JPH0777334B2 - オーバートーン発振用圧電共振子 - Google Patents

オーバートーン発振用圧電共振子

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JPH0777334B2
JPH0777334B2 JP61010826A JP1082686A JPH0777334B2 JP H0777334 B2 JPH0777334 B2 JP H0777334B2 JP 61010826 A JP61010826 A JP 61010826A JP 1082686 A JP1082686 A JP 1082686A JP H0777334 B2 JPH0777334 B2 JP H0777334B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は圧電共振子,殊に格別の発振回路を必要とせず
して所望のオーバートーン周波数にて発振を可能とする
オーバートーン発振用圧電共振子に関する。
(従来技術) 近年,通信機をはじめとする各種電子機器に於いては高
周波化と超小型化の要求が一層厳しくなっているがこれ
に応える為には従来から一般に行なわれている水晶振動
子の如き圧電共振子のオーバートーン振動の利用の他,
弾性表面波(SAW)共振子が広範囲に使用されるように
なってきた。
しかしながら前者は一般に希望するオーバートーン周波
数に同調するLC同調回路を介して所望の出力を抽出する
か或は発振回路の一部にLC同調回路を挿入して該回路の
負抵抗が所望のオーバートーン周波数領域に於いてのみ
充分大きくなるよう設計するものであっていずれもコイ
ルを要し発振回路のIC化を進める上で極めて不都合であ
るという欠陥があった。
又,SAW共振子の発振周波数は周知の如く圧電基板の材質
とその表面に形成するインタディジタル・トランスジュ
ーサ(IDT)電極のビッチによって一義的に決定するの
で共振子自体の小型化が可能であると共に上述した如き
回路上の問題もないが周波数−温度特性の点でATカット
水晶振動子よりはるかに劣るという欠陥があった。
一方,従来から水晶振動子等の製造現場に於いては振動
子小型化の要求から振動子の水晶基板を小さくしてゆく
と当該水晶基板の縦横比及び基板厚さに対する辺の寸法
比が特定の範囲の値に達するとしばしば3次或は5次の
オーバートーン振動で発振することが知られており,斯
る現象をいかにして抑圧するかが問題となっていた。
そこでこの現象を利用しオーバートーン発振用水晶振動
子を得んとするアイディアが西独ジーメンス社から特許
出願されている(特公昭58−29890)。
しかしながら,上記特許出願に係る発明は最も一般的な
振動子形状である円型基板について検討すると,基板直
径が板厚の20乃至30倍と極めて小型となる上電極直径も
基板直径の50乃至90%前后に達するものであって基板周
辺の支持歪の影響が励振部に及ぶ為周波数−温度特性の
不安定,熱サイクルの前后の共振周波数のバラツキ,共
振周波数の経時変化が大きくなる等の問題がありオーバ
ートーン発振の可能性を云々する以前に水晶振動子とし
てとうてい実用に耐えないものであった。
更に水晶基板に特定の寸法比を与えた上で発振を所望す
るオーバートーン次数以上の次数のオーバートーン振動
エネルギを励振電極内に閉じ込めるのみでは,或は斯る
振動子基板周縁に点状或は線状の制動体を追加するのみ
では前記所望のオーバートーン次数より低次の振動エネ
ルギの消耗が全く不充分であってとうてい所望の次数の
オーバートーン振動での発振を安定に得ることができな
いという欠陥があった為,今日まで斯るタイプのオーバ
ートーン発振用水晶振動子は更に深く研究されることも
なく従って実用に供されることもなく放置せられていた
ものである。
上述した如き従来の共振子の欠陥を一挙に解決すべく本
願発明者は既に特願昭60−77065(特開昭61−236208)
