JPH0778079A - 短命物質の変換 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子データを時間的及び／又は機能的に制限
して使用することを可能としながら電子データにセキュ
リティを与えるシステムを提供する。 【構成】 短命物質の内容をそのオリジナルの形態のも
のから変化させることなしに且つ変性させた形態におい
てオリジナルのものの分解能、機能性及び／又は有用性
を制限することなしに、該物質をオリジナルな形態と変
性形態との間で遠隔的に変換することを可能とする双方
向プロセスが提供される。変性された物質は制限された
使用形態を与え、それは該物質を一時的に完全な機能評
価を行なうことを可能とし、且つイネーブルされた形態
においては、該物質を無制限の完全な機能を使用するこ
とを可能とする。セキュリティシステムが変性された物
質を制限使用形態からイネーブル形態へ変換することを
監督する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報の処理及び格納技
術に関するものであって、更に詳細には、情報の時間的
に制限されているか及び／又は機能的に制限されている
使用及び／又は検査を可能とすると共に不法な使用に対
して情報の安全性を確保する技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】殆どの表現及びコミュニケーションはあ
る形態の情報へ還元することが可能である。情報技術が
益々洗練されて来ると、情報は益々商品として取扱われ
るようになる。例えば、ビデオテープによって映画を購
入したり又はレンタルすることが可能であり、コンパク
トディスクによって音楽をデジタル的に格納し、フロッ
ピディスクによってコンピュータプログラムを入手する
ことが可能であり、且つイメージ及びテキストを包含す
るデータベースはオンラインサービスのみならずＣＤ−
ＲＯＭによって容易に入手することが可能である。

【０００３】どのような商品の場合にもそうであるが、
潜在的な購買者が購買の決定を行なう前にその情報を評
価することが可能である場合には、購買者が購買するか
否かの決定を行なうことがより簡単である。殆どの情報
は、例えば電子的に磁気媒体上に格納されるか、又は電
子信号として所定のチャンネルを介して放送される短命
物質として存在するので、トライアル即ち試行又は評価
期間中にそのオリジナルな即ち元の形態でその情報が不
法に使用されることに対する安全性を確保することは売
主にとって困難なことである。

【０００４】このような物質が関与するトランズアクシ
ョン即ち取引に関してのこれらの対立する懸念事項を調
和させることが望ましい。即ち、試行期間中に潜在的な
購買者がこのような物質のオリジナルのものを安全に評
価することが可能であることがこのような物質の売主に
とって手助けとなる。このような物質は購入するのには
高価であるが不法にコピーすることは容易であるので、
潜在的な購買者がそのような物質のライセンスを受けて
いないコピーを入手し且つ評価することが一般的であ
る。このことは、潜在的な購買者がわざわざ費用をかけ
てこのような物質を購入することを回避し、従ってその
ような物質が購入者の必要性にかなうものではないので
そのような物質を決して使用することがないようにさせ
る。更に、評価を完了した後に潜在的購買者がそのよう
な物質のライセンスを受けていない即ち不当なコピーを
継続して使用することを可能とし、その結果そのような
物質の売主に対しては著しく収入が失われることとな
る。

【０００５】短命物質の評価版の安全性を確保するため
の公知の種々の技術は、全般的に潜在的な購買者及び売
主の両方にとって満足のいくものではない。例えば、こ
れらの技術では、そのような物質の著者がかなりの時間
とエネルギとを費やしてこのような物質を修正してその
物質の試行又は評価を行なうためのものを作成すること
が必要である。従って、売主は、売主の製品の売上げに
寄与しないものを在庫として確保することが余儀なくさ
れる。

【０００６】試行期間の後に、ユーザがその物質を購入
することを望む場合には、そのような物質を配達するた
めの遠隔取引を使用することは不可能である。むしろ、
顧客は売主に対して注文を出し、製品が在庫から顧客へ
配達されねばならない。この一連のトランズアクション
即ち取引は遅れを発生し、そのような遅れは顧客を欲求
不満とさせる場合があり、更に売主の事業に対して著し
いオーバーヘッドが付加されることとなる。従って、売
主は全ての可能な物質の配達チャンネルを充分に利用す
ることが不可能である。例えば、放送媒体を介して顧客
へ有料視聴用及びその他の娯楽用の媒体を配達する場合
に、そのような物質の高帯域幅評価版を配達することが
可能ではなく、従って、試行期間の終了時に、例えば電
話によって例えば固定チャンネルを介して低帯域幅トラ
ンズアクションによってそのような物質のイネーブルさ
れた完全に機能的なものを供給する。

【０００７】従って、例えばソフトウェア製品及びその
他の形態の電子的データ等の物質の試行版はオリジナル
の即ち元の状態へ復帰することが不可能であり意図的に
機能性を制限した修正版である。顧客はそのような試行
版を使用し、顧客が完全に機能的であり且つ無制限のも
のを購入したい場合には、顧客はそのような物質のスタ
ンダードなものを注文せねばならない。従って、そのよ
うな試行版は廃棄されることとなる。典型的には、この
ような試行版は機能が非常に制限されており、潜在的な
顧客はその製品が現実的にどのようなものであるかを理
解することは不可能である。

【０００８】次に例えば電子的データ等の短命物質の試
行版及び評価版を与える従来技術について説明する。

【０００９】カリフォルニア州コンコードのエニグマロ
ジック（Ｅｎｉｇｍａ Ｌｏｇｉｃ）社によって提供さ
れているデータアクセスシステムは、ソフトウェアプロ
グラムの完全なる即ちスタンダードなものを評価するこ
とを可能としてしているが、そのシステムは例えばイメ
ージや音等のデータと共に動作するものではない。ソフ
トウェア製品へのアクセスを可能とするか又はそれをイ
ネーブル即ち動作可能状態とするためには遠隔的なトラ
ンズアクション即ち取引が必要である。従って、評価さ
れたプログラムを局所的にそのプログラムのスタンダー
ドで修正されていない元のものへ変換することは不可能
である。このデータアクセスシステムはアルゴリズム空
間をソフトウェアの著者に対して割当てるが、そのプロ
グラムの評価版においてはソフトウェアフックを有して
いる。このような評価版はイネーブル即ち動作可能状態
とさせる前に、再コンパイルすることが必要である。こ
のことは実施上特別のソフトウェア又は独特のオペレー
ティングシステムを必要とする。より問題なことは、そ
のシステムを使用することを可能とするために、別個の
パスワードゲート及びハードウェアキーが必要であると
いう条件である。このような構成ではユーザがプログラ
ムの使用を中断しパスワードゲートに対しての有効性の
呼出しに対してしばしば応答することを必要とし、シス
テム動作上及びプログラムの性能上の両面において問題
をはらんでいる。

