JPH043734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はスポツト溶接などの抵抗溶接機に設け
られた溶接ガンの打点位置を調整する溶接位置調
整機構に関する。

〔従来の技術〕

例えばスポツト溶接機において溶接ガンの打点
位置を調整する手段としては、従来からシム調整
方式や長穴調整方式が知られている。

このうち、シム調整方式は第２図及び第３図に
示すように、定盤１にほぼ直角に固定されたブラ
ケツト２の先端に溶接ガン３を取付けるため、ブ
ラケツト２の先端に直角方向にブロツク４，５を
固定し、これらのブロツク４，５と溶接ガン３の
基板６との間にシム７をそれぞれ挿入して位置決
めを行ない、その後ボルト８によつて基板６をブ
ラケツト２に固定する方式である。

また、長穴調整方式は第４図に示すように、ブ
ラケツト２の先端に１対のガイド部材９，１０を
平行に固定し、これらのガイド部材９，１０の間
にガイド板１１を摺動自在に装着し、ガイド板１
１にガイド部材９，１０に平行な複数個の長穴１
１ａを形成する。このガイド板１１上に前記ガイ
ド部材９，１０に対し直角に１対のガイド部材１
２，１３を固定し、これらのガイド部材１２，１
３の間に溶接ガン３の基板６を摺動自在に装着
し、基板６にガイド部材１２，１３に平行な複数
個の長穴６ａを形成する。そして、ガイド板１１
及び基板６をそれぞれガイド部材９，１０及び１
２，１３に沿つて移動して位置決めし、図示せぬ
ボルトによつてそれぞれブラケツト２及びガイド
板１１に固定する。

なお、この種の溶接位置調整機構としては、実
開昭56−23282号公報によつて開示されたように、
１対のクランクと昇降装置とにより溶接ガンを支
持するアームをスイングさせ、溶接ガンの姿勢を
任意に変えられるようにしたもの、また、実開昭
61−111686号公報によつて開示されたように、支
持部材に溶接ガンを進退させるガンシリンダを回
動可能に取付け、溶接ガンのロツドにローラを有
するポイントホルダを固設し、前記支持部材にカ
ム部を形成してこのカム部にローラを当接させ
て、溶接ガンのロツドの進退に従つて溶接ガンを
シリンダとともに揺動させて周辺機器との干渉を
防止するようにしたものなどが知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら前述したシム調整方式によると、
重量物である溶接ガンを持上げたりスライドさせ
たりする必要があり、危険が伴い作業性が悪いと
いう問題があつた。また、長穴調整方式によると
据付姿勢によつて調整作業が困難となり、傾斜定
盤に溶接ガン取付けられた場合には調整が不可能
な場合もあつた。

そして、両者とも直接溶接ガンを移動する方式
であるため、隣接部に他の機器類がある場合には
調整作業がやりにくいという問題もあつた。

なお、前記２件の公報によつて開示された提案
はいずれも同一平面内の位置調整を行なうもので
あり、３次元方向の位置調整ができないという問
題があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであ
り、隣接部の機器類に邪魔されずに容易に溶接ガ
ンの打点位置を各方向に対して調整することので
きる簡単な構造の溶接位置調整機構を提供するこ
とを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、溶接ガン
による打点位置を調整する溶接位置調整機構にお
いて、一端に溶接ガンが取付けられたシヤフトの
他端を定盤に形成された取付孔に遊嵌し、該定盤
の取付孔の前記溶接ガン側の周囲にほぼ管状の支
持部材を固設し、前記シヤフトに同心上に球面コ
ロ軸受を装着し、該コロ軸受を前記支持部材に回
動可能に支持させるとともに、前記シヤフトの前
記定盤側の一端を該定盤から突出させ、この端部
の位置を調整する複数個のボルトを前記定盤に螺
着したものである。

〔作用〕

上記の構成によると、複数個のボルトを調節す
ることによつて溶接ガンが取付けられたシヤフト
はコロ軸受を介して定盤に対し360度の全方向に
ついて軸の中心線の変位が可能である。すなわち
定盤に螺着された複数本のボルトを回動すること
により、これらのボルトにより係止された前記シ
ヤフトの端部の位置を任意に設定することがで
き、この端部と反対側のシヤフトの端部に取付け
られた溶接ガンの位置を任意に調整することがで
きる。しかも、この調整は定盤の溶接ガンと反対
側の面で行なわれるので、周辺機器に邪魔される
ことはない。

