JPH0782250B2 - 加熱定着方法及び加熱定着用トナー - Google Patents

加熱定着方法及び加熱定着用トナー

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JPH0782250B2
JPH0782250B2 JP1294036A JP29403689A JPH0782250B2 JP H0782250 B2 JPH0782250 B2 JP H0782250B2 JP 1294036 A JP1294036 A JP 1294036A JP 29403689 A JP29403689 A JP 29403689A JP H0782250 B2 JPH0782250 B2 JP H0782250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真、静電印刷、磁気記録などにおい
て、トナーで形成された顕画像を、記録材に定着させる
定着方法及び該定着方法に用いられるトナーに関する。
[従来の技術] 従来、トナーの顕画像を記録材に定着する方法として
は、所定の温度に維持された加熱ローラーと弾性層を有
して該加熱ローラーに圧接する加圧ローラーとによっ
て、未定着のトナー顕画像を保持した記録材を挟持搬送
しつつ加熱する熱ロール定着方式が多用されている。
又、USP 3,578,797号記載のベルト定着方式が知られて
いる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述の従来多用されてきた熱ロール定着
では、 (1) 熱ローラーが所定温度に達するまでの画像形成
作動禁止の時間、所謂ウエイト時間がある。
(2) 記録材の通過或は他の外的要因で加熱ローラー
の温度が変動することによる定着不良及び加熱ローラー
へのトナーの転移所謂オフセット現象を防止するために
加熱ローラーを最適な温度に維持する必要があり、この
ためには加熱ローラー或は加熱体の熱容量を大きくしな
ければならず、これは大きな電力を要する。
(3) ローラーが低温度であるため、記録材が加熱ロ
ーラーを通過排出される際は、記録材及び記録材上のト
ナーが緩慢に冷却されるため、トナーの粘着性が高い状
態となり、ローラーの極率とも相まって、オフセット或
は記録材を巻き込むことによる紙づまりを生ずることが
ある。
(4) 高温の加熱ローラーが直接手に触れる構成とな
り安全性に問題があったり、保護部材が必要であったり
する。
又、USP 3,578,797号記載のベルト定着方式においても
前述の熱ロール定着の問題点(1),(2)は根本的に
解決されていない。
又、本出願人は先にパルス状に通電発熱させた低熱容量
の発熱体によって、移動する耐熱性シートを介してトナ
ー顕画像を加熱し、記録材へ定着させる定着装置によっ
てウエイト時間が短く低消費電力の画像形成装置を提案
している。又、同様にトナーの顕画像を耐熱性シートを
介して記録材へ加熱定着する定着装置において、該耐熱
性シートが耐熱層と離型層或は低抵抗層を有すること
で、オフセット現象を有効に防止する定着装置を提案し
ている。
しかしながら、優れたトナー顕画像の記録材への定着
性、オフセットの防止等を達成しつつ、ウエイト時間が
短く低消費電力である定着方法を実現するためには、上
述の如き定着装置に加えて、トナーの特性に負うところ
が大きい。
即ち、本発明の目的は上述の如き問題点を解決し、ウエ
イト時間が実質的にない或は極めて短時間であり、かつ
低消費電力でオフセット現象が発生せず記録材へのトナ
ー画像の定着も良好である新規な加熱定着方法を提供す
るものである。
また、本発明の目的は、本発明中で提供される加熱定着
方法において好ましく用いられる加熱定着用トナーを提
供するものである。
更に本発明の別の目的は、高温の回転ローラーを使用し
ないことで、耐熱性特殊軸受けを必要としない加熱定着
方法を提供するものである。
更に本発明の別の目的は、高温体に直接手を触れること
のない定着装置構成を有することで、安全性に優れた或
は保護部材を必要としない加熱定着方法を提供するもの
である。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は記録材に対してトナーの顕画像を加熱定着する
方法において、該トナーが少なくとも、 (A) エーテル化ビスフェノール類と、 (B) 全酸成分中、30mol%以上の芳香族ジカルボン
酸類と、 (C) 全酸量に対し、5〜40重量%のアルケニル置換
ジカルボン酸類及び/又はアルキル置換ジカルボン酸類
と、 (D) 3価以上のポリカルボン酸類及び/又は3価以
上のポリオール類とから形成された酸価5〜60のポリエ
ステル樹脂と、該樹脂に対して0.2〜6重量%の2価以
上の金属を含む有機金属化合物とを含有し、かつ離型性
成分および着色成分を含有し、高架式フローテスターに
よるトナーとしての溶融粘度η′が120℃〜150℃の温度
範囲のいずれかの温度で103〜106poiseであり、120℃,1
50℃の溶融粘度の自然対数lnη′を温度に対してプロッ
トした際に、そのグラフの傾きの絶対値が0.50ln(pois
e)/℃以下である特性を有し、さらに該離型性成分
は、160℃における溶融粘度が1〜250cpsの範囲であ
る、芳香族ビニルモノマー及び、不飽和脂肪酸または、
不飽和脂肪酸エステルによりグラフト変性されたポリオ
レフィンであり、全結着樹脂量に対し0.1〜20重量パー
セントを含有するものであり、 該トナーの顕画像を、固定支持された加熱体と該加熱体
に対向圧接しかつフィルムを介して該記録材を該加熱体
に密着させる加圧部材とにより記録材に加熱定着するこ
とを特徴とする加熱定着方法に関する。
又本発明は、トナーの顕画像を、固定支持された加熱体
と該加熱体に対向圧接し、且つフィルムを介して該記録
材を該加熱体に密着させる加工部材とにより記録材に加
