JPH0786609B2 - 液晶保護方法及び呈色性液晶画像積層品 - Google Patents

液晶保護方法及び呈色性液晶画像積層品

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JPH0786609B2
JPH0786609B2 JP1344712A JP34471289A JPH0786609B2 JP H0786609 B2 JPH0786609 B2 JP H0786609B2 JP 1344712 A JP1344712 A JP 1344712A JP 34471289 A JP34471289 A JP 34471289A JP H0786609 B2 JPH0786609 B2 JP H0786609B2
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清佐 中野
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神光電機産業株式会社
田中 明男
中野 四郎
清佐 中野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印刷又は描画せる液晶の保護被膜を線硬化樹
脂を用いて施す液晶保護方法と,温度が変化することに
よって同一面の目視画像が変化する呈色性液晶画像積層
品に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来は、温度変化によって呈色を変化させるコレステリ
ック液晶の長期実用に供されているものはマイクロカプ
セル化されており、印刷の場合その印圧により、カプセ
ルが破壊し易いので大きな制約を受けていた。
又、マイクロカプセル化された液晶を実際に使用出来る
状態にするには液状バインダーの中に分散させる必要が
あり、液晶の含有量として見ると全体量の30重量%位ま
でが実用されている。
従って、塗布された面は乱反射によって透明性を損なう
と共に、マイクロカプセル化工程におけるカプセル殻の
汚染着色の為にも、透明性を減ずる。
従ってコレステリック呈色性液晶が本来もっている大き
な光の屈折率(水晶の約20倍)に基づく宝石の様な美し
い呈色も失われて、装飾的価値を減じてしまう。
しかし、従来はステロイド系コレステリック混合液晶で
温室付近で使用されるものはマイクロカプセル化しなけ
れば不安定で短期間で固化結晶してしまい、実用品とし
ての適性を欠けていた。
ところが当発明の発明者によって、長期安定なマイクロ
カプセル化を必要としないコレステリック液晶組成物が
開発され(特願平1−155186号)、この面からは通常マ
イクロカプセル化の必要はなくなったが、長期安定な液
晶組成物であって、繊維及び分散塗料などの加工用には
適応出来ても、直接に印刷又は描画された場合の液晶画
像パターンの表面は、マイクロカプセル化液晶或いは、
固型マトリックス剤分散液晶などと違い、はだかのメソ
モルフィックの儘なので、高粘性液状であり、保護被膜
をしなければ手で触れることも出来ないし、外的環境に
も汚染され易い。この様な状態の儘での実用は一般に希
である。
本発明は、プラスチック,ガラス,紙,金属などの平板
状基材(基盤と称す。)に、印刷又は描画された液晶画
像パターンに悪影響を与えることなく、しかもそれに密
着して気泡などを有せず、透明で丈夫な保護被膜を施す
有効な方法を提供するものである。
また、従来は温度によって呈色が変化する実用に供せら
れている液晶サーモグラフィック及び、液晶温度計など
は一般に表面の保護フィルムと黒色バックフィルムとの
間に、マイクロカプセル化液晶をバインダーに分散し、
1枚のフィルム状に乾燥固化したものを挾み込んだ構造
になっている。
従ってフィルム上の任意の一つの位置は一種類の液晶の
呈色変化のみを表現する。
従って、呈色範囲を広げると温度変化に対し鈍感にな
り、感知密度は粗になって小さい温度変化には感応しな
い。
又小さい温度変化にも感応する様温度変化に対し敏感に
すると、感知密度は密になるが呈色範囲は狭くなってし
まう欠点がある。従って従来の液晶温度計は一平面上に
夫々呈色温度の違う液晶を一列並びに配置せざるを得な
かった。
また、従来の液晶繊維製品である糸はマイクロカプセル
化液晶によって呈色をするので、呈色温度の巾を広げる
為には呈色温度の夫々違う複数のカプセル化液晶を混在
させることになり、その温度で呈色している一種類の液
晶以外は、その温度では呈色していないので呈色中のカ
プセル化液晶の密度は粗くなり、従って呈色は暗くなっ
て実用性を失う。
本発明は温度変化に対応して呈色中の液晶の呈色変化の
限界を越えると呈色中の液晶が入れ替わり目視画像が変
化する様積層状に構成されているので、高感度広範囲呈
色用として使用可能であるばかりでなくて、新感覚のグ
ラフィックデザインなどこれ迄にない用途開拓を可能に
した。
また本発明による繊維製品の糸は上述の様に積層状に構
成されているので、環境の温度変化に対応して鋭敏にそ
の呈色を変化させるとともに、広い温度範囲に渡って鮮
明な呈色をするので、室内装飾品、服飾デザイン等に極
めて斬新な感覚を取り入れることを可能にした。
以上の様に本発明は高感度広呈色範囲を有し鮮明で新感
覚の呈色性液晶画像積層品を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
1 粘性液体膜である液晶パターンが印刷或いは描画し
てある基盤上に電磁線で照射されると硬化する粘性液体
の電磁線硬化用樹脂を、その液晶パターンの厚み以上の
厚みで、液晶パターン上及びパターン周辺を含めて、液
晶面上では粘性液体の液晶と粘性液体の電磁線硬化樹脂
同志が密接し合った状態でコーティングし、このコーテ
