JPH0776640B2 - スクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法 - Google Patents

スクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法

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JPH0776640B2
JPH0776640B2 JP5447985A JP5447985A JPH0776640B2 JP H0776640 B2 JPH0776640 B2 JP H0776640B2 JP 5447985 A JP5447985 A JP 5447985A JP 5447985 A JP5447985 A JP 5447985A JP H0776640 B2 JPH0776640 B2 JP H0776640B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスクロール圧縮機等の圧縮室が一定方向に移動
しながらガスを圧縮する容積形圧縮機を搭載した空調機
をはじめとする冷凍装置に係り、特に停止時の吸入管路
への液冷媒寝込みによる起動時の液圧縮を防止するため
の起動方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の空調機をはじめとする冷凍装置は圧縮機への液冷
媒寝込みの防止策としてはアキュムレータによる緩和や
チャンバヒータにより圧縮機の加熱による凝縮液の気化
等の手段が用いられていた。
圧縮機全般として見ると、マルチベーン式ロータリ圧縮
機の一形態として正逆回転可能としたものが特開昭57-5
592号公報に示されている。この特開昭57-5592号公報に
は、マルチベーン圧縮機において、起動時、特に長期間
停止後の起動時又はデフロスト運転完了後の四路弁切換
時に一定時間逆転運転させることが開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、スクロール圧縮機の逆回転による吸入管路内の
液冷媒を排除する方法はこれまでに見当らず、スクロー
ル流体機械について見ても、膨張機として作用すること
は既に知られているが、これはガスが膨張機に対して仕
事をする機械であり、機械側を駆動してガスを圧送する
使用法はこれまで示されていない。
又、特開昭57-5592号公報に開示のものは、圧縮室が真
空状態となり、起動時に過大なトルクを生じるものであ
った。
本発明の目的は、空調機等の冷凍サイクルを長時間停止
している時に圧縮機が他のサイクル機器より低温に保た
れた時に起きる圧縮機吸入管路への液冷媒寝込みによ
り、起動時に液圧縮を生じて軸トルク過大となったり、
さらには圧縮機破損を引き起こすのを防止し、圧縮機の
信頼性を向上させたスクロール圧縮機を用いた冷凍装置
の起動方法を提供することにある。
又、逆回転時に圧縮室の真空状態が生じるのを低減し
て、過大なトルクを生じることなくスムーズに回転で
き、効果的に液を排除できる起動方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本願発明のスクロール圧縮
機を用いた冷凍装置の起動方法は、鏡板に直立に形成し
た渦巻き状のラップからなる固定スクロールと、該固定
スクロールに組合され圧縮室を形成する鏡板に直立に形
成した渦巻き状のラップからなる旋回スクロールと、該
旋回スクロールを固定スクロールに対して旋回運動させ
るための自転防止部材と、該旋回スクロールを駆動する
ための電動機と駆動軸とを備え、前記旋回スクロールの
背面側に設けられた背面室と前記圧縮室とを連絡する背
圧口を具備したスクロール圧縮機を用いた冷凍装置であ
って、冷凍装置の起動時に、まず圧縮機の駆動軸を正規
の回転時とは逆回転で起動し、所定時間運転の後停止
し、正規の回転で再起動して冷凍装置の運動を行なうも
のである。
〔作用〕
背面室と前記圧縮室とを連絡する背圧口を具備したスク
ロール圧縮機を逆転起動したとき、圧縮室の膨張に伴っ
て、旋回スクロールの背面室から背圧口を通じてガスや
液冷媒を吸入するので圧縮室が真空にならず、過大なト
ルクを生じることがなく、スムーズに回転でき、効果的
に液を排除できる。又、冷凍サイクルを長時間停止した
時に圧縮機を吸入管路に冷媒液が寝込んでも、起動時に
一旦それを排除する運転ができるので、起動時の液圧縮
がなくなり、過負荷や過大圧力による軸受,電動機,圧
縮部などの破損を防止することができる。
〔実施例〕
以下本発明の数例の実施例を第1図〜第9図により説明
する。
第1図は本発明の基本となる実施例である。まず機器の
構成と作用について説明する。
スクロール圧縮機は密閉容器1内に固定スクロール2,旋
回スクロール3,フレーム4,クランク軸5,電動機6が一体
