JPH0784164A - 浸水検知機能を備えたケーブルおよびこれに用いるテープ - Google Patents

浸水検知機能を備えたケーブルおよびこれに用いるテープ

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JPH0784164A
JPH0784164A JP5229801A JP22980193A JPH0784164A JP H0784164 A JPH0784164 A JP H0784164A JP 5229801 A JP5229801 A JP 5229801A JP 22980193 A JP22980193 A JP 22980193A JP H0784164 A JPH0784164 A JP H0784164A
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water
cable
tape
optical fiber
chloride
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JP5229801A
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Inventor
Naoya Inoue
直哉 井上
Takeo Shiono
武男 塩野
Kenji Yagi
賢二 八木
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Hajime Tanimoto
元 谷本
Kouji Oosada
幸治 大定
Toshikuni Seki
敏訓 関
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易でかつ精度の高い浸水検知が可能
なケーブルおよびこれに用いるテープを提供することを
目的とする。 【構成】 ケーブルは、ケーブルコア1上に、水を吸収
して発熱もしくは吸熱する吸水反応テープ層6を設け、
その上にセンサ用の光ファイバ心線7をらせん巻きし、
さらに、その上に、外被7を設けて構成される。そし
て、吸水反応テープ層6は、基材9a上に、吸収性ポリ
マーおよび水と反応して発熱もしく吸熱する物質を含有
する吸水反応層9bを設けた吸水反応テープ9を、吸水
反応層9b側を外側に向けて巻付けることにより構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部からの水の浸入を
検知することができる浸水検知機能を備えたケーブルと
これに用いるテープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通信ケーブルや電力ケーブル
においては、万一内部に水が浸入すると、その浸入した
水が軸方向に走水してケ―ブルの電気特性や伝送特性を
低下させることが知られている。このため、このような
万一の浸水を早期にかつ確実に検知できる技術の開発が
求められている。
【0003】この種の技術としては、たとえば、光ファ
イバと、浸水した水を吸収して膨張する吸収膨張部材を
組み合わせた浸水検知センサーが知られている。これ
は、浸水があると吸収膨張部材が膨張して応力が発生
し、光ファイバが変形するために、伝送損失が増大する
という原理を利用したものである。
【0004】しかしながら、このような浸水検知センサ
ーは、場合によって、浸水による応力か、他の原因によ
る応力かの区別が難しいという問題があった。
【0005】また、浸水した水によって 2本の導体間の
抵抗が変わることを利用した浸水位置検出方法も知られ
ているが、この方法は、高電界下では使用できず、ま
た、長尺になると精度が低下するという問題があった。
【0006】このような中で、近時、水と反応して発熱
もしくは吸熱する物質を光ファイバの近傍に配置し、万
一浸水があった場合に物質と水との発熱反応もしくは吸
熱反応により温度変化を生ずることから、これをOTD
Rを応用した分布型温度計、すなわち、光ファイバの片
端から光パルスを入射した時に発生するラマン散乱光の
強度が、光ファイバの温度により変化することを利用し
た温度測定装置により測定して浸水を検知しようとする
技術が開発され、信頼性の高い浸水検知システムを確立
し得る新しい技術として注目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このような浸水検知技術を適用したケーブルにあって
