JPH0785755A - 真空バルブの製造方法 - Google Patents

真空バルブの製造方法

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JPH0785755A
JPH0785755A JP23067693A JP23067693A JPH0785755A JP H0785755 A JPH0785755 A JP H0785755A JP 23067693 A JP23067693 A JP 23067693A JP 23067693 A JP23067693 A JP 23067693A JP H0785755 A JPH0785755 A JP H0785755A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタライジングと気密接合を同時に行うこと
ができ、信頼性、経済性、環境性を改善することができ
る真空バルブの製造方法を得る。 【構成】 絶縁容器と封着金属の接合に際し、少なくと
も一方の面に平均粒径が0.01μm〜5μmのTi,Zr
及びCrのうちの少なくとも1つから成る活性金属層を
表面被着した活性金属被着ロウ材料を、絶縁容器と封着
金属との間に、活性金属層が絶縁容器側接合面と接触す
るように介挿設置し、絶縁容器内を真空排気しながらロ
ウ接合を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空バルブの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは優れた耐熱性、絶縁性、
気密性を有する為、その特性を生かして種々の電気部品
材料として用いられている。例えば、真空バルブの絶縁
容器の場合、内部を真空に維持する為に厳密に気密性を
保ち得る必要があり、セラミックスを使用することが多
い。
【0003】従来、このセラミックス製絶縁容器と封着
金属とを銀ロウ材を介して接合するに際して、一般には
セラミックス部材の端面に予めメタライズ層(例えば、
Mo−Mn)を付与させ、このメタライズ層を介して銀
ロウ付け接合を行っている。すなわち、セラミックスの
接合の方法としては、まずセラミックス部材にメタライ
ジングを施した後、金属とロウ付け接合する方法が行わ
れている。一方、メタライジング方法としては、一般に
は下記に示す方法が知られている。
【0004】(1)セラミックス母材表面にMo又はW
を主成分とする粉末を塗布し、還元雰囲気中で、例えば
1400〜1700℃に加熱して、セラミックス母材と反応させ
メタライズする方法。必要によりメタライズ層上にNi
などをメッキ処理する。
【0005】(2)セラミックス母材表面にAuまたは
Ptを配し、それらに圧力を加えながら加熱してメタラ
イジングする方法。 (3)セラミックス母材上にTi,Zrなどの活性金属
とNi,Cuなどの遷移金属を配し、それらの合金の融
点より高い温度で熱処理してメタライジングする方法
(特開昭56−163093号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法の場合、まず(1)の方法ではメタライジ
ング時に高温度での処理を必要とするなど繁雑な工程に
問題がある。また、処理条件の僅かな変動でも十分な接
合強度が得難く、強度的にもばらつきが発生する。特に
ばらつきの問題は、気密性の低下に関わり、真空バルブ
の信頼性長期保証(遮断性能、耐圧性能)に重大な影響
を及ぼす。
【0007】また(2)の方法では、高価な貴金属を使
用するため経済性に問題がある上に、密着性を高める目
的で高い圧力を必要とし好ましくない。また、生産性
(圧力を得る為の加圧部品がロウ付け炉中である空間を
占めること)にも問題がある。
【0008】一方、(3)の方法では、活性金属がセラ
ミックス母材上を濡らす為、特別な加圧を殆ど必要とせ
ず、かつ活性金属の効果によりセラミックス母材に対し
強い密着力でメタライジングすることができる。しか
し、金属部材とセラミックス部材とが十分に重なり合っ
た所では銀ロウは良好な接合を示すが、金属部材とセラ
