JPH0785755B2 - 電気かみそり - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は電気かみそりの改良に
係り、特にきわぞりユニットの収納性を向上させ、収納
時の刃先を保護することのできる構造を提供するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種電気かみそりでは、もみ
あげ等の調髪のためにきわぞり機構を備えているが、従
来のきわぞり機構は、本体ケース内部に設けたガイド手
段でスライド出入するものとして不使用時の収納性、使
用時のきわぞり刃先までの突出量の増加を考慮したもの
であった。しかしこのものではスライド方向が本体ケー
スの軸方向と直交する方向であるためきわぞり機構の収
納部分が本体ケースの内部を分断することになり、機構
が複雑になって組み立て性，配置性の悪いものであっ
た。

【０００３】近年、突出量をさらに増加し、配置性を高
めるために、きわぞり機構をユニット化し、このユニッ
トを使用作動状態と不使用収納状態との間で回動自在に
支持し、収納状態では本体ケースの側壁に収納凹所を形
成するだけで済む構造のものが例えば特開昭４７−１３
１４０号公報や特開昭５１−１４８５６１号公報に示さ
れるように提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これらのきわぞりユニ
ットはいずれも、その両端付近に回動軸を備えており、
このため保管時や運搬時に他の器物が当った場合、その
当たる箇所が刃先の場合、両端付近では、窓状収納部の
縦と横の両辺で受け止めることができるが、中央付近で
は縦辺がないため、きわぞりユニットは外力をそのまま
受けてしまうことになり、刃先を変形，損傷し兼ねな
い。

【０００５】この点は収納部の内奥にきわぞりユニット
を収納すれば対応できるものの、突出時において収納部
から刃先までの距離（突出量）が小さくなり、もみあげ
刈り時に使用しにくいものとなる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記事情を
鑑みて成されたもので、本体ケース１の側壁に、回動突
出、収納されるきわぞりユニット１０の収納部１３Ａを
備え、収納部１３Ａの、きわぞりユニット１０の収納時
における直線状刃先と対向する辺を、その両端から中央
部へ向かって上記刃先から離れるよう外方へ突出させた
ものである。

【０００７】

【作用】きわぞりユニットを収納した状態では、その刃
先と収納部の対応する辺とは中央部分で離れており、こ
の距離は上記対応する辺を基準にすれば、相対的にきわ
ぞりユニットの刃先は中央付近で奥まった位置に引っ込
んだ状態で収納されていることになる。

【０００８】

【実施例】以下この発明の実施例を図面により説明す
る。図１および図２はこの発明に係る往復動電気かみそ
りの一例を示す破断側面図で、同図において、１はモー
タ２や電池（図示せず）を収納したほぼ箱形状をした本
体ケースで、頂部１Ａには網状外刃３を断面アーチ状に
張設した外刃ホルダ４が嵌着して覆っている。５は上記
外刃３の内面を摺接する内刃体６を保持した内刃ホルダ
で、このホルダ５は頂部１Ａの上壁側の内刃体収納室６
Ａに突設した振動子７の先端７Ｂに連結されており、こ
の振動子７は頂部１Ａの内部側の振動子用第１収納室７
Ａに収納されており、上記モータ２の回転力をこのモー
タ２の回転軸８に固定された偏心カム９によって伝達さ
れて上記内刃体６を往復振動させるようになっている。

【０００９】１０は振動子７によって駆動されるきわぞ
りユニットで、図３のようにきわぞりユニット１０の一
部を構成する刃台１１が長手方向のヒンジ突起１２など
でこれを支点として本体ケース１の側壁窓部１３内壁に
枢支されて、図２に示す突出した作動状態と、第１図に
示す収納不作動状態との間を回動する。窓部１３はこの
きわぞりユニットを収納するための第２収納部１３Ａと
連接されている。

【００１０】さらに上記刃台１１の下面には、この下面
に突設された圧着用リブ１４などにより固定刃１５が固
着されている。１６は固定刃１５の下面に圧接される可
動刃で、第２図に示すようにきわぞりユニット１０が回
動突出すると可動刃１６の後端の連結部１７が、振動子
７に形成された伝達用係合部１８に係止されて矢印ａ方
向に振動されるようになっている。

【００１１】また回動収納された場合は、上記固定刃１
５の刃先ラインは直線であるのに対し、第２収納部１３
Ａの固定刃１５の刃先と対応する辺（図１では下辺）
が、その中央部で最も外方へ突出するよう形成され、刃
先と対応する辺との距離はその両端から中央部へ向かっ
て広くなることになる。このため機械的強度の弱い刃先
の中央部は第２収納部１３Ａの下辺で保護される。

【００１２】このために本体ケース１には振動子用第１
収納室７Ａときわぞりユニット１０用の第２収納部１３
Ａとが振動子７の突設方向と直交方向に隣接して配置さ
れ、上記伝達用係合部１８はきわぞりユニット１０用の
第２収納部１３Ａ側に一部突設され、この係合部１８に
仮え毛屑が侵入しても排除し易いようにしている。

【００１３】この場合第２収納部１３Ａの底壁１３ａは
第１収納室７Ａの下面７ａより更に下方側に位置させ、
したがって振動子７と偏心カム９との連結位置が底壁１
３ａより頂部１Ａの上壁側に偏位して底壁１３ａより上
方に位置することになり、図２のきわぞりユニット１０
の突出状態では、正面から直視できにくいようにし、ま
たきわぞりユニット１０は、本来長毛をトリミングする
ために用いるものであるため、切られた毛屑は長くまた
重く、メイン内刃で切られた短い毛屑にくらべて、細部
へ侵入し難い性格のものであり、したがって底壁１３ａ
に堆積した長毛が、底壁１３ａより上方に位置する偏心
カム９側へ侵入する割合は極めて低く、このため比較的
長い毛屑が振動子７側へ入り難いように構成されてい
る。図１に示す収納状態では、刃台１１により窓部１３
が覆われるため問題ない。

