JPH0785997B2 - 熱可塑性ゴム組成物からなる膨張式救命用品 - Google Patents

熱可塑性ゴム組成物からなる膨張式救命用品

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JPH0785997B2
JPH0785997B2 JP61279100A JP27910086A JPH0785997B2 JP H0785997 B2 JPH0785997 B2 JP H0785997B2 JP 61279100 A JP61279100 A JP 61279100A JP 27910086 A JP27910086 A JP 27910086A JP H0785997 B2 JPH0785997 B2 JP H0785997B2
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JP
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thermoplastic rubber
rubber composition
gas
parts
rubber
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賢一 香川
慶三 柴田
鷹二郎 舘野
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱可塑性ゴム組成物に関し、更に詳しくは救命
胴衣、救命筏、ゴムボード等の気密性袋体製造に適した
熱可塑性ゴム組成物に関する。
(従来の技術) 一般に救命胴衣等の気密性袋体は柔軟なフイルム或いは
ゴム引布等を糊貼り加工或いは高周波ウエルダー加工し
て得られる気室体を有している。しかし、これらの気室
体を形成する高分子膜を気体が浸透、拡散にすることに
より、内部の封入気体が漏れ出し、内部の圧力が徐々に
低下する。このためブチルゴムのような気体透過性の低
いゴム材料の使用が考えられるが、ブチルゴムは接着加
工性が悪いという欠点を有する。
また加硫ゴムのフイルム或いはゴム引布はウエルダー等
で瞬時に接着することができず、一般的には接着面をバ
フ掛けし、糊を1回又は2回塗布後、乾燥し、重ね合わ
せてローラー等で押圧して成型しなければならない。
上記の問題点について例えば特開昭61−143455号にはゴ
ムに鱗片状ないし平板状充填剤を配合したガス充填用ゴ
ム材料が低い気体透過性を有することが記載されてい
る。しかし、このゴム材料は加硫ゴムに関するもので、
熱可塑性エラストマーを対象とするものでなく、その水
上等での浮遊状態における浮力の低下率等については何
らの記載もない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は低い気体透過性を有すると共に、ウエル
ダー加工等の2次成型加工性にも優れた熱可塑性ゴム組
成物から得られるフイルム、もしくはゴム引布より、構
成した膨張式救命用品を提供することにある。
また本発明の目的は例えば水上での浮遊状態における浮
力の低下率が極めて小さい気密性袋体の製造に適した熱
可塑性ゴム組成物を組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は非加硫熱可塑性ゴム100重量部に対して、平均
粒子径0.5〜500μ、アスペクト比10〜100の偏平なマイ
カ、タルク及びクレーから選ばれる粒子体を2〜40重量
部配合したことを特徴とする炭酸ガスを膨脹用ガスとす
る熱可塑性ゴム組成物から得られるフイルムもしくは、
ゴム引布より構成した気密性袋体に、炭酸ガスを膨張用
ガスとする、気室体を有する膨張式救命用品に係る。
本発明において熱可塑性ゴムは特に限定されず、一般に
熱可塑性エラストマー或いはゴムと呼ばれているものは
全て用いることができる。例えばスチレンブタジエンブ
ロツク共重合体、スチレンイソプレンブロツク共重合
体、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、塩素化ポリエチレン、その他エチ
レンエチルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リウレタンエラストマー等のポリマーが挙げられる。こ
