JPH0776633A - 低発熱性ゴム組成物 - Google Patents
低発熱性ゴム組成物Info
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- JPH0776633A JPH0776633A JP24605493A JP24605493A JPH0776633A JP H0776633 A JPH0776633 A JP H0776633A JP 24605493 A JP24605493 A JP 24605493A JP 24605493 A JP24605493 A JP 24605493A JP H0776633 A JPH0776633 A JP H0776633A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来技術では作業性の悪化を十分に抑制し得
ない一部のジエン系重合体ゴムを多量に含む低発熱性ゴ
ム組成物配合系に対し、低発熱性を維持しながらその作
業性を大幅に改善することにある。 【構成】 主鎖中にビニル基を有する結合単位を10%
以上含むジエン系重合体を30重量部以上含んだゴム成
分100重量部に対して、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾール0.1〜2.0重量部と、特定
アミン0.1〜5.0重量部と、特定の老化防止剤化合
物群より選ばれた少なくとも1種の化合物0.2〜5.
0重量部とが配合されているゴム組成物である。
ない一部のジエン系重合体ゴムを多量に含む低発熱性ゴ
ム組成物配合系に対し、低発熱性を維持しながらその作
業性を大幅に改善することにある。 【構成】 主鎖中にビニル基を有する結合単位を10%
以上含むジエン系重合体を30重量部以上含んだゴム成
分100重量部に対して、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾール0.1〜2.0重量部と、特定
アミン0.1〜5.0重量部と、特定の老化防止剤化合
物群より選ばれた少なくとも1種の化合物0.2〜5.
0重量部とが配合されているゴム組成物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低発熱性ゴム組成物に関
し、特に、従来の低発熱性ゴム組成物よりも更に低発熱
性および作業性が改良されたゴム組成物に関するもので
ある。
し、特に、従来の低発熱性ゴム組成物よりも更に低発熱
性および作業性が改良されたゴム組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】省資源、省エネルギーの社会的要請に対
応するため、ゴム業界、特にタイヤ業界において、ここ
数年来、低燃費タイヤの開発が盛んになってきた。低燃
費タイヤの開発には低発熱性ゴム組成物が不可欠であ
り、例えば配合薬品による低発熱性ゴム組成物の改良技
術が知られている。特に、特開平1−207337号公
報には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール等のチアジアゾール化合物を配合することにより
低発熱性を大幅に改良することができる技術が開示され
ている。
応するため、ゴム業界、特にタイヤ業界において、ここ
数年来、低燃費タイヤの開発が盛んになってきた。低燃
費タイヤの開発には低発熱性ゴム組成物が不可欠であ
り、例えば配合薬品による低発熱性ゴム組成物の改良技
術が知られている。特に、特開平1−207337号公
報には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジア
ゾール等のチアジアゾール化合物を配合することにより
低発熱性を大幅に改良することができる技術が開示され
ている。
【0003】しかし、2,5−ジメルカプト−1,3,
4−チアジアゾールは、より高部数配合する場合には、
この化合物の2つのチオール基が架橋反応を起こしてし
まうため、ムーニー粘度の上昇を招き、作業性の著しい
悪化は避けられなかった。
4−チアジアゾールは、より高部数配合する場合には、
この化合物の2つのチオール基が架橋反応を起こしてし
まうため、ムーニー粘度の上昇を招き、作業性の著しい
悪化は避けられなかった。
【0004】本発明者らは、先にこの点を克服するため
に検討した結果、2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾールを式R1 R2 R3 N(式中、R1 および
R2は夫々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R3 は炭
素数8〜18のアルキル基またはアリール基を示す)で
表されるアミンでマスキングすることにより作業性が改
善され、更に一部のゴムポリマーに対しては、低発熱性
