JPH0712672A - 浸水検知用マイクロカプセル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブル - Google Patents

浸水検知用マイクロカプセル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブル

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JPH0712672A
JPH0712672A JP15050993A JP15050993A JPH0712672A JP H0712672 A JPH0712672 A JP H0712672A JP 15050993 A JP15050993 A JP 15050993A JP 15050993 A JP15050993 A JP 15050993A JP H0712672 A JPH0712672 A JP H0712672A
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water
water immersion
microcapsule
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cable
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Kouji Oosada
幸治 大定
Takeo Shiono
武男 塩野
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Naoya Inoue
直哉 井上
Hajime Tanimoto
元 谷本
Toshikuni Seki
敏訓 関
Kenji Yagi
賢二 八木
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水と反応して発熱もしくは吸熱する物質の取
扱いを容易にし、加工中にその機能を低下させることが
ないうえ、使用の困難であった金属ナトリウムなどの物
質も使用可能とした浸水検知用マイクロカプセル並びに
これを用いた浸水検知線およびケーブルを提供する。 【構成】 塩化カルシウムのような水と反応して発熱も
しくは吸熱する物質1を、中空もしくは非中空の多孔質
粒体2、3に内包させて浸水検知用マイクロカプセルを
構成する。このような浸水検知用マイクロカプセルを含
有する被覆材で、光ファイバの外周を被覆して浸水検知
線を構成し、この浸水検知線を、ケーブルコア9と、こ
のコア9上に設けられたプラスチックシース10との間
に長さ方向に沿って配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバによる信頼
性の高い浸水検知を可能とした浸水検知用マイクロカプ
セル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブルに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通信ケーブルや電力ケーブル
においては、万一内部に水が浸入すると、その浸入した
水が軸方向に走水してケ―ブルの電気特性や伝送特性を
低下させることが知られている。このため、このような
万一の浸水を早期にかつ確実に検知できる技術の開発が
求められている。
【0003】この種の技術としては、たとえば、光ファ
イバと、浸水した水を吸収して膨張する吸収膨張部材を
組み合わせた浸水検知センサーが知られている。これ
は、浸水があると吸収膨張部材が膨張して応力が発生
し、光ファイバが変形するために、伝送損失が増大する
という原理を利用したものである。しかしながら、この
ような浸水検知センサーは、場合によって、浸水による
応力か、他の原因による応力かの区別が難しいという問
題があった。
【0004】また、浸水した水によって 2本の導体間の
抵抗が変わることを利用した浸水位置検出方法も知られ
ているが、この方法は、高電界下では使用できず、ま
た、長尺になると精度が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来より
知られる浸水検知技術は、精度や信頼性の点で未だ十分
なものではなかった。このような中で、近時、水と反応
して発熱もしくは吸熱する物質を光ファイバの近傍に配
置し、万一浸水があった場合に物質と水との発熱反応も
しくは吸熱反応により温度変化を生ずることから、これ
をOTDRを応用した分布型温度センサー、すなわち、
光ファイバの片端から光パルスを入射した時に発生する