【００１０】マサチューセッツ州のケンブリッジにある
ロータスソフトウェア（ＬｏｔｕｓＳｏｆｔｗａｒｅ）
社は、ハードディスク上に格納せねばならないソフトウ
ェア製品の完全なる即ちスタンダードなものをユーザが
評価することを可能とする評価システムを提供してい
る。このシステムは、ユーザがそのソフトウェア製品へ
アクセスするか又は動作可能状態とさせることが許容さ
れる前に、遠隔確認を必要とする。このシステムは、更
に、評価動作を実施するためにソフトウェアの著者がオ
リジナルのソフトウェアを修正することを必要とし、従
って評価版はそれをイネーブル即ち動作可能状態とさせ
る前に再コンパイルすることが必要である。このシステ
ムでは、更に、ハードウェアコピー保護を与えるルーチ
ンを有している。

【００１１】ソフトウェアの「試行版」は通常入手可能
である。このような試行版は、通常無料であるか又は小
額で提供されており、且つソフトウェア製品の限定的な
利用を与え、それによってユーザがその製品の限定的な
評価を行なうことを可能としている。その他の評価方法
と同じく、このシステムは評価コピーを作成するために
ソフトウェアの著者がオリジナルの製品を修正すること
を必要としている。ユーザがその製品を購入することを
決定すると、ユーザは遠隔的にオリジナルの製品の完全
に機能的で完全に特徴を発揮可能なコピーを作成するこ
とは不可能であり、その製品の完全なる動作が可能なオ
リジナルなものを格納する別のディスクを購入せねばな
らない。

【００１２】例えば映画やその他の娯楽プログラミング
の有料放送の場合には、一般的に、暗号放送が使用され
る。このようなシステムはプログラムの完全なるオリジ
ナルなものを無制限に見ることを可能とするものではな
い。むしろ、そのプログラムの視聴者へ供給されるもの
は一度だけ使用することが意図されているものである。
従って、このようなシステムはプログラム、データベー
ス、芸術、音楽等の多数回にわたって使用することが必
要な電子データが関連する殆どの適用例にとって有用な
ものではない。

【００１３】カリフォルニア州マウンテンビューのアド
ビ（Ａｄｏｂｅ）社は、プリンタのフォントに対しての
ＣＤ−ＲＯＭをベースとした評価システムを提供してい
る。このシステムは、格納されているフォントの完全に
動作可能なものへアクセスするためには遠隔なトランズ
アクションを必要としている。然しながら、このシステ
ムはユーザのスクリーン上においてそのフォントを見る
ことを可能とするに過ぎない。フォントの試行乃至は評
価版においてはコンピュータシステムのプリンタメトリ
ックスは供給されない。従って、フォントのイネーブル
された即ち動作可能状態とされたものが使用可能である
場合にのみプリント即ち印字を行なうことが可能であ
る。従って、このようなスクリーン上においてフォント
を観察することを可能とするに過ぎない方法は、用紙上
において実際にプリントされたフォントを観察する場合
には何等実際的な価値のないものである。

【００１４】ニューヨーク州ニューヨークのコムストッ
ク（Ｃｏｍｓｔｏｃｋ）社は、ＣＤ−ＲＯＭによってス
トック写真のライブラリを提供している。このシステム
は、完全なオリジナル（即ち、低分解能版）のスキャン
したデジタル版を見ることを可能としているが、オリジ
ナルの遠隔的なアンロックを可能とするものではない。
むしろ、このシステムは、ライブラリ写真の完全に使用
可能なコピーを得るためには別個のトランズアクション
を行なうことを必要としている。

【００１５】短命物質を保護するためのその他の方法の
例としては以下のようなものがある。

【００１６】ＤＡＴ（音楽テープ）コピー保護 フロッピディスクコピー保護 シリアルポートハードウェアキー オリジナルの限定した数のコピー 「トライアンドバイ（試して買う）」、即ち例えばマッ
クワールドリソースＣＤ等のＣＤ−ＲＯＭに収集された
オリジナルへ変換することの出来ないオリジナルの物質
の特に開発されたトライアル即ち試行用のもの 上述したシステムは用途が制限されており且つ魅力も制
限されている。何故ならば、オリジナルの物質の評価版
を作成するためにオリジナルの物質を著者が修正するこ
とが必要だからである。このようなシステムは完全に機
能的な評価コピーよりも劣ったものを提供するので、例
えば購入するか否かの決定をする場合に、所有者以外の
ものはオリジナルの物質全体を評価することは出来な
い。そのオリジナルを購入する決定をする場合には、そ
の物質の全く異なったコピーを得ることが必要である。
即ち、そのような物質の評価用のコピーは、評価のため
の有効化がなされると、その物質の完全に機能的なオリ
ジナル即ち原本として使用することが不可能だからであ
る。

【００１７】現在のところ、製品を購入することを決定
する前に、ユーザがデータをベースとした製品を観察し
且つその完全に機能的な形態においてその製品を使用す
ることを可能とし、且つユーザがその物質を購入する決
定をした直後に、その完全に機能的なオリジナルの形へ
その評価版をユーザが変換することを可能とする公知の
安全確保システムは存在していない。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
述した如き従来技術の欠点を解消し、電子データの時間
的に限定されるか及び／又は機能的に限定された状態で
使用することを可能としながらその電子データの安全性
を確保するシステムを提供することを目的とする。

【００１９】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、オリジ
ナルのデータを、制限された試行及び又は評価期間の間
使用することが可能なディスエーブル状態とさせたもの
へ変換する。そのデータを購入したい場合には、そのデ
ータを元のオリジナルの状態へ変換するアンロックコー
ドを購入することが可能である。

【００２０】本発明の好適実施例によれば、短命物質の
双方向変換を行なう装置及び方法が提供される。本発明
が例えばコンピュータプログラム等の選択された物質へ
適用される場合には、該物質の一部がオリジナルの物質
から分離される。このようにして、本発明は、該物質の
分離部分と該物質の残留部分とを有するオリジナルの物
質の変性版を作成する。該物質の変性版を例えばコンピ
ュータシステムにおけるランダムアクセスメモリ等の一
時的な格納媒体内へ配置させ、従って変性版はシステム
のユーザによって容易にアクセスすることが可能であ
る。一方、該物質の分離部分を修正した部分で置換する
ことが可能であり、例えばその物質へアクセスする回数
を制限するためにカウンタを設けることが可能であり、
又オーディオ信号におけるビープ音や又は視覚信号にお
けるマスク等の干渉物質をオリジナルの物質へ付加する
ことが可能である。

【００２１】本発明は、更に、オリジナルの物質に対し
て時間的に及び／又は機能的に制限されたアクセスを可
能とするために、オリジナルの物質の変性版として提供
される分離部分とオリジナルの物質の残存部分との再結
合を監督するモジュールが提供される。トランズアクシ
ョンモジュールは、例えばハードディスク等の永久的な
記憶媒体上にオリジナルの物質の分離部分と残存部分と
の永久的な再結合を行なうことによってオリジナルの物
質の完全に機能的なコピーに対しての無制限なアクセス
をイネーブル即ち動作可能状態とさせる。