に於いて圧電基板中央の励振電極に所望の次数以上の次
数のオーバートーン振動の振動エネルギを閉じ込める一
方基本波振動を含むより低次のオーバートーン振動の振
動エネルギを漏洩せしめ,当該漏洩したエネルギを前記
励振電極外周に所要の間隙を隔して配置した振動エネル
ギ吸収領域を介して熱に変換して消耗せしめることによ
って前記所望の次数のオーバートーン振動についてイン
ピーダンスと基本波を含むより低次のオーバートーン振
動についてのそれとの間に充分な落差を与え前記所望の
次数のオーバートーン振動による発振をなさしめうるこ
とを明らかにした。
更に本願発明者は上述のアイディアは最低次対象(So)
モードの振動の利用のみならず高次の対称(S1,S2,…
…)モード及び非対称(a0,a1,a2,……)モードの振動
の利用にまで拡張適用可能である旨を開示した(特願昭
61−9756,特開昭62−168409参照) 而して上述した共振子を使用する場合,これをあらゆる
発振回路に適応させる為には発振回路側の負性抵抗の絶
対値が低周波側程大であることを考慮すると前記基本波
振動を含むより低次のオーバートーン振動の振動エネル
ギを充分消耗せしめる必要があるから共振子圧電基板外
周部に前記した如く遮断周波数が基板自身のそれより充
分低い不要振動の振動エネルギ吸収部を設けることが必
要でありしかも該部は単なる点域は線状のものでは殆ん
ど効果がなく一定の面積を有する領域でなければならな
いことは既に判明していた。
しかしながらどの程度の遮断周波数を有するエネルギ吸
収領域が適当な不明であった故,当初は製造の容易も勘
案して励振電極相当の電極膜厚を以って該領域を構成し
ていた為充分満足すべき不要振動抑圧効果が得られない
場合が少なからず存在するという問題があった。
(発明の目的) 本発明はオーバートーン発振用圧電共振子に於ける上述
した如き問題を解決し本質的に発振回路の特性に対する
依存性のないオーバートーン発振用圧電共振子を提供せ
んとするものである。
(発明の概要) 上述の目的を達成する為,本発明に係る共振子に於いて
は前記圧電基板外周近傍に設ける不要振動エネルギ伝搬
領域(従来技術の項に云う“振動エネルギ吸収領域”と
同一部分。“振動エネルギ吸収領域”なる語は前記ジー
メンス特許出願に云う振動の“制動体”に等しい音響エ
ネルギ・ダンパ機能を有するが如き印象を与えるので改
称した)の遮断周波数を少なくとも励振電極を付した振
動エネルギ閉じ込め部のそれより小に,望ましくは著し
く小さくするものである。
(発明の実施例) 以下,本発明を図面に示した実施例に基づいて詳細に説
明する。
実施例の説明に先行して本発明の理解を助ける為,その
理論について前述した特開昭61−236208の記述を引用し
て再度概説する。
先ず,本発明の発想の前提となる事実関係を整理列挙す
る。
(1)通常の圧電共振子,殊に厚み振動系の圧電振動子
に於いて励振可能なのは奇数次オーバートーン振動のみ
でありこの際単電極を使用した場合にレスポンスの小さ
いインハーモニック・モードの振動は無視してハーモニ
ック・モードの振動のみを考える。
(2)尾上/ショックレイ等のエネルギ閉じ込め理論を
説明する第2図に示す如き無限圧電基板に例えばハーモ
ニック・モードの振動を励起せしめる際遮断周波数2
なる基板中にこれよりも遮断周波数1が小なる部分が
存在すれば該部に振動エネルギが閉じ込もるがその閉じ
込め量Tは前記遮断周波数差21が小なる場合には
オーバートーン次数の高い振動程大きく,一方前記遮断
周波数差が大なる場合にはいずれのオーバートーン次数
の振動についても同等で大きな閉じ込め量となる傾向が
ある。
尚,本図は等方性材料に厚みねじれ振動を励起した場合
の閉じ込め係数 に対する規準化共振周波数Ψとエネルギ閉じ込め量Tと
の関係を示したものであってその曲線は最低次対称モー
ドの振動に関するものであるが,本発明に係る共振子は