は、水と反応して発熱もしくは吸熱する物質のケーブル
内部への収容が難しいために、製造が困難であったり、
あるいは、浸水の位置や量によっては精度の高い検知が
できない場合があるなど、未だ、改善すべき点が少なく
なかった。
【0008】本発明はこのような従来の事情に対処して
なされたもので、製造が容易でかつ精度の高い浸水検知
が可能なケーブルおよびこれに用いるテープを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の浸水検知機能を
備えたケーブルは、ケーブルコアと外被との間に、水を
吸収して発熱もしくは吸熱する吸水反応テープ層を有
し、かつ、この吸水反応テープ層の近傍にケーブル長さ
方向に沿って光ファイバが配置されてなることを特徴と
している。
【0010】上記吸水反応テープには、基材層と、この
基材層上に設けられた吸収性ポリマーおよび水と反応し
て発熱もしく吸熱する物質を含有する吸水反応層とを具
備したものの使用が望ましい。請求項2記載のものであ
る。
【0011】
【作用】本発明の浸水検知機能を備えたケ―ブルにおい
ては、万一、外被を通って内部に浸水が生じた場合、そ
の水が吸水反応テープに吸収されてケ―ブルの軸方向の
走水および内部への浸水が抑止されるとともに、その吸
収された水によって、吸水反応テープに含まれる水と反
応して発熱もしく吸熱する物質が発熱もしくは吸熱し、
光ファイバの温度を上昇もしくは低下させる。したがっ
て、この温度変化を、たとえばOTDRを応用した分布
型温度計により監視することにより、ケーブルの浸水箇
所を精度良く特定することができ、信頼性の高い浸水検
知が可能となる。また、このケーブル、水を吸収して発
熱もしくは吸熱する吸水反応テープをケーブルコア外周
に巻き付ければよく、製造も容易である。
【0012】そして、本発明のテープは、これを用いる
ことにより、上記のような信頼性の高い浸水検知が可能
で、かつ製造が容易なケーブルを提供することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0014】図1は本発明の一実施例の浸水検知機能を
備えた光フアイバケ―ブルを示す断面図である。
【0015】図1において、1は、たとえば中心に鋼線
やFRP(ガラス繊維強化樹脂)などからなるテンショ
ンメンバー2を有し、外周面にらせん状に複数本の凹溝
3が形成されたスロットロッド4と、このスロットロッ
ド4の各凹溝3に収納された複数の光フアィバテープ5
とからなるケーブルコアを示し、光フアィバテープ5
は、光ファイバ心線5a複数本を並列配置し、これらの
外側に共通の保護被覆5bを設けて構成され、その複数
枚が積層されて各凹溝3に収納されている。
【0016】そして、このケーブルコア1上には、水を
吸収して発熱もしくは吸熱する吸水反応テープ層6が設
けられ、また、その上にセンサ用の光ファイバ心線7が
らせん巻きされている。なお、この光ファイバ心線7は
吸水反応テープ層6の内側、すなわちケーブルコア1上
に配置されてもよい。8は、吸水反応テープ層6上に光
ファイバ心線7を介して設けられた、プラスチックシー
スなどの外被7である。
【0017】吸水反応テープ層6は、図2に示すよう
な、基材9a上に、吸収性ポリマーおよび水と反応して
発熱もしく吸熱する物質を含有する吸水反応層9bを設
けてなる吸水反応テープ9を、その吸水反応層9b側を
外側に向けて巻付けることにより構成されている。
【0018】上記の基材9aとしては、水との接触など
により水素ガスを発生しないものが望ましい。水素ガス
が光ファイバの伝送損失を増加させるからである。具体
的には、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、
ポリプロピレン系などの合成繊維からなる織布、編布、
不織布などが好適に使用される。この基材9aの厚さと
しては、0.01〜3mm 程度が適当である。
【0019】また、吸収性ポリマーとしては、たとえば
デンプン−ポリアクリロニトリルグラフト重合体加水分
解物、デンプン−アクリル酸グラフト共重合物、カルボ
キシメチルセルロース架橋重合物、セルロース−ポリア
クリロニトリルグラフト重合体加水分解物、ポリアクリ
ル酸ソーダ、メチルメタクリル−酢酸ビニル共重合体加
