JPH077834U - ３軸方向位置決め調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Ｚ軸方向の調整が非常に簡単であると共に金
属板を必要としないことから、組み立て作業の容易性と
部品点数の削減からコストの低減が図れるものである。 【構成】 ネジ棒５あるいはＸ軸回転軸１２等の外部操
作によって回転される螺杆が螺合されるネジ軸受７，１
４と、該ネジ軸受にＸ，Ｙ軸方向に対して移動調整可能
に取付けられる固定ブロック１６と、該固定ブロックが
隙間無く嵌合される孔３ａ，１１ａが形成されたステー
ジ３，１１とを具備したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はＸ軸方向およびＹ軸方向にステージを移動させるＸ−Ｙ軸テーブルの 精密位置決めにおけるＸ−Ｙ−Ｚ軸方向の位置決め調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来におけるＸ−Ｙ軸テーブルの一例を図３〜図６について説明する。 図３は全体の平面図、図４はＹ軸ステージを移動させる部分の部分断面図、図 ５はＸ軸ステージを移動させる部分の部分断面図、図６は回転軸の支持部分を示 す拡大断面図である。

【０００３】 図４において、１は図示しない基台にピン１ａによって固定されるＹ軸基台に して、このＹ軸基台１にはＹ軸方向に沿って形成されたガイドレール２を介して Ｙ軸方向に移動自在にＹ軸ステージ３が取付けられている。前記基台１にはＹ軸 方向に沿ってＹ軸回転軸４が挿通され、摘み４ａが側面より突出している。

【０００４】 また、前記Ｙ軸基台１にはネジ棒５の一端を軸支する軸受台６がボルト６ａに よって固定され、一方、Ｙ軸ステージ３には前記ネジ棒５が螺合されるネジ軸受 ７がボルト７ａによって固定されいる。そして、前記ネジ棒５の先端に固定され た傘歯車５ａとＹ軸回転軸４に固定された傘歯車８とが噛合されている。

【０００５】 前記したＹ軸ステージ３にはピン９ａによって位置決め固定されるＸ軸基台９ が取付けられ、このＸ軸基台９にはガイドレール１０を介してＸ軸方向に移動自 在にＸ軸ステージ１１が取付けられている。そして、このＸ軸ステージ１１には 前記Ｙ軸回転軸４と直交してＸ軸回転軸１２が挿通され、摘み１２ａが前記Ｙ軸 回転軸４の摘み４ａと同一側面に突出している。

【０００６】 また、前記Ｘ軸基台９には前記したＸ軸回転軸１２の先端を軸支する軸受台１ ３がボルト１３ａによって固定され、一方、Ｘ軸ステージ１１には前記Ｘ軸回転 軸１２に形成されたネジ部が螺合されるネジ軸受１４がボルト１４ａによって固 定されている。

【０００７】 このように構成した従来のＸ−Ｙ軸テーブルは、Ｙ軸回転軸４の摘み４ａを回 転することにより傘歯車５ａを介して傘歯車８が回転して、この傘歯車８に螺合 されているネジ棒５が回転されるので、このネジ棒５が螺合されているネジ軸受 ７が移動し、従って、Ｙ軸ステージ３がＹ軸方向に移動する。

【０００８】 また、Ｘ軸回転軸１２の摘み１２ａを回転することにより、このＸ軸回転軸１ ２に形成されたネジ部に螺合されているネジ軸受１４が移動するので、このネジ 軸受１４が取付けられているＸ軸ステージ１１がＸ軸方向に移動する。なお、１ １ａはＸ軸ステージ１１に載置する部材を位置決め固定するためのピンである。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記したＹ軸ステージ３およびＸ軸ステージ１１に取付けられるネ ジ軸受７，１４はネジ棒５およびＸ軸回転軸１２のネジ部が螺合されるものであ ることから、ネジ棒５およびＸ軸回転軸１２を軸受台６，１３との間で水平に支 持しないと、ネジ棒５およびＸ軸回転軸１２とネジ軸受７，１４との関係におい てズレが生じて回り難くなったり、最悪の場合には回転できなくなったりする。

【００１０】 そこで、従来にあっては、図６に示すようにネジ軸受７，１４における孔軸心 とネジ棒５あるいはＸ軸回転軸１２の軸心とを一致させるために、シムと呼ばれ る薄い金属板１５を多数枚用意し、この金属板１５を前記軸心が一致するように 重ねたものをＹ軸ステージ３およびＸ軸ステージ１１とネジ軸受６，１３の間に 介在して、Ｚ軸方向の調整を行っていた。

【００１１】 そのために、前記Ｚ軸方向の調整は金属板１５の厚みによって決定されるため に、前記水平度を出すことが非常に面倒で組み立て作業に時間がかかり、しかも 、金属板１５が必要であることか部品数も増えてコスト高となる問題があった。

