JPH0779573A - 低温環境下でのインバータ装置の制御方法 - Google Patents
低温環境下でのインバータ装置の制御方法Info
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- JPH0779573A JPH0779573A JP5222690A JP22269093A JPH0779573A JP H0779573 A JPH0779573 A JP H0779573A JP 5222690 A JP5222690 A JP 5222690A JP 22269093 A JP22269093 A JP 22269093A JP H0779573 A JPH0779573 A JP H0779573A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】低温環境下で使用されるインバータ装置の通常
負荷運転停止状態において、適切な保温制御を介し装置
としての正常機能の維持を図る。 【構成】低温環境下でインバータ装置1が誘導電動機3
の運転を停止している場合に、その運転制御ードを変更
して前記装置1を機能させ、前記電動機3へ所定低値の
負荷電流を通電させ、制御回路12の各機能要素をそれ
ぞれその動作電流により自己加熱させ、また主回路11
の各機能要素を適当に制御された前記負荷電流により自
己加熱させることによって、前記各回路の各機能要素の
温度をこれら各機能要素それぞれの所要特性を保証する
下限温度以上に維持するものである。なお前記の負荷電
流は通流率制御された断続状の直流電流、可変直流電圧
による直流電流、或いは三相交流電流、単相交流電流の
何れであってもよい。
負荷運転停止状態において、適切な保温制御を介し装置
としての正常機能の維持を図る。 【構成】低温環境下でインバータ装置1が誘導電動機3
の運転を停止している場合に、その運転制御ードを変更
して前記装置1を機能させ、前記電動機3へ所定低値の
負荷電流を通電させ、制御回路12の各機能要素をそれ
ぞれその動作電流により自己加熱させ、また主回路11
の各機能要素を適当に制御された前記負荷電流により自
己加熱させることによって、前記各回路の各機能要素の
温度をこれら各機能要素それぞれの所要特性を保証する
下限温度以上に維持するものである。なお前記の負荷電
流は通流率制御された断続状の直流電流、可変直流電圧
による直流電流、或いは三相交流電流、単相交流電流の
何れであってもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、その環境温度が−2
0〜−60℃程度になる食品保存倉庫或いは極地等にお
いて使用されるインバータ装置の定常負荷運転停止時に
おける保温を目的とした運転制御方法に関する。
0〜−60℃程度になる食品保存倉庫或いは極地等にお
いて使用されるインバータ装置の定常負荷運転停止時に
おける保温を目的とした運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電動機を負荷として低温環境下で使
用されるインバータ装置に関しては、前記電動機の運転
停止中においても、その円滑な再起動に備えて前記装置
の内部に収納されたインバータ主回路とその制御回路と
を構成する機能要素特に半導体素子等の電子部品或いは
電解コンデンサ等の安定した動作を可能としておくため
に、常時適当な保温対策を必要とする。
用されるインバータ装置に関しては、前記電動機の運転
停止中においても、その円滑な再起動に備えて前記装置
の内部に収納されたインバータ主回路とその制御回路と
を構成する機能要素特に半導体素子等の電子部品或いは
電解コンデンサ等の安定した動作を可能としておくため
に、常時適当な保温対策を必要とする。
【0003】このため従来は前記の如きインバータ装置
の内部保温対策として、この装置の全体又はその特定部
を別置のヒータにより加熱する方法、或いは前記装置を
別置の箱体に収納しこの箱体に常温外気又は適当に加熱
された空気を通気させる方法が適用されていた。因み
に、図3はインバータ装置の全体をヒータにより加熱す
るインバータ装置加熱系構成図の第一の例示であって、
1はインバータ装置、2は交流電源、4は交流電源2を
インバータ装置1と共用する別置のヒータである。
の内部保温対策として、この装置の全体又はその特定部
を別置のヒータにより加熱する方法、或いは前記装置を
別置の箱体に収納しこの箱体に常温外気又は適当に加熱
された空気を通気させる方法が適用されていた。因み
に、図3はインバータ装置の全体をヒータにより加熱す
るインバータ装置加熱系構成図の第一の例示であって、
1はインバータ装置、2は交流電源、4は交流電源2を
インバータ装置1と共用する別置のヒータである。
【0004】また図4は、インバータ装置を別置の箱体
に収納しこの箱体に常温外気を通気して前記装置全体を