ラマン散乱光の強度が、光ファイバの温度により変化す
ることを利用した温度測定装置により測定して浸水を検
知しようとする技術が開発され、信頼性の高い浸水検知
システムを確立し得る新しい技術として注目されてい
る。
【0006】しかしながら、水と反応して発熱もしくは
吸熱する物質は、大気中に含まれる微量な水分や、作業
者の手から出る汗などによっても反応して発熱もしくは
吸熱するため、取扱いが難しく、加工時にその機能が損
なわれてしまうおそれがあった。そのうえ、水酸化ナト
リウムのような潮解性のあるものや硫酸のような液体は
使用が困難で、また、金属ナトリウムも、水と反応して
発熱する物質として発熱量が大きくその効果が期待され
るものの、大気中で発火するおそれがあるため、その使
用は困難であった。
【0007】本発明はこのような従来技術の課題に対処
してなされたもので、水と反応して発熱もしくは吸熱す
る物質の取扱いを容易にし、加工中にその機能を低下さ
せることがないうえ、使用の困難であった金属ナトリウ
ムなどの物質も使用可能とした浸水検知用マイクロカプ
セル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブルを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の浸水検知用マイ
クロカプセルは、水と反応して発熱もしくは吸熱する物
質を、マイクロカプセルに内包させてなることを特徴と
している。また、本発明の浸水検知線は、光ファイバの
外周を、前記浸水検知用マイクロカプセルを含有する被
覆材で被覆してなることを特徴とし、さらに、本発明の
ケーブルは、ケーブル内部に、少なくとも 1本の光ファ
イバと、前記浸水検知用マイクロカプセルを具備してな
ることを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明の浸水検知用マイクロカプセルにおいて
は、水と反応して発熱もしくは吸熱する物質が、マイク
ロカプセルに内包されているため、前記物質の大気など
との接触が遮断もしくは抑制され、取扱いが容易にな
り、加工の際の機能の低下が抑えられる。また、水酸化
ナトリウムのような潮解性のあるものや、硫酸のような
液体、さらには金属ナトリウムのような発火性物質など
の使用が可能となる。また、本発明の浸水検知線やケー
ブルにおいては、上記のような浸水検知用マイクロカプ
セルを用いるため、信頼性の高い浸水検知機能を有した
ものとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1(a)および(b)はそれぞれ本発明にかかる
浸水検知用マイクロカプセルの実施例を示す断面図、ま
た、図2乃至図4はそれぞれ本発明にかかる浸水検知線
およびケーブルの例を示す断面図である。
【0011】図1(a)において、この浸水検知用マイ
クロカプセルは、水と反応して発熱もしく吸熱する物質
1を中空多孔質の粒体2に内包させた構成とされてい
る。また、図1(b)において、この例では、水と反応
して発熱もしくは吸熱する物質1を中空のない多孔質粒
体3に内包させた構成とされている。
【0012】本発明において、上記の水と反応して発熱
もしくは吸熱する物質1としては、次のものがあげられ
る。すなわち、水と反応して発熱する物質(発熱性物
質)としては、たとえば、酸化カルシウム (CaO)、塩化
アルミニウム (AlCl3 ) 、硫酸アルミニウム (Al2 (SO
4 ) 3 ) 、塩化バリウム (BaCl2 ) 、硫酸ベリリウム
(BeSO4 ) 、臭化カルシウム (CaBr2 ) 、炭酸カルシウ
ム (CaCO3 ) 、塩化カルシウム (CaCl2 ) 、リン酸水素
カルシウム (CaHPO 4 ) 、ヨウ化カルシウム (CaI 2 )
、硝酸カルシウム(Ca(NO 3 ) 2 ) 、水酸化カルシウム
(Ca(OH)2 ) 、リン酸カルシウム (Ca3 (PO 4 ) 2 ) 、
硫酸カルシウム (CaSO4 ) 、塩化カドミウム (CdCl2 )
、フッ化カドミウム (CdF 2 ) 、硫酸カドミウム (CdS
O4 ) 、塩化セリウム (CeCl3 ) 、塩化コバルト (CoCl
2 ) 、硫酸コバルト (CoSO4 ) 、硫酸銅 (CuSO4 ) 、塩
化第1鉄 (FeCl2 ) 、塩化第2鉄 (FeCl3 ) 、硫酸第1
鉄 (FeSO4 ) 、硫酸第2鉄 (Fe2 (SO 4 ) 3 ) 、臭化マ
グネシウム (MgBr2 ) 、ヨウ化マグネシウム (Mg
I2 )、塩化マグネシウム (MgCl2 ) 、硝酸マグネシウム
