JPH0780364A - 泡沫状エアゾール剤 - Google Patents

泡沫状エアゾール剤

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JPH0780364A
JPH0780364A JP24970193A JP24970193A JPH0780364A JP H0780364 A JPH0780364 A JP H0780364A JP 24970193 A JP24970193 A JP 24970193A JP 24970193 A JP24970193 A JP 24970193A JP H0780364 A JPH0780364 A JP H0780364A
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JP
Japan
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gas
foaming
aerosol
saturated hydrocarbon
surfactant
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JP24970193A
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Kazuo Iijima
和男 飯島
Takeo Matsumoto
健夫 松本
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Kyowa Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴射剤として安全な不燃性非溶解性圧縮ガス
を用い、しかも発泡性が良好な泡沫状のエアゾール剤を
提供する。 【構成】 高分子樹脂組成物の水性及び/又はアルコー
ル性溶液からなる溶液、界面活性剤、発泡性溶剤として
炭素数3〜4の飽和炭化水素と炭素数5〜8の飽和炭化
水素の1種以上とを少なくとも含有する飽和炭化水素混
合溶剤、及び噴射剤として圧力35℃;2.1kg/c
2〜8kg/cm2の不燃性非溶解性圧縮ガスを単室構
造のエアゾール容器内に封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は泡沫状で噴射されるエア
ゾール剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】泡沫状エアゾール剤(例えばヘアフォー
ム、ヘアミストフォーム等)は、従来、起泡剤(界面活
性剤)、セット用高分子樹脂保湿剤、安定化剤、防腐
剤、エタノール、精製水等より成る頭髪用組成物をLP
G、又はDME/LPG等の高圧ガス(可燃性ガス)と
共にエアゾール容器に充填して製品化されていた。その
組成例は例えば次の様である。 (項 目) ヘアミストフォーム(1) ヘアフォーム(2) (使用方法) 霧状で直接塗布 手にとってから塗布 (噴射物外観) 泡 沫 状 泡 沫 状 (原液処方) 起泡剤(界面活性剤) 0.8wt% 1.0wt% セット用高分子樹脂 2.5 4.0 保湿剤 2.0 0.7 安定化剤 0.5 − 防腐剤 0.2 0.2 エタノール 5.0 12.0 水 残 部 残 部 噴射剤処方(DME/LPG) 70/30 0/100 原液/噴射剤 70/30 93/8 引用 (1)特開平3−178923 (2)Fragrance Journal, 20, (4) (1992)
【0003】記載した原液処方による原液を前記の様な
高圧ガス(噴射剤)と共にエアゾール容器内に充填した
ものは、良好な使用状態を示すが、噴射剤として使用す
る高圧ガスは可燃性ガスであり、製品の貯蔵、消費、廃
棄に関して、可燃性である故に慎重な対処が必要であ
る。それゆえ製品への注意事項の表示については、高圧
ガス取締法の適用を除外される液化ガスを定める等の件
(平成3年6月4日 通商産業省告示第203号)に厳
密に定められている。特に、製品内容物を全部使用した
後、容器を廃棄するに際しては、容器内に可燃性ガス蒸
気が残存していると危険をともなうことがある為、容器
内に可燃性ガス蒸気を安全に容器外部に排出する等の注
意が不可欠である。しかし、残存ガス蒸気が可燃性であ
る為に、不注意に廃棄された容器から起る事故が時とし
