JPH0785808A - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

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Publication number
JPH0785808A
JPH0785808A JP22769693A JP22769693A JPH0785808A JP H0785808 A JPH0785808 A JP H0785808A JP 22769693 A JP22769693 A JP 22769693A JP 22769693 A JP22769693 A JP 22769693A JP H0785808 A JPH0785808 A JP H0785808A
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JP
Japan
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electron
lens
electron beam
focusing
phosphor screen
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Application number
JP22769693A
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English (en)
Inventor
Shigeru Sugawara
繁 菅原
Junichi Kimiya
淳一 木宮
Eiji Kanbara
英治 蒲原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電子ビーム形成部から得られる電子ビーム20
B,20G,20R を蛍光体スクリーン3 上に集束する複数個の
電極からなる主電子レンズ部を有する電子銃21と、偏向
装置8 とを備える陰極線管装置において、主電子レンズ
部を少なくとも第1、第2電子レンズから形成し、その
第1電子レンズを少なくとも電子ビームの偏向量に応じ
て電子ビームを垂直方向に発散するレンズ作用を有する
電子レンズとし、第2電子レンズを第1電子レンズより
もカソード側に形成し、電子ビームの偏向量に応じて電
子ビームを水平方向に集束し、垂直方向には実質的にレ
ンズ作用を有さない電子レンズとした。 【効果】 ダイナミック・フォーカスの感度を低下させ
ることなく、ビームスポットの横長を防止することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管などの
陰極線管装置に係り、特に偏向装置により生ずる偏向収
差を補正するダイナミック・フォーカス方式の陰極線管
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー受像管装置は、図4に示
すように、パネル1およびこのパネル1に一体に接合さ
れたファンネル2からなる外囲器を有し、そのパネル1
の内面に、青、緑、赤に発光するストライプ状あるいは
ドット状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン3が
形成され、この蛍光体スクリーン3に対向して、その内
側にシャドウマスク4が配置されている。一方、ファン
ネル2のネック5内に、3電子ビーム6B ,6G ,6R
を放出する電子銃7が配設されている。そして、この電
子銃7から放出される3電子ビーム6B ,6G ,6R を
ファンネル2の外側に装着された偏向装置8の発生する
水平、垂直偏向磁界により偏向し、シャドウマスク4を
介して蛍光体スクリーン3を水平、垂直走査することに
より、カラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】このようなカラー受像管装置において、特
に電子銃7を同一水平面上を通るセンタービーム6G お
よび一対のサイドビーム6B ,6R からなる一列配置の
3電子ビーム6B ,6G ,6R を放出する電子銃とした