(Mg(NO 3 ) 2 、硫酸マグネシウム (MgSO4 ) 、硫酸マ
ンガン (MnSO4 ) 、塩化マンガン (MnCl2 ) 、塩化ニッ
ケル (NiCl2 ) 、硫酸アルミアンモニウム (NH4 Al(SO
4 ) 2 ) 、臭化ストロンチウム (SrBr2 ) 、硫酸ニッケ
ル (NiSO4 ) 、塩化亜鉛 (ZnCl2 ) 、塩化ストロンチウ
ム (SrCl2 ) 、硫酸亜鉛 (ZnSO4 ) 、フッ化亜鉛 (Zn F
2 ) 、臭化アルミニウム (AlBr3 ) 、フッ化銀 (AgF)、
過塩素酸カルシウム (Ca(ClO4 ) 2) 、塩化ベリリウム
(BeCl2 ) 、硝酸カドミウム (Cd(NO 3 ) 2) 、リン酸
水素カルシウム (Ca(H2 PO4 ) 2 ) 、フッ化コバルト
(CoF 2) 、臭化コバルト (CoBr)、硝酸コバルト (Co(N
O 3 ) 2) 、ヨウ化コバルト (CoI)、硝酸銅(Cu(NO 3 )
2) 、塩化銅 (CuCl2 ) 、ヨウ化鉄 (Fe I 2) 、臭化
鉄 (FeBr2 ,FeBr3 ) 、塩化ハフニウム (HfCl4 ) 、塩
化カドミウム (CdCl3 ) 、塩化ランタン (LaCl3 ) 、塩
化ホロミウム (HoCl3 ) 、臭化リチウム (LiBr) 、硝酸
ランタン (La(NO 3 ) 3 ) 、ヨウ化リチウム (LiI)、塩
化リチウム (LiCl) 、過塩素酸マグネシウム (Mg(Cl
O4 ) 2 ) 、塩化ルテチウム (LuCl3 ) 、臭化ニッケル
(NiBr2 ) 、塩化ネオジム (NdCl3 ) 、硝酸ニッケル (N
i(NO 3 ) 2 ) 、ヨウ化ニッケル (Ni I2 ) 、塩化スカ
ンジウム (ScCl3 ) 、塩化プラセオジム (PrCl3) 、過
塩素酸ストロンチウム (Sr(ClO4 ) 2 ) 、塩化サマリウ
ム (SmCl3 ) 、塩化テルビウム (TbCl3 ) 、ヨウ化スト
ロンチウム (Sr I2 ) 、塩化イットリウム(Y Cl3 ) 、
塩化ツリウム (TmCl3 ) 、硝酸亜鉛 (Zn(NO 3 ) 2 ) 、
塩化イッテルビウム (YbCl3 ) 、酢酸バリウム((CH3 CO
O)2 Ba) 、セレン酸亜鉛 (ZnSe O4) 、シュウ酸マグネ
シウム、シュウ酸コバルトなどがあげられる。また、後
述するように、水酸化ナトリウム (NaOH) 、金属ナトリ
ウム、硫酸 (H 2 SO4 ) なども使用される。
【0013】水と反応して吸熱する物質(吸熱性物質)
としては、たとえば、臭化銀 (AgBr) 、過酸化臭化銀
(AgBr O3 ) 、シアン化銀 (AgCN) 、塩化銀 (AgCl) 、
過酸化塩化銀 (AgCl O2 ) 、ヨウ化銀 (AgI)、チッ化銀
(Ag N3 ) 、AgNCS 、亜硝酸銀(AgNO2 ) 、硝酸銀 (AgN
O3 ) 、クロム酸銀(AgCrO4 ) 、亜硫酸銀 (AgSO3 ) 、
硫酸銀 (AgSO4 ) 、硝酸バリウム (Ba(NO 3 ) 2 ) 、硫
酸バリウム (BaSO4 ) 、フッ化カルシウム (Ca F2 ) 、
リン酸水素カルシウム水和物 (CaHPO4 ・2H2 O)、硫酸
カルシウム水和物(Ca SO4 ・2H2 O)、[CoCl(NH3 ) 5 ]
Cl2 、[Co(NH3 )]Br3 ) 、[Co NO2 (NH3 ) 5 ](No3 )
2 、ホスホン酸 ( H2 PHO3 )、オルトホウ酸(H3 BO3 )
、臭化アンモニウム (NH4 Br) 、塩化アンモニウム(NH
4 Cl) 、過塩素酸アンモニウム (NH4 ClO4 ) 、炭酸水
素アンモニウム(NH4 HCO3 ) 、フッ酸アンモニウム (N
H4 HF2 ) 、NH4 H2 As O4 、リン酸水素アンモニウム
(( NH4 )H2 PO4 ) 、ヨウ化アンモニウム (NH4 I3 )
、チッ化アンモニウム (NH4 N3 ) 、硝酸アンモニウ
ム (NH4 NO3 ) 、( NH4 )SiF6 (立法晶系) 、塩化鉛
(PbCl2 ) 、塩化ラジウム水和物 (RaCl2 ・2H2 O)、硝
酸ラジウム ( Ra(No3 ) 2 ) 、硫酸ラジウム (RaSO4 )
、臭化タリウム (TlBr) 、塩化タリウム (TlCl) 、ヨ
ウ化タリウム (TlI)、TlNCS 、硝酸タリウム (TlNO3 )
、[Ag(NH3 ) 2 ]ClO4 、タングステン酸銀 (AgWO4 )
、塩素酸バリウム(Ba(ClO3 ) 2 ) 、亜硝酸バリウム
(BaNO2 ) 2 ) 、シアン化カドミウム(Cd(CN)2 ) 、[CoB