【００２２】従って、本発明は、ユーザがオリジナルの
物質を購入する前に、そのオリジナルの物質の完全に機
能的なものを評価することを可能としている。本発明は
どのようなオリジナルの物質でも動作するので、その物
質のトライアル即ち試行用又は評価用のものを作成する
ためにオリジナルの物質を著者が修正することを必要と
するものではない。むしろ、本発明は、オリジナルの物
質の内容が何であるかを特に知ることなしに、オリジナ
ルの物質を個人的に評価用のものへ変換することを可能
としている。

【００２３】本発明は、購入するために物質が選択され
ると、局所的にその物質のオリジナルへすぐさまアクセ
スすることを可能とすることによって物質の配達を行な
うための遠隔的トランズアクション即ち取引をサポート
している。例えば、購入したい場合には、ユーザは１−
８００即ち着払いの電話番号を掛けることが可能であ
り、そしてクレジットカードの番号を与えることによっ
て、その物質のトライアル版をイネーブル即ち動作可能
状態とさせるための特別のコードを得ることが可能であ
る。

【００２４】従って、本発明は、全ての適切なディスト
リビューションチャンネルを完全に利用することを可能
としている。例えば、本発明の一実施形態においては、
コンピュータソフトウェアの評価版をコンピュータシス
テム上に予めインストールさせる。評価をした後に、そ
のソフトウェアを購入する場合には、そのシステムの所
有者はそのソフトウェアの完全に機能的なオリジナルを
アンロックさせるために電話によって許可用のコードを
得ることが必要であるに過ぎない。

【００２５】本発明は、更に、放送チャンネルを介して
短命物質の高帯域幅変性版を配達することを可能として
いる。本発明のこの実施例によれば、オリジナルの物質
のイネーブルされたものを固定チャンネルを介して低帯
域幅トランズアクションを介して配達することが可能で
ある。即ち、オリジナルの物質は局所的にシステムによ
って配達され且つ評価を行なった後に購入したい場合に
は、その物質へのアクセスを行なうための許可用のコー
ドを購入する。

【００２６】

【実施例】本発明は、例えば電子的データ等の短命物体
を元の物体の安全で完全に機能的な変性版へ変換するシ
ステムが提供される。本発明は、オリジナルの物体の変
性版を許可用のシーケンスによってそのオリジナルの形
態へ局所的に回復することを可能としている。尚、本明
細書において使用する特有の用語について以下に定義を
行なう。

【００２７】「著者」オリジナルの物質を作成するため
に必要な構成要素へのアクセスを有するオリジナルの即
ち元の物質の著者、作曲家、製作者又は想像主のことを
意味する。

【００２８】「双方向プロセス」情報を喪失することな
しに、オリジナルな形態から評価用の形態へ且つ評価用
の形態からオリジナルの形態へ物質乃至は物体を変換す
ること。

【００２９】「変性」オリジナルの形態の物質乃至は物
体を部分的に又は完全に暗号化した形態のものへ変化さ
せること。

【００３０】「イネーブル」変性させた物質乃至は物体
をオリジナルの形態へ永久的に変換すること。

【００３１】「短命物質（物体）」特に制限するわけで
はないが、デジタル、アナログ、磁気的、光学的、ディ
スク、ドラム及びテープに格納されるデータを包含す
る、電子的装置を介して複製し且つ電子的格納乃至は記
憶媒体に保存し且つそれから取出すことの可能な任意の
物質乃至は物体。

【００３２】「評価」オリジナルの形態のものの部分の
全てへの完全なるアクセスを可能とするが機能的及び／
又は時間的に一つ又はそれ以上の部分を使用することに
制限されている部分的にディスエーブルされたオリジナ
ルの形態のもの。例えば、ソフトウェアプログラムの全
ての特徴に対して完全なるアクセスを可能とするが、新
たな仕事を保存し且つ取出す能力を不許可とするか、又
は音源物質内へビープを包含させるか又はビデオ源物質
内へノイズ映像を包含させる。

【００３３】「オリジナル」ソフトウェアプログラム、
データファイル、音又はグラフィックファイル等の形態
をとることが可能であり且つ変換プロセスとは独立的に
使用することが可能な短命物質乃至は物体。

【００３４】「遠隔（トランズアクション）」特に制限
するわけではないが、キーの押下げ、電話、ファックス
又はモデムによる呼出し、法定貨幣又はフリートークン
の交換等を包含し、試行期間又は試行条件のステータス
を変化させるためにカウンタ、クロック等と関わりあう
動作を包含するトランズアクション即ち取引。

【００３５】「第三者」オリジナルの短命物質をその変
性版及びラッパーへ変換し両方をユーザへ配達する。著
者である必要はない。

【００３６】「試行」特定した時間期間の間、変性版を
評価版へ、評価版をオリジナル版へ、又は変性版をオリ
ジナル版へ一時的に変換すること。

【００３７】「ユーザ」第三者でも著者でもなく、短命
物質の試行版、評価版及びイネーブル版を使用し、単独
で又は第三者を介してトランズアクション即ち取引に関
与するもの。

【００３８】「ラッパー」オリジナル版と、評価版と、
試行版との間での双方向変換を制御するための遠隔トラ
ンズアクションを許可するもの。

【００３９】本発明の好適実施例は、例えばアプリケー
ションプログラムの「スタートアップ」コードのスタン
ダード版等の製品情報の一部を、該製品を利用カウンタ
とリンクさせ且つ該アプリケーションを暗号化させる例
えば特別のスタートアップコードセグメント等の特別部
分で置換させる「変性」プロセスを使用して、任意の所
望のソフトウェア製品を変換し且つ暗号化させる。本発
明のイネーブルシステムは、該アプリケーションを、例
えば修正したスタートアップコードセグメントを該アプ
リケーションのオリジナルのスタートアップコードで置
換することによって、その「元の」状態（ファイルイメ
ージ）へ復帰させる。

【００４０】図１は本発明の好適実施例に基づいて、短
命物質（物体）を該物質の変性版へ変換するシステムを
示したブロック図である。図１において、プロセスＰ０
（２２）は、短命物質Ｍ１，Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３（１０，
１３，１５，１１）の変換を行なうための種々の機能Ｆ
１，Ｆ２，Ｆ３（１８，１９，２５）を使用する。機能
Ｆ１（１８）は物質Ｍ０（１０）の一部Ａ０（１４）を
とり、オプションによってその部分Ａ０（１４）を暗号
化し、且つその部分を物質Ｍ１（１３）内に在留する処
理された部分Ａ１（１６）としてその部分を保存する。
この操作の結果として、物質Ｍ０（１０）は残存部分Ｂ
０（１２）及び分離された即ち隠匿された部分Ａ１（１
４）として存在する。本発明が変性物質へ適用される場
合には、機能Ｆ１（１８）は物質Ｍ１（１３）の分離さ
れた部分Ａ１（１４）をとり、オプションとしてその部
分Ａ１（１４）を暗号化し、且つそれをＭ０（１０）の
一部Ａ０（１４）として保存する。