ミックス部材との間に、極く僅かにでも隙間があったり
十分に重なり合っていない部分が存在すると良好にメタ
ライジングされない場合があり、気密接合性に問題があ
る。
【0009】以上のように、(1)(2)(3)のいず
れの方法でも、メタライジングを施した後にセラミック
ス製絶縁容器と封着金属とをロウ接合するので、工程が
複雑となったり、接合強度、気密接合性のいずれか又は
両者が問題となったりしている。この原因はメタライジ
ング工程と、セラミックス製絶縁容器と封着金属金属部
材の接合とを別々に行う必要があるためと考えられる。
そこで、予め上記の様なメタライジングを施すことな
く、金属をセラミックスにロウ付けする技術が検討され
るようになってきた。
【0010】金属部材とセラミックス部材とを接合する
方法として、次のような一段階接合法が既に知られてい
る(特開昭59-32628号)。すなわち、活性金属としてT
i又は/及びZrを含むAgロウ材料を用いる(これを
金属部材とセラミックス部材との間に挿入して接合す
る)。或いは、上記活性金属の薄板と上記Agロウ材と
を積層したAgロウ材料を用いる(これを金属部材とセ
ラミックス部材との間に挿入して接合する)。
【0011】この一段階接合法は、メタライジングを必
要としないから、工程を簡略化することができる。しか
しながら、この一段階接合法の場合でも、上記(3)で
見られたものと同様の現象、すなわちAgロウ材料が金
属部材やセラミックス部材、特にセラミックス部材と十
分密着していないと、良好な接合強度と気密接合性が得
られない場合がみられる。十分な密着を得る為には、加
圧力の不均一性を是正する必要があり、強大な加圧を要
する問題点がある。
【0012】この欠点を改良した技術として、特開昭63
-49758号には、加圧力の不均一性を得る手段として、活
性金属Ti又は/及びZi粉末を使用し、これをセラミ
ックス部材面に塗布するものが開示されている。活性金
属を粉末化したことによって、Ti又は/及びZrが均
一にセラミックス部材に分布し、かつ密着している為、
接合強度と気密接合性とを兼備した接合状態を得てい
る。
【0013】しかし、ポリビニールアルコール、エチル
セルローズなどのバインダを塗布したセラミックス部材
面に前記活性金属Ti又は/及びZr粉末を塗布する
際、エタノール、テトラリンなどの有機溶剤によって前
記活性金属粉末をペースト状態とするので、これらバイ
ンダや有機溶剤による環境問題の軽減化対策が課題とな
っている。本発明の目的は、メタライジングと気密接合
を同時に行うことがてき、信頼性、経済性や環境対策の
面で有益な真空バルブの製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内部に接離可能な一対の電極を備えた真空
容器を形成するのに絶縁容器を封着金属で気密封着する
真空バルブの製造方法において、金属箔の少なくとも一
方の面に平均粒径が0.01μm〜5μmのTi,Zr、及
びCrのうちの少なくとも1つから成る活性金属層を表
面被着してなる活性金属被着ロウ材料を、絶縁容器と封
着金属との間に、活性金属層が絶縁容器側接合面と接触
するように介挿設置し、絶縁容器内を真空排気しながら
絶縁容器と封着金属とのロウ接合を行うことを要旨とす
る。
【0015】
【作用】本発明においては、封着金属と絶縁容器とを接
合するに際して、予めTi,Zr,Cr粉等の活性金属
を金属箔に被着する。これは単なる被着であって、特に
メタライジング処理を行わない点、即ち予め形成される
のは活性金属層であってメタライズ層ではない点、及び
Ti,Zr,Cr粉等の活性金属の被着は、セラミック
ス製絶縁容器に行うのではなく金属箔に被着する点が特
徴である。
【0016】さらに詳細には、従来のものと比較して、
活性金属層の被着を金属箔に行うようにしたことによ
り、次のような作用効果を有することになる。 (1)真空バルブ用絶縁容器(例えばセラミックス部
材)は、大きさ(外径、内径)がまちまちである上に、
その高さも不定の為、品質管理上技術的問題が多い。そ
の為、活性金属層を大きさ、形状のまちまちのセラミッ
