JP3986282B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内機及び室外機よりなる室内外機分離形の空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機における室外機の電気的構成を図5に示す。商用交流電源41が四つのダイオードをブリッジ接続して成る整流回路42の入力側に接続される。整流回路42の正極性側出力端にコンデンサ43の正極性側が接続され、整流回路42の負極性側出力端にコンデンサ43の負極性側が接続される。
【0003】
コンデンサ43の両端は、インバータ回路44の入力側、インバータ回路46の入力側、及び絶縁電圧変換回路48の入力側に接続される。インバータ回路44の出力側は圧縮機駆動用モータ45に接続され、インバータ回路46の出力側は室外ファン駆動用モータ47に接続され、絶縁電圧変換回路48の出力側は制御回路49に接続される。
【0004】
なお、インバータ回路44及び46は6個のスイッチング素子を3相全波ブリッジ接続したものである。また、絶縁電圧変換回路48は、スイッチ、絶縁トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサ、及び定電圧電源回路を備えている。
【0005】
また、制御回路49は、フォトカプラ50を介してインバータ回路44内の各スイッチング素子の制御端子に接続され、フォトカプラ51を介してインバータ回路46内の各スイッチング素子の制御端子に接続される。したがって、図5では省略しているが、制御回路49とインバータ回路44とを接続する信号線は6本であってその信号線各々にフォトカプラ50が設けられ、制御回路49とインバータ回路46とを接続する信号線は6本であってその信号線各々にフォトカプラ51が設けられる。
【0006】
そして、モータコイルに発生する誘起電圧を圧縮機駆動用モータ45のモータコイル端子から検出してロータ位置を検出するロータ位置検出回路(図示せず)がフォトカプラ(図示せず)を介して制御回路49に接続され、モータコイルに発生する誘起電圧を室外ファン駆動用モータ47のモータコイル端子から検出してロータ位置を検出するロータ位置検出回路(図示せず)がフォトカプラ(図示せず)を介して制御回路49に接続される。
【0007】
さらに、制御回路49は、フォトカプラ52及び53を介して室内機内に設けられて室内機の制御を行う制御回路(図示せず)と接続される。
【0008】
次に、このような構成の室外機の動作について説明する。商用交流電源41から供給される交流電圧は、整流回路42により全波整流されたのち、コンデンサ43により平滑化され、直流電圧VDC4となる。この直流電圧VDC4が、インバータ回路44、インバータ回路46、及び絶縁電圧変換回路48に供給される。
【0009】
インバータ回路44は直流電圧VDC4を三相の正弦波状電圧に変換し、その三相の正弦波状電圧を圧縮機駆動用モータ45に供給する。また、インバータ回路46は直流電圧VDC4を三相の正弦波状電圧に変換し、その三相の正弦波状電圧を室外ファン駆動用モータ47に供給する。そして、絶縁電圧変換回路48は直流電圧VDC4を直流電圧VDC5に変換し、その直流電圧VDC5を制御回路49に供給する。
【0010】
制御回路49は直流電圧VDC5を駆動電圧とする。制御回路49は、室内機内の制御回路(図示せず)とフォトカプラ52及び53を介して通信して冷房開始の命令を受け取るなどする。制御回路49は、メモリ54に予め格納されているデータを参照して、その命令及びモータのロータ位置に応じた制御信号を作成する。そして、制御回路49は、その制御信号をフォトカプラ50及び51を介してインバータ回路内のスイッチング素子に送出し、インバータ回路44及び46を制御する。これにより、インバータ回路44及び46は命令に応じた正弦波状電圧を生成することができる。
【0011】
制御回路49は、インバータ回路44及び46の制御の他に熱交換サイクルの各電子制御弁の制御、サーミスタの出力信号検出、直流電圧VDC4の検出、力率改善及び/又は直流電圧の昇降圧を行うパルス振幅変調(PAM)制御を行うが、それに関係する部分の構成及び動作については説明を省略する。
【0012】
図5に示す従来の空気調和機が備える室外機40では、制御回路49は絶縁電圧変換回路48及びフォトカプラ50〜53によって商用交流電源41に対して電気的に絶縁されていた。
【0013】
一方、従来の空気調和機には、図5の構成から絶縁電圧変換回路48及びフォトカプラ50〜53を除き、制御回路49を商用交流電源41に対して電気的に非絶縁とした形態のものもある。以下、このような形態の空気調和機を従来の空気調和機Bと呼び、図5の構成の室外機40を備える空気調和機を従来の空気調和機Aと呼ぶことにする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和機Aでは、多数のフォトカプラが必要となることからコストの増加を招くといった問題があった。一方、従来の空気調和機Bでは故障又は動作不具合などが起こったときの安全性が確保されないといった問題があった。室外機の電気回路を構成するときには、これらの問題点を考慮した上でその設計方針により従来の空気調和機A又は従来の空気調和機Bのどちらかを選択していた。