水分解物、ポリビニルアルコール架橋重合物、ポリアク
リロニトリル架橋体加水分解物、ポリエチレンオキサイ
ド架橋重合物、ポリアクリルアミド架橋重合物、アクリ
ルアミド−アクリル酸架橋共重合物、スルホアルキル
(メタ)アクリレート−アクリル酸架橋共重合物など、
吸収性ポリマーとして知られる公知のものから 1種以上
を任意に選択して使用することができる。
【0020】また、水と反応して発熱もしく吸熱する物
質としては次のものがあげられる。すなわち、水と反応
して発熱する物質としては、たとえば、酸化カルシウム
(CaO)、塩化アルミニウム (AlCl3 ) 、硫酸アルミニウ
ム (Al2 (SO4 ) 3 ) 、塩化バリウム (BaCl2 ) 、硫酸
ベリリウム (BeSO4 ) 、臭化カルシウム (CaBr2) 、炭
酸カルシウム (CaCO3 ) 、塩化カルシウム (CaCl2 ) 、
リン酸水素カルシウム (CaHPO 4 ) 、ヨウ化カルシウム
(CaI 2 ) 、硝酸カルシウム(Ca(NO 3 ) 2 ) 、水酸化
カルシウム (Ca(OH)2 ) 、リン酸カルシウム(Ca3 (PO
4 ) 2 ) 、硫酸カルシウム (CaSO4 ) 、塩化カドミウム
(CdCl2 ) 、フッ化カドミウム (CdF 2 ) 、硫酸カドミ
ウム (CdSO4 ) 、塩化セリウム(CeCl3 ) 、塩化コバル
ト (CoCl2 ) 、硫酸コバルト (CoSO4 ) 、硫酸銅 (CuSO
4 ) 、塩化第1鉄 (FeCl2 ) 、塩化第2鉄 (FeCl3 ) 、
硫酸第1鉄 (FeSO4 ) 、硫酸第2鉄 (Fe2 (SO 4 ) 3 )
、臭化マグネシウム (MgBr2 ) 、ヨウ化マグネシウム
(Mg I2 ) 、塩化マグネシウム (MgCl2 ) 、硝酸マグネ
シウム(Mg(NO 3 ) 2 、硫酸マグネシウム (MgSO4 ) 、
硫酸マンガン (MnSO4 ) 、塩化マンガン (MnCl2 ) 、塩
化ニッケル (NiCl2 ) 、硫酸アルミアンモニウム(NH4 A
l(SO 4 ) 2 ) 、臭化ストロンチウム (SrBr2 ) 、硫酸
ニッケル (NiSO4) 、塩化亜鉛 (ZnCl2 ) 、塩化ストロ
ンチウム (SrCl2 ) 、硫酸亜鉛 (ZnSO4 )、フッ化亜鉛
(Zn F2 ) 、臭化アルミニウム (AlBr3 ) 、フッ化銀 (A
gF)、過塩素酸カルシウム (Ca(ClO4 ) 2) 、塩化ベリ
リウム (BeCl2 ) 、硝酸カドミウム(Cd(NO 3 ) 2) 、
リン酸水素カルシウム (Ca(H2 PO4 ) 2 ) 、フッ化コバ
ルト(CoF 2) 、臭化コバルト (CoBr) 、硝酸コバルト
(Co(NO 3 ) 2) 、ヨウ化コバルト (CoI)、硝酸銅 (Cu
(NO 3 ) 2) 、塩化銅 (CuCl2 ) 、ヨウ化鉄 (Fe I 2)
、臭化鉄 (FeBr2 ,FeBr3 ) 、塩化ハフニウム (HfCl
4 ) 、塩化カドミウム (CdCl3 ) 、塩化ランタン (LaCl
3 ) 、塩化ホロミウム (HoCl3 ) 、臭化リチウム(LiBr)
、硝酸ランタン (La(NO 3 ) 3 ) 、ヨウ化リチウム (L
iI)、塩化リチウム (LiCl) 、過塩素酸マグネシウム (M
g(ClO4 ) 2 ) 、塩化ルテチウム (LuCl3) 、臭化ニッケ
ル (NiBr2 ) 、塩化ネオジム (NdCl3 ) 、硝酸ニッケル
(Ni(NO 3 ) 2 ) 、ヨウ化ニッケル (Ni I2 ) 、塩化ス
カンジウム (ScCl3 ) 、塩化プラセオジム (PrCl3 ) 、
過塩素酸ストロンチウム (Sr(ClO4 ) 2 ) 、塩化サマリ
ウム (SmCl3 ) 、塩化テルビウム (TbCl3 ) 、ヨウ化ス
トロンチウム(Sr I2 ) 、塩化イットリウム (Y Cl3 )
、塩化ツリウム (TmCl3 ) 、硝酸亜鉛(Zn(NO 3 ) 2 )
、塩化イッテルビウム (YbCl3 ) 、酢酸バリウム((CH
3 COO)2 Ba) 、セレン酸亜鉛 (ZnSe O4 ) 、シュウ酸マ
グネシウム、シュウ酸コバルトなどがあげられる。
【0021】また、水と反応して吸熱する物質として
は、たとえば、臭化銀 (AgBr) 、過酸化臭化銀 (AgBr O
3 ) 、シアン化銀 (AgCN) 、塩化銀 (AgCl) 、過酸化塩
化銀 (AgCl O2 ) 、ヨウ化銀 (AgI)、チッ化銀 (Ag