インライン型カラー受像管装置がある。
【0004】通常上記電子銃7は、カソードからの電子
放出を制御しかつ放出された電子を集束して3電子ビー
ム6B ,6G ,6R を形成するカソードおよびこのカソ
ード順次隣接して配置された複数個の電極からなる電子
ビーム形成部と、この電子ビーム形成部から得られる3
電子ビーム6B ,6G ,6R を蛍光体スクリーン3上に
集束かつ集中する複数個の電極からなる主電子レンズ部
とを有する。
【0005】このようなカラー受像管装置において、上
記蛍光体スクリーン3上の画像特性を良好にするために
は、電子銃7から放出される3電子ビーム6B ,6G ,
6Rを適切に集束し、かつ蛍光体スクリーン3の全面に
集中するようにすることが必要である。
【0006】このうち、3電子ビーム6B ,6G ,6R
の集中については、たとえば米国特許第2,957,1
06号明細書に示されているように、電子銃から放出さ
れる3電子ビームをあらかじめ傾斜させて放出する方法
がある。また米国特許第3,772,554号明細書に
示されているように、主電子レンズ部を形成する電極の
3個の電子ビーム通過孔のうち、一対のサイドビーム通
過孔を電子ビーム形成部側の隣接電極のサイドビーム通
過孔よりもわずかに外側に偏心させることにより集中す
る方法がある。いずれも広く実用化されている。
【0007】しかしこのように電子銃7を構成しても、
実際のカラー受像管装置では、電子ビームを偏向したと
きに、3電子ビーム6B ,6G ,6R の集中ずれが生ず
る。そのため、同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームに対しては、偏向装置8の発生する水平偏向磁界を
ピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形とし、これ
ら偏向磁界により一列配置の3電子ビーム6B ,6G ,
6R を蛍光体スクリーン3の全面に集中するようにした
ものがある。このカラー受像管装置は、セルフコンバー
ゼンス・インライン型カラー受像管装置といわれ、現
在、カラー受像管装置の主流となっている。
【0008】しかし上記のように偏向装置8の偏向磁界
により3電子ビーム6B ,6G ,6R を集中すると、3
電子ビーム6B ,6G ,6R は、いちじるしく偏向収差
を受け、蛍光体スクリーン3上のビームスポットの歪が
大きくなり、解像度の劣化をまねく。すなわち、図5に
水平偏向磁界について示すように、電子ビーム6(6B
,6G ,6R )を図面の右側に偏向したとすると、電
子ビーム6は、ピンクッション形水平偏向磁界10によ
り矢印11で示すように垂直方向(Y軸方向)に集束作
用を受ける。一方、水平方向(X軸方向)には、電子ビ
ーム6の右側と左側とで磁束密度が相違し、左側よりも
右側の方が磁束密度が大きいため、右側の方が大きな偏
向作用を受け、左右に引張られる。
【0009】そのため、ピンクッション形水平偏向磁界
10は、電子ビーム6に対して水平方向に発散、垂直方
向に集束する4極子レンズとして作用するとともに、電
子ビーム6を偏向するプリズム作用をもつ。その結果、
図6に示すように、水平偏向磁界10により偏向された
電子ビーム6の画面周辺部でのビームスポット13は、
垂直方向には過集束状態となり、高輝度部14の上下に
低輝度のハロー部15が生じ、また水平方向には不足集
束状態となって左右に伸びた形状となり、画面周辺部の
解像度をいちじるしく劣化させる。
【0010】このような偏向収差による解像度の劣化を
防止するために、特開昭61−99249号公報、特開
昭61−250934号公報、特開平2−72546号
公報などには、図7に示すように、電子ビーム6の進行
方向(蛍光体スクリーン方向)に順次第1ないし第5グ
リッドG1 〜G5 を配置し、その第3グリッドG3 に一
定のフォーカス電圧Vf を印加し、第4グリッドG4 に
そのフォーカス電圧Vf に電子ビーム6の偏向量に応じ
て変化する変動電圧Vd を重畳したダイナミック・フォ
ーカス電圧を印加し、第5グリッドG5 に陽極電圧Eb