【0015】
また近年のモータ制御高性能化に伴い、モータ制御機能を充実させた制御回路が広まってきたが、それらの制御回路の中にはモータ制御以外のシーケンス制御などを不得意とするものがある。さらにこれらの室外機制御を一つの制御回路内に一つのプログラムで記述すると煩雑・複雑化が増していくという問題もあった。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑み、低廉且つ安全性の高い空気調和機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気調和機においては、室内機及び室外機よりなり、前記室外機内に前記室外機の制御を行う第1の制御手段および第2の制御手段を備え、前記第1の制御手段を交流電源に対して絶縁し、前記第2の制御手段を前記交流電源に対して非絶縁とする。
【0018】
さらに、絶縁素子の数量を低減する観点から、前記室外機内にファン駆動用モータと、前記ファン駆動用モータを駆動する第1の駆動回路と、圧縮機駆動用モータと、前記圧縮機駆動用モータを駆動する第2の駆動回路とを備え、前記第2の制御手段が前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路を制御し、室外機の効率的に動作させる観点から、前記第1の制御手段と前記第2の制御手段とが絶縁素子を介して通信を行うようにする。
【0019】
また、プログラム修正の際の負担を軽減する観点から、前記第1の制御手段が記憶手段を備え、前記記憶手段が前記第2の制御手段のプログラム変数初期値の一部又は全部を保持するようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る空気調和機における室外機の電気的構成を図1に示す。商用交流電源1が電流検出回路2を介して四つのダイオードをブリッジ接続して成る整流回路3の入力側に接続される。なお、電流検出回路2にはカレントトランス等を用いるとよい。
【0030】
整流回路3の出力側は、チョークコイルL1とダイオードD1とNPN型の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1から成るパルス振幅変調回路(以下、PAM回路という)4を介してコンデンサ5に接続される。すなわち、整流回路3の正極性側出力端にチョークコイルL1の一端が接続され、チョークコイルの他端にダイオードD1のアノード及びトランジスタQ1のコレクタが接続され、ダイオードD1のカソードにコンデンサ5の正極性側が接続され、整流回路3の負極性側出力端にトランジスタQ1のエミッタ及びコンデンサ5の負極性側が接続される。なお、トランジスタQ1のベースは制御回路12に接続される。
【0031】
コンデンサ5の両端は、インバータ回路6の入力側、インバータ回路8の入力側、非絶縁電圧変換回路10の入力側、絶縁電圧変換回路11の入力側、及び直流電圧検出回路24に接続される。
【0032】
インバータ回路6の出力側は圧縮機駆動用モータ7に接続され、インバータ回路8の出力側は室外ファン駆動用モータ9に接続される。また、非絶縁電圧変換回路10の出力側は制御回路12に接続され、絶縁電圧変換回路11の出力側は制御回路13に接続される。なお、圧縮機駆動用モータ7及び室外ファン駆動用モータ9は、3相DCブラシレスモータである。
【0033】
直流電圧検出回路24は2個の抵抗の直列接続体である。直流電圧検出回路24の出力端である2個の抵抗の接続ノードが、制御回路12及び異常検出回路14の一方の入力側に接続される。また、電流検出回路2が異常検出回路14の他方の入力側に接続される。そして、異常検出回路14の出力側が制御回路12に接続される。
【0034】
なお、インバータ回路6及び8は図2に示すように6個のNPN型の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタQ2〜Q7を3相全波ブリッジ接続したものである。図2において、端子a1〜a2は入力側であり、端子b1〜b3は出力側であり、端子c1〜c6には制御回路からの制御信号が入力される。トランジスタを保護するためのダイオードが、トランジスタQ2〜Q7それぞれのコレクタ−エミッタ間に逆方向接続されている。尚、トランジスタQ2〜Q4側をインバータ回路の上相と呼び、トランジスタQ5〜Q7側をインバータ回路の下相と呼ぶ。
【0035】
