JPH0785447A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0785447A
JPH0785447A JP23197793A JP23197793A JPH0785447A JP H0785447 A JPH0785447 A JP H0785447A JP 23197793 A JP23197793 A JP 23197793A JP 23197793 A JP23197793 A JP 23197793A JP H0785447 A JPH0785447 A JP H0785447A
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JP
Japan
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film
magnetic
recording medium
stress
metal
Prior art date
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Application number
JP23197793A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Osamu Yoshida
修 吉田
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Akira Shiga
章 志賀
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドとの当たりが良好で、再生出力に
ムラが起きない磁気記録媒体を提供することである。 【構成】 支持体の一面に乾式メッキ手段で金属磁性膜
が設けられ、他面に乾式メッキ手段でバックコート膜が
設けられてなる磁気記録媒体であって、前記金属磁性膜
によって現れる応力の方向と前記バックコート膜によっ
て現れる応力の方向とが同じで、かつ、その値の絶対値
が異なるよう金属磁性膜とバックコート膜が構成され、
その応力差によってカール率が5〜15%であるよう金
属磁性膜の中央部側が突出構成されてなる磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に金属薄膜型の磁気
記録媒体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】磁気テープ等の磁気記録媒体には、非磁
性支持体であるフィルム上に磁性粉やバインダを溶剤中
に分散させた磁性塗料を塗布してなる塗布型のものと、
バインダを用いず、磁性金属粒子をフィルム上に堆積さ
せてなる金属薄膜型のものとがある。
【0003】これらの中、金属薄膜型の磁気記録媒体
は、磁性層にバインダを含まないことから、磁性材料の
充填密度が高く、高密度記録に適したものであると言わ
れている。ところで、現在発売又は開発されている金属
薄膜型の磁気記録媒体は、図2に示される構成のものと
なっている。尚、図2中、6はポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム、7は、例えば真空蒸着法を用
いて構成された厚さが1500ÅのCo−Ni合金磁性
膜、8は潤滑剤の膜、9はバックコート層である。
【0004】ところで、このような構造の金属薄膜型磁
気記録媒体は、磁性膜が金属膜であることから、反った
形状に変形(カール)している。この為、磁気ヘッドと
の当たりが悪く、特に磁気ヘッドとの距離が位置によっ
て変動し、再生出力にムラが起きてしまう。
【0005】
【発明の開示】本発明の目的は、磁気ヘッドとの当たり
が良好で、再生出力にムラが起きない磁気記録媒体を提
供することである。この本発明の目的は、支持体の一面
に乾式メッキ手段で金属磁性膜が設けられ、他面に乾式
メッキ手段でバックコート膜が設けられてなる磁気記録
媒体であって、前記金属磁性膜によって現れる応力の方
向と前記バックコート膜によって現れる応力の方向とが
同じで、かつ、その値の絶対値が異なるよう金属磁性膜
とバックコート膜が構成され、その応力差によってカー
ル率が5〜15%であるよう金属磁性膜の中央部側が突
出構成されてなることを特徴とする磁気記録媒体によっ
て達成される。
【0006】尚、この磁気記録媒体において、バックコ
ート膜は磁性膜であっても、非磁性膜であっても良い。
以下、本発明について詳述する。金属膜や非金属膜を蒸
着やスパッタリングといった薄膜形成手段で形成する
と、膜の堆積によって基板には反りが現れる。
【0007】この反りの方向は、基板を内側にする方向
であったり、外側にする方向であったりし、金属膜の種
類や堆積時の条件によって決まる。例えば、Cr膜であ