N3 ) 、AgNCS 、亜硝酸銀(AgNO2 ) 、硝酸銀 (AgNO3 )
、クロム酸銀(AgCrO4 ) 、亜硫酸銀 (AgSO3 ) 、硫酸
銀 (AgSO4 ) 、硝酸バリウム (Ba(NO 3 ) 2 ) 、硫酸バ
リウム (BaSO4 ) 、フッ化カルシウム (Ca F2 ) 、リン
酸水素カルシウム水和物 (CaHPO4 ・2H2 O)、硫酸カル
シウム水和物(Ca SO4 ・2H2 O)、[CoCl(NH3 ) 5 ] C
l2 、[Co(NH3 )]Br3 ) 、[Co NO2 (NH3 ) 5 ](No3 )
2 、ホスホン酸 ( H2 PHO3 )、オルトホウ酸(H3 BO3 )
、臭化アンモニウム (NH4 Br) 、塩化アンモニウム(NH
4 Cl) 、過塩素酸アンモニウム (NH4 ClO4 ) 、炭酸水
素アンモニウム(NH4 HCO3 ) 、フッ酸アンモニウム (N
H4 HF2 ) 、NH4 H2 As O4 、リン酸水素アンモニウム
(( NH4 )H2 PO4 ) 、ヨウ化アンモニウム (NH4 I3 )
、チッ化アンモニウム (NH4 N3 ) 、硝酸アンモニウ
ム (NH4 NO3 ) 、( NH4 )SiF6 (立法晶系) 、塩化鉛
(PbCl2 ) 、塩化ラジウム水和物 (RaCl2 ・2H2 O)、硝
酸ラジウム ( Ra(No3 ) 2 ) 、硫酸ラジウム (RaSO4 )
、臭化タリウム (TlBr) 、塩化タリウム (TlCl) 、ヨ
ウ化タリウム (TlI)、TlNCS 、硝酸タリウム (TlNO3 )
、[Ag(NH3 ) 2 ]ClO4 、タングステン酸銀 (AgWO4 )
、塩素酸バリウム(Ba(ClO3 ) 2 ) 、亜硝酸バリウム
(BaNO2 ) 2 ) 、シアン化カドミウム(Cd(CN)2 ) 、[CoB
r(NH3 ) 5 ] Br2 、[CoCl(NH3 ) 5 ] Br2 、[Co(NH3 )
6 ] Cl3 、過塩素酸セシウム (Cs ClO4 ) 、ヨウ化セシ
ウム (CsI)、硝酸セシウム (CsNO3 ) 、過塩素酸銅水和
物(Cu (ClO4 ) 2 ・6H2 O)、硝酸アンモニウム銅(Cu(NH
3 ) 4 ・ (NO3 ) 2 ) 、Fe(CO)4 Br2 、 H2 PtCl6 ・6H
2 O 、硝酸水銀水和物(Hg(NO3 ) 2 ・1/2H2 O 、(Hg(NO
3 ) 2 ・2H2 O)、過塩素酸カリウム (KClO4 ) 、過マン
ガン酸カリウム (KMnO4 ) 、過塩素酸リチウム水和物(L
iClO4 ・3H2 O)、ヨウ素酸アンモニウム (NH4 IO3 ) 、
クロム酸アンモニウム((NH4 ) 2 Cr2 O7 ) 、シアン化
ニッケル (Ni(CN)2 ) 、塩素酸ルビジウム( RbClO3 )
、過塩素酸ルビジウム ( RbClO4 ) 、硝酸ルビジウム
(RbNO3 ) 、グリシン、ショウ酸カルシウム−水和物、
タウリン、アデニンなどがあげられる。 これらの発熱
性もしくは吸熱性物質は、それぞれ単独で使用してもよ
く、あるいは発熱性物質群、吸熱性物質群のなかから 2
種以上を混合して使用するようにしてもよい。
【0022】吸水反応層9bは、上記のような吸収性ポ
リマーと、水と反応して発熱もしく吸熱する物質を、バ
インダーで、上述した基材9a上に付着させることによ
り形成される。バインダーとしては、有機溶剤に可溶な
ゴム系のものが適しており、具体的には、スチレンブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロ
プレンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、エチレン
・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、シリコーンゴム、トリフロロクロロエチレンゴムな
どが好適に使用される。
【0023】これらのバインダーに対する、吸収性ポリ
マーおよび水と反応して発熱もしく吸熱する物質の配合
量は、バインダー 100重量部あたり吸収性ポリマー10〜
200重量部、水と反応して発熱もしく吸熱する物質20〜2
00 重量部の範囲が望ましく、その付着量としては、吸
収性ポリマー、水と反応して発熱もしく吸熱する物質、
およびバインダーの合計量で10〜300g/m2 となる範囲が
望ましい。
【0024】なお、本発明においては、吸水反応層9b
