JPH078388U - ウインチ用クラッチ装置 - Google Patents

ウインチ用クラッチ装置

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JPH078388U
JPH078388U JP3574293U JP3574293U JPH078388U JP H078388 U JPH078388 U JP H078388U JP 3574293 U JP3574293 U JP 3574293U JP 3574293 U JP3574293 U JP 3574293U JP H078388 U JPH078388 U JP H078388U
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shoe
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drum
clutch device
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繁晃 谷
仁司 古市
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウインチの自由降下による巻き下げやフック
の引出し操作が迅速に行なわれることを確実なものとし
て、ウインチの操作性を改善する。 【構成】 ツーリーディング型摩擦式ドラムブレーキ装
置を、ウインチ用クラッチ装置11としたものであっ
て、各シュー13を、ドラム12の回転中心軸O方向お
よびシリンダ14の伸縮方向Bと互いに直交する方向に
溝部23,24により移動可能としたものにおいて、前
記各シュー13をそれぞれシリンダ14のピストン17
側に付勢する引張ばね26を設けるとともに、その引張
ばね26による各シュー13の過度の移動を阻止する係
止部25を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、例えばクレーン車等に搭載される,ウインチ用クラッチ装置に関 するものである。
【0002】
【従来の技術】
クレーン車等のウインチの操作性の面では、巻胴の巻き上げ,巻き下げ動作に より、フックが迅速に所望の位置に達することが重要である。
【0003】 ところで、クレーン車等のウインチにおいては、ウインチの駆動装置としての 電動モータや油圧モータ等の動力のウインチの巻胴への伝達を断続するためのク ラッチ装置が設置されており、いわゆるツーリーディング型の摩擦式ドラムブレ ーキ装置をウインチ用クラッチ装置として用いるものがある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
このようなウインチ用クラッチ装置を備えたウインチにおいては、そのクラッ チ装置を切断して、ウインチの巻き下げを自由降下により行なったり、人手によ り巻胴からフックを引出す等の作業の場合に、巻き下げや引出し操作が迅速に行 なわれない場合がある。
【0005】 これは、この種のクラッチ装置は、そのシューがドラムの回転中心軸方向およ びシリンダの伸縮方向と互いに直交する方向に移動可能となっており、このよう なシューを一端部側に配置されたシリンダのピストンでドラムに押圧して摩擦力 を生じさせるものであることに起因するものである。
【0006】 すなわち、この種のクラッチ装置において、クラッチを接続状態とすると、シ ューにはドラムから摩擦力が作用することによりシューが移動され、その後シリ ンダのピストンを後退させると、シューはその移動された位置のまま揺動するこ とによりクラッチの開放状態となるので、前記ピストンとは逆側の端部において クラッチ装置のライニングがドラムと十分に離間せず,小さな摩擦力を生じるこ とによって、ウインチの操作性を損なうものとなっている。