熱定着する定着方法に使用されるトナーにおいて、少な
くとも離型性成分と、着色剤と、 (A) エーテル化ビスフェノール類と、 (B) 全酸成分中、30mol%以上の芳香族ジカルボン
酸類と、 (C) 全酸量に対し、5〜40重量%のアルケニル置換
ジカルボン酸類及び/又はアルキル置換ジカルボン酸類
と、 (D) 3価以上のポリカルボン酸類及び/又は3価以
上のポリオール類とから形成された酸価5〜60のポリエ
ステル樹脂と、該樹脂に対して0.2〜6重量%の2価以
上の金属を含む有機金属化合物とを含有し、高架式フロ
ーテスターによるトナーとしての溶融粘度η′が120℃
〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で103〜106poiseで
あり、120℃,150℃の溶融粘度の自然対数lnη′を温度
に対してプロットした際に、そのグラフの傾きの絶対値
が0.50ln(poise)/℃以下である特性を有し、さらに
該離型性成分は、160℃における溶融粘度が1〜250cps
の範囲である、芳香族ビニルモノマー及び、不飽和脂肪
酸または不飽和脂肪酸エステルによりグラフト変性され
たポリオレフィンであり、全結着樹脂量に対し0.1〜20
重量パーセントを含有する ことを特徴とする加熱定着用トナーに関する。
本発明の加熱定着方法の構成上の一つの特徴はエーテル
化ジフェノール類と、芳香族ジカルボン酸類とを基本的
骨格とし、3価以上のポリカルボン酸類及び/又は3価
以上のポリオール類によりポリマー骨格を網状化し、さ
らにポリマー骨格中にアルケニル置換ジカルボン酸類及
び/又はアルキル置換ジカルボン酸類をソフトセグメン
トとして導入した酸価が5〜60のポリエステル樹脂と、
該樹脂に対して0.2〜6重量%の2価以上の金属を含む
有機金属化合物とを少なくとも含有するトナーを用いる
ことで、より低消費電力でトナーを記録材に加熱定着す
ることができる。
前述のソフトセグメントが全酸量に対し5重量%未満の
ときは加熱定着のための消費電力が増大し、逆に40重量
%を上回る場合はトナー粒子同志の凝集力が強くなり、
保存安定性が悪化する。ポリマー骨格の網状化成分であ
るポリカルボン酸類はポリエステル中に5〜30重量%含
まれていることが好ましく、ポリオール類は5重量%を
越えないで含まれることが好ましい。
ポリカルボン酸類とポリオール類の合計が40重量%以上
ではトナーの耐湿性が悪化し、環境変動によって帯電特
性が不安定となり定着以前の画像形成時(現像時、転写
時)に不良をきたす。又、トナーの製造工程における粉
砕コストが上昇するとともに当然のことながら、トナー
を加熱定着するためにより多くのエネルギーが必要とな
る。
逆にポリカルボン酸類、ポリオール類の合計量がポリエ
ステル中で10重量%を下まわると、加熱定着工程でトナ
ーの過剰溶融の傾向が現われはじめ5重量%以下では完
全に転写紙中への浸み込み、裏移りや溶融トナーの広が
りによる画像ニジミ等の欠点が顕著となる。
さらに、本発明のポリエステルの主要成分中、酸成分と
しては全酸成分中の30mol%以上、より好ましくは40mol
%以上が芳香族ジカルボン酸類であること、アルコール
成分としては全アルコール成分中、80mol%以上、より
好ましくは90mol%以上がエーテル化ビスフェノール類
であることがトナーとしての帯電特性、耐久性、転写性
等電子写真特性上から必要である。
又更に、上述のポリエステル樹脂の結着樹脂とし、トナ
ーを製造する際の熱混練工程で2価以上の金属を含む有
機金属化合物を少量添加することで、本発明の加熱定着
方法において、特にトナーの過剰溶融を効果的に防ぎ転
写紙中への浸みこみ、裏移りや溶融トナーの広がりによ
る画像ニジミ等の欠点を有効に阻止できることが判明し
た。
本発明者らの検討によると、ポリエステル樹脂の構成原
料中の網状成分によるものとは異なり、金属イオによ
り、“弱い架橋構造”をトナーにもたらし、定着に要す
る消費電力の増大が極めて少なくてすむ。但し本発明に
よる、2価以上の金属を含む有機金属化合物の上述の効
果は、ポリエステル樹脂中の芳香族性成分が多いもの
程、又、ポリエステル樹脂の酸価が5〜60の範囲で該金
属化合物の添加量がより少量で済み、消費電力の増大、
トナーの耐湿特性の悪化という欠点を併発しない。
従って本発明における該金属化合物の添加量はポリエス
テル樹脂に対して0.2〜6重量%が好ましく、より好ま
しくは1〜5重量%である。0.2%以下では実質的な効
果はなく、6重量%以上では無機性充填剤を多量に添加
したときと同様、トナー自体の熱容量の増大による定着
時における消費電力の増大を招き、又、ポリマーに比し
固有抵抗の低い金属化合物が入る為にトナーに帯電能が
相当減殺され、現像性が悪化する。又同様に耐湿性の悪
化も明確に確認された。
本発明の加熱定着方法の構成上、更にもう一つの特徴は
上述の特定のポリエステル樹脂を主結着樹脂として少な
くとも上述の金属化合物を含有して得られたトナーの熱
高架式フローテスターによる溶融粘度η′が120℃〜150
℃の温度範囲のいずれかの温度で103〜106poiseであり
しかも120℃,150℃での溶融粘度の自然対数lnη′を温
度に対してプロットした際にそのグラフの傾きの絶対値
が0.50ln(poise)/℃以下であることでより低消費電
力でフィルムにオフセットすることなく、トナーを記録
材に定着するこができる。
粘度測定は第1図に示す高架式フローテスター(島津フ
ローテスターCFT−500)を用い、先ず加圧成形器を用い
て成形した約1.5gの試料3を一定温度下でプランジャー
1により10kgfの荷重をかけ直接1mm、長さ1mmのノズル
4より押し出すようにし、これによりフローテスターの
プランジャー降下量(流出速度)を測定した。この流出
速度を各温度(120〜150℃の温度範囲を5℃間隔)で測
定し、この値より見掛粘度η′を次式により求めること
