを触媒として空気中の酸素からオゾンに似た微量の
殺菌性ガスを発生させる。この殺菌性ガスが食品に付着
している細菌の繁殖を抑制する。また、野菜及び果物か
ら発生するエチレンガスや魚肉類から発生するアミン系
ガスは、逆に前記ガス吸着殺菌層に含まれるガス吸着物
質により吸着され、各食品の臭いが除去される。（実施
例）第１図は、本考案に係る食品陳列箇所に敷設される敷物
の一例である食品陳列用人工芝１の拡大断面図である。
本願考案の敷物は、厚さ５〜10mm程度の、例えば塩化ビ
ニール、ポリエチレン等の曲折自在の平板部２から成
り、該平板部の一側面には芝や下草の葉などを型どった
塩化ビニール、ポリエチレン等の伸縮自在な芝部３を植
設している。そして、敷物の表面、即ち、前記芝部３の
表面並びに平板部２の芝部側表面を含む食品等が載置さ
れる面にガス吸着殺菌剤４が付着されている。

ガス吸着殺菌層４は、銀イオン発生物質及びガス吸着物
質を主体とし、これに促進剤を加え、結合剤で層状に形
成されている。

銀イオン発生物質には、銀イオンを含む銀または銀イオ
ン化合物が使用され、銀イオン自体が殺菌性を有すると
共に銀イオンを触媒として空気中の酸素からオゾンに似
たガスを発生させる。オゾンには、殺菌、脱臭及び食品
を活性化させる働きがある。

ガス吸着物質には、二酸化硅素、酸化アルミニウム、ゼ
オライト等の多孔質性粉末が用いられ、これらは食品か
ら生ずる腐食ガスを吸着して脱臭し、更に酸化アルミニ
ウムは商品容器や人工芝１の帯電をも防止する。

促進剤は、前述の殺菌ガスの発生を促進するもので、酸
化チタンやチタン酸カリウムが好適である。結合剤に
は、前述の各粉末物質を結合するもので、変性ポリプロ
ピレン等の熱可塑性樹脂材料が使用される。

この実施例では二酸化硅素３重量部に対して酸化アルミ
ニウム２重量部、酸化チタン１重量部、チタン酸カリウ
ム0.2重量部、銀及び銀イオン化合物0.2〜0.5重量部、
ゼオライト0.2〜３重量部に結合剤であるポリプロピレ
ンを５〜20重量部を加えてこれらを加熱により液状化
し、人工芝１の表面に塗布するか、逆に人工芝１をこの
液に浸漬してガス吸着殺菌層を形成する。

以上のような人工芝１は、第２図に示すように冷蔵ショ
ーケース５内の各商品棚６に載置されて人工芝１上に各
食品７が陳列され、庫内は冷却器８と送風機９によって
適性温度に維持される。

この間人工芝１のガス吸着殺菌層４では、銀または銀イ
オン化合物から銀イオンが放出され、銀イオンの殺菌力
と銀イオンを触媒として空気中の酸素がオゾンに似たガ
スを発生させ、食品７の殺菌、脱臭及び活性化を行な
う。

次に野菜や果物からは熟成するに伴なってエチレンガス
が生じ、魚肉類からはアミン系のガスが生ずるが、これ
らのガスはガス吸着殺菌層４内の二酸化硅素、酸化アル
ミニウム、ゼオライト等の多孔質性粉末によって吸着さ
れるため、各食品の臭いが除去される。庫内が冷却され
て湿度が低下してくると、人工芝１や食品７の容器類は
帯電しやすくなるが、これらの静電気は酸化アルミニウ
ムによって除電される。

庫内の冷却中は、食品７の乾燥を防ぐために従来と同様
に定期的に水分を補給し、また送風機９も低速状態で作
動させるのが望ましい。ガス吸着及び殺菌作用の低下し
た人工芝１は、作業員によって定期的に交換されるが、
銀イオンによって吸着ガスが分解するので長時間効力を
発揮する。

第３図は、１つの芝部分３の中央を平板部分２に埋め込
み、両端を上方に突出させた人工芝１の例で、この場合
ガス吸着殺菌層４は平板部分２の表面に形成するだけで
も同様の効果が得られる。

なお、上記実施例では平板部２の一側面に人工芝からな
る芝部３を植設しているが、芝や下草の葉などを型どっ
たものに限られず、伸縮性を有し、食品冷蔵用の冷気や
後述の殺菌性ガス等が流通する空間が確保される様に植
設されるものであれば他の植物の葉を型どったものやメ
ッシュ状、スポンジ状のものによって芝部が構成された
他の敷物にも充分適用が可能である。

（考案の効果）以上詳述したように、本考案では、ショーケース内に設
置される人工芝等の敷物表面に銀イオン発生物質及びガ
ス吸着物質を含むガス吸着殺菌層を形成しているので、
庫内の食品がガス吸着殺菌層から生ずる殺菌ガス等によ
り高鮮度を維持され、一方食品から生じたガスはガス吸
着殺菌層により逆に吸着されて臭いが除去される効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用された人工芝の拡大断面図、第２
図は人工芝が敷設された冷蔵ショーケースの断面図、第
３図は人工芝の第２実施例を示す拡大断面図である。１…人工芝、２…平板部分、３…芝部分、４…ガス吸着
殺菌層、５…冷蔵ショーケース、６…商品棚、７…食品

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】食品等を収容するショーケースの食品陳列
箇所に敷設される敷物において、平板部とその一側面に
植設された芝部で構成された敷物の表面に、銀イオン発
生物質及びガス吸着物質を含むガス吸着殺菌層を形成し
た、ことを特徴とする食品陳列用敷物。