て発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような高圧ガスを
用いたときの危険を抑制するために、従来、噴射剤とし
て使われ発泡性能をも左右する可燃性の高圧液化ガスに
代わって、水性溶液に対してある程度の溶解性を示す炭
酸ガス、亜酸化窒素などの圧縮溶解ガスを用い、更に圧
縮溶解ガスによる水性溶液の発泡を助けるために、発泡
助剤として炭素数5〜7の炭化水素油を用いた泡沫状の
エアゾール剤を単室構造のエアゾール容器に充填したも
のが知られている(特開平5−112427号公報)。
このように圧縮溶解ガスを用いた泡沫状のエアゾール剤
は、可燃性の高圧液化ガスを用いたときに比べてより安
全ではあるが、使用後半になって泡の状態が重く、且つ
水っぽくなる等の不具合を生じ、可燃性の高圧ガスより
も発泡性の点で充分満足できるものでない。従って、安
全性と発泡性の両方を満足できる泡沫状のエアゾール剤
が望まれる。そこで、本発明の目的は、噴射剤として安
全な不燃性非溶解性圧縮ガスを用い、しかも発泡性が良
好な泡沫状のエアゾール剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、高分子
樹脂組成物の水性及び/又はアルコール性溶液からなる
溶液、界面活性剤、発泡性溶剤として炭素数3〜4の飽
和炭化水素の少なくとも1種と炭素数5〜8の飽和炭化
水素の少なくとも1種とを少なくとも含有する飽和炭化
水素混合溶剤、および噴射剤として圧力2.1kg/c
2〜8kg/cm2(温度35℃)の不燃性非溶解性圧
縮ガスを単室構造のエアゾール容器内に封入したことを
特徴とする泡沫状エアゾール剤によって達成することが
できる。即ち、本発明は引火性がなく安全で、しかも良
好な発泡性能を有する泡沫状のエアゾール剤を得ること
ができる。つまり、噴射剤として不燃性非溶解性圧縮ガ
スを使用することにより、製品の生産、貯蔵、消費、廃
棄の各段階で従来の可燃性からくる危険性を排除するこ
とができる。不燃性非溶解性圧縮ガスは、無害、不燃性
で安全であることは諸化学書に明らかである。しかし、
不燃性非溶解性圧縮ガスは、泡沫状エアゾール剤に配合
する場合に水性溶液及びエタノール溶液(アルコール性
溶液)等に不溶性であることから発泡性能がほとんど無
い。ここで、本発明は、前記本発明の不燃性のガスを噴
射剤として採用するに際し、その発泡性能の問題を解決
する為に、発泡性溶剤として炭素数3〜4の飽和炭化水
素の少なくとも1種と炭素数5〜8の飽和炭化水素の少
なくとも1種とを少なくとも含有する飽和炭化水素混合
溶剤を用いることにより、良好な発泡性能が得られる。
更に、本発明は、不燃性非溶解性圧縮ガスの圧力を前記
本発明の範囲にすることで単室構造のエアゾール容器内
の圧力を調整し、発泡性能を最後まで良好に維持でき
る。
【0006】本発明において使用する溶液としては、ト
リートメント剤、毛髪セッティング剤、シェービング
剤、洗顔剤、防錆剤、クリーナ、ワックス、すべり剤な
どの泡沫状エアゾール剤としての用途に応じた有効成分
を含む水性溶液を挙げることができる。
【0007】界面活性剤は、乳化剤及び安定剤として前
記水性溶液を起泡させる作用をするものであり、その添
加量は特に限定されるものではないが、適当な大きさの
泡を得るためには、内容物全量に対して0.05〜1
0.0重量%含有することが好ましく、より好ましくは
1.0〜3.0重量%である。界面活性剤の含有量が
0.05重量%未満のときには、水性溶液が起泡し難
く、適当な大きさの泡を噴射できる泡沫状エアゾール剤
を得ることができず、また界面活性剤の含有量が10.
0重量%を越えると発泡性が悪化し、エマルジョンの製
法が上手くいかず、更に、完全に溶解しなくなる。本発
明の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面
活性剤の少なくとも1種を用いることが好ましい。その
具体例は、アニオン性界面活性剤として例えば、ポリペ
プチド脂肪酸縮合塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩等
が挙げられ、カチオン性界面活性剤として例えば、ジア
ルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、両性界面
活性剤として例えば、アルキルアミノ酢酸ベタイン等が