っても、堆積時の雰囲気Ar圧力が0.2Paといった
場合には圧縮応力が現れるのに対して、堆積時の雰囲気
Ar圧力が0.5Paといった場合には引っ張り応力が
現れる。又、堆積させる金属の種類を選定することによ
って、圧縮応力が現れたり、引っ張り応力が現れたりす
る。
【0008】従って、堆積させる膜を複数にし、これら
の間に現れる応力が互いに同方向であるように設計し、
そして基板の両側に膜を設けるようにすれば、基板に起
きるカールを自由にコントロール出来るようになる。と
ころで、カール率が0.4〜3.2%であるよう磁性層
側のテープ中央部が突出するよう構成させた塗布型の磁
気記録媒体が提案(特開平5−197947号)されて
いる。
【0009】しかしながら、磁性層もバックコート層も
蒸着手段によって構成した金属薄膜型の磁気記録媒体に
おいて、カール率が0.4〜3.2%であるよう磁性層
側のテープ中央部が突出するよう構成したものは、先の
提案で謳われているような特長が奏されるものではなか
った。この原因についての研究が鋭意押し進められて行
った結果、金属薄膜と塗膜との硬さといった物理的特性
が大幅に異なることから、カール率が0.4〜3.2%
のものでは特長が奏されないのであろうとの推察がなさ
れた。そして、さらなる研究が行われて行った結果、金
属薄膜型の磁気記録媒体にあっては、カール率が5〜1
5%のものでなければならないことが判明し、これに基
づいて本発明が達成されたのである。
【0010】そして、上記のように構成させてなる金属
薄膜型の磁気記録媒体は磁気ヘッドとの当たりが良好と
なり、再生出力にムラが起きないものであった。本発明
の磁気記録媒体に用いられる非磁性の支持体としては、
例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリ
エステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、
ポリカーボネート、ポリプロピレン等のオレフィン系の
樹脂、セルロース系の樹脂、塩化ビニル系の樹脂といっ
た高分子材料などが用いられる。そして、支持体面上に
は、必要に応じて密着性を向上させる為のアンダーコー
ト層が設けられている。すなわち、表面の粗さを適度に
粗すことにより、例えば斜め蒸着法により構成される薄
膜の密着性を向上させ、さらに磁気記録媒体表面の表面
粗さを適度なものとして走行性を改善する為、例えばS
iO2 等の粒子を含有させた厚さが0.005〜0.1
μmの塗膜を設けることによってアンダーコート層が構
成されている。
【0011】非磁性の支持体面上に金属磁性膜が設けら
れる。金属磁性膜の材料としては、例えばFe,Co,
Ni等の金属の他に、Co−Ni合金、Co−Pt合
金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−N
i合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、
Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合金、あるいは
これらにAl等の金属を含有させたもの等が用いられ
る。尚、金属磁性膜の厚さは、金属磁性膜の種類によっ
ても左右されるが、例えば800〜5000Å程度であ
ることが好ましい。
【0012】非磁性の支持体の反対側の面上にバックコ
ート膜が設けられる。バックコート膜の材料としては、
前記金属磁性膜と同じものであっても良く、異なるもの
であっても良い。例えば、Cu−Al−X(但し、Xは
Mn,Fe,Niの群の中から選ばれる一つ、若しくは
二つ以上)系合金を用いることが出来る。尚、Cu−A
l−X系合金を用いる場合には、Al含有量は5〜15
wt%であり、X含有量が5wt%以下であることが好
ましい。特に、好ましくはCu含有量は85〜91wt
%、Al含有量は6〜12wt%、Mn含有量が1〜2
wt%で、Fe含有量が1〜3wt%で、Ni含有量が
1〜5wt%であり、Mn,Fe,Niの総含有量が3
〜7wt%であることが好ましい。
【0013】上記金属磁性膜やバックコート膜は、蒸着
法、直流スパッタ法、交流スパッタ法、高周波スパッタ
法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波マグネトロン
スパッタ法、イオンビームスパッタ法などの各種の乾式
メッキ手段を採用できる。尚、これらの膜の形成時に酸
化性ガスを供給し、表層部分を酸化させ、酸化膜による
保護膜が形成されるようにすることが好ましいものであ
る。
【0014】支持体面に設けられる金属磁性膜とバック
コート膜との関係は、金属磁性膜によって現れる応力の