の水の浸透性を高めるために、吸収性ポリマーおよび水
と反応して発熱もしく吸熱する物質とともに、短繊維を
含有させるようにしてもよい。短繊維としては、水との
接触などにより水素ガスを発生することのないものが望
ましく、たとえばポリプロピレン、ナイロン、アクリル
などからなる 0.1〜10デニール、長さ 0.1〜30mm程度の
短繊維が好適に使用される。短繊維を配合する場合、そ
の配合量としては、バインダー 100重量部あたり10〜10
0 重量部の範囲が望ましく、また、その付着量として
は、短繊維と、他の成分すなわち吸収性ポリマー、水と
反応して発熱もしく吸熱する物質、およびバインダーの
合計量で10〜400g/m2 となる範囲が望ましい。
【0025】本発明においては、また、吸水性ポリマー
や水と反応して発熱もしく吸熱する物質などを基材9a
上に付着させる際の真空乾燥を瞬時に行うことにより、
吸水反応層9bをポーラスに構成してもよい。ポーラス
に形成された吸水反応層9bは、短繊維を配合した場合
と同様、水の浸透性が向上するため、吸収反応テープ9
の作用効果をより向上させることができる。
【0026】すなわち、上記構成の光ファイバケーブル
においては、何らかの原因で万一外被8を通って内部に
水が浸入した場合、その水は吸水反応テープ9の吸水ポ
リマーに吸収されてケ―ブルの軸方向の走水および内部
への浸水が抑止される。
【0027】また、それと同時に、浸入した水によっ
て、吸水反応テープ9中に含まれる発熱性もしくは吸熱
性の物質が発熱もしくは吸熱反応を起こし、該部の温度
が局部的に上昇もしくは低下する結果、吸水反応テープ
9に近接して配置されている光ファイバ心線7の温度も
局部的に上昇もしくは低下するので、図示は省略する
が、光ファイバ心線7の一端に、光ファイバの温度分布
を測定可能な温度測定装置、たとえばOTDRを応用し
た分布型温度計を接続して、上記のような温度変化を常
時もしくは適時、監視できるようにしておけば、浸水の
発生、浸水箇所の特定を速やかかつ高精度で行うことが
できる。特に、吸水反応テープ9の吸水反応層9bに短
繊維が配合されていたり、吸水反応層9bがポーラスな
場合には、水の浸透性に優れるため、僅かな水であって
も、発熱性もしくは吸熱性の物質が十分に発熱もしくは
吸熱し、浸水検知制度がより向上する。なお、ここで用
いられるOTDRを応用した分布型温度計は、光ファイ
バの片端から光パルスを入射した時に発生するラマン散
乱光の強度が、光ファイバの温度により変化することを
利用して、全長数kmの光ファイバ全域の温度分布を一度
に測定するもので、精度の高い温度測定装置として知ら
れている。したがって、このような分布型温度計を用い
ることによって、浸水に基づく光ファイバの温度変化を
適確にとらえることができ、全長数kmにわたって精度の
高い浸水検知を行うことができる。
【0028】さらに、上記構成の光ファイバケーブルに
おいては、予め製造しておいた吸水反応テープ9および
センサ用の光ファイバ心線7をケーブルコア1外周に巻
き付け、それらの上に外被8を設ければよいので、製造
も容易である。
【0029】以下、本発明の実施例をより具体的に記載
する。 具体例1〜5 中心にFRP(ガラス繊維強化ポリエステル樹脂)など
からなるテンションメンバーを有し、外周にらせん状に
6本の凹溝(幅 1.4mm、深さ 2.4mm)が形成された、外
径 9.4mmのポリエチレン製スロットロッドの各凹溝に、
厚さ 0.4mm、幅1.1mmの 4心光ファイバテープを 3枚ず
つ積層して収納した。次いで、これらの外周に、ポリエ
ステル織布テープ上に、表1に示すような配合および付
着量で、ブチルゴムをバインダーとして酸化カルシウム
およびポリアクリル酸ソーダを付着させた厚さ 0.5mm、
幅 35mm の吸水反応テープを、ポリエステル織布テープ
面を内側にしてラップ幅1/2 で重ね巻きし、その上に、
単心光ファイバ心線をらせん巻きした後、さらに、その
上にポリエチレンシースを押出被覆して、外径約17mmの
光ファイバケーブルを製造した。
【0030】具体例6、7 吸水反応テープとして、ポリエステル織布テープ上に、
表1に示すような配合および付着量で、ブチルゴムをバ
インダーとして酸化カルシウム、ポリアクリル酸ソーダ
およびナイロン短繊維( 0.4デニール、長さ0.9mm)を付
着させた厚さ0.5mm、幅 35mm の吸水反応テープを用い