改良効果も高まることを見出し、この点について報告を
行っている(国際公開WO92/00350)。
に検討した結果、2,5−ジメルカプト−1,3,4−
チアジアゾールを式R1 R2 R3 N(式中、R1 および
R2は夫々独立に炭素数1〜4のアルキル基、R3 は炭
素数8〜18のアルキル基またはアリール基を示す)で
表されるアミンでマスキングすることにより作業性が改
善され、更に一部のゴムポリマーに対しては、低発熱性
改良効果も高まることを見出し、この点について報告を
行っている(国際公開WO92/00350)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、地球温暖化防止
のために車の低燃費化が一層要求されるようになってき
ており、このような要求に対して2,5−ジメルカプト
−1,3,4−チアジアゾールを様々なジエン系ゴム配
合物に配合することが望まれている。しかし、一部のジ
エン系重合体配合系では、例えアミンによるマスキング
を行ってもムーニー粘度値の上昇を十分に抑えることが
できないことが分かった。
のために車の低燃費化が一層要求されるようになってき
ており、このような要求に対して2,5−ジメルカプト
−1,3,4−チアジアゾールを様々なジエン系ゴム配
合物に配合することが望まれている。しかし、一部のジ
エン系重合体配合系では、例えアミンによるマスキング
を行ってもムーニー粘度値の上昇を十分に抑えることが
できないことが分かった。
【0006】そこで、本発明の目的は、アミンにより
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
マスキングしても作業性の悪化を十分に抑制し得ないジ
エン系重合体ゴムを多量に含む低発熱性ゴム組成物配合
系に対し、低発熱性を維持しながらその作業性を大幅に
改善することにある。
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
マスキングしても作業性の悪化を十分に抑制し得ないジ
エン系重合体ゴムを多量に含む低発熱性ゴム組成物配合
系に対し、低発熱性を維持しながらその作業性を大幅に
改善することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討したところ、まず、主鎖中に次
式、
を解決すべく鋭意検討したところ、まず、主鎖中に次
式、
【化4】 で表されるビニル基結合部を10%以上含むジエン系重
合体を30重量部以上含んだゴム成分系においては、特
定のアミン化合物により2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールをマスキングしても作業性の悪
化を十分に改善し得ないことを突き止めた。次に、かか
るゴム成分系に対しては2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールと、特定のアミンとともに、特
定の老化防止剤化合物を所定量配合することにより、作
業性が良好で低ロス性も良好なゴム組成物が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
合体を30重量部以上含んだゴム成分系においては、特
定のアミン化合物により2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールをマスキングしても作業性の悪
化を十分に改善し得ないことを突き止めた。次に、かか
るゴム成分系に対しては2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールと、特定のアミンとともに、特
定の老化防止剤化合物を所定量配合することにより、作
業性が良好で低ロス性も良好なゴム組成物が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の低発熱性ゴム組成物
は、主鎖中に次式、
は、主鎖中に次式、
【化5】 で表されるビニル基結合部を10%以上含むジエン系重
合体を30重量部以上含んだゴム成分100重量部に対
して、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ール0.1〜2.0重量部と、次式、
合体を30重量部以上含んだゴム成分100重量部に対
して、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ール0.1〜2.0重量部と、次式、
【化6】 (式中、R1 およびR2 は夫々独立に炭素数1〜4のア
ルキル基、R3 は炭素数8〜18のアルキル基またはア
リール基を示す)で表されるアミン0.1〜5.0重量
部と、次式、
ルキル基、R3 は炭素数8〜18のアルキル基またはア
リール基を示す)で表されるアミン0.1〜5.0重量
部と、次式、
【化7】