ができる。
但し、 η′:見掛けの粘度(poise) TW′:管壁の見掛けのずり反応(dyne/cm2) DW′:管壁の見掛けのずり速度(1/sec) Q:流出速度(cm3/sec=ml/sec) P:押出圧力(dyne/cm2)[10kgf=980×104dyne] R:ノズルの半径(cm) L:ノズルの長さ(cm) 本発明の加熱定着方法に供されるトナーの120℃〜150℃
における溶融粘度が106poiseをこえると、消費電力が増
大し、定着不良やクイックスタートが困難になる等の欠
点が現われる。本発明のポリエステル中の網状化成分の
合計量が35重量%以上、或はトナー中に含まれる2価以
上の金属を含む有機金属化合物の添加量が樹脂に対して
10重量%以上の場合は150℃においてもトナーの溶融粘
度が106poiseを上回る場合がある。
逆に120℃〜150℃でのトナーの溶融粘度が103poise未満
の場合は、トナー過剰溶融による欠点(裏移り、ニジミ
等)が顕著となる。
本発明のポリエステル中の網状化成分の合計量が5重量
%未満あるいはトナー中に含まれる2価以上の金属を含
む有機金属化合物の添加量が樹脂に対して0.2重量%以
上の場合は120℃においても溶融粘度が103poiseを下回
る場合がある。
また、本発明のトナーの120℃と150℃での溶融粘度の自
然対数lnη′の温度にする傾きは、本発明のトナーの溶
融粘度の温度変化に対する感受性を反映し、この傾きが
絶対値で0.50ln(poise)/℃以上ではフィルムにオフ
セットし易く、しかも定着画像の光沢が出すぎ画像品位
が低下する。
更にこの傾きは本発明でのポリエステル樹脂中の網状化
成分量、ソフトセグメント量、更に本発明のトナー中に
添加される2価以上の金属を含む有機金属化合物量の量
及びそれらの比率に依存し、本発明での請求範囲内での
それぞれの使用量で定着性、オフセット性、画像性等が
本発明の加熱定着方法において良好に達成される。
本発明において粘度の“傾き”は第2図に示されるよう
に、グラフ中のta℃における測定点と、tb℃における測
定点を直線で結び、 により“傾き”を算出した値であり、これをスロープの
“傾き”として近似して用いている。(ただし、ln
η′はta℃における粘度の自然対数をとった値を示
し、lnη′はtb℃における値を示す。) 本発明に適用されるトナーの結着樹脂としてのポリエス
テル樹脂の構成原料であるエーテル化ジフェノールと使
用可能なものは、ポリオキシスチレン(6)−2・2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリヒドロ
キシブチレン(2)−2・2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(3)−2・2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(3)−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
チオエーテル、ポリオキシエチレン(2)−2・6−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル、2′・3′・6−ト
リクロロ4′−ヒドロキシフェニルメタン、ポリオキシ
プロピレン(3)−2−ブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル、4−ヒドロキシフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レン(2・5)−P・P−ビスフェノール、ポリオキシ
ブチレン(4)ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ポリオキシスチレン(7)−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ポリオキシペンチレン(3)−2
・2−ビス(2・6−ジアイオド−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン及びポリオキシプロピレン(2・2)2
・2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンであ
る。
エーテル化ジフェノールの一群はエーテル化ビスフェノ
ールである。好ましい群のエーテル化ビスフェノールは
エトキシ化又はプロポキシ化されたものであり、ビスフ
ェノール1モル当り2ないし3モルのオキシエチレン又
はオキシプロピレンを有し、Rとしてプロピレン又はス
ルホン基をもつものである。この群の例はポリオキシエ
チレン(2・5)−ビス(2・6−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ポリオシプロピレン(3)
−2・2−ビス(2・6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン及びポリオキシエチレン(1・5)
−ポリオキシプロピレン(1・0)−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホンである。
上式によって特徴づけられる群に入るエーテル化ビスフ
ェノールの他の好ましい群は、ポリオキシプロピレン2
・2′−ビス(4−ヒドキシフェニル)プロパン及びポ
リオキシエチレン又はポリオキシプロピレン2・2−ビ
ス(4−ヒドロキシ、2・6−ジクロロフェニル)プロ
パン(ビスフェノール1モル当りオキシアルキレン単位
数が2.1ないし2.5である)が挙げられる。
又、本発明のポリエステル樹脂の構成原料である芳香族
系ジカルボン酸類としてはテレタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、ジフェニル−p・p′−ジカルボン酸、ナフ