【００４１】機能Ｆ２（１９）は、例えば情報を注文す
る等の任意のユーザが発生させた付加的な物質とするこ
とが可能であり又は隠匿された物質Ａ１（１６）の一部
とすることの可能な物質Ｍ２（１５）の一部Ａ２（１
７）を物質Ｍ３（１１）の一部Ａ３（２０）と混合させ
る。機能Ｆ３（２５）は、オリジナルの物質Ｍ０（１
０）の残存部分Ｂ０（１２）を物質Ｍ３（１１）と混合
させるか、又は、他方の方向においては、機能Ｆ３（２
５）は、物質Ｍ３（１１）の一部Ｂ０（１２）を物質Ｍ
０（１０）と混合させる。

【００４２】従って、一組のオリジナル物質Ｓ０（２
１）は物質Ｓ１（２３）の評価版へ変換され、それはオ
プションとして第三者が発生させた物質Ｓ２（２４）を
包含することが可能である。この物質の評価版は、オリ
ジナル物質の残存部分Ｂ０（１２）と第三者が発生した
物質Ａ３（２０）と、オリジナル物質の分離された即ち
隠匿された部分Ａ１（１６）とを有している。

【００４３】評価期間中に、残存部分Ｂ０（１２）及び
隠匿部分Ａ１（１６）はプロセスＰ０（２２）の監督下
において再結合される。尚、プロセスＰ０（２２）は本
発明のある実施例においてはシェルプログラムとするこ
とが可能である。このような再結合は一時的格納乃至は
記憶媒体において発生し、再結合されたものは現在のト
ライアル即ち試行の終りに維持されることはない。プロ
セスＰ０（２２）内のカウンタは、評価物質が使用され
る使用長さ即ちトライアル即ち試行の回数を監督する。

【００４４】この評価版は購買トランズアクション（取
引）の一部として永久的にイネーブル状態とされ、その
場合に、プロセスＰ０（２２）は、イネーブルコードを
受取り且つ検証すると、例えばコンピュータシステムに
おけるハードディスクドライブ等のような永久的媒体上
に残存部分Ｂ０（１２）と隠匿部分Ａ１（１６）とを再
結合することを可能とする。

【００４５】本発明の好適実施例においては、ソフトウ
ェアの著者によって明示的に実行されねばならない従来
のソフトウェア方法と異なり、第三者が著者の関与なし
に該物質のオリジナル版を修正することが可能である。
このような修正はオリジナル版を変性させて、該物質の
安全で完全に機能的なトライアル即ち試行版乃至は評価
版を生成する。

【００４６】本発明は、オリジナルな形態で該物質を実
行するために配達用媒体を変更することを必要とするも
のではなく、又例えばＣＤ−ＲＯＭをベースとしたシス
テムの場合に使用されるように特別に用意された格納乃
至は記憶媒体を必要とするものでもない。従って、本発
明の好適実施例では、ユーザがオリジナル物質をオリジ
ナルの形態で詳細に評価することを可能としている。オ
リジナルの物質の試行版又は評価版が該物質のオリジナ
ル版と機能的に同一であるので、試行上の使用はオリジ
ナル物質を使用することと実質的に同一である。従っ
て、従来技術と異なり、本発明は該物質の重要な部分が
存在しないか又はディスエーブル即ち動作不能状態とさ
れている評価版を必要とすることがないのみならず、評
価を完了した後に別個に注文され且つ配達されるべきオ
リジナル版を必要とするものでもない。

【００４７】本発明においては、該物質の変性版を該物
質のオリジナル版へ変換し、従って該物質の無制限の完
全に機能的な使用をイネーブル即ち動作可能状態とする
全ての資料は評価（変性）版と共にユーザへ供給され
る。例えば、有効な購入トランズアクション（取引）に
よってオリジナル版の無制限な使用が許可されるまで
は、オリジナル版を与えるのに必要な物質が変性版と同
一の媒体上に存在しているが、そのような物質はユーザ
が使用可能なものではない。従って、本発明は当該物質
に対して不当なアクセスを制限する安全なシステムを提
供している。

【００４８】本発明に基づいて試行又は評価を行なう目
的のためのオリジナルな物質を短命版へ変換すること
は、例えば、コンピュータプログラム、音声記録、画
像、データ等の任意の短命物質に適用可能である。それ
と対照的に、従来のソフトウェア方法及び技術は、実行
可能なコードでのみ動作するに過ぎず、従来のソフトウ
ェアアルゴリズムはソフトウェアデータでのみ動作する
に過ぎない。本発明は、アナログデータ、デジタルデー
タコード化命令等の記憶乃至は格納されている情報の任
意の順列へ適用することが可能である。

【００４９】図２は本発明の別の実施例に基づいて短命
物質（物体）を変換するシステムを示したブロック図で
ある。図２は、隠匿物質と変性物質への寸法又は可逆性
を変化することを可能とする側面を示している。例え
ば、変性物質Ｍ２（１５）は機能Ｆ２（１９）によって
オリジナルの物質に挿入するすき入れマーク又は著作権
表示を有することが可能である。すき入れマーク又はそ
の他の物質を取除き当該物質の無制限の使用をイネーブ
ル即ち可能とするために、オリジナルの物質の変性版
を、例えば、変性用の物質と排他的ＯＲ処理（機能Ｆ１
又はＦ２のいずれかによって）するか、又は該すき入れ
マークをオリジナルの物質から消去するその他の任意の
技術に露呈させる。

【００５０】本発明の種々の実施例において、図１に示
した如く、部分Ａ１（１６）及びＡ２（１７）は任意の
選択した寸法とすることが可能である。従って、図２は
部分Ａ１（１６）を示すものではなく、即ち部分Ａ１
（１６）は寸法「０」のものである。部分Ａ２（１７）
は「０」より大きな寸法のものとして示してあり、従っ
て部分Ａ２（１７）を物質Ｍ０（１０）内へ挿入するか
又は付属させることによって物質Ｍ０（１０）よりも価
値の低い新たな物質Ｍ３（１１）が形成される。図１に
関して上述した如く、変性物質Ｍ３（１１）の評価又は
イネーブル即ち動作可能状態とすることは、評価目的の
ための一時的媒体において又はイネーブル即ち動作可能
状態とする目的のために永久的な媒体のいずれかにおい
て、オリジナルの物質を変性させたプロセスを逆に行な
う。

【００５１】図３は本発明の更に別の実施例に基づいて
短命物体乃至は物質を変化するシステムのブロック図で
ある。図３は部分Ａ１又はＡ２を示しておらず、即ち部
分Ａ１及びＡ２は寸法が「０」のものである。従って、
機能乃至は関数Ｆ２（１９）を介して部分Ａ０（１４）
を部分Ａ３（２０）へ変換すると、物質Ｍ０（１０）よ
りも価値の低い新たな物質Ｍ３（１１）が作成される。
機能（関数）Ｆ１（１８）は部分Ａ３（２０）を部分Ａ
０（１４）へ逆変換し、機能乃至は関数Ｆ１（１８）及
びＦ２（１９）の両方は、部分Ａ０（１４）とＡ３（２
０）との間の変換が可逆的なものである場合には、同一
の関数乃至は機能とすることが可能である。

