JPH0781617A - 車体前部構造 - Google Patents

車体前部構造

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Publication number
JPH0781617A
JPH0781617A JP25655093A JP25655093A JPH0781617A JP H0781617 A JPH0781617 A JP H0781617A JP 25655093 A JP25655093 A JP 25655093A JP 25655093 A JP25655093 A JP 25655093A JP H0781617 A JPH0781617 A JP H0781617A
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JP
Japan
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vehicle body
front side
side bracket
bracket
side member
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JP25655093A
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English (en)
Inventor
Masahide Kuyama
昌英 久山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロントサイドメンバの折れ曲がりを防止し
て適正に座屈させる。 【構成】 フロントサイドメンバ21の上面にエンジン
マウント22の車体側ブラケット22bを取付け、これ
より車体前方側を、この車体側ブラケット22bの前側
上縁部22eとフロントサイドメンバ21の前端上辺部
21aとを直線状に結ぶ傾斜上面部21bと下面部とを
両側でそれぞれ連結する側面部とにより閉断面形状に形
成して、前記車体側ブラケット22bの傾倒を防止する
構造とし、このフロントサイドメンバ21を折れ曲がら
させずに座屈させることにより、エネルギー吸収量を高
める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パワーユニットが取
付けられる車体前部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンとトランスミッション等を一体
に構成したパワーユニットは、車体前部のエンジンルー
ム内に配設されるとともに、車体前部の強度部材に対し
て、エンジンマウントを介して取付けられている。
【0003】例えば図9ないし図11は、従来の車両に
おけるパワーユニットの取付け状態を示すもので、図1
1のエンジンルームの平面図に示されるように、パワー
ユニット1は、車体前部のダッシュパネル2によって客
室3側と画成されているエンジンルーム4内に配設され
ている。そのエンジンルーム4の両側には、フロントバ
ンパ5が取付けられた車体前端のフロントクロスメンバ
6から前記ダッシュパネル2までほぼ水平に延在し、そ
こから後方下部へ湾曲して、前記客室3のフロア面にほ
ぼ水平に接続された中空閉断面のフロントサイドメンバ
7,7がそれぞれ設けられており、パワーユニット1の
両側部がこのフロントサイドメンバ7,7に、それぞれ
エンジンマウント8,8を介して固定されている。また
パワーユニット1の車体後方側の部分は、客室3のフロ
ア面とほぼ同じ高さとなるようにエンジンルーム4の下
部に設けられたサスペンションクロスメンバ9の上面側
に、エンジンマウント10を介して固定されている。
【0004】さらに、パワーユニット1の車体前方側
は、前記両フロントサイドメンバ7,7の前端間を連結
するフロントクロスメンバ6の車幅方向中央と、前記サ
スペンションクロスメンバ9の車幅方向中央とを連結す
るセンタメンバ11の上面に、エンジンマウント12を
介して固定されている。またフロントサイドメンバ7に
連結された前記エンジンマウント8は、それぞれエンジ
ン側ブラケット8aおよび車体側ブラケット8bと、こ
の両ブラケット8a,8bを、ゴム製インシュレータ8
cを介して連結する連結ボルト8dとから構成されてい
る。
【0005】そして、パワーユニット1の両側部を、そ
れぞれエンジンマウント8を介して取付けたフロントサ
イドメンバ7,7は、図9に示すように、その車体前後
方向のほぼ中央の上面に、断面“コ”字形の車体側ブラ
ケット8bが溶接されており、この車体側ブラケット8
bに、パワーユニット1に取り付けられたパワーユニッ
ト側ブラケッ8aの先端部が、インシュレータ12を介
して取り付けられている。
