JPH0786072B2 - エレベータの異常検出装置 - Google Patents

エレベータの異常検出装置

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JPH0786072B2
JPH0786072B2 JP4298388A JP29838892A JPH0786072B2 JP H0786072 B2 JPH0786072 B2 JP H0786072B2 JP 4298388 A JP4298388 A JP 4298388A JP 29838892 A JP29838892 A JP 29838892A JP H0786072 B2 JPH0786072 B2 JP H0786072B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電圧形インバータを用い
た交流エレベータの制御装置において、インバータ主回
路の故障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−135078号公報には、異常時に
作動する安全リレーを強制的にオフさせ、その接点の信
号をマイクロコンピュータに取り込み、接点をオン,オ
フする変化を検出することにより、安全リレーの故障診
断を行うことが記載されており、また、特開昭63−2289
74号公報には、電流形インバータの主回路において異常
時に、直流リアクトルを短絡するサイリスタの故障検出
を行うことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、電圧
形インバータを用いたエレベータ制御装置については考
慮がされておらず、特に、主回路構成上の違いにより、
主回路の不足電圧や、回生電力消費回路の導通故障検出
装置等、電圧形インバータエレベータ特有の故障検出手
段をチェックすることができない問題があった。
【0004】本発明は、電圧形インバータ制御エレベー
タの主回路異常検出装置が本当に動作するかどうかをチ
ェックし、エレベータの安全を確保することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、望ましい実施例においては、呼検出手段と、その呼
びが無い状態が所定時間継続した時、主回路の異常検出
手段を自動的に動作させる手段を備え、異常検出手段が
正常に動作するかどうかチェックする。
【0006】異常検出手段を自動的に動作させる方法と
して、まず、一には、インバータ装置を動作させ、電動
機に電流を流すことで、インバータ主回路の平滑コンデ
ンサに蓄えられている電荷を放電することで異常検出手
段(この場合は不足電圧)を動作させることが出来る。
【0007】また、回生電力消費回路を動作させて、主
回路に蓄えられた電荷を放電することにより、同様の異
常検出手段を自動的に動作させることができる。
【0008】
【作用】上記望ましい実施例においては呼び検出手段
は、エレベータのかご呼び及びホール呼びを検出し、所
定時間呼びが無く、エレベータが待機している時を条件
に以下のような主回路のチェックを行う。
【0009】まず、電圧形インバータでは、主回路に大
容量の平滑コンデンサが存在し、このためインバータの
交流入力側を遮断しても、インバータの主回路には電圧
がある。また接触器10をいて入力を遮断しても、イ
ンピーダンスR2 を介して平滑コンデンサを充電する回
路が存在することからも電荷が残っている。そのため、
インバータ主回路の不足電圧検出回路は不動作状態にな
ったままである。従って、この不足電圧検出回路は、め
ったに動作しないので、これが正常か否かは分かりにく
い。ところが、前記主回路の電圧が低下したまま、これ
に気付かずインバータを起動しエレベータを運転しよう
とすると、電動機の制御が効かず、エレベータにとって
非常に危険である。本発明は、この不足電圧(電圧低
下)検出回路を自動的に動作させそのチェックを行う
め、インバータを動作させ、電動機に電流を流す。つま
り、平滑コンデンサの電荷をインバータを介して電動機
に放電すると、主回路電圧は下り、不足電圧回路を自動
的に動作させることができ、不足電圧回路が本当に動作
するかどうかチェックできる。
【0010】また、同様の原理で、回生電力消費回路の
導通故障検出回路のチェックも、自動的に電動機に電流
を流すことによってトランジスタTRS7がONしたと
同じようにTRS7の両端電圧を低下させることが出来
るのでこの電圧の変化でチェック可能である。
【0011】また、TRS7をONし回生電力消費回路
を動作させて、導通故障検出回路を動作させてもよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1,図2及び図
3を用いて説明する。
【0013】図1は本発明の系統図である。図1におい
て、三相交流電源からダイオードD1〜D6から成るコン
バータCNVを介して直流に変換し、エレベータの運転
時にオンする接触器の接点10を介して大容量の平滑コ
ンデンサCに接続され、さらに、六個のトランジスタT
RS1〜TRS6から成る周知のインバータINVによ
り、任意の電圧と周波数をもつ三相交流を出力し主電動
機IMに交流電力を供給する。
【0014】また、エレベータは普通、かご2とつり合
いおもり3とが巻上機MCを介してつるべ状に配置さ
れ、エレベータ側から電動機IMを駆動する場合があ
る。この時、電動機IMは回生状態となり、その回生電
力はインバータ主回路の抵抗R1とトランジスタTRS
7 により電力消費制御される。
【0015】また、かご2内の運転盤にはかご呼び発生
装置CBがあり、エレベータ乗り場には各階にホール呼
び発生装置HBがあり、それぞれ、ケーブルによって、
呼び検出回路を含む制御装置1に入力され、エレベータ
を運転制御する。
【0016】さて、図1の電圧形インバータでは、主回
路の直流電圧を平滑化するため、大容量のコンデンサC
があり、通常、一定電圧となる。しかし、何らかの原因
で主回路電圧が異常に低下した時、エレベータの性能が
保持できなくなるため、主回路の電圧不足を検出する装
置が必要となってくる。また、回生電力消費回路の導通
故障も同様の不具合をまねくので、導通故障検出装置が
必要になる。この両方の機能を満足する手段が図1の1
00であり、回生電力消費回路のトランジスタTRS7
のコレクタ,エミッタ間の電圧を検出しフォトカプラ等
で絶縁してその信号を制御装置1へ送ることができる。
すなわち、エレベータ停止中は、主回路電圧は約300
Vであり、トランジスタTRS7 はオフしているので、
そのコレクタエミッタ間には電圧が発生する。何らかの
異常で主回路の電圧が異常に低下した時や、トランジス
タTRS7 が導通故障した時は、コレクタ・エミッタ間
の電圧は零、もしくは、所定値以下の値となり、不足電