挙げられ、非イオン性界面活性剤として例えば、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルキルアミド等が挙げられ
る。
【0008】噴射剤としては、不燃性非溶解性圧縮ガス
が用いられ、本発明は発泡性溶剤を使用する為に、液化
ガスを発泡及び噴射用として使用する必要がないので高
圧ガスとしては不燃性の非溶性圧縮ガスである窒素ガス
又は窒素ガスとヘリウム、アルゴン、炭酸ガス及びネオ
ン等の内1種以上のガスの組合せで出来る混合ガスを使
うのみで良い。これらの圧縮不燃性ガスは、炭酸ガスが
水等にある程度の溶解性を示すがその他は不溶性であ
り、水性溶液を発泡させる作用は殆ど無く、主にエアゾ
ール容器内の圧力を維持し内容物を噴射させる作用をす
るものである。従って、エアゾール容器内で加圧され、
圧縮不燃性ガスがエアゾール容器へ充填された後の圧力
は、35℃;2.1〜8.0kg/cm2、好ましくは
35℃;3.0〜7.5kg/cm2、より好ましくは
35℃;7.0〜7.5kg/cm2である。圧縮不燃
性ガスの容器への充填後の圧力が、2.1kg/cm2
未満のときは、噴射が上手くいかず泡にむらが生じ、ま
た、8.0kg/cm2を越えるときは、泡の噴出が強
すぎ、高圧ガス取締法での規定を越えてしまう。
【0009】本発明において使用する発泡性溶剤として
は、炭素数3〜4の飽和炭化水素の少なくとも1種と炭
素数5〜8の飽和炭化水素の少なくとも1種とを少なく
とも含有する飽和炭化水素混合溶剤が用いられる。発泡
性溶剤は、水性溶液を発泡させると共に、発泡した水性
溶液の泡を適当な時間保持する作用をするものである。
このような作用を発揮するためには、飽和炭化水素混合
溶剤は、温度35℃に於ける蒸気圧が2kg/cm2
満であり、全体量の0.5〜40重量%未満の範囲でエ
アゾール容器内に充填されていなければならない。この
ようにすることによって、大気圧中に噴出された後の発
泡を確保することができる。飽和炭化水素混合溶剤の含
有量は、好ましくは全体量の3〜15重量%である。ま
た、温度35℃に於ける蒸気圧の好ましくは、1.0〜
1.99Kg/cm2であり、温度20℃に於ける蒸気
圧の好ましくは、1.0〜1.8Kg/cm2である。
蒸気圧が2kg/cm2以上のきとは、高圧ガスとなる
溶剤とならず危険度が高い高圧の可燃性ガスと見なされ
高圧ガス取締法により製品に注意事項の表示が必要とな
る。また、蒸気圧が1.0kg/cm2未満のきとは、
泡にむらが発生し、泡が噴射しにくくなる。含有量が全
体量の0.5重量%未満のときは、発泡性が悪化し泡を
持続できなく、含有量が全体量の40重量%以上のとき
は、発泡しすぎてフワフワの泡で使用できない。
【0010】本発明の発泡性溶剤は、炭素数3〜4の少
なくとも1種の飽和炭化水素と炭素数5〜8の少なくと
も1種の飽和炭化水素との組み合せであるので、各種の
蒸気圧のものが得られ発泡の度合いが調整出来るし又飽
和炭化水素なので化学的に安定である。炭素数2以下で
は、高圧過ぎて低圧に調整できず、また、炭素数9以上
では、蒸気圧が低く発泡性能がない。炭素数3〜4の飽
和炭化水素と炭素数5〜8の飽和炭化水素との配合量
(混合割合)は、前記蒸気圧を満たすような飽和炭化水
素混合溶剤であればよく、炭素数3〜4が10〜49重
量%、炭素数5〜8が90〜51重量%、好ましくは炭
素数3〜4が20〜40重量%、炭素数5〜8が80〜
60重量%である。泡沫の発泡度合は、発泡性溶剤の配
合量で調節でき、配合量が上記範囲を逸脱すると発泡性
能が劣る。
【0011】前記炭素数3〜4の飽和炭化水素として
は、プロパン、n−ブタン又はi−ブンタを挙げること
ができる。前記炭素数5〜8の飽和炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、或いはそれらの異性体
をあげることができ、より好ましくはn−ペンタン、i
−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタ
ンである。化学書に依れば、上記各溶剤の一例の特性は
次の様である。
【0012】
【表1】
【0013】このように、やや沸点の低い炭素数3〜4
の飽和炭化水素と、沸点が常温の炭素数5〜8の飽和炭
化水素とを混合した混合溶剤とすることで、通産省告示
の引火性試験により引火性がないことが確認できる。つ