クス部材に被着する場合、不利益が多い。真空バルブで
は、例えば、厚さ5mm以下程度の微少厚さ、高さ30〜10
00mmのセラミックス製絶縁容器端面へのロウ付けが行わ
れている。この場合セラミックス製絶縁容器端面の被接
合面へのTi,Zr,Cr粉等の活性金属を被着する時
の作業性、メタライジング層の不均一性が課題となって
いる。
【0017】これらの課題に対して、金属箔を活性金属
層を有する接合用ロウ材構造とすることによって、ばら
つき、不均一性を回癖した。これは金属箔の少なくとも
一面に、活性状態にある活性金属(接合補助成分)を微
細均一に高度に分散付着させた接合用ロウ材を使用する
ことによって、良好な気密性と接合強度を有する真空バ
ルブとすることができる。
【0018】(2)真空バルブ用セラミックス製絶縁容
器の被接合面へTi,Zr,Cr粉等の活性金属を被着
させる従来法の場合では、被着させたのみではTi,Z
r,Cr粉等の付着強さが十分でなく、どうしてもメタ
ライジング化の為の加熱処理を要する。
【0019】これに対して、金属箔の一面にTi,Z
r,Cr粉等の活性金属を被着させる本発明の製造方法
の場合では、金属箔の方がセラミックス部材より遥かに
軟質であることから、Ti,Zr,Crは金属箔に十分
よく馴染み、かつ密着する為、過度の加圧力を与えるこ
となしにTi,Zr,Cr粉は金属箔に微細均一に強く
付着分散する。その結果、メタライジング化の為の加熱
処理を必要としないで、良好な気密性と接合強度を得る
ことができる。
【0020】(3)Ti,Zr,Cr粉等の活性金属粉
は、平均粒子直径(粒径)が0.01μm〜5μmの粒子状
であることを要する。粒径が0.01μm以下では粉体の活
性度が著しく大となり、ロウ材としての取扱いの点で技
術的な困難さがある。粒径が5μm以上では、Ti,Z
r,Cr等の活性金属粉の存在状態が粗な分布となり好
ましくない。
【0021】(4)代表的なロウ材料として、779 ℃の
溶融温度を持つ共晶銀ロウ(72Wt%Ag−Cu合金)が
知られている。本発明の接合では、例えば、厚さ0.1mm
の板状の共晶銀ロウ板の一面(両面でも可)に、Ti,
Zr,Cr粉等の活性金属粉を付着させてなっている。
しかし、この構造に限定されるものではなく、前記共晶
銀ロウの構成成分Ag,Cuを別々にAg薄板、Cu薄
板として、このAg薄板(またはCu薄板)にTi,Z
r,Cr粉等を被着して積層一体化したの後、Cu薄板
を配して組成比率が72Wt%Ag−Cu合金となるように
しても良い。
【0022】ロウ材料としては、銀系ロウ材料に限るこ
とはなく、本発明の接合用ロウ材構造をとることによっ
て、Au系ロウ材、Pd系ロウ材、Pt系ロウ材、Cu
系ロウ材、Ni系ロウ材であってもよい。
【0023】(5)セラミックス部材の被接合面へT
i,Zr,Cr粉等の活性金属を被着させる従来法の場
合では、セラミックス部材の被接合面へ行うバインダ塗
布作業時に、バインダが所定接合部分以外にも付着しや
すく、必要箇所以外に活性金属粉が被着する結果とな
る。更に、活性金属粉は有機溶剤によってペースト状態
としているため、有機溶剤の濃度によっては、セラミッ
クス部材の被接合面の所定接合部分以外にも流出する場
合があり、同様に、必要箇所以外に活性金属粉が被着す
る結果となる。この様な必要箇所以外への付着は、真空
バルブの耐電圧不良の原因となる。これらを防止する方
法として、従来法では、接合不必要部分には、繁雑なマ
スキングを施している。
【0024】本発明のロウ材構造では、接合必要部分に
のみロウ材が配置されるので、マスキング不要など工程
の簡略化、信頼性向上が得られている。 (6)セラミックス部材の被接合面へTi,Zr,Cr
粉等の活性金属を被着させる従来法の場合では、前記の
様に、ペースト、有機溶剤を使用しているので、加熱
炉、排気装置の内部、被接合物の表面の汚染、人体への
影響などが避けられないが、本発明方法では、ペース
ト、有機溶剤を使用していない為、これらの心配は生じ
ない。
【0025】(7)金属箔への活性金属の付着強度は、
ロウ材料としての安定性に影響を与える為、ロウ付け接
合後の接合強さ、気密性に重要である。この活性金属の