【0006】そして、この車両が正面衝突した場合等
に、車体前方側から大きな荷重Ft が加わると、この衝
突荷重は、バンパ5に接続されているフロントサイドメ
ンバ7に伝わり、この中空閉断面のフロントサイドメン
バ7の前方部分7aが座屈することによって衝突エネル
ギーを効果的に吸収する構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のフロ
ントサイドメンバに衝突荷重Ft が加わると、その上面
に、エンジンマウント8の車体側ブラケット8bを介し
てエンジンを含む大重量物であるパワーユニット1が取
り付けられているため、このパワーユニット1が、慣性
によって前方(図において左方)へ移動しようとし、前
記車体側ブラケット8bを前方へ押動する。このとき、
前記車体側ブラケット8bが、フロントサイドメンバ7
の上面に取付けられ、しかも、この車体側ブラケット8
bへのパワーユニット側ブラケット8aの連結部が、中
空閉断面のフロントサイドメンバ7の軸心から上方に大
きく外れているため、前記パワーユニット側ブラケット
8aに加わる荷重Fe によって、図に矢印で示すモーメ
ントMが発生し、車体側ブラケット8bをその取付け部
を支点に回動することとなる。その結果、フロントサイ
ドメンバ7は、車体側ブラケット8bの取付けられてい
る位置において上下方向に折れ曲がってしまい、そのた
め、座屈した場合よりエネルギーの吸収率が大幅に低下
するという問題があった。
【0008】そこで、従来においては、特開平1−30
9881号公報にも記載されているように、フロントサ
イドメンバの内部にリインフォースを設けて補強するこ
とによって折れ曲がりを防止し、このフロントサイドメ
ンバを適正に座屈させることによて、高効率のエネルギ
ー吸収を可能として、衝突荷重の乗員への影響を低減し
ている。しかし、このように、フロントサイドメンバに
リインフォースを設けて適正に座屈させるようにするに
は、リインフォースを設ける位置や、リインフォースの
強度等を決定するためには、コンピュータによる計算等
の机上の作業のみでは決定できず、繰り返し実験してチ
ューニングする必要があり、さらに最終的には、実車に
よって衝突試験を行って決定しているのが現状であっ
た。したがって、リインフォースを用いずにフロントサ
イドメンバの折れ曲がりを防止すれば、以上のような繁
雑なチューニング作業等が不要となるとともに、リィン
フォースの分だけ車両を軽量化することができる。
【0009】この発明は、上記の問題点に鑑みなされた
もので、リインフォースを用いずに、車両衝突時にフロ
ントサイドメンバを適正に座屈させることのできる車体
前部構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段としてこの発明は、車体前部のエンジンルーム
内に配設されるパワーユニットの両側部を、車体前後方
向に延在するようにエンジンルームの両側に設けられた
中空状のフロントサイドメンバに対して、エンジン側ブ
ラケットと車体側ブラケットと、この両ブラケットをイ
ンシュレータを介して連結する連結部材とからなるエン
ジンマウントによってそれぞれ取付ける車体前部構造に
おいて、フロントサイドメンバの上面に前記車体側ブラ
ケットが取付けられるとともに、そのフロントサイドメ
ンバの車体側ブラケットの取付け位置より車体前方側
が、車体側ブラケットの前側上縁部とフロントサイドメ
ンバの前端上辺部とを直線状に結ぶ傾斜上面部と、この
傾斜上面部と下面部とをその両側でそれぞれ連結する側
面部とにより閉断面形状に形成されていることを特徴と
している。
【0011】また、車体前部のエンジンルーム内に配設
されるパワーユニットの両側部を、車体前後方向に延在
するようにエンジンルームの両側に設けられた中空状の
フロントサイドメンバに対して、エンジン側ブラケット
と車体側ブラケットと、この両ブラケットをインシュレ
ータを介して連結する連結部材とからなるエンジンマウ
ントによってそれぞれ取付ける車体前部構造において、
フロントサイドメンバの上面に前記車体側ブラケットが
取付けられるとともに、そのフロントサイドメンバの下
面で前記車体側ブラケットの取付け位置の下側となる部
分に、前記パワーユニットの別の支持部を、エンジンマ
ウントを介して連結する連結部が設けられていることを
特徴としている。
【0012】さらに、車体前部のエンジンルーム内に配
設されるパワーユニットの両側部を、車体前後方向に延
在するようにエンジンルームの両側に設けられた中空状
のフロントサイドメンバに対して、エンジン側ブラケッ
トと車体側ブラケットと、この両ブラケットをインシュ
レータを介して連結する連結部材とからなるエンジンマ
ウントによってそれぞれ取付ける車体前部構造におい