【００５２】図２及び３の両方において、物質Ｍ３（１
１）とＭ０（１０）との間に充分な価値の差がある場合
には、物質Ｍ３（１１）を物質Ｍ０（１０）へ逆変換さ
せる充分な動機があるので、プロセスＰ０（２２）は重
要なものとなる。

【００５３】本発明の別の実施例は、物質Ｍ０（１０）
における部分Ａ０（１４）とＢ０（１２）とをインター
リーブさせ、且つ物質Ｍ３（１１）における部分Ａ２
（１７）とＢ０（１２）とをインターリーブさせる。

【００５４】変性プロセス 第三者がプロセスＰ０（２２）を喚起すると、オリジナ
ルの物質Ｍ０（１０）の部分Ａ０（１４）が機能乃至は
関数Ｆ１（１８）によって部分Ａ１（１６）へ変換さ
れ、且つ隠匿物質Ｍ１（１３）として保存される。プロ
セスＰ０（２２）はオリジナルの物質Ｍ０（１０）の残
存部分Ｂ０（１２）を取り、且つ機能乃至は関数Ｆ２
（１９）の操作によって、それを変性用物質Ａ２（１
７）と混合して、部分Ａ３（２０）とＢ０（１２）とか
ら構成される変性物質Ｍ３（１１）を作成し、それは保
存される。

【００５５】イネーブルプロセス ユーザがプロセスＰ０（２２）を喚起すると、変性物質
Ｍ３（１１）からの部分Ｂ０（１２）が、隠匿物質Ｍ１
（１３）の部分Ａ０（１４）へ変換されている部分Ａ１
（１６）と結合されて、オリジナルの物質Ｍ０（１０）
を形成し、ついでそれは永久的な形態で保存される。

【００５６】試行プロセス トライアル即ち試行プロセスはイネーブルプロセスとほ
ぼ同一であるが、オリジナルの物質Ｍ０（１０）が保存
されないという点において異なっている。その代わり
に、発生されたオリジナルの物質Ｍ３（１１）は例えば
コンピュータシステムにおけるランダムアクセスメモリ
等の一時的な媒体上に配置され、且つ試行期間の終了時
に自動的に取除かれる。

【００５７】前述したことは図４を参照するとよりよく
理解することが可能であり、図４は本発明の好適実施例
に基づいて短命物質乃至は物体をオリジナルな形態と変
性形態との間で変換するプロセスを示したフローチャー
トを図示している。

【００５８】図４において、プロセス（１００）の開始
時において、オリジナルのアプリケーションプログラム
ファイル（４１）はスタートアップコード（４０）と該
コードの残部から構成される残存部分（４２）とを有し
ている。スタートアップコードは例示として本発明のこ
の実施例において使用されているが、本発明を実施する
場合には、情報の任意の部分を全体から分離することが
可能である。

【００５９】オリジナルの物質は、オリジナルのスター
トアップコードを隠匿し且つそのスタートアップコード
を、例えば、当該物質の試行的な使用を制限した回数だ
け許容するカウンタを有するスタートアップコード等の
修正版（４４）と置換することによって、ディスエーブ
ル（１０１）、即ち動作不能状態とされる。その結果、
オリジナルの物質の変性版（４３）が形成される。

【００６０】操作期間中に、ユーザによって試行的な使
用又はイネーブルステップのいずれを行なうかの決定が
なされる（１０２）。当該物質を試行的乃至は評価的な
使用に供する場合には（１０７）、使用回数を追跡する
ためにカウンタが使用される（１０３）。試行的使用の
ための所定割り当て回数を超えた場合には、その物質を
もはや使用することは出来ない（１０４）。イネーブル
ステップが選択される場合には（１０５）、イネーブル
シーケンスが関与する。

【００６１】当該物質がイネーブルされると（１０
６）、置換スタートアップコード（４４）が変性版（４
３）から取除かれ且つ廃棄され、オリジナルのスタート
アップコード（４０）が残存物質（４２）と再結合され
る。その結果、オリジナルの物質のイネーブル版（４
５）が作成される。

【００６２】本発明のいくつかの実施例においては、試
行又は評価期間中に、例えばランダムアクセスメモリ等
の一時的な媒体においてのみ動作するように当該物質を
修正することが可能である。イネーブルされた場合に
は、当該物質が例えばハードディスクドライブ等の永久
的な媒体上において再結合される。

【００６３】セキュリティ（安全性） 暗号化した製品は出版社によって開発された特別版のよ
うに見えるが、それは特別版ではない。むしろ、例えば
製品のオリジナルのスタートアップコード等のオリジナ
ルの物質の一部を別の場所へ隠匿しているものである。
変性プロセスは、例えばアメリカ合衆国政府によって出
版されているデータ暗号化基準（ＤＥＳ）のような多数
の公知の暗号化アルゴリズムのいずれかを使用した独特
のチェックサム型操作である。従って、製品をイネーブ
ル即ち動作可能状態とさせるためには、独特のチェック
サム型コード番号によって特別のイネーブルプログラム
を活性化させねばならない。

【００６４】図５は本発明の好適実施例に基づいて変性
させた短命物体（物質）をイネーブル即ち動作可能状態
とさせ且つ回復させるためのプロセスを示したフローチ
ャートである。特に、図５は本発明に基づいて物質を確
保し且つイネーブルさせる好適な方法を示している。

【００６５】図５において、このプロセスにおける最初
のステップ（２０１）において、格納媒体５３が種々の
ディスエーブルされた製品（５０，５１，５２）を有す
るものとして示されており、それらは図４に関して説明
した如く夫々の置換スタートアップコード（５４，５
５，５６）及び隠匿されたオリジナルのスタートアップ
コード（５７，５８，５９）を有している。

【００６６】プロセスシェル（６０）はカウンタ及びセ
キュリティ（安全性）機能を与える。トライアル（試
行）カウンタ（２０１）は各製品の試行的使用（２１
２）の記録を取り、従って限定された数だけ試行を行な
うことを許容する（２０２）。カウントが所定の値に到
達すると（例えば、「Ｎ」）、試行が許容された数だけ
使用されたことを表わすと、それを超えての試行はディ
スエーブル即ち動作不能状態とされる（２０３）。

【００６７】製品がイネーブルされるべき場合には（２
０４）、トランズアクションコードが発生される（２０
５）。オリジナルの製品がディスエーブルされている場
合には、ブラックボックス（６２）がその製品に対する
独特の製品識別番号を発生するために使用する識別方法
が製品に与えられる。その製品識別番号はユーザのスク
リーン上に表示され且つ、ユーザがその製品を購入する
ことを選択する場合には、そのトランズアクションコー
ドとして使用される。そのブラックボックスは、公知の
セキュリティ（安全性）及び暗号化アルゴリズムのいず
れかによって発生することの可能なセキュリティコード
を与える。

