JPH0780617A - 固液共存域ダイカスト用冷塊素材 - Google Patents
固液共存域ダイカスト用冷塊素材Info
- Publication number
- JPH0780617A JPH0780617A JP22582693A JP22582693A JPH0780617A JP H0780617 A JPH0780617 A JP H0780617A JP 22582693 A JP22582693 A JP 22582693A JP 22582693 A JP22582693 A JP 22582693A JP H0780617 A JPH0780617 A JP H0780617A
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- Japan
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- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 経済性に優れ、かつガス欠陥及び非金属介在
物が少なく、半融状態におけるダイカスト時の流動性が
良好な固液共存域ダイカスト用冷塊素材を得る。 【構成】 取鍋内で抜気除去及び非金属介在物を浮上・
沈降させる温度域に一たん保持した合金溶湯を、そのま
ま降温させ、液相線に対し−20℃〜+10℃の温度域で鋳
型に鋳込み凝固させてなる固液共存域ダイカスト用冷塊
素材。
物が少なく、半融状態におけるダイカスト時の流動性が
良好な固液共存域ダイカスト用冷塊素材を得る。 【構成】 取鍋内で抜気除去及び非金属介在物を浮上・
沈降させる温度域に一たん保持した合金溶湯を、そのま
ま降温させ、液相線に対し−20℃〜+10℃の温度域で鋳
型に鋳込み凝固させてなる固液共存域ダイカスト用冷塊
素材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、良好な品質のダイカ
スト製品が得られ、かつ経済性に優れる固液共存域ダイ
カスト用冷塊素材を提供するものである。
スト製品が得られ、かつ経済性に優れる固液共存域ダイ
カスト用冷塊素材を提供するものである。
【0002】通常の溶湯のダイカスト法では素材の溶湯
をひしゃく等でスリーブ内に装入し射出する。これに対
し固液共存域ダイカスト法では塊状素材の一部が溶融す
る温度(例えば固相が全体の40%となる温度)に加熱し
て射出する。この一部が溶融した素材は、静止状態では
固相が網状に連結し全体が固体と同様な挙動をするが、
大きな力がかかると固相の網状の連結は切断され、切断
された固相が液相中に浮遊し液体と同様な挙動をする。
このような一部が溶融した半融状態の素材のダイカスト
すなわち固液共存域ダイカスト法の一例を、図1により
説明する。
をひしゃく等でスリーブ内に装入し射出する。これに対
し固液共存域ダイカスト法では塊状素材の一部が溶融す
る温度(例えば固相が全体の40%となる温度)に加熱し
て射出する。この一部が溶融した素材は、静止状態では
固相が網状に連結し全体が固体と同様な挙動をするが、
大きな力がかかると固相の網状の連結は切断され、切断
された固相が液相中に浮遊し液体と同様な挙動をする。
このような一部が溶融した半融状態の素材のダイカスト
すなわち固液共存域ダイカスト法の一例を、図1により
説明する。
【0003】ここに、図1は固液共存域ダイカストの説
明図で、1は固定盤、2は可動盤、3は固定金型、4は
可動金型、5は製品キャビティ、6はゲート、7は湯
道、8は分流子、9はスリーブ、10は素材装入口、11は
油圧装置(図示省略)に連動するチップ、12はスリーブ
9に装入した状態の素材、13はチップ11により分流子8
に当る位置まで移動させた状態の素材である。
明図で、1は固定盤、2は可動盤、3は固定金型、4は
可動金型、5は製品キャビティ、6はゲート、7は湯
道、8は分流子、9はスリーブ、10は素材装入口、11は
油圧装置(図示省略)に連動するチップ、12はスリーブ
9に装入した状態の素材、13はチップ11により分流子8
に当る位置まで移動させた状態の素材である。