【0007】 この考案は、このような事情に基づいてなされたもので、この種のウインチ用 クラッチ装置を有するウインチにおいて、その巻き下げやフックの引出し操作が 迅速に行なわれることを確実なものとして、この種のウインチの操作性を改善す ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の考案は、それぞれ2個一対のシュ ーとシリンダとをドラムの回転中心に関して対称位置に配置し、各シューの一端 側を前記シリンダのピストン側に当接させるとともに他端側をシリンダのシリン ダ本体側に当接させて構成したツーリーディング型摩擦式ドラムブレーキ装置を 、ウインチの巻胴の回転を制御するウインチ用クラッチ装置としたものであって 、前記各シューを、前記ドラムの回転中心軸方向および前記シリンダの伸縮方向 と互いに直交する方向に案内手段により移動可能としたものにおいて、前記各シ ューをそれぞれ前記案内手段に沿って前記一端側に付勢する付勢手段を設けると ともに、その付勢手段による各シューの過度の移動を阻止するストッパを設けた ことを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1記載の考案によれば、この種のウインチ用クラッチ装置において、各 シューは、前記ドラムの回転中心軸方向および前記シリンダの伸縮方向と互いに 直交する方向に案内手段により移動可能とされており、そのうえ、それらの各シ ューはそれぞれ前記案内手段に沿って前記一端側に付勢する付勢手段を設けてあ るので、各シリンダのピストン側が縮小されたクラッチの開放状態において、各 シューは付勢手段によりピストン側に移動され、従来クリアランスの小さかった ,各シューの他端に十分なクリアランスを確保することができる。
【0010】 そして、この考案では、前記付勢手段による各シューの過度の移動を阻止する ストッパを設けてあるので、シューの前記一端においてドラムとシューとの間の クリアランスが小さくなりすぎることが防止されている。
【0011】 したがって、この考案によれば、シリンダを縮小したクラッチ装置の遮断状態 において、シューはドラムとの間に所要のクリアランスを確保することができ、 小さな摩擦力を生じることがない。
【0012】 そのため、この種のウインチ用クラッチ装置を有するウインチにおいて、その 自由降下やフックの引出し操作が迅速に行なわれることが確実であり、この種の ウインチの操作性を改善することができる。
【0013】
【実施例】
以下、クレーン車に適用した実施例によりこの考案を説明する。
【0014】 まず、図2によりクレーン車の全体概略を説明し、その後、本願の第1実施例 であるウインチ用クラッチ装置を図1および図3により説明する。
【0015】 図2において、1はクレーン車を示し、2は下部走行体としての車体、3は上 部旋回体である。
【0016】 車体2は自走可能に構成されており、この車体2上にはベヤリング4を介して 上部旋回体3が旋回可能に装着されている。
【0017】 旋回体3は、伸縮および起伏自在に構成された伸縮ブーム5と、ウインチ6と を有し、そのウインチ6から延在されたワイヤロープ7は伸縮ブーム5の先端部 に設置されたシーブ8を経由して垂下され、そのワイヤロープ7の先端部には吊 り荷を吊り下げるフック9が設置されている。
【0018】 このようなクレーン車1において、ウインチ6は駆動装置としての電動モータ により巻き上げあるいは巻き下げ駆動されるようになっており、フック9に吊り 荷を係合させた後、ワイヤロープ7を巻き上げれば吊り荷を吊り上げることがで きる。
【0019】 そして、このウインチ6には、ウインチ6と駆動装置としての電動モータとの 間の回転軸上に後述するようにウインチ用クラッチ装置11(以下、単にクラッ チ装置という)が設置されており、このクラッチ装置11を接続することにより 、ウインチ6の巻胴が前記電動モータにより駆動され、クラッチ装置11を遮断 することにより電動モータからフリーとなるものである。
【0020】 この実施例のクラッチ装置11は、図1に示すように、ドラム12とシュー1 3とシリンダ14等を主要部品として、いわゆるツーリーディング型摩擦式ドラ ムブレーキ装置に準じた構成としたものである。
【0021】 このクラッチ装置11のドラム12は、前記ウインチ6の巻胴にその回転軸を 中心として一体的に形成されたものである。したがって、このドラム12はウイ ンチ6の巻胴の回転・停止に伴って巻胴の回転軸まわりで回転および停止を行う 。なお、図において、Oはドラム12の回転中心軸を示し、矢印Aはドラム12 の回転方向を示す。
【0022】 他方、前記シュー13やその他の構成部品は、前記電動モータの出力軸に接続 された駆動軸の先端に基板15を介して配置されている。なお、この駆動軸は前 記ドラム12の回転中心軸Oと同心に配置されている。
【0023】 そして、基板15上において、前記ドラム12の回転中心軸Oに関して対称と なる位置に、油圧シリンダ装置からなるシリンダ14が配置され、これらのシリ ンダ14には不図示のマスタシリンダやクラッチ制御手段等の圧油源から油圧配 管16を経て所定の油圧が供給されるようになっており、これらのシリンダ14 は前記油圧が供給されるとピストン17をシリンダ本体18から進出させ、前記 油圧の供給が遮断されるとピストン17はシリンダ本体18内に後退するもので ある。
