JPH078542A - 殺菌性溶剤 - Google Patents

殺菌性溶剤

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JPH078542A
JPH078542A JP15208993A JP15208993A JPH078542A JP H078542 A JPH078542 A JP H078542A JP 15208993 A JP15208993 A JP 15208993A JP 15208993 A JP15208993 A JP 15208993A JP H078542 A JPH078542 A JP H078542A
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JP
Japan
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bactericidal
carbon atoms
solvent
general formula
alkyl group
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Application number
JP15208993A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Iwadare
安彦 岩垂
Yoichi Ushiyama
洋一 牛山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 殺菌性成分として、一般式1で表される化合
物を含むことを特長とする殺菌性溶剤。 【化1】 (Xは第4級アンモニウム又はホスホリルコリン誘導
体、mは2〜4、nは20〜100の整数を表す) 【効果】本発明の殺菌性溶剤は、殺菌効果のある溶剤ま
たは殺菌性と洗浄性のある溶剤であるため、身装用具を
はじめとして医療用具等を微生物汚染から安全に防御す
ることができ、また共重合体であるため素材に吸着残存
して素材の侵食や殺菌成分の2次放出による危険性がな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、身装用具等の微生物汚
染を防止するための殺菌効力を有する殺菌性溶剤及び殺
菌洗浄保存剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の医療用具及び身装用具の殺菌には
第四級アンモニウム塩、アルコール、グルタルアルデヒ
ド、過酸化水素等の殺菌剤が用いられ、これらはその用
途によって適用範囲が決められている。例えば手指の殺
菌には第四級アンモニウム塩、アルコールが主に用いら
れ、医療用具の殺菌にも第四級アンモニウム塩、アルコ
ールが用いられるが、医療機関等の特定機関ではMRS
A(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)殺菌のために、よ
り強力なグルタルアルデヒド、ポピドンヨード等を使用
する。通常汚染された用具に対しては殺菌後に界面活性
剤等で洗浄し、さらに高圧蒸気滅菌、紫外線、EOGガ
ス等で殺菌する方法がとられる。
【0003】また一般的に家庭等で使用されるコンタク
トレンズの殺菌には、煮沸消毒あるいは過酸化水素によ
る殺菌が用いられ広く普及しており、さらに洗浄剤とと
もに第四級アンモニウム塩を共存させて殺菌洗浄する方
法も特公昭55−15008号公報、特公昭57−24
526号公報、特開平2−245099公報で提案され
ている。コンタクトレンズの保存には、通常保存液中に
保管するのが一般的であり、保存中に微生物の繁殖が起
こらないように保存液に防腐剤を添加する必要があり、
従来チメロサール、ソルビン酸、塩化ベンザルコニウ
ム、グルコン酸クロルヘキシジン、ホウ酸等を用いてい
る。身装用具の殺菌は一般的には特別に行われてはいな
いが、カビによる汚染のときは洗浄剤による擦り洗浄や
酸素系又は塩素系漂白剤等によって洗浄している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法は適用範囲が限定されるばかりでなく、安全性、医療