【化8】 (式中、nは1〜4の整数、R4およびR12は個々に炭
素数1〜18の鎖状アルキル基であって、基鎖中に−S
−基を含んでいてもよく、R5、R6、R7、R8およびR
9は個々に水素原子または炭素1〜4の鎖状アルキル
基、R10およびR11は個々に炭素数1〜18の鎖状アル
キル基を示す)で表される老化防止剤化合物群より選ば
れた少なくとも1種の化合物0.2〜5.0重量部とが
配合されていることを特徴とするものである。
素数1〜18の鎖状アルキル基であって、基鎖中に−S
−基を含んでいてもよく、R5、R6、R7、R8およびR
9は個々に水素原子または炭素1〜4の鎖状アルキル
基、R10およびR11は個々に炭素数1〜18の鎖状アル
キル基を示す)で表される老化防止剤化合物群より選ば
れた少なくとも1種の化合物0.2〜5.0重量部とが
配合されていることを特徴とするものである。
【0009】本発明のゴム組成物において、主鎖中に上
記式(1)で表されるビニル基結合部を10%以上含む
ジエン系重合体とは、具体的にはスチレン−ブタジエン
共重合体や、ブタジエン重合体のことである。
記式(1)で表されるビニル基結合部を10%以上含む
ジエン系重合体とは、具体的にはスチレン−ブタジエン
共重合体や、ブタジエン重合体のことである。
【0010】上記式(2)で表されるアミン化合物とし
ては、N,N−ジメチルオクタデシルアミンやN,N−
ジメチルアニリン等を挙げることができる。
ては、N,N−ジメチルオクタデシルアミンやN,N−
ジメチルアニリン等を挙げることができる。
【0011】また、上記式(3)〜(7)で表される代
表的化合物としては夫々3−n−ドデシルチオプロピオ
ン酸グリコールエステル、1,11−ビス(3,5−t
−ブチル−4−フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデ
カジオン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−
o−クレゾール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノ
ール、2,6−ジブチル−4−エチルフェノール、トリ
ス(ノニルフェニル)ホスファイト等を挙げることがで
きる。
表的化合物としては夫々3−n−ドデシルチオプロピオ
ン酸グリコールエステル、1,11−ビス(3,5−t
−ブチル−4−フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデ
カジオン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−
o−クレゾール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノ
ール、2,6−ジブチル−4−エチルフェノール、トリ
ス(ノニルフェニル)ホスファイト等を挙げることがで
きる。
【0012】本発明のゴム組成物には、必要に応じて補
強性充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促
進助剤、加硫剤等の通常ゴム工業で使用される配合剤を
適宜配合することができる。
強性充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促
進助剤、加硫剤等の通常ゴム工業で使用される配合剤を
適宜配合することができる。
【0013】
【作用】本発明者らは、アミン化合物でマスキングした
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
配合することにより作業性が悪化するジエン系重合体
は、主鎖中に上記式(1)で表されるビニル基結合部を
10%以上含むジエン系重合体であることに注目し、
N,N−ジメチルオクタデシルアミンでマスキングした
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの
配合系およびコントロールとしての無配合系におけるス
チレン−ブタジエンゴム中での当該ビニル基結合部量
(モノマー比をIR法にて定量)とムーニー粘度値との
関係を求めた。
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
配合することにより作業性が悪化するジエン系重合体
は、主鎖中に上記式(1)で表されるビニル基結合部を
10%以上含むジエン系重合体であることに注目し、
N,N−ジメチルオクタデシルアミンでマスキングした
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの
配合系およびコントロールとしての無配合系におけるス
チレン−ブタジエンゴム中での当該ビニル基結合部量
(モノマー比をIR法にて定量)とムーニー粘度値との
関係を求めた。
【0014】ここで、ビニル基結合部量とは、ビニル基