を印加するようにした電子銃が示されている。
【0011】この電子銃では、上記電圧の印加により、
第3、第4グリッドG3 ,G4 間に4極子レンズが、第
4、第5グリッドG4 ,G5 間に最終集束レンズが形成
される。図8にその電子レンズを光学的モデルで示す。
この光学的モデルにおいて、カソードから放出された電
子ビーム6は、蛍光体スクリーン3に達するまでの間
に、第3、第4グリッド間に形成される4極子レンズQ
Lと第4、第5グリッド間に形成される最終集束レンズ
ELと、偏向装置の4極子レンズqLおよびプリズムp
Lを通る。そして電子ビーム6が偏向されることなく蛍
光体スクリーン3の中央に向かうときは、第3、第4グ
リッドはほぼ同電位となり、これら電極間には4極子レ
ンズQLは形成されず、電子ビーム6は、実線で示すよ
うに最終集束レンズELにより、蛍光体スクリーン3の
中央に適切に集束され、蛍光体スクリーン3上のビーム
スポット13は、ほぼ円形となる。
【0012】これに対し、電子ビーム6を偏向するとき
は、その偏向量に応じて第4グリッドの電位が上昇し、
第3、第4グリッド4間に4極子レンズQLが形成さ
れ、同時に第4、第5グリッド間の最終集束レンズEL
の水平、垂直方向の集束作用が弱まる。そのため、破線
で示すように電子銃から放出される電子ビーム6は、垂
直方向には不足集束となるが、偏向収差(非点収差)に
より集束作用を受けるため、垂直方向には適切に集束さ
れる。一方、水平方向には、4極子レンズQLの集束作
用と最終集束レンズELの集束作用がともに減少するた
め、総合的な集束作用は、ほとんど変わらず、偏向磁界
により若干不足集束となる。しかし蛍光体スクリーン3
の周辺部は、中央部にくらべて電子銃から離れているた
め、水平方向も適切に集束され、蛍光体スクリーン3上
のビームスポット13は、円形に近い形状となる。
【0013】しかしながらこのダイナミック・フォーカ
ス方式による電子ビーム6の集束には、つぎのような問
題がある。
【0014】すなわち、管の大型化や偏向の広角化にと
もなって偏向収差が増大し、この偏向収差の補正に要す
る4極子レンズQLの垂直方向の発散作用を強くする必
要がある。その結果、4極子レンズQLの水平方向の集
束作用が大きくなるため、最終集束レンズELの集束作
用を大幅に低減することが必要となる。そのため、この
最終集束レンズELの集束作用を低減するために要する
電極間の電位差が大きくなり、テレビセットの回路負担
の増大、放電、耐圧などの安全、信頼性上の問題が生ず
る。さらに大きな問題として、蛍光体スクリーン周辺部
におけるビームスポットの形状が水平方向に長い横長に
なる。このようにビームスポットの形状が横長になる
と、画面の水平方向の解像度がいちじるしく劣化する。
またビームスポットの垂直方向の径が極度に小さくなる
と、シャドウマスクのアパーチャの配列ピッチとの干渉
によりモアレが生じ、画質の劣化をまねくなどの問題が
生ずる。
【0015】この蛍光体スクリーン3の周辺部でのビー
ムスポットの横長を解決するために、特開平3−958
35号公報、特開平3−93135号公報には、上記電
子銃の4極子レンズ、最終集束レンズのほかに、カソー
ドとその4極子レンズとの間に別の4極子レンズを追加
形成し、この追加4極子レンズに前記電子銃の4極子レ
ンズの集束、発散作用とは逆の作用をもたせて、電子ビ
ームを水平方向に発散、垂直方向に集束することによ
り、上記電子ビームの水平方向の集束角βHpを垂直方向
には集束角βVpに近づけ、水平および垂直方向の結像倍
率をほぼ等しくした電子銃が示されている。
【0016】しかしこのように電子銃を構成しても、テ
レビ学会技報、IDY92−17に述べられているよう
に、大電流時に電子ビームの発散角αが大きくなるた
め、この電子ビームを追加4極子レンズでさらに水平方
向に発散すると、最終集束レンズの水平方向の球面収差
の影響を大きく受け、蛍光体スクリーン上のビームスポ
ット径が水平方向に小さくならないという原理的な問題
が生ずる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電子銃