タレン−2・7−ジカルボン酸、ナフタレン−2・6−
ジカルボン酸、ジフェニルメタン−p・p′−ジカルボ
ン酸、ベンゾフェノン−4・4′−ジカルボン酸、1・
2−ジフェノキシエタン−p・p′−ジカルボン酸等が
使用でき、それ以外の酸としては、マレイン酸、フマル
酸、グリタル撒、シクロヘキサンカルボン酸、コハク
酸、マロン酸、アジピン酸、メサコン酸、シトラコン
酸、セバチン酸及びこれらの酸の無水物等が挙げられ
る。
又、本発明のポリエステル樹脂の構成原料であるアルケ
ニル置換ジカルボン酸或はアルル置換ジカルボン酸とし
ては、炭素数が6〜18のアルケニル基或はアルキル基が
置換されたマレイン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク
酸、グルタル酸、セバチン酸、アゼライン酸及びそれら
の無水物エステル化物等が挙げられる。特にn−ドデセ
ニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシル
コハク酸、イソ−ドデシルコハク酸、イソ−オクチルコ
ハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ブチルコハク酸等
が好ましい。
又、本発明のポリエステル樹脂の構成原料である3価以
上のポリカルボン酸類としては、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2・5
・7−ナフタレントリカルボン酸、1・2・4−ナフタ
レントリカルボン酸、1・2・4−ブタントリカルボン
酸、1・2・5−ヘキサトリカルボン酸、1・3−ジカ
ルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1・
3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボ
キシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタ
ン、1・2・7・8−オクタンテトラカルボン酸及びそ
れらの無水物、エステル化物等が使用でき、3価以上の
ポリオール類としては、ソルビトール、1・2・3・6
−ヘキサンテトール1・4−ソルビタン、ペンタエリス
トール、ジペンタエリストール、トリペンタエリストー
ル、しょ糖、1・2・4−メシタトリオール、グリセリ
ン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1・
2・4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、1・3・5−トリヒドロキシメ
チルベンゼン、エリトロ−1・2・3−ブタントリオー
ル、トレオ−1・2・3−ブタントリオール等が挙げら
れる。
又、本発明トナーに使用可能な有機金属化合物としては
2価以上の金属を含む有機性の塩類ないしは錯体類が挙
げられる。有効な金属塩種としてはAl,Ba,Ca,Cd,Co,Cr,
Cu,Fe,Hg,Mg,Mn,Ni,Pb,Sn,Sr,Zn等の多価性のものが挙
げられる。有機金属化合物としては上記金属のカルボン
酸塩、アルコキシレート、有機金属錯体、キレート化合
物が有効で、その例としては、酢酸亜鉛、酢酸マグネシ
ウム、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、アル
ミニウムアセチルアセテート、鉄(II)アセチルアセテ
トナート、3,5ジtert−ブチルステアリン酸クロム等が
あり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金
属塩が好ましい。
本発明に使用されるトナー中には上記構成材料からなる
ポリエステル樹脂以外に該ポリエステル樹脂の含有量よ
り少ない割合で、しかも高架式フローステターによる溶
融粘度η′が120℃〜150℃の温度範囲のいずれかの温度
で103〜106poiseから逸脱せず、しかも120℃,150℃の溶
融粘度の自然対数(lnη′)を温度に対してプロットし
た際にそのグラフの傾きの絶対値が0.50ln(poise)/
℃を越えないように、例えば、スチレンを主体とするビ
ニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、シリコン樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化
水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラ
フィンワックス等を含有させてもよい。
従来加熱ロール定着用のトナー中には、離型剤を含有さ
せて熱ロールに対しての離型性を高めいわゆるオフセッ
ト現象を回避する技術は開示されている。例えば特公昭
57−52574号公報、特開昭59−174853号公報、特開昭59
−174854号公報、特開昭61−130957号公報、特開昭59−
189346号公報等が挙げられる。
本発明の加熱定着方法の構成上の特徴のひとつとしては
離型性成分を含有することであり、該離型性成分は、芳
香族ビニルモノマーと、不飽和脂肪酸或は不飽和脂肪酸
エステルによりグラフト変性されたポリオレフィンであ
り、更には該離型性成分は、160℃における溶融粘度が
1〜250cpsの範囲にあるものであり、全結着樹脂量に対
し0.1〜20重量パーセントを含有することである。
前記ポリオレフィンはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−デセン、4−メチル−1−ペン
テンなどのα−オレフィンの単独重合体又は2種以上の
α−オレフィンの共重合体である。更にはポリオレフィ
ンの酸化物も含まれる。
グラフト変性ポリオレフィンを合成するために使用され