て、フロントサイドメンバの側面に取付け孔が形成され
るとともに、筒状に形成された車体側ブラケットが前記
取付け孔に嵌装固着され、この筒状の車体側ブラケット
内にインシュレータを嵌挿させ、このインシュレータに
対して、パワーユニット側に取付けられた前記エンジン
側ブラケットを連結部材により連結したことを特徴とし
ている。
【0013】
【作用】上記のように、パワーユニットの両側部を、フ
ロントサイドメンバに対して、エンジンマウントを介し
てそれぞれ取付けるにあたり、フロントサイドメンバ
は、その上面に前記車体側ブラケットが取付けられると
ともに、この車体側ブラケットの取付け位置より前方側
を、車体側ブラケットの前側上縁部とフロントサイドメ
ンバの前端上辺部とを直線状に結ぶ傾斜上面部と、この
傾斜上面部と下面部とをその両側でそれぞれ連結する側
面部とにより閉断面形状に形成されているので、正面衝
突時に前方から荷重が入力された際に、慣性により前方
へ移動しようとするパワーユニットの荷重が前記車体側
ブラケットに加わると、この車体側ブラケットがその下
面側だけでなく前面側もフロントサイドメンバに固着さ
れているため、この車体側ブラケットを傾倒させる方向
のモーメントの発生が防止される。その結果、フロント
サイドメンバは折れ曲がることなく前方へ押されて座屈
し、衝突荷重を効果的に吸収する。
【0014】また、前記フロントサイドメンバは、その
上面に前記車体側ブラケットが取付けられるとともに、
その下面で、前記車体側ブラケットの取付け位置の下側
となる位置に、前記パワーユニットの別の支持部を、エ
ンジンマウントを介して連結する連結部が設けられてい
るので、正面衝突時に前方から荷重が入力された際に、
慣性により前方へ移動しようとするパワーユニットの荷
重が、前記フロントサイドメンバの上面及び下面に、そ
れぞれエンジンマウントを介して均等に加わる。その結
果、フロントサイドメンバは折れ曲がることなく水平方
向前方に押されて座屈し、衝突荷重を効果的に吸収す
る。
【0015】さらに、前記フロントサイドメンバは、そ
の車体前後方向のほぼ中央の側面に取付け孔が形成され
るとともに、この取付け孔内に筒状に形成された車体側
ブラケットが嵌装固着され、この筒状の車体側ブラケッ
ト内にインシュレータを圧入嵌合させ、このインシュレ
ータに対して、パワーユニット側に取付けられた前記エ
ンジン側ブラケットを連結部材により連結したので、正
面衝突時に前方から荷重が入力された際に、慣性により
前方へ移動しようとするパワーユニットの荷重が、前記
フロントサイドメンバの中心の軸線方向に加わるため、
フロントサイドメンバは折れ曲がることなく前方へ押さ
れて座屈し、衝突荷重を効果的に吸収する。
【0016】
【実施例】以下、この発明の車体前部構造の実施例を図
1ないし図8に基づいて説明する。
【0017】図1および図2はこの発明の第1実施例の
車体前部構造の主要部材であるフロントサイドメンバ2
1を示すもので、このフロントサイドメンバ21は、モ
ノコックボデーの車両のエンジンルーム内の両側部を補
強するために前後方向に延在させて設けられており、エ
ンジンルーム内の重量物であるエンジンとトランスミッ
ション等を一体に組付けたパワーユニット(図示せず)
が、その両側部をエンジンマウント22を介してこのフ
ロントサイドメンバ21に支持されている。
【0018】前記エンジンマウント22は、パワーユニ
ット側に取付けるエンジン側ブラケット22aと、フロ
ントサイドメンバ21に取付ける断面“コ”字形の車体
側ブラケット22bと、この両ブラケット22a,22
b間にインシュレータ22cを介装して連結する連結ボ
ルト22dとから構成されている。
【0019】また前記フロントサイドメンバ21,21
は、ほぼ“L”字形の中空部材で、図示してないが、そ
れぞれ車体後方側(図1において右側)の下端を客室側
のフロア面に連結され、このフロア面に連結した部分の
上方において直角に折曲して車体前方側(図1において
左側)にほぼ水平に延設され、その前端部はフロントク
ロスメンバに接続されている。
【0020】そして、各フロントサイドメンバ21の上
面には、その車体前後方向ほぼ中央に断面“コ”字形の
前記車体側ブラケット22bが、その対向する2枚の側
壁が車体前後方向となるように溶接されおり、この車体
側ブラケット22bの前方側の側壁の上縁部22eと、
車体側ブラケット22bが溶接されている上面の延長線
上となる、フロントサイドメンバ21の前端上辺部21
aとは、傾斜上面部21bによって接続されるととも
に、この傾斜上面部21b及び車体側ブラケット22b
の前側の側壁とフロントサイドメンバ21の下面部との
間は、側面部材を溶接して中空閉断面に形成されてい
る。
【0021】そして前記車体側ブラケット22bには、