r(NH3 ) 5 ] Br2 、[CoCl(NH3 ) 5 ] Br2 、[Co(NH3 )
6 ] Cl3 、過塩素酸セシウム (Cs ClO4 ) 、ヨウ化セシ
ウム (CsI)、硝酸セシウム (CsNO3 ) 、過塩素酸銅水和
物(Cu (ClO4 ) 2 ・6H2 O)、硝酸アンモニウム銅(Cu(NH
3 ) 4 ・ (NO3 ) 2 ) 、Fe(CO)4 Br2 、 H2 PtCl6 ・6H
2 O 、硝酸水銀水和物(Hg(NO3 ) 2 ・1/2H2 O 、(Hg(NO
3 ) 2 ・2H2 O)、過塩素酸カリウム (KClO4 ) 、過マン
ガン酸カリウム (KMnO4 ) 、過塩素酸リチウム水和物(L
iClO4 ・3H2 O)、ヨウ素酸アンモニウム (NH4 IO3 ) 、
クロム酸アンモニウム((NH4 ) 2 Cr2 O7 ) 、シアン化
ニッケル (Ni(CN)2 ) 、塩素酸ルビジウム( RbClO3 )
、過塩素酸ルビジウム ( RbClO4 ) 、硝酸ルビジウム
(RbNO3 ) 、グリシン、ショウ酸カルシウム−水和物、
タウリン、アデニンなどがあげられる。なお、これらの
発熱性もしくは吸熱性物質は、 1種を単独で使用しても
よく、また互いに反応しあう組み合わせを除いて発熱性
物質、吸熱性物質それぞれの群の中から 2種以上を選択
して使用するようにしてもよい。
【0014】また、上記の中空あるいは非中空の多孔質
粒体2、3としては、アルカリ土類金属珪酸塩(珪酸カ
ルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウムなど)や、
各種ガラスなどの無機物からなるものがあげられる。こ
のような中空多孔質の粒体2や、非中空多孔質の粒体3
は、内部への水の浸入を妨げず、かつ、内包した発熱性
もしくは吸熱性物質1を外界から保護し、それらの取扱
いを容易にする効果を有する。すなわち、上記のように
構成される浸水検知用マイクロカプセルにおいては、外
部に水が存在すると、この水が多孔質粒体2、3内部に
侵入して発熱性もしくは吸熱性物質1と反応するため、
後述するように、浸水検知が可能となるが、加工の際に
は、物質1が大気などと接触する面積が非常に小さいた
め、物質1の浸水検知機能の低下が防止される。また、
水酸化ナトリウムのような潮解性のあるものや、硫酸の
ような液体、さらには金属ナトリウムのような発火のお
それのある物質なども、浸水検知性物質として使用が可
能となる。なお、多孔質粒体2、3に発熱性もしくは吸
熱性の物質1を内包させる方法としては、多孔質粒体
2、3と発熱性もしくは吸熱性の物質1とを減圧下で混
合し、その後、徐々に常圧に戻すか、あるいは乾燥空気
中で混合する方法などを用いることができる。
【0015】本発明においては、図示は省略するが、上
記発熱性もしくは吸熱性物質1を、ゼラチンやアクリル
樹脂のような高分子膜からなるマイクロカプセルに内包
させるようにしてもよい。この場合にも、発熱性もしく
は吸熱性の物質は外界から保護され、取扱いが容易とな
り、加工時の浸水検知機能の低下は防止される。また、
加工後には、高分子膜を通して、あるいは加工にともな
う高分子膜の破壊によって、水と発熱性もしくは吸熱性
の物質1が反応するようになるため、浸水の検知が可能
である。なお、このようなマイクロカプセル化の方法と
しては、相分離法や界面沈殿法、界面重縮合法、不溶化
反応法、溶融分散冷却法、粉床法、流動床法など公知の
方法を用いることができ、用いる発熱性もしくは吸熱性
物質の種類や膜素材の種類によって適宜選択される。
【0016】次に、図2に示す浸水検知線について説明
する。図2において、この浸水検知線4は、石英ファイ
バなどの光ファイバ5上に、紫外線硬化型樹脂(UV樹
脂)などからなる保護被覆6を介して、上記のような浸
水検知用マイクロカプセル7が分散されたUV樹脂など
からなる発熱性もしくは吸熱性の被覆8を設けて構成さ
れている。
【0017】このように構成される浸水検知線4におい
ては、浸水検知用マイクロカプセル7を用いているの
で、加工中の発熱性もしくは吸熱性の物質の機能の低下
が防止ないし抑制される。したがって、これを、たとえ
ば図3に示すように、導体上にポリエチレンなどのプラ
スチック絶縁被覆を施した絶縁線心9aを複数本撚合せ
てなる多心のケーブルコア9と、このコア9上に設けら
れたプラスチックシース10とからなる通信ケーブル
の、ケーブルコア9とプラスチックシース10間に長さ
方向に沿って配置しておくことにより、万一、シース1
0が損傷して浸水事故が生じた場合に、その浸水を精度
よく検知することができる。すなわち、浸水した水が、
発熱性もしくは吸熱性の被覆8内に拡散浸透し、マイク