このモードを利用するものである。
上記曲線は振動媒体,振動モード,振動伝搬方向或はオ
ーバートーン次数等によって若干の差異はあるが定性的
な傾向は本図の曲線から大幅に偏よるものではない。
従って振動媒体が金属,水晶等の他リチウムタンタレー
ト,リチウムナイオベート或は各種圧電セラミクス等の
高結合材料であっても振動モードが厚み,厚みすべり,
厚み縦振動或は厚みねじれ振動であっても或はオーバー
トーン次数が変化しても全て本図を用い,使用する圧電
基板材料の性質に応じた補正を施した上で所要のパラメ
ータを設定しても大過はないがもし更に精密を要する場
合には然るべき曲線を作成使用すればよい。
尚,上述の補正はATカット水晶に於ける異方性及び理論
と実際との相違を考慮するものであって既にペックマン
により実験的に解析がなされ公表されているものである
が,本発明に係るオーバートーン共振子の振動エネルギ
吸収部を設計するに際しては閉じ込め係数 の値としてこれに1.4乃至1.7を乗じたものを用いればよ
い。
(3)前記閉じ込め係数 を変化せしめる上で操作し得るパラメータとしては周知
の如く電極の大きさaを変化するか或は基板に対する電
極等何らかの質量付着量Δを変化せしめればよい。
(4)エネルギが閉じ込められた振動についてはオーバ
ートーン次数が大なる程等価抵抗が大きい。
又,前記第2図からも明らかな如く振動エネルギは遮断
周波数の小なる部分に完全に閉じ込もることはなく多少
なりとも遮断周波数の高い周辺部に漏洩するが,前記遮
断周波数小なる部分に過度に近接して前記漏洩エネルギ
を吸収し熱に変換する部分,例えば前記ジーメンス特許
出願に云う“制動体”が存在すれば当該振動についての
等価抵抗は大きくなる。
因みに従来一般の水晶振動子は水晶基板中央に電極を充
分厚く付着することによって遮断周波数差を大きくとり
あらゆるオーバートーン次数の振動エネルギを該部に閉
じ込めるものであった為,CI値が最小となる基本波周波
数での発振が最も容易であって,これをオーバートーン
発振せしめんとすれば発振回路側に工夫を要すること前
述のとうりである。
又,前述したジーメンス特許出願の発明者は以上説明し
た如き本発明のオーバートーン発振用共振子の基本的理
論に到達し得なかった為,従来から現場技術者が得てい
た知見に基づき圧電基板の寸法比を特定の範囲に設定す
ることが所望の次数のオーバートーン振動による発振を
得る上で最重要パラメータであると誤認し実用的な共振
子を構成する上で極めて不都合な圧電基板寸法比を選択
したものであることに注目されたい。
以上説明した事実を勘案するに,所望のオーバートーン
周波数での発振を他の周波数によるそれよりも容易なら
しめ且つこれを安定ならしむる為には,圧電基板,例え
ばATカット水晶基板の中央部近傍で所望のオーバートー
ン次数以上の振動の振動エネルギを閉じ込める一方,基
本波振動を含むより低次オーバートーン振動,即ち不要
振動の振動エネルギを漏洩せしめると共に当該漏洩した
不要振動の振動エネルギを前記振動エネルギ閉じ込め部
外周に極力効率良く伝搬せしめ,一般の圧電共振子に不
可欠の基板外周縁支持部を介して消耗させることによっ
て前記所望のオーバートーン振動についての発振回路側
から見たインピーダンスと不要振動についてのそれとの
落差を充分得られるよう前記閉じ込め係数 前記振動エネルギ閉じ込め部と前記不要振動エネルギを
効率良く伝搬せしめる部分(不要振動エネルギ伝搬領
域)との間隙寸法及び前記不要振動エネルギ伝搬領域の
構成を適切に選択すればよい。
上述の発想を実現する為,本発明に係る共振子は基本的
に以下の如き構成をとる。
第3図(a)乃至(c)は本発明に係る共振子の基本的
構成を示す断面図及びその原理を説明する為の説明図で
ある。
第3図(a)に於いて厚さHの圧電基板1中央部両面に
直径2aなる電極2,2′を付着し該部の遮断周波数を1
