JPH078342U - 給紙装置における紙送り機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸引ロッドが揺動を繰返えす方式の紙送り機
構に改良を加えて、給紙が安定に行なわれるようにし
た。 【構成】 追い積みされる多数枚の紙のうちの下方から
一枚づつを吸引によって保持し回動によって紙送りする
給紙装置において、先端に吸引口１を備え回動可能な吸
引ロッド２に対して紙の吸引保持時に紙へ接近するよう
中間に支点を有し一端がカム５に接し他端が吸引ロッド
２を紙の吸引保持時に押すヘ字型レバー６からなる接近
手段３を設け、紙送り回動時に吸引状態で後退するよう
に吸引ロッド２にばねによる後退手段４を設けてなるこ
とを特徴とする紙送り機構である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、封筒の口糊を塗布する糊付け機や、封筒の製袋機、印刷、製本装置 における給紙等、給紙装置における紙送り機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

追い積みされる多数枚の紙のうち下方から一枚づつを吸引口によって吸引保持 し、揺動することによって次工程の糊付け工程等へ紙送りをする従来の紙送り機 構は、図６にその様子を示したが、先端に吸引口21を備えた吸引ロッド22が揺動 を繰返えすなかで、紙23を吸引口21へ保持してはその状態で次工程へ送るように なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の紙送り機構では、給紙前の紙を支持する鉤状の前当と称するストッ パ13を紙が越えなければならないが、前後動のみでストッパ13を越えて給紙がな されているため、給紙に安定性を欠く(給紙もれを招く)結果となっている。給紙 をこのような機構によらないで行なうものもあるが、装置が複雑で、高価なもの となっている。そこで、簡単な構造で、しかも給紙が安定に行なわれる構造につ いて検討した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、吸引ロッドが揺動を繰返えす方式の紙送り機構に改良を加えて、 給紙が安定に行なわれるようにした。すなわち、追い積みされる多数枚の紙のう ち下方から一枚づつを吸引によって保持し回動によって紙送りする給紙装置にお いて、先端に吸引口１を備え回動可能な吸引ロッド２に対して紙の吸引保持時に 紙へ接近するよう接近手段３を設け、紙送り回動時に吸引状態で後退するように 吸引ロッド２に後退手段４を設けてなることを特徴とする給紙装置における紙送 り機構である。

【０００５】 前記接近手段３は、中間に支点を有し一端がカム５に接し他端が吸引ロッド２ を紙の吸引保持時に押すヘ字型レバー６であり、後退手段４はばねが好ましい。 この他に、揺動範囲内で吸引ロッド２の同様な進退が行なわれる手段、例えば吸 引ロッド２の後端部を直接カムに接触させて進退が行なわれる等種々の機構を採 用し得る。

【０００６】

【作用】

紙の給紙に際して吸引口１が接近手段３によって積まれた紙の底部に接近し、 その一枚を吸引口１が吸着保持し、後退して紙を曲げた状態にしてストッパ13か ら外してから、次に回動して紙を送り出す。このような動きにより、紙がストッ パ13から確実に離れて引っ掛かることなく次々と同様な動作によって、紙が確実 に送り出される。

【０００７】 底部の一枚を吸引口１が吸着保持するこの機構によると、紙の大きさ、厚みの 如何に拘わらず確実な給紙が可能となる。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案の給紙装置における紙送り機構を示す要部断面図であり、図２は 図１中Ａ−Ａ断面図である。図３は本考案を封筒の製造装置に用いた場合の要部 側面図、図４はその内部機構を示す断面図、図５は図３中Ｂ−Ｂ断面図である。

【０００９】 図１,２によって明らかなように、先端に吸引口１を備えた吸引ロッド２は回 動可能とするために中空軸７へ支持ローラ８によって装着されている。支持ロー ラ８はバキュームローラとも称される円形のブロックであって、貫通保持穴内に 吸引ロッド２を進退可能に保持している。吸引ロッド２は内部が中空であり、中 空軸７へ通じる連通穴９がある。常時紙から離れる方向に支持ローラ８と吸引ロ ッド２の後部間に後退手段４としてばねが設けられ弾支した状態にある。

【００１０】 紙を追い積み自在にするために複数のコロ10がほぼ等間隔に設けられており、 その端部に前述した従来の下部が鉤状のストッパ13がある。この多数枚の紙のう ちから一枚づつを吸引によって保持し、回動によって紙送りするが、その際に接 近手段３によって吸引口１が紙の底部に接近し、その一枚を吸引口１が吸着保持 し、後退して紙を曲げた状態にしてストッパ13から外し、次に回動して押えロー ラ14との間に紙を挾んで送り出す。

【００１１】 その接近手段３は図１に詳細を示したように、中間に支点を有したヘ字型レバ ー６とカム５とからなる。ヘ字型レバー６は一端がカム５に接するカムフォロア ー11となっており、他端は吸引ロッド２を紙の吸引保持時に押す部分へ調整ねじ 12を設けている。

【００１２】 吸引ロッド２を回動可能にするための機構例は図３にみられる。吸引ロッド２ の端部を保持したロッド保持ブロック15の一隅に中空軸７の一端を固定し、他端 はカム17に摺動するように揺動アーム18と連結している。カム17の回転によって 操作ロッド16が前後動して保持ブロック15及びそれに固定された中空軸７を回動 させる。

【００１３】 中空軸７の詳細は図５にみられる。前述した進退可能で先端に吸引口１を備え た吸引ロッド２がこの例では４本設けられている。総ての吸引ロッド２が連通状 態で紙を吸着することができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によって、簡単な構造でしかも給紙が安定に行なわれることとなった。 封筒の口糊を塗布する糊付け機や、封筒の製袋機、印刷、製本装置における給紙 等、幅広い給紙装置における紙送り機構として有用なものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の給紙装置における紙送り機構を示す要
部断面図である。

【図２】図１中Ａ−Ａ断面図である。

【図３】本考案を封筒の製造装置に用いた場合の要部側
面図である。

【図４】その内部機構を示す断面図である。

【図５】図３中Ｂ−Ｂ断面図である。

【図６】従来の紙送り機構を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１ 吸引口 ２ 吸引ロッド ３ 接近手段 ４ 後退手段 ５ カム ６ ヘ字型レバー ７ 中空軸 ８ 支持ローラ ９ 連通穴 13 ストッパ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 追い積みされる多数枚の紙のうちの下方
   から一枚づつを吸引によって保持し回動によって紙送り
   する給紙装置において、先端に吸引口１を備え回動可能
   な吸引ロッド２に対して紙の吸引保持時に紙へ接近する
   よう接近手段３を設け、紙送り回動時に吸引状態で後退
   するように吸引ロッド２に後退手段４を設けてなること
   を特徴とする給紙装置における紙送り機構。
2. 【請求項２】 接近手段３が中間に支点を有し一端がカ
   ム５に接し他端が吸引ロッド２を紙の吸引保持時に押す
   ヘ字型レバー６であり、後退手段４がばねである請求項
   １記載の給紙装置における紙送り機構。