から放出される同一水平面上を通る一列配置の3電子ビ
ームに対して、偏向装置の発生する水平、垂直偏向磁界
がピンクッション形、バレル形であると、電子ビーム
は、その偏向磁界の偏向収差の影響を受け、蛍光体スク
リーン周辺部上のビームスポットが歪み、解像度がいち
じるしく劣化する。
【0018】この偏向収差による解像度の劣化を解決す
る手段として、従来、電子ビームの進行方向に沿って4
極子レンズ、最終集束レンズを形成するダイナミック・
フォーカス方式の電子銃がある。しかしこのような電子
銃では、管の大型化や偏向の広角化にともなって、その
偏向収差を補正する4極子レンズの垂直方向の発散作用
を強くする必要があり、それにともなって、4極子レン
ズの水平方向の集束作用も大きくなり、最終集束レンズ
の集束作用を大幅に低減する必要がある。そのため、最
終集束レンズを形成する電極間の電位差が大きくなり、
テレビセットの回路負担の増大、放電、耐圧などの安
全、信頼性上の問題が生ずる。さらにこの電子銃では、
蛍光体スクリーンの周辺部でのビームスポットの形状が
水平方向に長い横長になり、水平方向の解像度の劣化、
シャドウマスクのアパーチャの配列ピッチとの干渉によ
るモアレの発生などによる画質の劣化をまねくなどの問
題がある。
【0019】このような問題を解決するために、上記4
極子レンズ、最終集束レンズとは別に、カソードと上記
4極子レンズとの間に別の4極子レンズを追加形成する
ようにした電子銃がある。しかしこのように構成して
も、大電流時には、電子ビームの発散角が大きくなるた
め、原理的に蛍光体スクリーン上の水平方向のビームス
ポット径が小さくならないという問題が生ずる。
【0020】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、ダイナミック・フォーカス方式の電子銃に
より偏向装置の発生する磁界により生ずる偏向収差を補
正して、画面全域にわたり電子ビームのビームスポット
をほぼ円形とすることにより、解像度が高くかつ信頼性
の高い陰極線管装置を構成することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】カソードおよびこのカソ
ードに順次隣接して配置された複数個の電極からなる電
子ビーム形成部、およびこの電子ビーム形成部から得ら
れる電子ビームを蛍光体スクリーン上に集束する複数個
の電極からなる主電子レンズ部を有する電子銃と、この
電子銃から放出される電子ビームを水平および垂直方向
に偏向して蛍光体スクリーンを水平、垂直走査させる偏
向装置とを備える陰極線管装置において、主電子レンズ
部を少なくとも第1、第2電子レンズから形成し、その
第1電子レンズを少なくとも偏向装置による電子ビーム
の偏向量に応じて電子ビームを垂直方向に発散するレン
ズ作用を有する電子レンズとし、第2電子レンズを第1
電子レンズよりもカソード側に形成し、偏向装置による
電子ビームの偏向量に応じて電子ビームを水平方向に集
束し、垂直方向には実質的にレンズ作用をもたない電子
レンズとした。
【0022】
【作用】上記のように、主電子レンズ部を少なくとも第
1、第2電子レンズから形成し、その第1電子レンズを
少なくとも電子ビームの偏向量に応じて電子ビームを垂
直方向に発散するレンズ作用を有する電子レンズとし、
第2電子レンズを第1電子レンズよりもカソード側に形
成し、電子ビームの偏向量に応じて電子ビームを水平方
向に集束し、垂直方向には実質的にレンズ作用を有さな
い電子レンズとすると、第1電子レンズを形成する電極
の電圧を電子ビームの偏向量に応じて増大させることに
より、第1電子レンズの蛍光体スクリーン側に形成され
る電子ビームを最終的に蛍光体スクリーン上に集束する
最終集束レンズの集束作用を弱めると同時に、第1電子
レンズの垂直方向に発散するレンズ作用により、偏向収
差による電子ビームの垂直方向の過集束を補正する。一
方、このとき、同時に形成される第2電子レンズが電子
ビームの水平方向を集束し、偏向収差による電子ビーム
の不足集束を補正する。また偏向磁界を通過する電子ビ
ームの水平方向の径を小さくする。したがって偏向磁界