付着強度に及ぼす要因の1つとして、活性金属の清浄
度、被付着面の清浄度が挙げられる。しかし、一般にセ
ラミックス表面を完全に清浄化することは困難である上
に、通常セラミックスは金属との濡れ性が著しく劣る。
この為、被付着面が従来法の場合に用いているセラミッ
クス部材では、付着強度が劣る。
【0026】一方、被付着面として、本発明が対象とし
ているロウ材料(金属)では、良い濡れ性を示すことか
ら、前記セラミックス部材に対するより高い付着強度を
有するので安定した接合結果が得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
本発明の製造方法の要旨は、必要によりAgなどのメッ
キ層を持たせた金属箔(板、線、粉末の総称)或るいは
封着金属の少なくとも一表面に、活性金属粉を微細均一
に高度に分散付着させてなる事にある。
【0028】したがって、どのような条件の活性金属粉
を、どのような手段で金属箔やロウ材表面に付着させる
かが重要である。前述の様に、金属箔の一表面にあるT
i,Zr,Crなどは、平均粒子直径(粒径)が0.01μ
m〜5μmの粒子状の活性金属粉より成る。予め用意し
た粉状の活性金属を使う時には、この様な活性金属粉
は、極めて活性であることから、保管から金属箔への被
着までの工程を厳重管理する必要がある。
【0029】一方、他の方法として、塊状の活性金属を
使う時には、塊状のTi,Zr,Crを蒸気状とした
後、別途用意した金属箔(Ag,Cu,Ag−Cu板
等)に誘導し、その表面に凝固、被着させる方法として
も良い。
【0030】活性金属を蒸気状とする手段は、高エネル
ギー密度のビーム例えばエレクトロンビーム加熱、レー
ザ加熱やアーク加熱、抵抗加熱などのように、所定の蒸
気温度を得ることができれば良く、加熱の手段は問題と
しない。加熱の雰囲気は、活性金属が酸化燃焼するのを
防止するために、真空中、高純度ガス中など不活性雰囲
気中で行う。
【0031】なお、活性金属粉の被着量は、気密性、接
合強度の確保に極めて重要であって、前記Ti,Zr,
Crの蒸気温度、蒸発源から基盤用ロウ材板付着面まで
の移送距離・時間・基盤用ロウ材板付着面の温度などに
よって制御する。
【0032】原材料となる活性金属と、これを被着させ
る金属箔とを、同一の容器室内に配置しても良く、また
はこれらを別個の容器室内に配置して容器室間を連結部
で接続するように配置しても良い。
【0033】また、蒸発源から金属箔の付着面への誘導
中の活性金属に対して、電界、磁界、熱、気体などを印
加して、移送中の活性金属を加速或いは減速させたり、
必要とするエネルギーを与えたりすることは、ロウ材板
付着面への活性金属の付着量や付着分布度を制御した
り、付着強度を高めたりするのに有効となる。
【0034】この様にして、活性金属を蒸発源から基盤
用ロウ材板付着面へ、移動被着させることによって得た
金属箔面の活性金属粉は、ロウ付け作業に好ましい程度
の清浄度と活性度と量とを維持している。活性金属粉を
セラミックス部材の被接合面に塗布する従来法、あるい
はロウ材板に塗布する方法では、ばらつきが多く、ロウ
付け作業に好ましい程度の清浄度と活性度と量とを確保
することができない。
【0035】このような本製造方法により、次のような
各種条件で絶縁容器と封着金属とを接合したので、表1
〜表4を参照しながら、これらについて具体的に説明す
る。なお、表1または表2の#1は金属箔Cuの上に、
30μmのAgメッキを施し、その上に活性金属を被着さ
れたもの、#2は活性金属Tiの被着に際して、同時に
Cuを被着したもの、#3は活性金属Tiの被着の後、
その上にCuを被着したものを示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】(実施例1〜4,比較例1〜2)外直径
6.7cm,内直径 5.6cm,高さ10cmのセラミックス製絶縁
容器(主成分:AL23 )を用意し、その端面の表面
粗さを約 0.2μmに研磨した。封着金属として、板厚さ
2mmの42%Ni−Fe合金を用意した。金属箔として、
