JPH077997U - 水環境造形装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水音が比較的小さく、室内に設置することが
できる壁面を装飾する水環境造形装置を提供する。 【構成】 上方から下方に向けてジグザグで不連続で且
つ透明な案内路を形成する案内装置と、前期案内装置に
水を供給する水供給装置とを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水環境造形装置、特に壁面を装飾する水環境造形装置に関している 。

【０００２】

【従来の技術】

噴水の一形態として、また壁面を装飾する水環境造形装置として、壁面に沿っ て水を流す壁泉装置が、公園や商店街に多数設置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の壁泉装置にあっては、水が垂直の又は傾斜した壁面に沿って、或いは階 段状の壁面に沿って単に流れ落ちるだけであったので、水の落下速度が比較的大 きく、ひいては水音が比較的大きかった。このため、従来の壁泉装置には、室内 の壁面を装飾する水環境造形装置として採用し難いという問題点があった。 本考案は上記の課題に鑑みてなされたものであり、水音が比較的小さく、室内 に設置することができる壁面を装飾する水環境造形装置を提供することを目的と する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案においては、上方から下方に向けてジグザ グで不連続で且つ透明な案内路を形成する案内装置と、前記案内装置に水を供給 する水供給装置とを備えることを特徴とする水環境造形装置を提供する。 本考案の好ましい態様においては、ソの字形状の断面を上下に繰り返すように 配設された複数の透明な板と該複数の透明な板を支持する支持具とを含む板組立 体と、該板組立体を構成する複数の透明な板に沿って上方から下方に流れるよう に前記板組立体に水を供給する水供給装置とを備えることを特徴とする水環境造 形装置を提供する。

【０００５】

【作用】

本考案にあっては、水供給装置から案内装置に供給された水は、ジグザグで且 つ透明な案内路に沿って、流れる方向の逆転を繰り返しつつ流れ下るので、従来 の壁泉装置に比べて水の落下速度が著しく減少し、ひいては水音が著しく減少す る。

【０００６】

【実施例】

以下添付図に基づいて本考案の実施例を説明する。なお以下の説明において、 図１の矢印Ａ〜Ｆ方向をそれぞれ前後左右上下方向と呼ぶ。 本考案の実施例に係る水環境造形装置の構成単位を示す図１、図２において、 ８枚の透明なガラス板１ａ〜１ｈが、１ａと１ｂ、１ｃと１ｄ、１ｅと１ｆ、１ ｇと１ｈの各対がそれぞれ、ジグザグ、より詳細にはソの字形状の、左右方向断 面を形成し、かつ該断面が前記の順で上から下に向かって繰り返すように配設さ れている。ガラス板１ａ、１ｃ、１ｅ、１ｇは左右に水平に、且つ前方に下り傾 斜となるように配設され、ガラス板１ｂ、１ｄ、１ｆ、１ｈは左右に水平に、且 つ前方に上り傾斜となるように配設されている。ガラス板１ａ〜１ｈの両端は公 知構造の取付金具２を介してワイヤ３により支持されており、ワイヤ３の上端は 室の天井壁に、またワイヤ３の下端は室の床に設置された水槽４の底壁にそれぞ れ固定されている。ガラス板１ａ〜１ｈと、これらに関連する取付金具、ワイヤ によりガラス板組立体の一単位が形成されている。

【０００７】 ガラス板１ａの左半部分の左端近傍の後方にノズル５ａ₁ が、ガラス板１ａの 左半部分の右端近傍の後方にノズル５ａ₂ がそれぞれ配設されている。ノズル５ ａ₁ 、５ａ₂ は水平に且つ噴出口を前方に向けて配設されている。同様に、ガラ ス板１ｅの左半部分の左端近傍の後方にノズル５ｅ₁ が、ガラス板１ｅの左半部 分の右端近傍の後方にノズル５ｅ₂ がそれぞれ配設されている。ノズル５ａ₁ 、 ５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ｅ₂ はそれぞれ導管６ａ₁ 、６ａ₂ 、６ｅ₁ 、６ｅ₂ と電磁 弁７ａ₁ 、７ａ₂ 、７ｅ₁ 、７ｅ₂ とを介して、導管８に連結され、導管８は水 槽４の底部に設置されたポンプ９に連結されている。ノズル５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ ｅ₁ 、５ｅ₂ と、これ等に関連する導管、電磁弁、ポンプとにより、水供給装置 の一単位が形成されている。図示の水供給装置の一単位に隣接して、該単位の右 方に同様の水供給装置の一単位が配設されている。