用具あるいは身装用具への吸着、劣化等の影響において
不十分である。特に塩化ベンザルコニウムに代表される
第四級アンモニウム塩はカチオンであるために用具表面
のマイナスイオンと容易にイオン結合し吸着するという
欠点を有し、またアニオン界面活性剤との併用によって
イオン対を形成して沈澱し、殺菌効力の消失を招くとい
う重大な欠点を持っている。またグルタルアルデヒドは
毒性が強く取扱い上危険であり、過酸化水素や過炭酸塩
は中和処理を行わなければ毒性の問題が生じ、さらに素
材表面を浸食する作用もあり好ましくない。特にコンタ
クトレンズに適用する場合は、眼刺激、アレルギー、細
胞障害等の眼障害が生じることがあり安全性の面で不十
分であり、またチメロサール、ソルビン酸、塩化ベンザ
ルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ホウ酸等の
防腐剤を用いることは防腐効力という面では有効である
が、低分子量であるためコンタクトレンズマトリックス
中に吸着蓄積し眼障害を誘発する場合もあり改善が必要
である。さらに特開昭63−131124号公報には、
ジアミン類とジハロゲン化合物を主成分とするカチオン
系ポリマーを用いたコンタクトレンズ用溶剤について提
案されているが、コンタクトレンズに対する吸着性は十
分でなく満足いくものではなっかった。そこで、本発明
はこれらの問題点を解決することを課題として鋭意研究
を行い到達したものである。即ち、本発明の目的はコン
タクトレンズ等の身装用具の素材に影響を与えることが
なく、安全性の高い殺菌性溶剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第4級アンモ
ニウム又はホスホリルコリン誘導体を主骨格とする化合
物を含む親水性重合体を殺菌性成分として用いることで
本目的が達成されることを見いだした。本発明はこの様
な知見に基づき完成したものであり、 (1)殺菌性成分として、一般式1で表される化合物を
含むことを特徴とする殺菌性溶剤、
【0006】
【化6】
【0007】(Xは第4級アンモニウム又はホスホリル
コリン誘導体、mは2〜4、nは20〜100の整数を
表す) (2)上記一般式1のXが、一般式2で表される化合物
であることを特徴とする殺菌性溶剤、
【0008】
【化7】
【0009】(Rは炭素数4〜20のアルキル基又はア
ルケニル基、R1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基ま
たはアルケニル基を表し、R3は炭素数2〜10のアル
キル基又はアルキルフェニル基を表す) (3)上記一般式1のXが、一般式3で表される化合物
であることを特徴とする殺菌性溶剤、
【0010】
【化8】
【0011】(R4は炭素数1〜4のアルキル基又はア
ルケニル基を表す) (4)身装用具の殺菌性成分として、一般式4で表され
る化合物と親水性モノマーを共重合させてなる化合物を
含むことを特徴とする殺菌性溶剤、
【0012】
【化9】
【0013】(R5は炭素数4〜20のアルキル基又は
アルケニル基、R6及びR7は炭素数1〜3のアルキル基
またはアルケニル基を表し、R8は炭素数2〜10のア
ルキル基又はアルキルフェニル基、R9はH又はCH3
表す) (5)殺菌性成分として、一般式5で表される化合物と
親水性モノマーを共重合させてなる化合物を含むことを
特徴とする殺菌性溶剤。
【0014】
【化10】
【0015】(R10はH又はCH3、R11は炭素数1〜
4のアルキル基又はアルケニル基を表す) (6)上記親水性モノマーが、ビニル酢酸モノマー、1
−ビニル−2ピロリドンモノマー、ハイドロキシエチル
メタクリレートモノマーから選ばれる1種以上であるこ
とを特徴とする殺菌性溶剤、 (7)上記殺菌性溶剤がコンタクトレンズ溶液であるこ
とを特徴とする殺菌性溶剤、 (8)上記殺菌性溶剤中に、0.01〜10重量%のノ
ニオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以