ィングと同時又はその直後に硬化用電磁線照射をしこの
電磁線硬化樹脂を硬化して透明保護被膜を形成すること
を特徴とする液晶保護方法。
2 呈色温度の違う液晶を、それぞれに請求項1記載の
液晶保護方法によって形成した透明保護被膜を介して、
積層状態に印刷或いは描画したことを特徴とする呈色性
液晶画像積層品。
3 液晶が下記に示す組成物で構成された請求項2記載
の呈色性液晶画像積層品。
記 (A)Ch・脂肪酸エステルなどにおいて 式 R・COO・Ch(但しRは一般式がCnH2n+1で表される
メタン列炭化水素基である)で示されるCh・アルキルカ
ルボン酸の4≦n≦11であるもの。
式 R′・COO・Ch(但しR′は一般式がCnH2n-1で表さ
れるエチレン列炭化水素基である)で示されるCh・アル
ケニルカルボン酸の4≦n≦17であるもの。
及び、Ch・3−クロルプロピオネート、Ch・ハロ。
以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
テルなどの合計が20重量%以上。
(B)Ch・脂肪族アルコール炭酸エステルにおいて 式 R・O・COO・Ch(但しRは一般式がCnH2n+1で表さ
れるメタン列炭化水素基である)で示されるCh・アルキ
ルカーボネートの3≦n≦18であるもの。
及び、式 R′・O・COO・Ch(但しR′は一般式がCnH
2n-1で表されるエチレン列炭化水素基である)で示され
るCh・アルケニルカーボネートの3≦n≦18。
以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
テルの合計が10重量%以上。
(C)Ch・炭素環式化合物のカルボン酸エステル及び炭
酸エステルにおいて (式中Pはゼロ又は1であり、Qはゼロ又は1であり、
P+Qはゼロ又は1であり、或いは2であり、Sはゼロ
又は1であり、Tはゼロまたは1であり、S+Tは1で
あり、nは0〜6であり、mは0〜2であり、Xは炭素
原子1〜4個を有するアルキル基であり、或いは炭素原
子1〜3個を有するアルコキシル基であり、或いはニト
ロ基であり、或いはアミノ基であり、或いはカルボキシ
ル基であり、或いはハロ基である)で示されるエステ
ル。
並びに、Ch・4〜7員環脂環式化合物のカルボン酸エス
テル、及び炭酸エステル。
並びに、Ch・4〜7員環脂環式化合物ジカルボン酸水素
であるモノエステル。
以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
テルの合計が5重量%以上。
上記の(A)+(B)+(C)の合計のCh・エステルな
どの種類が少なくとも6種類となるように配合して主成
分とすることを特徴とするコレステリック液晶組成物。
〔作 用〕
第1発明(請求項1記載の発明)につき説明する。
基盤上に印刷又は描画された液晶画像の厚さは普通10〜
20ミクロンである。
本発明は、この基盤の上に液晶パターンの厚みの通常2
倍以上の厚さの無溶剤液状電磁線硬化型樹脂を、液晶パ
ターン上及び液晶パターン周辺を含めてコーティングす
ると同時又は直後に、ピンホール、クレーター、膜切れ
など被膜欠陥の起こりはじめないうちに、該樹脂に適し
た放射線又は強い紫外線を照射して、瞬時に硬化させ
て、基盤に接着した固体透明で、丈夫な保護被膜を形成
するものである。
この保護被膜の液晶画像パターン上の厚みは、コーティ
ング厚みより液晶パターンの厚みを減じたものになり、
被膜表面は平面となる。
本発明の一実施様態に付き説明する。
液晶パターンは高粘性液状表面であり、コーティングす
る樹脂も硬化前は同じく粘性液体である。
しかし、この場合の液晶パターンは極薄平膜状で基板に
密着した状態であり、基板との付着力の影響下にあり、
又各エッジやコーナーは自然とダレを生じてアールがつ
いているので、コーティング時の抵抗を減じ、パターン
くずれを起こしにくくしている。
尚、コーティングは普通、ナイフコートで行なわれるの
で、コート時には強い剪断応力を受けて樹脂粘度が一時
的に下がる。
従って、樹脂は実用に供されている中粘度程度のものの
うちから選ばれることになる。
パターンすずれを心配して粘度を低くとり過ぎると、液
晶が表面張力の関係で樹脂を弾いて被膜にクレーターを
発生させたり、或いは樹脂と液晶の接触面で一部混合が
起きて、呈色の際、曇りを生じたりする。
しかしこれとてもタイムラグと密接にかかわっており、
コーティング直後でクレーターが発生する前に又曇りの
原因が起こる前に硬化させることが出来れば被膜欠陥は
出ない。
従って当該発明を実施するに当たって一番留意しなけれ
ばならないのは、いかにしてコーティングと硬化の間の
タイムラグを短くするかと云うことであり、短ければ短
い程、良質の保護被膜が得られ易くなる。
ピンホールやクレーターの発生を抑えて良質の被膜を得
るのにコーティングの厚さを厚くすることは、通常考え
られることであるが、これには、単位表面積当たりの照
射線被曝量を多くしなければならず、被照射体の温度を
より上昇させ、(特に紫外線での場合)硬化直前の樹脂
粘度が下がるので、かえって被膜欠陥を作り易くする。
更に、照射線の大部分は硬化の為にコーティング樹脂に
吸収されるのであるが、一部は液晶に達しているので、
その影響力も、一般的にはより大きく受けることにな
る。
従って良好な被膜厚さは、コーティング1回当たり液晶
パターンの厚さの3倍(液晶パターン上の被膜厚さは、
液晶パターンの2倍の厚さ)以上で、30〜120ミクロン
であり通常は35〜100ミクロンである。
次に別の実施様態に就いて説明する。
何等かの理由により液状樹脂コーティングと硬化を一つ
の工程として時間的間隔を明けることなく、連続して同
時に行うことが出来なくて、コーティングと硬化の間
に、凡そ2秒以上の間隔が必要な場合とか、更に膜厚の