結合部量(%)=(上記式(1)で表されるビニル基結
合形態となったブタジエンのモノマー数)/(スチレン
−ブタジエン共重合体中におけるスチレンおよびブタジ
エン夫々のモノマーの合計数)で表わされる。
結合部量(%)=(上記式(1)で表されるビニル基結
合形態となったブタジエンのモノマー数)/(スチレン
−ブタジエン共重合体中におけるスチレンおよびブタジ
エン夫々のモノマーの合計数)で表わされる。
【0015】得られた結果を図1に示す。図中、○はコ
ントロールの「無配合系」を、また□は2,5−ジメル
カプト−1,3,4−チアジアゾール0.25部とN,
N−ジメチルオクタデシルアミン0.5部とを配合した
「配合系」である。
ントロールの「無配合系」を、また□は2,5−ジメル
カプト−1,3,4−チアジアゾール0.25部とN,
N−ジメチルオクタデシルアミン0.5部とを配合した
「配合系」である。
【0016】図1より、ビニル基結合部量が多くなるの
に伴い「無配合系」と「配合系」とのムーニー粘度の差
が大きくなり、「配合系」では作業性の悪化が著しくな
ることが分かる。しかし、ビニル基結合部量が10%未
満の場合には作業性の悪化は観られない。このことか
ら、鎖中のビニル基に起因するゲル化反応が2,5−ジ
メルカプト−1,3,4−チアジアゾールにより促進さ
れ、それによってムーニー粘度値が上昇すると考えられ
る。
に伴い「無配合系」と「配合系」とのムーニー粘度の差
が大きくなり、「配合系」では作業性の悪化が著しくな
ることが分かる。しかし、ビニル基結合部量が10%未
満の場合には作業性の悪化は観られない。このことか
ら、鎖中のビニル基に起因するゲル化反応が2,5−ジ
メルカプト−1,3,4−チアジアゾールにより促進さ
れ、それによってムーニー粘度値が上昇すると考えられ
る。
【0017】そこで本発明者らは、ビニル基に起因する
ゲル化反応を抑制しつつ、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールの低ロス効果を損なわないゲル
化抑制剤を求めて更に検討を行ったところ、特定の老化
防止剤化合物群にその機能を有するものがあることを見
出した。それが上記(3)〜(7)で表される化合物群
である。
ゲル化反応を抑制しつつ、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールの低ロス効果を損なわないゲル
化抑制剤を求めて更に検討を行ったところ、特定の老化
防止剤化合物群にその機能を有するものがあることを見
出した。それが上記(3)〜(7)で表される化合物群
である。
【0018】主鎖中に上記式(1)で表されるビニル基
結合部が10%未満の場合には、上述したように、2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールによる
ムーニー粘度値の上昇が小さいため、上記式(3)〜
(7)で表される化合物の添加効果も小さくなる。従っ
て、本発明は、上記式(1)で表されるビニル基結合部
を10%以上含むジエン系重合体、もしくはこれを30
重量部以上含んだブレンドゴムに対して適用されること
になる。
結合部が10%未満の場合には、上述したように、2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールによる
ムーニー粘度値の上昇が小さいため、上記式(3)〜
(7)で表される化合物の添加効果も小さくなる。従っ
て、本発明は、上記式(1)で表されるビニル基結合部
を10%以上含むジエン系重合体、もしくはこれを30
重量部以上含んだブレンドゴムに対して適用されること
になる。
【0019】本発明のゴム組成物における配合剤の配合
量については、ゴム成分100重量部に対して2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの配合量が
0.1重量部未満、または上記式(2)〜(7)で表さ
れる化合物の配合量が0.2重量部未満では、ゴム組成
物の低発熱性に対する改良相乗効果が期待できず、一
方、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルの配合量が2.0重量部を超えるか、もしくは(2)
〜(7)で表される化合物の配合量が5.0重量部を超
える場合には、ゴム組成物の一層の低発熱性改良効果が
認められないだけでなく、ゴム組成物の機械的特性が低
下するので、好ましくない。
量については、ゴム成分100重量部に対して2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの配合量が
0.1重量部未満、または上記式(2)〜(7)で表さ
れる化合物の配合量が0.2重量部未満では、ゴム組成
物の低発熱性に対する改良相乗効果が期待できず、一