る不飽和脂肪酸或は不飽和脂肪酸エステルとしては、メ
タクリル酸及びメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、イソブチルメタクリレート、n−オクチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ドデ
シルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、メタ
クリル酸グリシジル等のメタクリレート類、アクリル酸
及びメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、n−オクチルアクリレート、ラウリルア
クリレート、ステアリルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニルア
クリレート、2−クロルエチルアクリレート、アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、シクロヘキシルアルキレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルアクリレート、ジブチルアミノエチルアクリレ
ート、2エトキシアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレートなどのアクリレート類、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びモノエチルマレ
ート、ジエチルマレート、モノプロピルマレート、ジプ
ロピルマレート、モノブチルマレート、ジブチルマレー
ト、ジ−2エチルヘキシルマレート、モノエチルフマレ
ート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ−
2エチルヘキシルフマレート、モノエチルイタコネー
ト、ジエチルイタコネート、モノエチルシトラコネー
ト、ジエチルシトラコネートなどの不飽和二塩基酸エス
テルなどをあげることができ、これらの1種或は2種以
上を同時に用いることができる。
又芳香族ビニルモノマーとしてはスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
α−メチルスチレン、2,4ジメチルスチレン、p−エチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン等を挙げることができ、
これらの1種または2種以上を同時に用いることができ
る。
グラフト変性する方法としては、従来公知の方法を用い
ることができる。例えば前記ポリオレフィンと、芳香族
ビニルモノマー及び不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エス
テルを溶液状態或は溶融状態で大気下、必要に応じ加圧
下でラジカル開始剤の存在下で加熱して反応させること
によりグラフト変性ポリオレフィンが得られる。芳香族
ビニルモノマー及び不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エス
テルによるグラフト化は、両者を同時に行なうことも良
く、個々に行なうことも良い。
グラフト化反応に用いる開始剤としては、例えばベンゾ
イルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパー
オサイド、tert−ブチルパーフェニルアセテート、クミ
ンパーピバレート、アゾビス−イソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイソブチレート、ジクミルパーオキサイド等
を挙げることができる。
ポリオレフィンに対するグラフト化剤の割合は、ポリオ
レフィン100重量部に対し0.1〜100重量部が好ましく、
より好ましくは1〜50重量部である。1重量部以下では
グラフト化の効果がほとんど発揮されず、また100重量
部以上になるとポリオレフィンが本来持ちあわせている
有利な性質を失うことになる。
また芳香族ビニルモノマーと不飽和脂肪酸又は不飽和脂
肪酸エステルとの重量比として95:5〜5:95が好ましく、
より好ましくは、80:20〜20:80である。不飽和脂肪酸又
は不飽和脂肪酸エステルが多い場合は、ポリオレフィン
の持つ離型効果が減少する傾向にあり、芳香族ビニルモ
ノマーが多い場合には、ポリオレフィンのトナー中への
分散性があまり向上しない。
本発明に使用されるグラフト変性ポリオレフィンの添加
量としては、結着樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部
が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部である。0.1
重量部より少ない場合には十分な離型効果は発揮し得
ず、又20重量部より多い場合にはトナーのブロッキング
性が低下し易い。
又本発明に使用されるグラフト変性ポリオレフィンは、
160℃における溶融粘度が1〜250cpsの範囲にあること
が好ましい。1cps以下の場合にはトナーのブロッキング
が発生し易くなり、250cps以上ではトナー中からの変性
ポリオレフィンの浸み出しが起こりにくくなり、離型効
果が発揮されにくい。本発明の定着方法においては一般
的には低い定着設定温度にする時程低い溶融粘度の離型
性成分を用いることが好ましい。
本発明で言うところの溶融粘度は、B型回転粘度計によ
る測定値を用いている。
使用するトナーが磁性微粒子を含有する磁性トナーとし
て用いられる場合には磁性微粒子としては磁性を示すか
磁化可能な材料であればよく、例えば鉄、マンガン、ニ
ッケル、コバルト、クロムなどの金属、マグネタイト、
ヘマタイト、各種フェライト、マンガ合金、その他の強
磁性合金などがあり、これらを平均粒径約0.05〜5μの