【0004】一部が溶融する温度に加熱した固体状の塊
状素材を、素材装入口10からスリーブ9内に装入する。
この装入された素材12はチップ11によって分流子8に当
たる位置まで固体状で移動させる。そしてこの位置での
素材13はさらにチップ11により加圧され湯道7、ゲート
6を通って製品キャビティ5に達するが、湯道7・ゲー
ト6を通過する間に素材の固相の網状の連結が切断さ
れ、液体と同様な流動をするようになり、製品キャビテ
ィ5が複雑な形状であってもこれに充満させることがで
きる。
状素材を、素材装入口10からスリーブ9内に装入する。
この装入された素材12はチップ11によって分流子8に当
たる位置まで固体状で移動させる。そしてこの位置での
素材13はさらにチップ11により加圧され湯道7、ゲート
6を通って製品キャビティ5に達するが、湯道7・ゲー
ト6を通過する間に素材の固相の網状の連結が切断さ
れ、液体と同様な流動をするようになり、製品キャビテ
ィ5が複雑な形状であってもこれに充満させることがで
きる。
【0005】このような固液共存域ダイカスト法は、溶
湯のダイカストに比し、顕熱・潜熱が少ないため金型に
対する熱負荷が少ないこと(金型の寿命延長)、凝固収
縮が少ないこと(製品の寸法精度の向上)などの利点を
有している。
湯のダイカストに比し、顕熱・潜熱が少ないため金型に
対する熱負荷が少ないこと(金型の寿命延長)、凝固収
縮が少ないこと(製品の寸法精度の向上)などの利点を
有している。
【0006】
【従来の技術】前記した固液共存域ダイカスト法の利点
をより有効に発揮させるためには、半融状態での固相率
が高いほどよい。しかし、固相率が高すぎると網状の固
相は切れても固相同志が互いに接触し合い、その接触抵
抗が大きくなって全体として液体のような挙動をしなく
なる。
をより有効に発揮させるためには、半融状態での固相率
が高いほどよい。しかし、固相率が高すぎると網状の固
相は切れても固相同志が互いに接触し合い、その接触抵
抗が大きくなって全体として液体のような挙動をしなく
なる。
【0007】この液体と同様な挙動をしなくなる固相率
は固相の形状によって異なり、固相の形状が粒状の場合
と樹枝状の場合とでは、粒状の方がより高い固相率まで
液体と同様の挙動をする。
は固相の形状によって異なり、固相の形状が粒状の場合
と樹枝状の場合とでは、粒状の方がより高い固相率まで
液体と同様の挙動をする。
【0008】上記を図により説明すると以下の通りであ
る。図2(a) は粒状の固相が網状に連結しそのすき間に
液相が存在し全体として固体と同様の挙動をする半融状
態を示す説明図(固相率:約0.7)で、これに大きな力が
かかると粒状の固相は移動し、図2(b) の粒状固相の網
状の連結が切れて粒状固相が液相中に浮遊し全体として
液体と同様の挙動をする状態を示す説明図のようにな
る。また、図3(a) は樹枝状の固相が網状に連結しその
すき間に液相が存在し全体として固体と同様の挙動をす
る半融状態を示す説明図(固相率:約0.3)で、これに大
きな力がかかると樹枝状の固相は移動し、図3(b) の樹
枝状固相の網状の連結が切れて樹枝状固相が液相中に浮
遊し全体として液体と同様の挙動をする状態を示す説明
図のようになる。
る。図2(a) は粒状の固相が網状に連結しそのすき間に
液相が存在し全体として固体と同様の挙動をする半融状
態を示す説明図(固相率:約0.7)で、これに大きな力が
かかると粒状の固相は移動し、図2(b) の粒状固相の網
状の連結が切れて粒状固相が液相中に浮遊し全体として
液体と同様の挙動をする状態を示す説明図のようにな
る。また、図3(a) は樹枝状の固相が網状に連結しその
すき間に液相が存在し全体として固体と同様の挙動をす
る半融状態を示す説明図(固相率:約0.3)で、これに大
きな力がかかると樹枝状の固相は移動し、図3(b) の樹
枝状固相の網状の連結が切れて樹枝状固相が液相中に浮
遊し全体として液体と同様の挙動をする状態を示す説明
図のようになる。
【0009】これらの図を比較して見れば明らかなよう
に、粒状の固相を有する場合は樹枝状の固相を有する場
合にくらべ、より高固相率まで、固相同志が連結しない
