JPH0786344A - 半導体素子測定方法 - Google Patents

半導体素子測定方法

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JPH0786344A
JPH0786344A JP25262293A JP25262293A JPH0786344A JP H0786344 A JPH0786344 A JP H0786344A JP 25262293 A JP25262293 A JP 25262293A JP 25262293 A JP25262293 A JP 25262293A JP H0786344 A JPH0786344 A JP H0786344A
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正人 松井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体素子の微小電流測定を行なう際ケーブ
ルに発生する誘電吸収現象を抑制する。 【構成】 電気特性の測定対象となる半導体素子Rは半
導体装置基板に形成されており、且つ外部から深針可能
な少なくとも一対のパッド電極X,Yを備えている。一
対のプローブピン1x,1yを各々対応するパッド電極
X,Yに接触させ所定の電圧を印加して微小電流を測定
する。一対のプローブピン1x,1yは測定機本体3と
ケーブル2x,2yで夫々接続されている。一方のケー
ブル2x側は接地電位に対して正極性の電位に保持し、
他方のケーブル2y側は接地電位に対して負極性の電位
に保持した状態で半導体素子Rに流れる微小電流の測定
を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置基板に形成さ
れており且つ外部から深針可能な少なくとも一対のパッ
ド電極を備えた素子の電気特性を測定する方法に関す
る。例えば、プロセスモニタ用に設けられたテスト素子
の微小電流測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6を参照して、従来の半導体素子測定
方法を簡潔に説明する。素子Rは半導体装置基板(ウエ
ハ)に形成されており且つ外部から深針可能な少なくと
も一対のパッド電極X,Yを備えている。ウエハは通常
帯電していないので接地電位(0V)にあると考えられ
る。素子Rは模式的に抵抗要素として表わされている
が、実際には薄膜トランジスタ素子等様々な要素が対象
になる。この半導体素子Rは、例えばプロセスモニタ用
に設けられたテスト素子である。一対のプローブピン1
x,1yを各々対応するパッド電極X,Yに接触させ所
定の電圧を印加して微小電流を測定する。微小電流のオ
ーダは例えば1nA以下である。プローブピン1x,1y
は夫々ケーブル2x,2yを介して測定機本体3に接続
されている。測定機本体3には微小電流測定用の電流計
4と定電圧源5が含まれている。図示の例では、電流計
4が接続されている一方のケーブル2x側に所定の電圧
+H(V)が印加され、他方のケーブル2y側は接地電
位即ち0(V)に保持されている。この状態で半導体素
子Rに流れる微小電流を電流計4により測定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した様に通常帯電
のない状態では半導体素子Rが形成されたウエハは接地
電位にあると考えられる。従って電圧印加初期において
は、一方のケーブル2xに所定の電圧+H(V)がその
まま印加され、他方のケーブル2yには殆ど電圧がかか
らない事になる。この場合一方のケーブル2x側に誘電
吸収現象が発生する。この誘電吸収現象とは、要するに
ケーブルの芯線に電流が流れる事によって起こる芯線周
囲の誘電分極である。微小電流測定の際に誘電吸収現象
が引き起こされると、ケーブルにおける分極作用の為実
際以上の電流が過渡的に流れる。この現象を明らかにす
る為、図7に等価回路を示してある。等価回路上、ケー
ブル2xは浮遊容量Cxとして表わされ、測定対象とな
る半導体素子Rに並列して介在する。この結果、一対の
パッド電極X,Y間に所定の電圧+H(V)を印加する
と、半導体素子Rに微小電流Imが流れるとともに、浮
