JPH0780865B2 - L−アスコルビン酸のレチノイルエステル - Google Patents
L−アスコルビン酸のレチノイルエステルInfo
- Publication number
- JPH0780865B2 JPH0780865B2 JP20998386A JP20998386A JPH0780865B2 JP H0780865 B2 JPH0780865 B2 JP H0780865B2 JP 20998386 A JP20998386 A JP 20998386A JP 20998386 A JP20998386 A JP 20998386A JP H0780865 B2 JPH0780865 B2 JP H0780865B2
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- ascorbic acid
- retinoyl
- ester
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 本発明者は、先にレチノイン酸やレチノール(ビタミン
A)とL−アスコルビン酸(ビタミンC)とを併用する
と、血管内皮細胞に作用してプラスミノーゲンアクチベ
ータの産成を促進し、線溶系を更進することを見い出し
た。
A)とL−アスコルビン酸(ビタミンC)とを併用する
と、血管内皮細胞に作用してプラスミノーゲンアクチベ
ータの産成を促進し、線溶系を更進することを見い出し
た。
本発明は、レチノイン酸とL−アスコルビン酸とがエス
テル結合した新規物質を提供し、これが血管内皮細胞の
プラスミノーゲンアクチベータの活性の増大、レチノー
ルやレチノイン酸の親水性の増加、酸化による不安定性
の改善を目的とする。
テル結合した新規物質を提供し、これが血管内皮細胞の
プラスミノーゲンアクチベータの活性の増大、レチノー
ルやレチノイン酸の親水性の増加、酸化による不安定性
の改善を目的とする。
本発明は、L−アスコルビン酸の6−O−レチノイル、
2,6−O−ジレチノイル又は2,5,6,−O−トリレチノイ
ルエステル誘導体である。
2,6−O−ジレチノイル又は2,5,6,−O−トリレチノイ
ルエステル誘導体である。
L−アスコルビン酸は2、4、5及び6位に4個のヒド
ロキシ基をもつラクトンであり、レチノイン酸クロライ
ドとの常法による反応により6位、2、6位及び2、
5、6位の酸エステルがえられるが、6位のモノ置換体
が一般的である。即ち、低温窒素気流下で塩酸生成をお
さえながら、レチノイン酸と精製三塩化燐との反応によ
りレチノイン酸クロライドを得る。これを緩和な条件
下、陰イオン交換樹脂あるいは低濃度ピリジンの存在下
でL−アスコルビン酸と反応させ、反応液から抽出、更
にシリカゲルによるクロマトグラフイにより、目的のL
−アスコルビン酸のレチノイルエステルを得る。L−ア
スコルビン酸に対するレチノイン酸クロライドのモル比
を増加して反応させることにより、ジ置換体やトリ置換
体が得られる。
ロキシ基をもつラクトンであり、レチノイン酸クロライ
ドとの常法による反応により6位、2、6位及び2、
5、6位の酸エステルがえられるが、6位のモノ置換体
が一般的である。即ち、低温窒素気流下で塩酸生成をお
さえながら、レチノイン酸と精製三塩化燐との反応によ
りレチノイン酸クロライドを得る。これを緩和な条件
下、陰イオン交換樹脂あるいは低濃度ピリジンの存在下
でL−アスコルビン酸と反応させ、反応液から抽出、更
にシリカゲルによるクロマトグラフイにより、目的のL
−アスコルビン酸のレチノイルエステルを得る。L−ア
スコルビン酸に対するレチノイン酸クロライドのモル比
を増加して反応させることにより、ジ置換体やトリ置換
体が得られる。
本発明のL−アスコルビン酸のレチノイルエステルは、
それぞれを単用又は併用した場合に比べてさらに高いプ
ラスミノーゲンアクチベータ活性を示す。またビタミン
A作用及びビタミンC作用を有するため医薬、食品、化
粧品として有用である。
それぞれを単用又は併用した場合に比べてさらに高いプ
ラスミノーゲンアクチベータ活性を示す。またビタミン
A作用及びビタミンC作用を有するため医薬、食品、化
粧品として有用である。
実施例 1)レチノイン酸クロライドの合成 1gのレチノイン酸を100mlのトルエンに溶解し、モレキ
ユラーシーブ3Aを添加して一夜窒素存在下で乾燥した。
モレキユラーシーブを傾斜法によつて除去した後、これ
に氷冷下及び窒素気流下に950μlの精製三塩化燐を加
え、0℃で4時間反応させた。反応終了後、低温遮光下
で減圧濃縮し、レチノイン酸クロライド1.05gを得た。
これを乾燥ジメチルホルムアミド15mlに溶解した。
ユラーシーブ3Aを添加して一夜窒素存在下で乾燥した。