方、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルの配合量が2.0重量部を超えるか、もしくは(2)
〜(7)で表される化合物の配合量が5.0重量部を超
える場合には、ゴム組成物の一層の低発熱性改良効果が
認められないだけでなく、ゴム組成物の機械的特性が低
下するので、好ましくない。
【0020】好ましくは、2,5−ジメルカプト−1,
3,4−チアジアゾールの配合量が0.2〜1.5重量
部、上記式(2)で表されるアミンの配合量が0.2〜
3.0重量部、並びに上記式(3)〜(7)で表される
化合物のうち少なくとも1種の化合物が0.4〜4.0
重量部の範囲内である。
3,4−チアジアゾールの配合量が0.2〜1.5重量
部、上記式(2)で表されるアミンの配合量が0.2〜
3.0重量部、並びに上記式(3)〜(7)で表される
化合物のうち少なくとも1種の化合物が0.4〜4.0
重量部の範囲内である。
【0021】本発明のゴム組成物においては、補強性充
填剤としてカーボンブラック等を配合することが好まし
く、その配合量は20〜100重量部の範囲内であるこ
とが好ましい。かかる配合量が20重量部未満ではゴム
組成物の補強性が劣り、一方、100重量部を超えると
低発熱性が著しく悪化するばかりでなく、耐摩耗性等の
物性も著しく悪化する。
填剤としてカーボンブラック等を配合することが好まし
く、その配合量は20〜100重量部の範囲内であるこ
とが好ましい。かかる配合量が20重量部未満ではゴム
組成物の補強性が劣り、一方、100重量部を超えると
低発熱性が著しく悪化するばかりでなく、耐摩耗性等の
物性も著しく悪化する。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明する。下記の表1および表2に示す配合処方
(重量部)にて各種試験用ゴム組成物を調製した。な
お、表2に示す各実施例の老化防止剤化合物としては、
以下に示すものを各々使用した。
的に説明する。下記の表1および表2に示す配合処方
(重量部)にて各種試験用ゴム組成物を調製した。な
お、表2に示す各実施例の老化防止剤化合物としては、
以下に示すものを各々使用した。
【0023】化合物A:2,4−ビス[(オクチルチ
オ)メチル]−o−クレゾール 化合物B:3−n−ドデシルチオプロピオン酸グリコー
ルエステル 化合物C:1,11−ビス(3,5−t−ブチル−4−
フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデカジオン 化合物D:2,6−ジブチル−4−メチルフェノール 化合物E:2,6−ジブチル−4−エチルフェノール 化合物F:トリス(ノニルフェニル)ホスファイト 化合物G:1−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン 化合物H:2,5−ジブチルハイドロキノン
オ)メチル]−o−クレゾール 化合物B:3−n−ドデシルチオプロピオン酸グリコー
ルエステル 化合物C:1,11−ビス(3,5−t−ブチル−4−
フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデカジオン 化合物D:2,6−ジブチル−4−メチルフェノール 化合物E:2,6−ジブチル−4−エチルフェノール 化合物F:トリス(ノニルフェニル)ホスファイト 化合物G:1−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン 化合物H:2,5−ジブチルハイドロキノン
【0024】得られたゴム組成物に対してムーニー粘度
値および損失係数tanδ値を求めた。ムーニー粘度値
は、L型ローターを用いて130±1℃で計測した。ま
た、tanδはレオメトリクス社製粘弾性測定試験機を
用いて動的歪1%、60℃の条件下で測定した。なお、
加硫条件は、レオメータにてトルク値が最大値となる時
間の1.2倍の時間で加硫することとした。試料はチャ
ック間長さ20mm、幅4mm、厚さ2mmの短冊状と
した。得られた結果を下記の表1および表2に併記す
る。
値および損失係数tanδ値を求めた。ムーニー粘度値
は、L型ローターを用いて130±1℃で計測した。ま
た、tanδはレオメトリクス社製粘弾性測定試験機を
用いて動的歪1%、60℃の条件下で測定した。なお、
加硫条件は、レオメータにてトルク値が最大値となる時
間の1.2倍の時間で加硫することとした。試料はチャ
ック間長さ20mm、幅4mm、厚さ2mmの短冊状と
した。得られた結果を下記の表1および表2に併記す
る。
【0025】
【表1】
【0026】1)旭化成(株)製 溶液重合スチレン−
ブタジエンゴム スチレン25%,ビニル13%(ビニル基結合形態のモ
ノマー比:9.8%) 2)日本合成ゴム(株)製 溶液重合スチレン−ブタジ
エンゴム スチレン24%,ビニル39%(同モノマー比:29.