外直径6.7 cm,内直径 5.6cm,板厚さ 0.1mmのCu箔を
用意した。Agろう材料として、厚さ0.1mm の72%Ag
−Cu合金板を用意した。
【0041】アークメルトしたTiターゲットを活性金
属源とし、加熱手段として、アーク放電、イオンプレー
ティング、電子衝撃、スパッタリング等を適宜選択また
は組合わせて、蒸発またはイオン化させたTiを前記金
属箔(Cu箔)面上まで誘導する。蒸発またはイオン化
させる為の注入エネルギーを制御しながら、金属箔面上
でのTi粒子の平均粒子直径を0.01〜20μm(実施例1
〜4,比較例1〜2)の範囲とした。作業時間を制御し
ながら、金属箔面上でのTi粒子の量を約1mg/cm2
着させた。
【0042】次いで、金属箔上のTiがセラミックス製
絶縁容器の端面に密着する様にして配置し、水素中雰囲
気で1020℃の温度で封着金属とセラミックス製絶縁容器
との気密封着接合を行った。この場合、接合の為のロウ
材料は、金属箔とセラミックス部材との間、金属箔と金
属部材(封着金属)との間のいずれの側に配置しても問
題ない。また、金属箔は平板状であっても、また波板状
であっても問題ない。
【0043】気密封着接合後のセラミックス製絶縁容器
をインストロン式万能試験機で金属/セラミックス接合
部分の引き外し力を測定した。上記寸法のセラミックス
製絶縁容器を使用した時の引外し力が700kg 以上を合格
とした。
【0044】また、気密性の評価は、Heリークディテ
クターを使用して、リーク量が5×10-10 (Torr・L/
sec )以下を合格とした。また、耐電圧特性評価は、前
記気密封着接合後のセラミックス製絶縁容器の両端に、
0〜120KV のインパルス電圧を10回印加した時の耐電圧
特性を測定し、絶縁破壊を示したときの電圧値、絶縁破
壊回数を示した。絶縁破壊電圧値が95KVで絶縁破壊回数
がゼロの場合を合格とした。
【0045】これらの評価結果を表1〜表2に示した
(実施例1〜4,比較例1〜2)。表1〜表2から明ら
かな様に、金属箔面上にTi粒子がない例では、接合強
度(引外し力)が低く問題を生じ易いのみならず、接合
が十分出ない事に起因する内部真空度の低下で、所定の
耐電圧特性を維持出来ない(比較例1)。Ti粒子の平
均粒子直径が5μm以上では、金属箔面上へのTi粒子
の均一分布性に問題を生じ易くなる為、気密性にばらつ
きを生じかつ接合強度にもばらつきが見られるようにな
る(比較例2)。したがって、金属箔面上でのTi粒子
の平均粒子直径は、0.01〜5μmの範囲が好ましい(実
施例1〜4)。またこの範囲なら、所定の耐電圧特性を
維持する。
【0046】(実施例5〜6,比較例3)Cu金属箔と
Ti電極とを対向させ、電極間の距離、電極間の平行
度、アーク放電時のアーク電流、印加電圧など調整しな
がら、Cu金属箔の一面に平均粒子直径0.05μmの活性
金属(Ti)を被着させた。被着量を 0.1〜10mg/cm2
(実施例5〜6)、45mg/cm2 (比較例3)の範囲で選
択制御した。この様にして、活性金属(Ti)を金属箔
(Cu)の一方の面上に所定量被着させ、Tiが被着し
ている面をセラミックス部材(セラミックス製絶縁容
器)と密着する様に配置、金属箔(Cu)の他方の面を
金属部材(封着金属)と接する様に配置した。すなわ
ち、活性金属層を有する金属箔を両部材間に介挿する様
にして配置した。この様にして水素中雰囲気で1020℃の
温度で封着金属とセラミックス製絶縁容器との気密封着
接合を行った(実施例5〜6,比較例3)。
【0047】そして、気密封着接合後のセラミックス製
絶縁容器を前記と同様にして評価した。これらの評価結
果を表1〜表2に示した。表1〜表2から明らかな様
に、金属箔面上での活性金属の被着量が 0.1〜10mg/cm
2 の場合には、安定した接合強度、気密性と所定の耐電
圧特性を維持する。しかし、被着量が45mg/cm2 の場合
には、セラミックス部材面上の不必要部分にまで活性金
属が被着する事が多く見られるようになり、その結果接
合強度、気密性は問題ないものの耐電圧特性劣化(耐電
圧値の低下、ばらつきの発生)が著しい。したがって、