上を含むことを特徴とする殺菌性溶剤、 (9)上記殺菌性溶剤中に、蛋白分解酵素、脂質分解酵
素、多糖類分解酵素、過酸化塩から選ばれる1種以上を
含むことを特徴とする殺菌性溶剤、を要旨とするもので
ある。
【0016】以下本発明を具体的に説明すると、本発明
に用いられる殺菌性成分は一般式1〜5で表される化合
物であり、第4級アンモニウム又はホスホリルコリン誘
導体を主骨格とする化合物が殺菌力を発揮する。特に第
4級アンモニウム化合物は塩化ベンルコニウムを代表と
するように高い殺菌力を有するため有用である。これら
の殺菌性成分は水溶液及び水とアルコールの混合系溶液
に溶解する。基本的な殺菌メカニズムは、一般的な第四
級アンモニウム塩の殺菌メカニズムと同じであり細胞膜
への吸着、浸入の過程をへて細胞膜を破壊することによ
る。しかしながら、低分子量の殺菌性成分と異なり、重
合体のため身装用具等の素材中に吸着残存することはほ
とんどなく、表面の侵食、劣化、吸着成分の2次的放出
による危険性がないという特徴を持つ。
【0017】本発明の一般式1で表される化合物は、第
4級アンモニウム又はホスホリルコリン誘導体を主骨格
とする化合物にアルキルオキシドを付加重合させたもの
であり、一般式中mは2〜4、nは20〜100を表
し、アルキルオキシドとしては例えば、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ
る。Xは一般式2及び3で表され、一般式2は第4級ア
ンモニウム化合物で、Rは炭素数4〜20のアルキル基
又はアルケニル基、R1及びR2は炭素数1〜3のアルキ
ル基またはアルケニル基を表し、R3は炭素数2〜10
のアルキル基又はアルキルフェニル基を表し、例えば塩
化ブチルジメチルオキシエチルアンモニウム、塩化セチ
ルジメチルオキシエチルアンモニウム、塩化ベヘニルジ
メチルオキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメ
チルオキシプロピルアンモニウム、塩化セチルジメチル
オキシプロピルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルオ
キシプロピルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルオ
キシベンジルアンモニウム、塩化セチルジメチルオキシ
ベンジルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルオキシベ
ンジルアンモニウム、塩化ステアリルジエチルオキシエ
チルアンモニウム、塩化セチルジエチルオキシエチルア
ンモニウム、塩化ベヘニルジエチルオキシエチルアンモ
ニウム、塩化p−トリメチルベンジルジエチルオキシエ
チルアンモニウム、塩化p−トリメチルベンジルジエチ
ルオキシブチルアンモニウム、塩化メチルドデシルベン
ジルジメチルオキシエチルアンモニウム、塩化メチルド
デシルベンジルジメチルオキシブチルアンモニウム、塩
化メチルラウリルベンジルジメチルオキシエチルアンモ
ニウム、塩化メチルラウリルベンジルジメチルオキシブ
チルアンモニウム等から誘導される。
【0018】一般式3の化合物はホスホリルコリン誘導
体で、R4は炭素数2〜10のアルキル基又はアルケニ
ル基を表し、例えばオキシエチルホスホリルコリン、オ
キシプロピルホスホリルコリン、オキシブチルホスホリ
ルコリン、オキシオクチルホスホリルコリン、オキシベ
ンジルホスホリルコリン、オキシエチルベンジルホスホ
リルコリン等から誘導される。本発明の一般式1で表さ
れる化合物は、身装用具等の素材表面への吸着性の点か
ら低分子量よりも高分子量の方が好ましく、具体的には
平均分子量約1000〜100000が用いられ、より
好ましくは約3000〜50000である。約1000
未満であると低分子量のため素材表面に吸着し易く好ま
しくなく、約100000を越えると水溶解性の点で不
都合であり、殺菌効力も低下するので好ましくない。こ
れらの化合物は、一般式2又は3で表される化合物のア
ルコキシイオンにアルキルオキシドを作用させる等の一