低下せしめその周辺の遮断周波数2なる部分との間に
21なる遮断周波数差を設け該電極2,2′付着部を
振動エネルギ閉じ込め部,非電極部3,3′を振動の振動
エネルギ伝搬部としその外周適所に遮断周波数3(少
なくとも31)なる不要振動エネルギ伝搬領域4,
4′を設ける。
ここでこの共振子を例えば5次オーバートーン発振用振
動子とする場合を考えるに,前述した原理から基本波
(1次)及び3次オーバートーン振動の振動エネルギ閉
じ込め率を小に,5次オーバートーンのそれを大となる如
くすればよいからZ方向有限(2b),電極寸法2a且つX
方向無限として数値解析った同図(b)に示す如く先ず
5次オーバートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率T5
例えば80%程度に設定する。
本図よりT5=80%に於ける閉じ込め係数 は概ね0.53であるが,前記閉じ込め係数 の内n,H,2及びaは与件であるから1をどの程度の値
に選べばよいかは簡単に算出し得る。1が定まれば遮
断周波数差21は所謂プレートバックに直接関係す
る量であってこれを満足する電極付着量は既に周知であ
るから前記(a)に示す如き共振子は容易に製造するこ
とができる。
尚,リチウムナイオベート,リチウムタンタレート或は
圧電セラミクスの如き高結合材料を圧電基板として用い
る場合にはわずかな電極付着量によって極めて大なる周
波数低下が発生するので前記周波数低下量Δを与件とし
前記電極サイズaを操作する方が好都合であろう。
尚,上述の閉じ込め係数の値は純理論値であって,現実
の圧電共振子に於ける励振電極(振動エネルギ閉じ込め
部)を設計する際には圧電材料の性質に応じて当業者周
知の補正を施す必要があることは云うまでもなく,ATカ
ット水晶では前述した値に概ね1.4乃至1.7を乗した値を
使用すればよいこと前述の通りである。
又,前記振動エネルギ伝搬部3,3′を構成する振動エネ
ルギ閉じ込め部2,2′と不要振動エネルギ伝搬領域4,4′
との間の間隙の設定は同図(c)に示した振動エネルギ
の定性的分布からも明らかな如く,振動エネルギ閉じ込
め部2,2′に閉じ込める必要のある発振を所望する次数
以上のオーバートーン振動の振動エネルギ分布の裾が実
質的に不要始動エネルギ伝搬領域4,4′に達しないよう
決定することが望ましい。
ところで従来不要振動エネルギを効率良く伝搬せしめる
為には前記不要振動エネルギ伝搬領域の遮断周波数を単
に圧電基板自体の遮断周波数より低下させておけば前記
振動エネルギ閉じ込め部から漏洩した不要振動の振動エ
ネルギは所謂“伝搬モード”にて無損失で伝搬するはず
であると考えていた。
然るに上述した如き考え方に基づき製造の容易性も考慮
して前記振動エネルギ閉じ込め部の遮断周波数と前記不
要振動エネルギ伝搬領域のそれとをほぼ同等に(実際に
は共振周波数調整の為励振電極たる振動エネルギ閉じ込
め部に追加の微調蒸着を行うためで振動エネルギ閉じ込
め部の遮断周波数の方が不要振動エネルギ伝搬部のそれ
より低下する)設定したところ発振を所望する次数のオ
ーバートーン振動についての等価抵抗と抑圧せんとする
基本波を含む前記所望の次数のオーバートーン振動より
低次のオーバートーン振動についての等価抵抗との落差
を充分に得ることができず発振回路の負性抵抗との関係
から第4図に示す如く所望せざる次数のオーバートーン
振動,例えば基本波振動にて発振することが少なくなか
ったこと前述の通りである。
この問題を解決する為,本願発明者は第5図に示す如き
オーバートーン発振用共振子(3次オーバートーン発振
用)を用いてその不要振動エネルギ伝搬領域4,4′の質
量付着量を変化させ基本波振動についてのインピーダン
スと3次オーバートーン振動についてのそれとの落差が
どのように変化するか実験を行った。
第6図はその実験結果を示す図であって第5図に於ける
励振電極(Ag)2のサイズを固定した上で膜厚を変化せ
