JPH077767Y2 - 靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は靴、詳しくは靴底に滑止
め構造を備えた靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の靴には、例えば所望形状の深溝を
靴底本体の外面に備え、雪を踏み固めて抵抗を増やして
滑止めを図っていた防寒靴等があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記せる従来
の防寒靴にあっては積雪路面での防滑効果はあったが、
凍結路面を歩行しようとした時に、路面との接触面積が
少ないため摩擦効果が低く大変滑り易く転倒して怪我を
する虞れがあったため改良の余地があったものである。

【０００４】本考案は従来技術の有するこのような問題
点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、靴底の外面に改良を加えた滑止め効果を向上せしめ
ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案がなした技術的手段は、靴底外面の踵部と踏み
付け部とに滑止めチップを埋設すると共に、そのチップ
表面を靴底外面と面一以上となるように露出した靴であ
って、上記滑止めチップは、台板表面から複数の立ち上
げ片を立設してなる鉄よりも熱伝導に優れた金属材を、
非金属製のチップ本体内に埋設すると共に、その立ち上
げ片の上面をチップ本体の表面に露出してなることであ
る。

【０００６】

【作用】上記せる技術的手段により、靴底本体外面に備
えた滑止めチップが凍結路面に接し、滑止めチップは、
そのチップ本体の表面に露出している金属材の上端面が
凍結路面を凹状に溶かし、その溶かした部位に引掛かり
エッヂ効果を奏する。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明すると、図中１は防寒靴における靴底を示し、該靴底
１は天然ゴム、合成ゴムあるいは合成樹脂（塩化ビニル
樹脂、ポリウレタン等）などで、外面３に所望形状の深
溝４…を備えた靴底本体２と、該本体２の外面３の踏み
付け部と踵部に滑止めチップ５…を備えてなる。

【０００８】尚、図面において靴底１の上部で、該靴底
１と共に防寒靴を構成する足挿入部分については、周知
形状でありその説明および図示は省略する。滑止めチッ
プ５…は、非金属製、即ち天然ゴム、合成ゴムあるいは
合成樹脂（塩化ビニル樹脂、ポリウレタン等）などから
なる所望形状のチップ本体６と、該チップ本体６内に配
される金属材７とから構成する。

【０００９】金属材７は、例えば台板7aの上面に所望間
隔をおいて立上げ片7b…を複数並設せしめた凹凸状に形
成し、鉄よりも熱伝導に優れた銅、アルミなどからなる
もので、チップ本体６内に内設すると共に、前記立上げ
片7b…の各上端面８…の全域を表面6aに露出（表面6aと
面一以上）せしめるものとする。

【００１０】そして、上記靴底本体２の外面３に滑止め
チップ５を設けるには、まず靴底本体２（未加硫状態）
の外面３の所望箇所に所望なガイド溝を刻設し、そのガ
イド溝に滑止めチップ５を押込んで埋め込み配設する。

【００１１】そして、靴底本体２と共に加硫成形するこ
とにより一体的に埋設保持する。また、その滑止めチッ
プ５の表面5aは靴底本体２の外面３と面一以上となるよ
うに露出せしめるものとする。

【００１２】従って、上記せるような靴底１の構造によ
り、凍結路面歩行時に路面に接して押圧される滑止めチ
ップ５の表面5aに露出している鉄よりも熱伝導に優れた
金属材７の各上端面８…が、凍結路面を凹状にすばやく
溶かすと共にその溶かした部位に引掛かり、エッヂ効果
（ひっかかり効果）を奏しながら歩行できる。

【００１３】尚、上記せる靴底本体２の全体形状および
外面３に設けた深溝４…は一例を示すにすぎず、例えば
深溝４…は複数のブロック状でちどり状に設けたもの
や、網目状としたもの等任意であり、また滑止めチップ
５の形状も例えば図示せしめないが四角柱状、三角柱状
等全体形状、厚さ、大きさは任意であり、かつ、その埋
設箇所も図示せる箇所に何等限定はされないものであ
る。

【００１４】更に、図４は別実施例とする滑止めチップ
５′を示し、台板7'a の上面に所望間隔をおいて立上げ
杆7'b …複数並設せしめた凹凸状の金属材７′を所望形
状のチップ本体６′内に内設すると共に各立上げ杆7'b
…の上端面８′…を表面6’a に露出（表面 6’a と面
一以上）せしめたものである。また、図５の如く金属材
７”を埋設したゴム層９…並設タイプは、ゴム層９…内
に氷雪路面上の水分が吸上げられてグリップ性が向上す
る。

【００１５】尚、上記せる各滑止めチップ５，５′は一
例を示すにすぎず、チップ本体６，６′、金属材７，
７′の形状、厚さ等は任意であり適宜変更自由である。

【００１６】また、上記実施例では靴底本体２の外面３
にあらがしめ設けたガイド溝（図示せず）に滑止めチッ
プ５を押込んで靴底本体２と共に加硫成形しているが、
これに何等限定はされず、例えば靴底本体２加硫時にガ
イド溝を設け、加硫後そのガイド溝に滑止めチップ５…
を挿入して固着してもよく、またガイド溝を設けずに直
接靴底本体２に押込んでもよく、また押込む時に接着剤
を添えてもよく、さらには加硫後の靴底本体２の外面３
にチップ挿入用の窪みを設け、その窪みに接着剤を介し
て滑止めチップ５を挿入して接着固定したものであって
もよい。

【００１７】

【考案の効果】本考案は、上記構成とし、特に台板表面
から複数の立ち上げ片を立設してなる鉄よりも熱伝導に
優れた金属材を、非金属製のチップ本体内に埋設すると
共に、その立ち上げ片の上面をチップ本体の表面に露出
してなる構成としたため、チップ本体内に埋め込まれる
金属材部分が大きいので、熱伝導が素早く、凍結面を凹
状に溶かすため、エッヂ効果（ひっかかり効果）を十分
に発揮しながら歩行でき、滑止め効果が高く安全であり
商品価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案防寒靴の一実施例を靴底外面から見た平
面図である。

【図２】図１の（ＩＩ）−（ＩＩ）線断面図である。

【図３】滑止めチップの一実施例を示す斜視図である。

【図４】滑止めチップの他の実施例を一部切欠いて示す
斜視図である。

【図５】滑止めチップの他の実施例を一部切欠いて示す
斜視図である。

【符号の説明】

１ 靴 底 ２ 靴底本体 ３ 外 面 ５ 滑止めチップ 5a 滑止めチップ
表面 ６ チップ本体 6a チップ本体表
面 ８ 上端面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴底外面の踵部と踏み付け部とに滑止
   めチップを埋設すると共に、そのチップ表面を靴底外面
   と面一以上となるように露出した靴であって、上記滑止
   めチップは、台板表面から複数の立ち上げ片を立設して
   なる鉄よりも熱伝導に優れた金属材を、非金属製のチッ
   プ本体内に埋設すると共に、その立ち上げ片の上面をチ
   ップ本体の表面に露出してなることを特徴とする靴。