6%) 3)日本合成ゴム(株)製 溶液重合スチレン−ブタジ
エンゴム スチレン15%,ビニル57%(同モノマー比:48.
5%) ここで、ビニル基結合形態のモノマー比とは、共重合体
を形成するスチレンとブタジエンの全モル数に対する、
上記式(1)で表されるビニル基結合形態となったブタ
ジエンのモル数の占める割合を%で表示したものであ
る。4)N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド
ブタジエンゴム スチレン25%,ビニル13%(ビニル基結合形態のモ
ノマー比:9.8%) 2)日本合成ゴム(株)製 溶液重合スチレン−ブタジ
エンゴム スチレン24%,ビニル39%(同モノマー比:29.
6%) 3)日本合成ゴム(株)製 溶液重合スチレン−ブタジ
エンゴム スチレン15%,ビニル57%(同モノマー比:48.
5%) ここで、ビニル基結合形態のモノマー比とは、共重合体
を形成するスチレンとブタジエンの全モル数に対する、
上記式(1)で表されるビニル基結合形態となったブタ
ジエンのモル数の占める割合を%で表示したものであ
る。4)N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド
【0027】
【表2】
【0028】比較例1〜6から次のことが確認された。
まず、比較例1と比較例4との比較から、ビニル基結合
部の割合が低いスチレンーブタジエンゴムでは2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールによるムー
ニー粘度値の上昇の程度は小さいことが分かる。これに
対し、比較例2と比較例5との比較および比較例3と比
較例6との比較から、スチレンーブタジエンゴムのビニ
ル基結合部の割合が高くなるにつれ、例えアミンで2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールをマス
キングしてもムーニー粘度値の顕著な上昇が認められ
る。この現象は、比較例7および比較例8から分かるよ
うに、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ールの増量や、アミンの無添加により一層激しく起こ
る。
まず、比較例1と比較例4との比較から、ビニル基結合
部の割合が低いスチレンーブタジエンゴムでは2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールによるムー
ニー粘度値の上昇の程度は小さいことが分かる。これに
対し、比較例2と比較例5との比較および比較例3と比
較例6との比較から、スチレンーブタジエンゴムのビニ
ル基結合部の割合が高くなるにつれ、例えアミンで2,
5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールをマス
キングしてもムーニー粘度値の顕著な上昇が認められ
る。この現象は、比較例7および比較例8から分かるよ
うに、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ
ールの増量や、アミンの無添加により一層激しく起こ
る。
【0029】上述のように、これまでは、例えアミンで
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
マスキングしても、スチレンーブタジエンゴムのビニル
基結合部の割合が高くなると、比較例6に観られるよう
にムーニー粘度値の上昇に伴う作業性の悪化は避けられ
なかった。
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを
マスキングしても、スチレンーブタジエンゴムのビニル
基結合部の割合が高くなると、比較例6に観られるよう
にムーニー粘度値の上昇に伴う作業性の悪化は避けられ
なかった。
【0030】ところが、比較例6の配合系に2,4−ビ
ス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(実施
例1)、3−n−ドデシルチオプロピオン酸グリコール
エステル(実施例2)、1,11−ビス(3,5−t−
ブチル−4−フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデカ
ジオン(実施例3)、2,6−ジブチル−4−メチルフ
ェノール(実施例4)、2,6−ジブチル−4−エチル
フェノール(実施例5)、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト(実施例6)を夫々1重量部加えたものは、
低ロス性を維持しながらも低いムーニー粘度値をとり、
作業性の改善が図れることが分かった。
ス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(実施
例1)、3−n−ドデシルチオプロピオン酸グリコール
エステル(実施例2)、1,11−ビス(3,5−t−
ブチル−4−フェニル)−6−チオ−3,9−ウンデカ
ジオン(実施例3)、2,6−ジブチル−4−メチルフ
ェノール(実施例4)、2,6−ジブチル−4−エチル
フェノール(実施例5)、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト(実施例6)を夫々1重量部加えたものは、
低ロス性を維持しながらも低いムーニー粘度値をとり、
作業性の改善が図れることが分かった。
【0031】このような改善効果は、他の老化防止剤、
例えばフェノール系老化防止剤であっても2,5−ジブ