加熱するインバータ装置加熱系構成図の第二の例示であ
り、冷凍倉庫5内にインバータ装置1を収納する収納箱
6を設置し、通気装置7により常温外気を取り入れて前
記収納箱内を強制的に換気しインバータ装置1を外気温
に保つものである。なおこの場合交流電源2とインバー
タ装置1の負荷をなす誘導電動機3とは冷凍倉庫5内で
収納箱6と別置されている。
に収納しこの箱体に常温外気を通気して前記装置全体を
加熱するインバータ装置加熱系構成図の第二の例示であ
り、冷凍倉庫5内にインバータ装置1を収納する収納箱
6を設置し、通気装置7により常温外気を取り入れて前
記収納箱内を強制的に換気しインバータ装置1を外気温
に保つものである。なおこの場合交流電源2とインバー
タ装置1の負荷をなす誘導電動機3とは冷凍倉庫5内で
収納箱6と別置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら低温環境
下で使用されるインバータ装置の保温対策としての前記
の如き従来の方法によれば、通気装置を備えた収納箱又
はヒータの別置を要し、インバータによる交流電動機駆
動系の構成が複雑且つ大形化し全体として高価なものと
なり、更に前記の通気装置又はヒータ等付属電気機器の
設置は前記駆動系全体としての動作信頼性低下の一因を
なすものであった。
下で使用されるインバータ装置の保温対策としての前記
の如き従来の方法によれば、通気装置を備えた収納箱又
はヒータの別置を要し、インバータによる交流電動機駆
動系の構成が複雑且つ大形化し全体として高価なものと
なり、更に前記の通気装置又はヒータ等付属電気機器の
設置は前記駆動系全体としての動作信頼性低下の一因を
なすものであった。
【0006】上記に鑑みこの発明は、前記の如きインバ
ータ装置の負荷電動機停止中の保温対策として、特別な
付属機器を設けることなく、前記装置自体の動作により
その内部に収納された半導体素子等の各電子部品或いは
電解コンデンサ等をそれぞれその安定した動作を行い得
る温度に維持することを可能とするインバータ装置の制
御方法の提供を目的とするものである。
ータ装置の負荷電動機停止中の保温対策として、特別な
付属機器を設けることなく、前記装置自体の動作により
その内部に収納された半導体素子等の各電子部品或いは
電解コンデンサ等をそれぞれその安定した動作を行い得
る温度に維持することを可能とするインバータ装置の制
御方法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の低温環境下でのインバータ装置の制御方
法においては、 1)第一の手段として、交流電動機を負荷として低温環
境下で使用されるインバータ装置の制御方法に関し、前
記電動機の運転停止中は、その交流電源からの交流電力
を変換して前記電動機に対し直流電流の給電を継続する
如く前記装置を連続的に機能させ、この装置のインバー
タ主回路とその制御回路とを構成する各機能要素をそれ
ぞれその通電電流による発熱源となしてこれら各要素自
体と前記装置内部との加熱を行わせ、前記各機能要素の
温度をそれぞれその安定動作を可能とする温度範囲の下
限値以上に保持させるものとし、また、 2)第二の手段として、前記第一の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する直流電流を通流率制御された断続電流とな
すものとし、また、 3)第三の手段として、前記第一の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に印加するインバータ出力電圧を可変の直流電圧とな
すものとし、また、 4)第四の手段として、交流電動機を負荷として低温環
境下で使用されるインバータ装置の制御方法に関し、前
記電動機の運転停止中は、その交流電源からの交流電力
を変換して前記電動機に対し交流電流を給電すると共
に、この電流による電動機トルクをその所定起動トルク
より小なる適値となす如く前記装置を連続的に機能さ
せ、この装置のインバータ主回路とその制御回路とを構
成する各機能要素をそれぞれその通電電流による発熱源
となしてこれら各要素自体と前記装置内部との加熱を行
わせ、前記各機能要素の温度をそれぞれその安定動作を
可能とする温度範囲の下限値以上に保持させるものと
し、また、 5)第五の手段として、前記第四の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する交流電流を三相の交流電流となすものと
し、また、 6)第六の手段として、前記第四の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する交流電流を単相の交流電流となすものとす
る。
に、この発明の低温環境下でのインバータ装置の制御方
法においては、 1)第一の手段として、交流電動機を負荷として低温環
境下で使用されるインバータ装置の制御方法に関し、前