【００６８】トランズアクションコードは、例えば電話
線（６５）によって、遠隔した位置（６１）における売
主の販売員へ与えられる。販売員は製品識別番号をマス
ターシステム「イネーブルボックス」（６３）へエンタ
ーし、その場合に製品識別番号はシステムの「親本体」
の有効な「子」として検証される（２０６）。検証され
て有効なものとされた後に、「イネーブルボックス」
（６３）は独特のイネーブル用コード番号（２０８）を
発生し、その番号は該製品をイネーブル即ち動作可能状
態とさせるためにユーザへ供給される。トランズアクシ
ョンコードが有効なものとされない場合には、本プロセ
スは中止され（２０７）、且つその製品の更なる使用は
ディスエーブル即ち動作不能状態とされる。

【００６９】イネーブルコードがユーザのシステム内へ
エンターされる場合には、それは有効なイネーブルコー
ドとして検証される（２０９）。そのコードが検証ステ
ップにおいて有効なものと検証されない場合には、本プ
ロセスは中断され（２１０）且つ該製品の更なる使用は
ディスエーブル即ち動作不能状態とされる。そのコード
が有効なイネーブルコードである場合には、イネーブル
された製品（２１１）は無制限即ち更なる試行的な使用
のために回復される。図５において、製品５０はそのオ
リジナルのスタートアップコード５７が回復されたもの
として示されており、置換スタートアップコード５４
は、図４に関して説明した如く、取除かれており且つ廃
棄されている。製品の独特の識別番号のエントリによっ
て特定の製品の選択に依存して、任意の数の製品をこの
プロセスによって所望によりイネーブル即ち動作可能状
態とさせることが可能である。

【００７０】イネーブル用のコードプロセスは例えば以
下に説明する如くに動作することによってチェックサム
技術によって容易化される。即ち、ユーザのシステムが
例えば「１０」等の同一の所定番号へ加算される製品識
別番号を発生する。「ブラックボックス」がそれを受取
る任意のユーザ番号を加算し、且つその番号が所定の番
号と等しい場合には、「ブラックボックス」がその番号
を有効なものとする。次いで、「ブラックボックス」は
例えば「１５」等の常に同一の所定のイネーブル番号へ
加算されるイネーブル番号を発生する。ユーザがイネー
ブル番号をエンターすると、ユーザのシステムがその番
号をチェックし、それが有効なものである場合には、製
品をイネーブル即ち動作可能状態とさせる。

【００７１】本発明の好適実施例のセキュリティ（安全
性）システムにおいては、システムは据付け時に発生さ
れる特別の「キー」番号で動作するようにユーザには見
える。然しながら、イネーブル用番号のインベントリは
存在しない。むしろ、顧客ＩＤ番号は独特のものであり
且つ全てのトランズアクションに対して異なった番号を
発生するチェックサムアルゴリズムによって発生され、
実際に、その番号はアルゴリズムの特定の実行に依存し
て、毎分毎に変化することが可能である。従って、シス
テムは全ての購買セッションに対して独特のイネーブル
用コードを発生する。従って、「ブラックボックス」が
例え「捕獲」されたとしても、それはいまだにパスワー
ドの活性化（又は日常のシステムパスワード）を必要と
し、それは数日又は数時間毎に期間が終了して新たなパ
スワードで置換されるべきものである。

【００７２】以下の具体例は、本発明を適用することの
可能な多数の適用例のうちの幾つかを例示的に示すもの
である。従って、これらの具体例は、単に幾つかの具体
的な例を例示するものであって、本発明の技術的範囲を
制限する意図を有するものではない。

【００７３】例１ ソフトウェア「トライアンドバイ（Ｔｒｙ ａｎｄ Ｂ
ｕｙ）」システム（図１参照）。

【００７４】本発明のこの実施例においては、物質Ｍ０
はソフトウェアアプリケーションのオリジナルの実行可
能なコードであり、物質Ｍ１はアプリケーションスター
トアップコードの一部であり、物質Ｍ２はエラーメッセ
ージを与え且つプログラムの動作を終了させるアプリケ
ーション用の置換スタートアップコードであり、且つ物
質Ｍ３は変性されたファイルである。ソフトウェアアプ
リケーションが本発明を使用することなしに稼動される
場合には（この場合には、プロセスＰ０）、アプリケー
ションはエラーメッセージを与え且つプログラムの動作
を終了させる。本発明のこの実施例は、直接的にソフト
ウェアの購入者へソフトウェア製品を配達し且つ販売す
るために使用される。コンピュータシステムの売主はコ
ンピュータシステムと共に供給されるハードディスクド
ライブ上に本発明を組込んだプロセスを供給し、及び／
又は本発明はスタンドアローンＣＤ−ＲＯＭの一部とし
て販売することが可能である。

【００７５】本発明のこの実施例は、多様な「予めイン
ストールした」アプリケーション及びユーティリティソ
フトウェアプログラムを提供する。例えば、対話型のウ
インドウズをベースとしたグラフィックスモジュールシ
ステムは、「トライアル（試行）」をベースとして顧客
がそのソフトウェアを使用させ（例えば、１０回までの
使用）、アニメートしたデモンストレーションを見さ
せ、製品の特徴を比較させ、且つ特別の販売促進及びデ
ィスカウント情報を受取らせる。次いで、顧客は１−８
００（着払い）の電話番号を呼出してコンピュータシス
テム売主の販売店に連絡を取り、例えばクレジットカー
ドを使用することによって、その製品を購入することが
可能である。クレジットカードが検証されて有効なもの
であることが確認されると、販売員は顧客に対して特別
のコード番号を与え、その特別のコード番号は無制限な
使用を可能とするためにソフトウェアプロダクトを「ア
ンロック」する。マニュアル及びバックアップディスク
は別途郵送される。従って、本発明は潜在的な顧客に対
して「購入する前に試行」をベースとしてソフトウェア
を購入する機会を与える。

【００７６】本発明のこの実施例は、向上させた価値を
与え、且つコンピュータシステム上で試行する準備のな
されたソフトウェアを予めローディングすることによっ
て個人的な形態とすることを可能としている。顧客がそ
のソフトウェアに満足する場合には、顧客をその製品を
購入し且つ無制限の使用をするためにそれを所有するこ
とが可能である。

【００７７】従って、本発明は例えばソフトウェア等の
物質を購入する問題に関係している。数百個の特徴を有
する多数の製品が存在しているので、本発明はユーザが
実際にこれらの製品の幾つかを試すことを可能としてお
り、それらの製品が提供する特徴が有用なものであるか
否かを判別し、ユーザが製品を購入することの必要性な
しにこれらの特徴が実際にどのように動作するかを判別
し、又その製品の評価コピーを注文することさえも可能
としている。顧客が製品を購入することを決定すると、
それは既に顧客のシステムにインストールされており且
つ使用する準備がなされている。本発明のこの実施例は
三つのシステムモジュールを提供している。

【００７８】（１）「トライアンドバイ」モジュール
は、顧客インターフェースとして作用し、インストール
したソフトウェアプログラムの評価及び購入した製品の
販売及びイネーブル化（無制限の使用のため）を容易と
すべく設計された特徴及び能力を与えている。

【００７９】（２）マスターモジュールはコンピュータ
システムのハードディスクドライブ上にインストールさ
れており、且つそれは「トライアンドバイ」モジュール
と、暗号化したソフトウェア製品と、アニメート化した
デモンストレーションと、価格及び販売促進用データベ
ースと、イネーブル用モジュールとを有している。