微粉末としたものが使用できる。磁性トナー中に含有さ
せる磁性微粒子の量は、磁性トナー総重量の15〜70重量
%(より好ましくは25〜45重量%)が良い。
又本発明で使用するトナーには着色・荷電制御等の目的
で種々の物質を添加することができる。例えば、カーボ
ンブラック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、モノア
ゾ染料の金属錯体、群青、フタロシアニンブルー、ハン
ザイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドン、各種
レーキ顔料などである。
或は又、流動性向上剤としてコロイダルシリカ等をトナ
ー中に10〜40重量%含有させてもよい。もちろんこの流
動性向上剤はトナーの外部に混合して用いてもよく、そ
のときの添加量は0.2〜5重量%(対トナー重量)であ
る。
本発明の加熱定着方法において、使用されるトナーは、
DSCを用い10℃から200℃迄の測定範囲で測定した結果、
最初に現われる吸熱ピークの極大値が40℃から120℃を
示すトナーが好ましく、特に55℃から100℃の特性を示
すトナーがより好ましい。
更に、フィルムをトナー定着面より剥離する時の温度が
前記吸熱温度よりも高い温度であることが好ましく、更
に好ましくは、前記吸熱温度よりも30℃以上(より好ま
しくは40〜150℃)高い条件で剥離させること好まし
い。
本発明での吸熱ピークの極大値を測定する方法として
は、ASTM D−3418−82に準拠し算出する。具体的には、
トナーを10〜15mg採取し、窒素雰囲気下で室温から200
℃迄、昇温速度10℃/minで加熱せしめた後、200℃に10
分間保持せしめ、次に急冷することで、予めトナーの前
処理を行った後、再び10℃に10分間保持せしめ10℃/min
の昇温速度で200℃迄加熱し測定する。一般的には第3
図に示すデーターが得られ、最初に現われる吸熱ピーク
の極大値を本発明において吸熱温度(TD)と定義する。
本発明において加熱体は従来の熱ロールに比べてその熱
容量が小さく、線状の加熱部を有するもので、加熱部の
最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
また、加熱体と加圧部材との間に位置するフィルムは、
厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好まし
く、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高い、ポリ
エステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA
(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、ポリイミド、ポリアミドなどのポリマーシートの
他、アルミニウムなどの金属シート及び、金属シートと
ポリマーシートから構成されたラミネートシートが用い
られる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シ
ートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることであ
る。
[実施例] 以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施態様を
説明するが、これは本発明をなんら限定するものではな
い。
第4a図に本発明の定着装置の構造図を示す。
11は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であっ
て、一例として厚み1.0mm,巾10mm,長手長240mmのアルミ
ナ基板12に抵抗材料13を巾1.0mmに塗工したもので長手
方向両端より通電される。通電はDC 100Vの周期20msec
のパルス状波形で検温素子14によりコントロールされた
所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルスをそのパ
ルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5msec〜5ms
ecとなる。この様にエネルギー、温度制御された加熱体
11に当接して、図中矢印方向に定着フィルム15は移動す
る。この定着フィルムの一例として厚み20μmの耐熱フ
ィルム、例えばポリイミド,ポリエーテルイミド,PES,P
FAに少なくとも画像当接面にPTFE,PAF等のフッ素樹脂に
導電材を添加した離型層を10μmコートしたエンドレス
フィルムである。一般的には総厚100μより好ましくは4
0μ未満。フィルム駆動は駆動ローラー16と従動ローラ
ー17による駆動とテンションにより矢印方向にシワなく
移動する。
18はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有する
加圧ローラーで総圧4〜20kgでフィルムを介して加熱体
を加圧しフィルムと圧接回転する。転写材19上の未定着
トナー20は、入口ガイド21により定着部に導かれ、上述
の加熱により定着像を得るものである。
以上はエンドレスベルトで説明したが第4b図の如く、シ
ート送り出し軸24及び巻取り軸27を使用し、定着フィル
ムは有端のフィルムであっても良い。
また画像形成装置としては複写機、プリンター、Fax等
のトナーを用いて画像を形成する装置全ての定着値に適
応するものである。
低熱容量線状加熱体11において検温素子14で検出された
温度がT1の場合、抵抗材料13に対向するフィルム15の表
面温度T2はT1とほぼ等しい。又フィルム15がトナー定着
面より剥離する部分におけるフィルム表面温度T3は前記
温度T1とT2とほぼ等しい温度である。
以下本発明の実施例、比較例で使用されるポリエステル