【００１４】このように短い毛屑が堆積する内刃体収納
室６Ａとは、頂部１Ａにより隔絶されており、また第２
収納部１３Ａに堆積する長い毛屑は、毛屑の性格上他の
部分へ移動侵入し難いことを利用して、第２収納部１３
Ａは、第１収納室７Ａに隣接して駆動伝達機構を簡素化
することができるために、頂部１Ａ側へ突き出るように
上方へ偏位配設させることができ、使用時に必要以上に
握り直すことなく両者を使い分けることができる。

【００１５】また通常のひげそり状態では、外刃３およ
び内刃体６により剃られた毛屑が、外刃３から吹き出し
あるいは外刃ホルダ４の外表面４Ａを伝って第２収納部
１３Ａ側へ侵入しようとするが第２収納部１３Ａの外壁
１３ｂを外刃ホルダ４の外表面４Ａより前方へ延出させ
ると、この外壁１３ｂに毛屑が堆積阻止され、吹き出た
毛屑から保護することができる。

【００１６】また第２収納部１３Ａが頂部１Ａ側へ偏位
することおよび外壁１３ｂが前方へ延出することによ
り、外刃ホルダ４は図１における前方側４ｂを、上記外
壁１３ｂ形状に対応して下方から切欠し、後方側４ｃよ
り短く形成され、前後形状が非対称とされている。

【００１７】したがって図４および図５に示すように外
刃ホルダ４はこの切欠による非対称形状により、頂部１
Ａへの嵌着時に前後関係を簡単に確認でき、従来の外刃
ホルダにきわぞりユニットが設けられたものの場合のよ
うに、完全嵌着後駆動させて初めて装着間違いに気付く
ようなことはなく、嵌着時に未然に回避できるものであ
る。

【００１８】なお第２収納部１３Ａの前端内壁１３ｃは
外向下端へ向けて先細まり状に傾斜しており、これによ
り回動するきわぞりユニット１０の回動範囲を拡張する
だけでなく、図２のユニット作動状態では、刃台１１と
の接触部分を減らして往復動による微振動摩擦によって
生じる異音を軽減することができる。

【００１９】１９，１９は刃台１１の下面に突設されて
可動刃１６の振動をガイドするガイドピンであり各ピン
１９は固定刃１５に形成された各孔２０と可動刃１６に
形成された各案内長孔２１を貫通している。各ピン１９
には、鍔部２２ａをもった回転ローラ２２が嵌入されて
おり、またこのローラ２２は上記可動刃１６の各案内長
孔２１に嵌合されている。２３，２３は可動刃圧着用の
ばね、２４はばね受部材であり、この部材２４は両端の
係止突片２５，２５を刃台１１の係止溝２６，２６に係
止することにより、上記刃台１１に嵌着されており、上
記各ばね２３は回転ローラ２２の各鍔部２２ａと上記ば
ね受部材２４との間に張設されている。

【００２０】上記構成において、いま、可動刃１６が図
６のように、その刃先１６ａで毛Ｍを剪断する際に、そ
の剪断抵抗で後退して案内長孔２１の内壁２１ａがガイ
ドピン１９の前面に対してこの時の振動方向ａの力Ｆ₁
と後退する方向の力Ｆ₂ との合力Ｆで圧接されようとす
るが、上記ピン１９には回転ローラ２２を嵌合してある
から、上記合力Ｆを受けた回転ローラ２２がガイドピン
１９の前面で時計方向にわずかに回転するため、上記可
動刃１６は上記振動方向ａにスムーズに移動することが
でき、このため騒音の発生も極めて少なくなる。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば本体ケース
１の側壁に、回動突出、収納されるきわぞりユニット１
０の収納部１３Ａを備え、収納部１３Ａの、きわぞりユ
ニット１０の収納時における直線状刃先と対向する辺
を、その両端から中央部へ向かって上記刃先から離れる
よう外方へ突出したので収納状態で、きわぞりユニット
に他の器物が当たった場合、外力を受けとめにくい刃先
の中央部分は、奥まった位置に収納されているため、収
納部の刃先と対応する辺で外力を受けとめることがで
き、刃先保護構造を簡素化できる。

【００２２】

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る往復動電気かみそりのきわぞり
ユニット収納状態を示す破断側面図である。

【図２】この発明に係る往復動電気かみそりのきわぞり
ユニット作動状態を示す破断側面図である。

【図３】この発明に係る往復動電気かみそりのきわぞり
ユニットの分解斜視図である。

【図４】同実施例の外刃ホルダを装着する前の説明図で
ある。

【図５】同実施例の外刃ホルダを装着した後の説明図で
ある。

【図６】きわぞりユニットの作用説明図である。

【図７】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース １０ きわぞりユニット １３Ａ 収納部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース１の側壁に、回動突出、収納
   されるきわぞりユニット１０の収納部１３Ａを備え、収
   納部１３Ａの、きわぞりユニット１０の収納時における
   直線状刃先と対向する辺を、その両端から中央部へ向か
   って上記刃先から離れるよう外方へ突出してなる電気か
   みそり。