しめて前記閉じ込め係数 の値を変えると共に8個の閉じ込め係数に対して夫々前
記不要振動エネルギ伝搬領域4,4′のAgの付着量を各々
励振電極のそれの1倍,2倍,4倍及び8倍とした場合の抑
圧すべき基本波振動についてのインピーダンス(CI値)
と所望する3次オーバートーン振動についてのそれとを
プロットしたものである。
本図からも明らかな如く抑圧すべき基本波振動について
のインピーダンスは不要振動エネルギ伝搬領域のAg付着
量の励振電極のそれに対する比率(膜厚比)が1の場合
を除きピークを有しそのピーク値は膜厚比が増大する程
高くなる様に見える。
一方,発振を所望する3次オーバートーン振動について
のインピーダンスはいずれも前記閉じ込め係数 の増大に従って漸減するが,これは理論上当然の現象で
ある。
尚,説明の煩雑を避ける為これ以上の図示は省略する
が,5次及び7次オーバートーン発振用共振子についての
実験でも同様の傾向は明瞭に観察された。
斯る現象が何故に発生するのか目下のところ判然とはし
ないが,いずれにしても以上の実験結果から本発明に係
るオーバートーン発振用圧電共振子は第1図に示す如く
少なくとも不要振動エネルギ伝搬領域の遮断周波数は励
振電極を付した振動エネルギ閉じ込め部のそれより小さ
く構成することが必要であって,さもなければ発振を所
望する次数のオーバートーン振動についてのインピーダ
ンスと抑圧すべき基本波振動を含むより低次のオーバー
トーン振動についてのそれとの間に充分な格差を付与し
得ず所望の周波数に於いて安定した発振が不可能となる
場合が生じるであろう。
因みに前記第6図の実験結果から3次オーバートーン発
振用共振子として最適のパラメータは励振電極たる振動
エネルギ閉じ込め部の閉じ込め係数を4.5前后とし該部
と不要振動エネルギ伝搬領域との膜厚比を4とした場合
であった。
上記した閉じ込め係数の値は理論を概説した部分で示し
た値と比してかなり大きなものであるがこれは理論に忠
実な最適の閉じ込め係数を採用せんとした場合励振電極
膜厚が過小となり抵抗が増大する為,現実には最適値を
少しくはずれた閉じ込め係数を用いざるを得ないという
ことを意味するものである。
ところで不要振動エネルギ伝搬領域の遮断周波数を低下
させる手段としては前記実験の如く該部に対する導体の
蒸着時間のみを延長する方法の他第7図(a)乃至
(c)に示す如く圧電基板1の中央部をエッチング等の
手法を用いて予じめその外周より凹陥せしめることのみ
で遮断周波数に差を与えてもよいし(同図(a)),そ
のようにして形成した不要振動エネルギ伝搬領域4,4に
更に電極と同一の材料5を蒸着してもよい。或は前記蒸
着材料を電極2,2′のそれよりも高比重のものとして遮
断周波数の一層の低下を図ってもよい(同図(b))。
更に同図(c)の如くより高いオーバートーン発振周波
数を得るべく圧電基板1の励振電極付着部のみを格別に
薄層化する如き場合はその不要振動エネルギ伝搬領域4,
4は該領域への導体蒸着量を励振電極へのそれと同等と
するのみで格別の加工が不要であることもあり得よう。
尚,前記電極2,2′周辺の圧電基板の遮断周波数2は必
ずしも全面完全に同一でなく多少の誤差は許されると共
に圧電基板1周縁部に設ける不要振動エネルギ伝搬領域
4の遮断周波数3は部分的に相当の差異があったとし
ても本発明が開示した条件,即ち31を充分に満足
している限りに於いては殆んど何の問題も発生しない。
(発明の効果) 本発明は以上説明した如く構成するものであるからオー
バートーン発振用圧電共振子の製造工程にわずかな付加
工程を加えるのみで発振を所望する次数のオーバートー
ン振動についてのインピーダンスと基本波振動を含むよ
り低次のオーバートーン振動についてのそれとの格差を
充分大きく設定することが可能となるので所望の周波数
による発振を発振回路の特性に左右されることなく安定