金属箔面上での活性金属の被着量は 0.1〜10mg/cm2
範囲が好ましい(実施例5〜6)。
【0048】(実施例7〜10)上記実施例1〜6,比較
例1〜3では、活性金属として、Tiを選択した例につ
いて示した。
【0049】しかし、本発明はこれに限ることなく、活
性金属の種類は、Tiに限ることなくZr,Cr(実施
例7〜8)においても、またTi−Zr,Ti−Cr
(実施例9〜10)のごとき混合であっても同様の効果を
得た。
【0050】(実施例11〜15)上記実施例1〜10,比較
例1〜3では、金属箔として、Cuを選択した例につい
て示した。
【0051】しかし、本発明はこれに限ることなく、金
属箔の種類は、Cuに限ることなくAg(実施例11)に
おいても、またAg−Cu,Ag−Cu−In,Ag−
Cu−Sn,Cu−Mn(実施例12〜15)のごとき混合
であっても同様の効果を得た。
【0052】なお、ここで使用した金属箔自体は、優秀
なロウ材料でもあることから、気密接合作業においては
接合の為のロウ材料を介挿しなくても良い。 (実施例16〜18)上記実施例1〜15,比較例1〜3で
は、金属箔面上に直接活性金属Tiを付着させた状態で
使用した。
【0053】しかし、本発明はこれに限ることなく、金
属箔と活性金属との間での化合物生成を阻止軽減化させ
る目的で、金属箔面上に例えば30μm程度の厚さのAg
メッキを施すことは、気密性、接合強度の一層の安定化
の為に有益である(実施例16)。すなわち、温度を上げ
てゆくと金属箔Cu上のAgメッキがとけて、活性金属
Tiと混合し、Ag−Cu−Tiを形成、未だ溶けてい
ない金属箔Cuが存在していると、このCuが重し(加
重)として作用する結果、液体状態にあるAg−Cu−
Tiをセラミックス部材(セラミックス製絶縁容器)に
押し付ける。液体状態にある為、細部にまで密着・浸入
する様に拡がり、気密封着される。
【0054】金属箔がCuの場合には、Agメッキの厚
さ(Ag量)を、溶解の後にAg−Cuロウ材料の組成
になる様調整されている時には、ロウ材料を介挿しなく
ても接合作業が可能である。
【0055】また、金属箔面上に活性金属(Ti)を被
着させるにおいて、Ti被着と同時にCuを混合被着さ
せることは、Tiの低融点化に有益であり、その結果気
密性の信頼度の向上に寄与している(実施例17)。
【0056】また、金属箔面上に活性金属(Ti)を被
着させるにおいて、Ti被着の後で金属箔面上にCuを
被覆しても良い(実施例18)。 (実施例19〜21)上記実施例1〜18,比較例1〜3で
は、セラミックス部材(セラミックス製絶縁容器)と金
属部材(封着金属)との間に、金属箔(Cu,Ag,A
g−Cu−In,Ag−Cu−Sn,Cu−Mn)を介
挿した。
【0057】しかし、本発明はこれに限ることなく、C
u−Ni,Fe−Co,Fe−Niなどの金属部材(封
着金属)表面に直接活性金属Tiをさせても良い(実施
例19〜21)。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、絶縁容器
と封着金属とを接合するのに、金属箔の少なくとも一方
の面に、平均粒径が0.01μm〜5μmのTi,Zr、及
びCrのうちの少なくとも1つから成る活性金属層を表
面被着してなる活性金属被着ロウ材料を、絶縁容器と封
着金属との間に、活性金属層が絶縁容器側接合面と接触
するように介挿設置し、絶縁容器内を真空排気しながら
絶縁容器と封着金属とのロウ接合を行うようにしたの
で、メタライジングと気密接合を同時に行うことがで
き、信頼性、経済性、環境性を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中橋 昌子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に接離可能な一対の電極を備えた真
    空容器を形成するのに絶縁容器を封着金属で気密封着す
    る真空バルブの製造方法において、金属箔の少なくとも
    一方の面に平均粒径が0.01μm〜5μmのTi,Zr、
    及びCrのうちの少なくとも1つから成る活性金属層を