記電動機の運転停止中は、その交流電源からの交流電力
を変換して前記電動機に対し直流電流の給電を継続する
如く前記装置を連続的に機能させ、この装置のインバー
タ主回路とその制御回路とを構成する各機能要素をそれ
ぞれその通電電流による発熱源となしてこれら各要素自
体と前記装置内部との加熱を行わせ、前記各機能要素の
温度をそれぞれその安定動作を可能とする温度範囲の下
限値以上に保持させるものとし、また、 2)第二の手段として、前記第一の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する直流電流を通流率制御された断続電流とな
すものとし、また、 3)第三の手段として、前記第一の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に印加するインバータ出力電圧を可変の直流電圧とな
すものとし、また、 4)第四の手段として、交流電動機を負荷として低温環
境下で使用されるインバータ装置の制御方法に関し、前
記電動機の運転停止中は、その交流電源からの交流電力
を変換して前記電動機に対し交流電流を給電すると共
に、この電流による電動機トルクをその所定起動トルク
より小なる適値となす如く前記装置を連続的に機能さ
せ、この装置のインバータ主回路とその制御回路とを構
成する各機能要素をそれぞれその通電電流による発熱源
となしてこれら各要素自体と前記装置内部との加熱を行
わせ、前記各機能要素の温度をそれぞれその安定動作を
可能とする温度範囲の下限値以上に保持させるものと
し、また、 5)第五の手段として、前記第四の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する交流電流を三相の交流電流となすものと
し、また、 6)第六の手段として、前記第四の手段による低温環境
下でのインバータ装置の制御方法において、前記の電動
機に給電する交流電流を単相の交流電流となすものとす
る。
【0008】
【作用】一般に電気回路を構成する各機能要素はその通
電電流により自己発熱する。一方、前記各機能要素には
それぞれその所要特性を保証する温度域が規定されてい
る。従って低温環境下で使用されるインバータ装置がそ
の負荷交流電動機の運転を停止している場合に、前記電
動機の円滑な再起動に備え、前記装置をその構成各機能
要素それぞれの所要特性を保証する温度域の下限温度以
上に維持するためには、前記装置を連続的に機能させそ
のインバータ主回路と制御回路とにおける各機能要素を
動作状態となして前記電動機に対して適当な低電流通電
を行い、前記各機能要素自体をその通電電流による発生
熱によって適当に加熱すればよく、特にその発熱量の大
なる前記インバータ主回路の機能要素に関してはその発
熱量を適値となす如くその通電電流即ち前記電動機に対
する供給電流の値を制御することにより、前記の各機能
要素それぞれを或いは前記装置の内部を全体として前記
の下限温度以上に維持することが可能となる。
電電流により自己発熱する。一方、前記各機能要素には
それぞれその所要特性を保証する温度域が規定されてい
る。従って低温環境下で使用されるインバータ装置がそ
の負荷交流電動機の運転を停止している場合に、前記電
動機の円滑な再起動に備え、前記装置をその構成各機能
要素それぞれの所要特性を保証する温度域の下限温度以
上に維持するためには、前記装置を連続的に機能させそ
のインバータ主回路と制御回路とにおける各機能要素を
動作状態となして前記電動機に対して適当な低電流通電
を行い、前記各機能要素自体をその通電電流による発生
熱によって適当に加熱すればよく、特にその発熱量の大
なる前記インバータ主回路の機能要素に関してはその発
熱量を適値となす如くその通電電流即ち前記電動機に対
する供給電流の値を制御することにより、前記の各機能
要素それぞれを或いは前記装置の内部を全体として前記
の下限温度以上に維持することが可能となる。
【0009】因みに、インバータ装置における各種機能
要素の正常動作に関する保証温度域の下限値は、例えば
CPU,IC,パワートランジスタ等では−10〜−1
5℃であり、電解コンデンサの容量低下率はその定格値
に対して−10℃では数% ,−40℃では数十%とな
る。なお前記の如き電動機供給電流は、即ち前記インバ
ータ主回路の通電電流は、前記電動機を回転させること
なく前記主回路の各機能要素に所要の熱量を発生させる
ものであればよく、従って交流或いは直流の別、或いは
三相単相の別を問わず、前記制御回路の指定する制御モ
ードの変更により前記主回路を介して生成することが出
来る。
要素の正常動作に関する保証温度域の下限値は、例えば
CPU,IC,パワートランジスタ等では−10〜−1
5℃であり、電解コンデンサの容量低下率はその定格値
に対して−10℃では数% ,−40℃では数十%とな
る。なお前記の如き電動機供給電流は、即ち前記インバ