般的な方法から得ることができる。
【0019】本発明の一般式4で表される化合物は、第
4級アンモニウムを主骨格とするビニル基を有する重合
性モノマーであり、R5は炭素数4〜20のアルキル基
又はアルケニル基、R6及びR7は炭素数1〜3のアルキ
ル基またはアルケニル基、R8は炭素数2〜10のアル
キル基又はアルキルアリル基、R9はH又はCH3を表
し、例えば塩化2−アクリロイルエチルステアリルジメ
チルアンモニウム、塩化2−アクリロイルエチルセチル
ジメチルアンモニウム、塩化2−アクリロイルエチルベ
ヘニルジメチルアンモニウム、塩化2−メタクリロイル
プロピルステアリルジメチルアンモニウム、塩化2−メ
タクリロイルプロピルセチルジメチルアンモニウム、塩
化2−メタクリロイルプロピルベヘニルジメチルアンモ
ニウム、塩化2−メタクリロイルベンジルステアリルジ
メチルアンモニウム、塩化2−メタクリロイルベンジル
セチルジメチルアンモニウム、塩化2−メタクリロイル
ベンジルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化2−メタ
クリロイルエチルセチルジエチルアンモニウム、塩化2
−メタクリロイルエチルセチルジエチルアンモニウム、
塩化2−アクリロイルエチルベヘニルジエチルアンモニ
ウム、塩化2−メタクリロイルエチルp−トリメチルベ
ンジルジエチルアンモニウム、塩化2−メタクリロイル
ブチルp−トリメチルベンジルジエチルアンモニウム、
塩化2−アクリロイルメチルドデシルベンジルジメチル
アンモニウム、塩化2−アクリロイルプロピルメチルド
デシルベンジルジメチルアンモニウム、塩化2−アクリ
ロイルエチルメチルラウリルベンジルジメチルアンモニ
ウム等が挙げられる。
【0020】これらの化合物と親水性モノマーを一般的
な方法で共重合させることによって目的の殺菌性成分を
得ることができ、身装用具等の素材表面への吸着性の点
から低分子量よりも高分子量の方が好ましく、具体的に
は平均分子量約1000〜100000が用いられ、よ
り好ましくは約3000〜50000である。約100
0未満であると低分子量のため素材表面に吸着し易く好
ましくなく、約100000を越えると水溶解性の点で
不都合であり、殺菌効力も低下するので好ましくない本
発明の一般式5で表される化合物は、ホスホリルコリン
誘導体を主骨格とするビニル基を有する重合性モノマー
であり、R10はH又はCH3、R11は炭素数4〜20の
アルキル基又はアルケニル基を表し、例えば2−アクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイ
ルオキシプロピルホスホリルコリン、2−アクリロイル
オキシブチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキ
シオクチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシ
ラウリルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシセ
チルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシプロピ
ルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシブチル
ホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシオクチル
ホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシラウリル
ホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシセチルホ
スホリルコリン等が挙げられる。
【0021】これらの化合物と親水性モノマーを一般的
な方法で共重合させることによって目的の殺菌性成分を
得ることができ、身装用具等の素材表面への吸着性の点
から低分子量よりも高分子量の方が好ましく、具体的に
は平均分子量約1000〜100000が用いられ、よ
り好ましくは約3000〜50000である。約100