また、非絶縁電圧変換回路10は、スイッチ、非絶縁トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサ、及び定電圧電源回路を備えており、絶縁電圧変換回路11は、スイッチ、絶縁トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサ、及び定電圧電源回路を備えている。
【0036】
制御回路12は、直接インバータ回路6及び8内のスイッチング素子に接続される。そして、モータコイルに発生する誘起電圧を圧縮機駆動用モータ7のモータコイル端子から検出してロータ位置を検出するロータ位置検出回路(図示せず)が直接制御回路12に接続され、モータコイルに発生する誘起電圧を室外ファン駆動用モータ9のモータコイル端子から検出してロータ位置を検出するロータ位置検出回路(図示せず)が直接制御回路12に接続される。
【0037】
制御回路13は、サーミスタ15と、駆動回路16を介して膨張弁駆動用ステッピングモータ17とに接続される。また、制御回路12と制御回路13とは、フォトカプ18及び19を介して接続される。さらに、制御回路13は、フォトカプラ20及び21を介して室内機内に設けられて室内機の制御を行う制御回路(図示せず)と接続される。
【0038】
このような構成により、制御回路13は商用交流電源1に対して電気的に絶縁され、制御回路12は商用交流電源1に対して電気的に絶縁されない。そして、インバータ回路6及び8が制御回路12に直接接続されているので、フォトカプラの数を低減することができ、低コスト化を図ることができる。また、人が触れる可能性のあるサーミスタ15が制御回路13に接続されているので、人が感電するおそれがなくなる。
【0039】
次に、このような構成の室外機の動作について、冷房定格運転を例にとって説明する。商用交流電源1から供給される交流電圧は、整流回路3により全波整流され、PAM回路4によって力率改善及び/又は昇降圧され、コンデンサ5により平滑化されて、直流電圧VDC1となる。この直流電圧VDC1が、インバータ回路6、インバータ回路8、非絶縁電圧変換回路10、及び絶縁電圧変換回路11に供給される。
【0040】
インバータ回路6は直流電圧VDC1を三相電圧に変換し、その三相電圧を圧縮機駆動用モータ7に供給する。また、インバータ回路8は直流電圧VDC1を三相電圧に変換し、その三相電圧を室外ファン駆動用モータ9に供給する。
【0041】
そして、非絶縁電圧変換回路10は直流電圧VDC1を直流電圧VDC2に変換し、その直流電圧VDC2を制御回路12に供給する。また、絶縁電圧変換回路11は直流電圧VDC1を直流電圧VDC3に変換し、その直流電圧VDC3を制御回路13に供給する。制御回路12は直流電圧VDC2を駆動電圧とし、制御回路13は直流電圧VDC3を駆動電圧する。
【0042】
まず、冷房定格運転を行う指令信号が室内機内の制御回路(図示せず)よりフォトカプラ20を介して制御回路13に送信される。
【0043】
制御回路13は冷房定格運転を行う指令信号をフォトカプラ18を介して制御回路12へ送信する。制御回路13は、メモリ23に冷房定格運転時の圧縮機駆動用モータ回転数N1と室外ファン駆動用モータ回転数N2を保持しており、そのデータは冷房定格運転を行う指令信号とともに制御回路12に送信される。また、制御回路13はバッファ回路からなる駆動回路16に信号を与えて膨張弁駆動用ステッピングモータ17を制御して、膨張弁(図示せず)により熱交換器(図示せず)の冷媒流量を調節する。
【0044】
制御回路12は、制御回路13から送られたデータをメモリ22に保持する。そして、制御回路12は、圧縮機駆動用モータ7のロータ位置に応じた回転数N1を目標値としたパルス幅変調信号(以下、PWM信号という)を直接インバータ回路6に出力する。インバータ回路6においてPWM信号に応じたスイッチングが行われることにより、圧縮機駆動用モータ7へ目標の電流が与えられ、圧縮機駆動用モータ7の回転数が回転数N1に到達する。また、制御回路12は、室外ファン駆動用モータ9のロータ位置に応じた回転数N2を目標値としたPWM信号を直接インバータ回路8に出力する。インバータ回路8においてPWM信号に応じたスイッチングが行われることにより、室外ファン駆動用モータ9へ目標の電流が与えられ、室外ファン駆動用モータ9の回転数が回転数N2に到達する。
【0045】
通常、室外機に設けられる制御回路は、圧縮機駆動用モータ及び室外ファン駆動モータのモータコイルに各相に対応する図3に示す対称3相正弦波状電圧Eu、Ev、Ewが印加されるように、圧縮機駆動用モータに電力を供給するインバータ回路及び室外ファン駆動モータに電力を供給するインバータ回路それぞれにPWM信号を出力する。
【0046】
一方、室外機に設けられる制御回路は、圧縮機駆動用モータ及び室外ファン駆動モータのモータコイルに各相に対応する図4に示す3相電圧Eu’、Ev’、Ew’が印加されるように、圧縮機駆動用モータに電力を供給するインバータ回路及び室外ファン駆動モータに電力を供給するインバータ回路それぞれにPWM信号を出力する場合もある。この場合、モータ線間電圧は、図3に示した対称3相正弦波状電圧Eu、Ev、Ewを印加する場合と同じであるにもかかわらず、常に1相はスイッチングが行われないため損失低減となりモータ性能向上となる。