ロカプセル7内の発熱性もしくは吸熱性の物質と反応し
て、該部の温度を変化させる。この温度変化は浸水検知
線4の光ファイバ5に伝達されるため、この光ファイバ
5の一端に、OTDRを応用した分布型温度センサーを
接続し、光フアィバ5の温度分布を常時もしくは適時監
視するようにしておけば、温度変化部位を浸水位置とし
て特定することができる。
【0018】また、図4は、本発明にかかる、浸水検知
用マイクロカプセルを用いた光フアイバケ―ブルの例を
示す断面図である。図4において、この光フアイバケ―
ブルは、ケーブルコア11と、このケーブルコア11上
に設けられたプラスチックシース12とから構成されて
いる。ケーブルコア11は、たとえば中心に鋼線やFR
P(ガラス繊維強化樹脂)などからなるテンションメン
バー13を有し、外周面にらせん状に複数本の凹溝14
が形成されたスロットロッド15と、このスロットロッ
ド15の各凹溝14に収納された複数の光フアィバテー
プ16(この光フアィバテープ16は、光ファイバ心線
16a複数本を並列配置し、これらの外側に共通の保護
被覆16bを設けて構成され、その複数枚が積層されて
各凹溝14に収納されている。)と、これらの外周に巻
回された押え巻テープ17とから構成され、浸水検知用
マイクロカプセル7は、スロットロッド15および押え
巻きテープ17の少なくとも一方(図面の例では、スロ
ットロッド15のみ)に分散されている。
【0019】このように構成された光ファイバケーブル
においては、浸水検知用マイクロカプセル7を用いてい
るので、加工中における発熱性もしくは吸熱性の物質の
機能の低下が防止ないし抑制される。したがって、何ら
かの原因で万一シース12内部に浸水が生じた場合に、
その浸水を精度よく検知することができる。すなわち、
この浸水した水によって、スロットロッド15または押
え巻きテープ17に分散されているマイクロカプセル7
内の発熱性もしくは吸熱性の物質が発熱もしくは吸熱反
応を起こし、スロットロッド15または押え巻きテープ
17の温度が局部的に上昇もしくは低下する。この局部
的な温度変化は光ファイバテープ6内の光ファイバに伝
達されるため、光ファイバのうちの 1本ないし複数本の
一端に、たとえばOTDRを応用した分布型温度センサ
ーを接続して、上記のような温度変化を常時もしくは適
時監視するようにしておけば、温度変化部位を浸水位置
として特定することができる。
【0020】なお、以上説明した実施例は、浸水検知用
マイクロカプセル7をスロットロッド15や押え巻きテ
ープ17に分散させた例であるが、本発明においては、
たとえば、シース12を二重シースとしてその内側のシ
ースに分散させるようにしてもよく、また、場合によっ
ては、シース12全体に分散させるようにしてもよい。
さらに、浸水検知用マイクロカプセル7を分散させず
に、これを含有する層をスロットロッド15や押え巻き
テープ17などの表面に設けるようにしてもよい。この
ような層は、マイクロカプセル7を、バインダー溶液、
たとえばブチルゴムのトルエン溶液と混合して塗布乾燥
する方法などにより形成することができる。 以下、本
発明の効果を調べるために行った実験例について記載す
る。 実験例 塩化カルシウム40重量部と珪酸カルシウムからなる中空
多孔質の粒体(粒径50μm、表面の細孔径 2μm)60重
量部とを減圧下で混合した後、徐々に常圧に戻して塩化
カルシウム入りマイクロカプセルを作成した。次いで、
このマイクロカプセルを、中心にFRP(ガラス繊維強
化ポリエステル樹脂)などからなるテンションメンバー
を有し、外周にらせん状に 6本の凹溝(幅 1.4mm、深さ
2.4mm)が形成された、外径 9.4mmのポリエチレン製ス
ロットロッドの表面に、ブチルゴムをバインダーとして
付着させた(付着量は、 1m あたり 5g )。 2週間後、
このスロットロッドの各凹溝に、厚さ 0.4mm、幅 1.1mm
の 4心光ファイバテープを 3枚ずつ積層して収納し、こ
れらの外周に、ポリエステル不織布テープを押え巻き
し、さらに、その上にポリエチレンシースを押出被覆し
て、外径約15mmの光ファイバケーブルを製造した。
【0021】得られたケーブルから、長さ200mの試料ケ
ーブルを切り出し、その一端に分布型温度センサーを取
付けるとともに、その取付け端から100mのところのシー
スを5cm剥ぎ取って強制的に浸水させ、該部の温度変化
を調べたところ、 5〜10℃の温度上昇が認められた。ま
た、反ストークス光(0.81μm)の波形変化を調べたと
ころ、浸水部位で大きな変化が認められた。
【0022】これに対し、上記マイクロカプセルに代え