の水平方向を不足集束にする作用を小さくし、電子ビー
ムの水平方向の太りを軽減する。
【0023】また電子ビームは、蛍光体スクリーンの周
辺部に対して、ある角度をもって入射するため、電子ビ
ームの集束角が大きいほど、蛍光体スクリーン周辺部の
ビームスポット径は大きくなるが、この例の電子銃で
は、最終集束レンズに入射する前に第2電子レンズによ
り電子ビームの水平方向を集束するため、蛍光体スクリ
ーンに入射する電子ビームの水平方向を集束角を小さ
し、蛍光体スクリーン周辺部でのビームスポットを小さ
くすることができる。
【0024】一方、第2電子レンズは、実質的に垂直方
向にレンズ作用をもたないので、偏向収差による垂直方
向の過集束を補正するために要するダイナミック・フォ
ーカス電圧の増大を抑え、ダイナミック・フォーカスの
感度低下をまねくことなく、水平方向の電子ビームの太
りによるビームスポットの横長を防止する。
【0025】つまり、偏向収差による垂直方向の過集束
は、電子銃の主電子レンズ部のレンズ作用と偏向磁界の
レンズ作用との合成したレンズ作用が電子ビームを垂直
方向に過集束することにより生ずる。そこで、この過集
束を補正するために、主電子レンズ部の垂直方向の集束
を弱め、主電子レンズ部の結像点または最良集束点が蛍
光体スクリーン上になるように主電子レンズ部から見込
んだ仮想物点の位置を蛍光体スクリーン側に移動する場
合、第1電子レンズが最終集束レンズに近いほど、低い
ダイナミック・フォーカス電圧で実現することができ
る。このとき、第1電子レンズよりもカソード側にあっ
て、最終集束レンズから離れた位置にある第2電子レン
ズにより、垂直方向を発散すると、電子ビームは、最終
集束レンズの離軸部分を通過するようになり、球面収差
の影響を受け、主電子レンズ部から見込んだ仮想物点が
蛍光体スクリーン側に移動しなくなる。その結果、ダイ
ナミック・フォーカス電圧を増大しなければならなくな
る。しかしこの例の電子銃のように構成すると、ダイナ
ミック・フォーカスの感度を低下させることなく、ビー
ムスポットの横長を防止することができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0027】図1にその一実施例であるカラー受像管装
置を示す。このカラー受像管装置は、パネル1およびこ
のパネル1に一体に接合されたファンネル2からなる外
囲器を有し、そのパネル1の内面に、青、緑、赤に発光
するストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体スクリ
ーン3が形成され、この蛍光体スクリーン3に対向し
て、その内側に多数の電子ビーム通過孔の形成されたシ
ャドウマスク4が配置されている。一方、ファンネル2
のネック5内に、同一水平面上を通る一列配置の3電子
ビーム20B ,20G ,20R を放出する電子銃21が
配設されている。またファンネル2の外側に偏向装置8
が装着されている。そして、この電子銃21から放出さ
れる3電子ビーム20B ,20G ,20R を偏向装置8
の発生する水平、垂直偏向磁界により偏向し、シャドウ
マスク4を介して蛍光体スクリーン3を水平、垂直走査
することにより、カラー画像を表示する構造に形成され
ている。
【0028】上記電子銃21は、水平方向に一列配置さ
れた3個のカソードKB ,KG ,KR (KG のみ図
示)、これらカソードKB ,KG ,KR を各別に加熱す
るヒータH、上記カソードKB ,KG ,KR から蛍光体
スクリーン方向に順次所定間隔離間して配置された第1
ないし第6グリッドG1 〜G6 、およびその第6グリッ
ドG6 に取付けられたコンバーゼンス・カップCからな
る。
【0029】上記第1、第2グリッドG1 ,G2 はそれ
ぞれ板状電極から、第3、第4、第5、第6グリッドG
3 ,G4 ,G5 ,G6 は、それぞれ筒状電極からなる。
その第1、第2グリッドG1 ,G2 および第3グリッド
G3 の第2グリッドG2 との対向面には、3個のカソー
ドKB ,KG ,KR に対応して、3個の円形電子ビーム
通過孔が一列配置に形成されている。第3グリッドG3