0未満であると低分子量のため素材表面に吸着し易く好
ましくなく、約100000を越えると水溶解性の点で
不都合であり、殺菌効力も低下するので好ましくない。
【0022】本発明で用いられる親水性モノマーは、一
般的な親水性モノマーが用いられるが、安全性、親水
性、水溶解性、吸着性等の点からビニル酢酸モノマー、
1−ビニル−2ピロリドンモノマー、ハイドロキシエチ
ルメタクリレートモノマーが好ましい。これらのモノマ
ーを用いることによって良好な水溶解性の共重合体を得
ることができる。
【0023】本発明の殺菌性溶剤には、殺菌性とともに
洗浄力を付与するために約0.01〜10重量%のノニ
オン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上
を含むことができる。アニオン界面活性剤は第四級アン
モニウム塩と不溶性のコンプレックスを生成し殺菌効力
を消失させるので好ましくない。ノニオン界面活性剤と
しては例えば、高級アルキルアミンのポリエチレングリ
コール付加物、高級脂肪酸のポリエチレングリコールエ
ステル、高級脂肪酸のポリアルキレングリコール、ポリ
エチレングリコールコポリマーエステル、高級アルコー
ルのポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロー
ル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール誘導体等が
挙げられる、両性界面活性剤としては例えば、酢酸ベタ
イン、イミダゾリウムベタイン、レシチン等が挙げられ
る。本発明の殺菌性溶剤には、洗浄力を向上させるため
に蛋白分解酵素、脂質分解酵素、多糖類分解酵素、過酸
化塩から選ばれる1種以上を含むことができる。酵素類
は蛋白質、脂質、多糖類等を断片に切断することによっ
て付着汚れの洗浄性を高める。過酸化塩はその酸化作用
により汚れ成分の分解、漂白作用を発揮するため有用で
ある。蛋白分解酵素としては例えば、パパイン、パンク
レアチン、トリプシン、ブロメライン、微生物由来の蛋
白分解酵素があり、脂質分解酵素としてはホスホリパー
ゼ、膵リパーゼ、微生物由来の脂質分解酵素があり、多
糖類分解酵素としては、キトサン分解酵素、ムチン分解
酵素、リゾチーム、ヘパリナーゼ、ヒアルロニダーゼ等
があり、過酸化塩としては、過炭酸塩、過ほう酸塩、過
酸化水素等が挙げられる。
【0024】これらの本発明の殺菌性溶剤は、アクセサ
リー、眼鏡、コンタクトレンズ、コンタクトレンズ付属
品、化粧品用具、入れ歯等の身装用具をはじめとし、胃
カメラ、かんし、ピンセット、酸素吸入マスク等の医療
用具の殺菌あるいは殺菌洗浄に利用することができる。
【0025】本発明の殺菌性溶剤は、これらの成分以外
に従来公知の成分を含むことができる。金属イオンをキ
レートして取り除くことができるEDTA−2Naやク
エン酸等の金属キレート剤、液性を保つためのリン酸と
その塩やホウ酸とその塩等のpH緩衝剤、浸透圧を保つ
ためのナトリウムイオンやカリウムイオン等の無機イオ
ン、酸素や紫外線による酸化劣化を防ぐための酢酸トコ
フェロールやアスコルビン酸ナトリウム等の抗酸化剤を
含むことができる。
【0026】本発明の殺菌性溶剤は、以上のようにして
得られた殺菌効果のある溶剤または殺菌性と洗浄性のあ
る溶剤であるため、身装用具をはじめとして医療用具等
を微生物汚染から防御することができ、また共重合体で
あるため素材に吸着残存して素材の侵食や殺菌成分の2
次放出による危険性がない。
【0027】
【作用】本発明による殺菌性溶剤は、一般式1又は4又
は5で表される共重合体中に含まれる殺菌性化合物が微
生物の細胞膜あるいは細胞に入り込むことによって殺菌
効力を発揮する。また、共重合体のため適用素材に吸着
残存し、素材への付着、変質を起こすことがなく容易に
解離脱落する。
【0028】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0029】(実施例1)塩化ブチルジメチルオキシエ
チルアンモニウム0.05モルと水酸化ナトリウム0.