その前後方向に配設された2つの側壁の間に、エンジン
側ブラケット22aの先端部がインシュレータ22cを
介して取付けられている。
【0022】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、例えば車両の正面衝突時に前方か
ら荷重Ft が入力されると、慣性により前方へ移動しよ
うとするパワーユニットのエネルギーFe が前記車体側
ブラケット22bに加わる。このとき、車体側ブラケッ
ト22bは、その下面側をフロントサイドメンバ21の
上面に溶接されるとともに、その前方側を傾斜上面部と
側面部材とにそれぞれ連接されているため、この車体側
ブラケット22bは、インシュレータ22cを介して取
付けられたエンジン側ブラケットの連結点、すなわち入
力点が、フロントサイドメンバ21の取付け面より高い
位置であっても、この車体側ブラケット22bを前記上
面への取付け部を支点に前方へ回動するモーメントの発
生が防止される。そのため、このフロントサイドメンバ
21は、上下方向に折れ曲がることなく前方へ押され、
車体側ブラケット22bの取付け位置より前の部分が座
屈して、衝突エネルギーが効果的に吸収される(図2参
照)。
【0023】また、図3および図4はこの発明の第2実
施例の車体前部構造の主要部材であるフロントサイドメ
ンバ31を示すもので、このフロントサイドメンバ31
は、エンジンルーム内の両側部に前後方向に延在するよ
うに設けられており、このフロントサイドメンバ31に
パワーユニット30が、その両側部を支持されている。
【0024】また前記各フロントサイドメンバ31は、
ほぼ“L”字形の中空部材で、図示してないが、車体後
方側(図3において右側)の下端を客室側のフロア面に
連結し、また車体前方側(図3において左側)にほぼ水
平に延設された部分の前端部はフロントクロスメンバに
接続されている。
【0025】そして、このフロントサイドメンバ31の
上面には、その車体前後方向ほぼ中央にエンジンマウン
ト32が、またこのエンジンマウント32の取付け位置
の下面には補助マウント33がそれぞれ取付けられてい
る。そして、前記エンジンマウント32は、パワーユニ
ット30側に取付けるエンジン側ブラケット32aと、
フロントサイドメンバ31に取付ける断面“コ”字形の
車体側ブラケット32bと、この両ブラケット32a,
32b間にインシュレータ32cを介装して連結する連
結ボルト32dとから構成されている。また前記補助マ
ウント33は、フロントサイドメンバ31の下面に取付
ける車体側ブラケット33bと、この車体側ブラケット
33bの取付け位置より車体後方側においてパワーユニ
ット30に取付けられるエンジン側ブラケット33a
と、両ブラケット33a,33bをインシュレータを介
して連結する連結部材33cとから構成されている。
【0026】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、例えば車両の正面衝突時に前方か
ら荷重Ft が入力されると、慣性により前方へ移動しよ
うとするパワーユニット30のエネルギーFe が、フロ
ントサイドメンバ31の車体前後方向のほぼ中央の上面
に取付けられたエンジンマウント32と、これと対応す
る下面側の位置に取付けられた補助マウント33とにそ
れぞれ加わる。したがって、ほぼ等しい前向きの力がフ
ロントサイドメンバ31の上面と下面とに同時に加わる
ため、フロントサイドメンバ31は、上下方向に折れ曲
がらずに前方へ押されて座屈し、衝突エネルギーが効果
的に吸収される(図4参照)。
【0027】なお、この実施例においては、補助マウン
ト33の両ブラケット33a,33b間を、圧縮材とな
る連結部材で連結して、パワーユニット30の前後方向
の移動のみを規制するようにしたが、図5に示すよう
に、フロントサイドメンバ31の下面側をパワーユニッ
ト30側と連結する補助マウント34を、フロントサイ
ドメンバ31の下面に取付ける車体側ブラケット34b
と、この車体側ブラケット34bの取付け位置より車体
後方側においてパワーユニット30側に取付けられるエ
ンジン側ブラケット34aと、この両ブラケット34
a,34b間を、引っ張り材となる連結部材34cで連
結しても、フロントサイドメンバ31の折れ曲がりを防
止して、ほぼ同様の作用効果が得られる。
【0028】さらに、図6ないし図8は、この発明の第
3実施例の車体前部構造の主要部材であるフロントサイ
ドメンバ41を示すもので、このフロントサイドメンバ
41は、エンジンルーム内の両側部に前後方向に延在す
るように設けられているもので、このフロントサイドメ
ンバ41にパワーユニット40が、その両側部を支持さ
れている。
【0029】また前記フロントサイドメンバ41は、ほ