の第4グリッドG4 との対向面には、3個のカソードK
B ,KG ,KR に対応して、図2(a)に水平方向径を
DH3T 、垂直方向径をDV3T として示すように、3個の
縦長円形状電子ビーム通過孔23が一列配置に形成され
ている。第4グリッドG4 の第3グリッドG3 との対向
面には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、
同(b)に水平方向径をDH4B 、垂直方向径をDV4B と
して示すように、3個の横長円形状電子ビーム通過孔2
4が一列配置に形成されている。第4グリッドG4 の第
5グリッドG5 との対向面には、3個のカソードKB ,
KG ,KR に対応して、同(c)に示すように、3個の
ほぼ縦長矩形状電子ビーム通過孔25が一列配置に形成
されている。第5グリッドG5 の第4グリッドG4 との
対向面には、3個のカソードKB ,KG ,KR に対応し
て、同(d)に示すように、3個のほぼ横長矩形状電子
ビーム通過孔26が一列配置に形成されている。第5グ
リッドG5 の第6グリッドG6 との対向面、第6グリッ
ドG6 およびコンバーゼンス・カップCの底部には、3
個のカソードKB ,KG ,KR に対応して、3個の円形
電子ビーム通過孔が一列配置に形成されている。
【0030】この電子銃では、カソードKB ,KG ,K
R に100〜200Vの電圧に映像信号電圧を重畳した
電圧が、第1グリッドG1 に接地電位が、第2グリッド
G2に500〜1000Vのカッオフ電圧Ec2が、第3
グリッドG3 には、陽極電圧Eb の20〜35%の電圧
Ec3が、第4および第5グリッドG4 ,G5 には、実質
的に第3グリッドG3 の電圧Ec3と同じ陽極電圧Eb の
20〜35%の電圧Ec4,Ec5に、偏向装置に流れる偏
向電流に同期して変化する変動電圧、すなわち、電子ビ
ームの偏向量に応じて変化する電圧Vd4,Vd5が重畳さ
れたダイナミック・フォーカス電圧が印加され、第6グ
リッドG6 には、20〜35 kVの陽極電圧Eb が印加
される。
【0031】上記電圧の印加により、カソードKB ,K
G ,KR および第1乃至第3グリッドG1 〜G3 により
電子ビーム形成部が形成され、第3乃至第6グリッドG
3 〜G6 により主電子レンズ部が形成される。
【0032】したがって図3に光学モデルで示すよう
に、カソードK(KB ,KG ,KR )から放出された電
子ビーム20は、クロスオーバーCOを形成したのち、
第2乃至第3グリッドG2 ,G3 により形成されるプリ
フォーカスレンズPLにより予備集束され、電子ビーム
20を偏向しない場合は、第3乃至第6グリッドG3 〜
G6 間に形成される主電子レンズ部、すなわち、第3乃
至第5グリッドG3 〜G5 の電圧が同じであるため、第
5、6グリッドG5 ,G6 間に形成される最終集束レン
ズELfにより、実線で示すように蛍光体スクリーン3
の中央上に適切に集束される。
【0033】これに対し、電子ビーム20を偏向する場
合は、第4および第5グリッドG4,G5 にそれぞれ電
子ビームの偏向量に応じて変化する電圧Vd4,Vd5を重
畳して、第3、第4、第5グリッドG3 ,G4 ,G5 の
電圧を、 G3 の電圧<G4 の電圧<G5 の電圧 の関係にする。この電圧配分により、第5、6グリッド
G5 ,G6 間に形成される最終集束レンズELfの集束
作用は、破線で示すように水平、垂直方向ともに弱ま
る。一方、第4、5グリッドG4 ,G5 間に、電子ビー
ム20G を水平方向に集束、垂直方向に発散する4極子
レンズ作用をもつ第1電子レンズEL1が形成される。
そしてこの第1電子レンズEL1と上記最終集束レンズ
ELfとにより、従来生じた偏向磁界の偏向収差(非点
収差)を補正する。また同時に第3、4グリッドG3 ,
G4 間に、電子ビーム20G を水平方向に集束、垂直方
向にはわずかに発散または集束する実質的にレンズ作用
をもたない第2電子レンズEL2が形成される。
【0034】したがって水平方向には、電子ビーム20
は、第2電子レンズEL2により集束され、その後、上