【００１２】 本考案は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、 Ｚ軸方向の調整が非常に簡単であると共に金属板を必要としないことから、組み 立て作業の容易性と部品点数の削減からコストの低減が図れる３軸方向位置決め 調整機構を提供せんとするにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案の３軸方向位置決め調整機構は前記した目的を達成せんとするもので、 その手段は、ネジ棒あるいはＸ軸回転軸等の外部操作によって回転される螺杆が 螺合されるネジ軸受と、該ネジ軸受にＸ，Ｙ軸方向に対して移動調整可能に取付 けられる固定ブロックと、該固定ブロックが隙間無く嵌合される孔が形成された ステージとを具備したものである。

【００１４】

【作用】

前記した如く構成した本考案の３軸方向位置決め調整機構は、Ｘ，Ｙ軸ステー ジに形成した孔に対して．固定ブロックを中間ばめ状態で嵌合できるようにし、 この固定ブロックに対して前記ステージにＸ軸回転軸あるいはネジ棒が螺合され るネジ軸受をＸ軸方向およびＹ軸方向に対して調整できるようにネジ止めするも のである。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案に係る３軸方向位置決め調整機構の一実施例を図１、図２と共に 説明する。なお、前記した従来例と同一符号は同一部材を示し説明は省略する。 本実施例にあって前記した従来例と相違する点は、ネジ軸受７，１４を取付け る部分のＹ軸およびＸ軸ステージ３，１１に角孔３ａ，１１ａを開口し、かつ、 この角孔３ａ，１１ａに隙間Ｇが殆ど無い状態（中間ばめ）で固定ブロック１６ を嵌合する。

【００１６】 また、固定ブロック１６にネジ軸受７または１４を取付けるための孔１６ａを ４ヵ所穿設し、この孔１６ａ内に隙間なく挿入される偏心カラー１７を挿入する と共に、この偏心カラー１７をボルト７ａ，１４ａで固定できるようにした点で 従来例と相違するものである。

【００１７】 次に、前記した本考案の３軸方向位置決め調整機構の組み立て方法を、Ｘ軸基 台９に対してＸ軸ステージ１１を取付ける場合について説明する。 先ず、Ｘ軸回転軸１２にネジ軸受１４を螺合した状態で、該ネジ軸受１４の位 置にＸ軸ステージ１１を移動する。

【００１８】 この状態において、固定ブロック１６をＸ軸ステージ１１の角孔１１ａに嵌合 して、該固定ブロック１６に形成した孔１６ａをネジ軸受１４のネジ孔とを一致 させた後、偏心カラー１７およびボルト１４ａを挿入し、該ボルト１４ａをネジ 軸受１４のネジ孔に螺合する。この時、偏心カラー１７を回転させ、ボルト１４ ａがネジ孔に螺合するように調整する。

【００１９】 そして、ボルト１４ａを締め付けると、固定ブロック１６はネジ軸受１４に対 して位置決めされる。従って、この固定ブロック１６が角孔１６ａに嵌合された Ｘ軸ステージ１１も位置決めされる。しかも、固定ブロック１６はＸ軸ステージ １１に対してＺ軸方向に移動できるので、ネジ軸受１４に対しＺ軸方向に対して 無理な力を加えることがなく、かつ、Ｘ，Ｙ軸方向に対しても偏心カラー１７に よって自由に位置決めできるものである。

【００２０】 なお、Ｙ軸基台１に対するＹ軸ステージ３の取付けも前記したＸ軸基台９に対 してＸ軸ステージ１１を取付けと全く同様なので説明は省略する。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は前記したように、Ｘ，Ｙ軸ステージに形成した孔に対して．固定ブロ ックを中間ばめ状態で嵌合できるようにし、この固定ブロックに対して前記ステ ージにＸ軸回転軸あるいはネジ棒が螺合されるネジ軸受をＸ軸方向およびＹ軸方 向に対して調整できるようにネジ止めしたので、ステージに固定されたネジ軸受 に無理な力が作用せず、従って、構成が簡単であると共に組み立てが簡単で、コ ストの低減が図れる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る３軸方向位置決め調整機構の要部
の断面図である。

【図２】同上の平面図である。

【図３】Ｘ−Ｙ軸テーブルの平面図である。

【図４】Ｙ軸ステージを移動させる部分の部分断面図で
ある。

【図５】Ｘ軸ステージを移動させる部分の部分断面図で
ある。

【図６】回転軸の支持部分を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

３，１１ Ｘ，Ｙ軸ステージ ３ａ，１１ａ 角孔 ５ ネジ棒 １２ Ｘ軸回転軸 ７，１４ ネジ軸受 １６ 固定ブロック １７ 偏心カラー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネジ棒あるいはＸ軸回転軸等の外部操作
   によって回転される螺杆が螺合されるネジ軸受と、該ネ
   ジ軸受にＸ，Ｙ軸方向に対して移動調整可能に取付けら
   れる固定ブロックと、該固定ブロックが隙間無く嵌合さ
   れる孔が形成されたステージとを具備した３軸方向位置
   決め調整機構。