JPH0776276B2 - 繊維補強pvcシートの製造方法 - Google Patents

繊維補強pvcシートの製造方法

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JPH0776276B2
JPH0776276B2 JP2069956A JP6995690A JPH0776276B2 JP H0776276 B2 JPH0776276 B2 JP H0776276B2 JP 2069956 A JP2069956 A JP 2069956A JP 6995690 A JP6995690 A JP 6995690A JP H0776276 B2 JPH0776276 B2 JP H0776276B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、機械的性質に優れた繊維補強PVCシートの製
造方法に関するものである。
(従来の技術) ポリ塩化ビニル樹脂は汎用プラスチックのなかで、耐
水、耐薬品性、難燃性に優れ、機械的性質も良好で価格
も比較的安価なので建築部材として使われている。近年
は、ガラス繊維などのマット、不織布、ロービングなど
にポリ塩化ビニル樹脂を含浸したプリプレグシートを用
いて、複合成形体を製造する技術について多くの研究が
なされてきた。そして、ガラスロービング強化長繊維当
を一方向に配向分散したポリ塩化ビニル樹脂もくしはそ
の共重合体を芯材層とし、その両面に硬質塩化ビニル樹
脂層を被覆することにより、低伸縮、高弾性、耐水、耐
薬品性という長所が成形体に発現されているとともに、
その繊維強化シートを多層積層することで強度、剛性に
優れた構造材料が得られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、ポリ塩化ビニル樹脂は熱分解しやすいところ
から、ポリ塩化ビニル樹脂エマルジョンもしくは可塑剤
にて希釈したペーストを繊維に含浸加熱してシートに成
形していた。しかし、このようなシートの成形では、前
者はゲル化に、後者は樹脂の軟質化のために各種の溶液
を使用するので、繊維補強PVCシートは、繊維配向と直
角方向の強度、耐衝撃性、剛性が本来硬質ポリ塩化ビニ
ル樹脂が持つものに比べて低かった。また、ポリ塩化ビ
ニル樹脂粉体を粉のまま含浸し加熱しシート化する方法
も知られているが、これもゲル化に問題があり、所望の
性能がなかなか得られないものであった。
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、その目
的とするところは、強度、耐衝撃性、剛性が十分に改善
された繊維補強PVCシートの製造方法を提供することに
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明による繊維補強PVCシートの製造方法は、連続す
る多数の長繊維集合体を、開繊しながら該長繊維集合体
に粒子径20μm以下に粉砕した後造粒して粒子径100〜2
00μmとしたポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする配合物
を含浸し、加熱加圧してシート化することを特徴とす
る。
本発明に用いられる長繊維集合体は、モノフィラメント
等の長繊維が集合したもので、長繊維とは10mm以上の繊
維をいい、10mm以下だと成形体中の繊維配向度の低下、
含浸樹脂消費量の増加等をきたし、所望の物性が得られ
ない。繊維は、直径が数μm〜数十μmのモノフィラメ
ント数百本〜数千本が集合したロービング、ヤーン、ス
トランド、または織布、不織布、紐状、テープ状、ネッ
ト状等その名称、形状は問わず適宜にえらばれる。繊維
としては、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭
素繊維、ポリエステル繊維、エコノール繊維、ポリエチ
レン繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ケブラー繊
維、ナイロン繊維、綿等、無機繊維、有機繊維、天然繊
維、合成繊維等その材質は問わず適宜にえらばれる。こ
れらの繊維は、強化繊維モノフィラメントが収束材によ
り収束されたものを使用する場合には、収束剤の付着量
が1重量%以下、さらには0.5重量%以下であることが
好ましい。1重量%を超えると、強化繊維モノフィラメ
ント単位に開繊し分離するのが困難となる。
ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする配合物としては、ポ
リ塩化ビニル系樹脂を主要成分として懸濁重合にて得ら
えた種々の重合度のもの、グラフト重合、ブロック重合
等の共重合体等、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、エチレン
−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビ
ニル−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、用
途、必要な性能に応じて適宜選択される。また、滑剤、
安定剤、可塑剤、充填剤、改質剤等が必要に応じて適宜
添加される。
本発明において用いられるポリ塩化ビニル樹脂を主成分
とする配合物は、化学的または機械的に粉砕した後に造
粒したポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする配合物であ
る。粉砕されたものは粒子径20μm以下であればよく、
20μm以上になるとゲル化が困難になり、成形性におい
て満足するものが得られない。粉砕方法には、溶剤に溶
解させて乾燥析出後粉砕する化学粉砕でもよいし、ボー
ルミル、ジェットミル、回転ハンマー、ロールミル等の
機械的粉砕でもよい。
粒径の細かいものを得るためには適宜凍結した樹脂を粉
砕する方法がとられる。また、20μm以下のものについ
ては、より細かい粒径のものが望ましいが、前述のよう