配置が可能であること、また、固相同志が接触しても接
触抵抗が小さくより高固相率まで液体と同様の挙動をす
ることが可能であることがわかる。
に、粒状の固相を有する場合は樹枝状の固相を有する場
合にくらべ、より高固相率まで、固相同志が連結しない
配置が可能であること、また、固相同志が接触しても接
触抵抗が小さくより高固相率まで液体と同様の挙動をす
ることが可能であることがわかる。
【0010】この半融状態に加熱して粒状の固相を有す
る固液共存状態を得るための素材は、これまで半凝固金
属スラリーを鋳造することにより製造されていた。すな
わち、完全に溶融した合金溶湯を機械的ないしは電磁力
により攪拌しながら冷却して丸みを帯びた初晶粒(固相
粒)が析出した半凝固金属スラリーとし、固相率が0.05
〜0.3 に達したのち攪拌を止めて鋳造する。
る固液共存状態を得るための素材は、これまで半凝固金
属スラリーを鋳造することにより製造されていた。すな
わち、完全に溶融した合金溶湯を機械的ないしは電磁力
により攪拌しながら冷却して丸みを帯びた初晶粒(固相
粒)が析出した半凝固金属スラリーとし、固相率が0.05
〜0.3 に達したのち攪拌を止めて鋳造する。
【0011】このようにして得られる素材は、融点の高
い初晶粒の周辺を融点の低い合金が埋めた状態になる。
このような素材を再加熱して半融状態にすると、初晶粒
周辺の融点の低い合金が溶融し初晶粒が固相粒として残
ることになる。
い初晶粒の周辺を融点の低い合金が埋めた状態になる。
このような素材を再加熱して半融状態にすると、初晶粒
周辺の融点の低い合金が溶融し初晶粒が固相粒として残
ることになる。
【0012】たとえば、合金が亜共晶のAl−Si合金であ
る場合、低SiのAl合金初晶粒の周辺をSiとの共晶Al合金
が埋めた状態となり、これを共晶温度直上の温度に再加
熱すれば、共晶合金部分のみが溶融し、融点の高い低Si
のAl合金初晶粒が固相粒として残ることになる。そして
この固相は粒状であるので、高固相率でも流動性がよ
い。
る場合、低SiのAl合金初晶粒の周辺をSiとの共晶Al合金
が埋めた状態となり、これを共晶温度直上の温度に再加
熱すれば、共晶合金部分のみが溶融し、融点の高い低Si
のAl合金初晶粒が固相粒として残ることになる。そして
この固相は粒状であるので、高固相率でも流動性がよ
い。
【0013】しかしながら、合金溶湯を攪拌しながら半
凝固金属スラリーとしたのち鋳造する方法は、その工程
管理が難しいこと、種々コストアップ要因を含んでいる
ことなどの問題があり、さらに、攪拌中にガスや非金介
在物(溶湯の酸化物、装置からの混入物)を巻き込み、
半凝固金属スラリーは粘度が高いので一度巻き込んだガ
スや非金属介在物は浮上又は沈降しにくく、これらが鋳
片内に残留するという品質上の問題もあった。
凝固金属スラリーとしたのち鋳造する方法は、その工程
管理が難しいこと、種々コストアップ要因を含んでいる
ことなどの問題があり、さらに、攪拌中にガスや非金介
在物(溶湯の酸化物、装置からの混入物)を巻き込み、
半凝固金属スラリーは粘度が高いので一度巻き込んだガ
スや非金属介在物は浮上又は沈降しにくく、これらが鋳
片内に残留するという品質上の問題もあった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記した
問題点を有利に解決し、経済性に優れ、かつガスの巻き
込み及び非金属介在物が少なく、半融状態におけるダイ
カスト時の流動性が良好な固液共存域ダイカスト用冷塊
素材を提供することを目的とする。
問題点を有利に解決し、経済性に優れ、かつガスの巻き
込み及び非金属介在物が少なく、半融状態におけるダイ
カスト時の流動性が良好な固液共存域ダイカスト用冷塊
素材を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は要旨は以下の
通りである。合金溶湯をその収容に供した取鍋中にて気
相の抜気除去と非金属介在物の浮上・沈降分離の生じる
温度域に一たん昇温保持した上で、取鍋に収容したまま
その合金成分組成に従う液相線に対し−20℃〜+10℃の
範囲内の温度まで降温させてから、この温度域にて鋳型