まり、表1に示すように、発泡性溶剤を構成する各炭化
水素は、沸点が比較的高いため、本発明に係わる製品が
消費される時に、消費者の手元でそれら炭化水素の蒸気
が急激に分離蒸発することがなく、それによる引火の危
険もない。本発明に用いられる炭素数3〜4の飽和炭化
水素は、プロパンを単独、n−ブタンを単独、またはi
−ブタンを単独で用いてもよいし、あるいはこれらの混
合でもよい。本発明で実際用いられるガスは、ガス業者
より供給されるガスがn−ブタンとして発注しても、i
−ブタンとプロパンの混入したものしか入手できず、純
粋なn−ブタンを入手しようとした場合、非常に高価な
ものとなると考えられ、又工業的に入手不可能であるた
め、プロパン、n−ブタン、i−ブタンの混合からなる
ガスを用いている。
【0014】本発明に係る泡沫状エアゾール剤には、前
記した必須成分以外に、例えば、増粘剤、混和性改善
剤、流動性向上剤、安定剤、防腐剤等を配合することが
できる。例えば、泡の発泡度、硬さ、保持性は、必須成
分の種類や添加量によって調整できるが、適当な粘度に
仕上げるために、例えば、乾式法シリカ、湿式法シリカ
などの高分散性シリカ、シリカアルミナ、ケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ベントナイ
ト、スノーフロス、合成高分子多糖類、天然高分子多糖
類、マイクロフィブリレーティッドセルロース、CMC
などのセルロース類、アルギン酸ナトリウム塩、アルギ
ン酸エステル、アクリル系ポリマー、PEO系ポリマー
などの無機系或いは有機系の増粘剤を配合することがで
きる。また、同様の目的で、PEGや高級脂肪酸を配合
することもできる。なお、前記増粘剤は、内容物の流動
性を悪くするものは避けるべきである。また、本発明に
係る泡沫状エアゾール剤は、使用に際してエアゾール容
器を振ることにより、内容物を均一な成分液として噴射
させることができるが、内容物の混和性を改善するため
に、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロピ
ルアルコール)を充填することができる。
【0015】本発明に係る泡沫状エアゾール剤の内容物
の粘度については、特に限定するものではないが、使用
によってエアゾール容器内の内容物の残量を極力少なく
するためには、内容物の比重や液性によって異なるが、
通常は10万cs以下とするのが好ましい。もっとも、
チクソトロフィック性を示す内容物やエアゾール容器内
壁との液ばなれが良くて残量を殆ど残さない性質の内容
物など、エアゾール容器内での流動性が良ければこの限
りでない。さらに、泡沫のきめの細かさや安定度などを
考慮すると、一般には10cs〜1000csが好まし
い。
【0016】
【作用】頭髪用化粧品として普及しているヘアフォーム
を例として説明する。ヘアフォームを目的として泡沫状
エアゾール剤を設計する場合、先ずセット剤として高分
子樹脂組成物を選び、これの水溶液又はアルコール溶液
として一定濃度のものを使用する。具体的には、適量の
精製水をとり、これに界面活性剤を加えて溶解させる。
水溶性の諸成分をこれに加えて水ベースの基剤を調整す
る。一方、適量のアルコールに高分子樹脂組成物の溶液
を加え、よく混合し更にアルコール溶液の諸成分を加え
る。最後にアルコールベースの溶液に水ベース基剤を徐
々に加えて攪拌する。此の場合、必要があれば加温す
る。以上は常識的なエマルジョン剤の製法であるが、こ
れに依り界面活性剤の作用でいわゆるオイルインウォー
ター(O/W)型のエマルジョン液が製造される。この
原液を単室構造のエアゾール容器に充填し、これに発泡
性溶剤を加え振盪すると、溶剤は飽和炭化水素である為
にO/Wエマルジョンのオイル相の中に微粒子となって
取り込まれる。
【0017】発泡性溶剤は成分として、沸点−0.5℃
のn−Butane及び沸点−11.73℃のi−Bu
tane、若干のプロパン分を含むがその蒸気圧はC5
〜C8の各飽和炭化水素のいずれかとの組合せで35
℃;1.0〜1.97kg/cm2 、20℃;1.0〜
1.8kg/cm2 に調整されているのでエアゾール容
器よりノズル等で放出されるとオイル相中の発泡性溶剤
の微粒子が膨張し緻密な泡沫を形成する。但し、このま
まの状態だと1つの欠点を持つことになる。即ち蒸気圧
が低い為に、泡沫の噴射量が少なく弱い。更に、低温に
なると此の欠点が増大する。