薄い保護被膜を必要とするとか、曲面に保護被膜をしな
ければならないとかの場合は、有効な方法である。
液晶画像パターン上に直接液状樹脂をコーティングする
のではなくして、照射線透過性の高い非接着性(又は易
接着性)のプラスチックフィルム、及び吸湿性のセロハ
ンフィルムなどに先ず所望の厚さに液状樹脂をコーティ
ングし、それを気泡の入らないように該液状樹脂面を液
晶パターン面とを向き合って張り合わせ、しかる後にコ
ーティング用バックフィルムの背面から線照射して保護
用樹脂を硬化させ、非接着性フィルムはそのまま静かに
剥離し、又温度をかけてから剥離し、(易接着性フィル
ムはそれの分厚くなるが張り付けた儘)吸湿性のセロハ
ンフィルムは背面より充分吸湿させてから剥離し、固体
透明で丈夫な保護被膜を得ることが出来る。
この様にコーティング剤背面にバックフィルムのある場
合は、液晶パターンの表面張力との差によって張力され
た液状樹脂を排除出来なくなるので、コーティング面に
クレーターや膜切れを起こすことが無くなるが、気泡が
入らない様に又パターンくずれを起こさない様にしなが
ら液状樹脂のコーティングされたフィルムを液晶画像の
ある基盤に張り合わせなければならず、個々には夫々に
適した対応で実施されることになる。
又、張り合わせ後、硬化用線照射までの時間は短い程よ
く、周囲温度にもよるが、常温で1分間を限度とし、普
通にはその半分までとした方が良い。
更に前記二つの実施様態の中間的方法を述る。
ドクターナイフで液晶パターンのある基盤上に直接コー
ティングするのであるが、その場合コーティングされる
べき液状樹脂とドクターナイフの間に、一端を固定せる
バックフィルムを置き、ドクターナイフは樹脂で濡れる
ことなくバックフィルムの背面をスクイージングする。
この時基盤上に液状樹脂が置いてあれば、スクイジー圧
で、一定の厚みでバックフィルムが張り付いたまま、塗
り広げられる。
これを前記、要領で硬化して保護膜を得るのである。
第2発明(請求項2〜4記載の発明)について説明す
る。
本発明は、呈色温度のそれぞれ違う液晶を夫々に透明保
護膜を介しては、印刷或いは描画するもので、その保護
被膜の上に(または他の透明フィルムに)別の液晶で、
別の画像を印刷或いは描画し、又その保護被膜の上にと
(他の透明フィルムを使用した場合に保護被膜を施して
から該フィルム裏面と前の保護被膜面とを密に接着し)
順次繰り返しながら、幾層も積み重ねておき、そして表
面から見ると一番下の層の下側に透過光吸収用の黒色層
がある様に構成されており、通常は温度変化が積層して
ある或る一層の呈色中の液晶パターンの呈色範囲を越え
ると同時に、次の層の別の呈色範囲と別のパターンを有
する液晶が呈色しはじめるので、熱分布像表示用のサー
モグラフィックなどは広範囲呈色で、高感度表示がで
き、温度計などの場合も小さなスペースでも大きな表示
数字で見易い温度計が得られる。
又、温度の変化によって、表面から見える呈色中の模様
をいくつも変更させられるので、感温機能を有するグラ
フィックデザインの新分野開拓を可能にする。
尚、本発明による液晶繊維製品の糸はリールに巻かれた
長尺フィルムを用いる。これに液晶画像として任意の巾
の無限長の直線数十本〜数百本を一定間隔で並行に、主
にロータリースクリーン印刷、或はグラビアロール印刷
でエンドレスに印刷をする。次にその上に保護被膜を
し、上記と同様これを繰り返して各層で順次呈色温度の
違う多数直線の液晶画像積層長尺フィルムを得る。これ
に紫外線防止及びガスバリヤー機能を有する保護フィル
ムをラミネート加工する。この様にして得られたものを
慣用の金銀糸製作方法によってスリッター機で糸状にス
リットしながら巻き取ることにより液晶積層糸を得る。
この液晶積層糸を作製するに当たっては積層されたお互
いに重なり合う上下の液晶直線画像に左右へのずれを生
じないように、またスリッターの刃が糸側面の保護壁を
残さないで液晶直線に接触したりしないように、精度の
高い印刷及びカッティング製糸が必要とされる。しか
し、注意深く作製された本発明による液晶糸は従来から
の金銀糸と全く同じ方法で布にすることも可能で、その
機械的強度も同様であり、また長期に渡って高感度・広
呈色範囲で鮮明に呈色が変化し、室内インテリア、服飾
デザイン等には斬新で極めて有効な素材を提供すること
になる。
〔実施例〕
第1発明(請求項1記載の発明)についての実施例を詳
述する。
本方法発明者はマイクロカプセル化をしなくとも晶析固
化しない長期安定なステロイド系液晶組成物の発明に於
いて、当該方法により極めて多数の試料に保護被膜を施
したので、その作製方法に於いて具体的に述べる。
印刷適応液晶試料用基盤作製は、顕微鏡用スライドガラ
スの両側長手方向に約3ミリメートル幅で普通の粘着剤
付セロハンテープを張り付け、中央部約19ミリメートル
幅のガラス面の一端に、透明紫外線硬化樹脂を適当量付
着させ、ドクターナイフで他端までスクイージングする
ことによって、セロハンテープの厚みである50ミクロン
の厚さで該樹脂をコートし、セロハン張付面と同一平面
とする。
これに紫外線照射をしてコーティング樹脂を硬化させ
た。
これを基盤として試料用液晶を350〜500メッシュスクリ
ーンを使用して無溶剤で47〜52℃で印刷し、60〜70℃で
2〜3分間アニール後、本方法で保護用被膜を施した。
低温放射線照射が温度の上昇も少なく瞬間的照射で樹脂
を硬化させる為、ほとんど液晶に影響を与えずに被膜出
来て極めて優れているのだが、実施しにくく一般的でな
いので、当実施例でも紫外線照射を採用している。
使用した樹脂はポリエン40〜50%,ポリチオールエステ
ル50〜60%に光反応開始剤及び、安定剤の合計4%以上
混合せる組成で、(上記に限らず樹脂の選定は比較的自