01モルをジメチルスルフォキシド0.2モル中に加え
95℃にて75分加熱溶解し、ブチレンオキシド1.5
モル加えて重合し目的とする殺菌性成分1を得た。この
殺菌性成分1の0.1重量%水溶液を用いて以下の評価
を行った。
【0030】<評価基準> (a)殺菌効力試験 試供菌Bacillus stearothermophilusをカゼインソイビ
ーン培地で35℃で48時間培養し菌懸濁液を得た。こ
の菌懸濁液を菌数が105コロニー/mlとなるように殺菌性
溶剤で希釈静置し、1、2、12時間後の菌数を標準寒
天培地希釈法にて測定した。その結果、静置1時間後に
は菌数が100コロニ-/ml、2時間後には菌の発生は認め
られず、十分な殺菌作用を示した。
【0031】(b)吸着試験 ハードコンタクトレンズ(セイコーハードEX1、セイ
コーコンタクトレンズ株式会社製)を殺菌性水溶液中に
40℃で72時間浸漬し、軽く水洗後殺菌性成分の吸着
を紫外線分光光度計にて測定した。その結果、図1に示
すとおり浸漬前後の吸収曲線に顕著な差は認められなか
った。
【0032】(実施例2)オキシエチルホスホリルコリ
ン0.05モルと水酸化ナトリウム0.02モルをジメ
チルスルホキシド0.2モル中に加え 90℃にて12
0分加熱溶解し、ブチレンオキシド3モル、プロピレン
オキシド5モルを加えて目的とする殺菌生成分2を得
た。この殺菌性成分2の0.1重量%水溶液(ポリオキ
シエチレンセチルエーテル0.3重量%含む)を用いて
実施例1と同様の評価を行った。その結果、殺菌効力試
験では静置1時間後には菌数が250コロニ-/ml、2時間
後には菌の発生は認められず十分な殺菌作用を示し、吸
着試験でも浸漬前後の吸収曲線に顕著な差は認められな
かった。 (実施例3)塩化2−メタクリロイルプロピルセチルジ
メチルアンモニウム0.1モル、ビニル酢酸3モル及び
1,3−じヒドロキシプロピルメタクリレート0.5モ
ルを混合溶解後、窒素気流下で攪拌懸濁重合させた。開
始剤にはジイソプロピルパーオキシジカーボネートを用
いて重合は20℃で2時間、30℃で1時間行い、水を
加え反応を停止させた。アセトンにて未反応モノマーを
洗浄し、目的とする殺菌性成分3を得た。この殺菌性成
分3の0.1重量%水溶液(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル0.2重量%含む)を用いて実施例1
と同様の評価を行った。その結果、殺菌効力試験では静
置1時間後には菌数が10コロニ-/ml、2時間後には菌の
発生は認められず十分な殺菌作用を示し、吸着試験でも
浸漬前後の吸収曲線に顕著な差は認められなかった。 (実施例4)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン0.3モル、1−ビニル−2ピロリドンル10
モルを混合溶解後、窒素気流下で攪拌懸濁重合させた。
開始剤にはジイソプロピルパーオキシジカーボネートを
用いて重合は20℃で2時間、25℃で2時間行い、水
を加え反応を停止させた。アセトンにて未反応モノマー
を洗浄し、目的とする殺菌性成分4を得た。この殺菌性
成分4の0.1重量%水溶液(ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル0.2重量%含む)を用いて実施例
1と同様の評価を行った。その結果、殺菌効力試験では
静置1時間後には菌数が300コロニ-/ml、2時間後には
菌の発生は認められず十分な殺菌作用を示し、吸着試験
でも浸漬前後の吸収曲線に顕著な差は認められなかっ
た。
【0033】(比較例1)塩化ベンザルコニウムの0.
1重量%水溶液を用いて実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果、殺菌効力試験では静置1時間後には菌の
発生は認められず十分な殺菌作用を示したが、吸着試験
では図1に示すとおり浸漬後に250nm付近に特異的
な吸収が認められコンタクトレンズに吸着残存しており
好ましくなかった。
【0034】(比較例2)塩化オクチルジメチルオキシ
エチルアンモニウム0.1モルと水酸化ナトリウム0.
02モルをジメチルスルホキシド0.2モル中に加え
90℃にて120分加熱溶解し、ブチレンオキシド0.