して行なわしめる上で著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るオーバートーン発振用共振子の基
本的構成を示す断面図,第2図はエネルギ閉じ込め理論
の説明図,第3図(a)乃至(c)は夫々本発明を適用
すべきオーバートーン発振用圧電共振子の基本構成を示
す断面図,パラメータ選択手順を示す説明図及び振動エ
ネルギの分布状態を示す図,第4図は本発明を適用すべ
き共振子に於いて各次オーバートーン周波数についての
共振子インピーダンスと発振回路の特性との関係を示す
図,第5図は不要振動エネルギ伝搬領域膜厚比検討の為
の実験に使用した共振子の平面図,第6図は不要振動エ
ネルギ伝搬領域膜厚比に対し発振を所望する次数のオー
バートーン振動についてのインピーダンスと抑圧すべき
より低次のオーバートーン振動についてのそれとを調べ
た実験結果の図,第7図(a)乃至(c)は夫々は振動
エネルギ吸収領域の異った構成を示す断面図である。 1……圧電基板,2,2′……電極(振動エネルギ閉じ込め
部),3,3′……振動エネルギ伝搬部,4,4′……不要振動
エネルギ伝搬領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭56−114116(JP,U) 特公 昭44−13876(JP,B1) 特公 昭58−29890(JP,B2) 特公 昭50−27984(JP,B2) 実公 昭45−16438(JP,Y1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板に遮断周波数f1なる振動エネルギ
    閉じ込め部を、その周辺に遮断周波数f2(但しf1<f2
    なる振動エネルギ伝搬部を設け前記振動エネルギ閉じ込
    め部に所望の次数のオーバートーン振動以上の次数の振
    動エネルギはその所要量が閉じ込められる一方、基本波
    振動を含む前記所望の次数のオーバートーン振動より低
    次の振動エネルギは前記振動エネルギ伝搬部を介して基
    板外周にその所要量が漏洩する如く当該振動エネルギの
    閉じ込めの程度を前記所望の次数のオーバートーン振動
    についてのそれより弱めるよう前記両遮断周波数差f2
    f1を設定した圧電共振子に於いて、前記振動エネルギ伝
    搬部の周辺に遮断周波数f3(但しf3<f1)、且つ振動エ
    ネルギ伝搬方向に所要の奥行を有する不要振動エネルギ
    伝搬領域を設け該領域と前記エネルギ伝搬部との境界を
    実質的に前記振動エネルギ閉じ込め部に閉じ込められた
    振動エネルギ分布の裾の外方近傍に位置する如く設定し
    たことによって少なくとも前記所望の次数のオーバート
    ーン振動による発振を前記所望の次数のオーバートーン
    振動より低次の振動によるそれよりも容易ならしめたこ
    とを特徴とするオーバートーン発振用圧電共振子。
  2. 【請求項2】前記不要振動エネルギ伝搬領域の前記エネ
    ルギ伝搬部からみた周波数低下量(プレートバック)の
    前記振動エネルギ閉じ込め部のそれに対する比率を2以
    上としたことを特徴とする請求項(1)記載のオーバー
    トーン発振用圧電共振子。
  3. 【請求項3】前記不要振動エネルギ伝搬領域と前記振動
    エネルギ閉じ込め部とをいずれも圧電基板表面に付着し
    た導体にて構成すると共に前者の膜厚を後者のそれの2
    倍以上としたことを特徴とする請求項(1)記載のオー
    バートーン発振用圧電共振子。
JP61010826A 1985-04-11 1986-01-21 オーバートーン発振用圧電共振子 Expired - Fee Related JPH0777334B2 (ja)

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