由に出来、プレ重合してもよい。)粘度は2,500〜3,000
CPSである。
又、気温が上がると樹脂粘度が下がるので、良好な結果
を得る為に20℃以下でコーティングした。
紫外線照射装置は、米国フュージョン・システム社製
の、無極性水銀ランプ(ランプインプット300w/inch、U
Vアウトプット97w/inch、赤外線アウトプット55w/inc
h)をマイクロウエーブで駆動する方式のものを使い、
熱線カット用クオーツプレートを併用した。
これらを試料面に焦点が来る様に試料移送用コンベアに
設置し、コンベアスピードは毎秒26センチメートルとし
た。
これは硬化する必要のある樹脂の厚さが50ミクロンと薄
い為、照射時間が短くて済む為である。
液晶パターンの印刷、アニール後、前記基盤作製の時と
同様に、試料中央部分の液晶パターンには触れない様に
しながら、基板の両側から3ミリメートル、即ち基板両
側のセロハンテープの上に、又、新しいセロハンテープ
をそっくりその儘、張り重ねて2重とし、コーティング
用樹脂を適当量一端に付着させ、ドクターナイフで液晶
画像上をスクイジーしながら50ミクロン厚さの液状樹脂
を被覆し、即時、照射中の焦点近くでコンベアに載せ紫
外線を照射して硬化透明保護被膜を得ている。
ここで大切なのは、コーティング樹脂が流動性を失うま
での間のタイムラグを可能な限り短くすることが重要で
ある。
周囲温度20℃の時のタイムラグは前記条件では2秒、好
ましくは1.5秒までであり、それを越えると液晶パター
ン上で膜切れや、クレーターが起こり得る。
従って当発明を工業的に実施するには、樹脂コーティン
グと電磁線照射の両装置を出来るだけ近付け、両作業を
一工程として連続して行い得る専用装置の必要が生ず
る。また、照射線源と被照射物のどちらも照射中移動す
ることなく、スポット照射装置とシャッターの使用で対
応した方がよい場合もある。
当発明に於いて、以上の如くして液晶薄膜パターン上
に、紫外線を吸収して反応を起こす、樹脂膜があるにし
ても、一部は液晶面に吸収され、液晶を劣化させるおこ
れがあるので、注意深く繰り返しテストしたので、以下
代表的一例を述べる。
印刷はCh・ペラルゴン酸45.0%、Ch・ラウリルカーボネ
ート14.5%、Ch安息香酸11.5%、Ch・n−カプロン酸9.
0%、Ch・n−ヘプチルカーボネート5.0%、Ch・ラウリ
ン酸4.0%、Ch・2−エチルヘキサノエート7.0%、Ch・
テレフタル酸水素3.0%、酸化防止剤1.0%の組成(Ch・
はコレステリル)である混合液晶を使用し、パターン厚
みは9.8〜10.0ミクロンとした。
試料作製条件は、すべて前記と同一である。
保護被膜以前の(ハダカの)試料は緑色呈色36.0℃であ
るが、ちなみにこれを前記条件でハダカの儘紫外線に被
曝させると緑色呈色34.0℃になり2.0℃の低下を見る。
(パターン厚み14.5〜15.0ミクロンにすると1.2℃低下
となる) しかし、上記に於いて樹脂コートしてから、照射被曝さ
せた試料は被膜アニール直後に、緑色呈色が33.0℃で3.
0℃の低下を招くが室温放置で1ケ月後には、34.0℃に
2ケ月後には35.0℃まで回復し、以降呈色温度は変わら
ず安定した。
又前記により硬化保護被膜を施してから、更に同一条件
で紫外線照射を幾回も繰り返して見たが一回当たりの被
曝での呈色温度の低下は0.1℃と僅かであり、50ミクロ
ン被膜を2回行って被膜厚さ100ミクロン(液晶パター
ン上は90ミクロン)としたものは、以後の3回照射で、
呈色温度の低下は認められなかった。
以上のテスト結果から樹脂をコーティングする際、それ
に接した液晶分子の配位に強く影響を及ぼす為に、3.0
℃の温度降下が起こったものであり、液晶の紫外線劣化
の為でないと結論し、更に、次のテストをして確かめ
た。
上記基板の上に液晶を置き、更に紫外線透過率70%以上
であることを確認した、カバーガラスで覆い温度と圧力
を掛けて厚さ12ミクロンの液晶薄膜を得、カバーガラス
の上から前記と同様の紫外線照射テストを行ったが、呈
色温度の降下はなく、前記結論を変更しなければならな
いようなことは起きなかった。
又紫外線照射を余分に受けたものとそうでないものをの
2年後に於ける経時的差異も認められなかった。
しかしコレステリルアルケニルカルボン酸及び炭酸エス
テルの多用、或はハロ基の入ったものの配合などでは線
照射の影響を受け易く、中にはその影響が後になって表
れてくるものもあるので、線照射は必要量以上にすべき
ではない。
また、当発明実施による電磁線照射は被膜液状樹脂の流
動性を可能な限り短時間で消失させるのが目的であるの
で、照射によって完全硬化しなくともよく、あらかじめ
使用樹脂に熱硬化性等の他の硬化性を付与しておくこと
により、液晶の照射線被曝量を減じることが可能であ
る。
従って本発明に用いる電磁線硬化用樹脂は、他の硬化性
をも付与した電磁線硬化樹脂を含むものである。
更に第2発明(特に請求項4記載の発明)についての実
施例を詳述する。
当発明実施による感温機能を有する装飾用途品の1例に
就いて。
当該実施例は夫々違った呈色範囲とパターンをもった4
層の液晶画像から成っており、使用せる液晶はマイクロ
カプセル化をしていないコレステリック液晶組成物(本
願出願人による特願平1−155186号に記載したコレステ
リック液晶組成物)で、その組成と、呈色範囲を記す
る。
第1層 Ch・ペラルゴン酸45.0%,Ch・ラウリルカーボ
ネート14.5%,Ch・安息香酸11.0%,Ch・n−カプロン酸
8.5%,Ch・n−ヘプチルカーボネート4.5%,Ch・n−ブ
チルカーボネート1.5%,Ch・ラウリン酸4.0%,Ch・2−
エチルヘキサノエート7.0%,Ch・テレフタル酸水素3.0
%,酸化防止剤1.0%の赤色出初め30.0℃〜濃い赤色31.