【０００８】 ガラス板１ａ〜１ｈの左半部分の後方に、且つノズル５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ｅ₂ の後方に、室の側壁に固定された照明ボックス１０が配設されている。 照明ボックス１０の前面には、ガラス板１ｃの左半部分の左端近傍の後方に照明 窓１１ｃ₁ が、ガラス板１ｃの左半部分の右端近傍の後方に照明窓１１ｃ₂ がそ れぞれ配設されている。同様に、照明ボックス１０の前面には、ガラス板１ｇの 左半部分の左端近傍の後方に照明窓１１ｇ₁ が、ガラス板１ｇの左半部分の右端 近傍の後方に照明窓１１ｇ₂ がそれぞれ配設されている。各照明窓には透明なガ ラスが嵌め込まれている。照明窓１１ｃ₁ 、１１ｃ₂ 、１１ｇ₁ 、１１ｇ₂ の後 方には、照明ボックス１０の内部に可変色のランプ１２ｃ₁ 、１２ｃ₂ 、１２ｇ ₁ 、１２ｇ₂ が配設されている。ランプ１２ｃ₁ 、１２ｃ₂ 、１２ｇ₁ 、１２ｇ ₂ と、これらに関連する照明ボックス、照明窓とにより、照明装置の一単位が形 成されている。図示の照明装置の一単位に隣接して、該単位の右方に同様の照明 装置の一単位が配設されている。

【０００９】 水供給装置と照明装置とは、図示しないコントロール装置により、各単位毎に 制御される。 上記のガラス板組立体の一単位と、左右に隣接して配設された水供給装置の二 つの単位と、左右に隣接して配設された照明装置の二つの単位とにより、水環境 造形装置の構成単位が形成されている。さらに、水環境造形装置の構成単位が、 上下左右に複数配設されることにより、図３に示す本実施例に係る水環境造形装 置が構成されている。

【００１０】 次に、上記の如くに構成された本実施例に係る水環境造形装置の作動を、図１ 、図２に示す構成単位に着目して説明する。 図示しないコントロール装置の制御の下に、水供給装置が単位毎に独立に作動 する。ポンプ９により水槽４から汲み上げられ、電磁弁７ａ₁ 、７ａ₂ 、７ｅ₁ 、７ｅ₂ により流量が制御された水が、ノズル５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ｅ₂ から前方に、ガラス板組立体に供給される。ノズル５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ ｅ₂ から前方に噴出した水は、前方に下り傾斜を成すガラス板１ａ、１ｅの下面 に衝突して流れの向きを前方下方に変え、次いでガラス板１ａ、１ｅの前方端か ら下方に落下し、前方に上り傾斜を成すガラス板１ｂ、１ｆの上面に沿って流れ の向きを後方下方に変える。以後、ガラス板組立体に供給された水は、ソの字形 状の左右方向断面を形成し、かつ該断面が上から下に向かって繰り返すように配 設されたガラス板１ｃ〜１ｈ、１ｇ〜１ｈに沿ってジグザグに流れの方向を変え つつ上方から下方に落下する。このため、水の落下速度が従来の壁泉装置に比べ て著しく小さく、ひいては水音が従来の壁泉装置に比べて著しく小さい。従って 、本実施例に係る水環境造形装置は、室内に設置するのに適している。