モレキユラーシーブを傾斜法によつて除去した後、これ
に氷冷下及び窒素気流下に950μlの精製三塩化燐を加
え、0℃で4時間反応させた。反応終了後、低温遮光下
で減圧濃縮し、レチノイン酸クロライド1.05gを得た。
これを乾燥ジメチルホルムアミド15mlに溶解した。
2)L−アスコルビン酸の6−O−レチノイルエステル
の合成 1.76gのL−アスコルビン酸を25mlのジメチルホルムア
ミドに溶解し、モレキユラーシーブ3A2gを加えて遮光下
で一夜乾燥した。モレキユラーシーブを除いたのち、2g
の乾燥アンバーライトIRA400(OH置換体)を加え、レチ
ノイン酸クロライド溶液15mlを滴下した。さらに遮光下
35℃で攪拌しながら5時間反応させた。反応終了後、低
温減圧濃縮で溶媒を除去したのち、250mlのメタノー
ル:クロロホルム=1:1に溶解、5M食塩水で洗浄したの
ち、250mlのn−ヘキサンを加え、4℃に冷却した。上
層を除去したのち下層を減圧濃縮し、粗生成物1.04gを
得た。これをシリカゲルによるクロマトグラフイ(エタ
ノール:クロロホルム=1:4)により2回精製し、目的
のL−アスコルビン酸の6−O−レチノイルエステル24
0mgを得た。mp:97℃ 精製標品はクロロホルム中で350nmに吸収極大を有し、
その吸光係数は45000である。
の合成 1.76gのL−アスコルビン酸を25mlのジメチルホルムア
ミドに溶解し、モレキユラーシーブ3A2gを加えて遮光下
で一夜乾燥した。モレキユラーシーブを除いたのち、2g
の乾燥アンバーライトIRA400(OH置換体)を加え、レチ
ノイン酸クロライド溶液15mlを滴下した。さらに遮光下
35℃で攪拌しながら5時間反応させた。反応終了後、低
温減圧濃縮で溶媒を除去したのち、250mlのメタノー
ル:クロロホルム=1:1に溶解、5M食塩水で洗浄したの
ち、250mlのn−ヘキサンを加え、4℃に冷却した。上
層を除去したのち下層を減圧濃縮し、粗生成物1.04gを
得た。これをシリカゲルによるクロマトグラフイ(エタ
ノール:クロロホルム=1:4)により2回精製し、目的
のL−アスコルビン酸の6−O−レチノイルエステル24
0mgを得た。mp:97℃ 精製標品はクロロホルム中で350nmに吸収極大を有し、
その吸光係数は45000である。
3)血管内皮細胞の培養 牛頸動脈より採取した血管内皮細胞を、55cm2ペトリ皿
上、10%牛胎児血清、ペニシリン(50U/ml)およびスト
レプトマイシン(50mcg/ml)を含む最小必須培地中で継
代培養した。15回植継ぎをおこなつた後に、ペトリ皿の
細胞を12枚の別の9cm2ペトリ皿に植継いだ。3日間上
記の条件で培養を行い、細胞をコンフルーエントにした
のちに、培養液中に、レチノイン酸、L−アスコルビン
酸及びL−アスコルビン酸の6−レチノイルエステルの
各々を終濃度が10μMとなるように添加し、5日間培養
をつづけた。(実験は対照も含め、3枚ずつ行つた。)
L−アスコルビン酸は2mMエタノール溶液を調製し、細
胞培養液2CCに10μlずつ加えた。培養液のエタノール
濃度はすべて0.5%に統一した。
上、10%牛胎児血清、ペニシリン(50U/ml)およびスト
レプトマイシン(50mcg/ml)を含む最小必須培地中で継
代培養した。15回植継ぎをおこなつた後に、ペトリ皿の
細胞を12枚の別の9cm2ペトリ皿に植継いだ。3日間上
記の条件で培養を行い、細胞をコンフルーエントにした
のちに、培養液中に、レチノイン酸、L−アスコルビン
酸及びL−アスコルビン酸の6−レチノイルエステルの
各々を終濃度が10μMとなるように添加し、5日間培養
をつづけた。(実験は対照も含め、3枚ずつ行つた。)
L−アスコルビン酸は2mMエタノール溶液を調製し、細
胞培養液2CCに10μlずつ加えた。培養液のエタノール
濃度はすべて0.5%に統一した。
4)プラスミノーゲンアクチベータ活性の測定各種条件
で、5日間培養した細胞を無血清培地で洗つたのちに、
2mlの無血清培地で8時間培養し、それぞれのコンデイ
シヨンメデイアを得た。2−3ミクロンのフイブリン粒
子からなる懸濁液を調製し、懸濁液700μlにプラスミ
ノゲン溶液100μlとコンデイシヨンメデイアもしくは
既知濃度のウロキナーゼ溶液200μlを加え、37℃で培
養した。経時的に反応系の濁度を計ることにより、各種
条件で培養した細胞から得たコンデイシヨンメデイア中
のプラスミノーゲンアクチベータ活性を測定し、ウロキ
ナーゼ国際単位に換算して表した。
で、5日間培養した細胞を無血清培地で洗つたのちに、
2mlの無血清培地で8時間培養し、それぞれのコンデイ
シヨンメデイアを得た。2−3ミクロンのフイブリン粒
子からなる懸濁液を調製し、懸濁液700μlにプラスミ