記第1電子レンズEL1および最終集束レンズELfの
レンズ作用をうけ、蛍光体スクリーン3の周辺部に対し
て過集束状態となるが、偏向磁界により形成される等価
的な4極子レンズqLの水平方向に発散する作用と打消
し合い、蛍光体スクリーン3の周辺部上に適切に集束さ
れる。しかも電子ビーム20は、水平方向径が小さい状
態に集束され、その集束角が小さいため、蛍光体スクリ
ーン3に対して斜めに入射するために生ずるビームスポ
ットの横長を軽減する。一方、垂直方向には、第1電子
レンズEL1のレンズ作用により発散するが、偏向磁界
により形成される等価的な4極子レンズqLの垂直方向
に集束する作用と打消し合い、蛍光体スクリーン3の周
辺部上に適切に集束される。その結果、蛍光体スクリー
ン3全面にわたり、電子ビーム20のビームスポットを
ほぼ円形にすることができる。
【0035】また第2電子レンズEL2は、垂直方向に
は、実質的にレンズ作用をもたないため、偏向磁界の偏
向収差の補正に要する5グリッドG5 のダイナミック・
フォーカス電圧を増大することなく、電子ビーム20の
ビームスポットの水平方向径の劣化を補正する。
【0036】このような効果を奏する電子銃は、具体的
には、第3グリッドG3 と第4グリッドG4 との間隔を
g34とするとき、 0.06≦g34/DH4B ≦0.18 0.7≦DV4B /DH4B ≦1.0 0.75≦DH3T /DH4B ≦0.9 0.8≦DV3T /DH4B ≦1.0 1<(DV3T /DH3T )・(DV4T /DH4T ) とし、かつ G3の電圧>G4の電圧 として、その電圧差を1 kV以下とするとき、第2電子
レンズの水平方向の集束作用を所望の大きさに、かつこ
の水平方向の集束作用に対して、相対的に垂直方向のレ
ンズ作用をきわめて小さく実質的にレンズ作用をもたな
いようにすることができる。
【0037】なお、上記実施例では、第2電子レンズが
BPF(Bi-Potential Focus)型である場合について説
明したが、この発明は、第2電子レンズをBPF型に限
定するものではなく、その他UPF(uni-Potential Fo
cus )型や複合型としてもよい。
【0038】また、上記実施例では、主電子レンズ部が
第1、第2電子レンズと最終集束レンズとからなる電子
銃について説明したが、この発明は、それ以外に単一レ
ンズ、または3つ以上の電子レンズからなる電子銃につ
いても適用できる。
【0039】また、この発明は、上記実施例に示した第
3、第4グリッドの電子ビーム通過孔の形状、寸法に限
定されるものではなく、要するに、第2電子レンズとし
ては、水平方向に集束作用をもち、垂直方向には実質的
にレンズ作用をもたないものであればよい。
【0040】
【発明の効果】電子ビーム形成部から得られる電子ビー
ムを蛍光体スクリーン上に集束する複数個の電極からな
る主電子レンズ部を少なくとも第1、第2電子レンズか
ら形成し、その第1電子レンズを少なくとも偏向装置に
よる電子ビームの偏向量に応じて電子ビームを垂直方向
に発散するレンズ作用を有する電子レンズとし、第2電
子レンズを第1電子レンズよりもカソード側に形成し、
偏向装置による電子ビームの偏向量に応じて電子ビーム
を水平方向に集束し、垂直方向には実質的にレンズ作用
をもたない電子レンズとすると、第1電子レンズを形成
する電極の電圧を電子ビームの偏向量に応じて増大させ
ることにより、第1、第2電子レンズのほかに蛍光体ス
クリーン側に形成される最終集束レンズの集束作用を弱
めると同時に、第1電子レンズの垂直方向に発散するレ
ンズ作用により、偏向収差による電子ビームの垂直方向
の過集束を補正する。一方、このとき、同時に形成され
る第2電子レンズが電子ビームの水平方向を集束し、偏
向収差による電子ビームの不足集束を補正する。また偏
向磁界を通過する電子ビームの水平方向の径を小さくす
る。したがって偏向磁界の水平方向を不足集束にする作
用を小さくし、電子ビームの水平方向の太りを軽減す
る。
【0041】また一般に蛍光体スクリーンの周辺部に入
射する電子ビームのスポット径は大きくなるが、この例
の電子銃では、最終集束レンズに入射する前に第2電子