圧検出器100は異常状態を検出することができる。
【0017】ところが、この不足電圧検出器、あるい
は、回生電力消費回路トランジスタ導通故障検出器10
0(以下、単に、不足電圧検出器と記す)が故障する場
合も考えられる。この時、実際に不足電圧が発生する様
な事態はめったに無く、本当に、不足電圧が発生した時
に動作するかどうかは不明である。
【0018】本発明の特徴はこの点について配慮された
もので、その望ましい一実施態様においては、エレベー
タの呼びが所定時間継続して無い状態で、インバータI
NVを動作させて、平滑コンデンサCの電荷を電動機I
Mに放電させ、その主回路電圧を自動的に低下させ
すると、不足電圧検出器100は、電圧のある状態から
不足電圧に到る点を検出でき、正常に動作すること
認できる。この作業は、図2,図3に示す様に制御装置
1のマイクロコンピュータで自動的に行うことができ
【0019】また、誘導電動機に流す電流は、エレベー
タが停止中であるので駆動トルクを発生しない直流が望
ましい。さらには、平滑コンデンサのエネルギ1/2C
2(Cは容量、Vは電圧)を電動機内の抵抗で消費す
るため、その直流電流もある値以上とする必要がある。
なぜなら、コンデンサには、抵抗R2 を介して充電する
回路があるため、充電よりも大きなエネルギを消費しな
いと、主回路の電圧が低下しないからである。このある
値とは電動機の励磁電流の二倍ぐらいが適当であること
が実験的に確かめられている。
【0020】また、主回路の平滑コンデンサCの電荷を
放電する手段として回生電力消費回路のトランジスタT
RS7 を自動的にオンさせても良い。
【0021】図2は、図1のフローチャートを示す。エ
レベータの呼びが所定時間継続して無い状態が発生した
時、エレベータを停止状態にし(ただし、呼びの登録は
可能としても良い)、電動機に電流を流す。すると主回
路の電圧が低下し、トランジスタTRS7 のコレクタ・
エミッタ間の電圧を検出する、不足電圧検出器100が
動作する。もし、動作しなければ、不足電圧検出器の故
障としてエレベータを休止とし、故障表示する。一方、
不足検出器が動作した時は、正常とし、電動機電流をオ
フして、エレベータを待機中にもどす。そして、抵抗R
2 を介して平滑コンデンサCに充電し平常の電圧とな
る。
【0022】図3は、別の主回路低下法で、回生電力消
費回路を所定時間動作させ、平滑コンデンサCの電荷を
抵抗R1 を介して放電させる。所定時限後、回生電力消
費回路をオフさせ、回生電力消費回路の導通故障検出回
路、すなわち、トランジスタTRS7 のコレクタ・エミ
ッタ間の電圧であり、不足電圧でもあるが、動作すれば
正常であり、不動作であれば、導通検出回路の故障とし
てエレベータを運転休止し、その旨、故障表示すること
ができる。
【0023】本発明の他の実施例を図4に示す。図1と
異なるのは、不足電圧検出器101を、平滑コンデンサ
の両端に接続した点である。この例では、回生電力消費
回路のトランジスタTRS7 のチェックはできない。
【0024】主回路電圧を低下させる手段は図2,図3
のフローチャートに示す通りであるので説明は省略す
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、電圧形インバータによ
って制御されるエレベータの異常を確実にチェックする
ことにより、システム全体の安全性を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の系統図。
【図2】図1のフローチャート。
【図3】図2のフローチャート。
【図4】他の実施例の系統図。
【符号の説明】
100…導通故障検出器、INV…インバータ、C…平
滑コンデンサ、TRS7…回生電力消費回路用トランジス
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 勤 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社 日 立製作所 水戸工場内 (56)参考文献 特開 平1−152970(JP,A) 特開 昭58−59179(JP,A) 特公 平3−78356(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の階床をサービスするエレベータと、
    このエレベータを駆動する誘導電動機と、直流入力側に
    コンデンサを備え前記電動機に交流を供給する電圧形イ
    ンバータ装置と、前記電圧形インバータの直流入力側
    回路の電圧下を検出する手段とを備えたものにおい
    て、エレベータ停止中の所定条件時に前記コンデンサの
    電荷を放電させる手段と、この放電させる手段の動作時
    に前記電圧低下検出手段の出力をチェックする手段を備
    えたエレベータの異常検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記所定条件を、所定
    時間呼びが無い状態としたエレベータの異常検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記直流入力側に、エ
    レベータを駆動する電動機の回生電力を消費する手段を
    備え、前記放電させる手段は、前記回生電力消費手段を
    動作させるように構成したエレベータの異常検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記放電させる手段
    は、前記インバータを動作させて電動機に所定の電流を
    通電させるように構成したエレベータの異常検出装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、電動機に流す電流は直
    流であることを特徴とするエレベータの異常検出装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、所定の電流とは、電動
    機の励磁電流より大きな値であることを特徴とするエレ
    ベータの回路異常検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5859179A (ja) * 1981-09-28 1983-04-08 三菱電機株式会社 交流エレベ−タの制御装置
JPH01152970A (ja) * 1987-12-07 1989-06-15 Toshiba Corp インバータ制御装置
JPH0378356A (ja) * 1989-08-21 1991-04-03 Meisei Electric Co Ltd 電話機の再ダイヤル方式及び電話機

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