て、塩化カルシウムをそのまま付着させ 2週間放置した
スロットロッドを用いて上記と同様に製造したケーブル
について、上記と同様の浸水試験を行ったところ、浸水
を示す温度変化や反ストークス光(0.81μm)の波形変
化はまったく認められなかった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の浸水検知
用マイクロカプセルによれば、水と反応して発熱もしく
は吸熱する物質が外界から保護されるため、取扱いが容
易になり、加工中における浸水検知機能の低下が抑制さ
れる。また、水酸化ナトリウムのような潮解性のあるも
のや、硫酸のような液体、さらには金属ナトリウムのよ
うな発火性物質などの使用も可能となる。
【0024】また、したがって、このような浸水検知用
マイクロカプセルを用いた本発明の浸水検知線やケーブ
ルによれば、製造工程が途中で中断されるようなことが
あっても、浸水検知機能が低下するようなことはく、信
頼性の高い浸水検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明の浸水検
知用マイクロカプセルの実施例を示す断面図。
【図2】本発明の浸水検知線の一実施例を示す断面図。
【図3】本発明のケーブルの一実施例であって、図2に
示す浸水検知線を備えた光ファイバケーブルの例を示す
断面図。
【図4】本発明のケーブルの他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1………水と反応して発熱もしく吸熱する物質 2、3………多孔質粒体 4………浸水検知線 5………光ファイバ 7………浸水検知用マイクロカプセル 8………発熱性もしくは吸熱性被覆 15………スロットロッド 16a………光ファイバ心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宏 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 井上 直哉 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 谷本 元 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 関 敏訓 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 八木 賢二 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と反応して発熱もしくは吸熱する物質
    をマイクロカプセルに内包させてなることを特徴とする
    浸水検知用マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 光ファイバの外周を、請求項1記載の浸
    水検知用マイクロカプセルを含有する被覆材で被覆して
    なることを特徴とする浸水検知線。
  3. 【請求項3】 ケーブル内部に、少なくとも 1本の光フ
    ァイバと、請求項1記載の浸水検知用マイクロカプセル
    を具備してなることを特徴とするケーブル。
JP15050993A 1993-06-22 1993-06-22 浸水検知用マイクロカプセル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブル Withdrawn JPH0712672A (ja)

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JP15050993A JPH0712672A (ja) 1993-06-22 1993-06-22 浸水検知用マイクロカプセル並びにこれを用いた浸水検知線およびケーブル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015075369A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 トヨタ自動車東日本株式会社 雨漏れ判定機能付バックアップ材及びその製造方法

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JP2015075369A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 トヨタ自動車東日本株式会社 雨漏れ判定機能付バックアップ材及びその製造方法

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