に組み込まれ、旋回スクロールはクランクの偏心とオル
ダム機構7(自転防止部材)により、クランク軸が回転
すると旋回スクロールは自転することなく旋回運動し圧
縮室8はクランク軸の回転方向により圧縮または膨張の
作用を受ける。旋回スクロールの背面には背圧室9が設
けられ、旋回スクロール鏡板に設けられた背圧口(図示
せず)により、適切な圧力の圧縮室に連通し、背圧室の
圧力をある適切な圧力に保って旋回スクロールを固定ス
クロールに密着させる力を付与している。軸受部,摺動
部へは油溜10の油がクランク軸内の油通路を通じて供給
され潤滑に供される。
圧縮機として作用するクランク軸の回転方向を正回転と
すると、正回転した時は冷媒ガスが吸入管11から吸入室
12へ流れ、圧縮室8へ入って圧縮され、吐出ポート13か
ら吐出室14へ吐出された後、通路15,下部室16を経て吐
出管17から冷凍サイクル側へ吐出される。
冷凍サイクルは四方弁18,利用側熱交換器19,膨張弁20,
熱源側熱交換器21から構成されており、四方弁が実線ま
たは破線の回路を形成するのに従って実線矢印または矢
印の方向へ冷媒が流れてヒートポンプ作用をする。
今本冷凍サイクルは空調機であるとすると、利用側熱交
換器19は室内熱交換器であり、四方弁の実線の回路の時
暖房運転となり、破線の回路の時冷房運転となる。圧縮
機が室外にあるとし、現在暖房運転の状態であると仮定
する。空調機の運転を停止して長時間放置すると、室外
に置かれた機器は室内の機器より低温となり、この低温
の部分で冷媒の凝縮が進み、いわゆる液冷媒の寝込み現
象が生じる。さらに圧縮機と室外の機器の間でも温度差
および高低差により特に圧縮機に多量に液冷媒が寝込む
場合がある。特に吸入管路への寝込みは起動時に液圧縮
を生じ、過負荷によるモータや軸受の破損や過大圧力に
よる圧縮部の破損等を引き起しやすい。このような状態
は夜間あるいは数日間空調機を停止しておいて後の最初
の起動時に発生する。
次に第1図に示した液圧縮防止法について説明する。圧
縮機の電動機は電源22から正逆回転制御手段23を介して
結線されている。制御手段23は空調機の圧縮機電源回路
のスイッチが投入されるとまず圧縮機を通常の圧縮運転
とは逆回転で電動機を起動する。この時圧縮機内の冷媒
ガスの流れは正回転の時と逆に流れ、吐出管17から吸入
し、吸入管11へ吐出する。圧縮機に連通する管路内に液
冷媒が寝込んでいた場合、吐出管17側に寝込んでいた液
は密閉容器1内に落ち、吐出ポート13からはガスのみが
吸入される。従って吸入管11からもガスのみが吐出さ
れ、吸入室12,吸入管11およびこれに接続された管路内
に寝込んだ液はガスと共に押し戻される。正逆回転制御
手段には逆転期間決定手段24が付随しておりその決定に
基づいて逆回転運転を終了して停止する。この時吸入管
路内の液冷媒は相当の所まで押し戻されており、例えば
この場合熱源側熱交換器21すなわち室外熱交換器の中途
まで押し戻されているとする。この状態で今度は正逆回
転制御手段23は正回転で圧縮機の電動機を起動する。既
に吸入管路の液はなくなっており、熱源側熱交換器21は
蒸発器として働くので、ここに押し戻された液冷媒も気
化し、もはや液圧縮は生じない。
室温制御中の圧縮機のON-OFF運転中の停止期間は短く、
液冷媒の寝込みはほとんど生じないから、正逆回転制御
手段23は圧縮機回路の電源スイッチが投入されて1回目
の起動時のみ逆回転による起動を実行するようにしても
よい。この方が無駄な逆回転運転をしないですむ。また
逆回転の期間は必ずしも液冷媒を熱源側熱交換器の中途
まで戻す期間でなくてもよく、例えば吸入室12と吸入管
11およびこれに接続された吸入配管の一部までの液を排
除するだけでも次の正回転起動時にはガスが相当量混入
した状態で吸入され、さらに減圧による液冷媒の気化も
期待できるので、湿り圧縮とはなっても液圧縮を防止す
ることができる。
第2図の実施例は逆回転による起動を圧縮機部に液冷媒
が寝込んでいると判定された時のみ行うようにした例で
ある。
本実施例は第1図の実施例に加えて圧縮機代表部として
液冷媒の寝込みが液圧縮を引き起す部分である吸入管内
の温度検出手段25と他の機器の代表部として熱源側熱交
換器の温度検出手段26とを備え、正逆回転制御手段23は
この2つの温度の比較手段とこれに基づいて逆回転起動
が必要かどうかの判定手段を有している。温度検出手段
25の温度が温度検出手段26の温度より低い時は吸入管路
への液冷媒の寝込みが促進される。その逆の時は吸入管
路内の冷媒は気化されている。従って、本実施例では正
逆回転制御手段23は温度検出手段25の温度が温度検出手
段26の温度より低い時のみ逆回転起動が必要であると判
定してこれを実行する。
第3図の実施例は逆回転の期間を決定する手段としてタ
イマー27を有しており、吸入管路に寝込んだ液冷媒を次