ぼ“L”字形の中空部材で、図示してないが、車体後方
側(図6において右側)の下端を客室側のフロア面に連
結し、また車体前方側(図6において左側)にほぼ水平
に延設された部分の前端部はフロントクロスメンバに接
続されている。
【0030】そして、フロントサイドメンバ41の側面
には、その車体前後方向ほぼ中央に貫通孔41aが形成
されるとともに、この貫通孔41aの内側には、円筒形
の構造部材41bが溶接されて補強されている。
【0031】また、前記円筒状の構造部材41bの内側
には、同じく円筒状の車体側ブラケット42bが、圧入
嵌合されるとともに、鍔状に張出したフランジ部42c
を、フロントサイドメンバ41の側面にボルト止めされ
ている。また、円筒状の前記車体側ブラケット42の内
側には、ゴム製で円柱状のインシュレータ43が、その
外周面を車体側ブラケット42の内周面に接着されてお
り、このインシュレータ43の中心には小径のボルト孔
が軸方向に貫通形成されており、またこのボルト孔に
は、このインシュレータ43の厚さより若干長い金属管
製の内筒44が挿着されている。そして、前記パワーユ
ニット40に取り付けられたエンジン側ブラケット42
aに形成された取付け孔に挿通した連結ボルト45の先
端側を、前記内筒44に挿通するとともに、内筒44か
ら延出した部分にフランジナット45を螺合して抜け止
めされて連結されている。
【0032】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、例えば車両の正面衝突時に前方か
ら荷重Ft が入力されると、慣性により前方へ移動しよ
うとするパワーユニット40のエネルギーFe が、フロ
ントサイドメンバ41の車体前後方向のほぼ中央の側面
に、このフロントサイドメンバ41の高さ方向中央に形
成された貫通孔41a内に取付けられた円筒形の車体側
ブラケット42bにインシュレータ43を介して連結さ
れているため、正面衝突時の慣性により車体側ブラケッ
ト42bを介して前向きの力がフロントサイドメンバ4
1の軸線上に加わるため、フロントサイドメンバ41
は、上下方向に折れ曲がらずに前方へ押されて座屈し、
衝突エネルギーが効果的に吸収される(図7参照)。
【0033】したがって、前記各実施例のように構成す
ることによって、フロントサイドメンバ21,31,4
1の折れ曲がりを防止するためのリインフォースを設け
る必要がなくなるため、リインフォースの形状や取付け
位置等を決定するために繰り返し行うチューニング作業
が不要となるとともに、リインフォースを取付けること
による車体重量の増加を無くすことができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の車体前部
構造は、その主要部材であるフロントサイドメンバが、
その上面に取付けた車体側ブラケットより前方側を、車
体側ブラケットの前側上縁部とフロントサイドメンバの
前端上辺部とを直線状に結ぶ傾斜上面部と、この傾斜上
面部と下面部とをその両側でそれぞれ連結する側面部と
により閉断面形状に形成されているので、前方から衝突
荷重が加わった際にパワーユニットの荷重が前記車体側
ブラケットに加わっても、この車体側ブラケットを転倒
させる方向のモーメントが防止されるため、フロントサ
イドメンバが折れ曲がらず、適正に座屈して衝突エネル
ギーを効果的に吸収することができる。
【0035】また、フロントサイドメンバの上面と下面
とにそれぞれ車体側ブラケットを設けて、この両方にパ
ワーユニットを支持すれば、衝突荷重が前方から加わっ
た際にパワーユニットの荷重が両車体側ブラケットを介
してフロントサイドメンバの上下両面にほぼ等しくに加
わるため、フロントサイドメンバが折れ曲がらず、適正
に座屈して衝突エネルギーを効果的に吸収することがで
きる。
【0036】さらに、フロントサイドメンバの側面に取
付け孔が形成され、この取付け孔内に筒状に形成された
車体側ブラケットが嵌装固着され、さらにこの内側にイ
ンシュレータを嵌挿させ、このインシュレータに対し
て、パワーユニット側に取付けられた前記エンジン側ブ
ラケットを連結部材により連結すれば、前方から衝突荷
重が加わった際にパワーユニットの荷重が前記フロント
サイドメンバの軸心方向に加わるため、フロントサイド
メンバが折れ曲がらず、適正に座屈して衝突エネルギー
を効果的に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の車体前部構造における
フロンドサイトメンバの側面図である。
【図2】この実施例におけるフロントサイドメンバに衝
突荷重が加わった際の変形状態を示す説明図である。
【図3】この発明の第2実施例の車体前部構造における
フロントサイドメンバへのエンジンマウントの取付け状
態を示す説明図である。