遊容量Cxにも過渡的に微小電流Ipが流れる事にな
る。誘電吸収現象は当然の事ながらケーブルに印加され
る電圧が大きいほど影響が強く現れる。従来、一方のケ
ーブル2x側に所定の電圧+H(V)がそのまま印加さ
れるので誘電吸収現象の影響が無視できないほど大きく
なり、過渡微小電流Ipが初期的に大量に流れる。従っ
て、電圧を印加したままケーブルの誘電分極が起こりき
るまで待機せざるを得ず測定サイクルが長期化するとい
う課題があった。この待機時間は数秒に及ぶ場合があっ
た。仮に過渡状態下で微小電流の測定を実施すると正味
の微小電流Imを測定する事ができず精度の悪化を招
く。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為以下の手段を講じた。即ち本発明は基本
的に、半導体装置基板に形成されており且つ外部から深
針可能な少なくとも一対のパッド電極を備えた素子の電
気特性を測定する方法である。特徴事項として、測定機
本体とケーブルで接続された一対のプローブピンを各々
対応するパッド電極に接触させ所定の電圧を印加して微
小電流を測定する際、一方のケーブル側は接地電位に対
して正極性の電位に保持し、他方のケーブル側は接地電
位に対して負極性の電位に保持した状態で該素子に流れ
る微小電流の測定を行なう。
【0005】上記手段は微小電流測定に関するものであ
ったが、本発明はさらに四端子法による電圧降下量の測
定にも適応可能である。即ち、測定機本体とケーブルで
接続された一対のプローブピンを各々対応するパッド電
極に接触させ一定の微小電流を供給して素子端子間の電
圧降下量を測定する際、一方のケーブル側は接地電位に
対して正極性の電位に設定し、他方のケーブル側は接地
電位に対して負極性の電位に設定した状態で該素子に一
定の微小電流を供給する様にしている。
【0006】本発明はさらに微小電流の測定用に用いら
れる電流計の接続方式を包含している。即ち、電流計を
含む測定機本体とケーブルで接続された一対のプローブ
ピンを各々対応するパッド電極に接触させ所定の電圧を
印加して微小電流を測定する際、該電流計に接続された
一方のケーブル側は接地電位に保持し、他方のケーブル
側は接地電位に対して負極性の電位に保持した状態で対
象素子に流れる微小電流の測定を行なう。
【0007】
【作用】本発明によれば、半導体素子の微小電流測定を
行なう際、一方のケーブル側は接地電位に対して正極性
の電位に保持し、他方のケーブル側は接地電位に対して
負極性の電位に保持する様にしている。従って、測定の
為に印加される電圧は両ケーブル側に分割されるので、
誘電吸収現象の影響が軽減され、測定ループを流れる微
小電流は速やかに定常状態に達する。従って従来に比し
待機時間を短縮化できる。同様に、四端子法を用いて半
導体素子に一定微小電流を供給しつつ素子端子間電圧降
下量を測定する際にも、両ケーブルに印加電圧を分散し
ている。この為、半導体素子に対して速やかに一定微小
電流を供給でき測定サイクルの短縮化が可能である。さ
らに本発明の別の側面によれば、微小電流測定を行なう
際電流計を接地電位側のケーブルに接続し、誘電吸収現
象による悪影響を抑制する様にしている。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる半導体素子測定
方法の第1実施例を示す模式図である。測定系自体は図
6に示した従来例と類似しており、理解を容易にする為
対応する部分には対応する参照番号及び参照符号を付し
てある。図示する様に測定対象となる半導体素子Rは半
導体装置基板(ウエハ)に形成されており、外部から深
針可能な少なくとも一対のパッド電極X,Yを備えてい
る。なおウエハは通常帯電していないので接地電位にあ
ると考えられる。半導体素子Rの微小電流を測定する際
には、一対のプローブピン1x,1yを各々対応するパ
ッド電極X,Yに接触させ所定の電圧を印加する。この
一対のプローブピン1x,1yは夫々ケーブル2x,2
yを介して測定機本体3に接続されている。測定機本体
3は微小電流測定用の電流計4と所定の電圧を印加する
為の定電圧源5を備えている。
【0009】本発明の特徴事項として、一方のケーブル
2x側は接地電位に対して正極性の電位に保持され、他