の正回転起動の時液圧縮を生じない所まで押し戻すのに
必要な時間が設定される。逆回転による起動はこのタイ
マーで決められた期間行われる。
第4図の実施例は逆回転の期間を冷凍サイクルの一部の
温度に基づいて決定するようにしたものである。逆回転
起動の時、勤入管路に寝込んだ液冷媒を次の正回転起動
の時に液圧縮を生じさせないために押し戻す必要十分な
位置に温度検出手段18を設けてある。正逆回転制御手段
23は温度検出手段18から得られる温度の変化量を知り、
これに基づいて逆回転運転の終了を判断する機能を有し
ている。吸入管路に液冷媒が寝込んだ状態から逆回転起
動すると、液冷媒は押し戻されるが、温度検出部に液が
充満している間はここの温度は変化しない。この部分の
液が排除されると圧縮により温度上昇したガスが流れる
ので検出される温度も上昇する。従って正逆回転制御手
段23は得られた温度が上昇を始めたのを知り、液圧縮を
防止するのに必要十分な液冷媒の排除が完了したと判断
して逆回転運転を終了する。
第5図の実施例は逆回転起動後、熱交換器に入った冷媒
ガスが凝縮しないようにして液冷媒排除の効果が低減し
ないようにするものである。今暖房運転の開始時とする
と、逆回転起動の時は通常の流れとは逆向きすなわち熱
交換器部分では破線矢印の方向へ冷媒が流れる。従って
熱源側熱交換器21は凝縮器として作用し、利用側熱交換
器は蒸発器として作用する。この時凝縮器21では次の正
回転起動の時に圧縮機側へ流れる液冷媒をなるべく少な
くするために冷媒を凝縮させない方がよく、蒸発器19で
は液圧縮には特に関係ないが、圧縮機密閉容器に多量の
液冷媒が流入することは油の希釈による潤滑への悪影響
を生じるので蒸発を促進させる方がよい。そこで逆回転
起動の時は正逆回転制御手段23は熱交換器用ファンの制
御も同時に行い、凝縮器用ファン29を停止し、蒸発器用
ファン30は運転するようにする。この制御により前記の
望ましい状態を作ることができる。冷房運転の開始時の
逆回転起動時は熱源側熱交換器21が蒸発器として作用
し、利用側熱交換器19が凝縮器として作用するのでファ
ン30を停止してファン29を運転する。
第6図の実施例は寝込んだ液冷媒を熱交換器の中途まで
排除する必要がある場合、その部分の液冷媒のみ完全か
つ確実に排除できるようにしたものである。暖房運転開
始時に液冷媒を排除すべき熱源側熱交換器21および冷房
運転開始時に液冷媒を排除すべき利用側熱交換器19につ
いてそれぞれ液冷媒を排除すべき部分と液冷媒が残って
もよい部分の分岐点から分岐管を出し、逆止弁31,32を
図の矢印の方向を順方向とする向きに接続する。さらに
各逆止弁を連結する管と圧縮機の吐出管路を管路33で連
結する。このようにすると、例えば暖房開始時の逆回転
起動時には寝込んだ液冷媒は吸入室12から吸入管11およ
びそれに続く吸入管路,四方弁18,熱源側熱交換器の中
途へと押し戻されさらに逆止弁31,管路33を通って圧縮
機の吐出管路へと流れ、吐出管17から圧縮機の密閉容器
内へ落ちる。この時膨張弁20はキャピラリチューブのよ
うに常時開口しているものでも逆止弁の順方向の通路抵
抗よりはるかに抵抗が大きいのでほとんど冷媒は流れ
ず、熱源側熱交換器21の一部と膨張弁を含む管路および
利用側熱交換器の全部とこれに続く四方弁までの管路は
バイパスされる形になり、この間にある液冷媒は圧縮機
の密閉容器にはほとんど流れ込まないから油の希釈は必
要最少限に抑えることができる。膨張弁が電子膨張弁の
ような制御のできるものであれば、逆回転時には閉じ切
りにしておけば前記の効果はより完全となる。
冷房運転開始時の逆回転起動時は前記の熱交換器が入れ
換わるのみで、同じ現象となる。
第7図の実施例は寝込んだ液冷媒を四方弁より圧縮機側
の吸入管路まで排除すればよい場合、その部分の液冷媒
のみ完全かつ確実に排除するようにしたものである。四
方弁より圧縮機側の吸入管路に逆止弁34を、さらに圧縮
機側の吸入管路と吐出管路を結ぶ管路の間に逆止弁35を
それぞれ図の矢印の方向を順方向とする向きに接続す
る。このようにすると暖房運転開始時、冷房運転開始時
共に逆回転起動時には寝込んだ液冷媒は吸入室12から吸
入管11およびそれに続く吸入管路へと押し戻され、逆止
弁34は逆方向で流れず、逆止弁35を通って吐出管路へ流
れ込み、吐出管17から圧縮機の密閉容器内へ落ちる。こ
の場合は冷凍サイクル側の冷媒は全く動かないから、圧
縮機の密閉容器内へ流入する液冷媒は吸入管及び吐出管
路に寝込んだ分だけであり、油の希釈は必要最少限に抑
えられる。
第8図の実施例は逆回転時にも冷凍サイクルは正回転運
転時と変わらない運転状態となるようにしたものであ
る。逆止弁36,37,38,39を四方弁より圧縮機側の吸入管
路および吐出管路の部分にそれぞれ矢印の方向を順方向
とする向きに図の様に接続する。この回路によると圧縮