れらの中で特にポリウレタンエラストマー又はそれとの
ブレンド物が好適である。
本発明で使用される粒子体としては、雲母(マイカ)、
タルク、あるいはクレーが挙げられる。これらの粒子体
の接着効果或いは分散効果を高める目的で樹脂処理、シ
ラン処理、脂肪酸(塩)等で処理したものを使用するこ
ともできる。上記粒子体は平均粒子径が0.5〜500μで、
厚みに対する面積比(アスペクト比)が10〜100である
ことが必要である。
平均粒子径が500μを越える場合は本発明で形成する熱
可塑性ゴム層が薄い場合、粒子間隙を通つて気体が透過
するものと思われ、本発明の目的である気体透過性を低
下させることができない。またアスペクト比が10未満の
もの、例えば重質炭酸カルシウムのように偏平でない粒
子体では気体透過性を低下させることはできない。
本発明では上記熱可塑性ゴム100部(重量部、以下同
様)に対して特定の上記粒子体を2〜40部配合して気密
性袋体製造用熱可塑性ゴム組成物を得る。ゴム成分100
部に対し、この範囲で粒子体を添加することにより本発
明の目的を達成できる。2部未満では気体透過性の低下
は実質的に認められず本発明の目的を達成することがで
きない。ゴム成分と粒子体の混合は公知の手段により行
うことができ、例えばバンバリーミキサー、ブレンダ
ー、オープンロール、ニーダー等で混合でき、勿論混合
は熱可塑性ゴムの軟化点以上で実施する。また熱可塑性
ゴムを溶液にして撹拌機により粒子体を混合しても良
い。
上記で得られた熱可塑性ゴム組成物を例えば押出機、カ
レンダー成形機等により成形してフイルムを形成するこ
とができる。また粒子体を混合したゴム溶液を離型紙等
に塗布、乾燥した後に、離型紙等を剥離してフイルムを
得ることもできる。
本発明では織布、布織布、偏布等の基布上に本発明の熱
可塑性ゴム組成物をフイルム状に展延することによりゴ
ム引布が得られる。この展延は押出機、カレンダー或い
はゴム溶液のコーテイング等によつてなされる。基布を
構成する繊維材料はナイロン、ポリエステル、木綿等の
有機繊維、ガラス繊維等の無機繊維の長繊維、短繊維の
いずれであつても良い。ゴム引布は基布の片面のみに熱
可塑性ゴムを展延したもの或いは基布の両面に展延した
もの、更に基布が複数層になつているものであつても良
い。
本発明では上記のフイルム或いはゴム引布を熱プレス、
熱ローラー、熱風ローラー、超音波等の手段で加熱して
熱融着して気室体を形成することができるが、最も良い
方法は一般にウエルダー加工と呼ばれている高周波によ
る接着加工である。
特に、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性エラ
ストマーの場合は、ウエルダー加工が望ましい。本発明
においては上記で得られた気室体を用いて海難救命用品
を作成することができる。例としては船舶や航空機が遭
難した場合に用いられる浮輪、ボート、筏、胴衣等を、
挙げることができる。
次に救命胴衣を例に挙げて説明すると、救命胴衣にはカ
ポツク等の浮力材を装入した固形式膨衣もあるが、気体
を封入して浮力を与える膨張織が一般に用いられるよう
になつた。Solas条約(safety of life at sea)では船
舶に用いる胴衣は炭酸ガスで膨張させて使用する救命胴
衣が規定されており、その胴衣は水上で浮遊した状態で
の24時間後の浮力低下率が5%以下であることと定めら
れている。炭酸ガスは気体の中では高分子膜を非常によ
く透過する性質があり、上記浮力低下率5%以下なる要
求品質を達成することは至難のわざであつた。本発明者
らは種々の実験により検討して本発明によりその目的を
達成し得ることを見い出した。上記のように炭酸ガスは
空気(N2)等の他のガスに比べ高分子膜に対する透過性
が著しく大きいにも拘わらず、本発明のゴム組成物から
得られる気密性袋体の膨脹用ガスとしては、安全性、低
価格性の点においても、好適である。
本発明において粒子体を添加することにより何故気体透
過度が顕著に低下するかの論理的究明は未だなされてい
ない。特に透過量が2部の少量であつても、その効果が
明確に示されるのは本発明者らも全くの驚きである。単
純に偏平粒子体が層状に重なり合う結果と考えれば添加
量が40重量部以上の時に気体透過性が高くなるという実
験結果を説明する事ができなくなる。いずれにしても本