樹脂の製造例とその樹脂を結着樹脂としたトナーの製造
例を挙げ説明するが、何ら本発明を限定するものではな
い。
本発明のグラフト変性ワックスの一例を表−1に示す。
(1) ポリエステル樹脂Aの製造例 以上の構成原料を合計量で1500gを温度計、ステンレス
スチール製撹拌器、ガラス製窒素導入管及び流下式コン
デンサーを備えた2容量の4つ口丸底フラスに入れ
た。次いでフラスコをマントルヒーター中におきガラス
導入管より窒素ガスを導入して反応器内を不活性雰囲気
を保ち昇温した。その後、0.10gのジブチルチンオキサ
イドを加え210℃に保ち12時間共縮合反応させポリエス
テル樹脂を得た。この樹脂の酸価は12.0であった。
(2) トナーAの製造例 上述の製造例によるポリエステル樹脂A100重量部、磁性
粉(磁性酸化鉄)60重量部、有機金属錯体(3.5−ジタ
ーシャリブチルサリチル酸のクロム錯体)1重量部、本
発明の離型剤1(表−1)4重量部を2軸混練押出機に
より溶融混練(混練温度140℃)した後、冷却し気流式
粉砕機で粉砕し風力分級機により分級し、平均粒径約12
μmの黒色微粉末を得た。
この黒色微粉末15gを加圧成形器を用いて成形物の第1
図に示す高架式フローテスターによるta=120℃におけ
る見掛粘度η′及びtb=150℃における見掛粘度
η′は、それぞれ1×105poise,6×103poiseであり、
又この見掛粘度の自然対数lnη′の温度に対する傾きの
絶対値は0.09ln(poise)/℃であった。
次いで、該黒色微粉末100重量部に対して、疎水性シリ
カ粉末を0.4重量部添加混合してトナーAを得た。更
に、このトナーAのTDは65℃であった。
(3) トナーBの製造例 トナーAの離型剤を本発明の離型剤6(表−1)に変え
たのみで同様にトナーBを得た。
トナーBの溶融粘度特性はほぼトナーAと同等であっ
た。
実施例1 第4a図に示す本発明の加熱定着器において、加熱体11の
検温素子表面温度t1は200℃、加熱部の抵抗材料の消費
電力は150W、加熱体11と加圧ローラー21間の総圧は13k
g、加圧ローラーとフィルムのニップは3mm、定着フィル
ム18の回転速度は120mm/secに設定した。
耐熱シートとしては記録材との接触面にPTFEに導電性物
質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ20μmのポ
リイミドフィルムを使用した。この時加熱体の検温素子
表面温度T1が185℃に達するまで要した時間は約3秒で
あった。さらに、温度T2は183℃であり、温度T3は182℃
であった。
評価方法として市販のキヤノン製複写機NP−270REの定
着器を取りはずした改造機を用いトナーAの未定着画像
を得た。記録材としては市販の複写機用紙キヤノンニュ
ードライペーパー(キヤノン販売社)の54g/m2紙を用い
た。得られたトナーAの未定着画像を上記定着機により
定着画像を得た。
定着画像の定着試験は、未定着画像を200枚連続通紙し
て定着画像を得、1,10,50,100,200枚目を50g/cm2の荷重
をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低
下率(%)で表わした。また耐オフセット試験は、未定
着画像を連続定着させ、何枚の定着で定着画像あるいは
定着フィルムが汚れるか評価をした。
その結果、定着性は200枚通紙の初期及び200枚目でもほ
ぼ一定しており1〜3%と良好であった。また耐オフセ
ット性は20000枚の通紙後でも定着フィルム18及び加圧
ローラー21表面へのトナー付着はほとんど見られなかっ
た。又得られた画像はニジミ、裏移りのない良好なもの
であった。
実施例2 トナーBを用い実施例1同様に定着試験を行った。その
結果トナーA同様トナーBは、定着性、耐オフセット性
に優れたものであった。
(4) ポリエステル樹脂Bの製造例 以上を構成原料とする以外はポリエステルAと同様にし
てポリエステルBを得た。この樹脂の酸価は21.5であっ
た。
(5) トナーCの製造例 上述の製造例によるポリエステル樹脂B100重量部、本発
明の離型剤7(表−1)4重量部、磁性粉(磁性酸化
鉄)60重量部、有機金属化合物(アセチルアセトン鉄)
0.5重量部、以上を2軸混練押出機により溶融混練(混
練温度140℃)した後、冷却し気流式粉砕機で粉砕し風
力分級機により分級し、平均粒径約12μmの黒色微粉末
を得た。
この黒色微粉末15gを加圧成形器を用いて成形物の第1
図に示す高架式フローテスターによるta=120℃におけ
る見掛粘度 η′及びtb=150℃に於ける見掛粘度η
′は、それぞれ6.0×104poise,1.2×103poiseであ
り、又この見掛粘度の自然対数lnη′の温度に対する傾
きの絶対値は0.13ln(poise)/℃であった。
次いで、該黒色微粉末100重量部に対して、疎水性シリ
カ粉末を0.4重量部添加混合してトナーBを得た。さら
に、このトナーCのTD=73℃であった。
(b) トナーDの製造例 トナーCの離型剤を本発明の離型剤11(表−1)に変え
たのみで他はトナーCと同様にトナーDを得た。
実施例3 実施例1において加熱体11の検温素子表面温度t1を190
℃、定着フィルムの回転速度を150mm/secに設定する以
外は実施例1と同様にトナーCを用い定着試験、耐オフ
セット試験を行い、定着性は1〜3%と良好であり、耐
オフセット性も2000枚まで良好であった。
また定着器のウエイトタイムも約3秒と実施例1と同様
であり、このとき温度T2は188℃であり、温度T3は187℃
であった。
又、得られた画像はニジミ、裏移りのない良好なもので
あった。
実施例4 実施例3において、トナーをトナーDとして定着試験を
行った。その結果トナーDは定着性、耐オフセット性に
関してトナーCと同様に優れたものであった。