機が正回転しても逆回転しても四方弁18に対する冷媒の
流れは管路18aは四方弁への入口となり、管路18bは四方
弁からの出口となる。すなわち圧地機の回転方向に関係
なく冷媒サイクルは正規の運転状態となる。従って本実
施例の場合圧縮機の吸入管路に液冷媒が寝込んでいる時
は逆回転で起動し、蒸発器からの液戻り量が規定値以下
になるまで運転した後、正回転の運転に切換えれば確実
に液圧縮を防止できる。しかも逆回転運転中も暖房ある
いは冷房も正規に行われるので快適性の面でも申し分な
い。従ってある程度長期間運転することもでき、圧縮機
密閉容器内に寝込んだ液冷媒をも解消するまで逆回転運
転を続けることも可能である。この場合好都合なこと
は、逆回転起動と共に圧縮機密閉容器内は減圧されるた
め、寝込んだ液はすみやかに気化し、正回転で起動した
場合圧縮機密閉容器内が高圧になり、起動後圧縮機が低
温のうちはむしろ冷媒の凝縮が進むのに比べてはるかに
速く油の希釈が解消される。もしフォーミングが起きた
としても逆回転時は膨張機になっているので液圧縮の心
配はない。
第9図の実施例は第8図の実施例と同じ運転状態を四方
弁の制御のみで行うものである。本実施例では正逆回転
制御手段23に四方弁18の切換制御機能を持たせてある。
その制御方法は以下の通りである。
逆回転起動時は四方弁18を正規の運転モードとは逆の回
路に切換える。すなわち暖房運転の時は冷房側に、冷房
運転の時は暖房側に切換えるわけである。こうすること
により圧縮機の逆回転時も冷凍サイクルとしては正規の
運転状態と同じになり第8図の実施例で述べたのと全く
同じ作用効果を得ることができる。次に正回転の運転に
入る時は当然四方弁も正規のモードに戻すように制御す
る。
以上第1図及び第2図の実施例は本発明の基本概念およ
び圧縮機の逆回転起動選択の方法についての例を示し、
第3図及び第4図の実施例は逆回転運転の終了時期決定
方法の例について、また第6図から第9図までの実施例
は本発明をより効果的に行うためのサイクル構成の具体
例について示した。従って第6図から第9図までの実施
例では第1図または第2図の例の逆回転起動選択方法や
第3図または第4図の例の逆回転終了時期の決定方法を
併用できることは明らかである。
また第6図から第8図までの逆止弁を用いた例では、正
回転の運転時には正規の冷凍サイクルが形成されること
も明らかである。
ところで本発明のすべての実施例に共通した一つの懸念
される現象として、正規運転停止時に圧縮機前後の圧力
がバランスするまで、高圧の吐出側と低圧の吸入側の圧
力の差により圧縮機が逆回転し、音を発したり、油の一
部が吸入管路へ戻って溜まる等の問題が考えられ、従来
は吸入側に逆止弁を設けるなどしてこの現象を避けてい
たが、本発明の実施例の場合は、正規運転停止時には四
方弁を逆側に切り換える制御を付加することにより、圧
縮機の吸入側が高圧,吐出側が低圧となり、圧縮機の逆
転を防止できる。この時の四方弁切換時の現象は、従来
の空調機における暖房時の除霜運転開始時と同じ現象で
あるから、この制御法に問題の無いことは明らかであ
る。
本発明はスクロール圧縮機を用いた冷凍装置を対象とし
たが、逆回転すれば逆方向にガスが流れ、吸入室へ直接
吸入ガスを導入するような他の形式の圧縮機を用いた冷
凍サイクルへも応用できるものである。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、冷凍サイクルを長
時間停止した時に圧縦機の吸入管路に冷媒液が寝込んで
も、起動時に一旦それを排除する運転ができるので、起
動時の液圧縮がなくなり、過負荷や過大圧力による軸
受,電動機,圧縮部などの破損を防止することができ
る。
又、圧縮室が真空にならず、過大なトルクを生じること
がなく、スムーズに回転でき、効果的に液を排除でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第9図は本発明の夫々異なる実施例を示すス
クロール圧縮機の断面図に冷凍サイクルを接続した構成
図である。 1……圧縮機密閉容器、2……固定スクロール、3……
旋回スクロール、11……吸入管、17……吐出管、18……
四方弁、19……利用側熱交換器、20……膨張弁、21……
熱源側熱交換器、22……電源、23……正逆回転制御手
段、24……逆回転運転期間決定手段、25,26,28……温度
検出手段、27……タイマー、29,30……ファン、31,32,3