内に鋳込み、凝固させて成ることを特徴とする固液共存
域ダイカスト用冷塊素材である。
通りである。合金溶湯をその収容に供した取鍋中にて気
相の抜気除去と非金属介在物の浮上・沈降分離の生じる
温度域に一たん昇温保持した上で、取鍋に収容したまま
その合金成分組成に従う液相線に対し−20℃〜+10℃の
範囲内の温度まで降温させてから、この温度域にて鋳型
内に鋳込み、凝固させて成ることを特徴とする固液共存
域ダイカスト用冷塊素材である。
【0016】
【作用】この発明に至った経緯とその作用について述べ
る。この発明の目的は前記したように、固相が粒状とな
る半融状態が得られ、かつガスの巻き込みや非金属介在
物の少ない固液共存域ダイカスト用冷塊素材とすること
にあり、さらにこの塊状素材を安易でかつ安価に製造す
ることにある。
る。この発明の目的は前記したように、固相が粒状とな
る半融状態が得られ、かつガスの巻き込みや非金属介在
物の少ない固液共存域ダイカスト用冷塊素材とすること
にあり、さらにこの塊状素材を安易でかつ安価に製造す
ることにある。
【0017】安易でかつ安価に製造するために、その鋳
造方法としては、合金溶湯を単に鋳型に供給して凝固さ
せる通常の鋳造方法がよく、さらにガスや非金属介在物
の巻き込みを減少させるためには、常法により合金溶湯
を十分高温に過加熱し、脱ガス(抜気除去)や非金属介
在物を分離したのち、鋳型に供給し鋳造することでよ
い。しかし、このようにして凝固させた初晶は樹枝状と
なり、半融状態に再加熱してダイカストを行う際その流
動性が悪くなる。
造方法としては、合金溶湯を単に鋳型に供給して凝固さ
せる通常の鋳造方法がよく、さらにガスや非金属介在物
の巻き込みを減少させるためには、常法により合金溶湯
を十分高温に過加熱し、脱ガス(抜気除去)や非金属介
在物を分離したのち、鋳型に供給し鋳造することでよ
い。しかし、このようにして凝固させた初晶は樹枝状と
なり、半融状態に再加熱してダイカストを行う際その流
動性が悪くなる。
【0018】そこで、合金溶湯を攪拌することなく初晶
を析出させることができる鋳造方法について種々調査検
討を行った結果、下記の条件で鋳造すればよいことを新
規に見出した。すなわち、公知の製法で溶製した清浄な
合金溶湯、たとえばAl合金溶湯の場合、取鍋内でその液
相線に対し+100 ℃に過加熱し脱ガス及び非金属介在物
を分離した溶湯をそのまま降温し、液相線に対し−20℃
以上、+10℃以下の温度域にしたのち鋳型に鋳込み凝固
させるものである。なお、鋳造後適当な形状に加工して
も差支えない。
を析出させることができる鋳造方法について種々調査検
討を行った結果、下記の条件で鋳造すればよいことを新
規に見出した。すなわち、公知の製法で溶製した清浄な
合金溶湯、たとえばAl合金溶湯の場合、取鍋内でその液
相線に対し+100 ℃に過加熱し脱ガス及び非金属介在物
を分離した溶湯をそのまま降温し、液相線に対し−20℃
以上、+10℃以下の温度域にしたのち鋳型に鋳込み凝固
させるものである。なお、鋳造後適当な形状に加工して
も差支えない。
【0019】かくして得られる固液共存域ダイカスト用
冷塊素材は、これを用いることにより、半融状態への再
加熱で固相が粒状となり、ダイカストの際の固相率が高
くとも流動性がよく、金型製品キャビティ内に充満させ
ることが容易で、健全かつ品質の良好なダイカス製品を
得ることができる。
冷塊素材は、これを用いることにより、半融状態への再
加熱で固相が粒状となり、ダイカストの際の固相率が高
くとも流動性がよく、金型製品キャビティ内に充満させ
ることが容易で、健全かつ品質の良好なダイカス製品を
得ることができる。
【0020】上記において、合金溶湯を降温して鋳型へ
鋳込む時の温度が、液相線の−20℃未満では溶湯の流動
性が悪くなりすぎて鋳型に鋳込むことができなく、ま
た、液相線の+10℃超えでは鋳造時に樹枝状晶が析出
し、ダイカストの際に流動性が悪くなって健全なダイカ
スト製品が得られなくなる。
鋳込む時の温度が、液相線の−20℃未満では溶湯の流動
性が悪くなりすぎて鋳型に鋳込むことができなく、ま
た、液相線の+10℃超えでは鋳造時に樹枝状晶が析出