【0024】 なお、図において、ピストン17の進退方向を矢印Bで示し、各シリンダ14 のピストン17の進退方向は互いに平行である。
【0025】 これらの2つのシリンダ14は、そのピストン17側が互いに逆向きとなるよ うに配置されており、図1において左側に示したシリンダ14においては図上ピ ストン17が下向きであり、右側に示したシリンダ14においてはピストン17 は上向きとなっている。
【0026】 このように配置された2つのシリンダ14の間に渡り、2個一対のシュー13 が配置されている。
【0027】 これらのシュー13は、概ね弧状の外形をなし、その外周面側に摩擦材からな るライニング21が装着されている。
【0028】 そして、これらのシュー13の間には引張りばね22が前記シリンダ14の伸 縮方向と平行に設置され、各シュー13の一端をそれぞれ前記ピストン17の先 端部に当接させるとともに、各シュー13の他端をそれぞれ他方のシリンダ14 のシリンダ本体18の後端部に当接させている。なお、以下において、ピストン 17の先端部に当接されたシュー13の前記一端を可動端といい、シリンダ本体 18の後端部に当接された前記他端を支持端という。
【0029】 これらのシュー13と当接する前記ピストン17の先端部および前記シリンダ 本体18の後端部には、前記ドラム12の回転中心軸O方向および前記シリンダ 14の伸縮方向と互いに直交する方向に延びる溝部23,24が形成されており 、これらの溝部23,24内に前記各シュー13の可動端または支持端が係合さ れており、これにより前記各シュー13を、前記方向にのみ移動可能とされてい る。なお、これらの溝部23,24はシュー13の可動端または支持端との係合 構造となることにより、この考案でいう案内手段として機能する。
【0030】 そして、前記シリンダ本体18の後端部に形成された溝部24の回転中心軸O 側の端部には、ストッパとして機能する係止部25が形成されるとともに、前記 各シュー13を前記回転軸O側に付勢する引張りばね26が付勢手段として前記 基板15と各シュー13との間に張設されている。
【0031】 そのため、前記各シュー13は、常には、シュー13の前記他端が係止部25 の直近に位置した状態にあり、この状態で前記各シリンダ14の伸長によりドラ ム12に対して圧接状態となる。
【0032】 このシリンダ14の伸長動作に伴って、シュー13はシリンダ本体18側の支 持端を支点として、揺動するように変位してそのライニング21はドラム12の 内周面に押圧されるが、各シュー13が前記溝部23,24方向に移動可能とさ れているので、各シュー13はドラム12の内周面に全体的に概ね均一の圧力で 押圧される。
【0033】 これにより、ウインチ6の巻胴は電動モータの出力軸に連なる駆動軸に接続さ れ、電動モータの動力により駆動される。
【0034】 逆に、前記クラッチ装置11が遮断状態の場合には、前記シリンダ14が縮小 した状態であって、前記シリンダ14のピストン17に作用する油圧が低下して シュー13が後退するが、この場合に前記引張りばね26による付勢力が作用す ることによってシュー13は支持端が前記係止部25の直近に位置するように後 退するので、前記支持端においてドラム12との間に十分なクリアランスを確保 することができる。
【0035】 そして、前記係止部25は、ピストン17側の可動端においてドラム12とシ ュー13との間のクリアランスが適切な位置に設置されているので、逆に可動端 側でライニング21がドラム12と接触することもない。
【0036】 したがって、このクラッチ装置11の遮断状態において、シュー13はドラム 12との間に所要のクリアランスを確保することができ、小さな摩擦力を生じる ことがないので、この種のウインチ用クラッチ装置11を有するウインチ6にお いて、自由降下による巻き下げや巻胴からのフックの引出し操作が迅速に行なわ れることが確実であり、この種のウインチ6の操作性を改善することができる。
【0037】 次に、図4に示す第2実施例について説明する。
【0038】 前記実施例においては、各シュー13を付勢するために、シュー13のリター ンばねとしての引張りばね22とは別に、引張りばね26を設けて構成したもの であるが、この第2実施例は、シュー13のリターンばねとしての引張りばねと 前記付勢ばねとを兼用する引張りばね27を設けた点が相違し、その他の点は前 記実施例と同様である。