レンズにより電子ビームの水平方向を集束するため、蛍
光体スクリーンに入射する電子ビームの水平方向を集束
角を小さし、蛍光体スクリーン周辺部上のビームスポッ
トを小さくすることができる。一方、第2電子レンズ
は、実質的に垂直方向にレンズ作用をもたないので、偏
向収差による垂直方向の過集束を補正するために要する
ダイナミック・フォーカス電圧の増大を抑える。したが
ってダイナミック・フォーカスの感度低下をまねくこと
なく、水平方向の電子ビームの太りによるビームスポッ
トの横長を防止し、蛍光体スクリーン全面にわたり解像
度の高い陰極線管装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管装置の構成を示す図、図1(b)はその電子銃の
構成を示す図である。
【図2】図2(a)は上記電子銃の第3グリットの第4
グリットとの対向面の電子ビーム通過孔の形状を示す
図、図2(b)は第4グリットの第3グリットとの対向
面の電子ビーム通過孔の形状を示す図、図2(c)は第
4グリットの第5グリットとの対向面の電子ビーム通過
孔の形状を示す図、図2(d)は第5グリットの第4グ
リットとの対向面の電子ビーム通過孔の形状を示す図で
ある。
【図3】上記電子銃の各電極間に形成される電子レンズ
を示す光学モデルの図である。
【図4】従来のカラー受像管装置の構成を示す図であ
る。
【図5】従来のカラー受像管装置におけるピンクッショ
ン形水平偏向磁界の電子ビームに対する作用を説明する
ための図である。
【図6】上記ピンクッション形水平偏向磁界により偏向
された電子ビームの画面周辺部でのビームスポットの形
状を示す図である。
【図7】偏向収差による解像度の劣化を防止する従来の
電子銃の構成を示す図である。
【図8】その電子銃の各電極間に形成される電子レンズ
を示す光学モデルの図である。
【符号の説明】
1…パネル 3…蛍光体スクリーン 8…偏向装置 20B ,20G ,20R …3電子ビーム 21…電子銃 C…コンバーゼンスカップ EL1…第1電子レンズ EL2…第2電子レンズ ELf…最終集束レンズ G1 …第1グリッド G2 …第2グリッド G3 …第3グリッド G4 …第4グリッド G5 …第5グリッド G6 …第6グリッド KG …カソード qL…4極子レンズ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードおよびこのカソードに順次隣接
    して配置された複数個の電極からなる電子ビーム形成
    部、およびこの電子ビーム形成部から得られる電子ビー
    ムを蛍光体スクリーン上に集束する複数個の電極からな
    る主電子レンズ部を有する電子銃と、この電子銃から放
    出される電子ビームを水平および垂直方向に偏向して上
    記蛍光体スクリーンを水平、垂直走査させる偏向装置と
    を備える陰極線管装置において、 上記主電子レンズ部は少なくとも第1、第2電子レンズ
    から形成され、上記第1電子レンズが少なくとも上記偏
    向装置による電子ビームの偏向量に応じて電子ビームを
    垂直方向に発散するレンズ作用を有する電子レンズから
    なり、上記第2電子レンズが上記第1電子レンズよりも
    上記カソード側に形成され、上記偏向装置による電子ビ
    ームの偏向量に応じて電子ビームを水平方向に集束し、
    垂直方向には実質的にレンズ作用をもたない電子レンズ
    からなることを特徴とする陰極線管装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100266100B1 (ko) * 1996-11-12 2000-09-15 구자홍 칼라음극선관용 전자총구체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100266100B1 (ko) * 1996-11-12 2000-09-15 구자홍 칼라음극선관용 전자총구체

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