ータ主回路の通電電流は、前記電動機を回転させること
なく前記主回路の各機能要素に所要の熱量を発生させる
ものであればよく、従って交流或いは直流の別、或いは
三相単相の別を問わず、前記制御回路の指定する制御モ
ードの変更により前記主回路を介して生成することが出
来る。
【0010】上記に従い第一の発明は、低温環境下で使
用されるインバータ装置がその負荷電動機の運転を停止
している場合に前記装置を連続的に機能させ、その制御
回路の各機能要素をその動作電流により自己加熱させる
と共に、前記電動機への給電電流が通過する前記インバ
ータ主回路の機能要素に対しては所要の温度上昇が得ら
れる値となした直流電流を通電させるものであり、第二
の発明は、前記の直流電流を所定の通流率にて平均値制
御するものであり、また第三の発明は、前記の直流電流
を給電するインバータ出力電圧を可変の直流電圧となす
ものである。即ち前記第二と第三の発明は共に前記直流
電流の大きさの円滑な調整を図るものである。
用されるインバータ装置がその負荷電動機の運転を停止
している場合に前記装置を連続的に機能させ、その制御
回路の各機能要素をその動作電流により自己加熱させる
と共に、前記電動機への給電電流が通過する前記インバ
ータ主回路の機能要素に対しては所要の温度上昇が得ら
れる値となした直流電流を通電させるものであり、第二
の発明は、前記の直流電流を所定の通流率にて平均値制
御するものであり、また第三の発明は、前記の直流電流
を給電するインバータ出力電圧を可変の直流電圧となす
ものである。即ち前記第二と第三の発明は共に前記直流
電流の大きさの円滑な調整を図るものである。
【0011】更に第四の発明は、前記の第一乃至第三の
発明における直流電流に代えて交流電流を通電させ、且
つこの交流電流による電動機トルクをその所定起動トル
クよりも小なる適値となす如く制御するものであり、ま
た第五と第六の発明は、前記の交流電流をそれぞれ三相
と単相の交流電流となすものである。
発明における直流電流に代えて交流電流を通電させ、且
つこの交流電流による電動機トルクをその所定起動トル
クよりも小なる適値となす如く制御するものであり、ま
た第五と第六の発明は、前記の交流電流をそれぞれ三相
と単相の交流電流となすものである。
【0012】
【実施例】以下この発明の実施例を、図1に例示するイ
ンバータによる交流電動機駆動系のブロック回路図と、
図2の交流電動機内電流状態図とに従って説明する。図
1において、1はインバータ装置であり、11の主回路
と12の制御回路とから構成される。ここに主回路11
は交流電源2からの交流入力を整流する整流部11a
と、整流電圧平滑用のコンデンサ11bと、逆並列され
たダイオードを有するパワートランジスタをそのスイッ
チング要素とするインバータ部11cとから構成される
ものである。
ンバータによる交流電動機駆動系のブロック回路図と、
図2の交流電動機内電流状態図とに従って説明する。図
1において、1はインバータ装置であり、11の主回路
と12の制御回路とから構成される。ここに主回路11
は交流電源2からの交流入力を整流する整流部11a
と、整流電圧平滑用のコンデンサ11bと、逆並列され
たダイオードを有するパワートランジスタをそのスイッ
チング要素とするインバータ部11cとから構成される
ものである。
【0013】また制御回路12はCPU,IC,コンデ
ンサ等の各種機能要素により構成され、インバータ部1
1cにおける前記各スイッチング要素に対する制御指令
を発するものであ。ここに前記制御指令は、所要の交流
電圧を出力して誘導電動機3を駆動制御するインバータ
装置1の通常運転と、低温環境下で前記の装置1がその
負荷をなす誘導電動機3の運転を停止している場合に、
その各回路の機能要素自体をそれぞれ所要の発熱源とな
すことのみを目的として前記電動機3に所定低値の直流
電流或いは交流電流を通電させる前記装置1の保温運転
との両運転状態における各種指令信号を意味するもので
ある。
ンサ等の各種機能要素により構成され、インバータ部1
1cにおける前記各スイッチング要素に対する制御指令
を発するものであ。ここに前記制御指令は、所要の交流
電圧を出力して誘導電動機3を駆動制御するインバータ
装置1の通常運転と、低温環境下で前記の装置1がその
負荷をなす誘導電動機3の運転を停止している場合に、
その各回路の機能要素自体をそれぞれ所要の発熱源とな
すことのみを目的として前記電動機3に所定低値の直流
電流或いは交流電流を通電させる前記装置1の保温運転
との両運転状態における各種指令信号を意味するもので
ある。
【0014】また図示太線矢印は各動作ブロック間の電
力の流れ、即ち交流電源2からインバータ装置1の主回
路11への交流入力電力と、主回路11から誘導電動機
3へのインバータ出力電力と、主回路11から制御回路
12への制御電力との三者の流れを示すものである。な
お図示各電力の流れ自体は前記の通常運転と保温運転と