【0018】本発明に於いては、この欠点を除く手段と
して安全で無害な窒素ガス、又は窒素ガスとアルゴン、
ヘリウム、炭酸ガス及び酸素等のいずれか1種以上との
組合せで加圧する事を提案している。窒素ガスは水に対
する溶解度は殆ど無い為に、これをエアゾール缶内に圧
力(ゲージ圧)3〜7.5kg/cm2で加圧する事が
有効である。これに依り上記の泡沫状エアゾール剤の欠
点を解消し、通常の日常生活の温度域に於いて適切な噴
射量を維持し、又良好な泡沫を得る事が出来る。又窒素
ガス等の不燃性非溶解性圧縮ガスは、ベース(原液)中
には、殆ど溶解しないので、製品を使用中に原液ととも
に放出される事が無く、良く缶内での加圧の役目を果た
す事が可能である。又、実願平3−104717号明細
書に記載のレギュレーターのトップボタンを用いると、
圧縮ガスの性質としての圧力漸減の性質を補って均一な
噴射状態を維持出来るものである。
【0019】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例を挙げて説明す
る。 実施例1.頭髪用化粧品ヘアフォーム 原液の製造(ベース) (wt%) 精製水 79 N−BC−15TX1) 0.4 エマレックスHC−602) 1.0 シリコーン油KF−60113) 1.5 ユカフォーマー4) 4.5 1,3−ブチレングリコール 1.3 99%アルコール 12.1 メチルパラベン 0.2 1)ポリオキシエチレン セチルエーテル 2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3)ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)
シロキサン共重合体 4)N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニ
ウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル
酸ブチル共重合体 以上の原液をとり単室構造のエアゾール容器に次の様に
充填した。 ベース 47g 発泡性溶剤 10g 窒素ガス 0.3〜0.4g (6.0kg/
cm2に加圧) 得られた泡沫は、緻密で腰の強い綺麗な外観を呈してお
り、得られた泡比重はdf=0.035g/mlであっ
た。尚、発泡性溶剤の組成はブタン及びプロパン
(C3:1.8wt%、n−C4:71.0wt%、i−
4:27.2wt%)とイソペンタンの混合物で重量
比40/60wt%のものであり、35℃に於ける蒸気
圧は1.8kg/cm2であった。
【0020】実施例2.頭髪用化粧品 ヘアミスト 原液の製造(ベース) (wt%) 精製水 79.0 N−BC−15TX 0.4 エマレックスHC−60 1.0 シリコーン油KF−6011 1.2 ユカフォーマー 3.0 濃グリセリン 1.0 99%アルコール 14.2 パラベン 0.2 以上の原液をとり単室構造のエアゾール容器に次の様に
充填した。 ベース 40g 発泡性溶剤 13g 窒素ガス 0.3〜0.4g (6kg/cm
2) 噴射チップのオリフィス0.3m/mφのトップボタン
を用いて噴射した所、微細な霧状の噴霧状態であり、ヘ
アミストとして良好な製品となる事が確認された。使用
した発泡性溶剤は実施例1の場合と同じ組成である。高
圧ガス取締法の中で、高圧ガス取締法の適用を除外され
る液化ガスを定める等の件(通産省告示第203号)に
定められた引火性試験をした所、引火性は認められなか
った。
【0021】実施例3.ガラスクリーナー 原液の製造(ベース) (wt%) 界面活性剤 5% I.P.A5) 5% 精製水 90% 5)イソプロピルアルコール 以上の原液をとり単室構造のエアゾール容器に次の様に
充填した。 ベース 85g 発泡性溶剤 15g 窒素ガス 0.3〜0.4g (6kg/cm
2) 噴射チップとして、内径0.6m/mφのノズルタイプ
を使用した所、やや大きな霧状の粒子となり50cm以
上飛翔してガラス面に着地した。着地後、白い泡沫とな
りこれを布でのばして塗布し更に拭き取る事に依ってガ
ラスクリーナーの目的を果たした。即ち、霧となって飛
んで、目的物に付着して発泡し、位置の確認が出来る為
クリーナーの内容物を無駄なく、正確に目的物に噴射出
来る訳である。本例に於いて使用した発泡性溶剤はブタ
ン及びプロパン(C3:1.8wt%、n−C4:71.