し、ダイカストの際に流動性が悪くなって健全なダイカ
スト製品が得られなくなる。
【0021】
【実施例】Al−4mass%Si合金(液相線温度:638 ℃)
を取鍋内で740 ℃に加熱融解し、脱ガス及び非介在物を
分離・除去後そのまま降温し、温度を種々変えて60mmφ
×100mm のSUS 304 製の筒状鋳型にそれぞれ供給し鋳造
を試みた。
を取鍋内で740 ℃に加熱融解し、脱ガス及び非介在物を
分離・除去後そのまま降温し、温度を種々変えて60mmφ
×100mm のSUS 304 製の筒状鋳型にそれぞれ供給し鋳造
を試みた。
【0022】この際、鋳型に供給する時の温度は、 適合例1:628 ℃(液相線温度−10℃) 適合例2:638 ℃(液相線温度) 適合例3:648 ℃(液相線温度+10℃) 適合例4:618 ℃(液相線温度−20℃) 比較例1:658 ℃(液相線温度+20℃) 比較例2:608 ℃(液相線温度−30℃) とした。
【0023】この結果、比較例2は流動性が悪く鋳込み
ができなかったが、その他の適合例1〜4及び比較例1
は全て正常な鋳造ができ、これらの冷塊素材にはガスの
巻き込みや非金属介在物は認められず、また組織調査に
よると適合例1〜4の冷塊素材は全て粒状晶であったの
に対し、比較例1は樹枝状晶であった。
ができなかったが、その他の適合例1〜4及び比較例1
は全て正常な鋳造ができ、これらの冷塊素材にはガスの
巻き込みや非金属介在物は認められず、また組織調査に
よると適合例1〜4の冷塊素材は全て粒状晶であったの
に対し、比較例1は樹枝状晶であった。
【0024】つぎに、適合例1〜4及び比較例1の冷塊
素材を、固相率:0.4 (温度:622℃)にそれぞれ再加
熱し、3mm×100mm ×150mm の製品キャビティを有する
金型にダイカストしたところ,適合例1〜4の素材を用
いた場合は全て型全体に材料が充満し健全な製品が得ら
れたのに対して、比較例1の素材を用いた場合は材料が
型全体に充満せず健全な製品を得ることができなかっ
た。
素材を、固相率:0.4 (温度:622℃)にそれぞれ再加
熱し、3mm×100mm ×150mm の製品キャビティを有する
金型にダイカストしたところ,適合例1〜4の素材を用
いた場合は全て型全体に材料が充満し健全な製品が得ら
れたのに対して、比較例1の素材を用いた場合は材料が
型全体に充満せず健全な製品を得ることができなかっ
た。
【0025】
【発明の効果】この発明は、取鍋内で抜気除去及び非金
属介在物を浮上・沈降分離させる温度域に一たん保持し
た合金溶湯を、そのまま降温させ、液相線に対し−20℃
以上、+10℃以下の温度域にて鋳型内に鋳込み凝固させ
てなる固液共存域ダイカスト用冷塊素材であって、この
発明による冷塊素材は経済性に優れ、かつガスの巻き込
み及び非金属介在物が少なく、半融状態におけるダイカ
スト時の流動性が良好で、ダイカスト製品の品質を大幅
に向上させることができる。
属介在物を浮上・沈降分離させる温度域に一たん保持し
た合金溶湯を、そのまま降温させ、液相線に対し−20℃
以上、+10℃以下の温度域にて鋳型内に鋳込み凝固させ
てなる固液共存域ダイカスト用冷塊素材であって、この
発明による冷塊素材は経済性に優れ、かつガスの巻き込
み及び非金属介在物が少なく、半融状態におけるダイカ
スト時の流動性が良好で、ダイカスト製品の品質を大幅
に向上させることができる。
【図1】固液共存域ダイカストの説明図である。
【図2】(a) は、粒状の固相が網状に連結し、そのすき
間に液相が存在し、全体として固体と同様の挙動をする
半融状態を示す説明図である。(固相率:約0.7) (b) は、粒状固相の網状の連結が切れて粒状固相が液相
中に浮遊し全体として液体と同様の挙動をする状態を示
す説明図である。(固相率:約0.7)
間に液相が存在し、全体として固体と同様の挙動をする
半融状態を示す説明図である。(固相率:約0.7) (b) は、粒状固相の網状の連結が切れて粒状固相が液相
中に浮遊し全体として液体と同様の挙動をする状態を示
す説明図である。(固相率:約0.7)
【図3】(a) は、樹枝状の固相が網状に連結しそのすき
間に液相が存在し全体として固体と同様の挙動をする半