方のケーブル2y側は接地電位に対して負極性の電位に
保持されている。具体的には、ケーブル2x側には+H
/2(V)が印加され、ケーブル2y側には−H/2
(V)が印加される。従って、半導体素子Rには図6と
同様に予め設定された所定の電圧H(V)が印加される
事になる。即ち本例では、所定の印加電圧H(V)を両
ケーブル2x,2yに対して均等に分割化している。従
って各ケーブル2x,2yに引き起される誘電吸収現象
の程度が軽減可能である。一方、測定対象となる半導体
素子Rには所定の電圧H(V)がそのまま印加されるの
で、図6に示した従来例と同等の条件で微小電流測定が
可能である事はいうまでもない。
【0010】図2は、図1に示した測定系の等価回路を
表わしている。この回路図では、各ケーブル2x,2y
が等価的に浮遊容量Cx,Cyで夫々表わされている。
一対の浮遊容量Cx,Cyはパッド電極X,Yの間に介
在し、測定対象となる半導体素子Rに並列していると見
做す事ができる。直列接続した一対の浮遊容量Cx,C
yの合成容量は、仮にCx=Cyとした時Cx/2で表
わされる。図7に示した従来例の等価回路と比較すれば
明らかな様に浮遊容量は半減している。従って、電圧印
加初期においてケーブル側に流れる過渡電流Ipは少な
くなり、且つ速やかに飽和状態に達する。これにより、
正味の微小電流Imを測定するまでの待機時間を短縮化
できる。
【0011】図3は初期において測定ループに流れる微
小電流の経時変化を示したグラフである。比較の為、図
1に示した本発明の場合をカーブ100で表わし、従来
の場合をカーブ200で表わしてある。グラフから明ら
かな様に、本発明にかかる測定方法を採用した場合微小
電流は速やかに定常状態に達する一方、従来の測定方法
では定常状態に達するまで時間を要する。例えば、従来
微小電流測定までの待機時間が1秒以上であったのに対
し、本発明によれば1秒以内に短縮化する事ができる。
【0012】図4は本発明にかかる半導体素子測定方法
の第2実施例を示す模式図である。本例は四端子法を用
いて半導体素子Rの電圧降下量ΔVを測定するものであ
る。図示する様に測定対象となる半導体素子Rには一対
のパッド電極X1,Y1と他の一対のパッド電極X2,
Y2が設けられている。本例では測定機本体は定電流源
6と電圧計7を備えている。ケーブル21を介して定電
流源6に接続された一対のプローブピン11は各々対応
するパッド電極X1,Y1に接触され、一定の微小電流
Iを半導体素子Rに供給する。一方ケーブル22を介し
て電圧計7に接続された他の一対のプローブピン12は
夫々対応するパッド電極X2,Y2に接触され、半導体
素子Rの端子間に生ずる電圧降下量ΔVを測定する。こ
の際、定電流源6に接続された一方のケーブル側は接地
電位に対して正極性の電位に設定され、同じく定電流源
6に接続された他方のケーブル側は接地電位に対して負
極性の電位に設定される。従って、測定ループに加わる
電圧は一対のケーブル21に分割化される。各ケーブル
に印加される電圧が小さくなるので誘電吸収現象の程度
が軽減され、一定の微小電流Iを速やかに測定対象とな
る半導体素子Rに供給する事ができる。これにより、電
圧降下量の測定サイクルを短縮化できる。
【0013】図5は本発明にかかる半導体素子測定方法
の第3実施例を示す模式図である。本例は微小電流測定
に関するものであり、特に電流計の接続方法を対象にし
ている。基本的な測定ループ構成は図6に示した従来例
と類似しており、対応する部分には対応する参照番号お
よび参照符号を付して理解を容易にしている。異なる点
は、電流計4に接続された一方のケーブル2x側を接地
電位に保持し、他方のケーブル2y側を接地電位に対し
て負極性の電位に保持した状態で、半導体素子Rに流れ
る微小電流の測定を行なう事である。本例では電流計4
側のケーブル2xには殆ど電圧が印加されない。従っ
て、誘電吸収現象が実質的に起らず、電流計4に対して
過渡的な悪影響を及ぼす事がない。
【0014】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、測
定機本体とプローブピンの間に介在するケーブルにおい
て発生する誘電吸収現象の影響を顕著に軽減する事が可