0wt%、i−C 4:27.2wt%)とイソペンタン
の混合物で重量比40/60wt%のものであり、35
℃に於ける蒸気圧は1.8kg/cm2であった。
【0022】実施例4.実験結果の一例 (本発明) 実施例1に説明したヘアフォームの原液をとり、次の様
に単室構造のエアゾール缶に充填した(倒立使用式のバ
ルブを使用、缶内の充填率81%)。 ベース 90gr 発泡溶剤 10gr N2ガスで加圧 (6kg/cm2) 此の製品をよく振り、消費者の使用する様に泡を噴射し
てこれを約100ml容積のビーカーに入れ、泡の重量
と容積から泡比重を算出した。この試験を15回行い、
ヘアフォームの原液が泡状で噴出できた量は97.2%
であった。下記にその結果を示す。 測定回数 泡比重(g/ml) 第1回目 0.034 2 0.033 3 0.034 4 0.034 5 0.034 6 0.034 7 0.035 8 0.034 9 0.034 10 0.034 11 0.035 12 0.035 13 0.035 14 0.034 15(最終) 0.046 (比較例) 次に従来の技術に基づき、噴射剤としての液化石油ガス
が発泡効果をも兼ねる市販製品Aを上記と同じように試
験したところ、下記に示すような結果が得られた。 測定回数 泡比重(g/ml) 第1回目 0.056 2 0.053 3 0.055 4 0.056 5 0.057 6 0.057 7 0.058 8 0.059 9 0.059 10 0.070 11(最終) 0.075 泡の排出量は96%であった。但し、10回目と11回
目は泡が重く、粘稠なクリーム状であった。これは、エ
マルジョン化していた液化石油ガスが、内容を消費して
缶内の空間容積が大きくなるにつれてその空間に蒸発し
て、その為に内容液中の液化石油ガスの量が減少して、
発泡能力が悪くなったためと考えられる。 (比較例) 次に先に述べた特開平5−112427号公報に記載の
実施品と見られる市販製品Bをとり、同じ試験をしたと
ころ、下記に示す結果が得られた。 測定回数 泡比重(g/ml) 第1回目 0.067 2 0.070 3 0.057 4 0.065 5 0.060 6 0.054 7 0.066 8 0.067 9(最終) 0.075 泡の排出量は、約97%であった。泡比重が途中で若干
の変動を示したが、これは溶解性圧縮ガスの性質による
ものと思われる。
【0023】上記の、、の結果を図1のグラフに
示した。このグラフから(本発明)が最も安定してい
ることがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上説明して来た本発明の効果として、 (1)実施例に説明する様に本発明に依り得られた泡沫
状エアゾール剤は、ヘアフォームの場合、泡が緻密で美
くしくて、併も髪にアプライし易い。又ヘアミストの場
合は泡沫の発泡度合を発泡性溶剤の配合量で調節出来、
霧の到達距離は窒素ガス等の不燃性圧縮ガスの圧力の高
低で調整出来る。 (2)引火性試験で引火性が認められない事から判る様
に、消費者が製品を使用する場合、引火する危険がない
ので安心して使う事が出来る。 (3)消費者が製品を使い終わって廃棄する場合、トッ
プボタン又はスパウト等を押して缶内の残ガスを出しき
る事が出来る。液化ガスの場合に比べて短時間でガスを
排出出来るし、又不燃性であるので、廃棄中に何の危険
も起こらない。 (4)発泡性溶剤は炭素数3〜4と炭素数5〜8の各種
飽和炭化水素との組み合せであるので、各種の蒸気圧の
ものが得られ発泡の度合いが調整出来るし又飽和炭化水
素なので化学的に安定である。 (5)発泡性溶剤を使用する為に、液化ガスを発泡及び
噴射用として使用する必要がないので高圧ガスとしては
不燃性の不溶性圧縮ガスである窒素ガス又は窒素ガスと
ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス及びネオン等の内1種以
上のガスの組合せで出来る混合ガスを使うのみで良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4のデータを示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂組成物の水性及び/又はアル
    コール性溶液からなる溶液、界面活性剤、発泡性溶剤と
    して炭素数3〜4の飽和炭化水素の少なくとも1種と炭
    素数5〜8の飽和炭化水素の少なくとも1種とを少なく
    とも含有する飽和炭化水素混合溶剤、及び噴射剤として
    不燃性非溶解性圧縮ガスを単室構造のエアゾール容器内
    に封入したことを特徴とする泡沫状エアゾール剤。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤がアニオン性界面活性
    剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオ
    ン性界面活性剤の少なくとも1種であり、全体量の0.
    05〜10.0重量%含有することを特徴とする請求項
    1に記載の泡沫状エアゾール剤。
  3. 【請求項3】 前記発泡性溶剤としての飽和炭化水素混
    合溶剤が、温度35℃に於ける蒸気圧が2kg/cm2
    未満であり、全体量の0.5〜40重量%未満の範囲で
    含有されることを特徴とする請求項1又は2に記載の泡
    沫状エアゾール剤。
  4. 【請求項4】 前記圧縮不燃性ガスが、窒素ガス、又は
    窒素ガスと炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン、酸素及びネ
    オンの少なくとも1種との混合ガスであり、容器への充
    填後の圧力が2.1kg/cm2〜8.0kg/cm2
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の泡沫状エアゾール剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002037362A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Daizo:Kk 加圧製品
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WO2023008378A1 (ja) * 2021-07-26 2023-02-02 株式会社ダイゾー 発泡性エアゾール組成物、発泡性エアゾール製品および燃焼性抑制方法

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