融状態を示す説明図である。(固相率:約0.3) (b) は、樹枝状固相の網状の連結が切れて樹枝状固相が
液相中に浮遊し全体として液体と同様の挙動をする状態
を示す説明図である。(固相率:約0.3)
間に液相が存在し全体として固体と同様の挙動をする半
融状態を示す説明図である。(固相率:約0.3) (b) は、樹枝状固相の網状の連結が切れて樹枝状固相が
液相中に浮遊し全体として液体と同様の挙動をする状態
を示す説明図である。(固相率:約0.3)
1 固定盤 2 可動盤 3 固定金型 4 可動金型 5 製品キャビティ 6 ゲート 7 湯道 8 分流子 9 スリーブ 10 素材装入口 11 チップ 12 素材(装入した状態) 13 素材(分流子8に当る位置まで移動させた状態)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安堂 優一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 株式会 社レオテック内
Claims (1)
- 【請求項1】 合金溶湯をその収容に供した取鍋中にて
気相の抜気除去と非金属介在物の浮上・沈降分離の生じ
る温度域に一たん昇温保持した上で、取鍋に収容したま
まその合金成分組成に従う液相線に対し−20℃〜+10℃
の範囲内の温度まで降温させてから、この温度域にて鋳
型内に鋳込み、凝固させて成ることを特徴とする固液共
存域ダイカスト用冷塊素材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22582693A JPH0780617A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 固液共存域ダイカスト用冷塊素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22582693A JPH0780617A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 固液共存域ダイカスト用冷塊素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0780617A true JPH0780617A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=16835414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22582693A Pending JPH0780617A (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 固液共存域ダイカスト用冷塊素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0780617A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004508939A (ja) * | 2000-09-21 | 2004-03-25 | マサチューセッツ インスチチュート オブ テクノロジー | 合金組成物とその製法 |
CN1298461C (zh) * | 2002-09-25 | 2007-02-07 | 洪俊杓 | 用于流变铸造的模铸法和设备 |
KR100799645B1 (ko) * | 1997-07-24 | 2008-07-24 | 가부시키가이샤 아레스티 | 반응고상태의금속슬러리제작방법 |
-
1993
- 1993-09-10 JP JP22582693A patent/JPH0780617A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100799645B1 (ko) * | 1997-07-24 | 2008-07-24 | 가부시키가이샤 아레스티 | 반응고상태의금속슬러리제작방법 |
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