ノゲン溶液100μlとコンデイシヨンメデイアもしくは
既知濃度のウロキナーゼ溶液200μlを加え、37℃で培
養した。経時的に反応系の濁度を計ることにより、各種
条件で培養した細胞から得たコンデイシヨンメデイア中
のプラスミノーゲンアクチベータ活性を測定し、ウロキ
ナーゼ国際単位に換算して表した。
結果は表1に示すように、細胞外に産生されたプラスミ
ノーゲンアクチベータの活性は、対照に比べてレチノイ
ン酸で2.6倍、L−アスコルビン酸で1.5倍、さらにL−
アスコルビン酸の6−レチノイルエステルで13.8倍にそ
れぞれ増加した。
ノーゲンアクチベータの活性は、対照に比べてレチノイ
ン酸で2.6倍、L−アスコルビン酸で1.5倍、さらにL−
アスコルビン酸の6−レチノイルエステルで13.8倍にそ
れぞれ増加した。
Claims (1)
- 【請求項1】L−アスコルビン酸の6−O−レチノイ
ル、2,6−O−ジレチノイル又は2,5,6−O−トリレチノ
イルエステル誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20998386A JPH0780865B2 (ja) | 1986-09-06 | 1986-09-06 | L−アスコルビン酸のレチノイルエステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20998386A JPH0780865B2 (ja) | 1986-09-06 | 1986-09-06 | L−アスコルビン酸のレチノイルエステル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6366160A JPS6366160A (ja) | 1988-03-24 |
JPH0780865B2 true JPH0780865B2 (ja) | 1995-08-30 |
Family
ID=16581914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20998386A Expired - Lifetime JPH0780865B2 (ja) | 1986-09-06 | 1986-09-06 | L−アスコルビン酸のレチノイルエステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0780865B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10123960B2 (en) | 2013-11-15 | 2018-11-13 | Pcr Technology Holdings, Lc | Methods for treating of skin conditions with retinoid double conjugate compounds |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0467691A1 (en) * | 1990-07-20 | 1992-01-22 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Saccharoascorbic acid derivatives and their use |
WO1995016659A1 (en) * | 1993-12-15 | 1995-06-22 | Avon Products, Inc. | Novel retinoid conjugate compounds and methods for treating skin aging |
KR100761959B1 (ko) * | 2006-10-12 | 2007-10-04 | (주)코스몰 | 결정성 3-o-치환된 아스코르빈산의 제조방법 |
-
1986
- 1986-09-06 JP JP20998386A patent/JPH0780865B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10123960B2 (en) | 2013-11-15 | 2018-11-13 | Pcr Technology Holdings, Lc | Methods for treating of skin conditions with retinoid double conjugate compounds |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6366160A (ja) | 1988-03-24 |
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