【0047】
しかし、インバータ回路の上相と下相との短絡を防止する期間(以下、デッドタイムという)の影響が図3に示す対称3相正弦波状電圧Eu、Ev、Ewを印加する場合では各相でほぼ均一であるが、図4に示す3相電圧Eu’、Ev’、Ew’を印加する場合では各相で大きく異なる。このため、従来のモータ制御装置において、室外機に設けられる制御回路が、圧縮機駆動用モータ及び室外ファン駆動モータのモータコイルに図4に示す3相電圧Eu’、Ev’、Ew’が印加されるように、圧縮機駆動用モータに電力を供給するインバータ回路及び室外ファン駆動モータに電力を供給するインバータ回路それぞれにPWM信号を出力すると、電流波歪みが生じていた。
【0048】
本実施形態の空気調和機の場合、制御回路12がフォトカプラ等の絶縁素子を介さずにインバータ回路6及び8に直接PWM信号を出力するので、デッドタイムを十分に小さくすることができる。
【0049】
したがって、制御回路12が、圧縮機駆動用モータ7及び室外ファン駆動モータ9のモータコイルに図4に示すような3相電圧Eu’、Ev’、Ew’が印加されるように、インバータ回路6及び8それぞれにPWM信号を出力することが望ましい。これにより、電流波歪を小さくした上で、損失低減によるモータ性能向上が実現される。
【0050】
なお、制御回路12は、メモリ22に予め格納されている正弦波データから3相電圧Eu’、Ev’、Ew’と同一波形のデータを生成し、そのデータと三角波とを比較することによってPWM信号を生成する。
【0051】
制御回路12は、インバータ回路6に回転数N1に応じたPWM信号を出力しインバータ回路8に回転数N2に応じたPWM信号を出力した段階で、フォトカプラ19を介して、冷房定格運転に到達したことを制御回路13へ送信する。そうすると、制御回路13は冷房定格運転に到達したと判定し、それに応じた膨張弁制御を行う。
【0052】
また、電流検出回路2の出力信号と直流電圧検出回路24の出力信号とが異常検出回路14に入力される。いずれかの出力信号が一定のしきい値を越えると、異常検出回路14は制御回路12に異常信号を出力する。さらに、直流電圧検出回路24の出力端は制御回路12のA/D端子にも接続されている。これにより、制御回路12は直流電圧VDC1の電圧レベルを直接検出することができる。
【0053】
そして、異常検出回路14から異常信号が発せられたときには、制御回路12は圧縮機駆動用モータ7及び室外ファン駆動用モータ9の運転を一旦停止させ、フォトカプラ19を介して制御回路13に運転停止指令を送信する。また、制御回路13は、フォトカプラ21を介して室内機内の制御回路(図示せず)に異常信号を送信する。その後、制御回路12は、直流電圧VDC1の電圧レベルを検出することにより、過電流であったか過電圧であったかの判定を行い、その判定結果に応じた運転復帰の制御を行う。
【0054】
PAM回路4は、インダクタンスL1によるエネルギ蓄積効果を利用して力率改善及び/又は直流電圧VDC1の昇降圧を行う。制御回路12はA/D端子により検出した直流電圧VDC1の電圧レベルをフィードバック値としてトランジスタQ1のスイッチングを制御する。これにより、直流電圧VDC1の昇降圧を所望の値にすることができる。
【0055】
モータに最適電圧を与えるには直流電圧VDC1の値に応じてインバータ回路6及び8に出力するPWM信号のデューティを決定する必要があることから、直流電圧VDC1の値とPWM信号のデューティとの双方を制御する回路を備える構成の場合は、その比率の制御も必要となる。上述したように、制御回路12が双方の制御を行う構成とすれば、制御回路12内での演算のみで高速かつ高性能な制御が実現される。
【0056】
圧縮機、熱交換器、二方弁などに設けられたサーミスタ15は制御回路13のA/D端子に接続されている。制御回路13は、サーミスタ15からの出力信号が所定のしきい値以上であるとき異常と判定し、フォトカプラ18を介して制御回路12へ運転停止指令を送信する。また、制御回路13はフォトカプラ21を介して室内機内の制御回路(図示せず)へ各々の異常信号を送信する。
【0057】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるのではない。
【0058】
例えば、上述した実施形態ではDCブラシレスモータを利用したが、誘導モータ、リラクタンスモータなどでもよく、モータの種類は何ら制限されない。
【0059】