0℃〜橙32.0℃〜緑33.0℃〜青34.0℃〜紫35.0℃〜暗紫3
6.0℃。
第2層 Ch・ペラルゴン酸44.0%,Ch・ラウリルカーボ
ネート14.0%,Ch・安息香酸11.0%,Ch・n−カプロン酸
8.5%,Ch・n−ヘプチルカーボネート4.0%,Ch・n−ブ
チルカーボネート6.0%,Ch・ラウリン酸3.0%,Ch・2−
エチルヘキサノエート5.5%,Ch・テレフタル酸水素3.0
%,酸化防止剤1.0%の赤色出初め24.0℃〜緑29.0℃〜
暗紫33.0℃。
第3層 Ch・ペラルゴン酸42.5%,Ch・ラウリルカーボ
ネート13.5%,Ch・安息香酸11.0%,Ch・n−カプロン酸
8.5%,Ch・n−ヘプチルカーボネート4.0%,Ch・n−ブ
チルカーボネート9.0%,Ch・ラウリン酸2.5%,Ch・2−
エチルヘキサノエート5.0%,Ch・テレフタル酸水素3.0
%,酸化防止剤1.0%の赤色出初め17.0℃〜緑23.0℃〜
暗紫28.0℃。
第4層 Ch・ペラルゴン酸42.0%,Ch・ラウリルカーボ
ネート13.5%,Ch・安息香酸11.0%,Ch・n−カプロン酸
8.5%,Ch・n−ヘプチルカーボネート2.0%,Ch・n−ブ
チルカーボネート9.0%,Ch・n−アミルカーボネート2.
0%,Ch・ラウリン酸2.0%,Ch・2−エチルヘキサノエー
ト4.0%,Ch・イソブチルカーボネート2.5%,Ch・テレフ
タル酸水素2.5%,酸化防止剤1.0%の赤色出初め7.0℃
〜緑15.0℃〜暗紫21.0℃。
当該実施例は以上の組成のものを使用したが第2層、第
3層では第1層と第4層の混合のものでも、ほぼ同一結
果を得ることが可能である。
又、低温層になる程呈色幅が広く、高温層は狭くしてあ
るのは、一般室内では気温が低い時程、暖房その他で室
温の変動幅が大きく従って、目視される液晶画像の模様
や、又その呈色も変化し易く、高温になるにつれて一般
室温の変動幅が小さくなるので、模様の移り変わりや、
呈色の変化を少しでも平均化する様に、配慮した為であ
る。
当該品の主な使用目的は室内ディスプレー、室内インテ
リア又は服飾品であるので、現在呈色中の或る模様画像
と、次に呈色してくる模様画像との中間温度に変化した
時に、呈色中のものは消えてしまっているのに、まだ次
の模様が呈色しなくて困る。
従って温度の変化につれて前の模様が消えてしまわない
うちに、次の模様が呈色する様に各液晶の呈色範囲を設
定している。
しかしこの様に構成すると二重画像が現れる時があるの
で、当該実施例使用の液晶は、赤から緑までは平均した
鮮明さで濃く呈色し、青から紫へと極端に呈色が薄くな
る様に組成してあるので、(Ch・安息香酸などは赤の呈
色を補強し、青から紫にかけての呈色を減少させる機能
を持っている。) 赤の出初めと、前(或いは次)の模様の青とが重なり合
う様に構成すると、赤の視覚に訴える割合が充分大きい
為に、極めて自然に模様が移り変わって行くように見え
る。
次に当実施例の作製順序を述べる。
先ず基盤となる一般的には、被膜コーティング用樹脂が
接着する様に処理してある黒色プラスチックフィルム
(黒色を塗ったものでも、裏から黒色感圧接着剤を張り
付けたものでもよい。)に基盤も含めて45℃以上の雰囲
気にて上記第1層の液晶を適合する画像パターンを有す
る500メッシュスクリーンを用いて無溶剤にて印刷し、6
5℃〜70℃で1.5〜2分間アニールを施して後、20℃以下
で50ミクロン厚さで、印刷された液晶画像パターンを保
護する為に紫外線硬化用樹脂をコーティングすると同時
に、紫外線照射で硬化し、保護被膜をする。(該実施例
では前述せる発明1の実施例と同一の紫外線硬化樹脂、
及び紫外線照射装置を使用した。) 次にその上に、上記第2層を第1層の時と全く同じ方法
で施し、更に第3層、第4層と積み重ね、最後の保護被
膜後アニールをして、必要に応じその上にガスバリヤー
性フィルムや紫外線防止用フィルムなどを張り合わせて
完成させる。
当実施例により作製された、液晶画像積層品は周囲の温
度状態により4重の全く違う画像模様が現れたり、消え
たりするし、又、鮮明な色彩で赤〜青までの呈色変化も
し、亦温度が変わらなくとも選択性散乱によってそれを
見る角度によっても異なった色や模様が見えて、服飾品
の小さな物から、壁紙の様な大きな面をもったものまで
利用され、斬新な視覚的効果を与えることが出来る。
当発明実施による液晶積層繊維製品である糸の一例に於
いて述べる。
作製方法は原理的には前記実施例の感温機能を有する装
飾用途品と同一であるが、使用する基盤が巻き取られた
長尺のフィルム(以降ウエブと称す)であり、加工の最
終段階でウエブをスリッター機によって細く切り裂いて
糸とする工程が入るので、取り扱われる機械装置類はほ
とんど変更せざるを得ない。厚さ30ミクロン、巾110ミ
リメートルのガスバリヤー層を有する紫外線吸収剤練り
込みで、易接着タイプの透明フィルムをウエブとして用
いた。その易接着面に57.0〜60℃にてロータリースクリ