4,35,36,37,38,39……逆止弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 好勝 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所機械研究所内 (72)発明者 椎林 正夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所機械研究所内 (72)発明者 小国 研作 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−190591(JP,A) 特開 昭58−172482(JP,A) 特開 昭57−5592(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板に直立に形成した渦巻き状のラップか
    らなる固定スクロールと、該固定スクロールに組合され
    圧縮室を形成する鏡板に直立に形成した渦巻き状のラッ
    プからなる旋回スクロールと、該旋回スクロールを固定
    スクロールに対して旋回運動させるための自転防止部材
    と、該旋回スクロールを駆動するための電動機と駆動軸
    とを備え、前記旋回スクロールの背面側に設けられた背
    面室と前記圧縮室とを連絡する背圧口を具備したスクロ
    ール圧縮機を用いた冷凍装置であって、冷凍装置の起動
    時に、まず圧縮機の駆動軸を正規の回転時とは逆回転で
    起動し、所定時間運転の後停止し、正規の回転で再起動
    して冷凍装置の運動を行なうことを特徴とするスクロー
    ル圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法。
  2. 【請求項2】前記冷凍装置の制御指令によりオン−オフ
    運転中のスクロール圧縮機の起動においては、正規の回
    転で起動することを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法。
  3. 【請求項3】前記起動時の逆回転を圧縮機近傍の吸入管
    路の代表部温度が熱源側熱交換器の代表部温度より低い
    ときに行なうことを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法。
  4. 【請求項4】前記起動時の逆回転の期間を圧縮機又は冷
    凍サイクルの一部に設置された温度検出手段により得ら
    れた温度により決定することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の
    起動方法。
  5. 【請求項5】前記冷凍装置が、ヒートポンプ式冷凍サイ
    クルであって、前記起動時の逆回転時には冷凍装置の四
    方弁を正規運転時と逆の回路側に切り換え、正規の回転
    で起動するときは正規の回路側に切り換えることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載のスクロール圧縮機
    を用いた冷凍装置の起動方法。
  6. 【請求項6】逆回転の期間はタイマーで制御されること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のスクロール圧
    縮機を用いた冷凍装置の起動方法。
  7. 【請求項7】逆回転中は圧縮機の吸入管に連なる熱交換
    器の送風機は停止しておくことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の
    起動方法。
  8. 【請求項8】逆回転中には圧縮機の吸入管に連なる熱交
    換器の一部と吐出管に連なる熱交換器及び膨張弁をバイ
    パスする管路が開通することを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起
    動方法。
  9. 【請求項9】吸入管の一部に圧縮機側へ向ってのみ流れ
    る逆止弁を設け、この逆止弁より圧縮機寄りの吸入管と
    吐出管とを逆止弁を介して連通したことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のスクロール圧縮機を用いた冷
    凍装置の起動方法。
  10. 【請求項10】吸入管の一部と吐出管の一部にそれぞれ
    逆止弁を設け、それぞれの逆止弁の上流側同志及び下流
    側同志を吐出管側へのみ吐出する逆止弁を介してそれぞ
    れ連通する通路を設けたことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のスクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起
    動方法。
JP5447985A 1985-03-20 1985-03-20 スクロール圧縮機を用いた冷凍装置の起動方法 Expired - Lifetime JPH0776640B2 (ja)

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