な方法にて粉砕した場合、5μm程度が下限となりこの
程度の粒径で充分である。
粉砕されたポリ塩化ビニル樹脂を造粒する方法として
は、例えば、スーパーミキサー等で配合物を混合する際
に温度、時間を調節することで必要な粒径に凝集させる
方法が挙げられる。この時、凝集を積極的に進める方法
として、粘着性液状成分が添加される。液状成分として
は、合成樹脂、安定剤、可塑剤等の有機化合物がある。
また、粒径としては、100〜200μmである。それは、粒
子径が大きくなると、粒子のかさ比重が大きくなるた
め、流動床での樹脂流動状態が悪くなり、均一に樹脂が
含浸したシートが得られない。また、逆に粒子径が小さ
くなりすぎると、流動床での樹脂の飛散が増大し、均一
に樹脂が含浸したシートが得られない。したがって、粉
砕された粒子を造粒し、好適な粒径にしたものを適用す
ることが有用である。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
図において、1は多数のモノフィラメントからなる長繊
維集合体である強化繊維、2は強化繊維の巻かれたロー
ビングボビン、3は強化繊維1のモノフィラメントを開
繊しながら粉体状のポリ塩化ビニル樹脂4を含浸する流
動床、5は加熱圧着ロール、6は巻取りロール、7は巻
取機、8は繊維補強PVCシートである。
強化繊維1を流動床3中を通すことによりモノフィラメ
ントに開繊し、これにより粉体ポリ塩化ビニル樹脂が均
一に含浸する。ここで、強化繊維1とポリ塩化ビニル樹
脂4の含有量は適宜選択できるが、理論上繊維含有率9v
ol%程度が上限となり、それ以上の充填率になると繊維
の合着が不完全であるために所望の性能は得られない。
次いで、モノフィラメント間にポリ塩化ビニル樹脂が均
一に含浸した強化繊維1は、加熱圧着ロール5にて樹脂
が加熱圧着され、シート状に形成され、一体化されるこ
とにより繊維補強PVCシート8が製造される。また、こ
のとき繊維補強PVCシート8の厚みが規制される。得ら
れた繊維補強PVCシート8の断面図は第2図のようにな
る。
(作用) 本発明の製造方法においては、連続する長繊維集合体を
開繊しながら、該繊維に粒子径20μm以下に粉砕した後
造粒して粒子径100〜200μmとしたポリ塩化ビニル樹脂
を主成分とする配合物を含浸するものであるから、含浸
時での樹脂粒子の飛散がなく、流動状態が良好となり、
樹脂が繊維に均一に含浸される。また、一旦粒子径20μ
m以下に粉砕した後造粒したポリ塩化ビニル樹脂を主成
分とする配合物を用いているため、加熱圧着時における
ポリ塩化ビニル樹脂のゲル化が良好となり、得られる繊
維強化PVCシートの強度、耐衝撃性、剛性が十分に改善
される。
(実施例) 以下、本発明の実施例および比較例を示す。
実施例1 強化繊維には、ガラスロービング(日東紡(株)#440
0)、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする配合物として
は、信越化学(株)TK−700のポリ塩化ビニル樹脂(原
料平均粒径200μm)を20μm以下に粉砕し、これを安
定剤2phr、滑剤1phrとともにスーパーミキサーにて100
μmと造粒したものを用いた。この配合物を流動床で強
化繊維を開繊しながら強化繊維に含浸し、次いで、ロー
ル温度180℃で加熱圧着して繊維補強PVCシートを作成し
た。シートの厚みは0.5mm、ガラス繊維含有率は30vol
%、巾は300mmであった。
実施例2 ポリ塩化ビニル樹脂として、信越化学(株)#MA800Sの
塩化ビニル−酢酸ビル共重合体(原料平均粒径150μ
m)を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。
実施例3 ポリ塩化ビニル樹脂を冷凍粉砕し2μm以下にした以外
は実施例1と同様にした。
実施例4 繊維含有量が20vol%であったこと以外は実施例1と同
様にした。
比較例1 市販のポリ塩化ビニル樹脂(平均粒径200μm)をその
まま用いたこと以外は実施例1と同様にした。
比較例2 市販の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(平均粒径150
μm)をそのまま用いたこと以外は実施例2と同様にし
た。
比較例3 市販ポリ塩化ビニル樹脂(平均粒径200μm)をそのま
ま用いたこと以外は実施例5と同様にした。
上記で作成したサンプルについて、以下のように評価を
してゲル化度と繊維配向の引張強度、Dupont衝撃試験を
行った。その結果、実施例のものは比較例のものに比べ
ていずれの結果もよかった。試験結果を表−1に示し
た。
ゲル化度測定は、サンプルを溶剤浸漬前後の重量変化を
測定することにより樹脂のゲル化度を算出した。
繊維配向直角方向引張試験は、作成したサンプルをダン
ベル状に裁断し、繊維配向直角方向の引張強度を測定し
た。
Dupont衝撃試験は、作成したサンプルを20×20mmに裁断
した試料片について行った。
(発明の効果) 本発明の繊維補強PVCシートは充分ゲル化したマトリッ
クス樹脂を有するので、繊維配向と直角方向の強度、シ
ートの衝撃強度、および剛性に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の繊維補強PVCシートの製造方法の一工
程例を示す説明図、第2図は本発明により得られた繊維
補強PVCシートの断面図である。 1:強化繊維 3:流動床 4:ポリ塩化ビニル樹脂 5:加熱圧着ロール 8:繊維補強PVCシート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続する多数の長繊維集合体を、開繊しな
    がら該長繊維集合体に粒子径20μm以下に粉砕した後造
    粒して粒子径100〜200μmとしたポリ塩化ビニル樹脂を
    主成分とする配合物を含浸し、加熱圧着シート化するこ
    とを特徴とする繊維補強PVCシートの製造方法。
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