ーン印刷機で、金属円筒状500メッシュスクリーン印刷
版によって、0.3ミリメートル間隔で、巾0.5ミリメート
ル、厚さ9ミクロンの直線の並行細線、100本を縦長方
向にエンドレスに印刷した。印刷せる液晶は前記実施例
の装飾用途品の第1層と同一である。(2層目以降も前
記実施例の装飾用途品の場合と同一の夫々の層で使用し
た液晶を用いた。)上記印刷後、連続してウエブ裏面は
冷やしロールで表面は冷風で20℃以下にまでその温度を
下げて、このままの状態では巻き取り不能なので、連続
して保護被膜工程に入る。使用せるコート用液状樹脂及
びそれの硬化用装置は前記実施例の装飾用途品の場合と
同一であるが、コーターなナイフロール機で、バックロ
ールは硬質不錆ロール、ナイフは薄い三角刃であるもの
を用いてコーティングした。コーティング直後に硬化用
装置を通過させ厚さ35ミクロンの硬化保護被膜を得て
後、小型高性能のエッジ・ポジション・コントロール
(一般にEPCと呼ばれている)に装着されたワインダー
にて巻き取った。
巻き取りの速さは毎分16メートルと比較的遅く、これは
樹脂硬化用装置の紫外線照射能力によって制限を受けた
結果である。
次にこれを掛け替え、その上に上記第1層と同じ様に第
2層、第3層、第4層と積層した。
この時に最も注意を払ったのは、各層の液晶直線画像間
に真上から見て左右のズレを生じさせないことであり、
その目的の為には巻き取られたウエブをやはり高性能の
EPCの使用によって一旦巻き戻してから、第1層の時と
同一の機械装置を繰り返し使用し、印刷される液晶だけ
を取り替えた方がよい。
該実施例で使用したウエブの巾は110ミリメートルと極
めて小巾であるが、上記及びスリッターによる理由か
ら、可能な限り印刷精度を高めなければならず、ウエブ
耳端位置揃え、及びウエブの張力制御は極めて重要であ
る。印刷ユニット前には高精度インフィールドテンショ
ンコントロールを、樹脂硬化ユニット後には高精度アウ
トフィールドテンションコントロールを装着して、アン
ワインダー及びワインダーと併用して張力の一定化を図
った。
この様に注意深くして作製されたウエブに、該実施例の
基盤に用いたと同様のフィルムで巾だけをわずかに縮小
したものを表面用としてラミネートし、更に必要に応じ
て、ウエブ裏面に黒色塗工を施した。ドライラミネータ
ーによる加熱によって、印刷された液晶はアニールされ
ることになり好都合である。
最後に以上のようにして得られたウエブを、慣用の金銀
糸製造用スリッター機によって細断して糸とし巻き取っ
た。
この場合も上記印刷の場合と同様に、精度の高いスリッ
トが必須であり、夫々の液晶直線画像と画像の中間をス
リットしなければならず、各自動制御システムには高性
能なものが必要であった。
また糸や布を切断した場合でも液晶層の厚さが薄いので
付着力の働きによってそこから液晶が濡れ出ることはな
いが、環境に汚染されたり酸化が切り口から進むのを防
止する為に、端末処理が必要でこれには各種の透明無溶
剤速硬化形接着剤が利用出来る。また該実施例使用の紫
外線硬化樹脂もハンディタイプの紫外線スポット照射機
による硬化によって有効に使用し得る。
この様にして作製された液晶積層糸は長期に渡って安定
であり、充分な強度を有し、従来からの金銀糸と同じ方
法で布にしたり刺繍模様を縫うことが可能である。かか
るものは鮮明に呈色すると共に、温度変化に対応して次
から次へと広い温度範囲に渡って呈色が変化し、また見
る角度によってもその呈色が変わり斬新で、審美的感覚
を見る者に与え、室内インテリヤ、服飾デザイン等に極
めて好ましい効果をもたらすことが可能である。
当発明実施による液晶積層温度計の一例に於いて述べ
る。
一般室温用温度計で計測範囲は4.0℃〜36.0℃であって
3℃間隔で11種類10段重ねである。
即ち5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,の数字が、夫々
対応する温度で緑色に呈色する液晶で、前記実施例同様
に印刷積層される。
当該液晶は表示数字の温度では緑色である1.0℃低い時
は赤色に1.0℃高い青色に呈色し、表示数字より1.5℃の
高低温度で数字表示が重なって出る様になっている。
しかし表示数字より1.5℃高い方の呈色は紫色であり、
低い方の呈色は赤の出初めであるので読み取りの困難性
はない。
呈色温度の高い液晶の方が、呈色鮮明濃厚であるので基
板に近く、呈色温度の低い方を表面に近くなる様に積層
する。
一番下の呈色中の液晶数字を読み取るのに、10層の透明
液晶数字のパターンを通して見るわけであるが、500メ
ッシュスクリーン印刷の液晶パターの厚みは約10ミクロ
ンであるので、10層重なったとしても0.1ミリメートル
の厚さであり、それぞれの保護被膜さえ透明であれば、
積み重ねによっての読み取りの障害は感じない。
次にこの温度計に採用される液晶の組成を記すと次の通
りである。
35℃緑呈色用 Ch・ペラルゴン酸45.0%,Ch・ラウリルカーボネート14.