方向とバックコート膜によって現れる応力の方向とが同
じでなければならない。例えば、金属磁性膜によって現
れる応力が引っ張り応力タイプの場合には、バックコー
ト膜によって現れる応力も引っ張り応力タイプのものと
なるようバックコート膜の種類や形成条件を選定しなけ
ればならない。かつ、双方の膜が引っ張り応力タイプの
ものである場合には、バックコート膜によって現れる応
力の絶対値が金属磁性膜によって現れる応力よりも大き
くなるよう設計し、これによってカール率が5〜15%
であるようにすることが大事である。又、金属磁性膜に
よって現れる応力が圧縮応力タイプの場合には、バック
コート膜によって現れる応力も圧縮応力タイプのものと
なるようバックコート膜の種類や形成条件を選定しなけ
ればならない。かつ、双方の膜が圧縮応力タイプのもの
である場合には、バックコート膜によって現れる応力の
絶対値が金属磁性膜によって現れる応力よりも小さくな
るよう設計し、これによってカール率が5〜15%であ
るようにすることが大事である。
【0015】そして、磁性金属膜(保護膜が設けられて
いる場合には、保護膜)の表面に、潤滑剤が塗布され
る。用いられる潤滑剤としてはパーフロオロポリエーテ
ル、例えば-(C(R)F-CF2-O)p - (但し、RはF,C
3 ,CH3 などの基)、特にHOOC-CF2(O-C2F4)p (OCF
2) q -OCF2-COOH ,F-(CF2CF2CF2O)n -CF2CF2COOH とい
ったようなカルボキシル基変性パーフロオロポリエーテ
ル、HOCH2-CF2(O-C2F4) p (OCF2) q -OCF2-CH2OH,HO-
(C2H4-O) m -CH2-(O-C2F4) p (OCF2) q -OCH2-(OCH2C
H 2)n -OH ,F-(CF2CF2CF2O)n -CF2CF2CH2OHといったよ
うなアルコール変性パーフロオロポリエーテル等が挙げ
られる。このような潤滑剤層の厚さは10〜100Åで
あることが好ましい。
【0016】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を説
明する。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕図1は、本発明に係る磁気記録媒体の概略
断面図である。同図中、1は6μm厚さのPETフィル
ム、2は酸素ガスを導入しながら真空蒸着法によりPE
Tフィルム1の一面上に設けられた1500Å厚さのC
o−Ni(80at%−20at%)膜(金属磁性
膜)、3は潤滑剤を所定の溶剤に溶かして金属磁性膜2
上に塗布して設けた潤滑膜、4は酸素ガスを導入しなが
ら真空蒸着法によりPETフィルム1の他面上に設けら
れた1700Å厚さのCu−Al−Ni(85at%−
10at%−5at%)膜(バックコート膜)である。
【0018】尚、PETフィルム面上に設けられた15
00Å厚さのCo−Ni(80at%−20at%)膜
による応力(引っ張り応力)は9×109 dyne/c
2であり、PETフィルム面上に設けられた1700
Å厚さのCu−Al−Ni(85at%−10at%−
5at%)膜による応力(引っ張り応力)は28.4×
109 dyne/cm2 であった。
【0019】すなわち、PETフィルム1を真空蒸着装
置に配設し、装置内のルツボに入れられているCo−N
i合金を蒸発させ、この蒸発粒子をPETフィルム1の
一面上に堆積させたのである。又、Co−Ni合金膜2
が設けられたPETフィルム1を真空蒸着装置に配設
し、装置内のルツボに入れられているCu−Al−Ni
合金を蒸発させ、この蒸発粒子をPETフィルム1の他
面上に堆積させたのである。尚、Co−Ni合金膜やC
u−Al−Ni合金膜の形成時には、酸素ガスが導入さ
れている。
【0020】この後、PETフィルムを真空蒸着装置か
ら取り出し、ダイ塗工法によりパーフロオロポリエーテ
ル(日本モンテジソン社のFOMBLIN Z DO
L)を乾燥後の厚さが30Åとなるよう磁性金属膜2の
表面に塗布し、この後加熱乾燥させた。そして、このよ
うにして得られた原反から通常の工程を経て磁気テープ
を作製した。
【0021】〔実施例2〕実施例1において、バックコ
ート膜(Cu−Al−Ni膜)4の厚さを2300Åと
した他は同様に行い、磁気テープを作製した。 〔実施例3〕6μm厚さのPETフィルム1を真空蒸着
装置に配設し、装置内のルツボに入れられているCo−
Cr(85at%−15at%)合金を蒸発させ、この
蒸発粒子をPETフィルム1の一面上に堆積(堆積時に
は、酸素イオンを電子銃で照射。堆積した金属磁性膜の
厚さは1800Å)させた後、このPETフィルム1を
真空蒸着装置に配設し、装置内のルツボに入れられてい
るSi(99.99%)を蒸発させ、この蒸発粒子をP