【0039】 前記リターンばねと付勢ばねとを兼用する引張りばね27は、前記各シリンダ 14の伸縮方向Bに対して傾斜した状態であって、その引張りばね27の張力を 前記シリンダ14の伸縮方向Bとこれに直交する方向の分力に分解すれば、前記 シリンダ14の伸縮方向Bに直交する方向の分力によって前記シュー13を前記 溝部23,24内で係止部25側に付勢することができる。
【0040】 これによっても、各シュー13は前記実施例と同様に動作することができ、前 記と同様の効果を奏することができるうえ、さらに、クラッチ装置11の内部構 造が簡素化できる利点もある。
【0041】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1記載の考案によれば、この種のウインチ用クラ ッチ装置において、各シューは、前記ドラムの回転中心軸方向および前記シリン ダの伸縮方向と互いに直交する方向に案内手段により移動可能とされており、そ のうえ、それらの各シューはそれぞれ前記案内手段に沿って前記一端側に付勢す る付勢手段を設けてあるので、各シリンダのピストン側が縮小されたクラッチの 開放状態において、各シューは付勢手段によりピストン側に移動され、従来クリ アランスの小さかった,各シューの他端に十分なクリアランスを確保することが できる。
【0042】 そして、この考案では、前記付勢手段による各シューの過度の移動を阻止する ストッパを設けてあるので、シューの前記一端においてドラムとシューとの間の クリアランスが小さくなりすぎることが防止されている。
【0043】 したがって、この考案によれば、シリンダを縮小したクラッチ装置の遮断状態 において、シューはドラムとの間に所要のクリアランスを確保することができ、 小さな摩擦力を生じることがない。
【0044】 そのため、この種のウインチ用クラッチ装置を有するウインチにおいて、その 巻き下げやフックの引出し操作が迅速に行なわれることが確実であり、この種の ウインチの操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のウインチ用クラッチ装置の全体説
明図である。
【図2】クレーン車の概略図である。
【図3】図1のP矢視図である。
【図4】第2実施例のウインチ用クラッチ装置の全体概
略図である。
【符号の説明】
B 伸縮方向 O 回転中心軸 6 ウインチ 11 ウインチ用クラッチ装置 12 ドラム 13 シュー 14 シリンダ 17 ピストン 18 シリンダ本体 23,24 溝部(案内手段) 25 係止部(ストッパ) 26 引張ばね(付勢手段)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ2個一対のシューとシリンダと
    をドラムの回転中心に関して対称位置に配置し、各シュ
    ーの一端側を前記シリンダのピストン側に当接させると
    ともに他端側をシリンダのシリンダ本体側に当接させて
    構成したツーリーディング型摩擦式ドラムクラッチ装置
    であって、 前記各シューを、前記ドラムの回転中心軸方向および前
    記シリンダの伸縮方向と互いに直交する方向に案内手段
    により移動可能としたものにおいて、 前記各シューをそれぞれ前記案内手段に沿って前記一端
    側に付勢する付勢手段を設けるとともに、その付勢手段
    による各シューの過度の移動を阻止するストッパを設け
    たことを特徴とするウインチ用クラッチ装置。
JP1993035742U 1993-06-30 1993-06-30 ウインチ用クラッチ装置 Expired - Lifetime JP2577638Y2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106641016A (zh) * 2016-11-16 2017-05-10 泰兴市东方海工设备有限公司 一种内涨离合器
US9919904B2 (en) 2011-05-27 2018-03-20 Konecranes Plc Balancer
KR102024368B1 (ko) * 2019-05-29 2019-09-23 한국건설기술연구원 완충수단이 구비된 지반천공장치

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