5%,Ch・安息香酸11.0%,Ch・n−カプロン酸9.0%,Ch
・n−ヘプチルカーボネート5.0%,Ch・ラウリン酸4.0
%,Ch・2−エチルヘキサノエート8.2%,Ch・テレフタ
ル酸水素2.5%,酸化防止剤0.8% 17.0℃緑呈色用 Ch・ペラルゴン酸40.0%,Ch・ラウリルカーボネート14.
0%,Ch・安息香酸9.0%,Ch・n−カプロン酸6.0%,Ch・
n−ヘプチルカーボネート3.0%,Ch・ラウリン酸3.0%,
Ch・2−エチルヘキサノエート5.0%,Ch・テレフタル酸
水素2.0%,Ch・イソブチルカーボネート4.0%,Ch・フェ
ニルアセテート7.0%,Ch・オレイルカーボネート6.0
%,酸化防止剤1.0% 5.0℃緑呈色用 Ch・ペラルゴン酸25.0%,Ch・ラウリルカーボネート9.0
%,Ch・安息香酸7.0%,Ch・n−カプロン酸6.0%,Ch・
n−ヘプチルカーボネート2.0%,Ch・n−ブチルカーボ
ネート6.0%,Ch・2−エチルヘキサノエート4.0%,Ch・
オレイルカーボネート40.0%,酸化防止剤1.0% 又、32.0℃,29.0℃,23.0℃,20.0℃各緑呈色用は上記35.
0℃及び17.0℃緑呈色用液晶の混合で作製し、14.0℃,1
1.0℃,8.0℃は上記17.0℃及び5.0℃各緑呈色用の液晶の
混合で作製する。
当実施例により作製された液晶温度計は積層してあるの
で、小さなスペースでも見易くて大きな数字でデジタル
に表示され、温度表示用数字と共に模様も一緒に印刷さ
れ得るのでデザイン効果を付与することが出来る。
又、温度表示用数字以外の文字、或いはマークなどで温
度に関連した異なった表示を同一スペースに、夫々温度
を違えて幾つも現すことが可能である。
当発明実施による熱分布像表示用サーモグラフィックの
一例に於いて述べる。
当発明サーモグラフィックシートは通常用途には4層ま
でが適している。
作製方法は前記当該発明実施例とほぼ同一であるが、顕
著に違うのは液晶パターンである。
従来は呈色する液晶層は1層であったので、この問題は
起こり得ないが、該サーモグラフィックでは呈色範囲の
夫々違う液晶層を複数積層しているので、極めて主要な
問題である。
当発明によるサーモグラフィックシート表面の任意の箇
所に於ける現在呈色中の液晶がどの呈色範囲を有する液
晶であるかを、一見して即座に間違いなくはっきり識別
出来る様にそれぞれの画像パターンを特徴あるものとす
ると共に、任意の箇所が極く小面積であっても明確に温
度表現が可能な様に液晶をべた刷りに近いものとする必
要がある。
当実施例に於いては、各層の液晶の緑呈色の温度を、小
さな数字で細い線でシート全面に渡って密に、その数字
だけが抜けて液晶が印刷されない様な版で印刷し、当該
液晶が呈色中の時、バックの黒が数字の部分だけ透けて
見える様にすることによって黒色細線の数字で温度が読
取れる様にした。
又、用途によっては各種の細線や、密集した小さなマー
ク類で表現識別することがよい場合もある。
前述の液晶保護被膜法の実施によって、透明保護被膜を
施す場合、液晶パターン面上だけでなく、その周辺のパ
ターンの無い部分も含めた同時コーティングが必須であ
り、サーモグラフィックスの如く液晶がべた刷りに近い
状態では保護被膜のアンカーが全面に亘ってほぼ平均に
必要である。
黒抜き数字、黒抜線、各種マークやパターンなどの黒抜
きバック箇処がその役割を果たすことになる。
この様に配慮され作製された当発明実施の液晶サーモグ
ラフィックシートは、一層当たりの呈色範囲巾を小さく
することによって僅かな温度変化にも感応する高感度形
であると同時に、全体に於いて所望の広い呈色範囲巾が
得られ、従来は不可能であった高感度で広呈色範囲巾の
精密熱分布画像を得ることが出来る。
〔発明の効果〕 第1発明(請求項1記載の発明)について記載する。
当発明によって液晶印刷及び描画等に於いて呈色性保存
液晶(キラルネマチック形を含む)との併用によりマイ
クロカプセル化を必要としなくなったので、スクリーン
印刷等は500メッシュ以上のスクリーンでなければ出来
ない様な複雑精密なパターンや、細線をも自由に印刷出
来ると共に、不必要にパターの厚い印刷も避けられる。
又、バインダーやカプセル核がないので乱反射や着色も
なく、呈色している時は極めて鮮明に呈色して装飾的価
値を高め、呈色していない時は画像の厚さも薄いことも
あってすぐれた透明性(バックにブラックフイルムの無
い場合)を確保している。
なお当発明実施によって、従来の如くマイクロカプセル
化工程、篩わけ工程、バインダー分散工程等不用になる
ので、その経済的効果は見逃すことの出来ない大きなも
のとなる。
当発明は液晶に限定されることなく、その儘で他の粘性
液体であるグリス状物質、磁性流体、導電性不乾流体等
の薄膜パターンの保護膜を得るのに最適であり利用し得
る。
第2発明(請求項2記載の発明)について記載する。
当発明により温度の変化に対応して呈色が可視光線全域
に渡って変化すると共に、設定された限界値を越えると
今まで呈色していた画像と通常は入れ替わって別の画像
が同一面に呈色しはじめ、この様にして温度の変化に連
動して幾つもの夫々に違った画像が鮮明に目視される。
従って、繊維製品である糸や布、熱分布像表示用のサー
モグラフィックなどは高感度・広呈色範囲のものが作製