1モル、プロピレンオキシド0.1モルを加えて殺菌生
成分5を得た。この殺菌性成分5の0.1重量%水溶液
(ポリオキシエチレンセチルエーテル0.3重量%含
む)を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結
果、殺菌効力試験では静置1時間後には菌数が140コロ
ニ-/ml、2時間後には菌の発 生は認められず十分な殺
菌作用を示したが、吸着試験では浸漬後に250nm付
近に特異的な吸収が認められコンタクトレンズに吸着残
存しており好ましくなかった。
【0035】(比較例3)2−メタクリロイルオキシブ
チルホスホリルコリン0.3モル、メタクリル酸10モ
ルに溶解後、窒素気流下で攪拌懸濁重合させた。開始剤
にはジイソプロピルパーオキシジカーボネートを用いて
重合は20℃で2時間、25℃で2時間行い、水を加え
反応を停止させたが得られた共重合体は水不溶性であっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の殺菌性溶剤は、殺菌効果のある
溶剤または殺菌性と洗浄性のある溶剤であるため、身装
用具をはじめとして医療用具等を微生物汚染から安全に
防御することができ、また共重合体であるため素材に吸
着残存して素材の侵食や殺菌成分の2次放出による危険
性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1のハードコンタクトレン
ズへの吸着試験に於ける残存吸着成分の吸収曲線を示す
図。
【符号の説明】
1 実施例1の吸収曲線 2.比較例1の吸収曲線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌性成分として、一般式1で表される
    化合物を含むことを特徴とする殺菌性溶剤。 【化1】 (Xは第4級アンモニウム又はホスホリルコリン誘導
    体、mは2〜4、nは20〜100の整数を表す)
  2. 【請求項2】 上記一般式1のXが、一般式2で表され
    る化合物であることを特徴とする請求項1記載の殺菌性
    溶剤。 【化2】 (Rは炭素数4〜20のアルキル基又はアルケニル基、
    1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基またはアルケニ
    ル基を表し、R3は炭素数2〜10のアルキル基又はア
    ルキルフェニル基を表す)
  3. 【請求項3】 上記一般式1のXが、一般式3で表され
    る化合物であることを特徴とする請求項1記載の殺菌性
    溶剤。 【化3】 (R4は炭素数1〜4のアルキル基又はアルケニル基を
    表す)
  4. 【請求項4】 殺菌性成分として、一般式4で表される
    化合物と親水性モノマーを共重合させてなる化合物を含
    むことを特徴とする殺菌性溶剤。 【化4】 (R5は炭素数4〜20のアルキル基又はアルケニル
    基、R6及びR7は炭素数1〜3のアルキル基またはアル
    ケニル基を表し、R8は炭素数2〜10のアルキル 基
    又はアルキルフェニル基,R9はH又はCH3を表す)
  5. 【請求項5】 殺菌性成分として、一般式5で表される
    化合物と親水性モノマーを共重合させてなる化合物を含
    むことを特徴とする殺菌性溶剤。 【化5】 (R10はH又はCH3、R11は炭素数1〜4のアルキル
    基又はアルケニル基を表す)
  6. 【請求項6】 上記親水性モノマーが、ビニル酢酸モノ
    マー、1−ビニル−2ピロリドンモノマー、ハイドロキ
    シエチルメタクリレートモノマーから選ばれる1種以上
    であることを特徴とする請求項4又は5記載の殺菌性溶
    剤。
  7. 【請求項7】 上記殺菌性溶剤がコンタクトレンズ溶液
    であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの
    項に記載の殺菌性溶剤。
  8. 【請求項8】上記殺菌性溶剤中に、0.01〜10重量
    %のノニオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる
    1種以上を含むことを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかの項に記載の殺菌性溶剤。
  9. 【請求項9】 上記殺菌性溶剤中に、蛋白分解酵素、脂
    質分解酵素、多糖類分解酵素、過酸化塩から選ばれる1
    種以上を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかの項に記載の殺菌性溶剤。
JP15208993A 1993-06-23 1993-06-23 殺菌性溶剤 Pending JPH078542A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6264624B1 (ja) * 2016-08-24 2018-01-24 株式会社ファインテック 抗菌・防カビ・消臭剤、それを用いた気化式加湿器、ならびに抗菌・防カビ・消臭方法

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