【図4】この実施例におけるフロントサイドメンバに衝
突荷重が加わった際の変形状態を示す説明図である。
【図5】この実施例の別の対応を示すフロントサイドメ
ンバへのエンジンマウントの取付け状態を示す説明図で
ある。
【図6】この発明の第3実施例の車体前部構造における
フロントサイドメンバへのエンジンマウントの取付け状
態を示す説明図である。
【図7】この実施例におけるフロントサイドメンバに衝
突荷重が加わった際の変形状態を示す説明図である。
【図8】この実施例のエンジンマウントの部分拡大断面
図である。
【図9】従来のフロントサイドメンバへのエンジンマウ
ントの取付け状態を示す説明図である。
【図10】従来のフロントサイドメンバに衝突荷重が加
わった状態を示す説明図である。
【図11】車両の前部構造を示す平面図である。
【符号の説明】
21 フロントサイドメンバ 21a 前端上辺部 21b 傾斜上面部 22 エンジンマウント 22a エンジン側ブラケット 22b 車体側ブラケット 22c インシュレータ 22d 連結部材 22e 前側上縁部 30 パワーユニット 33 補助マウント 42b 円筒状の車体側ブラケット 43 円柱状のインシュレータ 45 連結ボルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前部のエンジンルーム内に配設され
    るパワーユニットの両側部を、車体前後方向に延在する
    ようにエンジンルームの両側に設けられた中空状のフロ
    ントサイドメンバに対して、エンジン側ブラケットと車
    体側ブラケットと、この両ブラケットをインシュレータ
    を介して連結する連結部材とからなるエンジンマウント
    によってそれぞれ取付ける車体前部構造において、 フロントサイドメンバの上面に前記車体側ブラケットが
    取付けられるとともに、そのフロントサイドメンバの車
    体側ブラケットの取付け位置より車体前方側が、車体側
    ブラケットの前側上縁部とフロントサイドメンバの前端
    上辺部とを直線状に結ぶ傾斜上面部と、この傾斜上面部
    と下面部とをその両側でそれぞれ連結する側面部とによ
    り閉断面形状に形成されていることを特徴とする車体前
    部構造。
  2. 【請求項2】 車体前部のエンジンルーム内に配設され
    るパワーユニットの両側部を、車体前後方向に延在する
    ようにエンジンルームの両側に設けられた中空状のフロ
    ントサイドメンバに対して、エンジン側ブラケットと車
    体側ブラケットと、この両ブラケットをインシュレータ
    を介して連結する連結部材とからなるエンジンマウント
    によってそれぞれ取付ける車体前部構造において、 フロントサイドメンバの上面に前記車体側ブラケットが
    取付けられるとともに、そのフロントサイドメンバの下
    面で前記車体側ブラケットの取付け位置の下側となる部
    分に、前記パワーユニットの別の支持部を、エンジンマ
    ウントを介して連結する連結部が設けられていることを
    特徴とする車体前部構造。
  3. 【請求項3】 車体前部のエンジンルーム内に配設され
    るパワーユニットの両側部を、車体前後方向に延在する
    ようにエンジンルームの両側に設けられた中空状のフロ
    ントサイドメンバに対して、エンジン側ブラケットと車
    体側ブラケットと、この両ブラケットをインシュレータ
    を介して連結する連結部材とからなるエンジンマウント
    によってそれぞれ取付ける車体前部構造において、 フロントサイドメンバの側面に取付け孔が形成されると
    ともに、筒状に形成された車体側ブラケットが、前記取
    付け孔に嵌装固着され、この筒状の車体側ブラケット内
    にインシュレータを嵌挿させ、このインシュレータに対
    して、パワーユニット側に取付けられた前記エンジン側
    ブラケットを連結部材により連結したことを特徴とする
    車体前部構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010083259A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Mazda Motor Corp 車体前部構造
EP2382105A1 (fr) * 2009-01-26 2011-11-02 Peugeot Citroën Automobiles SA Dispositif de suspension inferieure d'un moteur de vehicule automobile

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