される。温度計等は各温度表示数字がすべて積み重ねら
れているので、小さなスペースでも大きな数字で表示さ
れ見易く、温度表示用数字と共に模様も一緒に印刷して
おけば新しいデザイン効果を付与することも出来る。短
い文章よマーク等を同一面上に、温度変化に対応して夫
々に違うものを表示することが出来る。当発明は服飾品
の小さなものから壁面やカーテンの様に大きな面をもっ
たものまで実施し得る。周囲温度に連動して呈色や目視
画像を変化させると共に、選択的散乱光によりそれを見
る角度によっても異なった色や模様が見えて、なおさら
に斬新な視覚的効果を与えることが出来る。従って新感
覚のグラフィックデザイン、室内インテリヤデザイン、
服飾デザイン等の開発を可能にする新しい素材を提供す
ることが可能となる。
特に請求項4記載の発明においては、液晶に本出願人に
よる特願平1−155186号に示すコレステリック液晶を採
用したから、マイクロカプセル化を要しないで、任意の
呈色範囲を有し長期に渡って安定に且つ長期保存使用可
能となるなど秀れた効果を発揮する液晶画像積層品とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−19833(JP,A) 特開 昭60−200226(JP,A) 特開 昭60−220383(JP,A) 実開 昭49−43288(JP,U) 実開 昭57−151759(JP,U) 特公 平5−38037(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘性液体膜である液晶パターンが印刷或い
    は描画してある基盤上に電磁線で照射されると硬化する
    粘性液体の電磁線硬化用樹脂を、その液晶パターンの厚
    み以上の厚みで、液晶パターン上及びパターン周辺を含
    めて、液晶面上では粘性液体の液晶と粘性液体の電磁線
    硬化樹脂同志が密接し合った状態でコーティングし、こ
    のコーティングと同時又はその直後に硬化用電磁線照射
    をしこの電磁線硬化樹脂を硬化して透明保護被膜を形成
    することを特徴とする液晶保護方法。
  2. 【請求項2】呈色温度の違う液晶を、それぞれに請求項
    1記載の液晶保護方法によって形成した透明保護被膜を
    介して、積層状態に印刷或いは描画したことを特徴とす
    る呈色性液晶画像積層品。
  3. 【請求項3】液晶が下記に示す組成物で構成された請求
    項2記載の呈色性液晶画像積層品。 記 (A)Ch・脂肪酸エステルなどにおいて(Ch・は後記す
    る) 式 R・COO・Ch(但しRは一般式がCnH2n+1で表される
    メタン列炭化水素基である)で示されるCh・アルキルカ
    ルボン酸の4≦n≦11であるもの。 式 R′・COO・Ch(但しR′は一般式がCnH2n-1で表さ
    れるエチレン列炭化水素基である)で示されるCh・アル
    ケニルカルボン酸の4≦n≦17であるもの。 及び、Ch・3−クロルプロピオネート、Ch・ハロ。 以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
    テルなどの合計が20重量%以上。 (B)Ch・脂肪族アルコール炭酸エステルにおいて 式 R・O・COO・Ch(但しRは一般式がCnH2n+1で表さ
    れるメタン列炭化水素基である)で示されるCh・アルキ
    ルカーボネートの3≦n≦18であるもの。 及び、式 R′・O・COO・Ch(但しR′は一般式がCnH
    2n-1で表されるエチレン列炭化水素基である)で示され
    るCh・アルケニルカーボネートの3≦n≦18。 以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
    テルの合計が10重量%以上。 (C)Ch・炭素環式化合物のカルボン酸エステル及び炭
    酸エステルにおいて (式中Pはゼロ又は1であり、Qはゼロ又は1であり、
    P+Qはゼロ又は1であり、或いは2であり、Sはゼロ
    又は1であり、Tはゼロまたは1であり、S+Tは1で
    あり、nは0〜6であり、mは0〜2であり、Xは炭素
    原子1〜4個を有するアルキル基であり、或いは炭素原
    子1〜3個を有するアルコキシル基であり、或いはニト
    ロ基であり、或いはアミノ基であり、或いはカルボキシ
    ル基であり、或いはハロ基である)で示されるエステ
    ル。 並びに、Ch・4〜7員環脂環式化合物のカルボン酸エス
    テル、及び炭酸エステル。 並びに、Ch・4〜7員環脂環式化合物ジカルボン酸水素
    であるモノエステル。 以上の群のうちから、少なくとも1種類の選ばれたエス
    テルの合計が5重量%以上。 上記の(A)+(B)+(C)の合計のCh・エステルな
    どの種類が、少なくとも6種類となるように配合して主
    成分とすることを特徴とするコレステリック液晶組成
    物。 (上記Ch・はC27H45で示されるコレステリル、又はコレ
    スタニルを含むコレステリルである。又Ch・エステルな
    どにはCh・ハロを含む。)
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