の両運転状態において不変である。
力の流れ、即ち交流電源2からインバータ装置1の主回
路11への交流入力電力と、主回路11から誘導電動機
3へのインバータ出力電力と、主回路11から制御回路
12への制御電力との三者の流れを示すものである。な
お図示各電力の流れ自体は前記の通常運転と保温運転と
の両運転状態において不変である。
【0015】ここに前記制御電力は、前記の通常運転と
保温運転との両運転状態においてその値に大差はない。
また前記の保温運転における前記インバータ出力電力
は、この電力に対応するインバータ出力電流が主回路1
1の各機能要素において生成する発熱量によって、前記
各機能要素自体の温度と前記装置1の内部温度とをこれ
ら各機能要素それぞれの所要特性を保証する下限温度以
上に維持し、且つ前記出力電流による誘導電動機3の発
生トルクをその所定起動トルクよりも小となす如く、決
定されるものであり、従って保温運転時のインバータ出
力電力の値は通常運転時のそれに比して大幅に小とな
る。
保温運転との両運転状態においてその値に大差はない。
また前記の保温運転における前記インバータ出力電力
は、この電力に対応するインバータ出力電流が主回路1
1の各機能要素において生成する発熱量によって、前記
各機能要素自体の温度と前記装置1の内部温度とをこれ
ら各機能要素それぞれの所要特性を保証する下限温度以
上に維持し、且つ前記出力電流による誘導電動機3の発
生トルクをその所定起動トルクよりも小となす如く、決
定されるものであり、従って保温運転時のインバータ出
力電力の値は通常運転時のそれに比して大幅に小とな
る。
【0016】また前記交流入力電力は、前記のインバー
タ出力電力と制御電力との和として与えられる。上記の
如く、前記保温運転時のインバータ装置1においては、
主回路11の各機能要素は制御された通電電流によるそ
れ自体の発生熱によって、また制御回路12の各機能要
素はそれ自体の発生熱と前記主回路機能要素の発生熱に
より加熱された前記装置1の内部温度とを介して保温さ
れ、前記の各機能要素はそれぞれその所要特性を保証す
る下限温度以上に維持される。
タ出力電力と制御電力との和として与えられる。上記の
如く、前記保温運転時のインバータ装置1においては、
主回路11の各機能要素は制御された通電電流によるそ
れ自体の発生熱によって、また制御回路12の各機能要
素はそれ自体の発生熱と前記主回路機能要素の発生熱に
より加熱された前記装置1の内部温度とを介して保温さ
れ、前記の各機能要素はそれぞれその所要特性を保証す
る下限温度以上に維持される。
【0017】なお前記保温運転時のインバータ出力電流
の種別は、前述の如く制御回路12の指定する制御モー
ドにより決定されるものであり、通流率制御された断続
状の直流電流、可変直流電圧による直流電流、或いは三
相交流電流、単相交流電流等がその対象となる。次に図
2の交流電動機内電流状態図は、インバータ装置よりそ
の負荷電動機へ直流通電した場合の電動機内電流分流状
態を示すものであり、インバータ装置1のU相出力端子
より誘導電動機3へ入力された直流電流IDC-Uがこの電
動機内で図示矢印の如く直流電流IDC-VとIDC-Wとに分
流後、それぞれそのV,W両出力端子を経由して前記装
置1へ還流する模様を示すものである。この場合、図示
の如き各直流電流が誘導電動機3において回転磁界を発
生させることはなく、従って前記電動機にトルクが発生
することもない。
の種別は、前述の如く制御回路12の指定する制御モー
ドにより決定されるものであり、通流率制御された断続
状の直流電流、可変直流電圧による直流電流、或いは三
相交流電流、単相交流電流等がその対象となる。次に図
2の交流電動機内電流状態図は、インバータ装置よりそ
の負荷電動機へ直流通電した場合の電動機内電流分流状
態を示すものであり、インバータ装置1のU相出力端子
より誘導電動機3へ入力された直流電流IDC-Uがこの電
動機内で図示矢印の如く直流電流IDC-VとIDC-Wとに分
流後、それぞれそのV,W両出力端子を経由して前記装
置1へ還流する模様を示すものである。この場合、図示
の如き各直流電流が誘導電動機3において回転磁界を発
生させることはなく、従って前記電動機にトルクが発生
することもない。
【0018】即ちインバータ装置が前記の如き保温運転
を行う場合にその負荷交流電動機に対し直流通電を行え
ば、この電動機におけるトルク発生を考慮する必要はな
く、前記装置の主回路を構成する各機能要素における所
要熱量の発生のみを考慮して直流電流値の決定をなせば
よいことになる。何れにせよ低温環境下で使用されるイ
ンバータ装置に対し、その主回路と制御回路とを構成す
る各機能要素の放熱構造を適切なものとして各放熱構造
間の放熱性能のバランスをとり、前記各機能要素をそれ
ぞれ動作状態となして適当な値の直流或いは交流通電を
行えば、前記装置内に種々の小形ヒータを適度に分布さ