また、上述した実施形態ではファンモータ駆動は制御回路12がインバータ回路8を直接制御する形態としたが、モータ駆動専用ICを用い、制御回路12はそのモータ駆動専用ICに速度指令を与えるだけの形態としてもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では図4に示すようにモータコイル各相において最大電圧のときに対応するインバータ回路の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタがスイッチング動作を行わないようにしたが、最小電圧のときに対応するインバータ回路の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタがスイッチング動作を行わないようにしてもよい。
【0061】
また、PAM回路4は整流回路3の後段に設けられているが、整流回路3の前段に設けてもよく、また昇圧動作だけを行うようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によると、室外機内に室外機の制御を行う第1の制御手段および第2の制御手段を備え、第1の制御手段を交流電源に対して絶縁し、第2の制御手段を交流電源に対して非絶縁とするので、フォトカプラ等の絶縁素子の数量を減少させ低コスト化を図ることができるとともに、人が触れる可能性のある部分を第1の制御手段に接続することによって人が感電するおそれがなくなり、故障又は動作不具合などが起こったときの安全性も確保することができる。また、第2の制御手段がモータ制御のみを行う構成にすることができるので、近年広まってきたモータ制御機能を充実させた制御回路を利用しやすい構成である。さらに、室外機制御を制御回路毎に分割してプログラム記述できるので、プログラムの煩雑・複雑化を避けることができる。
【0063】
また、本発明によると、第1の制御手段と第2の制御手段とが絶縁素子を介して通信を行うので、室外機制御を制御手段毎に分割してプログラム記述しても連系がとれる。これにより、室外機を効率的に動作させることができる。
【0064】
また、本発明によると、第1の制御手段が記憶手段を備え、その記憶手段が第2の制御手段のプログラム変数初期値の一部又は全部を保持するので、プログラム修正を行う際の負担を軽減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0068】
また、本発明によると、室外機内にファン駆動用モータを備え、第2の制御手段がファン駆動用モータの駆動を制御するので、ファン駆動用モータに電力供給するインバータ手段のスイッチング素子と第2の制御手段との間にフォトカプラ等の絶縁素子を設ける必要がなくなる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【0069】
また、本発明によると、室外機内に圧縮機駆動用モータを備え、第2の制御手段が圧縮機駆動用モータの駆動を制御するので、圧縮機駆動用モータに電力を供給するインバータ手段のスイッチング素子と第2の制御手段との間にフォトカプラ等の絶縁素子を設ける必要がなくなる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空気調和機における室外機の電気的構成を示す図である。
【図2】 図1の室外機が備えるインバータ回路の構成を示す図である。
【図3】 対称3相正弦波状電圧を示す図である。
【図4】 モータ線間電圧が対称3相正弦波状電圧と等しくなる3相電圧を示す図である。
【図5】 従来の空気調和機における室外機の電気的構成を示す図である。
【符号の説明】
1 商用交流電源
2 電流検出回路
4 パルス振幅変調回路
6、8 インバータ回路
7 圧縮機駆動用モータ
9 室外ファン駆動用モータ
10 非絶縁電圧変換回路
11 絶縁電圧変換回路
12、13 制御回路
14 異常検出回路
15 サーミスタ
17 膨張弁駆動用ステッピングモータ
18〜21 フォトカプラ
24 直流電圧検出回路

Claims (2)

  1. 室内機及び室外機よりなる室内外機分離形の空気調和機において、前記室外機内に前記室外機の制御を行う第1の制御手段および第2の制御手段を備え、前記第1の制御手段を交流電源に対して絶縁し、前記第2の制御手段を前記交流電源に対して非絶縁とし、
    前記室外機内にファン駆動用モータと、前記ファン駆動用モータを駆動する第1の駆動回路と、圧縮機駆動用モータと、前記圧縮機駆動用モータを駆動する第2の駆動回路とを備え、前記第2の制御手段が前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路を制御し、
    前記第1の制御手段と前記第2の制御手段とが絶縁素子を介して通信を行うことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記第1の制御手段が記憶手段を備え、前記記憶手段が前記第2の制御手段のプログラム変数初期値の一部又は全部を保持する請求項1に記載の空気調和機。
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