(7) トナーEの製造例 ポリエステル樹脂A100重量部、磁性粉(磁性酸化鉄)60
重量部、有機金属錯体(3.5ジターシャリーブチルサリ
チル酸クロム錯体)1重量部、未変性ポリエチレンワッ
クス4重量部をトナーAと同様に混練、粉砕、分級しト
ナーDを得た。溶融粘度はトナーAと同等なものであっ
た。
比較例1 実施例1においてトナーをトナーEとして定着試験を行
った。その結果、定着性は200枚通紙の初期及び200枚目
でもほぼ一定しており3〜5%とトナーA(実施例1)
よりやや劣った結果となった。また耐オフセット性は、
1000枚では、トナーAと同等であったが、20000枚の通
紙後、加圧ローラー、定着フィルム表面へのトナーの付
着が生じた。
[発明の効果] 以上のように本発明によるとオフセットもなく、高品質
な画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図は、トナーまたは結着樹脂の溶融粘
度を測定するための高架式フローテスターの概略的断面
図を示す。 第2図は、トナーまたは結着樹脂の粘度の自然対数の温
度に対する傾きに関するグラフを示す図である。 第3図は、トナーの吸熱ピークを示すグラフである。 第4a図は、本発明の定着方法を実施するための定着装置
の概略的断面図を示し、第4b図は、本発明の別の態様の
定着方法を実施するための定着装置の概略的断面図を示
す。 11……加熱体、12……アルミナ基板 13……抵抗材料、14……検温素子 15……定着フィルム、16……駆動ローラー 17……従動ローラー、18……加圧ローラー 19……記録材、20……未定着トナー顕画像 21……入口ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐見 雄介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山崎 益夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−254151(JP,A) 特開 昭61−84657(JP,A) 特開 昭63−2074(JP,A) 特開 昭63−75755(JP,A) 特開 昭63−128363(JP,A) 特開 昭58−100139(JP,A) 特開 昭59−231547(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録材にトナーの顕画像を加熱定着する方
    法において、該トナーが少なくとも、 (A) エーテル化ビスフェノール類と、 (B) 全酸成分中、30mol%以上の芳香族ジカルボン
    酸類と、 (C) 全酸量に対し、5〜40重量%のアルケニル置換
    ジカルボン酸類及び/又はアルキル置換ジカルボン酸類
    と、 (D) 3価以上のポリカルボン酸類及び/又は3価以
    上のポリオール類とから形成された酸価5〜60のポリエ
    ステル樹脂と、該樹脂に対して0.2〜6重量%の2価以
    上の金属を含む有機金属化合物とを含有し、かつ着色成
    分および離型性成分を含有し、高架式フローテスターに
    よるトナーの溶融粘度η′が120℃〜150℃の温度範囲の
    いずれかの温度で103〜106poiseであり、120℃,150℃の
    溶融粘度の自然対数lnη′を温度に対してプロットした
    際に、そのグラフの傾きの絶対値が0.50ln(poise)/
    ℃以下である特性を有し、さらに該離型性成分は、160
    ℃における溶融粘度が1〜250cpsの範囲である芳香族ビ
    ニルモノマー及び、不飽和脂肪酸または、不飽和脂肪酸
    エステルによりグラフト変性されたポリオレフィンであ
    り全結着樹脂量に対し0.1〜20重量パーセントを含有す
    るものであり、 該トナーの顕画像を、固定支持された加熱体と該加熱体
    に対向圧接しかつフィルムを介して該記録材を該加熱体
    に密着させる加圧部材とにより記録材に加熱定着するこ
    とを特徴とする加熱定着方法。
  2. 【請求項2】トナーの顕画像を、固定支持された加熱体
    と該加熱体に対向圧接し、且つフィルムを介して該記録
    材を該加熱体に密着させる加圧部材とにより記録材に加
    熱定着する定着方法に使用されるトナーにおいて、少な
    くとも、 (A) エーテル化ビスフェノール類と、 (B) 全酸成分中、30mol%以上の芳香族ジカルボン
    酸類と、 (C) 全酸量に対し、5〜40重量%のアルケニル置換
    ジカルボン酸類及び/又はアルキル置換ジカルボン酸類
    と、 (D) 3価以上のポリカルボン酸類及び/又は3価以
    上のポリオール類とから形成された酸価5〜60のポリエ
    ステル樹脂と、該樹脂に対して0.2〜6重量%の2価以
    上の金属を含む有機金属化合物とを含有し、かつ着色成
    分および離型性成分を含有し、高架式フローテスターに
    よるトナーとしての溶融粘度η′が120℃〜150℃の温度
    範囲のいずれかの温度で103〜106poiseであり、120℃,1
    50℃の溶融粘度の自然対数lnη′を温度に対してプロッ
    トした際に、そのグラフの傾きの絶対値が0.50ln(pois
    e)/℃以下であり、さらに該離型性成分は、160℃にお
    ける溶融粘度が1〜250cpsの範囲である、芳香族ビニル
    モノマー及び、不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステ
    ルによりグラフト変性されたポリオレフィンであり、全
    結着樹脂量に対し0.1〜20重量パーセントを含有するこ
    と を特徴とする加熱定着用トナー。
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