【００８０】（３）イネーブル用モジュールは、顧客の
ローカルなイネーブル用システムに対して有効なコード
番号を発行する。このモジュールは顧客のＩＤ番号を有
効なものとする「ブラックボックス」を与え、且つスタ
ンドアローンウインドウズアプリケーション内へ組込ま
れるイネーブル用コードを発生する。

【００８１】「トライアンドバイ」メインプログラムは
五つのプログラムモジュールウインドウを有している。

【００８２】１．製品評価モジュール−製品試行及びア
ニメートデモンストレーション ２．製品比較モジュール−特徴をベースとして特徴に関
する製品の比較 ３．注文エントリモジュール−１−８００販売及び製品
活性化 ４．カタログモジュール−付加的な製品及びサービスに
関する情報 ５．システムサービスモジュール−カードディスクドラ
イブからのシステム又は製品の消去 一般的な操作 「トライアンドバイ」システムはスタンダードのＭＳウ
インドウズアプリケーションのものと同様の態様で動作
する。「メインモジュール」はダイナミックなグラフィ
ックな「メインメニュー」として機能し、五つのプログ
ラムモジュールウインドウへのアクセスを提供する。

【００８３】製品評価ウインドウは、簡単なマウスクリ
ックか又はアイコンの「メニュー番号」をタイプするこ
とによって開始させることの可能な「ライブ」の製品ア
イコンを表示する。ダイアログボックスは製品アイコン
が開始される場合に表われ、簡単な四つの選択、即ち
（１）アニメートデモンストレーションの観察、（２）
製品の評価、（３）製品の比較、（４）製品の購入を提
供する。

【００８４】製品比較ウインドウは、あるカテゴリ（ワ
ードプロセサによる文書処理及びスプレッドシート）又
はスタンドアローン製品の簡単な特徴リスト（比較のた
めに使用可能な製品はない）内にグループ化した製品の
マガジンスタイルの比較チャートを顧客に提供する。

【００８５】注文エントリウインドウは対話型の注文形
式として動作し、それは顧客に以下の機能を提供する。
即ち、（１）顧客が購入（又は無料で受取る）ことを希
望する製品の選択、（２）特別価格又は販売促進提供品
のレビュー、（３）１−８００販売員を呼出すための
「ガイド」、（４）購入した製品を無制限の使用及び所
有形態へ変換するための特別製品「イネーブルコード」
をエンターするインターフェースの提供、である。

【００８６】カタログウインドウは対話型の販売促進モ
ジュール（実際の製品選択カタログではない）であっ
て、それは例えば「ノートブック」、「ネットワー
ク」、「ペリフェラル」等の付加的な製品系列及びサー
ビスに関する情報を表示する。

【００８７】システムサービスウインドウは顧客が自己
のシステムから削除するか又はシステム内に保持したい
製品及びデモンストレーションを対話的に選択及び脱選
択することを可能とする。このウインドウモジュールは
削除又は保存のためのマークを付けることが可能な製品
及びデモンストレーションのダイナミック「マトリク
ス」として表われる。更に、顧客は顧客のシステム上の
空間を節約するために、「トライアンドバイ」システム
全体を削除するオプションを有している。

【００８８】動作及びモジュール仕様 本発明の好適実施例においては、システムは主要な（及
び唯一の）ウインドウズ３．１「スタートアップ」アプ
リケーションとしてインストールされる。顧客が始めて
コンピュータをターンオンする場合には、「トライアン
ドバイ」システムがそれ自身で開始し、特別のアニメー
ト化された導入モジュールを動作させることが可能であ
る。

【００８９】製品比較ウインドウは特徴毎に例えばワー
ドプロセサ等の類似の製品を比較するか又は単に製品特
徴及び利点の「データシート」をレビューする迅速な方
法を顧客に提供する。製品比較グループ（ワードプロセ
サ、スプレッドシート等）及びいずれかの残りの「スタ
ンドアローン」製品のリストが顧客による選択のために
表示される。

【００９０】注文エントリウインドウは、顧客に対して
以下の機能を提供する対話型の注文形式として動作す
る。即ち、（１）顧客は、購入（又は無料で受取る）す
ることを希望する製品の選択、（２）特別価格又は販売
促進提供品のレビュー、（３）１−８００販売員を呼出
すための「ガイド」、（４）購入した製品を無制限の使
用及び所有形態へ変換するための特別製品「イネーブル
コード」をエンターするためのインターフェース、であ
る。

【００９１】カタログウインドウは「商品情報スクリー
ンであり、売主の製品系列及びサービスに関する情報を
表示し且つ対話型マーケティング用「デモンストレーシ
ョン」のラインに沿って構成されている。幾つかの製品
カテゴリ品目が提供され、それらは例えば「ノードブッ
ク」、「ネットワーク」及び「ペリフェラル」等の更な
る情報に対してすることが可能である。単一のスクリー
ン又は一組のネスト型のウインドウズ／又はスクリーン
を各製品カテゴリへ付属させることが可能である。例え
ば無料のカタログや特別提供品等によって、売主の１−
８００番号を電話を掛けることの動機が与えられる。

【００９２】サービスプログラムウインドウは、顧客が
「トライアンドバイ」システムの全て又は一部を削除す
ることを可能とする簡単な「マトリクスフォーム」を顧
客に提供する。

【００９３】例２ グラフィックイメージトライアンドバイシステム（図１
参照） 本発明のこの実施例においては、物質Ｍ０がオリジナル
のイメージであり、物質Ｍ１はオリジナルのイメージか
ら取除かれた画素の一部を有しており、物質Ｍ２は物質
Ｍ０から取除かれた画素を置換する場合に使用する画素
の一部を提供しており（即ち、物質Ｍ２は物質Ｍ１に対
する置換を与える）。且つ物質Ｍ３はその結果得られる
変性されたイメージであり、それは実際の適用には充分
のものではないが評価を行なうのに充分な品質のもので
ある。

【００９４】例３ デジタルオーディオ「トライアンドバイ」システム（図
２参照） 本発明のこの実施例においては、物質Ｍ０がオリジナル
のオーディオ物質であり、物質Ｍ２が物質Ｍ３を作成す
るために物質Ｍ０と混合される変性用のオーディオ（例
えば集積的なビープ音等）である。オリジナルの物質Ｍ
０を変性させるために、機能乃至は関数Ｆ２が第三者が
付加した部分Ａ２を使用して部分Ａ３を物質Ｍ３へ付加
する。その結果得られる物質Ｍ３は変性されたオーディ
オであり、それは評価を行なう目的のためには適切な品
質のものであるが、普通に聞くためには充分なものでは
ない。完全にイネーブルさせた即ち動作可能状態とさせ
る再生において、機能Ｆ１は部分Ａ２を使用して部分Ａ
３によって導入された邪魔なビープ音等を物質Ｍ３から
取除き、その際に物質Ｍ０を再生させる。試行的な再生
及びイネーブル再生期間中、機能Ｆ３は残存するオリジ
ナルの物質Ｂ０を物質Ｍ３と結合させるか（試行再生の
ため）又は物質Ｍ０と結合させる（イネーブル再生のた
め）。