発明により人命を救助する非常に優れた用品を供し得る
ことが可能となり産業の発展に寄与することは多大であ
る。
(実 施 例) 以下に実施例を挙げて詳しく説明する。
実施例1 熱可塑性ポリウレタン(日本エラストラン製、ロイヤル
センR−380)100部にマイカ粒子体(クラレ製、スゾラ
イトマイカ 300W、重量平均粒子径 30μ、アスペクト比
40)20部を混合した組成物を押出機により0.30mm厚の
フイルムを成形する。このフイルムよりウエルダー加工
して救命胴衣の中袋を作り、この中袋を平織布で縫製し
た外カバーに入れ救命胴入とする。
この救命胴衣を20gの炭酸ガスボンベで膨張させた時の
初期浮力は9.53kgであつた(水温 13℃)。水中に24時
間浸漬後の浮力は9.41kgとなつた(水温 12℃)。比較
の為、上記と同じ熱可塑性ポリウレタンエラストマー単
独のフイルム(0.30mm)で同型の救命胴衣を作り浮力を
測定したところ、初期浮力は9.59kgであつたが24時間後
の浮力は8.03kgと低下していた。
実施例2 ナイロン平織布(6,6−ナイロン製、420D×420D、50×5
0本/in)にロイヤルセンR−380のジメチルホルムアミ
ド30%溶液を塗布する。但しこの溶液にはデスモジユー
ルRF(バイエル社製)2%を添加してある。この塗布乾
燥した面にロイヤルセンR−390(100部)にスゾライト
マイカ400W(重量平均粒子径 18μ、アスペクト比 30)
10部を添加した膜(0.15mm厚)をカレンダー加工で形成
する。かくして得たポリウレタンゴム引布をウエルダー
加工して救命胴衣とする。
この救命胴衣を17gの炭酸ガスボンベで膨張した時の初
期浮力は12.40kgであつた(水温 13℃)。水中に24時間
浸漬後の浮力は12.29kgであつた(水温 12℃)。比較の
為スゾライトマイカを混合しないロイヤルセンR−390
のみをカレンダーで展延(膜厚 0.15mm)したポリウレ
タンゴム引布をウエルダー加工して同形の救命胴衣を加
工した。この胴衣の初期浮力は12.13kgであつたが、24
時間後の浮力は10.58kgとなつた。
実施例3 ロイヤルセンR−380(100部)にスゾライトマイカ 400
W(重量平均粒子径 18μ、アスペクト比30)を0〜80部
の範囲で添加、混合して得られた組成物をカレンダーに
より成形して得られたフイルムの引張強度(Tb、kgf/cm
2)を測定したところ、第1図に示すような結果が得ら
れた。図より強度特性は粒子体添加量に直線的に逆比例
して低下することが判る。
実施例4 実施例3で得られたフイルム(0.1mm厚)の気体(H2
ス)透過性をオストワルド気体透過試験機で測定したと
ころ、第2図に示すような結果が得られた。図より粒子
体の添加量が2〜40部の範囲で気体透過性が低いことが
判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は粒子体添加量とフイルムの強度特性の関係を示
すグラフ、第2図は粒子体添加量とフイルムの気体透過
性の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−143455(JP,A) 特開 昭58−84856(JP,A) 特開 昭50−54634(JP,A) 特開 昭61−159453(JP,A) 特開 昭61−241333(JP,A) 特公 昭42−13264(JP,B1) 特公 昭54−40101(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非加硫熱可塑性ゴム100重量部に対して、
    平均粒子径0.5〜500μ、アスペクト比10〜100の、偏平
    なマイカ、タルク及びクレーから選ばれる粒子体を、2
    〜40重量部配合したことを特徴とする熱可塑性ゴム組成
    物から得られるフイルムもしくは、ゴム引布より構成し
    た気密性袋体からなる気室体を有し、炭酸ガスを膨張用
    ガスとする膨張式救命用品。
JP61279100A 1986-11-21 1986-11-21 熱可塑性ゴム組成物からなる膨張式救命用品 Expired - Lifetime JPH0785997B2 (ja)

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