せたことと等価となり、低温環境における前記各機能要
素の所定温度以上での保温制御が可能となる。
を行う場合にその負荷交流電動機に対し直流通電を行え
ば、この電動機におけるトルク発生を考慮する必要はな
く、前記装置の主回路を構成する各機能要素における所
要熱量の発生のみを考慮して直流電流値の決定をなせば
よいことになる。何れにせよ低温環境下で使用されるイ
ンバータ装置に対し、その主回路と制御回路とを構成す
る各機能要素の放熱構造を適切なものとして各放熱構造
間の放熱性能のバランスをとり、前記各機能要素をそれ
ぞれ動作状態となして適当な値の直流或いは交流通電を
行えば、前記装置内に種々の小形ヒータを適度に分布さ
せたことと等価となり、低温環境における前記各機能要
素の所定温度以上での保温制御が可能となる。
【0019】
【発明の効果】この発明によれば、低温環境下でその負
荷交流電動機の通常の運転を停止しているインバータ装
置に関し、その交流電源からの交流電力を変換して前記
電動機に対して可変直流電流の給電を継続する如く前記
装置を連続的に機能させ、この装置のインバータ主回路
とその制御回路とを構成する各機能要素をそれぞれその
通電電流による発熱源となしてこれら各要素自体と前記
装置内部との加熱を行わせて、前記各機能要素をそれぞ
れその安定動作を可能とする温度域の下限値以上に保温
させる如く制御し、或いは、前記の直流電流に代えて前
記電動機に三相又は単相の交流電流を通電させ且つこの
交流電流による電動機トルクをその所定の起動トルクよ
りも小なる適値となす如く制御することによって、前記
インバータ装置を収納する通気装置を備えた収納箱或い
はヒータ等の特別な付属機器を別途設けることなく、即
ちインバータによる交流電動機駆動系の構成の複雑化と
大形化更にはその動作信頼性の低下を来すことなく、前
記インバータ装置自体の動作によりその内部に収納され
た半導体素子等の各電子部品又は電解コンデンサ等の各
機能要素をそれぞれその所要特性を保証する下限温度以
上に保温し、前記インバータ装置を常時その正常機能状
態となすことが出来る。
荷交流電動機の通常の運転を停止しているインバータ装
置に関し、その交流電源からの交流電力を変換して前記
電動機に対して可変直流電流の給電を継続する如く前記
装置を連続的に機能させ、この装置のインバータ主回路
とその制御回路とを構成する各機能要素をそれぞれその
通電電流による発熱源となしてこれら各要素自体と前記
装置内部との加熱を行わせて、前記各機能要素をそれぞ
れその安定動作を可能とする温度域の下限値以上に保温
させる如く制御し、或いは、前記の直流電流に代えて前
記電動機に三相又は単相の交流電流を通電させ且つこの
交流電流による電動機トルクをその所定の起動トルクよ
りも小なる適値となす如く制御することによって、前記
インバータ装置を収納する通気装置を備えた収納箱或い
はヒータ等の特別な付属機器を別途設けることなく、即
ちインバータによる交流電動機駆動系の構成の複雑化と
大形化更にはその動作信頼性の低下を来すことなく、前
記インバータ装置自体の動作によりその内部に収納され
た半導体素子等の各電子部品又は電解コンデンサ等の各
機能要素をそれぞれその所要特性を保証する下限温度以
上に保温し、前記インバータ装置を常時その正常機能状
態となすことが出来る。
【図1】インバータによる交流電動機駆動系のブロック
回路図
回路図
【図2】交流電動機内電流状態図
【図3】従来技術の第一の実施例を示すインバータ装置
加熱系構成図
加熱系構成図
【図4】従来技術の第二の実施例を示すインバータ装置
加熱系構成図
加熱系構成図
1 インバータ装置 2 交流電源 3 誘導電動機 4 ヒータ 5 冷凍倉庫 6 収納箱 7 通風装置 11 主回路 11a 整流部 11b コンデンサ 11c インバータ部 12 制御回路
Claims (6)
- 【請求項1】交流電動機を負荷とし低温環境下で使用さ
れるインバータ装置の制御方法であって、前記電動機の
運転停止中は、その交流電源からの交流電力を変換して
前記電動機に対し直流電流の給電を継続する如く前記装
置を連続的に機能させ、この装置のインバータ主回路と
その制御回路とを構成する各機能要素をそれぞれその通
電電流による発熱源となしてこれら各要素自体と前記装
置内部との加熱を行わせ、前記各機能要素の温度をそれ
ぞれその安定動作を可能とする温度範囲の下限値以上に
保持させることを特徴とする低温環境下でのインバータ
装置の制御方法。 - 【請求項2】請求項1記載の低温環境下でのインバータ
装置の制御方法において、前記電動機に給電する直流電
流を通流率制御された断続電流となすことを特徴とする
低温環境下でのインバータ装置の制御方法。 - 【請求項3】請求項1記載の低温環境下でのインバータ
装置の制御方法において、前記電動機に印加するインバ
ータ出力電圧を可変の直流電圧となすことを特徴とする
低温環境下でのインバータ装置の制御方法。 - 【請求項4】交流電動機を負荷とし低温環境下で使用さ