【００９５】例４ アナログオーディオテープ（トライアンドバイ）システ
ム（図３参照） 本発明のこの実施例においては、物質Ｍ０がオリジナル
のテープであり、物質Ｍ３が変性されたテープであり、
それは評価を行なう目的のためには充分な再生を与え
る。本発明のこの実施例においては、機能Ｆ３がフィル
タ及び増幅器を介して該物質を変性させ及び／又はイネ
ーブルさせる。

【００９６】例えば、本発明のこの実施例においては、
オーディオ信号の試行版が再生された場合に邪魔な散発
的な音量降下を有するようにオーディオ信号が変性され
る。変性プロセスにおいて、シュミットトリガ回路をゲ
ート動作させるためにバンドパスフィルタが使用され
る。シュミットトリガ回路は、電圧制御増幅器（ＶＣ
Ａ）をゲート動作させるために使用される。ＶＣＡは一
連の２０ミリ秒間隔で２０ｄＢだけ元のオーディオ信号
の振幅を降下させる。この間隔は該物質の意味のある評
価を行なうことを可能とするが、該物質の無制限の使用
を可能とすることがない程度に充分な値に選択されてい
る。

【００９７】イネーブルプロセスはシュミットトリガを
ゲート動作するためにバンドパスフィルタを使用してい
る。シュミットトリガは、電圧制御増幅器（ＶＣＡ）を
ゲート動作するために使用され、ＶＣＡは変性プロセス
期間中に信号振幅が減少された間隔に対応する一連の２
０ミリ秒間隔の間２０ｄＢだけ元のオーディオ信号の振
幅を増大させる。部品の公差が緊密な状態に維持される
場合には、オーディオ信号のイネーブル版はオーディオ
信号のオリジナル版と事実上区別出来ない程度のもので
あることが判別した。

【００９８】以上、本発明の具体的実施の態様について
詳細に説明したが、本発明は、これら具体例にのみ限定
されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱す
ることなしに種々の変形が可能であることは勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の好適実施例に基づいて短命物体（物
質）を変換するシステムを示したブロック図。

【図２】 本発明の別の実施例に基づいて短命物体（物
質）を変換するシステムを示したブロック図。

【図３】 本発明の更に別の実施例に基づいて短命物体
（物質）を変換するシステムを示したブロック図。

【図４】 本発明の好適実施例に基づいてオリジナルの
形態と変性させた形態との間で短命物体（物質）の変換
を行なうプロセスを示したフローチャート図。

【図５】 本発明の好適実施例に基づいて変性された短
命物体（物質）をイネーブルさせ且つ回復するプロセス
を示したフローチャート図。

【符号の説明】

Ａ 部分 Ｆ 機能（関数） Ｍ 物質（物体） Ｐ プロセス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テオドール スタンレイ リチャーズ アメリカ合衆国， カリフォルニア 95030， ロス ガトス， ドレイクス ベイ アベニュー 201

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 短命物質の変換装置において、 オリジナルの物質と機能的に同一でありオリジナルの物
   質の変性版（１２，１４）を発生するためにオリジナル
   の物質からオリジナルの物質（１０）の一部（１４）を
   分離するための変性モジュール（１８）が設けられてお
   り、前記変性版は前記分離した部分（１４）と前記オリ
   ジナルの物質の残存部分（１２）とを有しており、前記
   オリジナルの物質の前記分離部分及び前記残存部分が同
   一の媒体（５３）に物理的に格納されていることを特徴
   とする装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、更に、前記オリジナ
   ルの物質（４１）への制限したアクセスを可能とするた
   めに前記オリジナルの物質の前記残存部分（４２）と前
   記分離部分（４０）との再結合を監督する試行モジュー
   ル（１０２，１０３，１０４）が設けられていることを
   特徴とする装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、更に、前記オ
   リジナルの物質の前記残存部分（４２）と前記分離部分
   （４０）との再結合により前記オリジナルの物質（４
   ０）の完全に機能的なアクセスを可能とするトランズア
   クションモジュール（６１，６２，６３）が設けられて
   いることを特徴とする装置。
4. 【請求項４】 請求項２において、前記試行モジュール
   （１０２，１０３，１０４）が前記オリジナルの物質の
   使用を制限するためのカウンタ（１０３）を有すること
   を特徴とする装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４のうちのいずれか一項に
   おいて、前記変性モジュール（１８）が前記オリジナル
   の物質（１０）の前記分離部分（１４）を隠匿し、且つ
   前記変性モジュール（１８）が前記オリジナルの物質の
   前記分離部分を置換する前記オリジナルの物質の変性部
   分（１６）を発生することを特徴とする装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至５のうちのいずれか一項に
   おいて、前記変性部分が前記分離部分の変形版であるこ
   とを特徴とする装置。
7. 【請求項７】 請求項３において、前記トランズアクシ
   ョモジュール（６１，６２，６３）が、更に、遠隔なト
   ランズアクション位置に対して前記物質に対する独特の
   識別コードを与えるトランズアクションコード発生器
   （２０５）と、前記識別コードに応答して前記遠隔トラ
   ンズアクション位置によって与えられるイネーブルコー
   ドを受取り且つそれを有効なものとさせるイネーブルコ
   ード検証器（２０８，２０９）とを有しており、前記イ
   ネーブルコード検証器は検証されたイネーブルコードに
   応答して前記オリジナルの物質への完全に機能的なアク
   セスをイネーブルさせることを特徴とする装置。
8. 【請求項８】 短命物質の双方向変換方法において、オ
   リジナルの物質（１０）の一部（１４）を前記オリジナ
   ルの物質から取除いて前記オリジナルの物質と機能的に
   同一である前記オリジナルの物質の変性版（１４，１
   ２）を発生し、尚前記変性版は少なくとも前記分離部分
   と前記オリジナルの物質の残存部分とを有しており、前
   記オリジナルの物質への制限したアクセスを可能とする
   ために前記オリジナルの物質の前記残存部分と前記分離
   部分との再結合を監督し、許可される場合には前記分離
   部分と前記オリジナルの物質の残存部分とを再結合する
   ことによって前記オリジナルの物質への無制限のアクセ
   スを可能とする、ことを特徴とする方法。
9. 【請求項９】 請求項８において、更に、前記オリジナ
   ルの物質の前記分離部分を隠匿し、且つ前記オリジナル
   の物質の前記分離部分を置換する前記オリジナルの物質
   の変性部分を発生することを特徴とする方法。
10. 【請求項１０】 請求項８又は９において、更に、遠隔
    のトランズアクション位置に対して前記オリジナルの物
    質に対する独特の識別コードを与え、前記識別コードに
    応答して前記遠隔のトランズアクション位置によって与
    えられるイネーブルコードを受取ると共にそれを有効な
    ものとし、その際に検証されたイネーブルコードに応答
    して前記オリジナルの物質への無制限のアクセスを可能
    とする、ことを特徴とする方法。