ETフィルム1の他面上に堆積(堆積時には、酸素ガス
を照射。堆積したバックコート膜の厚さは1200Å)
させた。
【0022】尚、PETフィルム面上に設けられた18
00Å厚さのCo−Cr(85at%−15at%)膜
による応力(圧縮応力)は3.4×109 dyne/c
2であり、PETフィルム面上に設けられた1200
Å厚さのSi膜による応力(圧縮応力)は1.8×10
9 dyne/cm2 であった。この後、PETフィルム
を真空蒸着装置から取り出し、ダイ塗工法によりパーフ
ロオロポリエーテル(日本モンテジソン社のFOMBL
IN Z DOL)を乾燥後の厚さが30Åとなるよう
磁性金属膜2の表面に塗布し、この後加熱乾燥させた。
【0023】そして、このようにして得られた原反から
通常の工程を経て磁気テープを作製した。 〔比較例1〕実施例1において、バックコート膜(Cu
−Al−Ni膜)4の厚さを700Åとした他は同様に
行い、磁気テープを作製した。
【0024】〔比較例2〕実施例1において、バックコ
ート膜(Cu−Al−Ni膜)4の厚さを1250Åと
した他は同様に行い、磁気テープを作製した。 〔比較例3〕実施例1において、バックコート膜(Cu
−Al−Ni膜)4の厚さを2500Åとした他は同様
に行い、磁気テープを作製した。
【0025】〔比較例4〕実施例1において、磁性膜
(Co−Ni膜)2の厚さを2000Åとした他は同様
に行い、磁気テープを作製した。 〔特性〕上記各例で得られた磁気テープを8mm幅にス
リットし、市販の8mmVTRを改造した装置に装着
し、出力エンベロープを測定し、その減衰率を求めたの
で、その結果を下記の表−1に示す。尚、各磁気テープ
のカール率(カールによる変形高さ(磁性膜の中央部が
凸になる場合を+で表示)/横幅)並びに各膜の応力値
も併せて表示する。
【0026】 表−1 金属磁性膜 バックコート膜 カール率 出力エンベロープ減衰率 応力dyny/cm2 応力dyny/cm2 (%) (%) 実施例1 9.5×109 28.4×109 8 15 実施例2 9.5×109 14.8×109 15 23 実施例3 3.4×109 1.8×109 5 20 比較例1 9.5×109 3.8×109 −7 33 比較例2 9.5×109 12.1×109 3 28 比較例3 9.5×109 62.5×109 21 42 比較例4 43.5×109 28.4×109 −3 30 *実施例1,2及び比較例1,2,3における膜の応力
は引っ張り応力 *実施例3及び比較例4における膜の応力は圧縮応力 すなわち、実施例のものでは出力エンベロープの崩れが
小さく、綺麗な形を示しており、出力ムラの小さいこと
が窺える。
【0027】
【効果】本発明によれば、出力ムラの小さなものが得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の概略図
【図2】従来の磁気記録媒体の概略図
【符号の説明】
1 PETフィルム 2 金属磁性膜 3 潤滑膜 4 バックコート膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志賀 章 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一面に乾式メッキ手段で金属磁
    性膜が設けられ、他面に乾式メッキ手段でバックコート
    膜が設けられてなる磁気記録媒体であって、前記金属磁
    性膜によって現れる応力の方向と前記バックコート膜に
    よって現れる応力の方向とが同じで、かつ、その値の絶
    対値が異なるよう金属磁性膜とバックコート膜が構成さ
    れ、その応力差によってカール率が5〜15%であるよ
    う金属磁性膜の中央部側が突出構成されてなることを特
    徴とする磁気記録媒体。
JP23197793A 1993-09-17 1993-09-17 磁気記録媒体 Pending JPH0785447A (ja)

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JP23197793A JPH0785447A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 磁気記録媒体

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JP23197793A JPH0785447A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 磁気記録媒体

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