た点を除いて、上記具体例の場合と同様にして、外径約
17mm の光ファイバケーブルを製造した。
【0031】具体例8 吸水反応テープとして、ポリエステル織布テープ上に、
表1に示すような配合および付着量で、ブチルゴムをバ
インダーとして酸化カルシウム、ポリアクリル酸ソーダ
を付着させ、その付着の際、瞬時の真空乾燥を行ってポ
ーラスに層形成した厚さ 0.5mm、幅 35mm の吸水反応テ
ープを用いた点を除いて、上記各具体例の場合と同様に
して、外径約 17mm の光ファイバケーブルを製造した。
【0032】得られた各ケーブルからそれぞれ、長さ20
0mの試料ケーブルを切り出し、その一端に分布型温度計
を取付けるとともに、その取付け端から100mのところの
シースを 5cm剥ぎ取って強制的に浸水させ、該部の温度
変化および反ストークス光(0.81μm)の波形変化を調
べた。結果を表1に示す。なお、比較のために、酸化カ
ルシウム未配合の吸水反応テープを用いた例を表1に併
せ示す。
【0033】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明にかかる光ファイバ
ケーブルでは、浸水により 1〜5 ℃の温度上昇が認めら
れるとともに、反ストークス光(0.81μm)の波形の変
化も認められた。特に、具体例6〜8では温度変化が大
きく現れ、短繊維やポーラスな層形成による効果が確認
された。
【0034】なお、以上説明した実施例は、本発明を光
ファイバケーブルに適用した例であるが、本発明はこの
ような実施例に限定されるものではなく、メタル線心を
用いた通信ケーブル、光ファイバとメタル線心を複合化
した光ファイバ複合ケーブル、さらには、光ファイバに
電力線を複合化した光ファイバ電力線複合ケーブルなど
にも広く適用することができ、同様の効果を得ることが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の浸水検知
機能を備えた光ファイバケーブルによれば、万一浸水が
あった場合に、その部分の光ファイバに生ずる局部的な
温度変化から浸水を精度良く検知することができる。し
かも、製造は、特別な装置や技術を要することはなく、
容易である。また、本発明のテープによれば、上記のよ
うな信頼性の高い浸水検知が可能で、かつ製造が容易な
ケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の浸水検知機能を備えた光フ
ァイバケーブルの構成を示す断面図。
【図2】その実施例に使用されるテープの一例を示す断
面図。
【符号の説明】
1………ケーブルコア 6………吸水反応テープ層 7………光ファイバ心線 8………外被 9a………基材 9b………吸水反応層 9………吸水反応テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 賢二 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 中村 宏 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 谷本 元 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 大定 幸治 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 関 敏訓 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーブルコアと外被との間に、水を吸収
    して発熱もしくは吸熱する吸水反応テープ層を有し、か
    つ、この吸水反応テープ層の近傍にケーブル長さ方向に
    沿って光ファイバが配置されてなることを特徴とするケ
    ーブル。
  2. 【請求項2】 基材層と、この基材層上に設けられた吸
    収性ポリマーおよび水と反応して発熱もしく吸熱する物
    質を含有する吸水反応層とを具備することを特徴とする
    テープ。
JP5229801A 1993-09-16 1993-09-16 浸水検知機能を備えたケーブルおよびこれに用いるテープ Withdrawn JPH0784164A (ja)

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