〔実施例〕

以下、本考案に係る溶接位置調整機構の一実施
例を図面を参照して説明する。

第１図に本考案の一実施例を示す。シヤフト１
４の一端には溶接ガン１５が固設されており、他
端は定盤１６に形成された取付孔１６ａを貫通し
て突出している。定盤１６の溶接ガン１５側の面
上における取付孔１６ａの周囲には、ほぼ管状の
支持部材１７がフランジ部１７ａを介して固設さ
れている。この支持部材１７に整合する位置にお
ける前記シヤフト１４には球面コロ軸受１８が装
着されており、このコロ軸受１８の外周は支持部
材１７の内周に回動可能に嵌合されている。

また、シヤフト１４の定盤１６から突出した一
端には円板１９が同心上に固定されており、この
円板１９と前記コロ軸受１８との間のシヤフト１
４の外周にはカラー２０が装着されている。そし
て、円板１９をボルト２１でシヤフト１４に固定
する締付力によつてカラー２０がコロ軸受１８に
押圧され、シヤフト１４と一体化されている。こ
の円板１９の円周を３等分する位置には、定盤１
６にそれぞれブラケツト２２を介して螺着された
３本の細目調整ボルト２３の先端が当接してお
り、これらのボルト２３を回動することによつて
円板１９を介してシヤフト１４の中心線を変位さ
せることができるようになつている。符号２４は
位置調整後のシヤフト１４の位置を定盤１６に対
して固定するために、円板１９に螺着された固定
用ボルトである。

次に本実施例の作用を説明すると、３本の調整
ボルト２３を回動することにより円板１９を任意
の位置に設定することができ、この円板に固定さ
れたシヤフト１４はコロ軸受１８を支点として
360度の方向に中心線の位置調整を行なうことが
できる。この結果、溶接ガン１５の位置も任意に
調整することができる。また、溶接ガン１５の位
置調整後固定用ボルトを定盤１６に締付けること
により、シヤフト１４とともに溶接ガン１５の位
置を固定することができる。

本実施例によれば、調整ボルト２３を回動する
僅かな力でシヤフト１４の定盤１６に対する角度
の調整を360度の全方向について行なうことがで
き、溶接ガン１５による打点位置を容易に調整す
ることができる。しかも、この調整は定盤１６の
溶接ガン１５と反対側の面で行なうので、周辺機
器に干渉されることなく作業性よく行なうことが
できる。

〔考案の効果〕

上述したように本考案によれば、溶接ガンが取
付けられたシヤフトを定盤に球面コロ軸受を介し
て回動可能に支持し、このシヤフトの定盤から突
出した一端をボルトにより位置調整するようにし
たので、シヤフトを定盤に対して360度の全方向
について角度調整を行なうことができ、溶接ガン
による打点位置を容易に調整することができる。
しかも、この調整は定盤の溶接ガンと反対側の面
で行なうので、周辺機器に干渉されることなく作
業性よく行なうことができ、周辺機器の設計も容
易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る溶接位置調整機構の一実
施例を示す一部断面側面図、第２図は従来の溶接
位置調整機構を示す側面図、第３図、第４図はそ
れぞれ第２図の要部の２例を示す斜視図である。 １４……シヤフト、１５……溶接ガン、１６…
…定盤、１６ａ……取付孔、１７……支持部材、
１８……球面コロ軸受、１９……円板、２３……
調整ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 溶接ガンによる打点位置を調整する溶接位置
   調整機構において、一端に溶接ガンが取付けら
   れたシヤフトの他端を定盤に形成された取付孔
   に遊嵌し、該定盤の取付孔の前記溶接ガン側の
   周囲にほぼ管状の支持部材を固設し、前記シヤ
   フトに同心上に球面コロ軸受を装着し、該コロ
   軸受を前記支持部材に回動可能に支持させると
   ともに、前記シヤフトの前記定盤側の一端を該
   定盤から突出させ、この端部の位置を調整する
   複数個のボルトを前記定盤に螺着したことを特
   徴とする溶接位置調整機構。 (2) ボルトはシヤフトの定盤から突出した一端に
   固設された円板に円周３等分方向において当接
   するように配設されたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の溶接位置調整機
   構。