チルハイドロキノン(比較例10)では殆ど観られず、
またアミン系老化防止剤のN−(1,3−ジメチルブチ
ル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(比較
例9)でも小さなものであった。
例えばフェノール系老化防止剤であっても2,5−ジブ
チルハイドロキノン(比較例10)では殆ど観られず、
またアミン系老化防止剤のN−(1,3−ジメチルブチ
ル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(比較
例9)でも小さなものであった。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のゴム
組成物においては、上記一般式(1)の構造を有するビ
ニル基結合部を10%以上含むジエン系重合体に対し
て、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルと、特定のアミン化合物と、特定の老化防止剤化合物
群より選ばれた少なくとも1種の化合物とが配合されて
いることによって、従来の低発熱性ゴム組成物では得ら
れない低発熱性改良効果と作業性の改良効果が同時に得
られるものであり、低発熱性ゴムとして広範囲の分野で
利用価値が極めて大きいといえる。
組成物においては、上記一般式(1)の構造を有するビ
ニル基結合部を10%以上含むジエン系重合体に対し
て、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルと、特定のアミン化合物と、特定の老化防止剤化合物
群より選ばれた少なくとも1種の化合物とが配合されて
いることによって、従来の低発熱性ゴム組成物では得ら
れない低発熱性改良効果と作業性の改良効果が同時に得
られるものであり、低発熱性ゴムとして広範囲の分野で
利用価値が極めて大きいといえる。
図1は、ビニル基結合部量(%)とムーニー粘度値との
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/49 KDU
Claims (1)
- 【請求項1】 主鎖中に次式、 【化1】 で表されるビニル基結合部を10%以上含むジエン系重
合体を30重量部以上含んだゴム成分100重量部に対
して、 2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
0.1〜2.0重量部と、 次式、 【化2】 (式中、R1 およびR2 は夫々独立に炭素数1〜4のア
ルキル基、R3 は炭素数8〜18のアルキル基またはア
リール基を示す)で表されるアミン0.1〜5.0重量
部と、 次式、 【化3】 (式中、nは1〜4の整数、R4およびR12は個々に炭
素数1〜18の鎖状アルキル基であって、基鎖中に−S
−基を含んでいてもよく、R5、R6、R7、R8およびR
9は個々に水素原子または炭素1〜4の鎖状アルキル
基、R10およびR11は個々に炭素数1〜18の鎖状アル
キル基を示す)で表される化合物群より選ばれた少なく
とも1種の老化防止剤化合物0.2〜5.0重量部とが
配合されていることを特徴とする低発熱性ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24605493A JPH0776633A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低発熱性ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24605493A JPH0776633A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低発熱性ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0776633A true JPH0776633A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=17142781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24605493A Pending JPH0776633A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 低発熱性ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0776633A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013507471A (ja) * | 2009-10-08 | 2013-03-04 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | チアジアゾールを含むゴム組成物 |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP24605493A patent/JPH0776633A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013507471A (ja) * | 2009-10-08 | 2013-03-04 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | チアジアゾールを含むゴム組成物 |
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