れるインバータ装置の制御方法であって、前記電動機の
運転停止中は、その交流電源からの交流電力を変換して
前記電動機に対し交流電流を給電すると共に、この電流
による電動機トルクをその所定起動トルクより小なる適
値となす如く前記装置を連続的に機能させ、この装置の
インバータ主回路とその制御回路とを構成する各機能要
素をそれぞれその通電電流による発熱源となしてこれら
各要素自体と前記装置内部との加熱を行わせ、前記各機
能要素の温度をそれぞれその安定動作を可能とする温度
範囲の下限値以上に保持させることを特徴とする低温環
境下でのインバータ装置の制御方法。 - 【請求項5】請求項4記載の低温環境下でのインバータ
装置の制御方法において、前記電動機に給電する交流電
流を三相の交流電流となすことを特徴とする低温環境下
でのインバータ装置の制御方法。 - 【請求項6】請求項4記載の低温環境下でのインバータ
装置の制御方法において、前記電動機に給電する交流電
流を単相の交流電流となすことを特徴とする低温環境下
でのインバータ装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5222690A JPH0779573A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低温環境下でのインバータ装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5222690A JPH0779573A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低温環境下でのインバータ装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0779573A true JPH0779573A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=16786392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5222690A Pending JPH0779573A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低温環境下でのインバータ装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0779573A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009148101A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Nidec Sankyo Corp | 電磁アクチュエータの制御方法 |
RU2598867C2 (ru) * | 2013-12-27 | 2016-09-27 | Мицубиси Электрик Корпорейшн | Кондиционер воздуха и способ управления кондиционером воздуха |
JPWO2021117124A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP5222690A patent/JPH0779573A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009148101A (ja) * | 2007-12-17 | 2009-07-02 | Nidec Sankyo Corp | 電磁アクチュエータの制御方法 |
RU2598867C2 (ru) * | 2013-12-27 | 2016-09-27 | Мицубиси Электрик Корпорейшн | Кондиционер воздуха и способ управления кондиционером воздуха |
US9696045B2 (en) | 2013-12-27 | 2017-07-04 | Mitsubishi Electric Corporation | Air conditioner and control method of air conditioner |
JPWO2021117124A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | ||
WO2021117124A1 (ja) * | 2019-12-10 | 2021-06-17 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 電力変換システムの制御装置 |
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