    表面被着してなる活性金属被着ロウ材料を、前記絶縁容
    器と封着金属との間に、活性金属層が前記絶縁容器側接
    合面と接触するように介挿設置し、前記絶縁容器内を真
    空排気しながら絶縁容器と封着金属とのロウ接合を行う
    ことを特徴とする真空バルブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記活性金属被着ロウ材料の表面に、酸
    化または汚染の進行を抑制する保護層を具備したことを
    特徴とする請求項1記載の真空バルブの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属箔は、Ag,Cu,Ag−C
    u,Ag−Cu−In,Ag−Cu−Sn,Cu−Mn
    のうちの1つであることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の真空バルブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属箔はCuであって、その少なく
    とも一表面に厚さ5〜1000μmのAgを被覆し、さらに
    前記Agの少なくとも一表面に前記活性金属層を被着し
    てなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の真空バルブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活性金属層中には、平均が0.01μm
    〜5μmの粒子状を呈するロウ材料主要構成成分である
    Ag又はCuを含有していることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の真空バルブの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記活性金属層における活性金属の量
    は、0.1 〜10mg/cm2 であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の真空バルブの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記絶縁容器と封着金属との間には前記
    活性金属層を表面被着した前記金属箔と共に、Cu板、
    又はAg板を介挿設置した後、前記セラミックス製絶縁
    容器内を真空排気しながらロウ接合を行うことを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の真空バルブの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記活性金属層を前記封着金属の接合面
    に表面被着し、前記絶縁容器と封着金属との間に他のロ
    ウ材料を介挿設置し、前記絶縁容器内を真空排気しなが
    らロウ接合を行うことを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の真空バルブの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記封着金属の接合面に前記金属箔を被
    着し、該金属箔表面に前記活性金属を被着し、この状態
    または他のロウ材料を介挿設置した後、前記絶縁容器内
    を真空排気しながらロウ接合を行うことを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載の真空バルブの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100417142B1 (ko) * 2000-04-24 2004-02-05 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 진공절연스위치기어 및 그 제조방법

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