能である。この為、高速で微小電流測定が可能になると
いう効果がある。従って測定サイクルを短縮化でき、半
導体装置の生産性が向上する。又誘電吸収現象により生
ずる過渡電流を抑制できるので例えば1nA以下の微小電
流の測定精度を改善する事ができるという効果がある。
さらに、従来に比し各ケーブルには低電圧が加わる為測
定作業における安全性が向上するという効果がある。加
えて各ケーブルでの誘電吸収現象が均等に引き起される
為、全てのケーブルについて経時劣化が同程度となり管
理保守が単純になるという効果がある。又、各ケーブル
の経時劣化が同等に進行する為、経時的な測定誤差を抑
制する事ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体素子測定方法の第1実施
例を示す模式図である。
【図2】図1に示した測定系の等価回路図である。
【図3】図1に示した測定方法により計測される微小電
流の過渡変化を示すグラフである。
【図4】本発明にかかる半導体素子測定方法の第2実施
例を示す模式図である。
【図5】本発明にかかる半導体素子測定方法の第3実施
例を示す模式図である。
【図6】従来の半導体素子測定方法の一例を示す模式図
である。
【図7】図6に示した測定系の等価回路図である。
【符号の説明】
1x プローブピン 1y プローブピン 2x ケーブル 2y ケーブル 3 測定機本体 4 電流計 5 定電圧源 6 定電流源 7 電圧計 R 半導体素子 X パッド電極 Y パッド電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置基板に形成されており且つ外
    部から深針可能な少なくとも一対のパッド電極を備えた
    素子の電気特性を測定する方法であって、 測定機本体とケーブルで接続された一対のプローブピン
    を各々対応するパッド電極に接触させ所定の電圧を印加
    して微小電流を測定する際、 一方のケーブル側は接地電位に対して正極性の電位に保
    持し、他方のケーブル側は接地電位に対して負極性の電
    位に保持した状態で該素子に流れる微小電流の測定を行
    なう事を特徴とする半導体素子測定方法。
  2. 【請求項2】 半導体装置基板に形成されており且つ外
    部から深針可能な複数のパッド電極を備えた素子の電気
    特性を測定する方法であって、 測定機本体とケーブルで接続された一対のプローブピン
    を各々対応するパッド電極に接触させ一定の微小電流を
    供給して素子端子間の電圧降下量を測定する際、 一方のケーブル側は接地電位に対して正極性の電位に設
    定し、他方のケーブル側は接地電位に対して負極性の電
    位に設定した状態で該素子に一定の微小電流を供給する
    様にした事を特徴とする半導体素子測定方法。
  3. 【請求項3】 半導体装置基板に形成されており且つ外
    部から深針可能な少なくとも一対のパッド電極を備えた
    素子の電気特性を測定する方法であって、 電流計を含む測定機本体とケーブルで接続された一対の
    プローブピンを各々対応するパッド電極に接触させ所定
    の電圧を印加して微小電流を測定する際、 該電流計に接続された一方のケーブル側は接地電位に保
    持し、他方のケーブル側は接地電位に対して負極性の電
    位に保持した状態で該素子に流れる微小電流の測定を行
    なう事を特徴とする半導体素子測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08184646A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nec Ic Microcomput Syst Ltd 半導体集積回路

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08184646A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Nec Ic Microcomput Syst Ltd 半導体集積回路

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