【００１１】 図示しないコントロール装置の制御の下に、照明装置が単位毎に独立に作動し 、ランプ１２ｃ₁ 、１２ｃ₂ 、１２ｇ₁ 、１２ｇ₂ から照明窓１１ｃ₁ 、１１ｃ ₂ 、１１ｇ₁ 、１１ｇ₂ を介して、光線が前方に照射される。照射された光線は ガラス板組立体に沿って上方から下方に流れる水流を通過する。水流を通過する 際に、水流中に巻き込まれた気泡による乱反射やジグザグの水流によるレンズ効 果等により、光線が拡散する。これにより、照明箱１０すなわち単位の照明装置 に正対する水流の部分が、一つの単位となって一様に照明される。さらに説明す れば、光線の拡散により、照明箱１０すなわち単位の照明装置に正対する水流の 部分が、一つの単位となって一様に照明されるように、ランプと水流との距離、 ランプ間の間隔等が選択されている。従って、本実施例に係る水環境造形装置に おいては、照明装置を単位毎に独立して制御することにより、二次元的に広がる 水流の膜に、任意の色彩と形態とを有する図形を描き出すことができる。更に、 本実施例に係る水環境造形装置においては、水供給装置を単位毎に独立して制御 し、水流の透明性、泡だちの程度を、二次元的に広がる水流の膜内の任意の位置 で任意に変えることにより、任意の色彩と形態とを有する図形を描き出すことと あいまって、多様な質感と量感とを持った図形を描き出すことができる。

【００１２】 以上本考案の実施例を説明したが、本考案は上記実施例に限定されるものでは なく、種々改変が可能であることは言うまでもない。たとえば、透明なガラス板 に変えて透明なプラスチック板を用いても良い。また、一つのポンプ９で水供給 装置の複数の単位に水を供給しても良い。また、図２に二点鎖線で示すように、 ノズル５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ｅ₂ の噴射口を下方に向けて、ガラス板１ｂ 、１ｆの上面に水が衝突するようにしても良い。また、電磁弁７ａ₁ 、７ａ₂ 、 ７ｅ₁ 、７ｅ₂ に変えて同数の電動弁を用いても良い。また、ノズル、ランプを 上記実施例よりも多数配設し、或いはノズル、ランプの数を上記実施例よりも減 らしても良い。

【００１３】

【効果】

以上説明したごとく、本考案においては、水供給装置から案内装置に供給され た水が、ジグザグで且つ透明な案内路に沿って、流れる方向の逆転を繰り返しつ つ流れ下るので、従来の壁泉装置に比べて水の落下速度が著しく減少し、ひいて は水音が著しく減少する。 従って本考案により、水音が比較的小さく、室内に設置することができる壁面 を装飾する水環境造形装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る水環境造形装置の構成単
位の構造を示す斜視図である。

【図２】図１のII- II矢視図である。

【図３】本考案の実施例に係る水環境造形装置の全体構
成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆ、１ｇ、１ｈ 透
明なガラス板 ２ 取付金具 ３ ワイヤ ４ 水槽 ５ａ₁ 、５ａ₂ 、５ｅ₁ 、５ｅ₂ ノズル ６ａ₁ 、６ａ₂ 、６ｅ₁ 、６ｅ₂ 導管 ７ａ₁ 、７ａ₂ 、７ｅ₁ 、７ｅ₂ 電磁弁 ８ 導管 ９ ポンプ １０ 照明ボックス １１ｃ₁ 、１１ｃ₂ 、１１ｃ₁ 、１１ｃ₂ 照明窓 １２ｃ₁ 、１２ｃ₂ 、１２ｃ₁ 、１２ｃ₂ ランプ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方から下方に向けてジグザグで不連続
   で且つ透明な案内路を形成する案内装置と、前記案内装
   置に水を供給する水供給装置とを備えることを特徴とす
   る水環境造形装置。
2. 【請求項２】 ソの字形状の断面を上下に繰り返すよう
   に配設された複数の透明な板と該複数の透明な板を支持
   する支持具とを含む板組立体と、該板組立体を構成する
   複数の透明な板に沿って上方から下方に流れるように前
   記板組立体に水を供給する水供給装置とを備えることを
   特徴とする水環境造形装置。